JPH1114909A - ポリマーコーティングスライドガラス - Google Patents

ポリマーコーティングスライドガラス

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JPH1114909A
JPH1114909A JP16425097A JP16425097A JPH1114909A JP H1114909 A JPH1114909 A JP H1114909A JP 16425097 A JP16425097 A JP 16425097A JP 16425097 A JP16425097 A JP 16425097A JP H1114909 A JPH1114909 A JP H1114909A
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JP
Japan
Prior art keywords
slide glass
chitosan
polymer
coating
coated
Prior art date
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Pending
Application number
JP16425097A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuaki Goto
光昭 後藤
Izumi Yamada
泉 山田
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BIO QUEST KK
Original Assignee
BIO QUEST KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】親水性の高いポリマーをスライドガラス表面に
コーティングして、染色などに際して細胞のスライドガ
ラスからの剥離を防止でき、高度な専門技術を要するこ
となく安定に細胞を固定することができるポリマーコー
ティングスライドガラスを提供する。 【解決手段】キトサンまたはポリアクリルアミンをスラ
イドグラス表面にコーティングする。かくして得られた
スライドガラスは、ポリリジンをコーティングした従来
のスライドガラスに比べて安価であり、しかもこれと同
等の安定した細胞固定能力を備え、良好な染色像を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞診断検査など
に際して採取細胞や組織切片を安定に固定するために、
表面をポリマーでコーティングしたポリマーコーティン
グスライドガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞診断検査は、種々の採取細胞あるい
は組織切片から悪性細胞や悪性組織を検出する方法とし
て広く用いられている。この検査に際しては、採取細胞
あるいは組織切片をスライドガラス面上に固定したの
ち、種々の方法で染色を施して検鏡する。
【0003】この染色の際、スライドガラス面上に固定
した細胞や組織片が剥離しやすいため、固定を確実にす
るために、塩基性のアミノ酸重合体であるポリリジンな
どのポリマーをスライドガラス表面に予めコーティング
したポリマーコーティングスライドガラスが使用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たごとき従来のポリリジンコーティングスライドガラス
は、高価であるとともに、撥水性が比較的高いため、細
胞を剥離しないように安定に固定するには、高度な専門
技術が必要となる。
【0005】そこで本発明は、親水性の高いポリマーを
スライドガラス表面にコーティングして、染色などに際
して細胞のスライドガラスからの剥離を防止でき、高度
な専門技術を要することなく安定に細胞を固定すること
ができる、新規かつ改良されたポリマーコーティングス
ライドガラスを提供することを目的としてなされたもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、細胞
または組織切片を安定に固定するためにポリマーを表面
にコーティングしたスライドガラスにおいて、ポリマー
としてキトサンまたはポリアリルアミンをコーティング
したことを特徴とするポリマーコーティングスライドガ
ラスである。
【0007】本発明でコーティング剤として用いるキト
サンおよびポリアリルアミンは、いずれもカチオン性の
アミノ基を有するポリマーであり、アニオン電荷をもつ
スライドガラス表面とイオン結合により確実な被覆がな
される。そしてスライドガラス表面のキトサンあるいは
ポリアリルアミン被覆がスライドガラス表面への細胞の
安定かつ確実な吸着をもたらすことになる。
【0008】本発明で使用されるキトサンは、いかなる
分子量のものでもよいが、通常分子量1万以上、好まし
くは5万以上のものが利用できる。また、キトサンを水
溶液として使用するためには、通常塩酸塩の形で水溶液
とすることにより低粘度の水溶液となる。キトサン水溶
液の濃度は、一般的には0.01〜0.5重量%、好ま
しくは0.1重量%程度とする。
【0009】本発明で使用されるポリアリルアミンは、
特に分子量の制限はないが、通常分子量5万以上、好ま
しくは10万以上のものが利用できる。また、ポリアリ
ルアミンの塩酸塩を用いることにより、低粘度の水溶液
となる。ポリアリルアミン水溶液の濃度は、一般的には
0.01〜0.5重量%、好ましくは0.1重量%程度
とする。
【0010】キトサンまたはポリアリルアミンの水溶液
のスライドガラス表面へのコーティング方法としては、
水溶液をスライドガラス表面に噴霧または塗布する方
法、あるいはスライドガラスを水溶液中に浸漬して取り
出す方法などが採用できる。乾燥は、布または濾紙など
で拭き取る方法や自然乾燥などが採用できる。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0012】[実施例1]キトサン(商品名“キトサン
10B”、(株)加ト吉バイオ製、分子量数十万)10
0mgを300ml容の三角フラスコに入れ、超純水1
00mlを加えた後、6N塩酸を適量添加して十分に撹
拌し、キトサン塩酸塩の水溶液とした。
【0013】かくして得られた0.1重量%のキトサン
水溶液にスライドガラスを10秒間浸漬して取り出した
後、自然乾燥して本発明のポリマーコーティングスライ
ドガラスを得た。
【0014】[実施例2]ポリアリルアミン塩酸塩(ア
ルドリッチ社製、分子量5万〜6万5千)100mgを
300ml溶の三角フラスコに入れ、超純水100ml
を加えて十分に撹拌し、ポリアリルアミン水溶液とし
た。
【0015】かくして得られた0.1重量%のポリアリ
ルアミン水溶液にスライドガラスを10秒間浸漬して取
り出した後、自然乾燥して本発明のポリマーコーティン
グスライドガラスを得た。
【0016】[実験例]実施例1および実施例2で得ら
れたポリマーコーティングスライドガラスに、文献(平
野ら共編「マニュアル実験組織化学」、発行所:丸善)
に従って肝組織を切片として固定化し、さらにヘマトキ
シリン−エオシン(HE)染色および過ヨウ素酸シッフ
(PAS)染色を行った。
【0017】また同時に、対照実験として、ポリマーコ
ーティング処理を施していないスライドガラスおよびポ
リリジンをコーティングしたスライドガラスについて
も、同様に肝組織を切片として固定化し、さらにHE染
色およびPAS染色を行った。
【0018】実験結果: コーティング処理を施してい
ないスライドガラスは、染色に際して肝組織切片の脱落
が見られたのに対して、実施例1で得られたキトサンコ
ーティングスライドガラスおよび実施例2で得られたポ
リアリルアミンコーティングスライドガラスは、ポリリ
ジンコーティングスライドガラスと同様に、肝組織切片
の剥離もなく安定に固定化していた。また染色に関して
も良好な染色像が観察され、共染も見られなかった。
【0019】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明の
ポリマーコーティングスライドガラスは、従来のポリリ
ジンコーティングスライドガラスに比べて安価であり、
しかもポリリジンコーティングスライドガラスと同等の
安定した細胞固定能力を備え、良好な染色像を得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞または組織切片を安定に固定するた
    めにポリマーを表面にコーティングしたスライドガラス
    において、ポリマーとしてキトサンをコーティングした
    ことを特徴とするポリマーコーティングスライドガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 細胞または組織切片を安定に固定するた
    めにポリマーを表面にコーティングしたスライドガラス
    において、ポリマーとしてポリアリルアミンをコーティ
    ングしたことを特徴とするポリマーコーティングスライ
    ドガラス。
JP16425097A 1997-06-20 1997-06-20 ポリマーコーティングスライドガラス Pending JPH1114909A (ja)

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