JP2002521651A - 活性ポリヒドロキシポリマーでの固体表面の被覆 - Google Patents

活性ポリヒドロキシポリマーでの固体表面の被覆

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JP2002521651A JP2000561268A JP2000561268A JP2002521651A JP 2002521651 A JP2002521651 A JP 2002521651A JP 2000561268 A JP2000561268 A JP 2000561268A JP 2000561268 A JP2000561268 A JP 2000561268A JP 2002521651 A JP2002521651 A JP 2002521651A
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Abstract

(57)【要約】 a)1.5〜10の範囲のpH及び/又は0.1〜8の範囲のイオン強度を有する水性媒体中の活性ポリヒドロキシポリマー被覆溶液を固体表面に接触させ、活性ポリヒドロキシポリマーを固体表面に結合させ;b)活性ポリヒドロキシポリマーが付着した固体表面を洗浄溶液で洗浄し;及びc)任意に、活性ポリヒドロキシポリマーが付着した固体表面を乾燥することからなり、固体表面が実質的にアミノ基、イミノ基又はチオール基を含まない、水溶性活性ポリヒドロキシポリマーで固体表面を被覆する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、例えばトレシル又はマレイミド活性デキストランなどの活性ポリヒ
ドロキシポリマーを固体表面に被覆するための簡便な方法に関する。
【0002】 親水性化学物質を固定することによって固体表面の生理化学特性を改変するこ
とは、当該技術において公知である。従来技術としては、例えば、疎水基又は電
荷基を使用して、通常は疎水性である固体表面への親水性物質の吸着を促進する
ことが挙げられる。
【0003】 本出願人による先行の国際特許出願WO94/03530には、活性ポリサッカライド
で処理することによって固体表面の親水特性を改変させることが記載されている
。この改変方法では、固体表面は、例えば過ヨウ素酸酸化デキストラン又はトレ
シル活性デキストランをそこに固定するために、例えばアミノ基又はチオール基
などの求核基を有していることが要求される。
【0004】 EP 596315 A2には、中間洗浄工程がない接触工程及び加熱工程からなる、固体
表面をジアルデヒド澱粉で被覆する方法が記載されている。ジアルデヒド澱粉は
中温加熱工程(50℃〜100℃)後、ほとんど不可逆的にいくつかのポリマーに付
着することが示されている。しかし、ジアルデヒド澱粉は加熱工程が省略された
場合、ごく簡単に洗浄され得ることも記載されている。
【0005】 WO91/05817及びWO/90/06954には、ポリアミンを吸着した表面にポリサッカラ
イドを固定することが記載され、WO91/09877には、例えば過ヨウ素酸酸化セルロ
ースエステルをアミノ基を有する表面に固定することが記載されている。
【0006】 WO92/07706には、生体ポリマーとポリイミンの共役体を、ポリイミンのアミノ
基と反応可能なアニオン基を有する固体表面に固定することが記載されている。
【0007】 WO92/03732には、種々の水溶性化合物を固体表面に固定することが記載されて
いる。この場合、水溶性化合物は吸着を促進するために疎水基を有している。
【発明の簡単な説明】
【0008】 驚くべきことに、ポリヒドロキシポリマーの固体表面への被覆は、被覆される
表面に必須の予備活性化なしに、及びポリヒドロキシポリマー中に、例えばアル
デヒド基、アミノ基又は疎水基の含有なしに、非常に簡単な方法によって達成で
きることが発見された。特に、活性ポリヒドロキシポリマー(例えばトレシル活
性デキストラン(TAD)又はマレイミド活性デキストラン(MAD)等の活性ポリサ
ッカライド)のマイクロタイタープレート(例えばポリスチレンマイクロタイタ
ープレート)への被覆が、ポリアミン又はポリイミンで表面を予備的に被覆する
ことなく、かつポリヒドロキシポリマーとポリイミン、ポリアミン及び疎水リガ
ンド等とを予備的に共役させることを必要とせずに達成することができることが
見出された。
【0009】 したがって、本発明は、水溶性活性ポリヒドロキシポリマーで固体表面を被覆
する方法を提供する。固体表面は実質的にアミノ基、イミノ基又はチオール基を
含まない。この方法は以下の工程: a)1.5〜10の範囲のpH及び/又は0.1〜8の範囲のイオン強度を有する水性媒体
中の活性ポリヒドロキシポリマー被覆溶液を固体表面に接触させ、活性ポリヒド
ロキシポリマーを固体表面に結合させ; b)活性ポリヒドロキシポリマーが付着した固体表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)任意に、活性ポリヒドロキシポリマーが付着した固体表面を乾燥することか
らなる。
【0010】 本発明はまた、官能基を他の官能基に転換するための固体表面の後処理に関す
る。さらに本発明は、得られた固体表面、生体分子を固定するためにそれを使用
すること、ならびに固定した生体分子を含む固体表面に関する。
【0011】 上記したように、本発明は活性ポリサッカライド等の活性ポリヒドロキシポリ
マーで表面を被覆する方法に関する。
【0012】 (ポリマー) ポリヒドロキシポリマーは、ポリサッカライド等の天然ポリヒドロキシ化合物
、及び、例えば、ポリビニルアルコール及びポリ(ヒドロキシメチルメタクリレ
ート)等の合成有機ポリマーのような合成ポリヒドロキシ化合物を含む。このよ
うな化合物の重要かつ共通の特徴は、比較的親水性であることであり、これは良
好な水溶性に反映される。
【0013】 天然ポリヒドロキシ化合物の実例としては、ポリサッカライド、キサンタンガ
ム等がある。合成有機ポリマーの実例としては、ポリビニルアルコール、ポリ(
ヒドロキシメチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)
、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)等ならびに相当するコポリマーが
挙げられる。
【0014】 「ポリサッカライド」という語は通常の意味、すなわち「グリコシド結合によっ
て互いに結合した9個以上の単糖が組み合わされたもの」を意味する。Hawley's
Condensed Chemical Dictionary, 11th ed., Sax and Lewis, eds., Van Nostra
nd Reinhold Co., New York, 1987参照。このようなポリサッカライドの例とし
て、デキストラン(例えばデキストラン40、デキストラン70、デキストラン75)
、アガロース、セルロース及び澱粉がある。
【0015】 本発明は、特にポリサッカライド及びポリビニルアルコール、とりわけデキス
トラン等のポリサッカライドに適用可能と考えられる。
【0016】 この天然ポリヒドロキシポリマーの(重量)平均分子量(すなわち活性化前)
は、通常少なくとも1,000であり、例えば少なくとも2,000、好ましくは2,500〜2
,000,000の範囲内、より好ましくは3,000〜1,000,000の範囲内、特に5,000〜500
,000の範囲内である。実施例において、10,000〜200,000の平均分子量を有する
ポリヒドロキシポリマーが特に有用であることが記載されている。
【0017】 ポリヒドロキシポリマーの溶解性が、ポリマーの溶媒和が固体表面への非特異
的吸着よりも優先するようであることが重要である。したがって、本発明の全て
の範囲を活用するためには、ポリヒドロキシポリマーは、少なくとも10mg/ml、
好ましくは少なくとも25 mg/ml、例えば少なくとも50 mg/ml、特に少なくとも
100 mg/ml、例えば少なくとも150 mg/mlの程度まで水溶性であることが好まし
い。デキストランは、ここに記載のように活性化されている場合でも、水溶性に
関するこの要件を満たすことが知られている。
【0018】 いくつかの最も興味深いポリヒドロキシポリマーにおいては、非活性ポリヒド
ロキシポリマー(すなわち活性化前の天然ポリヒドロキシポリマー)のC(炭素
原子)及びOH基(水酸基)の比が1.3〜2.5、例えば1.5〜2.3、好ましくは1.6〜2
.1、特に1.85〜2.05の範囲内である。特定の理論に拘束されないで、非活性ポリ
ヒドロキシポリマーのC/OH比は、親水性の極めて有用なレベルを表すと考えら
れる。ポリビニルアルコール及びポリサッカライドは、この要件を満たすポリヒ
ドロキシポリマーの例である。上記の比は、活性の割合がある程度低いことから
、活性ポリヒドロキシポリマーについてもおおよそ同じであると考えられる。
【0019】 「天然ポリヒドロキシポリマー」という語及び類似の語は、化学的改変前のポリ
ヒドロキシポリマーを意味する。したがって、天然ポリサッカライドにおいては
、実質的に全ての単糖の単位が完全であり、かつ認識可能である。
【0020】 上記のように、ポリヒドロキシポリマーは官能基(活性基)を有する。これに
より、二次分子(例えばペプチド、タンパク質、抗体、抗原、核酸等(以下参照
))の固体表面への固着が促進される。広い範囲におよぶ適用可能な官能基は当
該技術において公知であり、例えばトレシル(トリフルオロエチルスルホニル)
、マレイミド、臭化シアン、トシル(p−トルエンスルホニル)、トリフリル(
トリフルオロメタンスルホニル)、ペンタフルオロベンゼンスルホニル及びビニ
ルスルホン基がある。本発明における官能基の好ましい例としては、トレシル、
マレイミド、トシル、トリフリル、ペンタフルオロベンゼンスルホニル及びビニ
ルスルホン基であり、中でもトレシル、マレイミド及びトシル基が特に好ましい
【0021】 本発明による活性ポリヒドロキシポリマーの官能基が、天然ポリヒドロキシポ
リマーのヒドロキシ基の分画を介してポリヒドロキシポリマーに結合することが
有利であると考えられる。したがって、天然ポリヒドロキシポリマーの骨格構造
は実質的に活性化に影響されないことが好ましい。
【0022】 したがって、例えばポリサッカライドの過ヨウ素酸酸化によって生じるアルデ
ヒド官能性は、ジオールを酸化して2個のアルデヒド基を生じさせることがポリ
ヒドロキシポリマーの親水性を著しく減少させることから、活性ポリヒドロキシ
ポリマーの官能基として不都合であるかもしれない。したがって、ポリヒドロキ
シポリマーには、天然ポリサッカライドの官能性(通常はマスクされている)以
外のアルデヒド基が実質的に含まれないことが好ましい。特に、官能基は、ポリ
サッカライドを過剰量(すなわちサッカライド中のヒドロキシ基のモルあたり1
モル以上)の過ヨウ素酸塩で処理することによって生じるアルデヒド基でないこ
とがよい。
【0023】 さらに、上記理由により、他の官能基が、ジオールを酸化して2個のアルデヒ
ド基にすることから生じる炭素原子を介してポリヒドロキシポリマーに結合しな
いことも好ましい。したがって、本発明の範囲において使用されるポリサッカラ
イドは、官能基による活性化の前は実質的に改変されていないことが好ましい。
【0024】 本発明の方法は、固体表面にポリサッカライドを固定するために、例えば、ポ
リ-L-リジン及び他の(ポリ)アミン/(ポリ)イミンが「活性基」として使用さ
れる公知方法と同様に簡単であるので、官能基(活性基)がそれら自体でポリマ
ーではないことは上記より理解されるだろう。特に、官能基はポリエチレンイミ
ンのようなポリイミンでも、ポリ−L-リジンのようなポリアミンでもないことは
理解されたい。したがって、本発明において使用されるときは、ポリヒドロキシ
ポリマーには、好ましくはアミノ基(第一級、第二級及び第三級脂肪族及び芳香
族アミン)、イミノ基、アンモニウム基(脂肪族及びピリジニウム基等の芳香族
アンモニウム基)及びチオール基が実質的に含まれない。また、従来法において
固体表面へのポリサッカライドの固定を促進するかもしれない疎水性リガンド(
例えばフェニル、ナフチル、ピリジル及びピリドン基)は、本発明においては「
活性基」としてみなされないこと、さらにポリヒドロキシポリマーにはこの種の
基は実質的に含まれないことも理解されるだろう。
【0025】 しかし、官能基はポリヒドロキシポリマーの固体表面への吸着に何らかの形で
関連すると考えられる。これは、とりわけ、異なる官能基(トレシル及びマレイ
ミド)を有するデキストランを被覆する際の最適条件の違いによって説明される
【0026】 ポリヒドロキシポリマーは通常、当業者に公知の方法によって製造される。
【0027】 トレシル活性ポリヒドロキシポリマーは、デキストラン活性化について実施例
1に記載されるように、又はGregorius et al., J. Immunol. Meth. 181 (1995)
65-73に記載のように、塩化トレシルを用いて製造することができる。
【0028】 マレイミド活性ポリヒドロキシポリマーは、デキストラン活性化について実施
例3に記載されるように、p−マレイミドフェニルイソシアネートを使用して製
造することができる。あるいは、トレシル活性ポリヒドロキシポリマー(例えば
トレシル活性デキストラン(TAD))と、例えば1,3−ジアミノプロパンなどの過
剰のジアミン化合物(一般的にはH2N-CnH2n-NH2、式中nは1〜20、好ましくは1
〜8)との誘導体合成(derivatisation)によって、マレイミド基をデキストラ
ン等のポリヒドロキシポリマーに導入し、次いでTADに導入したアミノ基を、ス
クシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト(SMCC)、スルホ−スクシンイミジル4−(N-マレイミドメチル)シクロヘキ
サン−1−カルボキシレート(スルホ−SMCC)、スクシンイミジル4−(p−マレ
イミドフェニル)ブチレート(SMPB)、スルホ−スクシンイミジル4−(p−マレ
イミドフェニル)ブチレート(スルホ−SMPB)、N−γ−マレイミドブチリルオ
キシ−スクシンイミドエステル(GMBS)又はN−γ−マレイミドブチリルオキシ
−スルホスクシンイミドエステル等の試薬と反応させてもよい。活性化における
異なる試薬及び経路は、マレイミド官能性と活性化がそこで行われる残りの親ヒ
ドロキシ基との結合に関してわずかに異なるマレイミド活性生成物を形式的に生
じるが、全てのそれらは「マレイミド活性ポリヒドロキシポリマー」とみなされ
る。
【0029】 トシル活性ポリヒドロキシポリマーは、デキストランの活性化について実施例
2に記載されるように、塩化トシルを使用して製造することができる。トリフリ
ル及びペンタフルオロベンゼンスルホニル活性ポリヒドロキシポリマーは、例え
ば対応する酸塩化物を用いることにより、トシル又はトレシル活性類似体として
製造される。
【0030】 臭化シアン活性ポリヒドロキシポリマーは、従来法を用いてポリヒドロキシポ
リマーと臭化シアンとを反応させることによって製造することができる。得られ
た官能基は通常、ポリヒドロキシポリマーの2個のヒドロキシ基を有するシアネ
ートエステルである。
【0031】 活性化の程度は、遊離ヒドロキシ基と活性基(すなわち官能化水酸基)との比
として表すことができる。ポリヒドロキシポリマーの親水性と反応性の有利なバ
ランスを得るためには、ポリヒドロキシポリマーの遊離ヒドロキシ基と活性基と
の比は250:1から4:1の間と考えられる。この比は好ましくは100:1〜6:1、よ
り好ましくは60:1〜8:1、特に40:1〜10:1である。
【0032】 本発明の方法において使用される特に興味深い活性ポリヒドロキシポリマーは
、トレシル、トシル及びマレイミド活性ポリサッカライドであり、中でもトレシ
ル活性デキストラン(TAD)、トシル活性デキストラン(TosAD)及びマレイミド
活性デキストラン(MAD)である。
【0033】 (固体表面) ポリヒドロキシポリマーが付着する固体表面は、分析的かつ診断的分野におい
て使用される広範な種類の固体表面から選択することができるが、この固体表面
は通常、従来法において活性ポリヒドロキシポリマーでの表面の被覆を促進する
と考えられている化学的官能基(例えばアミン類、イミン類及びチオール類)が
欠如していることを特徴とする。最も重要な固体表面としては、有機ポリマー、
ガラス、セラミック及び金属の固体表面がある。
【0034】 有機ポリマーのうち、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ酢酸ビニル、ポリメ
チルペンテン、ポリビニルピロリジノン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメ
タクリレート及びポリ塩化ビニルが実例として挙げられる。ポリスチレン及びポ
リカーボネートが特に興味深い例である。
【0035】 ガラス及びセラミックのうち、例えば試験管、バイアル及び顕微鏡用スライド
形状のホウ珪酸ガラス(パイレックス(登録商標)ガラス)及びソーダ石灰ガラ スが特に適切な例である。ガラス表面は被覆前に酸で処理されていてもよい。
【0036】 金属のうち、ニッケル、鉄、銅、金、銀、アルミニウム及び鉛が最も適切な実
例である。このような表面は通常、金属酸化物を除去するために被覆前に洗浄さ
れる。
【0037】 固体表面とは、好ましくはポリスチレン本体、ポリカーボネート本体、ホウ珪
酸ガラス本体又はソーダ石灰ガラス本体の表面である。
【0038】 本体はそれ自体で形を有していてもよいし、又は特定の望ましい使用のために
設計及び成形されていてもよい。例えば、本体はシート状、フィルム状、ビーズ
状、ペレット状、ディスク状、プレート状、リング状、ロッド状、ネット状、フ
ィルター状、トレイ状、マイクロタイタープレート状、スティック状又はマルチ
ブレードのスティック状でもよい。本発明に基づいて被覆される特に興味深い本
体は、例えばポリスチレンマイクロタイタープレート等のマイクロタイタープレ
ート、スティック及びビーズである。
【0039】 この本体の表面は、この方法において使用する前に化合物を被覆することによ
って化学的に改変されていないものであることは理解されたい。特に、本体表面
はアミノ、イミノ又はチオール基を有していない。しかし、表面はその化学的及
び/又は物理的特性を改変するために照射されていてもよい(通常は酸化処理)
。ある場合には照射は無関係であり(トレシル活性デキストラン)、また別の場
合には照射はわずかに有利である(マレイミド活性デキストラン)ことが知られ
ている。
【0040】 固体表面の特に興味深い例としては、ポリスチレンマイクロタイタープレート
、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンスティック、ポリカーボネートマイクロタ
イタープレート、ガラスビーズ及びガラスプレートの表面がある。
【0041】 (方法) 上記のように、本発明の方法は若干数の工程、すなわち接触工程、洗浄工程及
び任意の乾燥工程を含む。これらの工程を以下に詳細に記載する。
【0042】 a)接触工程 活性ポリヒドロキシポリマーは本来水溶性であるため、活性ポリヒドロキシポ
リマーからなる被覆溶液は、好ましくは水溶液である。ポリヒドロキシポリマー
の他に、このような水溶液はpH調節剤及び/又はカオトロピック剤、及び任意
の1個以上の補助成分を含む。
【0043】 溶媒としては、とりわけ環境的理由、経済的理由から、さらにポリスチレン等
の多くの有機ポリマー材料はジメチルホルムアミド及びアセトン等の各種有機溶
媒によってダメージを受けることから、水が好ましい。また、有機溶媒はしばし
ば固相への物理的な非共有吸着を妨げる。したがって、溶媒には5%以下の有機
溶媒要素が含まれることが好ましく、有機溶媒要素が含まれないことがより好ま
しい。
【0044】 被覆溶液中の活性ポリヒドロキシポリマーの濃度は通常、0.001mg/ml〜5 mg/m
l、通常0.01 mg/ml〜1 mg/ml、好ましくは0.1 mg/ml〜0.5 mg/mlである。
【0045】 単位面積(処理される表面の面積)あたりの活性ポリヒドロキシポリマーの必
要量に関しては、均一な被覆を得るためには0.01〜500μg/cm2、好ましくは0.06
〜200μg/cm2、特に0.1〜50μg/cm2の範囲が適当であると考えられる。
【0046】 上記のように、固体表面に接触する被覆溶液は1.5〜10のpH及び/又は0.1〜8
のイオン強度を有する。
【0047】 所望のpH値は、活性ポリヒドロキシポリマー溶液中でpH調節剤を用いること
によって得られる。pH調節剤は、酢酸(例えば0.5%酢酸、pH2.6)、クエン酸
/リン酸緩衝液(例えば0.035Mクエン酸塩、0.075Mリン酸塩、pH5.0)、リン酸
緩衝生理食塩水(PBS)(例えば0.01Mリン酸塩、0.15M NaCl、pH7.2)又は炭酸
緩衝液(例えば0.1M炭酸塩、pH9.6)であってもよい。酸性pHが望ましい場合
には、その他のありふれた有機酸、例えば濃度0.1〜10%のギ酸、プロピオン酸
及びブタン酸、トリフルオロ酢酸(0.05〜5%)、トリクロロ酢酸(0.05〜5%)
、HCl(0.01〜1M)、H2SO4(0.01〜1M)を使用してもよい。被覆溶液のpH調整
には、「残留物」が乾燥工程で蒸発して除去されるので、酢酸及びHClがきわめて
都合がよい。
【0048】 このように、被覆溶液のpHは通常、1.5〜10、好ましくは2.0〜7.5、より好ま
しくは2.0〜5.5の範囲内である。トレシル活性ポリヒドロキシポリマーにおいて
は、等しく有利な生成物がpH値2.0〜5.5で得られることが示された。
【0049】 固体表面をトレシル活性デキストランで被覆する場合、低いpHが好ましいこ
とは図1から明らかである。トレシル基の加水分解を最小限にするために被覆時
間を少なくすれば、例えばpH 8での被覆でもうまくいくかもしれない。しかし
、大規模な製造の場合では時間枠が非常に狭いため、これは不便である。また、
トレシル活性デキストランは水中で例えば0.5%酢酸(pH約2.6)のときにきわ
めて安定であるため、これは非常に適切な溶媒組成である。
【0050】 所望のイオン強度は、活性ポリヒドロキシポリマー中にカオトロピック剤を使
用することによって得られる。カオトロピック剤は、活性ポリヒドロキシポリマ
ーの反応部位と反応する基(例えばチオール類又はアミン類)を含んではならな
いし、また固体表面への活性ポリヒドロキシポリマーの吸着にいかなる悪影響(
例えば洗剤によって経験されることがあるように)を与えてもいけない。水中0.
5M〜4MのNaClを使用すると十分な結果が得られる。又は、塩化グアニジニウム、
チオ硫酸ナトリウム及びチオシアン酸ナトリウムを使用してもよい。低濃度で使
用してもよいが、カオトロピック剤の濃度が低くなるにつれて被覆ばらつきが増
加する傾向がある。したがって、ポリヒドロキシポリマー溶液のイオン強度は、
通常0.1〜8、好ましくは0.5〜6、より好ましくは0.8〜5、特に1.2〜4である。
【0051】 推奨のpH及びイオン強度の両方を満たすために、pH調節剤をカオトロピック
剤と共同して用いてもよいことは理解されるだろう。
【0052】 助剤が被覆溶液に含まれていてもよいが、他の構成要素が含まれないことが好
ましい。全ての原料が少なくとも乾燥工程において効果的に除去されることが好
ましいからである。
【0053】 被覆時間は1分から一晩とすることができ、例えば3時間から一晩とすることが
できる。しかし、被覆時間は重要ではないと思われる。大規模な製造では、一晩
で被覆することがしばしばきわめて都合がよい。
【0054】 被覆は4℃〜56℃の温度範囲で行うことができ、等しく良好な結果が得られる
。しかし、例えばマイクロタイタープレートにおいて、ともすればマイクロタイ
タープレート中心部のウェルとマイクロタイタープレート端部に近いウェルとの
成果のばらつきをもたらす可能性のある、温度による周辺効果を低減するために
は、室温がきわめて都合がよい。また、高温に比べて室温ではインキュベーショ
ン中の蒸発が少ないか又は実質的に存在しない。
【0055】 好ましい条件としては、室温で一晩被覆を行うことである。これらの条件はト
レシル活性デキストラン(TAD)及びマレイミド活性デキストラン(MAD)におい
て有利であることが証明されている。
【0056】 所定の被覆時間の後、被覆溶液を固体表面から移動させるか、又は固体表面を
被覆溶液から移動させる。どちらでも都合がよい。マイクロタイタープレートの
場合は、被覆溶液は通常、静かに外に移されるか、又はピペットで取り除かれる
。被覆の成果は、ポリヒドロキシポリマーの分画が固体表面に弱い受身吸着によ
って付着し、次の工程で効果的に洗浄除去され得ない点で制御不可であるため、
通常は被覆溶液を完全に蒸発させないでおくことは理解されるだろう。
【0057】 b)洗浄工程 洗浄溶液は通常、水溶液又は単に水である。接触工程において酸性条件が適用
された場合は、残りのヒドロキシポリマー又は他の成分の非特異的結合がpHの
変化のために起こることを避けるため、洗浄工程において酸性溶液が有利に使用
される。洗浄溶液は、活性ポリヒドロキシポリマーの反応部位(例えばアミノ又
はチオール基)と反応することができる、又は被覆を妨げる成分を含むべきでは
なく、乾燥工程において容易に除去されるべきである。好ましくは、洗浄溶液は
ごくわずかの塩又は他の不揮発性成分を含む。
【0058】 水中、例えば0.5%の酢酸は、pH値が低く(約2.6)、乾燥工程における蒸発
によって容易に除去されるため、接触工程において酸性条件が使用された場合の
洗浄溶液としてきわめて適切である。カオトロピック条件下で接触工程が行われ
た場合は、水が適切に使用される。
【0059】 c)乾燥工程 洗浄工程の後、洗浄溶液及び、例えば酢酸などの他の不揮発性成分を除去する
ために表面を乾燥する。被覆した表面を保管するためには特に乾燥が重要であり
、20℃〜56℃、好ましくは20℃〜45℃の温度範囲で行うと良好な結果が得られる
。37℃前後の温度で乾燥すると、残留洗浄溶液の比較的すばやい蒸発が確実に起
こり、例えば被覆マイクロタイタープレートなどの大規模製造においては、56℃
で乾燥するよりも有利である。乾燥時間は減圧下においてさらに短くすることが
できる。
【0060】 乾燥後、被覆表面は後で使用するために保管してもよいし、あるいはその後す
ぐに使用してもよい。製造直後に被覆表面を使用する場合、洗浄溶液が所望の用
途において使用する溶液と適合するのであれば、乾燥工程を省略してもよい。
【0061】 本発明に基づいて製造された被覆表面は、2〜3年以上の貯蔵寿命として表され
る優秀な貯蔵安定性を有することに留意されたい。
【0062】 したがって、被覆表面の安定性は、非被覆固体表面及びこの活性ポリヒドロキ
シポリマーで被覆した類似の固体表面とに対して行われたときのアミノ酸側鎖特
異性試験(実施例6でTADに関して記載)において最も吸収されるアミノ酸の吸収
度の差が、37℃で1年間貯蔵した後に、最大でも25%、好ましくは最大でも15%
、より好ましくは最大でも10%、特に最大でも5%減少するようであることが、
本発明において好ましくかつ現実的である。貯蔵は大気圧及び大気組成について
は周囲条件で行う。本発明の方法によって得られた特に好ましい被覆表面は、同
条件下、50℃で1年間保管されたとしても、これらの要件を満たすと考えられる
【0063】 本発明の好ましい実施態様において、ポリヒドロキシポリマーはポリサッカラ
イドであり、特にデキストランである。ポリサッカライド(例えばデキストラン
)に関連して特に重要な官能基は、トレシル、トシル及びマレイミドである。
【0064】 したがって、本発明の好ましい一実施態様において、この方法は、 a)1.5〜7.5の範囲のpHを有する水性媒体中のトレシル活性ポリサッカライド溶
液をポリスチレン表面に接触させ; b)ポリスチレン表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)トレシル活性ポリサッカライドで被覆したポリスチレン表面を乾燥すること
からなる。
【0065】 別の好ましい実施態様において、この方法は、 a)0.5〜6の範囲のイオン強度を有する水性媒体中のマレイミド活性ポリサッカ
ライド溶液をポリスチレン表面に接触させ; b)ポリスチレン表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)マレイミド活性ポリサッカライドで被覆したポリスチレン表面を乾燥するこ
とからなる。
【0066】 さらに別の好ましい実施態様において、この方法は、 a)1.5〜7.5の範囲のpHを有する水性媒体中のトシル活性ポリサッカライド溶液
をポリスチレン表面に接触させ; b)ポリスチレン表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)トシル活性ポリサッカライドで被覆したポリスチレン表面を乾燥することか
らなる。
【0067】 上記の好ましい実施態様においても、固体表面、被覆条件及びポリヒドロキシ
ポリマーに関して上記した要件及び推奨が適用される。
【0068】 (使用) 活性ポリヒドロキシポリマーを有する被覆固体表面は、最終的な使用の前にさ
らに官能化されてもよいし、あるいは活性ポリヒドロキシポリマーのいくつかの
官能基又は全ての官能基を反応させて他の官能基を形成してもよい。この方法で
は、ポリヒドロキシポリマーの固体表面への被覆を促進する能力を有する官能基
を初期工程(工程a)〜c))において選択し、これらの官能基を後で他の官能基
に転換してもよい。トレシル及びトシル基は初期工程におけるそのような基のよ
い例である。
【0069】 例えば、トレシル活性ポリヒドロキシポリマーはω−アミノカルボン酸(通常
H2N-CnH2n-COOH、式中nは1〜20、好ましくは1〜8)と反応させて、固定化カルボ
ン酸官能化ポリヒドロキシポリマーを形成してもよい。これは実施例10で説明
する。
【0070】 別の例として、トレシル活性ポリヒドロキシポリマーをα,ω−ジアミノ−ア
ルカン(通常H2N-CnH2n-NH2、式中nは1〜20、好ましくは1〜8)と反応させて、
固定化アミノ官能化ポリヒドロキシポリマーを形成してもよい。
【0071】 さらに別の例として、トレシル活性ポリヒドロキシポリマーをシスタミン又は
類似体(通常H2N-CnH2n-S-S-CnH2N-NH2、式中nは1〜10、好ましくは1〜4)と反
応させ、次いで還元して(例えば、亜ジチオン酸ナトリウムで)、固定化チオー
ル官能化ポリヒドロキシポリマーを形成してもよい。これは実施例11で説明す
る。
【0072】 さらに、上記のトシル活性ポリヒドロキシポリマーを介したマレイミド官能化
ポリヒドロキシポリマーの形成は、固体表面を被覆した後に、固定化アミノ官能
化ポリヒドロキシポリマーを、例えばスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル
)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、スルホ−スクシンイミジル4
−(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(スルホ−SMC
C)、スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、ス
ルホ−スクシンイミジル4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ−SM
PB)、N−γ−マレイミドブチリルオキシ−スクシンイミドエステル(GMBS)及
びN−γ−マレイミドブチリルオキシ−スルホスクシンイミドエステルから選択
される試薬のようなマレイミド試薬と反応させてもよい。
【0073】 上記の変形は、アミノ基と反応することができる他の官能基(例えばトシル、
トリフリル、臭化シアン付加物、ペンタフルオロメンゼンスルホニル及びビニル
スレン(sullen))にも適用される。
【0074】 したがって、本発明の興味深い実施態様において、この方法はさらに、このよ
うな活性ポリヒドロキシポリマーで被覆した固体表面のアミノ反応性官能基を、
アミノ反応性官能基とアミノ基、好ましくは第一級アミノ基を含む試薬と反応さ
せることによって、他の官能基(例えばカルボン酸、アミノ、チオール及びマレ
イミド)に転換する次の工程(工程d)を包含する。アミノ反応性官能基は、ト
レシル、トシル、臭化シアン、トリフリル、ペンタフルオロベンゼンスルホニル
及びビニルスルホンから選択される官能基であってもよい。このような追加的工
程のための試薬は上記に例示したものであり、条件(例えば水性緩衝溶液中の)
は当業者において公知である。
【0075】 特に興味深いものは上記実施態様中に存在する。
【0076】 a)アミノ基を含む試薬が、一般式H2N-CnH2n-COOH(式中nは1〜20であって、好
ましくは1〜8)を有するとき、固定化カルボキシル酸で官能化されたポリヒドロ
キシポリマーが形成され、 b)アミノ基を含む試薬が、一般式H2N-CnH2n-S-S-CnH2N-NH2(式中nは1〜10であ
って、好ましくは1〜4)を有し、かつ形成された中間生成物が続いて還元された
とき、固定化チオールで官能化されたポリヒドロキシポリマーが形成され、そし
て c)アミノ基を含む試薬が、一般式H2N-CnH2n-NH2(式中nは1〜20であって、好ま
しくは1〜8)を有するとき、固定化アミノで官能化されたポリヒドロキシポリマ
ーが形成される。
【0077】 被覆固体表面がそれ自体で新規であると考えられるため、本発明は活性ポリヒ
ドロキシポリマーで被覆した固体表面にも関する。このような固体表面は、本発
明の方法によって有利に製造されてもよいが、他の方法を適用してもよい。
【0078】 本発明に基づいて製造された固体表面は、種々の起源を有する分子の固定に特
に有用である。特に興味深い分子群として、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペ
プチド(特別な例はPNA)、タンパク質、免疫グロブリン、ハプテン、酵素、抗
体(モノクローナル及びポリクローナル)、抗原、ポリサッカライド、オリゴヌ
クレオチド、ポリヌクレオチド(RNA及びDNA等の核酸)、微生物、原核細胞、真
核細胞等の生体分子がある。トレシル活性ポリヒドロキシポリマーは、例えば1
〜50又は1〜30のアミノ酸からなるペプチドや1〜30又は1〜20のヌクレオチドか
らなる核酸のような、比較的短いペプチド及び核酸を固定するのに特に適してい
ることが経験されている。
【0079】 したがって、本発明はまた、ここに記載したように活性ポリヒドロキシポリマ
ーで被覆された固体表面を提供する。ここでは1個以上の生体分子が、活性基の
少なくとも1つの分画を介して前記ポリヒドロキシポリマーに固定されている。
生体分子は通常、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質、免疫
グロブリン、ハプテン、酵素、抗体、抗原、ポリサッカライド、オリゴヌクレオ
チド、ポリヌクレオチド、微生物、原核細胞及び真核細胞から選択される。特に
興味深い実施態様において、ポリヒドロキシポリマーはポリサッカライド(特に
デキストラン)であり、生体分子は1〜30のアミノ酸からなるペプチド(PNAを含
む)及び1〜20のヌクレオチドからなる核酸から選択される。ポリヒドロキシポ
リマー上の活性基としてのトレシル基は、特にこれらの例に関連している。
【0080】 このような(生体)分子を固定するための条件は公知である。例えばHermanso
n, Mallia and Smith, Immobilized Affinity Ligand Techniques, Academic Pr
ess, 1992, Immobilized Enzymes and Cells, in Methods in Enzymology, Vol 135, Mosbach, Ed., Academic Press, 1987 及び米国特許第5,516,673号を参照
のこと。
【0081】 したがって本発明はまた、生体分子を固定するために、本発明の方法によって
得られたか、又は得ることができる固体表面の使用に関する。
【0082】 本発明による方法の非常に興味深い別の実施態様において、得られた固体表面
は、より広範囲の生体分子を固定することができるように、2種類の活性ポリヒ
ドロキシポリマーを有する。あるいは、ポリヒドロキシポリマーは1種類以上の
官能基を有してもよく、それによって二重活性ポリヒドロキシポリマーとして作
用する。これは2個の異なる活性ポリヒドロキシポリマーを接触工程で使用する
こと、又はすでに固体表面に被覆されたポリヒドロキシポリマーの官能基の一部
分のみの転換のいずれかによって達成することができる。
【0083】 本発明を以下の実施例によってさらに説明する。
【0084】 実施例 特に注釈のない限り、化学製品はドイツのRiedel de-Haen, Seelzeの分析等級
のものである。
【0085】 ペプチド結合能試験の一般的方法 ペプチドビオチン−MP9(ビオチン−FAQKEPAFLKEYHLL)を、pH9.6の0.1M炭酸
緩衝液に溶解し(0.01mg/ml)、試験するウェルに100μlを加えた。60分間イン
キュベートした後、ウェルを洗浄緩衝液(0.5MのNaCl及び1%のトリトンx−100
(シグマ)を含むPBS)で洗浄した。残りの結合部位を1%のウシ血清アルブミン
(BSA、シグマ)、15%のポリエチレングリコール(PEG)8000(シグマ)及び10
mMのエタノールアミンを含む炭酸緩衝液でブロックした。洗浄後、固定されたペ
プチドを、希釈緩衝液(1%のBSAを含む洗浄緩衝液)中のストレプタビジン-ワ
サビパーオキシダーゼ(ストレプタビジン-HRP、Amersham)共役体及び色原体基
質として基質緩衝液(クエン酸燐酸緩衝液、pH5.0)中1mg/mlのo-フェニル-
エネジアミンジヒドロクロリド(OPD、シグマ)を用い、ビオチン基で検出した
【0086】 実施例1 トレシル活性デキストラン(TAD)の合成 4.5gのデキストラン(シグマ、mW70000、デキストランに結合した水を除去す
るために水から凍結乾燥)を、乾燥N−メチル−ピロリジノン(NMP、225ml)に
磁性攪拌しながら90〜92℃で溶解した。40℃に冷却した後、2764μlの2,2,2−塩
化トリフルオロエタンスルホニル(塩化トレシル)を加えた。15分後、2020μl
の乾燥ピリジンを加え、加熱を除去した。室温(RT)で60分間攪拌した後、TAD
を1200mlの低温エタノール中で沈殿させた。沈殿物を200mlの0.5%酢酸に溶解し
、12000〜14000Daの分子カットオフの透析膜にて5lの0.5%酢酸で3回透析した。
透析後、TADを凍結乾燥した。
【0087】 実施例2 トシル活性デキストラン(TosAD)の合成 0. 8gのデキストラン(シグマ、mW70000、デキストランに結合した水を除去す
るために水から凍結乾燥)を、乾燥N−メチル−ピロリジノン(NMP、40 ml)に
磁性攪拌しながら90〜92℃で溶解した。60℃に冷却した後、乾燥NMPに溶解した2
.8gのp−トルエンスルホニル(トシル)クロリドを加えた。1分後、2mlの乾燥ピ
リジンを加えた。60分後、上清を別の容器に移しかえて沈殿物を回収し、沈殿物
を10mlのNMP、続いて10mlのエタノール(99.9%)を用いて洗浄した。沈殿物を5
mlの水に溶解し、30mlのエタノール(99.9%)を用いて沈殿させた。次いで、沈
殿物を5mlの水に溶解し、凍結乾燥した。デキストランへのトシルの導入は280nm
のUVで検出可能であった。
【0088】 実施例3 マレイミド活性デキストラン(MAD)の合成 100mgのデキストラン(mW70000、デキストランに結合した水を除去するために
水から凍結乾燥)を、乾燥1−メチル−ピロリドン(5 ml)に磁性攪拌しながら9
0〜92℃で溶解した。室温に冷却した後、1mlの乾燥ジメチルスルホキシドに溶解
した50mgのp−マレイミドフェニルイソシアネート(PMPI、bioaffinity Systems
, Roscoe, II, USA)を加えた。一晩インキュベートした後、生成物を20mlのエ
タノール(99.9%)で沈殿し、5mlの水に溶解し、凍結乾燥した。
【0089】 実施例4 固相へのTAD被覆に対するpHの効果 TAD等の活性ポリヒドロキシポリマーの直接被覆に対するpHの効果を、pH範
囲が2.6〜9.6の異なる緩衝液にTADを溶解することによって試験した。TADは0.5
%酢酸(pH2.6)、クエン酸/リン酸緩衝液(0.035Mのクエン酸、0.075Mのリン
酸、pH5.0)、PBS(0.01Mのリン酸、0.15MのNaCl、pH7.2)又は炭酸緩衝液(0
.1Mの炭酸塩、pH9.6)に、最終濃度が0.5mgTAD/緩衝液mlとなるように溶解し
た。溶液をポリスチレンマイクロタイター(Polysorp, Nunc, デンマーク)のウ
ェルに150μl/ウェルで分配し、室温で一晩インキュベートした。次いでウェル
を、0.5%酢酸を用いて2回洗浄し、37℃で一晩乾燥した。プレートは「ペプチド
結合能試験の一般的方法」に記載のように試験した。結果を図1に示す。pH2.6及
び5.0で被覆することにより、最も高いペプチド結合能力を有する表面が得られ
た。pH7.2で被覆すると、ペプチド結合からの信号が約15%減少した。pH9.6で
被覆すると、信号は約70%減少した。これらの結果により、固相へのTADの直接
被覆は、例えば0.5%酢酸中などの酸性条件下、又は中性条件下で行うことが好
ましいことが示された。
【0090】 実施例5 異なる材料から構成される固相へのTAD被覆 0.5%酢酸中0.5mg/mlのTADを、ニッケル製スパチュラ、ガラス製試験管、ポ
リカーボネートマイクロタイタープレート及びポリスチレンマイクロタイタープ
レートなどの異なる材料の表面に加え、RTで一晩インキュベートした。0.5%酢
酸で洗浄した後、37℃で一晩乾燥し、TAD被覆材料を「ペプチド結合能試験の一般
的方法」に記載のように試験した。ペプチド結合試験は、各材料のTAD被覆試料と
非被覆試料について行った。図4に結果を示す。TADを被覆することによって、こ
の実験において試験した材料に非被覆材料よりもはるかに多くのペプチドを結合
させることができた。
【0091】 実施例6 マレイミド活性デキストラン(MAD)の被覆及びMAD被覆表面の化学的
特異性の同定 異なる量のMADで被覆したマイクロタイタープレートへのシステイン結合。MAD
を水中4MのNaCl中のマイクロタイタープレート(MAXISorp)に1mg/mlからの階
段希釈で加え、RTで3時間インキュベートした。水で洗浄した後、プレートを37
℃で一晩乾燥した。PBS中0.01mg/ml、pH7.2のシステイン及びリジンを加え、1
時間インキュベートした後にプレートを洗浄し、ビオチン−NHSを0.05mg/mlで
pH7.2、0.1%トゥイーン20を含むPBS中に加えた。RTで1時間インキュベートし
た後、ウェルを洗浄緩衝液で洗浄し、希釈緩衝液(1%BSA含有洗浄緩衝液、pH7
.2)中1:1000のストレプタビジン−HRPを加えた。最後に基質緩衝液中1mg/ml
のOPDを加えた。2NのH2SO4を用いて反応を停止させ、ウェルをMRX ELISAリーダ
ー(Dynex Technologies)を用いて490nmで読み取った。図6に結果を示す。シス
テイン結合は表面を予備的にMAD被覆することに依存していることがわかる。ま
た、この実験により、リジン(三角架)を使用したときには結合が検出されなか
ったことから、システイン(環)結合はチオール基を介して起こることが証明さ
れた。特異性は、システイン、リジン、グルタミン酸及びグリシンを使用した類
似の実験によって試験した(図7)。アミノ酸をPBS中0.01mg/ml、pH7.2でMAD
被覆したマイクロタイタープレートに加え、RTで1時間インキュベートした。固
定したアミノ酸の検出は上記のようにビオチン−NHSを用いて行った。
【0092】 実施例7 マイクロタイタープレートへのMAD被覆時の高塩イオン強度の作用 MADを、0〜4MのNaCl溶液中に貯蔵液(水中20mg/ml)から0.5mg/mlに希釈し
、マイクロタイタープレート(MAXISorp)に加えた。3時間のインキュベート後
、プレートを水で洗浄し、37℃で一晩乾燥した。システイン及びリジン(又は対
照として緩衝液のみ)をPBSに0.01mg/mlで加えて溶解し、RTで1時間インキュベ
ートした。洗浄後、システイン又はリジンの固定化を実施例6に記載のようにビ
オチン−NHSを用いて検出した。結果を図5に示す。MAD被覆時のイオン強度の増
加によるチオール含有分子の結合の増加が、この実験ではシステインによって実
証されたことが示される。
【0093】 実施例8 TAD被覆表面のアミノ酸側鎖特異性試験 α−アミノ基にt−ブトキシカルボニル(Boc)を有するアミノ酸配列をTAD被
覆ポリスチレンマイクロタイタープレートのウェルに加え、RTで1時間インキュ
ベートした。ウェルを水で洗浄した後、RTで30分間、水中95%トリフルオロ酢酸
(TFA)(図2の黒棒グラフ)で処理するか、又は対照として水のみ(図2の白棒
グラフ)で処理することによってBoc基を固定化アミノ酸から除去した。ウェル
を水で洗浄し、pH7.2、0.1%トゥイーン20を含むPBS中にビオチン−N−ヒドロ
キシスクシンイミド(ビオチン-NHS)を0.05mg/mlで加えた。RTで1時間インキ
ュベートした後、ウェルを洗浄緩衝液で洗浄し、希釈緩衝液(1%BSA含有洗浄緩
衝液、pH7.2)中1:1000のストレプタビジン−HRPを加えた。最後に基質緩衝液
中1mg/mlのOPDを加えた。2NのH2SO4を用いて反応を停止させ、MRX ELISAリー
ダー(Dynex Technologies)を用いてウェルを490nmで読み取った。図2から、TA
D被覆表面はリジン及びシステイン側鎖、すなわち第一級アミン及びチオールに
対して優先性を有することが明らかである。これは理論に一致する。
【0094】 実施例9 TAD被覆マイクロタイタープレートに共有結合したペプチドを用いたB
細胞エピトープの同定 ネズミの腫瘍壊死因子α(mTNFa)の全配列をカバーするペプチドを、5個のア
ミノ酸重複を有する15マーのペプチドとして合成した。これらのペプチドをTAD
被覆マイクロタイタープレート及び従来の高バインダー型マイクロタイタープレ
ート(MAXISorp)に固定した(炭酸緩衝液中0.05mg/ml、RTで2時間)。続いて
、洗浄及びブロッキング(「ペプチド結合能試験の一般的方法」に記載)の後、
抗TNFα抗血清を加えた。その後B細胞エピトープを含むペプチドが抗血清によっ
て認識されるのを待った。図3にこのB細胞エピトープ同定検査の結果を示す。共
有固定化ペプチド(A)が非共有固定化ペプチド(B)よりも多く認識された。し
たがって、TAD被覆プレートではなく従来のプレートのみで実験が行われていれ
ば、TNFα分子のN末端部でのB細胞エピトープの情報は得られなかっただろう。
従来プレート(B)で行った一部の実験では、TAD被覆プレート(A)で得ること
ができなかった情報を得ることはできなかった。
【0095】 実施例10 TAD被覆表面を基板として用いた官能性カルボキシル基を有する表面
の形成 TAD被覆マイクロタイタープレートに、炭酸緩衝液中1mg/mlの6−アミノヘキ
サン酸(シグマ)を加え、RTで2時間インキュベートした。次いでプレートを洗
浄し、表面のカルボキシル官能基の存在をカルボキシル基の活性化及びその後の
標識ペプチドの結合によって調べた。カルボキシル基は新鮮な1−(3−ジアミノ
プロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC、水中0.18mg/ml)溶液及びN-ヒド
ロキシスクシンイミド(NHS、水中1.23mg/ml)溶液を加えることによって活性
化した。対照として、EDC及びNHSの両方又は単独を加えるか、あるいは水のみを
加え、RTで30分間インキュベートした。水で洗浄した後、ビオチン化ペプチド(
ビオチン−FAQKEPAFLKEYHLL)を0.2%トゥイーン20含有PBSに0.01mg/mlで加えた
。結果を図8に示す。EDC及びNHSの両方を活性化に使用したときのみ、適切なペ
プチド結合が見られた。EDCのみでもカルボキシル基反応性エステルが形成され
たが、これは水中で非常に不安定である。NHSのみでは反応性生成物を形成する
ことができないが、EDCとNHSが同時に存在していれば、EDCエステルがNHSと急速
に反応し、安定なNHSエステルを形成する。
【0096】 実施例11 TAD被覆表面を基板として用いた官能性チオール基を有する表面の形
成 TAD被覆マイクロタイタープレートに、炭酸緩衝液中1mg/mlの2,2’−ジチオ
−ビス(エチルアミン)(シスタミン、シグマ)を加え、RTで2時間インキュベート
した。水で洗浄した後、水中2mg/mlの亜ジチオン酸ナトリウム(シグマ)を加え
、RTで3時間インキュベートした。プレートを水で洗浄し、生成したチオール基
を、チオール基と特異的に反応するビオチン−マレイミド(シグマ、PBS中0.05g
/ml)を加えることによって検出し、RTで1時間インキュベートした。残留アミノ
酸の結合能力(残留トレシル基)を試験するために、炭酸緩衝液中0.01mg/ml、p
H9.6のペプチドビオチン−MP9(ビオチン−FAQKEPAFLKHLL)を加えた。固定したビ
オチン基(ビオチン−MP9又はビオチン−マレイミドのいずれか)を、希釈緩衝
液(1%のBSAを含む洗浄緩衝液)中のストレプタビジン-ワサビペロキシダーゼ
(ストレプタビジン-HRP、Amersham)共役体及び基質緩衝液(クエン酸リン酸緩
衝液、pH5.0)中1mg/mlのo-フェニレンジアミンジヒドロクロリド(OPD、シグ
マ)を用いて検出した。図9において、TAD被覆表面がビオチン−マレイミド(TA
D/ビオチン−mal)又はペプチドビオチン−MP9(TAD/ビオチン-MP9)にどのよ
うに結合するかを最初の2本の棒グラフで示す。三本目の棒グラフはマレイミド
基のチオールを多く含む表面への結合(チオ/ビオチン-mal)を示し、最後の棒
グラフはビオチン−MP9のチオールを多く含む表面への結合(チオ/ビオチン−MP
9)を示す。シスタミン及び亜ジチオン酸ナトリウムで処理することにより、TAD
被覆表面はペプチドビオチン−MP9の結合能力を失うが、例えばビオチン−マレ
イミドのようなチオール特異性試薬を結合する能力を得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 異なるpH値のTADで被覆したポリスチレンマイクロタイターウェルへのペプチ
ドの結合。酸性pHでTADを被覆したウェルは塩基性pHで被覆したウェルよりも
多くのペプチドを結合する。この効果が低pHで向上したTADの吸着作用によるも
のか、又は高pHでのトレシル基の加水分解によるものかは定かではない。
【図2】 TAD被覆表面の化学的特異性。α-アミノ基において保護されたアミノ酸は側鎖
のみでトレシル基に結合することができた。TAD表面はリジン及びシステインに
対して著しい優先性を示した。つまり化学的特異性はアミン及びチオールに限定
された。
【図3】 TAD被覆マイクロタイタープレート(A)及び従来のマイクロタイタープレート
(B、MAXISorp)上で行った、重複ペプチドを用いたB細胞エピトープ走査。ペプ
チド(腫瘍壊死因子α(TNFα)に由来する)を2個の異なるプレートに固定した
後、TNFα抗血清を加えた。その後B細胞エピトープを含むペプチドが抗血清によ
って認識されるのを待った。より多くのペプチドが、従来プレート上よりもTAD
被覆表面上において認識されたことは明らかである。
【図4】 有機ポリマー以外の表面に被覆したTAD。ガラス製試験管及びニッケル製スパ
チュラを実験に記載のようにTADで処理し、ペプチドビオチン-MP9結合能につい
て試験した。対照(‐TAD被覆)はそれぞれ被覆溶媒のみで処理したガラス製試
験管及びニッケル製スパチュラであった。比較のため、OD490/cm2値を計算した
。明らかにTAD被覆表面のみがペプチドを結合した。
【図5】 MADをポリスチレンマイクロタイタープレート(MAXISorp)に被覆するときのN
aClの効果。NaClの存在により、システインの結合が約25%増加した。システイ
ン結合の存在はビオチン-NHSを加えることによって検出した。リジンからの信号
及び緩衝液のみの対照からの信号は非常に微弱であった。これはMAD表面への結
合がチオール特異性であることを立証している。
【図6】 異なる濃度のMADでのポリスチレンマイクロタイタープレート(MAXISorp)の
被覆。最適被覆濃度は0.25〜1mg/mlである。システインの結合はMAD濃度の減少
と共に減少した。リジンの結合は全てのMAD濃度において非常に低かった。
【図7】 MAD被覆表面の化学的特異性。α-アミノ基において保護されたアミノ酸は側鎖
のみでマレイミド基に結合することができた。MAD表面はシステインに対して著
しい優先性を示した。つまり化学的特異性はアミン及びチオールに限定された。
【図8】 官能カルボキシル酸基を有する表面の生成。実施例1に記載のように製造したT
AD表面を種々の条件下で6‐アミノヘキサン酸と反応させた。EDC及びNHSで活性
化することにより、トレシル官能基のカルボン酸官能基への特異的な転換が生じ
た。
【図9】 官能性チオール酸基を有する表面の生成。実施例1に記載のように製造したTAD
表面を2,2'-ジチオ-ビス(エチルアミン)と反応させた。続くTAD表面とビオチ
ン-マレイミドの反応、及びチオール修飾TAD表面とビオチン-MP9の反応では、TA
D表面はアミンに特異的であること、チオール修飾表面はマレイミドに特異的で
あること、及び有意な相互特異性がないことが分かった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/543 525 G01N 33/543 525W 591 591 // C08J 7/04 CER C08J 7/04 CERU CEZ CEZ C08L 101:00 C08L 101:00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (71)出願人 Kogle Alle 6,DK−2970 Horsholm DENMARK

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)1.5〜10の範囲のpH及び/又は0.1〜8の範囲のイオン強
    度を有する水性媒体中の活性ポリヒドロキシポリマー被覆溶液を固体表面に接触
    させ、活性ポリヒドロキシポリマーを固体表面に結合させ; b)活性ポリヒドロキシポリマーが付着した固体表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)任意に、活性ポリヒドロキシポリマーが付着した固体表面を乾燥することか
    らなり、 固体表面が実質的にアミノ基、イミノ基又はチオール基を含まない、 水溶性活性ポリヒドロキシポリマーで固体表面を被覆する方法。
  2. 【請求項2】 活性ポリヒドロキシポリマーが、実質的に、アミノ、アンモ
    ニウム、チオール、フェニル、ナフチル、ピリジル又はピロリドン基を含まない
    請求項1による方法。
  3. 【請求項3】 ポリヒドロキシポリマーが、天然ポリヒドロキシ化合物及び
    合成ポリヒドロキシ化合物から選択される先行するいずれかの請求項による方法
  4. 【請求項4】 ポリヒドロキシポリマーが、ポリサッカライドである請求項
    3による方法。
  5. 【請求項5】 ポリサッカライドが、デキストラン、セルロース、アガロー
    ス及び澱粉、好ましくはデキストランから選択される請求項4による方法。
  6. 【請求項6】 ポリヒドロキシポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリ(
    ヒドロキシメチルメタクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)
    、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリレート)ならびに相当するコポリマーから
    選択される請求項3による方法。
  7. 【請求項7】 ポリヒドロキシポリマーが、ポリビニルアルコールである請
    求項6による方法。
  8. 【請求項8】 活性化前のポリヒドロキシポリマーの(重量)平均分子量が
    、少なくとも1,000であり、少なくとも2,000、好ましくは2,500〜2,000,000の範
    囲内、より好ましくは3,000〜1,000,000の範囲内、特に5,000〜500,000の範囲内
    である先行するいずれかの請求項による方法。
  9. 【請求項9】 ポリヒドロキシポリマーが、少なくとも10mg/ml、好ましく
    は少なくとも25 mg/ml、例えば少なくとも50 mg/ml、特に少なくとも100 mg/
    ml、例えば少なくとも150 mg/mlの程度の水溶性である先行するいずれかの請求
    項による方法。
  10. 【請求項10】 活性化前のポリヒドロキシポリマーのC(炭素原子)及びO
    H基(水酸基)の比が1.3〜2.5、1.5〜2.3、好ましくは1.6〜2.1、特に1.85〜2.0
    5の範囲内である先行するいずれかの請求項による方法。
  11. 【請求項11】 ポリヒドロキシポリマーが、トレシル(トリフルオロエチ
    ルスルホニル)、マレイミド、臭化シアン、トシル(p−トルエンスルホニル)
    、トリフリル(トリフルオロメタンスルホニル)、ペンタフルオロベンゼンスル
    ホニル及びビニルスルホン基から選択、好ましくは、トレシル、マレイミド、ト
    シル、トリフリル、ペンタフルオロベンゼンスルホニル及びビニルスルホン基か
    ら選択、中でもトレシル、マレイミド及びトシル基から選択された官能気で活性
    化される先行するいずれかの請求項による方法。
  12. 【請求項12】 活性ポリヒドロキシポリマーの官能基が、ポリヒドロキシ
    ポリマーのヒドロキシ基の分画を介してポリヒドロキシポリマーに結合する先行
    するいずれかの請求項による方法。
  13. 【請求項13】 ポリヒドロキシポリマーの骨格が、実質的に活性化に影響
    されない先行するいずれかの請求項による方法。
  14. 【請求項14】 ポリヒドロキシポリマー中に実質的にアルデヒド基を含ま
    ない先行するいずれかの請求項による方法。
  15. 【請求項15】 活性ポリヒドロキシポリマーが、トレシル活性デキストラ
    ンである先行するいずれかの請求項による方法。
  16. 【請求項16】 活性ポリヒドロキシポリマーが、マレイミド活性デキスト
    ランである請求項1〜14のいずれかによる方法。
  17. 【請求項17】 活性ポリヒドロキシポリマーが、トシル活性デキストラン
    である請求項1〜14のいずれかによる方法。
  18. 【請求項18】 固体表面が、有機ポリマー、ガラス、セラミック及び金属
    の固体表面である先行するいずれかの請求項による方法。
  19. 【請求項19】 有機ポリマーが、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ
    プロピレン、ポリエチレン、ポリエチレングリコールテレフタレート、ポリ酢酸
    ビニル、ポリメチルペンテン、ポリビニルピロリジノン、ポリアクリロニトリル
    、ポリメチルメタクリレート及びポリ塩化ビニル、好ましくはポリスチレン及び
    ポリカーボネートから選択される請求項18による方法。
  20. 【請求項20】 ガラスが、ホウ珪酸ガラス及びソーダ石灰ガラスから選択
    される請求項18による方法。
  21. 【請求項21】 金属が、ニッケル、鉄、銅、金、銀、アルミニウム及び鉛
    から選択される請求項18による方法。
  22. 【請求項22】 固体表面が、ポリスチレン本体、ポリカーボネート本体、
    ホウ珪酸ガラス本体又はソーダ石灰ガラス本体の表面である請求項1〜18のい
    ずれかによる方法。
  23. 【請求項23】 本体が、シート状、フィルム状、ビーズ状、ペレット状、
    ディスク状、プレート状、リング状、ロッド状、ネット状、フィルター状、トレ
    イ状、マイクロタイタープレート状、スティック状又はマルチブレードのスティ
    ック状、好ましくはマイクロタイタープレート状、スティック状又はビーズ状で
    ある請求項18〜22のいずれかによる方法。
  24. 【請求項24】 固体表面が、ポリスチレンマイクロタイタープレート、ポ
    リスチレンビーズ、ポリスチレンスティック、ポリカーボネートマイクロタイタ
    ープレート、ガラスビーズ及びガラスプレートの表面から選択される先行するい
    ずれかの請求項による方法。
  25. 【請求項25】 工程a)で使用される被覆溶液は、ポリヒドロキシポリマ
    ーの他に、pH調節剤及び/又はカオトロピック剤、及び任意の1個以上の補助成
    分を含む先行するいずれかの請求項による方法。
  26. 【請求項26】 被覆溶液中の活性ポリヒドロキシポリマーの濃度が、0.00
    1mg/ml〜5 mg/ml、通常0.01 mg/ml〜1 mg/ml、好ましくは0.1 mg/ml〜0.5 mg/ml
    である先行するいずれかの請求項による方法。
  27. 【請求項27】 被服される表面の単位面積に使用される活性ポリヒドロキ
    シポリマーの量が、0.01〜500μg/cm2、好ましくは0.06〜200μg/cm2、特に0.1
    〜50μg/cm2の範囲である先行するいずれかの請求項による方法。
  28. 【請求項28】 被覆溶液のpHが、1.5〜10、好ましくは2.0〜7.5、より好
    ましくは2.0〜5.5の範囲内である先行するいずれかの請求項による方法。
  29. 【請求項29】 ポリヒドロキシポリマーを含む被覆溶液のイオン強度が、
    0.1〜8の範囲、好ましくは0.5〜6の範囲、より好ましくは0.8〜5の範囲、得に、
    1.2〜4の範囲である先行するいずれかの請求項による方法。
  30. 【請求項30】 工程d)における乾燥が、20℃〜56℃、好ましくは20℃〜
    45℃の温度範囲で行われる先行するいずれかの請求項による方法。
  31. 【請求項31】 被覆表面の安定性が、非被覆固体表面及びこの活性ポリヒ
    ドロキシポリマーで被覆した類似の固体表面とに対して行われたときのアミノ酸
    側鎖特異性試験(実施例6でTADに関して記載)において最も吸収されるアミノ酸
    の吸収度の差が、37℃で1年間貯蔵した後に、最大でも25%、好ましくは最大で
    も15%、より好ましくは最大でも10%、特に最大でも5%減少するようである先
    行するいずれかの請求項による方法。
  32. 【請求項32】 a)1.5〜7.5の範囲のpHを有する水性媒体中のトレシル活
    性ポリサッカライド溶液をポリスチレン表面に接触させ; b)ポリスチレン表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)トレシル活性ポリサッカライドで被覆したポリスチレン表面を乾燥すること
    からなる先行するいずれかの請求項による方法。
  33. 【請求項33】 a)0.5〜6の範囲のイオン強度を有する水性媒体中のマレ
    イミド活性ポリサッカライド溶液をポリスチレン表面に接触させ; b)ポリスチレン表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)マレイミド活性ポリサッカライドで被覆したポリスチレン表面を乾燥するこ
    とからなる先行するいずれかの請求項による方法。
  34. 【請求項34】 a)1.5〜7.5の範囲のpHを有する水性媒体中のトシル活性
    ポリサッカライド溶液をポリスチレン表面に接触させ; b)ポリスチレン表面を洗浄溶液で洗浄し;及び c)トシル活性ポリサッカライドで被覆したポリスチレン表面を乾燥することか
    らなる先行するいずれかの請求項による方法。
  35. 【請求項35】 さらに、d)活性ポリヒドロキシポリマーで被覆した固体
    表面のアミノ反応性官能基を、アミノ反応性官能基とアミノ基を含む試薬と反応
    させることによって、他の官能基に転換する工程を含む先行するいずれかの請求
    項による方法。
  36. 【請求項36】 アミノ基を含有する試薬が、一般式H2N-CnH2n-COOH(式中
    nは1〜20、好ましくは1〜8)を有し、よって固定化カルボン酸官能化ポリヒドロ
    キシポリマーが形成される請求項35による方法。
  37. 【請求項37】 アミノ基を含有する試薬が、一般式H2N-CnH2n-S-S -CnH2 N-NH2(式中nは1〜10、好ましくは1〜4)を有し、このように形成された中間体
    を還元して、よって固定化チオール官能化ポリヒドロキシポリマーが形成される
    請求項35による方法。
  38. 【請求項38】 アミノ基を含有する試薬が、一般式H2N-CnH2n-NH2(式中n
    は1〜20、好ましくは1〜8)を有し、よって固定化アミノ官能化ポリヒドロキシ
    ポリマーが形成される請求項35による方法。
  39. 【請求項39】 固定化アミノ官能化ポリヒドロキシポリマーが、マレイミ
    ド試薬と反応し、よって固定化マレイミド官能化ポリヒドロキシポリマーが形成
    される請求項38による方法。
  40. 【請求項40】 アミノ反応性官能基の画分のみが反応し、よって2種の異
    なるタイプの官能機が固定化ポリヒドロキシポリマー中含有される請求項35〜
    39のいずれかによる方法。
  41. 【請求項41】 工程c)が省略される先行するいずれかの請求項による方
    法。
  42. 【請求項42】 工程c)が含まれる先行するいずれかの請求項による方法
  43. 【請求項43】 請求項1〜42のいずれかに規定された方法によって得ら
    れる活性ポリヒドロキシポリマーで被覆された固体表面。
  44. 【請求項44】 1個以上の生体分子が活性基の少なくとも1つの分画を介
    してポリヒドロキシポリマーに固定されている、請求項1〜42のいずれかに規
    定された方法で得られる活性ポリヒドロキシポリマーで被覆された固体表面。
  45. 【請求項45】 生体分子が、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、
    タンパク質、免疫グロブリン、ハプテン、酵素、抗体、抗原、ポリサッカライド
    、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、微生物、原核細胞及び真核細胞から
    選択される請求項44による固体表面。
  46. 【請求項46】 ポリヒドロキシポリマーが、ポリサッカライドであり、生
    体分子が、1〜30のアミノ酸からなるペプチド及び1〜20のヌクレオチドからなる
    核酸から選択される請求項44又は45による固体表面。
  47. 【請求項47】 活性ポリヒドロキシポリマーが、トレシル基で活性化され
    る請求項44〜46のいずれかによる固体表面。
  48. 【請求項48】 生体分子の固定において請求項1〜42のいずれかに規定
    された方法によって得られる活性ポリヒドロキシポリマーで被覆された固体表面
    の使用。
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