JP4854459B2 - グロープラグ - Google Patents

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この発明はグロープラグに関し、特にディーゼルエンジンに用いられるグロープラグに関するものである。
従来、ディーゼルエンジンの始動時に加熱を行なうために用いられるグロープラグは、一般に温度を制御するための制御コイル機能と、加熱するための発熱コイル機能とを備えている。
具体的には、ディーゼルエンジンのグロープラグとしては図1〜図3に示されるタイプのものがある。図1に示されるグロープラグでは、ステンレス鋼やインコネル等で作られたシースチューブ(以下、単にチューブという)5の内部に発熱機能と温度制御機能の2つの機能を兼ね備えた発熱・制御コイル3が配置されている。図2に示されるグロープラグでは、チューブ5の内部の先端部分に発熱コイル1が配置され、後端部分に発熱コイル1に電気的に直列に接続された制御コイル2が配置されている。図3に示されるグロープラグでは、チューブ5の内部で発熱コイル1と制御コイル2との間に第3のコイル(C)4が配置されている。なお、図1〜図3に示されるグロープラグにおいて、チューブ5の内部に各コイルを固定埋設するために、チューブ5の内部にマグネシア(MgO)等の電気絶縁性粉末6が充填されている。また、チューブ5を保持するために金具7が設けられている。
上述のように構成されるグロープラグに用いられるコイルの材料、すなわち電気抵抗素子の材料としては、従来から鉄族金属(鉄(Fe)、ニッケル(Ni)およびコバルト(Co))を主成分としたものが研究されてきた。これらの材料は、電気抵抗に正の温度特性があり、昇温とともにその温度での電気抵抗値と室温での電気抵抗値との比(抵抗比)が上昇していく。
たとえば、特開昭58−83124号公報には、重量で、Co40〜70%、Ni2〜15%、残部Feからなることを特徴とし、速熱性と靭性を有する予熱栓用加熱抵抗体が開示されている。この加熱抵抗体は、上記の公報の第1図に示されているように、温度900℃までの抵抗比が昇温とともに急速に大きくなり、速熱性に優れているものである。
また、たとえば、特開平2−133901号公報には、鉄を20〜35重量%、残部がコバルトおよびニッケルからなる電気抵抗素子用材料が開示されている。この公報の第1図の曲線4と5が、それぞれ鉄とニッケルの抵抗比の温度変化を示すものである。ニッケルはキュリー点が低いために、温度400℃付近から抵抗比の増加は小さくなる。また、上記の公報の第1A図には、25重量%の鉄を含むコバルト合金からなるフィラメント材の抵抗比の温度変化を示す曲線が示されている。この材料では温度800℃付近から急激に抵抗比が増加し、温度900℃付近からその増加が小さくなる。これに対し、上記公報に開示された発明の材料は、第1図の1と2および第2図の3の抵抗比−温度曲線のように温度ヒステリシスを示し、温度1000℃付近から抵抗比の上昇が小さくなる。その結果、これらの材料では上記公報の第3頁左下欄の下段に説明されているように、温度1000℃付近まで高い速熱性があり、温度1000℃付近まで昇温すると、コイル温度のファイン制御が可能である。すなわち、上記公報に開示された電気抵抗素子用材料は速熱性と自己温度制御機能を備えている。
一方、近年になって環境問題の高まりから、クリーンな排ガスを得るためにディーゼルエンジンを始動した後、従来より長時間にわたって加熱する必要が生じてきた。このため、グロープラグのコイル素材にも上記の速熱性とともに、高い耐久性が求められている。特に制御コイル部分には、高濃度のコバルト基合金線等も使用されるようになってきている。
特開昭58−83124号公報 特開平2−133901号公報
しかしながら、本発明者等が確認したところでは、上記の環境問題に対処するために長時間通電加熱すると、上記の公報に開示された材料は、いずれも鉄の含有量が比較的多いため、酸化されやすく、耐酸化性の点で問題のあることがわかった。また、上記の公報に開示された材料のように、コバルトの含有量が多くなると、加工性が低下し、近年のより細線化への要求、すなわちコンパクト化への要求に応えることができないという問題もあった。
そこで、この発明の目的は、上述の長時間加熱を行なうためのグロープラグに関し、下記の(1)〜(3)の要求に十分応えることが可能な制御コイルまたは発熱コイルとしての電気抵抗素子を備えたグロープラグを提供することである。
(1) 速熱性を得るために常温での電気抵抗値と高温での電気抵抗値の比(以下、単に抵抗比という)が大きいこと。
(2) 長寿命を得るために耐酸化性に優れていること。
(3) コンパクトなスペースで使用できるように細線まで加工できること。
この発明に従ったグロープラグは、ニッケル(Ni)を20質量%以上45質量%以下、鉄(Fe)を5質量%未満含み、残部が不可避的不純物とコバルト(Co)を含む電気抵抗素子を備えている。電気抵抗素子は、その結晶構造が立方晶である。電気抵抗素子は
、その直径が0.15〜0.35mmである。ニッケルと鉄の含有量が、質量%単位でそれぞれxとyであるとき、x+7y≦70の関係を満たす。電気抵抗素子の室温での電気抵抗値をρ(RT)、前記電気抵抗素子の温度1000℃での電気抵抗をρ(1000)としたとき、それらの比ρ(1000)/ρ(RT)が7以上12以下である。
また、この発明の好ましいグロープラグにおいて、電気抵抗素子を構成する材料は不可避的不純物として、炭素(C)のみを0.1質量%以下、およびシリコン(Si)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、硼素(B)およびビスマス(Bi)の合計を0.1質量%以下含む。
この発明のグロープラグにおいて、電気抵抗素子は、バナジウム(V)およびタングステン(W)をそれぞれ3質量%以下、モリブデン(Mo)を8質量%以下含むのが好ましい。
この発明によれば速熱性、自己温度制御機能、耐酸化性および加工性に優れた電気抵抗素子を備えたグロープラグを得ることができる。したがって、グロープラグの設計の自由度が増し、高性能で長寿命で信頼性の高いグロープラグを提供することができる。
上記の目的を達成するための本発明のグロープラグの第1の特徴は、制御コイルおよび/または発熱コイルを、ニッケルを20質量%以上60質量%以下、鉄を5質量%未満含み、残部が不可避的不純物とコバルトとを含む電気抵抗素子で構成することである。
グロープラグには、前述したように、速熱性と昇温後の温度の飽和が求められ、そのコイル素材には、速熱性と昇温後の温度の自己温度制御機能が求められる。速熱性と自己温度制御機能は、通電直後の温度の低い状態では電気抵抗値が小さく、大きい電流が流れ、温度の上昇に従って電気抵抗値が増加し、電流が小さくなるという素材の特性により得られる。したがって、このような特性を有する素材を電気抵抗素子として使用すると、良好なグロープラグを得ることができる。
また、素材の冷間での加工性は、コバルト合金の結晶構造を加工が難しい六方晶から加工が容易な立方晶に変えることによって改善することができる。グロープラグ内で電気抵抗素子として使用するためには、外径が数百μmになるまで素材を加工する必要がある。六方晶のコバルト合金を上記の外径まで加工するのは甚だ困難である。
本発明の第1の特徴に従えば、結晶構造が立方晶となり、加工性も大幅に改善することができるとともに、常温と高温での抵抗比が高い、グロープラグに適した電気抵抗素子の素材を得ることができる。
本発明の電気抵抗素子の素材の組成において、ニッケルの含有量が20質量%未満では加工性が低下し、外径が数百μmまでの細線に加工することができなくなる。また、ニッケルの含有量が60質量%を超え、鉄の含有量が5質量%以上になると、耐酸化性が低下するとともに、抵抗比が小さくなり、速熱性が損なわれるので好ましくない。また、上記の範囲内の組成領域であれば、通常のコバルト−鉄系材料で見られるような昇温途上でのα/γ相変態による急激な体積変化がなく、それによるコイルの断線を未然に回避することができる。さらに、上記の範囲内の組成領域であれば、素材の結晶構造は立方晶であるため、加工性が良好で細い径まで容易に冷間加工することができる。また、図2および図3に示したようなそれぞれのグロープラグを作製するためには、材質の異なった部材と溶接する必要があるが、本発明の素材は、耐酸化性に優れており、溶接時の酸化が少なく、したがって溶接性に優れている。
また、本発明のグロープラグの第2の特徴は、上記の第1の特徴に加え、さらに電気抵抗素子を構成する材料においてニッケルと鉄の含有量が、質量%単位でそれぞれxとyであるとき、x+7y≦70の関係を満たすことである。ニッケルと鉄の含有量が上記の関係を満たすとき、耐酸化性が特に良好な電気抵抗素子の素材を提供することができる。
図4は、本発明の第1の特徴で規定される組成領域と第2の特徴で規定される組成領域との関係を示すグラフである。図4において縦軸が鉄の含有量、横軸がニッケルの含有量を示す。なお、縦軸と横軸のスケールは同じではない。図4において矩形ABCDの4辺で囲まれた部分が第1の組成領域、五角形ABEFDの5辺で囲まれた部分が第2の組成領域に相当する。ただし、いずれの組成領域においても、線分CD上は含まない。各点を(鉄の質量%の値、ニッケルの質量%の値)で表わした座標は、A(20,0)、B(60,0)、C(60,5)、D(20,5)、E(60,1.43)、F(35,5)である。
グロープラグの電気抵抗素子に適した抵抗比を保ちながら、良好な耐酸化性を得るためには、鉄の含有量が少ない方が好ましいが、鉄の含有量が減るにつれて加工性が悪くなる。本発明のグロープラグの第2の特徴に従えば、鉄の含有量の減少に応じてニッケルの含有量を増やすことによって、加工性の劣化を防ぎながら、グロープラグ用電気抵抗素子の素材に好ましい抵抗比を保つことができ、さらに耐酸化性を改善することが可能となる。これらのことにより、グロープラグの長寿命化やコンパクト化が可能となる。
本発明の第2の特徴に従った電気抵抗素子の素材は耐酸化性に優れているため、線材表面からの酸化の進行が遅い。素材を細径化するにつれて体積に対する表面積の割合が大きくなるため、酸化の進行による素線の電気抵抗値の増加の割合が顕著になるが、本発明の素材は耐酸化性に優れているため、この電気抵抗値の増加の割合が小さい。このことは、従来と同一外径の素線を使用した場合、耐久性を高めることができるので長寿命となることはいうまでもなく、本発明の特徴の1つである良好な加工性と相俟って、細径化した素材を使用したコンパクトなグロープラグでも十分な寿命を持たせることができる。また、本発明の電気抵抗素子の素材は耐酸化性に優れているため、制御コイルだけではなく、発熱コイルとしても適用できる。したがって、本発明に従った電気抵抗素子は、従来の制御コイルと発熱コイルとを兼ねることも十分可能である。
本発明の電気抵抗素子の組成と機能との関係をまとめて、図4によって説明すれば、以下のようになる。すなわち、四角形ABCDの4辺で囲まれた部分は、速熱性と耐久性と加工性ともに良好な本発明の領域であり、五角形ABEFDの5辺で囲まれた部分(第2の領域)は、速熱性と耐久性が特に優れた領域である。また、三角形CEFの3辺で囲まれた領域は、速熱性と耐久性ともに第2の領域に比べて劣る領域である。
本発明のグロープラグの第3の特徴は、以上の第1と第2の特徴に加えて、さらにグロープラグを構成する電気抵抗素子中の不可避的不純物の含有量が、炭素のみで、およびシリコン、チタン、マンガン、クロム、アルミニウム、硼素およびビスマスの合計で、いずれも0.1質量%以下に制御されたものである。これらの不純物の含有量が0.1質量%を越えると、素材の加工性の低下を招きやすい。
また、本発明のグロープラグの第4の特徴は、上記の基本組成に加えて、電気抵抗素子がバナジウムとタングステンをそれぞれ3質量%以下さらに含むか、またはモリブデンを8質量%以下さらに含むことである。これによって、この含有量の範囲内であれば、上記の基本組成を備えた電気抵抗素子での速熱性と自己温度制御機能を維持しつつ、より一層の高温強度、クリープ特性といった耐熱性と耐酸化性を付与することができる。
さらに、本発明の電気抵抗素子は、室温での電気抵抗値ρ(RT)と、温度1000℃での電気抵抗値ρ(1000)の比ρ(1000)/ρ(RT)が7以上12以下であることを特徴とする。そして、電気抵抗素子において、常温から800℃までの抵抗温度係数が単調増加する。これによって、グロープラグの電気抵抗素子の精密な温度制御が容易になる。
抵抗比ρ(1000)/ρ(RT)を7以上とすることにより、抵抗比の温度係数が増加することによる電流の抑制機能が十分働く。このように通電昇温時の速熱性と電流制御機能を高めるためには、抵抗比の値は大きい方が望ましい。しかしながら、耐酸化性および加工性を重視した本発明の素材の組成範囲内では、通常、抵抗比の値が12を超えることはまれである。因みに、特開昭58−83124号公報と特開平2−133901号公報に開示された電気抵抗素子の素材であれば、抵抗比が12を超えるものも得ることができるが、このような素材は、主にニッケルの含有量と鉄の含有量の違いから、本発明の素材に比べて耐酸化性で劣る。本発明で提供されるグロープラグは、その発熱コイルおよび/または制御コイルを構成する素材には速熱性と電流制御機能が付与されているだけでなく加工性にも優れているため、グロープラグの実用設計の自由度が増し、さらに良好な耐酸化性も備えられているため、高性能で信頼性の高いグロープラグを提供することが可能になる。
表1に示す化学組成を有する試料No.1〜12について、各成分が所定の含有量を有するように秤量した素材を誘導炉で真空雰囲気下で溶解し、直径25mmの鋳型に鋳造し、鋳塊を得た。鋳造時の表面欠陥を除去する目的で鋳塊の表面を切削除去した後、熱間鍛造を行ない、直径10mmの線材を得た。次に、この線材に温度900℃で1時間の熱処理を施した後、冷間伸線と熱処理を繰返し行なうことによって、加工不可能な試料を除き、0.15〜0.35mmの所定の直径になるまで線材を加工した。試料No.8については、市販の鋼線にニッケルめっきを施した線材を用いた。また、試料No.10については市販のニッケル線を用いた。
このようにして得られた加工可能であった各試料の温度1000℃での電気抵抗値と室温での電気抵抗値との比(抵抗比)と、温度に対する抵抗温度係数の傾向と、冷間加工での限界加工度と、耐酸化性を評価した結果を表1に示す。また、これらの試料の抵抗比の温度に対する変化を図5に示す。
Figure 0004854459
表1において、「抵抗温度係数」が「○」であるものは室温から少なくとも温度800℃までは抵抗温度係数が単調増加することを示し、「×」であるものは温度800℃より低い温度で抵抗温度係数が減少することを示す。また、表1において「不純物」は不可避的不純物としてシリコン、チタン、マンガン、クロム、アルミニウム、硼素およびビスマスの含有量の合計値を示す。「抵抗比」は温度1000℃での電気抵抗値ρ(1000)と室温での電気抵抗値ρ(RT)の比率ρ(1000)/ρ(RT)を示す。「耐酸化性」が「◎」であるものは耐酸化性が非常に優れていることを示し、「○」であるものは耐酸化性が優れていることを示し、「△」であるものは耐酸化性がやや劣ることを示し、「×」であるものは耐酸化性が劣ることを示す。なお、耐酸化性の評価は、大気雰囲気中で温度900℃で50時間保持した後に行なわれた。
表1と図5から、本発明に従った組成を有する試料No.1〜7は加工性が良好で、高温と室温での抵抗比が大きく、かつ耐酸化性が良好な素材であることがわかる。また、試料No.7は、x+7y=78となる実施例であるが、この値が70を超えるため、抵抗比がやや低くなるとともに、抵抗温度係数も700℃程度で減少していることがわかる。なお、試料No.12から、加工性向上のために鉄を8質量%含有させた場合には、耐酸化性にやや劣ることがわかる。また、試料No.12よりも耐酸化性向上のために鉄含有量を試料No.9のように4質量%まで低減させると、加工性が低下して冷間加工できなくなることがわかる。つまり、試料No.2とNo.9との比較からニッケルを所定量含有させることが必要であることがわかる。
図2に示すように片方端を封止したSUS310Sまたはインコネル601のチューブ5の中に絶縁性粉末6としてマグネシア粉末とともに制御コイル2と発熱コイル1を装入して、2材のグロープラグを作製した。制御コイル2には、直径が0.15〜0.35mmまで加工可能であった素材を熱処理することなく、コイル形状にしたものを使用し、発熱コイル1には、鉄−クロム合金またはニッケル−クロム合金を使用した。
このようにして作製した2材のグロープラグに直流電圧11Vを印加し、グロープラグの表面温度が温度800℃に達するまでの時間(800℃到達時間)を測定した。また、30秒後のグロープラグの表面温度(30秒後の温度)を測定した。さらに、直流電圧13Vで300秒間通電加熱した後、60秒間電流を遮断し、冷却を繰返すヒートサイクル試験を行なった。これによってグロープラグの耐久性を評価した。制御コイルと発熱コイルとの溶接性も評価した。これらの結果を表2に示す。表2において「制御コイル」は制御コイルの素材に用いた試料No.(表1)を示す。
Figure 0004854459
表2において、「耐久性」は上記のヒートサイクル試験を5000サイクル行なっても断線を生じないものを「○」と示す。また、「溶接性」が「○」であるものは、発熱コイルと制御コイルとの溶接部に使用中における相変態が起こらないものを示す。「△」であるものは、溶接部に使用中に発熱コイルに含有される鉄が拡散されるが、制御コイルに含有されるニッケルの影響で相変態を起こし難いものを示す。また、「×」であるものは、さらなる速熱性を得るために発熱コイルに鉄−クロム合金を用いると溶接部に使用中における鉄の拡散による影響でα/γ相変態を起こしやすくなるものを示す。
表2から、本発明に従った組成を有する試料を制御コイルの素材として用いた2材のグロープラグは耐久性に優れ、すなわち長寿命で信頼性に優れることがわかる。
図3に示すように、発熱コイル1と制御コイル2の間に別のコイル(C)4を介在して、通電初期に電流制御がかからないようにした3材のグロープラグを実施例2に準じて作製した。コイル(C)4には電気抵抗値の低い純ニッケル線を使用した。作製した3材のグロープラグを用いて実施例2と同様の測定と評価を行なった。その結果を表3に示す。
Figure 0004854459
表3から、本発明に従った組成を有する試料を制御コイルの素材として用いた3材のグロープラグは、耐久性に優れ、すなわち長寿命で信頼性に優れることがわかる。
実施例2に準じて、図1に示す1材のグロープラグを作製した。1材のグロープラグは通電初期の電気抵抗値が小さいため、比較的大電流が発熱コイルに流れることによって発熱し、急速に昇温し、その後、発熱コイルの抵抗温度係数に伴う電気抵抗値の上昇で電流が制御され、温度が飽和するグロープラグである。実施例2と同様にして、1材のグロープラグの特性を測定・評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0004854459
表4から、本発明に従った組成を有する試料を発熱・制御コイルの素材として用いた1材のグロープラグは、耐久性に優れ、すなわち長寿命で信頼性に優れることがわかる。
以上に開示された実施の形態や実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものであると意図される。
ディーゼルエンジンに用いられる1材のグロープラグの形態を模式的に示す図である。 ディーゼルエンジンに用いられる2材のグロープラグの形態を模式的に示す図である。 ディーゼルエンジンに用いられる3材のグロープラグの形態を模式的に示す図である。 本発明のグロープラグにおいて電気抵抗素子の素材の組成領域を示す図である。 本発明の実施例で作製された電気抵抗素子の素材の各試料について温度と抵抗比との関係を示す図である。
符号の説明
1 発熱コイル、2 制御コイル、3 発熱・制御コイル。

Claims (3)

  1. ニッケルを20質量%以上45質量%以下、鉄を5質量%未満含み、残部が不可避的不純物とコバルトを含む電気抵抗素子を備え、
    前記電気抵抗素子は、その結晶構造が立方晶であり、
    前記電気抵抗素子は、その直径が0.15〜0.35mmであり、
    前記ニッケルと鉄の含有量が、質量%単位でそれぞれxとyであるとき、x+7y≦70の関係を満たし、
    前記電気抵抗素子の室温での電気抵抗値をρ(RT)、前記電気抵抗素子の温度1000℃での電気抵抗をρ(1000)としたとき、それらの比ρ(1000)/ρ(RT)が7以上12以下である、グロープラグ。
  2. 前記不可避的不純物として炭素のみを0.1質量%以下、かつシリコン、チタン、マンガン、クロム、アルミニウム、硼素およびビスマスの合計を0.1質量%以下含む、請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 前記電気抵抗素子は、バナジウムとタングステンを、それぞれ3質量%以下、モリブデンを8質量%以下さらに含む、請求項1または2に記載のグロープラグ。
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