JP2002098333A - グロープラグ - Google Patents

グロープラグ

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JP2002098333A
JP2002098333A JP2000292982A JP2000292982A JP2002098333A JP 2002098333 A JP2002098333 A JP 2002098333A JP 2000292982 A JP2000292982 A JP 2000292982A JP 2000292982 A JP2000292982 A JP 2000292982A JP 2002098333 A JP2002098333 A JP 2002098333A
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electric resistance
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Yukifumi Chiba
幸文 千葉
Hisashi Higuchi
尚志 樋口
Tomoaki Kumada
智哲 熊田
Shunsuke Goto
俊輔 後藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23QIGNITION; EXTINGUISHING-DEVICES
    • F23Q7/00Incandescent ignition; Igniters using electrically-produced heat, e.g. lighters for cigarettes; Electrically-heated glowing plugs
    • F23Q7/001Glowing plugs for internal-combustion engines

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 速熱性、耐酸化性および加工性に優れた電気
抵抗素子を備えたグロープラグを提供する。 【解決手段】 グロープラグは、ニッケルを20質量%
以上60質量%以下、鉄を5質量%未満含み、残部が不
可避的不純物とコバルトを含む電気抵抗素子を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はグロープラグに関
し、特にディーゼルエンジンに用いられるグロープラグ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ディーゼルエンジンの始動時に加
熱を行なうために用いられるグロープラグは、一般に温
度を制御するための制御コイル機能と、加熱するための
発熱コイル機能とを備えている。
【0003】具体的には、ディーゼルエンジンのグロー
プラグとしては図1〜図3に示されるタイプのものがあ
る。図1に示されるグロープラグでは、ステンレス鋼や
インコネル等で作られたシースチューブ(以下、単にチ
ューブという)5の内部に発熱機能と温度制御機能の2
つの機能を兼ね備えた発熱・制御コイル3が配置されて
いる。図2に示されるグロープラグでは、チューブ5の
内部の先端部分に発熱コイル1が配置され、後端部分に
発熱コイル1に電気的に直列に接続された制御コイル2
が配置されている。図3に示されるグロープラグでは、
チューブ5の内部で発熱コイル1と制御コイル2との間
に第3のコイル(C)4が配置されている。なお、図1
〜図3に示されるグロープラグにおいて、チューブ5の
内部に各コイルを固定埋設するために、チューブ5の内
部にマグネシア(MgO)等の電気絶縁性粉末6が充填
されている。また、チューブ5を保持するために金具7
が設けられている。
【0004】上述のように構成されるグロープラグに用
いられるコイルの材料、すなわち電気抵抗素子の材料と
しては、従来から鉄族金属(鉄(Fe)、ニッケル(N
i)およびコバルト(Co))を主成分としたものが研
究されてきた。これらの材料は、電気抵抗に正の温度特
性があり、昇温とともにその温度での電気抵抗値と室温
での電気抵抗値との比(抵抗比)が上昇していく。
【0005】たとえば、特開昭58−83124号公報
には、重量で、Co40〜70%、Ni2〜15%、残
部Feからなることを特徴とし、速熱性と靭性を有する
予熱栓用加熱抵抗体が開示されている。この加熱抵抗体
は、上記の公報の第1図に示されているように、温度9
00℃までの抵抗比が昇温とともに急速に大きくなり、
速熱性に優れているものである。
【0006】また、たとえば、特開平2−133901
号公報には、鉄を20〜35重量%、残部がコバルトお
よびニッケルからなる電気抵抗素子用材料が開示されて
いる。この公報の第1図の曲線4と5が、それぞれ鉄と
ニッケルの抵抗比の温度変化を示すものである。ニッケ
ルはキュリー点が低いために、温度400℃付近から抵
抗比の増加は小さくなる。また、上記の公報の第1A図
には、25重量%の鉄を含むコバルト合金からなるフィ
ラメント材の抵抗比の温度変化を示す曲線が示されてい
る。この材料では温度800℃付近から急激に抵抗比が
増加し、温度900℃付近からその増加が小さくなる。
これに対し、上記公報に開示された発明の材料は、第1
図の1と2および第2図の3の抵抗比−温度曲線のよう
に温度ヒステリシスを示し、温度1000℃付近から抵
抗比の上昇が小さくなる。その結果、これらの材料では
上記公報の第3頁左下欄の下段に説明されているよう
に、温度1000℃付近まで高い速熱性があり、温度1
000℃付近まで昇温すると、コイル温度のファイン制
御が可能である。すなわち、上記公報に開示された電気
抵抗素子用材料は速熱性と自己温度制御機能を備えてい
る。
【0007】一方、近年になって環境問題の高まりか
ら、クリーンな排ガスを得るためにディーゼルエンジン
を始動した後、従来より長時間にわたって加熱する必要
が生じてきた。このため、グロープラグのコイル素材に
も上記の速熱性とともに、高い耐久性が求められてい
る。特に制御コイル部分には、高濃度のコバルト基合金
線等も使用されるようになってきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等が確認したところでは、上記の環境問題に対処する
ために長時間通電加熱すると、上記の公報に開示された
材料は、いずれも鉄の含有量が比較的多いため、酸化さ
れやすく、耐酸化性の点で問題のあることがわかった。
また、上記の公報に開示された材料のように、コバルト
の含有量が多くなると、加工性が低下し、近年のより細
線化への要求、すなわちコンパクト化への要求に応える
ことができないという問題もあった。
【0009】そこで、この発明の目的は、上述の長時間
加熱を行なうためのグロープラグに関し、下記の(1)
〜(3)の要求に十分応えることが可能な制御コイルま
たは発熱コイルとしての電気抵抗素子を備えたグロープ
ラグを提供することである。
【0010】(1) 速熱性を得るために常温での電気
抵抗値と高温での電気抵抗値の比(以下、単に抵抗比と
いう)が大きいこと。
【0011】(2) 長寿命を得るために耐酸化性に優
れていること。 (3) コンパクトなスペースで使用できるように細線
まで加工できること。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に従ったグロー
プラグは、ニッケル(Ni)を20質量%以上60質量
%以下、鉄(Fe)を5質量%未満含み、残部が不可避
的不純物とコバルト(Co)を含む電気抵抗素子を備え
ている。
【0013】この発明の好ましいグロープラグにおいて
は、電気抵抗素子におけるニッケルと鉄の含有量が、質
量%単位でそれぞれxとyであるとき、x+7y≦70
の関係を満たす。
【0014】また、この発明の好ましいグロープラグに
おいて、電気抵抗素子を構成する材料は不可避的不純物
として、炭素(C)のみを0.1質量%以下、およびシ
リコン(Si)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、
クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、硼素(B)お
よびビスマス(Bi)の合計を0.1質量%以下含む。
【0015】この発明のグロープラグにおいて、電気抵
抗素子は、バナジウム(V)およびタングステン(W)
をそれぞれ3質量%以下、モリブデン(Mo)を8質量
%以下含むのが好ましい。
【0016】この発明のグロープラグにおいて、電気抵
抗素子の室温での電気抵抗値をρ(RT)、電気抵抗素
子の温度1000℃での電気抵抗値をρ(1000)と
したとき、それらの比ρ(1000)/ρ(RT)が7
以上12以下であるのが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】上記の目的を達成するための本発
明のグロープラグの第1の特徴は、制御コイルおよび/
または発熱コイルを、ニッケルを20質量%以上60質
量%以下、鉄を5質量%未満含み、残部が不可避的不純
物とコバルトとを含む電気抵抗素子で構成することであ
る。
【0018】グロープラグには、前述したように、速熱
性と昇温後の温度の飽和が求められ、そのコイル素材に
は、速熱性と昇温後の温度の自己温度制御機能が求めら
れる。速熱性と自己温度制御機能は、通電直後の温度の
低い状態では電気抵抗値が小さく、大きい電流が流れ、
温度の上昇に従って電気抵抗値が増加し、電流が小さく
なるという素材の特性により得られる。したがって、こ
のような特性を有する素材を電気抵抗素子として使用す
ると、良好なグロープラグを得ることができる。
【0019】また、素材の冷間での加工性は、コバルト
合金の結晶構造を加工が難しい六方晶から加工が容易な
立方晶に変えることによって改善することができる。グ
ロープラグ内で電気抵抗素子として使用するためには、
外径が数百μmになるまで素材を加工する必要がある。
六方晶のコバルト合金を上記の外径まで加工するのは甚
だ困難である。
【0020】本発明の第1の特徴に従えば、結晶構造が
立方晶となり、加工性も大幅に改善することができると
ともに、常温と高温での抵抗比が高い、グロープラグに
適した電気抵抗素子の素材を得ることができる。
【0021】本発明の電気抵抗素子の素材の組成におい
て、ニッケルの含有量が20質量%未満では加工性が低
下し、外径が数百μmまでの細線に加工することができ
なくなる。また、ニッケルの含有量が60質量%を超
え、鉄の含有量が5質量%以上になると、耐酸化性が低
下するとともに、抵抗比が小さくなり、速熱性が損なわ
れるので好ましくない。また、上記の範囲内の組成領域
であれば、通常のコバルト−鉄系材料で見られるような
昇温途上でのα/γ相変態による急激な体積変化がな
く、それによるコイルの断線を未然に回避することがで
きる。さらに、上記の範囲内の組成領域であれば、素材
の結晶構造は立方晶であるため、加工性が良好で細い径
まで容易に冷間加工することができる。また、図2およ
び図3に示したようなそれぞれのグロープラグを作製す
るためには、材質の異なった部材と溶接する必要がある
が、本発明の素材は、耐酸化性に優れており、溶接時の
酸化が少なく、したがって溶接性に優れている。
【0022】また、本発明のグロープラグの第2の特徴
は、上記の第1の特徴に加え、さらに電気抵抗素子を構
成する材料においてニッケルと鉄の含有量が、質量%単
位でそれぞれxとyであるとき、x+7y≦70の関係
を満たすことである。ニッケルと鉄の含有量が上記の関
係を満たすとき、耐酸化性が特に良好な電気抵抗素子の
素材を提供することができる。
【0023】図4は、本発明の第1の特徴で規定される
組成領域と第2の特徴で規定される組成領域との関係を
示すグラフである。図4において縦軸が鉄の含有量、横
軸がニッケルの含有量を示す。なお、縦軸と横軸のスケ
ールは同じではない。図4において矩形ABCDの4辺
で囲まれた部分が第1の組成領域、五角形ABEFDの
5辺で囲まれた部分が第2の組成領域に相当する。ただ
し、いずれの組成領域においても、線分CD上は含まな
い。各点を(鉄の質量%の値、ニッケルの質量%の値)
で表わした座標は、A(20,0)、B(60,0)、
C(60,5)、D(20,5)、E(60,1.4
3)、F(35,5)である。
【0024】グロープラグの電気抵抗素子に適した抵抗
比を保ちながら、良好な耐酸化性を得るためには、鉄の
含有量が少ない方が好ましいが、鉄の含有量が減るにつ
れて加工性が悪くなる。本発明のグロープラグの第2の
特徴に従えば、鉄の含有量の減少に応じてニッケルの含
有量を増やすことによって、加工性の劣化を防ぎなが
ら、グロープラグ用電気抵抗素子の素材に好ましい抵抗
比を保つことができ、さらに耐酸化性を改善することが
可能となる。これらのことにより、グロープラグの長寿
命化やコンパクト化が可能となる。
【0025】本発明の第2の特徴に従った電気抵抗素子
の素材は耐酸化性に優れているため、線材表面からの酸
化の進行が遅い。素材を細径化するにつれて体積に対す
る表面積の割合が大きくなるため、酸化の進行による素
線の電気抵抗値の増加の割合が顕著になるが、本発明の
素材は耐酸化性に優れているため、この電気抵抗値の増
加の割合が小さい。このことは、従来と同一外径の素線
を使用した場合、耐久性を高めることができるので長寿
命となることはいうまでもなく、本発明の特徴の1つで
ある良好な加工性と相俟って、細径化した素材を使用し
たコンパクトなグロープラグでも十分な寿命を持たせる
ことができる。また、本発明の電気抵抗素子の素材は耐
酸化性に優れているため、制御コイルだけではなく、発
熱コイルとしても適用できる。したがって、本発明に従
った電気抵抗素子は、従来の制御コイルと発熱コイルと
を兼ねることも十分可能である。
【0026】本発明の電気抵抗素子の組成と機能との関
係をまとめて、図4によって説明すれば、以下のように
なる。すなわち、四角形ABCDの4辺で囲まれた部分
は、速熱性と耐久性と加工性ともに良好な本発明の領域
であり、五角形ABEFDの5辺で囲まれた部分(第2
の領域)は、速熱性と耐久性が特に優れた領域である。
また、三角形CEFの3辺で囲まれた領域は、速熱性と
耐久性ともに第2の領域に比べて劣る領域である。
【0027】本発明のグロープラグの第3の特徴は、以
上の第1と第2の特徴に加えて、さらにグロープラグを
構成する電気抵抗素子中の不可避的不純物の含有量が、
炭素のみで、およびシリコン、チタン、マンガン、クロ
ム、アルミニウム、硼素およびビスマスの合計で、いず
れも0.1質量%以下に制御されたものである。これら
の不純物の含有量が0.1質量%を越えると、素材の加
工性の低下を招きやすい。
【0028】また、本発明のグロープラグの第4の特徴
は、上記の基本組成に加えて、電気抵抗素子がバナジウ
ムとタングステンをそれぞれ3質量%以下さらに含む
か、またはモリブデンを8質量%以下さらに含むことで
ある。これによって、この含有量の範囲内であれば、上
記の基本組成を備えた電気抵抗素子での速熱性と自己温
度制御機能を維持しつつ、より一層の高温強度、クリー
プ特性といった耐熱性と耐酸化性を付与することができ
る。
【0029】さらに、本発明の電気抵抗素子は、室温で
の電気抵抗値ρ(RT)と、温度1000℃での電気抵
抗値ρ(1000)の比ρ(1000)/ρ(RT)が
7以上12以下であることを特徴とする。そして、電気
抵抗素子において、常温から800℃までの抵抗温度係
数が単調増加する。これによって、グロープラグの電気
抵抗素子の精密な温度制御が容易になる。
【0030】抵抗比ρ(1000)/ρ(RT)を7以
上とすることにより、抵抗比の温度係数が増加すること
による電流の抑制機能が十分働く。このように通電昇温
時の速熱性と電流制御機能を高めるためには、抵抗比の
値は大きい方が望ましい。しかしながら、耐酸化性およ
び加工性を重視した本発明の素材の組成範囲内では、通
常、抵抗比の値が12を超えることはまれである。因み
に、特開昭58−83124号公報と特開平2−133
901号公報に開示された電気抵抗素子の素材であれ
ば、抵抗比が12を超えるものも得ることができるが、
このような素材は、主にニッケルの含有量と鉄の含有量
の違いから、本発明の素材に比べて耐酸化性で劣る。本
発明で提供されるグロープラグは、その発熱コイルおよ
び/または制御コイルを構成する素材には速熱性と電流
制御機能が付与されているだけでなく加工性にも優れて
いるため、グロープラグの実用設計の自由度が増し、さ
らに良好な耐酸化性も備えられているため、高性能で信
頼性の高いグロープラグを提供することが可能になる。
【0031】
【実施例】(実施例1)表1に示す化学組成を有する試
料No.1〜12について、各成分が所定の含有量を有
するように秤量した素材を誘導炉で真空雰囲気下で溶解
し、直径25mmの鋳型に鋳造し、鋳塊を得た。鋳造時
の表面欠陥を除去する目的で鋳塊の表面を切削除去した
後、熱間鍛造を行ない、直径10mmの線材を得た。次
に、この線材に温度900℃で1時間の熱処理を施した
後、冷間伸線と熱処理を繰返し行なうことによって、加
工不可能な試料を除き、0.15〜0.35mmの所定
の直径になるまで線材を加工した。試料No.8につい
ては、市販の鋼線にニッケルめっきを施した線材を用い
た。また、試料No.10については市販のニッケル線
を用いた。
【0032】このようにして得られた加工可能であった
各試料の温度1000℃での電気抵抗値と室温での電気
抵抗値との比(抵抗比)と、温度に対する抵抗温度係数
の傾向と、冷間加工での限界加工度と、耐酸化性を評価
した結果を表1に示す。また、これらの試料の抵抗比の
温度に対する変化を図5に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1において、「抵抗温度係数」が「○」
であるものは室温から少なくとも温度800℃までは抵
抗温度係数が単調増加することを示し、「×」であるも
のは温度800℃より低い温度で抵抗温度係数が減少す
ることを示す。また、表1において「不純物」は不可避
的不純物としてシリコン、チタン、マンガン、クロム、
アルミニウム、硼素およびビスマスの含有量の合計値を
示す。「抵抗比」は温度1000℃での電気抵抗値ρ
(1000)と室温での電気抵抗値ρ(RT)の比率ρ
(1000)/ρ(RT)を示す。「耐酸化性」が
「◎」であるものは耐酸化性が非常に優れていることを
示し、「○」であるものは耐酸化性が優れていることを
示し、「△」であるものは耐酸化性がやや劣ることを示
し、「×」であるものは耐酸化性が劣ることを示す。な
お、耐酸化性の評価は、大気雰囲気中で温度900℃で
50時間保持した後に行なわれた。
【0035】表1と図5から、本発明に従った組成を有
する試料No.1〜7は加工性が良好で、高温と室温で
の抵抗比が大きく、かつ耐酸化性が良好な素材であるこ
とがわかる。また、試料No.7は、x+7y=78と
なる実施例であるが、この値が70を超えるため、抵抗
比がやや低くなるとともに、抵抗温度係数も700℃程
度で減少していることがわかる。なお、試料No.12
から、加工性向上のために鉄を8質量%含有させた場合
には、耐酸化性にやや劣ることがわかる。また、試料N
o.12よりも耐酸化性向上のために鉄含有量を試料N
o.9のように4質量%まで低減させると、加工性が低
下して冷間加工できなくなることがわかる。つまり、試
料No.2とNo.9との比較からニッケルを所定量含
有させることが必要であることがわかる。
【0036】(実施例2)図2に示すように片方端を封
止したSUS310Sまたはインコネル601のチュー
ブ5の中に絶縁性粉末6としてマグネシア粉末とともに
制御コイル2と発熱コイル1を装入して、2材のグロー
プラグを作製した。制御コイル2には、直径が0.15
〜0.35mmまで加工可能であった素材を熱処理する
ことなく、コイル形状にしたものを使用し、発熱コイル
1には、鉄−クロム合金またはニッケル−クロム合金を
使用した。
【0037】このようにして作製した2材のグロープラ
グに直流電圧11Vを印加し、グロープラグの表面温度
が温度800℃に達するまでの時間(800℃到達時
間)を測定した。また、30秒後のグロープラグの表面
温度(30秒後の温度)を測定した。さらに、直流電圧
13Vで300秒間通電加熱した後、60秒間電流を遮
断し、冷却を繰返すヒートサイクル試験を行なった。こ
れによってグロープラグの耐久性を評価した。制御コイ
ルと発熱コイルとの溶接性も評価した。これらの結果を
表2に示す。表2において「制御コイル」は制御コイル
の素材に用いた試料No.(表1)を示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2において、「耐久性」は上記のヒート
サイクル試験を5000サイクル行なっても断線を生じ
ないものを「○」と示す。また、「溶接性」が「○」で
あるものは、発熱コイルと制御コイルとの溶接部に使用
中における相変態が起こらないものを示す。「△」であ
るものは、溶接部に使用中に発熱コイルに含有される鉄
が拡散されるが、制御コイルに含有されるニッケルの影
響で相変態を起こし難いものを示す。また、「×」であ
るものは、さらなる速熱性を得るために発熱コイルに鉄
−クロム合金を用いると溶接部に使用中における鉄の拡
散による影響でα/γ相変態を起こしやすくなるものを
示す。
【0040】表2から、本発明に従った組成を有する試
料を制御コイルの素材として用いた2材のグロープラグ
は耐久性に優れ、すなわち長寿命で信頼性に優れること
がわかる。
【0041】(実施例3)図3に示すように、発熱コイ
ル1と制御コイル2の間に別のコイル(C)4を介在し
て、通電初期に電流制御がかからないようにした3材の
グロープラグを実施例2に準じて作製した。コイル
(C)4には電気抵抗値の低い純ニッケル線を使用し
た。作製した3材のグロープラグを用いて実施例2と同
様の測定と評価を行なった。その結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3から、本発明に従った組成を有する試
料を制御コイルの素材として用いた3材のグロープラグ
は、耐久性に優れ、すなわち長寿命で信頼性に優れるこ
とがわかる。
【0044】(実施例4)実施例2に準じて、図1に示
す1材のグロープラグを作製した。1材のグロープラグ
は通電初期の電気抵抗値が小さいため、比較的大電流が
発熱コイルに流れることによって発熱し、急速に昇温
し、その後、発熱コイルの抵抗温度係数に伴う電気抵抗
値の上昇で電流が制御され、温度が飽和するグロープラ
グである。実施例2と同様にして、1材のグロープラグ
の特性を測定・評価した。その結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】表4から、本発明に従った組成を有する試
料を発熱・制御コイルの素材として用いた1材のグロー
プラグは、耐久性に優れ、すなわち長寿命で信頼性に優
れることがわかる。
【0047】以上に開示された実施の形態や実施例はす
べての点で例示であって制限的なものではないと考慮さ
れるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態で
はなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範
囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を
含むものであると意図される。
【0048】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば速熱
性、自己温度制御機能、耐酸化性および加工性に優れた
電気抵抗素子を備えたグロープラグを得ることができ
る。したがって、グロープラグの設計の自由度が増し、
高性能で長寿命で信頼性の高いグロープラグを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディーゼルエンジンに用いられる1材のグロ
ープラグの形態を模式的に示す図である。
【図2】 ディーゼルエンジンに用いられる2材のグロ
ープラグの形態を模式的に示す図である。
【図3】 ディーゼルエンジンに用いられる3材のグロ
ープラグの形態を模式的に示す図である。
【図4】 本発明のグロープラグにおいて電気抵抗素子
の素材の組成領域を示す図である。
【図5】 本発明の実施例で作製された電気抵抗素子の
素材の各試料について温度と抵抗比との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1:発熱コイル、2:制御コイル、3:発熱・制御コイ
ル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 尚志 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 熊田 智哲 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 (72)発明者 後藤 俊輔 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3K092 PP16 QA01 QB02 QB27 QB48 RA02 RB04 RB19 RD03 RD04 SS12 VV04 VV09 VV16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニッケルを20質量%以上60質量%以
    下、鉄を5質量%未満含み、残部が不可避的不純物とコ
    バルトを含む電気抵抗素子を備えた、グロープラグ。
  2. 【請求項2】 前記ニッケルと鉄の含有量が、質量%単
    位でそれぞれxとyであるとき、x+7y≦70の関係
    を満たす、請求項1に記載のグロープラグ。
  3. 【請求項3】 前記不可避的不純物として炭素のみを
    0.1質量%以下、かつシリコン、チタン、マンガン、
    クロム、アルミニウム、硼素およびビスマスの合計を
    0.1質量%以下含む、請求項1または請求項2に記載
    のグロープラグ。
  4. 【請求項4】 前記電気抵抗素子は、バナジウムとタン
    グステンを、それぞれ3質量%以下、モリブデンを8質
    量%以下さらに含む、請求項1から請求項3までのいず
    れか1項に記載のグロープラグ。
  5. 【請求項5】 前記電気抵抗素子の室温での電気抵抗値
    をρ(RT)、前記電気抵抗素子の温度1000℃での
    電気抵抗値をρ(1000)としたとき、それらの比ρ
    (1000)/ρ(RT)が7以上12以下である、請
    求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のグロー
    プラグ。
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