JP4849254B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚の用紙を積層した状態で載置可能な用紙載置部と、用紙載置部に載置されている用紙を1枚ずつ繰り出すための分離部を有する給送部と、分離部により繰り出された用紙を搬送する用紙搬送部とを備えた給紙装置に関するものである。
一般に、ファクシミリ装置やデジタル複合機(複写機)においては、原稿載置部に載置された原稿を1枚ずつ分離して繰り出し、読取手段による原稿画像読み取り位置へと連続的に供給する自動原稿送り装置(以下、ADFということがある)を備えている。かかる自動原稿送り装置においては、原稿載置部に載置されている原稿が確実に給送されているか否かを監視する必要があり、そのためのセンサーを利用した監視手段が採用されているものもある。
さて、原稿載置部に載置された原稿を1枚ずつ分離して繰り出す手段(用紙分離装置)として、下記特許文献1が公知である。この用紙分離装置は、原稿を送り出す給紙ローラと、搬送路のガイド面であって前記給紙ローラの対向位置に形成された凹部に揺動可能に設けられた分離パッドホルダと、該分離パッドホルダを給紙ローラ側へ付勢する付勢手段と、該分離パッドホルダに貼設されて前記給紙ローラと圧接する分離パッドとを備え、原稿トレイから繰り出された原稿を該給紙ローラと分離パッドとにより1枚ずつ分離して送り出すように構成されている。
特許第3861863号公報(請求項1)
上記特許文献1の用紙分離装置を含め、原稿を1枚ずつ分離して送り出す手段は、給紙ローラと分離パッドで原稿を1枚ずつ他の原稿から分離するように構成されている。この給紙ローラとしては、例えば、シリコン製、EPDM製のローラで構成されている。一方、分離パッドとしては、原稿に対する摩擦係数が給紙ローラの原稿に対する摩擦係数より低く、かつ原稿同士の摩擦係数より高いものであり、例えば、ウレタン系樹脂やコルクで構成されている。
分離パッドをウレタン系樹脂やコルク等で構成した場合、紙粉、埃等の影響により、その表面が汚れることがあり、分離パッド表面を定期的に清掃する必要がある。また、分離パッドをウレタン系樹脂やコルク等で構成した場合に、その材料固有の寿命(交換時期)があり、さらに紙との磨耗等の影響により寿命が変動することも想定される。また、分離パッドに限らず、給紙ローラも同様にその寿命による交換や清掃が必要である。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、分離パッドまたは給紙ローラの清掃時期や交換時期を適切に判断し、さらには、清掃時期や交換時期を知らせることを可能とする給紙装置を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る給紙装置は、
複数枚の用紙を積層した状態で載置可能な用紙載置部と、
用紙載置部に載置されている用紙を1枚ずつ繰り出すための分離部を有する給送部と、
分離部により繰り出された用紙を搬送する用紙搬送部と、を備えた給紙装置であって、
前記分離部から繰り出されて搬送されてきた用紙を検出する用紙検出部と、
前記分離部から用紙検出部までの用紙の到達時間を設定する到達時間設定部と、
前記分離部から繰り出し開始され、前記用紙検出部で検出されるまでの時間であるモニター時間を算出するモニター時間算出部と、
前記到達時間と前記モニター時間を比較し、前記モニター時間が前記到達時間よりも大きい場合の回数であるモニター時間異常回数をカウントするモニター時間比較部と、
前記分離部から繰り出されて用紙搬送部に搬送される用紙の枚数である搬送用紙枚数をカウントする搬送用紙カウント部と、
前記モニター時間異常回数が所定回数以上の場合であって、前記搬送用紙枚数が所定枚数を越える場合に、前記分離部の交換を促す分離部交換指示部と、
前記モニター時間異常回数が所定回数以上の場合であって、前記搬送用紙枚数が所定枚数以下の場合に、前記分離部の清掃を促す分離部清掃指示部と、をさらに備えることを特徴とする。
かかる構成による給紙装置の作用・効果を説明する。この給紙装置は、用紙載置部に載置されている用紙を1枚ずつ繰り出していくための分離部を有する給紙部を備え、繰り出された用紙は、例えば、画像読み取り位置に搬送され用紙に記録された画像(文字を含む)の読み取りが行なわれたり、または、画像記録位置へと搬送され用紙に画像が記録される。そして、分離部から繰り出されて搬送されてきた用紙を検出する用紙検出部と、分離部から繰り出し開始され、用紙検出部で検出されるまでの時間であるモニター時間を算出するモニター時間算出部によって、分離部から用紙検出部までの用紙の到達時間(モニター時間:t)を1枚ずつ算出することができる。時間開始のトリガとしては、例えば、スタートキー押下、2枚目以降の繰り込み指示等が例示される。
また、分離部から用紙検出部までの用紙の到達時間(理論的到達時間:t)は、理論的には、分離部から用紙検出部までの距離(L)をその間の搬送速度(V)で除算することで得られる。しかし、装置固有の特性、環境変化を考慮し、到達時間(t)は、(L/V)×αで算出でき、到達時間設定部によって予め設定される。αは、到達時間設定時に適宜設定でき、例えば1.1〜10の間で設定することができる。
そして、モニター時間比較部によって、到達時間(t)とモニター時間(t)を比較し、モニター時間(t)が到達時間(t)よりも大きい場合に。モニター時間異常回数(n)がカウントされる。また、搬送用紙カウント部によって、分離部から繰り出されて用紙搬送部に搬送される用紙の枚数である搬送用紙枚数(N)がカウントされる。この開始は、例えば、出荷時、分離部交換時においてゼロに設定することができる。
そして、分離部交換指示部は、モニター時間異常回数(n)が所定回数以上の場合であって、搬送用紙枚数(N)が所定枚数を越える場合に、分離部の交換を促すように構成されている。また、分離部清掃指示部は、モニター時間異常回数(n)が所定回数以上の場合であって、搬送用紙枚数(N)が所定枚数以下の場合に、分離部の清掃を促すように構成されている。
以上の構成によって、分離パッドまたは給紙ローラの清掃時期や交換時期を適切に判断し、さらには、清掃時期や交換時期を知らせることを可能とする給紙装置を提供することができる。
また、本発明の好適な実施形態として、分離部清掃指示部によって分離部の清掃が促された清掃指示の回数である清掃指示回数をカウントする清掃指示回数カウント部をさらに備え、
前記分離交換指示部は、前記清掃指示回数が所定期間内に所定回数以上である場合に、前記分離部の交換を促すことを特徴とする。
この構成によれば、清掃指示回数カウント部によって、分離部清掃指示部によって分離部の清掃が促された清掃指示の回数である清掃指示回数(m)をカウントすることができ、分離交換指示部は、清掃指示回数(m)が所定期間内(例えば、10分、1時間、1日、10日、30日等)に所定回数(例えば、1回、10回、100回、1000回等)以上である場合に、分離部の交換を促すことができる。例えば、使用環境の変化、摩擦係数の大きい等劣悪な紙を用いている場合に、分離パッドまたは給紙ローラ等の寿命が、設定されている寿命よりも短くなる場合があり、そのような場合に、搬送用紙枚数(N)が所定枚数(例えば5万枚)を越えていなくとも、分離部の交換を促すようにできるので好ましい。
また、本発明において、分離部の交換および/または清掃を促す場合に、表示部に表示する、音を出力する、および/または外部装置に通信することが好ましい実施形態である。表示部としては、装置本体に備えられた液晶モニター等が例示される。音は、音声でもよく、ビープ音、警告音、電子合成音でもよい。外部装置としては、給紙装置本体と通信手段を介して接続される、サービスサンター等のサーバ装置等が例示される。サービスセンターは、給紙装置あるいは当該装置を備える画像形成装置の保守等を行なっているため、ユーザから分離部の交換等の連絡を待つことなく、分離部の交換等をユーザに連絡できる利点があり、サービス向上に役立つ。
本発明に係る給紙装置が採用された自動原稿送り装置を有する画像形成装置について図面を用いて説明する。図1は、画像形成装置の内部構成をブロック的に示す模式図である。図1は、画像形成装置の前面側から見た模式図であり、図1の紙面に垂直な方向を装置の前後方向、図1の紙面に沿った上下方向を装置の上下方向、図1の紙面に沿った左右方向を装置の左右方向と定義する。
画像形成装置1は、最上部に本発明に係る自動原稿送り装置(ADF)2を備えており、原稿トレイ8、給紙部A、原稿搬送部B、排出トレイ9を備えている。原稿トレイ8に堆積載置された原稿(用紙)は、給紙部Aにより1枚ずつ繰り出し分離されて、原稿搬送路の途中にある第1読取位置P1において、静止した読み取り走査装置3aにより原稿画像の読み取りが行なわれる。画像を読み取られた原稿は、排出トレイ9に順次排出される。
画像読み取り部3は、ADF読み取り部3bとフラットベッドスキャナー部(FBS)3cにより構成される。FBS3cにおいて画像読み取りを行なう場合には、読み取り走査装置3aがFBC3cに移動し、プラテンガラス3dの下を左右方向に往復移動しながら、プラテンガラス3dの上に置かれた原稿の画像を読み取る。上記ADF2を構成する一連の機構は、プラテンカバー(原稿押圧板)も兼ね、図1の紙面奥側をヒンジ軸として開閉可能とされている。
画像記録部4は、電子写真式の記録装置であり、不図示の感光体ドラム、帯電器、レーザーによる光書き込みユニット、現像器、転写器、定着器などにより構成される。画像が形成された記録紙は、排出ローラ4aにより排出トレイ4bに排出される。画像記録部4の具体的な構成については、公知の構成を採用することができる。また、電子写真の形式は、トナー画像を記録紙に転写する方式の他、インクジェット式、インクリボン式などの各種の画像記録方式を採用することができる。また、形成される画像もモノクロ画像とカラー画像のいずれであってもよい。
給紙部5は、図1の紙面に垂直な方向に出し入れ可能な複数の記録紙カセット6を備えている。各記録紙カセット6は、基本的には同じ構造を有している。記録紙カセット6では記録紙が上下方向に積層されて収容されており、給紙ローラおよび分離パッドにより1枚ずつ分離されて繰り出されていく。給紙ローラおよび分離パッドによる給紙機構(分離部として機能する)については、公知の構成を採用することができる。給紙ローラおよび分離パッドにより繰り出された記録紙は、記録紙搬送機構7により画像記録部4へと送り込まれる。
<ADFの構成>
次に、ADF2の内部構成を図2の断面図により説明する。原稿トレイ8は原稿押さえカバー10の上部に、原稿を供給する方向へ若干傾斜した状態で設けられている。すなわち、原稿トレイ8の上に、積層された原稿を収容した時、左側が下方に傾斜した状態で載置される。操作者が原稿トレイ8の上に原稿を載置する場合、原稿トレイ8の傾斜下端側に原稿の先端を搬送路20の入口の方向に挿入するようにして載置する。なお、図示はしていないが、原稿トレイ8には、原稿の幅方向の位置を規制して原稿の斜め送りを防止する可変式のガイドが設けられている。
給紙部Aには、下流側に位置する分離ローラ30と上流側に位置するピックアップローラ31が設けられており、ピックアップローラ31は分離ローラ30と同芯の駆動軸30aから駆動伝達されるように構成される。分離ローラ30とピックアップローラ31とを連結するように連結フレーム32が設けられている。この連結フレーム30は、駆動軸30aと不図示のトルクリミッタを介して連結されており、これにより、駆動軸30aを中心に揺動可能な構成となっている。従って、ピックアップローラ31は駆動軸30aを回転中心として上下揺動可能に構成され、最上層の原稿を押圧可能な位置と、離間した位置の間を移動可能に構成されている。
連結フレーム32の一端には支軸31aが取り付けられており、ピックアップローラ31が回転可能な状態で軸支される。駆動軸30aに取り付けられたプーリ30bと、支軸31aに取り付けられたプーリ31bの間にベルト33が巻回されている。これにより、駆動軸30aの回転がプーリ30b、ベルト33、プーリ31bを介して支軸31aに伝達され、更に、この支軸31aの回転は不図示のワンウェイクラッチを介してピックアップローラ31に伝達されるように構成される。
分離ローラ30(給紙ローラと称されることもある)に対向する下方には分離パッド34が設けられ、スプリング35により分離ローラ30の外周面に向けて圧接力が付与されている。この分離ローラ30と分離パッド34は、原稿を確実に1枚だけ繰り出すための機構であり、原稿分離手段(分離部に相当する)として機能する。ピックアップローラ31により繰り出された原稿は、この分離ローラ30と分離パッド34の間に導入される。仮に複数枚の原稿がピックアップローラ31により繰り出されたとしても、摩擦係数の差に基づいて、分離ローラ30の回転により一番上の原稿のみが分離ローラ30により繰り出されるものである。なお、分離ローラ30と分離パッド34の組み合わせによるものに代えて、分離ローラ30とリタードローラの組み合わせを採用してもよい。
分離ローラ30は、例えば、シリコン製、EPDM製のローラで構成されている。一方、分離パッド34の表面材料としては、原稿に対する摩擦係数が給紙ローラの原稿に対する摩擦係数より低く、かつ原稿同士の摩擦係数より高いものであり、例えば、ウレタン系樹脂やコルクで構成されている。
ピックアップローラ31は、待機状態では原稿から離間した上方に位置しているが、駆動軸30aが図2の時計方向に回転駆動(正回転)されると、前述のトルクリミッタの作用により連結フレーム32が駆動軸30aを支点として揺動し、ピックアップローラ31が上方から下方に移動する。
下方に移動したピックアップローラ31は、原稿トレイ8上に載置された原稿の最上層に当接した時に移動が停止させられるが、駆動軸30aの引き続く回転により、ベルト33等の伝達系を介してピックアップローラ31の回転駆動が開始する。従って、駆動軸30aが正回転している間は、ピックアップローラ31は積層された原稿の最上層部を押圧しながら回転するので、原稿は最上層部から順番に繰り出されていく。駆動軸30aがいったん停止し、反時計方向へ回転駆動(逆回転)されると、トルクリミッタの作用により連結フレーム32が上方に移動し、ピックアップローラ31も上方に移動する。その後、駆動軸30aを停止させると、待機状態に静止保持される。
給紙部Aにより繰り出された1枚の原稿は、水平な搬送路20に送り込まれた後、原稿搬送部Bにより第1読取位置P1へ向けて搬送される。原稿搬送部Bは、Uターン状に形成された搬送路24を備えている。この搬送路24に沿って、上流側から順番にレジストローラ21、第1搬送ローラ22、第2搬送ローラ23が配置されており、これらによりレジスト搬送された原稿は、第1読取位置P1に搬送される。この第1読取位置P1において、読み取り走査装置3aにより原稿画像が読み取られる。読み取り走査装置3aは、CCDなどによるラインセンサーを備えており、原稿の搬送先頭側から順次原稿の画像データを取り込んでいく。
第1読取位置P1を通過した原稿は、第3搬送ローラ25により第2読取位置P2へと搬送され、排出ローラ26により排出トレイ9に排出される。第2読取位置P2には、原稿の裏面の画像を読み取るための読み取り走査装置27が設けられているが、裏面の画像を読み取らない時には機能しない。読み取り走査装置27は、密着型イメージセンサーであり、プラテンローラ28により、原稿をセンサーの読み取り面に密着させながら搬送させる。
レジストローラ21、第1搬送ローラ22、第2搬送ローラ23、第3搬送ローラ25、排出ローラ26は、搬送路を挟んで対向する側に、圧着ローラ21a,22a,23a,25a,26aが配置されており、原稿がニップされた状態で搬送される。
給紙部Aにより繰り出された原稿は、原稿搬送部Bに送り込まれレジストローラ21等のローラ機構により搬送される。ここで、レジストローラ21及びこれよりも下流側に位置するローラの周速は、分離ローラ30及びピックアップローラ31の周速よりも大になるように設定されている。これにより、分離ローラ30とレジストローラ21との間で原稿のたるみが生じないようにしている。
従って、分離ローラ30により繰り出された原稿の先端がレジストローラ21によりニップされると、その周速差により原稿に張力が作用することになるが、前述のように分離ローラ30及びピックアップローラ31には不図示のワンウェイクラッチが組み込まれているので、これらローラ30,31が空転し、原稿に大きな張力が作用しないようにしている。
<センサー及び制御>
次に、自動原稿送り装置の動作を制御するために用いられる各種のセンサーと、主要な制御機能について図3により説明する。図3において、搬送路を模式的に図示している。
分離ローラ30とレジストローラ21の間の搬送路20には、上流側から順番に原稿長センサー50と原稿幅センサー51が配置されている。これらのセンサー50,51は、原稿のサイズを判別するために設けられている。また、原稿長センサー50は原稿が給紙部Aか給送されてきたことも検出できる。原稿幅センサー51は、実際には幅方向(紙面の垂直方向)に沿って複数個が配置されており、各センサーの検知状態の組み合わせに基づいて、原稿サイズを判別する。原稿長センサー50は、搬送される原稿の先端と後端を検出することができ、その間の原稿送り量に基づいて、原稿長さを演算することができる。
レジストローラ21の手前(或いは直前)には、上流側から搬送されてくる原稿を検出するためにレジストセンサー40(原稿検出部に相当する)が設けられている。レジストセンサー40は、例えば反射式の光学センサー、または遮光式の光学センサー対等で構成できる。レジストセンサー40は、原稿分離手段(分離部)から分離されて搬送されてくる原稿の先端(又は後端)を検出することができる。この検出信号は後述するモニター時間算出部41によるモニター時間の算出に用いられる。
モニター時間算出部41は、分離部から繰り出し開始され、レジストセンサー40で検出されるまでの時間であるモニター時間(t)を算出する。これによって、分離部からレジストセンサー40までの原稿の到達時間(モニター時間:t)を1枚ずつ算出することができる。時間開始のトリガとしては、例えば、スタートキー押下、2枚目以降の繰り込み指示等が例示される。モニター時間算出部41は、例えば、不図示のタイマーと電気的に接続され、上記の開始信号および到達信号を受信し、当該信号受信時の時刻をタイマーから得て、当該時刻の差を算出することでモニター時間を算出することができる。
到達時間設定部42は、装置固有の特性、環境変化を考慮した到達時間(t)として、(L/V)×αを予め設定することができる。工場出荷時に設定してもよく、装置設置した後に、原稿分離手段、使用環境等に合わせて変更することもできる。αは、到達時間設定時に適宜設定でき、例えば1.1〜2の間で設定することができる。Lは、分離部からレジストセンサー40までの距離、Vは、その間の搬送速度である。また、Lとしては、原稿長センサー50からレジストセンサー40までの距離であってもよく、かかる場合、モニター時間算出部41は、原稿長センサー50およびレジストセンサー40からの検出信号によってモニター時間を算出することができる。
モニター時間比較部43は、到達時間(t)とモニター時間(t)を比較し、モニター時間(t)が到達時間(t)よりも大きい場合の回数であるモニター時間異常回数(n)をカウントすることができる。
搬送原稿カウント部44は、原稿分離手段(分離部)から繰り出されて原稿搬送部に搬送される原稿の枚数である搬送原稿枚数(N)をカウントすることができる。このカウント開始は、例えば、出荷時、分離部交換時においてゼロに設定することができる。
分離部交換指示部45は、モニター時間異常回数(n)が所定回数以上の場合であって、搬送原稿枚数(N)が所定枚数を越える場合に、原稿分離手段(分離部)、分離パッド34、または分離ローラ30の交換を促す。
分離部清掃指示部46は、モニター時間異常回数(n)が所定回数以上の場合であって、搬送原稿枚数(N)が所定枚数以下の場合に、原稿分離手段(分離部)、分離パッド34、または分離ローラ30の清掃を促す。ここで、「所定回数」は、予め設定されていてもよく、適宜変更することもでき、例えば、1〜1000の範囲で設定することができる。また、「所定枚数」は、予め設定されていてもよく、適宜変更することもでき、分離パッド34、分離ローラ30等の寿命時期によって設定され、例えば、1万枚〜10万枚の範囲で設定することができる。
また、原稿分離手段(分離部)、分離パッド34、または分離ローラ30の交換および/または清掃を促す場合に、分離部交換指示部45および/または分離部清掃指示部46は、液晶モニター(表示部に相当する)に交換および/または清掃の旨を表示することができる。また、交換および/または清掃の旨を意味する音(音声、ビープ音、警告音、電子合成音等)をスピーカーに出力することができる。また、交換および/または清掃の旨を意味する警告灯を点滅、点灯することができる。また、例えば、サービスセンター等の外部装置(例えば、サーバ装置)に、交換および/または清掃の旨を装置IDと共に通信手段(不図示)によって通知することができる。また、これらの促す方法は、単独でもよく、複数方法を組み合わせて構成されていてもよい。さらに、サービスセンターのサーバ装置は、この通知によって、交換が必要である装置を識別し、例えば、当該装置のユーザに電話、メール等で連絡することができる。さらに、サーバ装置に接続されたモニター上に装置ID、装置情報(例えば、製造番号、設置時期、個別仕様情報等)、設置場所、交換回数、交換部品等の情報を装置の設置場所を示す地図上に重ねて表示させるように構成できる。
また、上記のモニター時間異常回数(n)、搬送原稿枚数(N)の情報についても定期的にまたはその発生時期ごとにサーバ装置に通知されるように構成でき、かかる場合、サーバ装置では、自動原稿送り装置ごとに上記情報を管理、表示することができ、自動原稿送り装置の保守、メンテナンス情報、製品不良情報、製品開発情報として利用することができる。
清掃指示回数カウント部47は、分離部清掃指示部46によって原稿分離手段(分離部)、分離パッド34または分離ローラ30等の清掃が促された清掃指示の回数である清掃指示回数(m)をカウントする。この場合、分離交換指示部47は、清掃指示回数(m)が所定期間内(例えば、1分から数十日の範囲のいずれかの期間等)に所定回数(例えば、1から1000回の範囲のいずれかの回数等)以上である場合に、原稿分離手段(分離部)、分離パッド34または分離ローラ30の交換を促す。例えば、使用環境の変化、摩擦係数の大きい等劣悪な紙を用いている場合に、分離パッド34、分離ローラ30等の寿命が、設定されている寿命よりも短くなる場合があり、そのような場合に、搬送原稿枚数(N)が所定枚数(例えば5万枚)を越えていなくとも、原稿分離手段(分離部)等の交換を促すようにしている。
また、第1リードセンサー52は、第1読取位置P1の直上流の搬送路24に設けられており、搬送されてくる原稿の先端及び後端を検出することができる。原稿の先端を検出してから所定タイミング後に、読み取り走査装置3aによる画像読み取りが開始されように、読み取り制御部54による制御が行なわれる。同様に、原稿の後端が検出されてから所定タイミング後に、画像読み取りが終了する。更に、第2読取位置P2の直上流には、第2リードセンサー53が同じ目的のために設けられる。所定タイミングは、所定時間や原稿の送り量に基づいて予め設定することができる。
また、給紙部Aによる繰り出しが正常に行われているか否かは、原稿長センサー50(原稿幅センサー51でもよい)からの検出信号に基づいて判断することができる。繰り出し開始信号が出力されているにもかかわらず、原稿長センサー50により原稿の先端を検出できない場合は、原稿の繰り出しが失敗していると判断できる。このタイミングとしては、例えば、繰り出し開始信号が出されてから予め設定された所定時間が経過しても原稿の先端を検出できない場合は、繰り出しに失敗していると判断し、ジャム等の警告を出力するように構成できる。
モニター時間算出部41、到達時間設定部42、モニター時間比較部43、搬送原稿カウント部44、分離部交換指示部45、分離部清掃指示部46、清掃指示回数カウント部47は、プログラムソフトウエアと、CPUやメモリ等のハードウエア資源との協働作用によってその機能を発揮するように構成してもよく、専用回路またはファームウエアで構成してもよく、それらの組み合わせで構成することもできる。
モニター時間異常回数(n)、搬送原稿枚数(N)、清掃指示回数(m)は、不図示のメモリに必要に応じて、保存、読み出し処理がなされる。
<本発明の動作フロー>
以下に、本発明の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。原稿搬送の繰り出し指示が発生すると(S1)、原稿の給紙処理が開始され、原稿分離手段(分離部)によって原稿が1枚ずつ搬送される(S2)。搬送された原稿は、レジストセンサー40によってその先端が検出される(S3)。繰り出し指示信号とレジストセンサー40による検出信号を受信し、モニター時間算出部41は、モニター時間(t)を算出する(S4)。
次いで、モニター時間比較部43によって、モニター時間(t)が到達時間(t)より大きいか否かが判断される(S5)。モニター時間(t)が到達時間(t)より大きいと判断されなかった場合、ステップS51に行き、通常の動作(搬送処理)が行なわれ、搬送原稿枚数(N)がインクリメントされ、ステップS1に戻る。
一方、モニター時間(t)が到達時間(t)より大きい場合、モニター時間異常回数(n)がカウント(インクリメント)される(S6)。次いで、モニター時間異常回数(n)が所定回数(例えば5回)よりも大きいか否かが判断される(S7)。モニター時間異常回数(n)が所定回数(例えば5回)よりも大きいと判断されなかった場合、ステップS1に戻る。ここで、搬送原稿枚数(N)はインクリメントされる。なお、ステップS5でモニター時間(t)が到達時間(t)より大きいと判断された場合にも原稿の搬送処理はなされている。
一方、モニター時間異常回数(n)が所定回数(例えば5回)よりも大きい場合、ステップS8において、搬送原稿枚数(N)が所定枚数(例えば5万枚)よりも大きいか否かが判断される(S8)。
搬送原稿枚数(N)が所定枚数(例えば5万枚)よりも大きいと判断されなかった場合、ステップS9からステップS12の処理に移行する。ステップS9において、分離パッド34の汚れと判断され(S9)、分離パッド34の清掃を促す処理がなされる(S10)。次いで、清掃指示回数(m)がカウント(インクリメント)される(S11)。
次いで、清掃指示回数(m)が所定期間内(例えば1日)に所定回数(例えば5回)以上であるか否かが判断される(S12)。清掃指示回数(m)が所定期間内(例えば1日)に所定回数(例えば5回)以上である場合、ステップS14に行き、分離パッド34の交換を促す処理がなされる。一方、清掃指示回数(m)が所定期間内(例えば1日)に所定回数(例えば5回)以上であると判断されなかった場合、ステップS15に行く。
搬送原稿枚数(N)が所定枚数(例えば5万枚)よりも大きい場合、ステップS13からステップS14の処理に移行する。ステップS13において、分離パッド34の寿命であると判断され(S13)、分離パッド34の交換を促す処理がなされる(S14)。次いで、搬送原稿枚数(N)がカウント(インクリメント)される(S15)。その後、ステップS1に戻ってもよく、分離パッド34の交換または清掃がなされてもよい。分離パッド34等の交換がなされた場合、搬送原稿枚数(N)、モニター時間異常回数(n)、清掃指示回数(m)は初期化(ゼロ)される。
以上の動作フローにおいては、交換または清掃の対象として、分離パッド34を例に説明したが、これに制限されず、分離ローラ30または分離パッド34と分離ローラ30を有する原稿分離手段(分離部)全体の交換または清掃についても同様の動作フローで構成できる。
<別実施形態>
本発明に係る画像形成装置の具体的な構造は、本実施形態において説明した構造に限定されるものではなく、種々の変形例が可能である。
また、繰り出し信号としては、分離ローラ30の直下流側に位置する原稿長センサー50により原稿の繰り出しが検出されてもよい。また、搬送動作スタートキー押下を繰り出し信号の初期信号とし、その後の繰り出し信号は、原稿の搬送経路位置に基づく各センサーの検出信号を用いるように構成してもよい。また、各センサーとしては、光学式のセンサーでもよいし機械的なセンサーでもよい。
原稿搬送部Bの構成は、図示のものに限定されるものではなく、種々の変形例が考えられる。本実施形態では、原稿をUターンさせる搬送路24において、多数の搬送ローラを使用しているが、例えば、Uターン経路の内側に大径ローラを1つ配置し、その外周部に多数の圧着ローラを配置するような搬送機構を採用してもよい。
また、分離部を有する給走機構としては、ADFに組み込まれた給送部について説明したが、これに制限されず、記録紙カセット6にも適用できる。かかる場合、記録紙カセット6では記録紙(用紙)が上下方向に積層されて収容されており、給紙ローラおよび分離パッドにより1枚ずつ分離されて繰り出されていく。給紙ローラおよび分離パッドによる給紙機構(分離部として機能する)については、公知の構成を採用することができる。給紙ローラおよび分離パッドにより繰り出された記録紙は、記録紙搬送機構7により画像記録部4へと送り込まれる。記録紙搬送機構7の搬送路において、記録紙検出センサーが設置され、搬送されてきた記録紙の先端を検出するように構成し、検出信号と繰り出し信号がモニター時間算出部41に送られ、モニター時間が算出されるように構成できる。
画像形成装置の内部構成をブロック的に示す模式図 自動原稿送り装置(ADF)の構成を示す断面図 振動発生機構の構成を示す模式図 本発明の動作を説明するフローチャート
符号の説明
1 画像形成装置
2 自動原稿送り装置(ADF)
3a 読み取り走査装置
8 原稿トレイ
30 分離ローラ
31 ピックアップローラ
34 分離パッド
40 レジストセンサー
41 モニター時間算出部
42 到達時間設定部
43 モニター時間比較部
44 搬送原稿カウント部
45 分離部交換指示部
46 分離部清掃指示部
47 清掃指示回数カウント部
50 原稿長センサー
54 読み取り制御部
A 給紙部
B 原稿搬送部
P1 第1読取位置

Claims (2)

  1. 複数枚の用紙を積層した状態で載置可能な用紙載置部と、
    用紙載置部に載置されている用紙を1枚ずつ繰り出すための分離部を有する給送部と、
    分離部により繰り出された用紙を搬送する用紙搬送部と、を備えた給紙装置であって、
    前記分離部から繰り出されて搬送されてきた用紙を検出する用紙検出部と、
    前記分離部から用紙検出部までの用紙の到達時間を設定する到達時間設定部と、
    前記分離部から繰り出し開始され、前記用紙検出部で検出されるまでの時間であるモニター時間を算出するモニター時間算出部と、
    前記到達時間と前記モニター時間を比較し、前記モニター時間が前記到達時間よりも大きい場合の回数であるモニター時間異常回数をカウントするモニター時間比較部と、
    前記分離部から繰り出されて用紙搬送部に搬送される用紙の枚数である用紙枚数をカウントする搬送用紙カウント部と、
    前記モニター時間異常回数が所定回数以上の場合であって、前記搬送用紙枚数が所定枚数を越える場合に、前記分離部の交換を促す分離部交換指示部と、
    前記モニター時間異常回数が所定回数以上の場合であって、前記搬送用紙枚数が所定枚数以下の場合に、前記分離部の清掃を促す分離部清掃指示部と、
    前記分離部清掃指示部によって分離部の清掃が促された清掃指示の回数である清掃指示回数をカウントする清掃指示回数カウント部をさらに備え、
    前記分離交換指示部は、前記清掃指示回数が所定期間内に所定回数以上である場合に、前記分離部の交換を促すことを特徴とする給紙装置。
  2. 前記分離部の交換および/または清掃を促す場合に、表示部に表示する、音を出力する、および/または外部装置に通信することを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
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