JP3599177B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やファクシミリなどの給紙装置に関し、特に、給紙の信頼性を確保し、その機構の交換あるいは清掃の時期を判定できる工夫をした給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、給紙ローラの回転で、シートラックから、捌き部材を介して給紙ルートに紙を供給するようにした給紙装置においては、給紙ローラによる給紙回数をカウンターで計数し、それが所定値に達すると、給紙ローラあるいは/および捌き部材を交換するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この給紙装置で使用する用紙の種類、環境によっては、まだ、十分使用できる場合や、単に、給紙ローラや捌き部材の表面に付着した紙粉、汚れを清掃するだけで、再使用できる場合にも、一律に交換されることになり、不経済である。また、逆に、定期交換前に、本来の機能を失って、例えば、捌きが悪くなり、頻繁に複数の紙が密着したまま搬送され、あるいは、給紙ローラによる給紙が不確実となり、給紙の失敗などをもたらす畏れがある。
【0004】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、使用状態において、給紙ローラや捌き部材の機能低下を判定する手段を装備し、これによって、交換あるいは清掃時期を知ることができる給紙装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、給紙ローラの回転で、シートラックから、捌き部材を介して給紙ルートに紙を供給するようにした給紙装置において、前記給紙ローラの駆動開始信号と、給紙ルートに設けた、紙の始端を検知するセンサの検知信号との時間差が、許容範囲の下限値を下回るとき捌き部材の交換あるいは清掃時期と、許容範囲の上限値を上回るとき給紙ローラの交換あるいは清掃時期と判定する判定手段を装備していることを特徴とする。
【0006】
この場合、本発明の実施の形態として、前記センサが、給紙ルートにおいて、給紙ローラからの紙の長さ以内で、前記紙を搬送する搬送ローラ対の直前に設けられていること、また、前記判定手段が交換あるいは清掃時期を判定した際に、オペレータにその旨を伝えるための警報音、ランプ表示などの表示手段を備えていることが、それぞれ、有効である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる実施の形態を、図面を参照して、具体的に説明する。ここでの給紙装置は、図1に示すように、給紙ローラ1の回転で、シートラック5から、捌き部材3を介して給紙ルート7に紙Pを供給するようにしたもので、複写機(全体図は省略する)などに装備される。
【0008】
この給紙装置において、本発明では、給紙ローラ1の駆動開始信号と、給紙ルート7に設けた、紙の始端を検知するセンサ4の検知信号との時間差を、所要の誤差(許容差分時間)の範囲を超えるか否かで、給紙ローラ1あるいは捌き部材3の、交換あるいは清掃時期を判定する判定手段9を装備している。
【0009】
なお、この実施の形態では、捌き部材3に、紙Pに接触する面において、摩擦板6を装備している。また、センサ4は、給紙ルート7において、給紙ローラ1からの紙Pの長さ以内で、紙Pを搬送する搬送ローラ対2、2の直前に設けられている。更に、判定手段9が給紙ローラ1や捌き部材3(特に、摩擦板6)の交換あるいは清掃時期を判定した際に、オペレータにその旨を伝えるための警報音、ランプ表示などの表示手段8を備えている。
【0010】
ここでは、給紙ローラ1の駆動開始信号と、センサ4の出力信号との差分時間Δtにより、判定手段9において、給紙された紙Pの、給紙直前の位置を算出する。即ち、捌き部材3が初期状態では、その摩擦板6が十分な摩擦係数を有するために、給紙ローラ1による給紙時に、紙Pが給紙ローラ1外周面に密着して、摩擦板6上に送られると、シートラック5にある次の紙は、図2に示すように、捌き部材3の入口付近で停止する。この状態での紙Pが、次の段階で、給紙された時の差分時間をΔt1とする(図4の(a)を参照)。
【0011】
次に、数万回、給紙が繰り返された結果、摩擦板6が摩耗し、あるいは/および表面に付着して紙粉などの汚れにより、摩擦係数を低下すると、給紙時に、次段の紙Pが図3に示すように、摩擦板6上にずれ込み、捌き部材3の出口付近で停止する。この状態での紙Pが、次段で、給紙された時の差分時間をΔt2とすると、Δt1とΔt2との間にはΔt3の誤差(差分)がある(図4の(b)を参照)。ここで、Δt3は、その値が大きい程、給紙直前の紙Pがセンサ4側に向けて突出していたことを意味する。これは、使用過程における様々な理由で摩擦板6の表面の摩擦係数が低下してしまった結果である。また、逆に、Δt2の値が初期値Δ t 1を上回る場合、給紙ローラ1と紙Pとの間で滑りが発生したことを意味する。これは給紙ローラ表面の摩擦係数が低下した結果である。
【0012】
そこで、Δtの値について、その上限および下限の設定値thおよびtiを設けること(許容差分時間=th〜ti)で、判定手段9では、捌き部材3や給紙ローラ1の状態を判定できる。即ち、Δt<tiは捌き部材3の寿命(あるいは汚れ)を、ti<Δt<thは正常範囲を、更に、th<Δtは給紙ローラ1の寿命(あるいは汚れ)を示すことになる。
【0013】
なお、この実施の形態では、判定手段9による、給紙ローラ1および捌き部材3の各寿命(=交換時期)あるいは汚れ(=清掃時期)の判定は、Δtがth〜ti範囲外で検出された頻度で決定する。例えば、100回の給紙動作を行った内で、Δt<tiあるいはth<Δtが50回以上検出された場合など、統計的手法を用いる。この段階で、オペレータに対してアラーム音、ランプ表示などの表示手段8で、その旨を伝達し、給紙ローラ1や捌き部材3の清掃または交換を行うことになる。
【0014】
また、清掃か交換かの選択は、全使用回数との関係を判定手段9で判定するのがよい。即ち、清掃か交換かの判定に際して、例えば、実際の使用回数(累積)が、予め設定した使用限度回数の3分の2を超えている場合に交換と判定するなどである。
【0015】
このような作業を行うために、判定手段9は、例えば、コンピュータ処理機能を保持するとよい。先ず、給紙ローラ1の駆動開始信号を検出してから、センサ4が紙の始端を検出するまでの時間を計測する手段が必要である。また、この計測手段によって得られたΔt2の値が許容差分時間の範囲内にあるかの比較をする手段、その比較手段による比較の結果、許容差分時間の範囲外の場合、これを+側、−側について、それぞれ、累積回数を記録する手段、この累積回数を予め設定した基準回数と比較する手段などを判定手段9に付帯する必要がある。更に、全使用回数が規定値に達したか否かの判定も、判定手段9で行えるように構成する必要がある。これらは、従来公知のハードあるいは/およびソフトの手段を用いて構成されるとよい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、給紙ローラの回転で、シートラックから、捌き部材を介して給紙ルートに紙を供給するようにした給紙装置において、前記給紙ローラの駆動開始信号と、給紙ルートに設けた、紙の始端を検知するセンサの検知信号との時間差が、許容範囲の下限値を下回るとき捌き部材の交換あるいは清掃時期と、許容範囲の上限値を上回るとき給紙ローラの交換あるいは清掃時期と判定する判定手段を装備している。
【0017】
従って、交換あるいは清掃時期を、給紙装置の使用状態の現実に即して知ることができる。このため、給紙ローラや捌き部材の寿命を最大限生かすことができ、搬送不良などの給紙の失敗による損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる実施の形態を示す要部の概略構成図である。
【図2】同じく、捌き部材上の紙の、正規の先端位置を示す側面図である。
【図3】同じく、捌き部材上の紙の、布施域の先端位置を示す側面図である。
【図4】給紙ローラの駆動開始信号とセンサの出力との時間差を示すタイムテーブルである。
【符号の説明】
1 給紙ローラ
2 搬送ローラ
3 捌き部材
4 センサ
5 シートラック
6 摩擦板
7 給紙ルート
8 表示手段
9 判定手段

Claims (3)

  1. 給紙ローラの回転で、シートラックから、捌き部材を介して給紙ルートに紙を供給するようにした給紙装置において、前記給紙ローラの駆動開始信号と、給紙ルートに設けた、紙の始端を検知するセンサの検知信号との時間差が、許容範囲の下限値を下回るとき捌き部材の交換あるいは清掃時期と、許容範囲の上限値を上回るとき給紙ローラの交換あるいは清掃時期と判定する判定手段を装備していることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記センサは、給紙ルートにおいて、給紙ローラからの紙の長さ以内で、前記紙を搬送する搬送ローラ対の直前に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記判定手段が交換あるいは清掃時期を判定した際に、オペレータにその旨を伝えるための警報音、ランプ表示などの表示手段を備えていることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の給紙装置。
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