JP3893961B2 - シートセンサ及びシート搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートの移動を検出するシートセンサ及び該シートセンサを備えたシート搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置又は複写機等に用いられる用紙(シート)搬送装置は、搬送経路に沿って所定間隔で配置された複数の用紙(シート)センサを有する。用紙搬送装置は、例えば感光体ドラムよりも搬送方向上流側の用紙センサPSSが用紙の到達を検出してから所定時間経過後に用紙の通過を検出しない場合、又は所定時間経過後に、定着器よりも搬送方向下流側の用紙センサPDSが用紙の到達を検出しない場合、PSSとPDS間でジャム(紙詰まり)が生じたと判定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
PSSによる用紙の未通過又はPDSによる用紙の未到達が検出された時点で異常が検出されるため、PSSを通過中又は通過した用紙に発生したジャムは、遅れて検出される。検出が遅れた場合、ジャムの状態が悪化し、ジャムへの対応処理が困難になることがある。
【0004】
また、PSSによる用紙の未通過の検出は、用紙の通過時間が予め設定されていることが前提であり、例えば手差しトレイからフリーサイズの用紙が供給された場合、用紙の通過時間が不明なため、PSSによる用紙の未通過の検出は行えず、ジャムの発生は検出できない。
【0005】
さらに、PSSとPDS間を所定時間で通過している場合は正常と判定されるため、例えば搬送速度が一定でなく、複写された画が伸縮している等の異常は検出できない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、用紙等のシートと接触した回転体の位置変化を検出する位置変化検出手段によりシートの到達及び通過を検出し、シートと接触した回転体の回転角度を検出する回転角度検出手段によりシートが移動していることを検出するシートセンサを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、シートと接触した回転体の位置変化よりシートの到達及び通過を検出し、前記回転体の回転角度よりシートが移動していることを検出するシートセンサと、回転角度から搬送速度を求める搬送速度算出手段とによって搬送速度の変動を検出することにより、ジャム等の搬送異常を瞬時に検出できるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記回転体の位置変化及び回転角度よりシートの長さを求めるシート長算出手段により、搬送されているシートの長さを検出できるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、前記回転体の位置変化及び回転角度よりシートの長さを検出し、検出した長さが設定された長さに達した場合に、シートを切断する切断手段により、シートを設定された長さに切断することができるシート搬送装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るシートセンサは、シートの移動を検出するシートセンサにおいて、移動中のシートと接触して回転する回転体と、該回転体を、シートと接触していないときは、外周部がシートの移動経路上に位置するように支持し、シートと接触している間は、外周部がシート上に位置するように支持する支持手段と、シートとの接触による回転体の位置変化を検出する位置変化検出手段と、前記回転体の回転角度を検出する回転角度検出手段とを備え、前記位置変化検出手段によりシートの到達又は通過を検出し、回転角度検出手段によりシートが移動していることを検出すべくなしてあることを特徴とする。
【0011】
このようなシートセンサは、支持手段により、シートと接触している場合と接触していない場合とでは、回転体の外周部の位置が、シートの移動経路からシート平面へ(またはシート平面から移動経路へ)変化する。この変化は、位置変化検出手段により検出され、回転体の位置の変化からシートの到達及び通過を検出することができる。また、回転角度検出手段により、回転体の回転角度を検出することができる。回転角度が変化していることにより、シートが移動していることが検出できる。
【0012】
第2発明に係るシート搬送装置は、シートを搬送するシート搬送装置において、搬送中のシートとの接触による前記回転体の位置変化及び回転角度を検出する第1発明のシートセンサと、検出した回転角度に基づいて、シートの搬送速度を求める搬送速度算出手段とを備え、シートの未到達、未通過又は搬送速度の変動により搬送異常を検出すべくなしてあることを特徴とする。
【0013】
このようなシート搬送装置は、第1発明のシートセンサにより、シートの到達及び通過と、回転体の回転角度を検出することができる。搬送速度算出手段により、回転体の回転角度から回転速度を求め、求めた回転速度からシートの搬送速度を求める。シートの未到達、未通過又は搬送速度の変動により、搬送異常を検出できる。搬送速度が変動している場合、シートに印刷された画像またはシートから読取った画像に伸縮等の異常が生じているため、シートの搬送を停止する等の処理を行う。
【0014】
第3発明に係るシート搬送装置は、第2発明において、前記シートセンサが検出した回転角度に基づいて、搬送中のシートの長さを求めるシート長算出手段を備えることを特徴とする。
【0015】
このようなシート搬送装置は、回転体の回転角度から、回転体の回転数を検出でき、回転体の外周長及び回転数から、シートの長さを検出することができる。例えば、手差しトレイから供給されるフリーサイズのシートの長さを検出することができる。シートの長さの検出は、回転体の位置変化によりシートの到達が検出された時点から開始する。
【0016】
第4発明に係るシート搬送装置は、第3発明において、シートの長さを設定する手段と、設定した長さと前記求めた長さとを比較する比較手段と、求めた長さが前記設定した長さに達した場合、搬送中のシートを切断する切断手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
このようなシート搬送装置は、第3発明と同様に回転体の位置変化及び回転角度によりシートの長さを求め、比較手段により、求めた長さと設定した長さとを比較する。求めた長さが設定した長さに達した場合、切断手段により、シートを切断する。例えば、ロール紙等を設定された長さに切断することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係るシートセンサ及び該シートセンサを備えたシート搬送装置を含む画像形成装置のブロック図であり、画像形成装置は複写機能付きのファクシミリ装置の記録部として使用されている。本実施の形態では、シートとして用紙の搬送を例にして説明する。
【0019】
図1において、符号1はファクシミリ装置全体の動作を制御するMPU(マイクロプロセッサユニット)であり、後述する各部2〜11と接続されている。ROM(Read Only Memory)2は、MPU1が実行するコンピュータプログラム又は各種設定データ等を記録している。RAM(Random Access Memory)3は、コンピュータプログラムの実行時に生じた一時データ又は後述する操作部から入力された一時データ等を記憶する。
【0020】
NCU(Network Control Unit)4は、MPU1により制御され、回線Lとファクシミリ装置との接続を制御する。また、通信相手の電話番号(ファクシミリ番号)に応じたダイヤルパルスを送出する機能及び着信を検出する機能を有している。モデム5は、送受信データの変復調を行う。
【0021】
読取部6は、例えばCCDイメージセンサ等により原稿画像の読み取りを行なう。画像メモリ7は、読取部6が読み取った画データ又は回線Lを介して受信した画データを記憶する。コーデック8は、送信すべき画データの符号化と、受信した画データの復号を行う。
【0022】
操作部10は、複写する用紙サイズの選択キー、電話番号等の数字を入力するためのテンキー,短縮ダイヤルキー,ワンタッチダイヤルキー,複写又は送信を開始するスタートキー、各種の動作を指示するための操作キー等で構成されている。表示部11は、操作部10の操作により入力された電話番号等の種々の情報をソフトコピー出力して表示するCRT,LCD等で構成されている。
【0023】
記録部9は、受信した画データ又は読取部6が読み取った画データを記録紙(用紙)上に記録(印刷)する画像形成装置を含む。記録部9は、MPU1と接続され、記録部9内部に設けられた種々の部分を制御する記録制御部20を備える。記録部9は、一般的な電子写真方式の画像形成装置と同様に、トナー像を形成して用紙に転写する画像形成手段としての画像形成部30を備えている。画像形成部30は、感光体ドラム31,LEDアレイ32,現像器33,転写ローラ34,帯電ブラシ35等を備えている。
【0024】
感光体ドラム31は、矢符方向へ回転駆動されている。LEDアレイ32は、画像メモリ7の画データに基づいて、感光体ドラム31を露光し、静電潜像を感光体ドラム31上に形成する。
【0025】
現像器33は、その内部に収納されているトナーを攪はんするための複数のパドル,トナーを感光体ドラム31に選択的に吸着させるために搬送するローラ等で構成されており、感光体ドラム31上に形成された静電潜像にトナーを付着させる。
【0026】
転写ローラ34は、感光体ドラム31と圧着した状態で対向配置され、感光体ドラム31に追動して、トナーが静電潜像に付着して形成された画像(トナー像)を用紙に転写する。帯電ブラシ35は、感光体ドラム31に隣接され、感光体ドラム31周面を一様に帯電させる。
【0027】
また、図1において、符号23は用紙を収納する用紙カセットを、符号24は用紙カセット23に収納された用紙の最上層の一枚を取り出すピックアップローラを、符号25は記録制御部20からの通電に応じてモータMの回転駆動力をピックアップローラ24に接断するソレノイドを夫々示している。
【0028】
用紙カセット23から取り出された用紙は、感光体ドラム31及び転写ローラ34とヒートローラ21及び加圧ローラ22とを介して搬送される。用紙の搬送経路26を一点鎖線で示してある。ヒートローラ21は、熱伝導性の高い部材で形成されており、加圧ローラ22と圧着した状態で対向配置され、各ローラは夫々矢符方向へ回転駆動されている。
【0029】
用紙の搬送経路26上の感光体ドラム31の直前の位置には、用紙を検出するセンサPSSが設けられている。ピックアップローラ24により用紙カセット23から取り出された一枚の用紙がこのセンサPSSに到達した場合、センサPSSはオンの状態となる。
【0030】
また、搬送経路26上のヒートローラ21の直後の位置には、センサPSSと同様のセンサPDSが設けられており、ヒートローラ21から排出された用紙がこのセンサPDSに到達するのを検出した場合、オンの状態となる。これら2つのセンサPSS,PDSは記録制御部20に接続され、オン/オフの状態は記録制御部20により検出される。
【0031】
センサPSS及びセンサPDSの一例を図2及び図3に示す。センサPSS,PDSは、支軸62を中心に回転するアーム60と、アーム60の一端部の軸46を中心に回転する回転体40とを備える。支軸62は、図示しない記録部9のハウジングに固定される。また、回転体40は、自重により用紙ガイド82上に接触している。用紙ガイド82上を用紙80が移動する。
【0032】
アーム60の他端部の用紙ガイド82側には、アーム60から若干離れた位置に、第1フォトインタラプタ70の第1発光部72及び第1受光部74が固定されている。第1フォトインタラプタ70は、図示しない記録部9のハウジングに固定されている。回転体40が用紙ガイド82に接触している場合、第1発光部72から出力された光は、第1受光部74で受光される。
【0033】
回転体40の外周にはゴム材等の摩擦部材44が取付けられている。摩擦部材44は、搬送される用紙80に対して高い摩擦力を有する。また、回転体40の回転中心から外周部の間には、回転方向に等間隔のスリット42が設けられている。
【0034】
アーム60の一端部の内面には、スリット42を挟んで対向するように、第2フォトインタラプタ50の第2発光部52及び第2受光部54が固定されている。回転体40が回転し、第2発光部52及び第2受光部54間にスリット42が位置している間、第2発光部52から出力された光は、第2受光部54で受光される。
【0035】
図4に示すように、第2発光部52及び第2受光部54がスリット42を挟んで対向するように、第2フォトインタラプタ50を、図示しない記録部9のハウジングに固定することもできる。
【0036】
用紙80が用紙ガイド82上を移動した場合、図5に示すように、回転体40の摩擦部材44に用紙80が接触し、回転体40に用紙80の搬送方向の力が加わり、アーム60は支軸62を中心に回転し、回転体40は用紙80上に接触した状態となる。このとき、図4に示すように、第1発光部72から第1受光部74へ出力される光は、アーム60により遮断される。アーム60及び支軸62は、用紙80の有無により回転体40の位置を変化させる手段(支持手段)として機能する。
【0037】
第1受光部74の光の受光に応じた第1信号(オン又はオフ)が、第1フォトインタラプタ70から記録制御部20へ出力される。本実施の形態では、図4に示したように光が遮断された状態をオンと定義する。第1信号は、図2に示したように、回転体40が用紙ガイド82に接触している場合はオフの状態であり、図4に示したように用紙80と接触している場合はオンの状態になる。
【0038】
第1フォトインタラプタ70は、用紙80との接触による回転体40の位置変化を検出する手段として動作する。第1フォトインタラプタ70から出力される第1信号がオフからオン又はオンからオフに変化することにより、記録制御部20は、用紙80の到達又は通過を検出することができる。
【0039】
回転体40が用紙80上に接触した状態では、回転体40の自重と摩擦部材44の摩擦とにより、用紙80の移動に伴なって回転体40は軸46を中心に回転する。このとき、各スリット42も回転方向に移動し、スリット42が第2発光部52及び第2受光部54間付近に位置している間、第2受光部54は第2発光部52から出力された光を受光する。逆に、スリット42間の部分では光が遮断される。
【0040】
第2受光部54の光の受光に応じた第2信号(パルス信号)が、第2フォトインタラプタ50から記録制御部20へ出力される。スリット42は、周方向に等間隔に配置されているので、回転体40が一定速度で回転した場合、第2信号は、パルス幅及びパルス周期が一定のパルス信号となる。
【0041】
第2フォトインタラプタ50は、回転体40の回転角度を検出する手段として動作する。記録制御部20は、検出された回転角度に基づいて、用紙80の搬送速度を求める手段(搬送速度算出手段)として動作する。第2フォトインタラプタ50から出力される第2信号のパルス幅又はパルス周期が変動したことにより、記録制御部20は、用紙80の搬送速度の変動を検出することができる。
【0042】
スリット42は等間隔で配置されているため、回転体40の回転開始からのパルス数により、回転体40の回転角度を求めることができる。例えば、スリット42が等間隔で12個設けられている場合、1パルスが30度に対応し、第2信号のパルス数が12に達したとき、回転体40がほぼ1回転したと判定することができる。
【0043】
回転体40の外周は一定であり、回転体40は用紙80に接触して回転するため、パルス数から用紙80の長さを求めることができる。記録制御部20は、検出した回転角度に基づいて、用紙の長さを求める手段(シート長算出手段)として動作する。
【0044】
本実施の形態の画像形成装置は以上の如きハードウェア構成としており、その記録部9の用紙への印刷制御は、記録制御部20により公知の方法及び手順にて行われる。また、記録制御部20は、センサPSS,PDSに基づく搬送異常の検出及び検出後の制御を行う。
【0045】
また、図示していない手差しトレイから供給される用紙を検出するセンサSOが、センサPSSと手差しトレイ間に設けられている。センサSOは、センサPSS、PDSと同様の構成をしている。
【0046】
用紙の搬送異常の検出手順の一例を図6に示す。
例えば操作部10から印字開始操作が行われた場合、MPU1から記録制御部20へ指示が送られ、記録制御部20はソレノイド25へ通電してピックアップローラ24を動作させ、用紙を用紙カセット23から取り出す。ピックアップ(給紙)が開始された場合(S10:YES)、記録制御部20が備えるタイマT1がスタートする(S12)。ピックアップが開始されない場合(S10:NO)、記録制御部20はピックアップの開始を待つ。
【0047】
記録制御部20は、ピックアップされた用紙80のセンサPSSへの到達を検出する(S14)。センサPSSがオンになっていない場合(S14:NO)、記録制御部20はタイマT1がタイムアップになったか否か判定する(S16)。タイムアップになった場合(S16:YES)は、用紙カセット23からセンサPSSまでの間でジャムが発生したと判断できるので、記録制御部20は、ジャムの発生を表示部11へ出力し、用紙搬送を停止する等の異常への対応を行い(S28)、処理を終了する。
【0048】
タイマT1がタイムアップで無い場合(S16:NO)、記録制御部20は、センサPSSへの用紙80の到達を検出する(S14)。センサPSSがオンになった場合(S14:YES)、記録制御部20が備えるタイマT2をスタートする(S18)。
【0049】
記録制御部20は、到達を検出した用紙80の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。センサPSSがオフになっていない場合(S20:NO)、記録制御部20はタイマT2がタイムアップになったか否か判定する(S24)。タイムアップになった場合(S24:YES)は、センサPSSを通過中の用紙にジャムが発生したと判断できるので、記録制御部20は、ジャムの発生を表示部11へ出力し、用紙搬送を停止する等の異常への対応を行い(S28)、処理を終了する。
【0050】
タイマT2がタイムアップで無い場合(S24:NO)、記録制御部20は、回転体40の回転速度の変動を検出する(S26)。回転速度が変動している場合(S26:YES)、用紙の搬送速度が一定でないため、用紙80への記録に異常が生じていると判断でき、記録制御部20は、搬送異常の発生を表示部11へ出力し、用紙搬送を停止する等の異常への対応を行い(S28)、処理を終了する。
【0051】
回転速度の変動が検出されなかった場合(S26:NO)、記録制御部20は、用紙80の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。センサPSSがオフになった場合(S20:YES)、用紙80はセンサPSSを通過している。
【0052】
センサPSSを通過した用紙は、感光体ドラム31及び転写ローラ34と、ヒートローラ21及び加圧ローラ22と、センサPDSを通過する。センサPDSの通過時も、図6に示した手順と同様にして、搬送異常を検出することができる。ただし、ピックアップの開始(S10)の代わりにセンサPSSの到達を検出する。
【0053】
図6に示した搬送異常の検出手順は、A4又はB5等の定型用紙を用いた場合の例であり、タイマT2のタイムアップは、各定型の用紙のサイズに応じた通過時間に応じて判定される。しかし、手差しの場合は、定型の用紙に加えて、フリーサイズの用紙を用いることもできる。フリーサイズの場合は、サイズが未定であるため、タイマT2のタイムアップは判定できない。
【0054】
フリーサイズの用紙の搬送異常の検出手順の一例を図7に示す。
例えば操作部10から印字開始操作が行われ、ピックアップ(給紙)が開始されてから、センサPSSがオンになる間での処理は、図6に示した手順(S10、S12,S14,S16)と同様である。ただし、ピックアップは、手差しトレイ(図示していない)から行われる。
【0055】
センサPSSがオンになった場合(S14:YES)、記録制御部20は、到達を検出した用紙80の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。センサPSSがオフになっていない場合(S20:NO)、記録制御部20は、回転体40の回転速度の変動を検出する(S26)。回転速度が変動している場合(S26:YES)、用紙の搬送速度が一定でないため、用紙80への記録に異常が生じていると判断でき、記録制御部20は、搬送異常の発生を表示部11へ出力し、用紙搬送を停止する等の異常への対応を行い(S28)、処理を終了する。
【0056】
回転速度の変動が検出されなかった場合(S26:NO)、記録制御部20は、用紙80の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。センサPSSがオフになった場合(S20:YES)、用紙80はセンサPSSを通過している。
【0057】
センサPSSを通過した用紙は、感光体ドラム31及び転写ローラ34と、ヒートローラ21及び加圧ローラ22と、センサPDSを通過する。センサPDSの通過時も、図7に示した手順と同様にして、搬送異常を検出することができる。ただし、ピックアップの開始(S10)の代わりにセンサPSSの到達を検出する。また、手差し用紙の到達/通過を検出するセンサSOも、センサPSSと同様に搬送異常を検出することができる。
【0058】
図6に示した定型の用紙と図7に示したフリーサイズの用紙の搬送異常検出の切換えは、例えば、操作部10により切換えることができる。
【0059】
(第2の実施の形態)
用紙80として、ロール紙を用いることもできる。ロール紙を用いる場合は、図8に示すように、ロール紙84を切断するカッタ28を備える。カッタ28は、記録制御部20に接続され、記録制御部20によって制御される。記録制御部20は、図1に示した搬送速度算出手段及びシート長算出手段に加え、用紙の長さを設定する手段、設定した長さと算出した長さとを比較する手段として動作し、検出した長さが設定した長さに達した場合に、カッタ28を動作させ、用紙を切断する。
【0060】
ロール紙の搬送異常の検出手順の一例を図9に示す。
例えば操作部10から印字開始操作が行われ、ピックアップ(給紙)が開始されてから、センサPSSがオンになる間での処理は、図6又は図7に示した手順(S10、S12,S14,S16)と同様である。ただし、ピックアップは、カッタ28付近から行われる。
【0061】
センサPSSがオンになった場合(S14:YES)、記録制御部20は、到達を検出した用紙84の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。センサPSSがオフになっていない場合(S20:NO)、記録制御部20は、回転体40の回転速度の変動を検出する(S26)。回転速度が変動している場合(S26:YES)、用紙の搬送速度が一定でないため、用紙84への記録に異常が生じていると判断でき、記録制御部20は、搬送異常の発生を表示部11へ出力し、用紙搬送を停止する等の異常への対応を行い(S28)、処理を終了する。
【0062】
回転速度の変動が検出されなかった場合(S26:NO)、記録制御部20は、第2フォトインタラプタ50の出力する第2信号のパルス数をカウントする(S30)。カウントされたパルス数は記録制御部20が備えるレジスタ等へ記憶される。記録制御部20は、カウントしたパルス数と設定パルス数とを比較する(S32)。設定パルス数は、ロール紙の長さに応じたパルス数に設定される。カウントしたパルス数が設定パルス数に達していない場合(S32:NO)、記録制御部20は、用紙84の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。
【0063】
カウントしたパルス数が設定パルス数に達した場合(S32:YES)、ロール紙84がカット済みのとき(S34:YES)、記録制御部20は、用紙84の通過/未通過(通過中)を検出する(S20)。ロール紙84がカット済みで無いとき(S34:NO)、記録制御部20は、カッタ28によりロール紙84を切断する。
【0064】
センサPSSを通過した用紙は、感光体ドラム31及び転写ローラ34と、ヒートローラ21及び加圧ローラ22と、センサPDSを通過する。センサPDSの通過時も、図7に示した手順と同様にして、搬送異常を検出することができる。
【0065】
以上、本発明のシートセンサ及びシート搬送装置について説明したが、シートセンサの第1フォトインタラプタ70の第1発光部72及び第1受光部74は、図10(a)に示すように、軸46上方の回転体40の近傍部に設けることもできる。また、図10(b)に示すように、アーム60を上下に移動するように構成し、アーム60の上端近傍部に第1発光部72及び第1受光部74を設け、アーム60の上下移動により、シートの到達又は通過を検出することもできる。
【0066】
図10(c)に示すように、シートセンサを、用紙ガイド82に対して、用紙80と反対位置に設けることもできる。このときのシートセンサの動作は図2に示したシートセンサと同様である。ただし、回転体40が用紙ガイド82と接触するように、バネ等の弾性体により力を付勢する、又はアーム60の他端部におもりを設けること等が必要になる。
【0067】
また、回転体の位置変化は、ファトインタラプタに限定はされず、例えばアーム60に磁性体を設けて、磁気センサにより位置変化を検出することができる。また、接触式の機械的なスイッチ等を用いて、アーム60の位置変化を検出することもできる。
【0068】
回転体の回転角度も、フォトインタラプタに限定はされず、例えば、回転体のスリットの代わりに磁性体を設けて、磁気センサにより回転角度を検出することができる。また、接触式の速度計等を用いて、搬送速度を計測することもできる。
【0069】
また、回転体の回転角度の検出により、シートの到達又は通過を検出することもできる。回転角度の変化の開始又は終了により、シートの到達又は通過が検出できる。
【0070】
上述した実施の形態では、主に記録(印刷)する用紙の搬送を例にして説明したが、本発明のシート搬送装置は、ADF(Automatic Document Feeder )等の原稿読取装置に備えることができる。原稿の到達、通過又は読取速度の変動などを本発明のシートセンサで検出し、搬送異常を検出することができる。同様に、読取った原稿の長さを検出することができる。
【0071】
また、シートは用紙等の紙に限定はされず、例えば、OHP(overhead projector)用シート等のプラスチック性のシート等を用いることもできる。
【0072】
【発明の効果】
第1発明によれば、支持手段により、シートと接触している場合と接触していない場合とでは、回転体の外周部の位置が異なる。この位置の違いを位置変化検出手段で検出することにより、シートの到達及び通過を検出することができる。また、回転角度検出手段により、回転体の回転角度を検出し、回転角度の変化によりシートが移動していることを検出できる。
【0073】
第2発明によれば、第1発明のシートセンサにより、シートの到達及び通過と、回転体の回転角度を検出することができる。搬送速度算出手段により、回転体の回転角度からシートの搬送速度を求め、搬送速度の変動から搬送異常を瞬時に検出することができる。
【0074】
第3発明によれば、回転体の位置変化によりシートの到達を検出し、回転体の回転角度から回転体の回転数を検出でき、シートの到達及び回転体の外周長及び回転数から、例えばフリーサイズのシートの長さを検出できる。
【0075】
第4発明によれば、第3発明と同様にシートの長さを求め、比較手段により、設定した長さと求めた長さとを比較する。求めた長さが設定した長さに達した場合、切断手段によりシートを切断することにより、例えばロール紙等を設定した長さに切断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシートセンサを備えたシート搬送装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るシートセンサの一例を示す図である。
【図3】本発明に係るシートセンサの一例を示す図である。
【図4】本発明に係るシートセンサの一例を示す図である。
【図5】本発明に係るシートセンサの一例を示す図である。
【図6】搬送異常の検出手順の一例を示す図である。
【図7】搬送異常の検出手順の他の例を示す図である。
【図8】ロール紙を用いた場合の搬送装置の概略を示す図である。
【図9】搬送異常の検出手順の更に他の例を示す図である。
【図10】本発明に係るシートセンサの他の例を示す図である。
【符号の説明】
20 記録制御部(搬送速度算出手段、シート長算出手段、比較手段)
26 搬送経路(移動経路)
28 カッタ(切断手段)
40 回転体
50 第2フォトインタラプタ(回転角度変化検出手段)
60 アーム(支持手段)
62 支軸(支持手段)
70 第1フォトインタラプタ(位置変化検出手段)
PSS,PDS シートセンサ

Claims (4)

  1. シートの移動を検出するシートセンサにおいて、
    移動中のシートと接触して回転する回転体と、
    該回転体を、シートと接触していないときは、外周部がシートの移動経路上に位置するように支持し、シートと接触している間は、外周部がシート上に位置するように支持する支持手段と、
    シートとの接触による回転体の位置変化を検出する位置変化検出手段と、
    前記回転体の回転角度を検出する回転角度検出手段と
    を備え、前記位置変化検出手段によりシートの到達又は通過を検出し、回転角度検出手段によりシートが移動していることを検出すべくなしてあることを特徴とするシートセンサ。
  2. シートを搬送するシート搬送装置において、
    搬送中のシートとの接触による前記回転体の位置変化及び回転角度を検出する請求項1記載のシートセンサと、
    検出した回転角度に基づいて、シートの搬送速度を求める搬送速度算出手段とを備え、シートの未到達、未通過又は搬送速度の変動により搬送異常を検出すべくなしてあることを特徴とするシート搬送装置。
  3. 前記シートセンサが検出した回転角度に基づいて、搬送中のシートの長さを求めるシート長算出手段を備えることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
  4. シートの長さを設定する手段と、
    設定した長さと前記求めた長さとを比較する比較手段と、
    求めた長さが前記設定した長さに達した場合、搬送中のシートを切断する切断手段と
    を備えることを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
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