JP4847939B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は排気浄化装置に関し、特に尿素から生成されたアンモニアを還元剤として、エンジンの排気中に含まれるNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒を備えた排気浄化装置に関する。
エンジンの排気中に含まれる汚染物質の1つであるNOx(窒素酸化物)を還元して排気を浄化するための排気浄化装置として、エンジンの排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒(以下SCR触媒という)を配設し、還元剤としてアンモニアをSCR触媒に供給することにより、排気中のNOxを還元するようにした排気浄化装置が用いられる。
このSCR触媒を用いた排気後処理装置では、SCR触媒の上流側に尿素水を供給し、この尿素水が排気の熱により分解して生じたアンモニアがSCR触媒に供給される。SCR触媒に供給されたアンモニアは一旦SCR触媒に吸着し、このアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がSCR触媒によって促進されることによりNOxの還元が行われる。
排気中に供給される尿素水は、排気温度が約200℃を下回るような場合にアンモニアへの分解が良好に行われず、このような状態が長時間継続した場合に、尿素水から析出した固体の尿素や中間生成物が排気通路内に蓄積し、尿素水を供給するためのノズルの作動に支障をきたしたり、排気浄化装置の機能が低下したりするといった問題が生じる。
このような問題を解消するため、排気温度が約200℃以下となるような運転状態の場合には尿素水の供給を停止するような制御が行われるが、この場合には排気温度が約200℃以下となる運転状態においてSCR触媒にアンモニアが供給されなくなるため、排気中のNOxを適正に還元することができず、排気浄化効率が低下するといった問題が生じる。
そこで、尿素水が供給される位置の排気通路にヒータパネルを設け、排気温度の低い運転状態であっても、通電によって発熱したヒータパネルに向けて尿素水を噴射することにより、尿素水が効率良くアンモニアに分解され、これによってSCR触媒の浄化効率を良好に維持するようにした排気浄化装置が、特許文献1により提案されている。
また、SCR触媒に対するアンモニアの蓄積量が所定量に達した場合に、排気中への尿素水の供給を禁止することにより、アンモニアスリップの発生を防止するようにした排気浄化装置が特許文献2によって提案されている。
特開2006−2662号公報 特開2005−226504号公報
しかしながら、特許文献1の排気浄化装置では排気通路にヒータパネルを設けなければならないため、ヒータパネル及びこれに通電するための回路の部品コストが余分に必要となる上、排気通路の構造が複雑になり製造コストも増大する。更に、ヒータパネルへの通電によって電気エネルギを消費するため、エンジンの燃費も悪化することになる。
また、特許文献2に排気浄化装置では、SCR触媒へのアンモニアの蓄積量を監視するだけであり、排気温度が低温のときに尿素水から生成されて蓄積される中間生成物や固体の尿素について着目したものではないため、低い排気温度において尿素水の供給を適正に行うことができない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な付加装置を必要とすることなく、従来より低い排気温度から排気中への尿素の供給を行ってSCR触媒の排気浄化効率を良好に維持することが可能な排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、上記排気通路内に尿素を供給することにより、上記尿素から生成されたアンモニアを上記アンモニア選択還元型NOx触媒に供給する尿素供給手段と、上記エンジンの運転状態に応じて上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を制御し、上記排気通路内に供給された尿素から上記アンモニアが生成される際に生成される中間生成物の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限中間生成物蓄積量に達すると、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を禁止する制御手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成された排気浄化装置によれば、制御手段がエンジンの運転状態に応じて尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を制御することにより、尿素から生成されたアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒に供給され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxが選択還元される。排気中に供給された尿素からアンモニアが生成される際に、アンモニアと共に中間生成物が生成されることがあるが、制御手段は排気通路内におけるこの中間生成物の蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達すると、尿素供給手段からの尿素の供給を禁止する。
より具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記尿素供給手段から供給される尿素の加熱分解量から求めた上記中間生成物の生成量と、上記中間生成物の加水分解量とに基づき、上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量を求めることを特徴とする(請求項2)。
更に具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量を繰り返し演算し、直近に求められた上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記中間生成物の加水分解量を求めることを特徴とする(請求項3)。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、更に上記尿素供給手段から上記排気通路内に供給された尿素の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限尿素蓄積量に達したときにも、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を禁止するようにしてもよい(請求項4)。
尿素供給手段から排気通路内に尿素を供給する場合、供給された尿素の一部が排気通路内に蓄積することがある。そこで、このように構成された排気浄化装置によれば、制御手段は、尿素供給手段から排気通路内に供給された尿素の排気通路内における蓄積量が所定の上限尿素蓄積量に達したときにも、尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を禁止する。
より具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素供給量と、上記排気通路内に供給された尿素の加熱分解量とに基づいて、上記排気通路内における上記尿素の蓄積量を求めることを特徴とする(請求項5)。
更に具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記排気通路内における上記尿素の蓄積量を繰り返し演算し、直近に求められた上記排気通路内における上記尿素の蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記排気通路内に供給された尿素の加熱分解量を求めることを特徴とする(請求項6)。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、更に上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量に達したときにも、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を禁止するようにしてもよい(請求項7)。
尿素供給手段から排気通路中に供給された尿素から生成されたアンモニアは、一旦アンモニア選択還元型NOx触媒に吸着し、この吸着したアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がアンモニア選択還元型触媒によって促進されることによりNOxの還元が行われる。このとき、このNOxの還元に消費されるアンモニアの量に比してアンモニア選択還元型触媒に供給されるアンモニアの量が多いと、アンモニア選択還元型触媒に吸着されて蓄積されたアンモニアの量がアンモニア選択還元型触媒の許容蓄積量を上回ってアンモニアスリップが生じる可能性がある。そこで、このように構成された排気浄化装置によれば、制御手段は、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量に達したときにも、尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を禁止する。
より具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記尿素供給手段から上記排気通路中に供給された尿素から加熱分解によって上記中間生成物と同時に生成されるアンモニアの第1の生成量と、上記中間生成物が加水分解することによって生成されるアンモニアの第2の生成量とを合算した総アンモニア生成量に基づき、上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めることを特徴とする(請求項8)。
更に具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記総アンモニア生成量と、上記エンジンの運転状態に応じて求めたアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの消費量とに基づき、上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めることを特徴とする(請求項9)。
また具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記尿素供給手段から供給される尿素の加熱分解量から、上記第1の生成量を求めることを特徴とする(請求項10)。
更に具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記尿素供給手段から上記排気通路内に供給された尿素の上記排気通路内における蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記尿素の加熱分解量を求めることを特徴とする(請求項11)。
また具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記中間生成物の加水分解量から、上記第2の生成量を求めることを特徴とする(請求項12)。
更に具体的には、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記中間生成物の加水分解量を求めることを特徴とする(請求項13)。
或いは上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、上記排気通路内に尿素を供給することにより、上記尿素から生成されたアンモニアを上記アンモニア選択還元型NOx触媒に供給する尿素供給手段と、上記エンジンの運転状態に応じて上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を制御し、上記尿素供給手段から上記排気通路内に供給された尿素の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限尿素蓄積量未満であり、且つ上記排気通路内に供給された尿素から上記アンモニアが生成される際に生成される中間生成物の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限中間生成物蓄積量未満であり、且つ上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量未満であるときに、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を許容する制御手段とを備えたことを特徴とする排気浄化装置(請求項14)。
このように構成された排気浄化装置によれば、制御手段がエンジンの運転状態に応じて尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を制御することにより、尿素から生成されたアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒に供給され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxが選択還元される。前述したように、排気中に供給された尿素からアンモニアが生成される際に、アンモニアと共に中間生成物が生成されることがあり、また排気中に供給された尿素の一部は排気通路内に蓄積されることがある。更に、尿素から生成されたアンモニアはアンモニア選択還元型NOx触媒に一旦吸着し、この吸着したアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がアンモニア選択還元型触媒によって促進されることによりNOxの還元が行われる。制御手段は、尿素供給手段から排気通路内に供給された尿素の排気通路内における蓄積量が所定の尿素蓄積量未満であり、且つ排気通路内に供給された尿素からアンモニアが生成される際に生成される中間生成物の排気通路内における蓄積量が所定の上限中間生成物蓄積量未満であり、且つアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量未満であるときに、尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を許容する。
請求項1による本発明の排気浄化装置によれば、制御手段は排気通路内における中間生成物の蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達すると、尿素供給手段からの尿素の供給を禁止する。従って、従来は尿素の供給を禁止していたような低い排気温度の場合であっても、排気中に供給された尿素から生成される中間生成物の排気通路内における蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達するまでは、尿素供給手段から排気中に供給した尿素から生成されるアンモニアをアンモニア選択還元型触媒に供給することが可能となる。
この結果、排気温度が低い場合にもアンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを吸着させ、NOxの選択還元を行うと共に、アンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを蓄積することにより、その後に排気温度が上昇したときに十分なアンモニアの量を確保できるようにして、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を向上させることができる。
更に、中間生成物の排気通路内における蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達すると、制御手段が尿素供給手段からの尿素の供給を禁止するので、過剰に蓄積された中間生成物が高温時に加水分解されて大量のアンモニアとなることにより生じるアンモニアスリップを的確に防止することもできる。
また、中間生成物は、排気通路中に供給された尿素が排気の熱で加熱分解されることによって生成される一方、こうして生成された中間生成物は、排気の熱により加水分解されてアンモニアとなる。そこで、請求項2の排気浄化装置によれば、制御手段は、尿素供給手段から供給される尿素の加熱分解量から求めた中間生成物の生成量と、中間生成物の加水分解量とに基づき、排気通路内における中間生成物の蓄積量を求めるようにしたので、実際の中間生成物の生成状況及び分解状況に対応して、精度よく排気通路内における中間生成物の蓄積量を求めることができる。
更に、中間生成物の加水分解量は、排気通路内における中間生成物の蓄積量とアンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに応じて変化する。そこで、請求項3の排気浄化装置によれば、制御手段が排気通路内における中間生成物の蓄積量を繰り返して演算し、直近に求められた排気通路内における中間生成物の蓄積量とアンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、中間生成物の加水分解量を求めるようにしたので、精度よく中間生成物の加水分解量を求めることができる。
また、請求項4の排気浄化装置によれば、尿素供給手段から排気通路内に供給された尿素の排気通路内における蓄積量が所定の上限尿素蓄積量に達したときにも、制御手段が尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を禁止するようにしたので、従来は尿素の供給を禁止していたような低温に排気温度がある場合であっても、排気通路内における中間生成物の蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達していなければ、尿素の排気通路内における蓄積量が上限尿素蓄積量に達するまで、尿素供給手段から排気中に供給した尿素から生成されるアンモニアをアンモニア選択還元型触媒に供給することが可能となる。
この結果、排気温度が低い場合にもアンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを吸着させ、NOxの選択還元を行うと共に、アンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを蓄積することにより、その後に排気温度が上昇したときに十分なアンモニアの量を確保できるようにして、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を向上させることができる。
更に、排気通路内における尿素の蓄積量が上限尿素蓄積量に達すると、制御手段が尿素供給手段からの尿素の供給を禁止するので、尿素の蓄積に起因する尿素供給手段の作動不良などを的確に防止することもできる。
排気通路内にける尿素の蓄積は、尿素供給手段からの尿素供給量が、排気通路内における尿素の加熱分解量を上回るときに生じる。そこで、請求項5の排気浄化装置によれば、制御手段は、尿素供給手段から排気通路内への尿素供給量と、排気通路内に供給された尿素の加熱分解量とに基づいて、排気通路における尿素の蓄積量を求めるようにしたので、排気通路内における尿素の実際の供給状況及び分解状況に対応し、精度よく排気通路内における尿素の蓄積量を求めることができる。
更に、尿素の加熱分解量は、排気通路内における尿素の蓄積量とアンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに応じて変化する。そこで、請求項6の排気浄化装置によれば、制御手段が排気通路における尿素の蓄積量を繰り返して演算し、直近に求められた排気通路における尿素の蓄積量とアンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、排気通路内に供給された尿素の加熱分解量を求めるようにしたので、精度よく尿素の加熱分解量を求めることができる。
また、請求項7の排気浄化装置によれば、制御手段は、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量に達したときにも、尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を禁止するようにしたので、従来は尿素の供給を禁止していたような低温に排気温度がある場合であっても、排気通路内における中間生成物の蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達しておらず、且つ排気中に供給された尿素の排気通路内における蓄積量が上限尿素蓄積量に達していなければ、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が上限アンモニア蓄積量に達するまで、尿素供給手段から排気中に供給した尿素から生成されるアンモニアをアンモニア選択還元型触媒に供給することが可能となる。
この結果、排気温度が低い場合にもアンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを吸着させ、NOxの選択還元を行うと共に、アンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを蓄積することにより、その後に排気温度が上昇したときに十分なアンモニアの量を確保できるようにして、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を向上させることができる。
また、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が上限アンモニア蓄積量に達した場合には、制御手段が尿素供給手段からの尿素の供給を禁止するので、アンモニア選択還元型NOx触媒からのアンモニアスリップの発生を的確に防止することができる。
アンモニア選択還元型NOx触媒に供給されるアンモニアは、排気中に供給された尿素が加熱分解される際に中間生成物と共に生成されるアンモニアと、この中間生成物が排気の熱によって加水分解する際に生成されるアンモニアとからなる。そこで、請求項8の排気浄化装置によれば、尿素供給手段から排気通路中に供給された尿素から加熱分解によって中間生成物と同時に生成されるアンモニアの第1の生成量と、中間生成物が加水分解することによって生成されるアンモニアの第2の生成量とを合算した総アンモニア生成量に基づき、制御手段がアンモニアの蓄積量を求めるようにしたので、排気通路内における実際のアンモニアの生成状況に対応し、精度よくアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めることができる。
更に、請求項9の排気浄化装置によれば、制御手段は、上述のようにして求めた総アンモニア生成量と、エンジンの運転状態に応じて求めたアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの消費量とに基づき、アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めるようにしたので、アンモニア選択還元型NOx触媒における実際のアンモニアの供給状況及び消費状況に対応し、より一層精度よくアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めることができる。
また、尿素が加熱分解する際には、尿素1分子に対しアンモニア1分子が生成される。そこで、請求項10の排気浄化装置によれば、制御手段は、尿素供給手段から供給される尿素の加熱分解量から上記第1の生成量を求めるようにしたので、尿素の加熱分解によるアンモニアの実際の生成状況に対応し、精度よく第1の生成量を求めることができ、アンモニア選択還元型NOx触媒における正確なアンモニアの蓄積量を求めることができる。
更に、尿素の加熱分解量は、排気通路内における尿素の蓄積量とアンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに応じて変化する。そこで、請求項11の排気浄化装置によれば、尿素供給手段から排気通路内に供給された尿素の排気通路内における蓄積量と、アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、制御手段が尿素の加熱分解量を求めるようにしたので、精度よく尿素の加熱分解量を求めることができ、結果としてアンモニア選択還元型NOx触媒における正確なアンモニアの蓄積量を求めることができる。
また、請求項12の排気浄化装置によれば、制御手段は、中間生成物の加水分解量から上記第2の生成量を求めるようにしたので、中間生成物の加水分解によるアンモニアの実際の生成状況に対応して、精度よく第2の生成量を求めることができ、アンモニア選択還元型NOx触媒における正確なアンモニアの蓄積量を求めることができる。
更に、中間生成物の加水分解量は、排気通路内における中間生成物の蓄積量とアンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに応じて変化する。そこで、請求項13の排気浄化装置によれば、排気通路内における中間生成物の蓄積量と、アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、制御手段が中間生成物の加水分解量を求めるようにしたので、精度よく中間生成物の加水分解量を求めることができ、結果としてアンモニア選択還元型NOx触媒における正確なアンモニアの蓄積量を求めることができる。
また、請求項14による本発明の排気浄化装置によれば、制御手段は、尿素供給手段から排気通路内に供給された尿素の排気通路内における蓄積量が所定の尿素蓄積量未満であり、且つ排気通路内に供給された尿素からアンモニアが生成される際に生成される中間生成物の排気通路内における蓄積量が所定の上限中間生成物蓄積量未満であり、且つアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量未満であるときに、尿素供給手段から排気通路内への尿素の供給を許容する。この結果、従来は尿素の供給を禁止していたような低温に排気温度がある場合であっても、排気中に供給された尿素の排気通路内における蓄積量が上限尿素蓄積量に達しておらず、且つ排気通路内における中間生成物の蓄積量が上限中間生成物蓄積量に達しておらず、且つアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が上限アンモニア蓄積量に達していなければ、尿素供給手段から排気中に供給した尿素から生成されるアンモニアをアンモニア選択還元型触媒に供給することができる。
この結果、排気温度が低い場合にもアンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを吸着させ、NOxの選択還元を行うと共に、アンモニア選択還元型NOx触媒にアンモニアを蓄積することにより、その後に排気温度が上昇したときに十分なアンモニアの量を確保できるようにして、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を向上させることができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジンの全体構成図であり、図1に基づき排気浄化装置の構成を説明する。
ディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1は各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料を各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に燃料が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10を介して吸気マニホールド12に導入される。吸気マニホールド12に導入された空気は、吸気ポート(図示せず)を介してエンジン1の各気筒に吸入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気量センサ14が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド16を介して排気管18に接続されている。なお、排気マニホールド16と吸気マニホールド12との間には、EGR弁20を介して排気マニホールド16と吸気マニホールド12とを連通するEGR通路22が設けられている。
排気管18はターボチャージャ8のタービン8bを経由した後に排気後処理装置24に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管18内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置24は、上流側ケーシング26と、上流側ケーシング26の下流側に連通路28で連通された下流側ケーシング30とで構成され、その前後に接続される排気管18と共に排気通路を形成している。上流側ケーシング26内には、前段酸化触媒32が収容されると共に、この前段酸化触媒32の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)34が収容されている。フィルタ34は、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化するために設けられる。
前段酸化触媒32は排気中のNOを酸化させてNOを生成するので、このように前段酸化触媒32とフィルタ34とを配置することにより、フィルタ34に捕集され堆積しているパティキュレートは前段酸化触媒32から供給されたNOと反応して酸化し、フィルタ34の連続再生が行われるようになっている。
一方、下流側ケーシング30内には、排気中のアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元して排気を浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒(以下SCR触媒という)36が収容されている。このSCR触媒36は、排気中のNO及びNOの比率が互いにほぼ等しいときに最も高い浄化効率を発揮しうるものであり、前段酸化触媒32で生成されたNOの一部がフィルタ34の連続再生に寄与せずに、エンジン1から排出された排気中のNOと共にSCR触媒36に流入することによって、高い浄化率を維持するようになっている。
SCR触媒36の下流側にはSCR触媒36から流出したアンモニアを酸化してNとするための後段酸化触媒38が収容されている。この後段酸化触媒38は、後述するフィルタ34の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCO(一酸化炭素)を酸化し、CO(二酸化炭素)として大気中に排出する機能も有している。
また、連通路28には、連通路28内の排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタ(尿素供給手段)40が設けられており、尿素水が蓄えられた尿素水タンク42から図示しない供給ポンプによって尿素水が供給されることにより、尿素水インジェクタ40から連通路28内の排気中に尿素水が噴射されるようになっている。
尿素水インジェクタ40から噴射された尿素水に含まれている尿素は、排気の熱により加熱分解及び加水分解してアンモニアとなり、排気と共にSCR触媒36に供給される。SCR触媒36は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを無害なNとして排気を浄化する。
このとき、アンモニアがNOxと反応せずにSCR触媒36から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒38によって酸化され、無害なNとなって大気中に放出されるようになっている。
なお、下流側ケーシング30内のSCR触媒36の上流側には、SCR触媒36の入口側の排気温度を検出する入口側温度センサ44が設けられている。
このように構成されるエンジン1の運転制御をはじめとする総合的な制御を行うため、ECU(制御手段)46が設けられる。ECU46はCPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づきECU46に接続された各種デバイスの制御を行っている。
ECU46の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気流量センサ14、入口側温度センサ44のほかに、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ48及び図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ50などの各種センサ類が接続されている。また、ECU46の出力側には、演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、EGR弁20及び尿素水インジェクタ40などの各種デバイス類が接続されている。
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU46によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ48によって検出されたエンジン1の回転数とアクセル開度センサ50によって検出されたアクセル開度とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な量の燃料が供給される。
ECU46は、このような各気筒への燃料供給制御のほか、フィルタ34を強制再生するための制御や、尿素水インジェクタ40による尿素水の供給制御も行う。
尿素水の供給制御では、エンジン1の運転状態に基づき、ECU46がSCR触媒36で排気中のNOxを選択還元するために必要な尿素水の目標供給量を求め、この目標供給量に基づき尿素水インジェクタ40を制御することにより、尿素水インジェクタ40からSCR触媒36上流側の排気中に尿素水が供給される。
前述したように、尿素水インジェクタ40から噴射された尿素水に含まれる尿素は、排気の熱によって加熱分解及び加水分解してアンモニアとなり、SCR触媒36に供給される。SCR触媒36は供給されたアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとし排気を浄化する。
ここで、尿素の加熱分解とは、尿素1分子が排気の熱によってアンモニア1分子と中間生成物であるイソシアン酸1分子とに分解するものであって、排気温度が比較的低温(例えば120〜160℃)である場合、尿素水インジェクタ40から排気中に供給された尿素は主としてこのような加熱分解により、アンモニアとイソシアン酸とに分解する。
一方、尿素の加水分解とは、尿素が上述のように排気の熱によってアンモニアとイソシアン酸に加熱分解した後、更にイソシアン酸1分子が排気の熱及び排気中のHO(水)によってアンモニア1分子と二酸化炭素1分子とに分解するものであって、結果的に1分子の尿素がアンモニア2分子と二酸化炭素1分子に分解する。排気温度が比較的高温(例えば160℃以上)の場合には、このような加熱分解及び加水分解により、尿素水インジェクタ40から排気中に供給された尿素がアンモニアと二酸化炭素に分解する。
尿素水インジェクタ40から尿素水が排気中に供給され、尿素から生成されたアンモニアがSCR触媒36に供給される際には、排気中に供給された尿素の一部、及び尿素から上述のようにして生成された中間生成物であるイソシアン酸の一部が、排気通路内、即ち排気通路を構成する排気後処理装置24内の各所に蓄積することがある。また、上述したように、尿素から生成されたアンモニアはSCR触媒36に一旦吸着された後にNOxの選択還元に用いられる。
そこでECU46は、尿素及びイソシアン酸の排気通路内における蓄積量、及びSCR触媒36に吸着したアンモニアの蓄積量を演算し、これらの各蓄積量に基づき尿素水インジェクタ40の制御を行っている。以下では、このようなECU46による尿素水インジェクタ46の制御について図2乃至5に基づき説明する。
図2は、尿素及びイソシアン酸の排気通路内における蓄積量、及びSCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量を求めるためにECU46が実行する蓄積量演算制御のフローチャートである。この蓄積量演算制御は、エンジン1の運転中において入口側温度センサ44によって検出されたSCR触媒36の入口側の排気温度が所定温度(例えば120℃以上)の場合に、所定時間間隔tcの制御周期ごとに繰り返し実行される。なお、本実施形態では、SCR触媒36の入口側の排気温度が所定温度に達していない場合、排気中に供給された尿素が排気の熱によって分解することが困難であるものとして、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を行わないようにしている。
蓄積量演算制御では、まずステップS1でECU46が排気通路内における尿素の蓄積量である尿素蓄積量Qu(mol)を演算する。排気通路において、尿素水インジェクタ40から噴射された尿素水に含まれる尿素の一部は、上述のように加熱分解によってイソシアン酸及びアンモニアとなるが、残部は尿素のまま排気通路内に堆積する。そこで、ECU46は尿素水インジェクタ40によって排気中に供給される尿素の単位時間あたりの供給量である尿素添加率Rua(mol/h)と、排気中に供給された尿素の単位時間あたりの加熱分解量である尿素分解率Rur(mol/h)との差を求め、この差に各制御周期の時間間隔tcを乗算することにより、前回の制御周期から今回の制御周期までの間の排気通路内における尿素の蓄積量を求める。
より具体的には、ECU46はエンジン1の運転状態に基づいて、SCR触媒36で排気中のNOxを選択還元するために必要な尿素水の目標供給量を求めており、この尿素水の目標供給量から尿素添加率Ruaを求める。一方、尿素分解率Rurについては、前回の制御周期で後述のステップS2において求めて記憶した尿素分解率Rurを用いる。なお、初回の制御周期の場合、尿素分解率Rurは0mol/hとなる。
ステップS1においてECU46は、こうして求めた前回の制御周期から今回の制御周期までの間の排気通路内における尿素の蓄積量を制御周期毎に積算して尿素蓄積量Quを求めると共に、これを記憶して次のステップS2に処理を進める。このようにして尿素蓄積量Quを求めることにより、排気通路内における尿素の実際の供給状況及び分解状況に対応し、排気通路内における尿素の蓄積量を精度よく求めることができる。
次のステップS2では、ECU46がステップS1で記憶した尿素蓄積量Quと、SCR触媒36の触媒温度Tc(℃)とに基づき、予め記憶している尿素分解率マップから対応する尿素分解率Rurを読み出して記憶する。
尿素分解率Rurは、排気通路内における尿素蓄積量QuとSCR触媒36の触媒温度Tcとに応じて変化し、尿素蓄積量Quの増加に応じて増加すると共に、触媒温度Tcの上昇に応じて増加する。そこで本実施形態では、予め実験等によりこれら尿素蓄積量Qu及び触媒温度Tcと、尿素分解率Rurとの関係を求め、これを尿素分解率マップとしてECU46に記憶させている。図3には、このような尿素分解率マップの一例を示す。なお、本実施形態において触媒温度Tcは、入口側温度センサ44によって検出されたSCR触媒36の入口側の排気温度を用いている。
このようにして尿素分解率Rurを求めることにより、排気通路内における単位時間あたりの尿素の加熱分解量を精度よく求めることができるが、ステップS2で求められて記憶した尿素分解率Rurは、上述したように次の制御周期において、ステップS1の尿素蓄積量Quの演算に用いられ、結果としてステップS1において求められる尿素蓄積量Quも精度の高いものとなる。
次のステップS3に処理を進めると、ECU46は排気中に供給された尿素から加熱分解によって生成されるイソシアン酸の単位時間あたりの生成量であるイソシアン酸生成率Rig(mol/h)と、このときイソシアン酸と共に尿素から生成されるアンモニアの単位時間あたりの生成量(第1の生成量)であるアンモニア生成率Rag1(mol/h)とを演算する。前述したように尿素の加熱分解においては、尿素1分子がイソシアン酸1分子とアンモニア1分子とに分解する。従って、ステップS3においてECU46は、ステップS2で求めた尿素分解率Rurを、イソシアン酸生成率Rig及びアンモニア生成率Rag1として記憶し、次のステップS4に処理を進める。このようにしてアンモニア生成率Rag1を求めることにより、尿素の加熱分解によるアンモニアの実際の生成状況に対応し、尿素が加熱分解して生じるアンモニアの単位時間あたりの生成量を精度よく求めることができる。
ステップS4においてECU46は、排気通路内におけるイソシアン酸蓄積量Qi(mol)を演算する。上述のようにして尿素の加熱分解によって生成されたイソシアン酸の一部は、更に加水分解によってアンモニアと二酸化炭素に分解されるが、残部は排気通路内に蓄積される。そこでECU46は、ステップS3で記憶したイソシアン酸生成率Rigと、前回の制御周期で後述のステップS5において求められたイソシアン酸の単位時間あたりの加水分解量であるイソシアン酸分解率Rir(mol/h)との差を求め、この差に各制御周期の時間間隔tcを乗算することにより、前回の制御周期から今回の制御周期までの間の排気通路内におけるイソシアン酸の蓄積量を求める。なお、初回の制御周期の場合、イソシアン酸分解率Rirは0mol/hとなる。
ステップS4においてECU46は、こうして求めた前回の制御周期から今回の制御周期までの間の排気通路内におけるイソシアン酸の蓄積量を制御周期毎に積算してイソシアン酸蓄積量Qiを求めると共に、これを記憶して次のステップS5に処理を進める。このようにしてイソシアン酸蓄積量Qiを求めることにより、排気通路内におけるイソシアン酸の実際の生成状況及び分解状況に対応し、排気通路内におけるイソシアン酸の蓄積量を精度よく求めることができる。
次のステップS5に処理を進めると、ECU46はステップS4で記憶したイソシアン酸蓄積量Qiと、SCR触媒36の触媒温度Tcとに基づき、予め記憶しているイソシアン酸分解率マップから対応するイソシアン酸分解率Rirを読み出して記憶する。
イソシアン酸分解率Rirは、排気通路内におけるイソシアン酸蓄積量QiとSCR触媒36の触媒温度Tcとに応じて変化し、イソシアン酸蓄積量Qiの増加に応じて増加すると共に、触媒温度Tcの上昇に応じて増加する。そこで本実施形態では、予め実験等によりこれらイソシアン酸蓄積量Qi及び触媒温度Tcと、イソシアン酸分解率Rirとの関係を求め、これをイソシアン酸分解率マップとしてECU46に記憶させている。図4には、このようなイソシアン酸分解率マップの一例を示す。なお、本実施形態において触媒温度Tcは、前述したように入口側温度センサ44によって検出されたSCR触媒36の入口側の排気温度を用いている。
このようにしてイソシアン酸分解率Rirを求めることにより、排気通路内における単位時間あたりのイソシアン酸の加水分解量を精度よく求めることができるが、ステップS5で求められて記憶したイソシアン酸分解率Rirは、上述したように次の制御周期において、ステップS4のイソシアン酸蓄積量Qiの演算に用いられ、結果としてステップS4において求められるイソシアン酸蓄積量Qiも精度の高いものとなる。
次のステップS6でECU46は、イソシアン酸から加水分解によって生成されるアンモニアの単位時間あたりの生成量(第2の生成量)であるアンモニア生成率Rag2(mol/h)を演算する。前述したようにイソシアン酸の加水分解においては、イソシアン酸1分子がアンモニア1分子と二酸化炭素1分子とに分解する。従って、ステップS6においてECU46は、ステップS5で求めたイソシアン酸分解率Rirを、アンモニア生成率Rag2として記憶し、次のステップS7に処理を進める。このようにしてアンモニア生成率Rag2を求めることにより、イソシアン酸の加水分解によるアンモニアの実際の生成状況に対応し、イソシアン酸が加水分解して生じるアンモニアの単位時間あたりの生成量を精度よく求めることができる。
ステップS7においてECU46は、ステップS3で記憶したアンモニア生成率Rag1と、ステップS6で記憶したアンモニア生成率Rag2とを合算することにより、排気通路内における単位時間あたりのアンモニアの全生成量であるアンモニア全生成率Rat(mol/h)を求め、これを記憶して次のステップS8に処理を進める。
尿素インジェクタ40から排気中に供給された尿素から生成されるアンモニアは、尿素が加熱分解する際に中間生成物であるイソシアン酸と共に生成されるアンモニアと、イソシアン酸が加水分解して生成されるアンモニアとからなることから、このようにしてアンモニア全生成率Ratを求めることにより、実際のアンモニアの生成状況に対応し、排気中に供給された尿素から生成されるアンモニアの単位時間あたりの生成量を精度よく求めることができる。
次のステップS8でECU46は、SCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量Qa(mol)を演算する。前述したように、排気中の尿素から生成されたアンモニアは、一旦SCR触媒36に吸着された後、SCR触媒36による排気中のNOxの選択還元において消費される。そこでECU46は、ステップS7で記憶したアンモニア全生成率Ratと、SCR触媒36における単位時間あたりのアンモニアの消費量であるアンモニア消費率Rac(mol/h)との差を求め、この差に各制御周期の時間間隔tcを乗算することにより、前回の制御周期から今回の制御周期までの間のSCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量を求める。
ここでアンモニア消費率Racは、単位時間あたりに排気中のNOxの選択還元に消費されるアンモニアの量を示すものであることから、ECU46は各気筒への燃料供給量や吸気量センサ14によって検出された吸入空気量及び回転数センサ48によって検出されたエンジン1の回転数などのエンジン1の運転状態からエンジン1からの単位時間あたりのNOx排出量を求め、このNOx排出量からアンモニア消費率Racを求めている。
ステップS8においてECU46は、こうして求めた前回の制御周期から今回の制御周期までの間のSCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量を制御周期毎に積算してアンモニア蓄積量Qaを求めると共に、これを記憶してその制御周期を終了し、次の制御周期で再び上述のようにしてステップS1から処理を開始する。このようにして、実際のアンモニアの生成状態と消費状態に対応してアンモニア蓄積量Qaを求めることにより、SCR触媒36におけるアンモニアの実際の供給状況及び消費状況に対応し、SCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量を精度よく求めることができる。
以上のようにして蓄積量演算制御を繰り返し実行することにより、排気通路内における尿素の蓄積量Qu及び中間生成物であるイソシアン酸の蓄積量Qi、並びにSCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量Qaを、排気通路内におけるイソシアン酸やアンモニアの実際の生成状況、並びにSCR触媒36におけるアンモニアの実際の消費状況に対応し、精度よく求めることができる。
ECU46は、このようにして求められた排気通路内における尿素の蓄積量Qu及びイソシアン酸の蓄積量Qi、並びにSCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量Qaに基づき、図5のフローチャートに従い、所定の制御周期で尿素水インジェクタ40に対する尿素水供給制御を行う。なお、この尿素水供給制御も上述した蓄積量演算制御と同様に、エンジン1の運転中において入口側温度センサ44によって検出されたSCR触媒36の入口側の排気温度が所定温度(例えば120℃以上)の場合に実行され、SCR触媒36の入口側の排気温度が所定温度に達していない場合、排気中に供給された尿素が排気の熱によって分解することが困難であるものとして、ECU46は尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を行わない。
尿素水供給制御においてECU46は、まずステップS11で尿素蓄積量Quが所定の上限尿素蓄積量Qumax未満であるか否かを判定する。この上限尿素蓄積量Qumaxは、尿素インジェクタ40から排気通路内に供給された尿素水に含まれている尿素が排気通路内に蓄積した場合に、尿素水インジェクタ40の作動不良や排気後処理装置24の機能低下などの不具合が生じることのない尿素の蓄積量として予め実験等により求められた蓄積量の上限値に基づいて設定されている。
ステップS11において尿素蓄積量Quが上限尿素蓄積量Qumaxに達していないと判定した場合、ECU46は処理をステップS12に進め、イソシアン酸蓄積量Qiが所定の上限イソシアン酸蓄積量(上限中間生成物蓄積量)Qimax未満であるか否かを判定する。
この上限イソシアン酸蓄積量Qimaxは、尿素インジェクタ40から排気通路内に供給された尿素水の尿素が加熱分解して生成されるイソシアン酸が排気通路内に蓄積した場合に、蓄積したイソシアン酸が高温時に加水分解して生成されるアンモニアによってアンモニアスリップが生じることのないイソシアン酸の蓄積量として予め実験等により求められた蓄積量の上限値に基づいて設定されている。
ステップS12においてイソシアン酸蓄積量Qiが上限イソシアン酸蓄積量Qimaxに達していないと判定した場合、ECU46は処理をステップS13に進め、アンモニア蓄積量Qaが所定の上限アンモニア蓄積量Qamax未満であるか否かを判定する。
この上限アンモニア蓄積量Qamaxは、尿素インジェクタ40から排気通路内に供給された尿素水から生成されたアンモニアがSCR触媒36に供給されて吸着し、SCR触媒36におけるアンモニアの蓄積量が増大した場合に、SCR触媒36からのアンモニアスリップが生じることのないアンモニアの蓄積量として予め実験等により求められた蓄積量の上限値に基づいて設定されている。
ステップS13においてアンモニア蓄積量Qaが上限アンモニア蓄積量Qamaxに達していないと判定した場合、ECU46は処理をステップS14に進める。
ステップS14においてECU46は、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を許容し、前述したようにエンジン1の運転状態に基づいて求められたエンジン1からのNOx排出量に対応し、SCR触媒36によりNOxを選択還元するのに必要な量の尿素水が尿素水インジェクタ40から排気中に供給されるよう、尿素水インジェクタ40を制御して、その制御周期を終了する。そして、次の制御周期においても、ECU46は再びステップS11から同様に処理を行う。
このように、尿素蓄積量Qu、イソシアン酸蓄積量Qi及びアンモニア蓄積量Qaが、いずれもそれぞれに対応する上限蓄積量Qumax、Qimax及びQamaxに達していない場合には、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給が許容される。従って、従来の排気浄化装置では尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給が禁止されるような低温の排気温度においても、尿素蓄積量Qu、イソシアン酸蓄積量Qi及びアンモニア蓄積量Qaのいずれもが、それぞれに対応する上限蓄積量Qumax、Qimax及びQamaxに達していない限り、支障なく尿素水インジェクタ40から尿素水を供給することが可能となる。
従って、排気温度が低い場合にもSCR触媒36に尿素水から生成されたアンモニアを吸着させ、NOxの選択還元を行うと共に、SCR触媒36にアンモニアを蓄積することにより、その後に排気温度が上昇したときに十分なアンモニアの量を確保できるようにして、SCR触媒36の排気浄化効率を向上させることができる。更に、このような効果を得るために、加熱装置などの付加的な機構も必要としないので、排気通路の構造が複雑になって製造コストが増大したり、余分な動力を要してエンジンの燃費が悪化したりすることもない。
一方、ステップS11で尿素蓄積量Quが上限尿素蓄積量Qumaxに達していると判定した場合、ECU46は処理をステップS15に進め、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を禁止してその制御周期を終了する。そして、次の制御周期においても、ECU46は再びステップS11から上述したように処理を行う。
従って、尿素蓄積量Quが上限尿素蓄積量Qumaxに達した場合には、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給が禁止され、排気通路内における更なる尿素の蓄積が防止される。この結果、尿素の蓄積に起因する尿素水インジェクタ40の作動不良や排気後処理装置24の機能低下を的確に防止することができる。
また、ステップS12に処理を進め、イソシアン酸蓄積量Qiが上限イソシアン酸蓄積量Qimaxに達していると判定した場合においても、ECU46は処理をステップS15に進め、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を禁止してその制御周期を終了する。そして、次の制御周期においても、ECU46は再びステップS11から上述したように処理を行う。
従って、イソシアン酸蓄積量Qiが上限イソシアン酸蓄積量Qimaxに達した場合においても、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給が禁止され、排気通路内における更なるイソシアン酸の蓄積が防止される。この結果、過剰に蓄積されたイソシアン酸が高温時に加水分解されて大量のアンモニアとなることにより生じるアンモニアスリップを的確に防止することができる。
更に、ステップS13に処理を進め、アンモニア蓄積量Qaが上限アンモニア蓄積量Qamaxに達していると判定した場合においても、ECU46は処理をステップS15に進め、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を禁止してその制御周期を終了する。そして、次の制御周期においても、ECU46は再びステップS11から上述したように処理を行う。
従って、アンモニア蓄積量Qaが上限アンモニア蓄積量Qamaxに達した場合においても、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給が禁止され、SCR触媒36に対する更なるアンモニアの供給が停止され、SCR触媒36からのアンモニアスリップの発生を的確に防止することができる。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態の尿素水供給制御においては、尿素蓄積量Qu、イソシアン酸蓄積量Qi及びアンモニア蓄積量Qaのいずれもが、それぞれに対応する上限蓄積量Qumax、Qimax及びQamaxに達していない場合に限り、尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を許容するようにしたが、尿素蓄積量Qu及びアンモニア蓄積量Qaについては、その演算及びそれぞれに対応する上限蓄積量Qumax及びQamaxとの大小関係の判定を行わず、イソシアン酸蓄積量Qiが上限蓄積量Qimaxに達しているか否かの判定のみに基づき、尿素水の供給を制御するようにしてもよい。
即ち、図5のフローチャートについてはステップS11及びS13の処理を省略し、ステップS12においてイソシアン酸蓄積量Qiが上限蓄積量Qimax未満であると判定した場合にはステップS14に進んで尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を許容する一方、ステップS12においてイソシアン酸蓄積量Qiが上限蓄積量Qimaxに達したと判定した場合にはステップS15に進んで尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給を禁止するようにしてもよい。
この場合、このような尿素水供給制御では、排気通路内における尿素の蓄積に起因した尿素水インジェクタ40の作動不良や排気後処理装置24の機能低下、並びにSCR触媒36からのアンモニアスリップの発生を防止することはできないが、少なくとも尿素からアンモニアを生成する際の中間生成物であるイソシアン酸が過剰に蓄積されることに起因し、このイソシアン酸が高温時に加水分解されて大量のアンモニアとなることにより生じるアンモニアスリップを的確に防止することができる。また、従来の排気浄化装置では尿素水インジェクタ40からの尿素水の供給が禁止されるような低い排気温度においても、イソシアン酸蓄積量Qiが上限イソシアン酸蓄積量Qimaxに達していない限り、支障なく尿素水インジェクタ40から尿素水を供給することが可能となる。従って、排気温度が低い場合にもSCR触媒36に尿素水から生成されたアンモニアを吸着させ、NOxの選択還元を行うと共に、SCR触媒36にアンモニアを蓄積することにより、その後に排気温度が上昇したときに十分なアンモニアの量を確保できるようにして、SCR触媒36の排気浄化効率を向上させることができる。
更に、尿素蓄積量Quと上限尿素蓄積量Qumaxとの大小関係の判定及びアンモニア蓄積量Qaと上限アンモニア蓄積量Qamaxとの大小関係の判定のいずれか一方のみ、即ち図5のフローチャートにおいてステップS11及びS13のいずれか一方の処理のみを省略するようにしてもよい。この場合、省略されたステップの処理によって得られる効果は失われるものの、上述したようなステップS12の処理による効果に加え、ステップS11及びS13のうちの省略されなかったステップの処理による効果が得られることになる。
また、上記実施形態において、上流側ケーシング26内の上流側に前段酸化触媒32を配設すると共にその下流側にフィルタ34を配設し、下流側ケーシング30内の上流側にSCR触媒36を配設すると共にその下流側に後段酸化触媒38を配設することにより排気後処理装置24を構成したが、排気後処理装置24の構成はこれに限られるものではない。
即ち、本発明は排気中に供給された尿素から生成されるアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するSCR触媒36を備えたものであれば適用可能であって、前段酸化触媒32、フィルタ34及び後段酸化触媒38については、必要に応じて配設すればよく、これら前段酸化触媒32、フィルタ34及び後段酸化触媒38以外の排気浄化装置を設けるようにしてもよい。更に、排気後処理装置24を上流側ケーシング26と下流側ケーシング30とに分割せずに1つのケーシングで構成するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、入口側温度センサ44によって検出されたSCR触媒36入口側の排気温度が所定温度(例えば120℃)以上のときに、図2及び図5に示すフローチャートによる蓄積量演算制御及び尿素水供給制御を行うようにしたが、尿素からアンモニアが生成される際の中間生成物であるイソシアン酸は、排気温度が比較的低い温度範囲(例えば120〜160℃)の場合に、アンモニアに加水分解されずに排気中に残留しやすいので、これら蓄積量演算制御及び尿素水供給制御は排気温度が所定温度範囲(例えば120〜160℃)の場合のみに実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、エンジン1をディーゼルエンジンとしたが、エンジンの形式はこれに限定されるものではなく、排気中に供給された尿素から生成されるアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するSCR触媒36を備えたものであれば、どのようなエンジンであっても本発明を適用することが可能である。
更に、上記実施形態では、入口側温度センサ44によって検出されたSCR触媒36入口側の排気温度をそのままSCR触媒36の温度Tcとして用いるようにしたが、SCR触媒36の温度Tcの検出方法はこれに限定されるものではない。例えば、入口側温度センサ44の検出値にSCR触媒36の構造に基づく補正を加えてもよいし、入口側温度センサ44をSCR触媒36の内部に配設した温度センサによる検出や、SCR触媒36の出口側における排気温度の検出を採用するようにしてもよい。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジンの全体構成図である。 図1の排気浄化装置で実行される蓄積量演算制御のフローチャートである。 図2のフローチャートで用いられる尿素分解率マップである。 図2のフローチャートで用いられるイソシアン酸分解率マップである。 図1の排気浄化装置で実行される尿素水供給制御のフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
18 排気管(排気通路)
24 排気後処理装置(排気通路)
36 アンモニア選択還元型NOx触媒
40 尿素水インジェクタ(尿素供給手段)
46 ECU(制御手段)

Claims (14)

  1. エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、
    上記排気通路内に尿素を供給することにより、上記尿素から生成されたアンモニアを上記アンモニア選択還元型NOx触媒に供給する尿素供給手段と、
    上記エンジンの運転状態に応じて上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を制御し、上記排気通路内に供給された尿素から上記アンモニアが生成される際に生成される中間生成物の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限中間生成物蓄積量に達すると、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を禁止する制御手段と
    を備えたことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記制御手段は、上記尿素供給手段から供給される尿素の加熱分解量から求めた上記中間生成物の生成量と、上記中間生成物の加水分解量とに基づき、上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量を求めることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記制御手段は、上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量を繰り返し演算し、直近に求められた上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記中間生成物の加水分解量を求めることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  4. 上記制御手段は、更に上記尿素供給手段から上記排気通路内に供給された尿素の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限尿素蓄積量に達したときにも、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を禁止することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. 上記制御手段は、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素供給量と、上記排気通路内に供給された尿素の加熱分解量とに基づいて、上記排気通路内における上記尿素の蓄積量を求めることを特徴とする請求項4に記載の排気浄化装置。
  6. 上記制御手段は、上記排気通路内における上記尿素の蓄積量を繰り返し演算し、直近に求められた上記排気通路内における上記尿素の蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記排気通路内に供給された尿素の加熱分解量を求めることを特徴とする請求項5に記載の排気浄化装置。
  7. 上記制御手段は、更に上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量に達したときにも、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を禁止することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  8. 上記制御手段は、上記尿素供給手段から上記排気通路中に供給された尿素から加熱分解によって上記中間生成物と同時に生成されるアンモニアの第1の生成量と、上記中間生成物が加水分解することによって生成されるアンモニアの第2の生成量とを合算した総アンモニア生成量に基づき、上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めることを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置。
  9. 上記制御手段は、上記総アンモニア生成量と、上記エンジンの運転状態に応じて求めたアンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの消費量とに基づき、上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量を求めることを特徴とする請求項8に記載の排気浄化装置。
  10. 上記制御手段は、上記尿素供給手段から供給される尿素の加熱分解量から、上記第1の生成量を求めることを特徴とする請求項8に記載の排気浄化装置。
  11. 上記制御手段は、上記尿素供給手段から上記排気通路内に供給された尿素の上記排気通路内における蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記尿素の加熱分解量を求めることを特徴とする請求項10に記載の排気浄化装置。
  12. 上記制御手段は、上記中間生成物の加水分解量から、上記第2の生成量を求めることを特徴とする請求項8に記載の排気浄化装置。
  13. 上記制御手段は、上記排気通路内における上記中間生成物の蓄積量と、上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度とに基づき、上記中間生成物の加水分解量を求めることを特徴とする請求項12に記載の排気浄化装置。
  14. エンジンの排気通路に配設され、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、
    上記排気通路内に尿素を供給することにより、上記尿素から生成されたアンモニアを上記アンモニア選択還元型NOx触媒に供給する尿素供給手段と、
    上記エンジンの運転状態に応じて上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を制御し、上記尿素供給手段から上記排気通路内に供給された尿素の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限尿素蓄積量未満であり、且つ上記排気通路内に供給された尿素から上記アンモニアが生成される際に生成される中間生成物の上記排気通路内における蓄積量が所定の上限中間生成物蓄積量未満であり、且つ上記アンモニア選択還元型NOx触媒におけるアンモニアの蓄積量が所定の上限アンモニア蓄積量未満であるときに、上記尿素供給手段から上記排気通路内への尿素の供給を許容する制御手段と
    を備えたことを特徴とする排気浄化装置。
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