JP6050942B2 - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料を加熱し改質した炭化水素系ガスを還元剤としてエンジンの排気管に噴射することにより排ガス中のNOxを浄化する装置に関するものである。
従来、尿素を含む水溶液を供給するための供給路に加水分解触媒が接続され、SCR触媒に排ガスが貫流し、供給路又は加水分解触媒の少なくとも一方を加熱する棒状加熱要素が配置された内燃機関の排ガス処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この排ガス処理装置では、棒状加熱要素の周りに、供給路又は加水分解触媒の少なくとも一方が配置される。また棒状加熱要素が外被管で取り囲まれ、この外被管が棒状加熱要素と一体に形成されるか、棒状加熱要素と材料結合される。そして外被管内に通路が設けられる。ここで、通路は、棒状加熱要素の周りにほぼスパイラル状に形成され、内側が外被管により境界づけられかつ外側がブシュによる境界づけられた環状隙間横断面を持った1つ或いは複数の通路である。尿素水溶液は、通路の第1部位において棒状加熱要素により蒸発され、通路の第2部位に混合気が貫流する。通路の第2部位には、尿素からアンモニアへの加水分解を促進する被覆が設けられ、通路の第2部位は加水分解路及び加水分解触媒として用いられる。上記尿素がアンモニアに加水分解した後、アンモニアを含む蒸気流が還元剤として通路から排気管に供給される。更に外被管の上にブシュが被せられる。このブシュは、例えばそれ自体が発熱線を利用し、これによって、ブシュも加熱され、従って、通路はその内外から加熱されるようになっている。
一方、還元剤先駆物質を含む水溶液の貯蔵槽を有し、この貯蔵槽から水溶液が搬送手段によって放出開口付き供給管に搬送され、還元剤又は還元剤先駆物質のいずれか又は双方を含む混合気を供給する装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この混合気の供給装置では、供給管を加熱する加熱手段が配置され、この加熱手段によって供給管が、水の沸点より高い臨界温度を超えて加熱されるように構成される。また加熱手段は、電気抵抗加熱器、他の構成要素の廃熱を利用する熱伝達手段、ペルチェ素子、又は燃料を燃焼する手段の少なくともいずれか1つの構成要素を有する。更に供給管は部分的に還元剤先駆物質を還元剤に加水分解する触媒により被覆される。ここで、還元剤とは、窒素酸化物の選択触媒還元の枠内で採用される還元剤を意味し、還元剤先駆物質とは、還元剤を水解するか、他の物質と還元剤を放出しながら反応する物質を意味する。また還元剤としてはアンモニアが挙げられ、還元剤先駆物質としては尿素水溶液が挙げられる。更に臨界温度は、その温度以上で水溶液の完全蒸発が行われる温度であり、300℃より高いことが好ましい。このように構成された混合気の供給装置では、尿素を含む水溶液を完全に蒸発でき、続いてアンモニアを含む混合気に加水分解できる。この混合気は、SCR触媒コンバータに還元剤として供給されるようになっている。
特表2009−537725号公報(請求項1、段落[0027]、[0047]、[0048]、図1、図4) 特表2009−537726号公報(請求項1、5及び9、段落[0008]、[0146]、図1、図4)
しかし、上記従来の特許文献1に示された排ガス処理装置では、尿素水溶液が加水分解触媒の通路に流入すると、この尿素水溶液は通路の第1部位で蒸発した後、通路の第2部位で加水分解し、アンモニアを含む蒸気流となって排気管に流入するため、通路の第1部位で尿素水溶液中の尿素が蒸発せずに水のみが蒸発して尿素が結晶化する場合があり、この場合、結晶化した尿素が通路内に堆積し、この堆積物により通路が詰まるおそれがあった。また、上記従来の特許文献2に示された混合気の供給装置では、供給管内の尿素水溶液が臨界温度を超える温度(300℃より高い温度)に加熱されるため、尿素水溶液中の尿素が蒸発せずに水のみが蒸発して尿素が結晶化する場合があり、この場合、結晶化した尿素が供給管内に堆積し、この堆積物により供給管が詰まるおそれがあった。更に、上記従来の特許文献1又は2に示された装置では、尿素水溶液の供給路に加水分解触媒を接続する必要があり、或いは供給管に加水分解触媒の被膜を形成する必要があり、部品点数又は加工工数が増大する問題点もあった。
本発明の第1の目的は、改質ケース内で尿素を結晶化させず、また尿素水改質器に加水分解触媒やその触媒被膜を設けずに、尿素水を尿素水改質器でアンモニアガスに効率良く改質できる、排ガス浄化装置を提供することにある。本発明の第2の目的は、排ガス温度が比較的高いときのみならず、排ガス温度が比較的低いときであっても排ガス中のNOxを効率良く低減でき、これにより排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減できる、排ガス浄化装置を提供することにある。本発明の第3の目的は、尿素水の集中による局所的な改質ケース内温度の低下を抑制でき、かつ改質ケース内での局所的な尿素水の過熱を回避できる、排ガス浄化装置を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1〜図3に示すように、エンジン11の排ガスを浄化する排ガス浄化装置において、エンジン11の排気管18に設けられ排ガス中のNOxをN2に還元可能な選択還元型触媒12と、密閉された改質ケース31内で尿素水13をヒータ32にて加熱することにより尿素水13を熱分解し更に加水分解してアンモニアガス14に改質する尿素水改質器16と、尿素水改質器16に尿素水13を供給する尿素水供給手段17と、選択還元型触媒12より排ガス上流側の排気管18に臨み尿素水改質器16で改質されたアンモニアガス14を噴射可能なアンモニアガス噴射ノズル19と、尿素水改質器16内の温度を検出する改質器温度センサ51,52と、尿素水改質器16内の圧力を検出する改質器圧力検出手段42と、選択還元型触媒12に関係する排ガス温度を検出する触媒温度センサ43と、改質器温度センサ51,52、改質器圧力検出手段42及び触媒温度センサ43の各検出出力に基づいてヒータ32及び尿素水供給手段17を制御するコントローラ47とを備え、コントローラ47は、改質器温度センサ51,52、改質器圧力検出手段42及び触媒温度センサ43の各検出出力に基づいて、ヒータ32をオンし尿素水改質器16内の温度を上昇させて、尿素水供給手段17により尿素水13を尿素水改質器16に供給し、尿素水13の流量及び尿素水改質器16の出口圧力をヒータ32及び尿素水供給手段17にて制御することにより、尿素水改質器16に供給された尿素水13を熱分解してアンモニアとイソシアン酸を生成し、尿素水改質器16内の水蒸気分圧を増大させて水蒸気によるイソシアン酸の加水分解を促進させるように構成され、尿素水改質器16が、内周面に長手方向及び円周方向にそれぞれ延びる第1溝31d及び第2溝31eにて格子状溝31fを形成することにより内周面に長手方向及び円周方向にそれぞれ整列した複数の突起31gが設けられかつ両端が閉止された筒状の上記改質ケース31と、この改質ケース31の中央に長手方向に延びて収容された上記ヒータ32とを有し、尿素水13が格子状溝31fへの流通時にヒータ32による加熱で熱分解し更に加水分解してアンモニアガス14に改質されるように構成されたことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図2及び図3に示すように、尿素水改質器16が排気管18の外周面にベース部材33を介して取付けられ、尿素水改質器16により改質されたアンモニアガス14がベース部材33に形成された挿通孔33aを通ってアンモニアガス噴射ノズル19から排気管18に噴射されるように構成されたことを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点のいずれかに基づく発明であって、更に図6に示すように、選択還元型触媒12より排ガス上流側の排気管18に設けられ尿素水供給手段17により供給された尿素水13を尿素水改質器16を介さずに排気管18に直接噴射する尿素水噴射ノズル71を更に備え、尿素水供給手段77が、尿素水13を尿素水改質器16又は尿素水噴射ノズル71に圧送するポンプ37と、ポンプ37から圧送される尿素水13の圧力を調整する圧力調整弁40と、ポンプ37と尿素水改質器16とを接続する第1供給管41を通る尿素水の流量を調整する第1流量調整弁81と、ポンプ37と尿素水噴射ノズル71とを接続する第2供給管72を通る尿素水の流量を調整する第2流量調整弁82とを有し、コントローラ47が改質器温度センサ51,52、改質器圧力検出手段42及び触媒温度センサ43の各検出出力に基づいて圧力調整弁40、第1流量調整81、第2流量調整弁82及びヒータ32をそれぞれ制御するように構成されたことを特徴とする。
本発明の第1の観点の排ガス浄化装置では、コントローラが改質器温度センサ、改質器圧力検出手段及び触媒温度センサの各検出出力に基づいてヒータ及び尿素水供給手段を制御するので、尿素水改質器の密閉された改質ケース内で尿素水がヒータにより熱分解してアンモニアとイソシアン酸が生成される一方で、尿素水中の水分の水蒸気化が進行して、改質ケース内の圧力が所定圧に増大するとともに改質ケース内の温度が所定の温度に上昇する。この結果、改質ケース内の水蒸気分圧が増大し、水蒸気によるイソシアン酸の加水分解が促進されるので、尿素水をほぼ完全にアンモニアガスに効率良く改質できる。また上記のように尿素水中の水がイソシアン酸の加水分解に利用されるため、改質ケース内で尿素水中の水のみが蒸発して尿素が結晶化することはない。更に尿素水溶液の供給路に加水分解触媒が接続されたり、或いは供給管に加水分解触媒の被膜が形成されて、部品点数又は加工工数が増大する従来の装置と比較して、本発明では、尿素水改質器に加水分解触媒やこの触媒の被膜を設けずに、上記のように改質ケース内で尿素水を熱分解し加水分解してアンモニアガスに改質できる。この結果、アンモニアガスをアンモニアガス噴射ノズルから噴射することにより、排ガス温度が比較的高いときのみならず、排ガス温度が比較的低いときであっても排ガス中のNOxを効率良く低減できるので、排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減できる。
また、本発明の第1の観点の排ガス浄化装置では、尿素水改質器の改質ケースに流入した尿素水が格子状溝を流通することにより、尿素水が改質ケース内の長手方向に略均一に行き渡り、この状態で尿素水がヒータにより加熱されるので、尿素水は、上記と同様に、熱分解し更に加水分解してアンモニアガスに効率良く改質される。この結果、尿素水の集中による局所的な改質ケース内温度の低下を抑制でき、かつ改質ケース内での局所的な尿素水の過熱を回避できる。
本発明の第2の観点の排ガス浄化装置では、尿素水改質器を排気管の外周面にベース部材を介して取付け、尿素水改質器により改質されたアンモニアガスがベース部材の挿通孔を通ってアンモニアガス噴射ノズルから排気管に噴射されるので、アンモニアガスを尿素水改質器からアンモニアガス噴射ノズルに供給する配管が不要になる。この結果、部品点数及び配管工数を低減できる。
本発明の第3の観点の排ガス浄化装置では、排ガス温度が比較的低いときに、第1流量調整弁を間欠的に開くか又は所定の開度で開き、第2流量調整弁を閉じ、更に圧力調整弁を所定の開度で開いた状態で、ポンプ及びヒータを駆動すると、ポンプにより圧送された尿素水が第1供給管を通って尿素水改質器に流入するので、この尿素水は、上記と同様に、熱分解し更に加水分解してアンモニアガスに効率良く改質された後に、アンモニアガス噴射ノズルから排気管に噴射される。この結果、アンモニアガス噴射ノズルから噴射されたアンモニアガスが選択還元型触媒上で排ガス中のNOxをN2に還元する還元剤として機能するので、排ガス温度が比較的低いときであっても、排ガス中のNOxを効率良く浄化できる。一方、排ガス温度が比較的高いときには、第1流量調整弁を閉じ、第2流量調整弁を間欠的に開くか又は所定の開度で開き、更に圧力調整弁を所定の開度で開いた状態で、ポンプ及びヒータを駆動すると、ポンプにより圧送された尿素水が第2供給管を通って尿素水噴射ノズルに供給するので、この尿素水は尿素水噴射ノズルから排気管内に噴射される。このとき排ガス温度が比較的高いので、排気管に噴射された尿素水は排ガスにより加熱されて、アンモニアガスに改質される。この結果、アンモニアガスが選択還元型触媒上で排ガス中のNOxをN2に還元する還元剤として機能するので、尿素水を尿素水改質器でアンモニアガスに改質しなくても、排ガス中のNOxを効率良く浄化できる。従って、排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減できる。
本発明第1実施形態の排ガス浄化装置を示す構成図である。 その排ガス浄化装置の尿素水改質器を示す図3のA−A線断面図である。 図2にB−B線断面図である。 その尿素水改質器の改質ケース及びヒータの分解斜視図である。 尿素水改質器の温度変化及び尿素水改質器の出口圧力の変化に対する尿素水改質器でのアンモニアガス発生率の変化を示す図である。 本発明第2実施形態の排ガス浄化装置を示す構成図である。 実施例1及び比較例1の排ガス浄化装置を用いたときの排ガス温度の変化に対するNOx低減率の変化を示す図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1に示すように、排ガス浄化装置は、ディーゼルエンジン11から排出された排ガス中のNOxをN2に還元可能な選択還元型触媒12と、尿素水13をアンモニアガス14に改質する尿素水改質器16と、尿素水改質器16に尿素水13を供給する尿素水供給手段17と、選択還元型触媒12より排ガス上流側の排気管18に臨みアンモニアガス14を噴射可能なアンモニアガス噴射ノズル19とを備える。ディーゼルエンジン11の吸気ポートには吸気マニホルド21を介して吸気管22が接続され、排気ポートには排気マニホルド23を介して排気管18が接続される。吸気管22には、ターボ過給機26のコンプレッサハウジング26aと、ターボ過給機26により圧縮された吸気を冷却するインタクーラ27とがそれぞれ設けられ、排気管18にはターボ過給機26のタービンハウジング26bが設けられる。コンプレッサハウジング26aにはコンプレッサ回転翼(図示せず)が回転可能に収容され、タービンハウジング26bにはタービン回転翼(図示せず)が回転可能に収容される。コンプレッサ回転翼とタービン回転翼とはシャフト(図示せず)により連結され、エンジン11から排出される排ガスのエネルギによりタービン回転翼及びシャフトを介してコンプレッサ回転翼が回転し、このコンプレッサ回転翼の回転により吸気管22内の吸入空気が圧縮されるように構成される。
選択還元型触媒12は排気管18に設けられる。具体的には、排気管18の途中に排気管18より大径の触媒ケースが28設けられ、この触媒ケース28に選択還元型触媒12が収容される。選択還元型触媒12はモノリス触媒であって、コージェライト製のハニカム担体に、ゼオライト又はアルミナをコーティングして構成される。ゼオライトとしては、鉄−ゼオライト、銅−ゼオライト、バナジウム−ゼオライト等が挙げられる。鉄−ゼオライト、銅−ゼオライト又はバナジウム−ゼオライトからなる選択還元型触媒12は、鉄、銅又はバナジウムをイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。また鉄−アルミナ、銅−アルミナ又はバナジウム−アルミナからなる選択還元型触媒12は、鉄、銅又はバナジウムを担持させたγ−アルミナ粉末又はθ−アルミナ粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして構成される。この選択還元型触媒12にアンモニアガス14が供給されると、アンモニアガス14が選択還元型触媒12上でNOxをN2に還元する還元剤として機能するようになっている。
一方、図2〜図4に示すように、尿素水改質器16は、密閉された筒状の改質ケース31と、この改質ケース31に収容されたヒータ32とを有する。改質ケース31は横断面略T字状の角筒状に形成され、改質ケース31には長手方向に延びる大径の円柱孔31aが形成される。また改質ケース31は、大径の円柱孔31aの中心線を通る水平面で上下に2分割され、横断面略逆ハット状に形成された下側のロアケース部31bと、横断面略伏せ椀状に形成された上側のアッパケース部31cとからなる。更に改質ケース31の内周面、即ち大径の円柱孔31aの内周面には、長手方向及び円周方向にそれぞれ延びる第1溝31d及び第2溝31eにて格子状溝31fを形成することにより、長手方向及び円周方向にそれぞれ整列した複数の突起31gが設けられる。なお、図3中の符号31h及び31iは改質ケース31の両端に取付けられ改質ケース31の大径の円柱孔31aをそれぞれ閉止する第1及び第2蓋体である。また図3及び図4中の符号31jはロアケース部31bの第1蓋体31h近傍に形成され改質ケース31内に尿素水13を流入させるための入口孔であり、符号31kはアッパケース部31cの第2蓋体31i近傍に形成され尿素水改質器16で改質されたアンモニアガス14を改質ケース31から流出させるための出口孔である。更に図3及び図4中の符号31mは入口孔31jから流入した尿素水13を格子状溝31fにスムーズに導くための第1筒状凹部であり、符号31nは格子状溝31fを流通して改質されたアンモニアガス14を出口孔31kからスムーズに流出させるための第2筒状凹部である。
上記ヒータ32は円柱状に形成され、改質ケース31の大径の円柱孔31aに挿入可能に構成される。ここで、ヒータ32を改質ケース31の大径の円柱孔31aに挿入したとき、ヒータ32を複数の突起31gの先端面が受けるように構成され、入口孔31jから改質ケース31に流入した尿素水13が格子状溝31fを流通して、改質ケース31の下部(ロアケース部31bの下部又は全部、或いはロアケース部31bの全部及びアッパケース部31cの下部)の長手方向に略均一に行き渡るように構成される。またヒータ32は、円柱状のコイル保持部32aと、このコイル保持部32aの外周面に沿いかつコイル保持部32aの外周面に露出しないように螺旋状に埋設された電熱コイル32bとにより構成される。なお、上記ロアケース部31b、アッパケース部31c、第1蓋体31h、第2蓋体31i及びコイル保持部32aは、SUS316、SUS304、インコネル(ハンティントン・アロイズ・カナダ・リミテッド社製の登録商標)等の熱伝導率が15〜17W/(m・K)と比較的高い金属により形成される。また電熱コイル32bは、図示しないが、金属シース(金属製極細管)の中にニクロム線等の発熱体を遊挿し、金属シースと発熱体との隙間に、高純度の無機絶縁物の粉末を充填して構成される。
上記尿素水改質器16は排気管18の外周面にベース部材33を介して取付けられる。このベース部材33は、上面が排気管18の外周面に相応する湾曲面に形成され、下面がアッパケース部31cの上面に相応する平面に形成される。この実施の形態では、ベース部材33は排気管18の下面に溶着され、ロアケース部31b及びアッパケース部31cはボルト34によりベース部材33に固定され、第1及び第2蓋体31h,31iはビス(図示せず)によりロアケース部31b及びアッパケース部31cの両端面にそれぞれ取付けられる。なお、図3中の符号33aはベース部材33に形成された挿通孔である。この挿通孔33aの一端はアッパケース部31cの出口孔31kに連通接続され、挿通孔33aの他端は排気管18に挿着されたアンモニアガス噴射ノズル19の基端に連通接続される。また、図2及び図3中の符号35は改質ケース31及びベース部材33を覆う断熱材である。この断熱材35によりヒータ32の発生した熱の放散を抑制できる。更に、図2中の符号32c,32cはヒータ32の端子である。
図1に戻って、尿素水供給手段17は、尿素水13を貯留するタンク36と、このタンク36を上記尿素水改質器16の入口孔31jに接続する第1供給管41と、第1供給管41に設けられタンク36内の尿素水13を尿素水改質器16に圧送するポンプ37と、一端がポンプ37及び入口孔31j間の第1供給管41に接続され他端がタンク36に接続された戻り管38と、第1供給管41に設けられた流量調整弁39と、戻り管38に設けられた圧力調整弁40とを有する。上記ポンプ37は、図示しないポンプ駆動モータにより駆動される。このポンプ駆動モータの回転速度を連続的又は段階的に変化させ、圧力調整弁40の開度を調整し、流量調整弁39の開閉間隔又は開度を調整することにより、ポンプ37から吐出される尿素水13の圧力とタンク36へ戻る尿素水13の戻り量とを調整し、これによりポンプ37から吐出される尿素水13の流量を制御できるようになっている。
一方、改質ケース31の第1筒状凹部31mには、尿素水改質器16の入口温度、即ち第1筒状凹部31m内の温度を検出する第1改質器温度センサ51が設けられる。また改質ケース31の第2筒状凹部31nには、尿素水改質器16の出口温度、即ち第2筒状凹部31n内の温度を検出する第2改質器温度52と、尿素水改質器16の出口圧力、即ち第2筒状凹部31n内の圧力を検出する改質器圧力検出手段42とが設けられる。ここで、改質器圧力検出手段42は、圧力センサであってもよく、又はポンプ37が尿素水13を押出し駆動するときのポンプ駆動モータの電力で尿素水改質器16内の圧力を推定する手段であってもよく、或いは尿素水改質器16への尿素水13の供給量と選択還元型触媒12へのアンモニアガス14の供給量とから算出した尿素水改質器16内の尿素水13の量の変化と、尿素水改質器16の温度又はヒータ32の温度の変化とをマップとして後述のメモリ48に記憶し、このマップから尿素水改質器16内の圧力を算出する手段であってもよい。また触媒ケース28のうち選択還元型触媒12より排ガス入口側には、選択還元型触媒12入口の排ガス温度を検出する触媒温度センサ43が設けられる。更にエンジン11には、エンジン11の回転速度を検出する回転センサ44と、エンジン11の負荷を検出する負荷センサ46とが設けられる。第1改質器温度センサ51、第2改質器温度センサ52、改質器圧力検出手段42、触媒温度センサ43、回転センサ44及び負荷センサ46の各検出出力はコントローラ47の制御入力に接続され、コントローラ47の制御出力はヒータ32、ポンプ駆動モータ及び流量調整弁39にそれぞれ接続される。
コントローラ47にはメモリ48が設けられる。このメモリ48には、エンジン回転速度、エンジン負荷、選択還元型触媒12の入口側の排ガス温度に応じた、ポンプ駆動モータの回転速度、流量調整弁39の開度が予め記憶される。またメモリ48には、エンジン回転速度及びエンジン負荷の変化に応じた、排ガス中のNOx流量の変化がマップとして記憶される。更にメモリ48には、尿素水改質器16の入口温度である第1改質器温度センサ51の検出出力、出口温度である第2改質器温度センサ52の検出出力及び出口圧力である改質器圧力検出手段42の検出出力に応じた、アンモニアガス14の生成率の変化が例えば図5に示すようなマップとして記憶される。尿素水改質器16で尿素水13をアンモニアガス14に改質するときの尿素水改質器16の運転領域は、尿素水改質器16の形状や尿素水及びアンモニアガスの流量等により変化するけれども、尿素水13の温度が80〜120℃の範囲内で尿素水改質器16を作動させるため、尿素水改質器16内の温度(第1及び第2改質器温度センサ51,52の各検出温度の平均値)をヒータ32により制御することが好ましい。このときの尿素水改質器16の内部の圧力は比較的高いため、尿素水改質器16は耐圧性を有するように作製される。また第1及び第2改質器温度センサ51,52の各検出出力の温度差により、ヒータ32による尿素水13の加熱効率を検出できる。
なお、図1中の符号53は、排気マニホルド23及び吸気管22をエンジン11をバイパスして連通接続するEGR管である。このEGR管53は排気マニホルド23の枝管部から分岐し、インタクーラ27より吸気下流側の吸気管22に合流する。また、図1中の符号54は、EGR管53に設けられこのEGR管53から吸気管22に還流される排ガス(EGRガス)の流量を調整するEGRバルブである。更に、図1中の符号56は、EGR管53を通る排ガス(EGRガス)を冷却するEGRクーラである。
このように構成された排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン11の始動直後やエンジン11の軽負荷運転時には、排ガス温度が100〜180℃と低い。この温度範囲の排ガス温度を触媒温度センサ43が検出し、回転センサ44及び負荷センサ46がエンジン11の無負荷運転又は軽負荷運転を検出すると、コントローラ47は第1改質器温度センサ51、第2改質器温度センサ52、改質器圧力検出手段42、触媒温度センサ43、回転センサ44及び負荷センサ46の各検出出力に基づいて、ヒータ32をオンし、尿素水改質器16内の温度が所定の温度(例えば、平均温度300℃)になったことを第1及び第2改質器温度センサ51,52が検出したときに、ポンプ駆動モータを作動させて尿素水13を尿素水改質器16に供給する。そしてコントローラ47は、上記第1及び第2改質器温度センサ51,52の各検出温度の平均値が所定値(例えば、平均温度350℃)になるように、このポンプ駆動モータの回転速度を連続的又は段階的に変化させ、圧力調整弁40の開度を調整し、流量調整弁39の開閉間隔又は開度を調整することにより、ポンプ37から吐出される尿素水13の圧力とタンク36へ戻る尿素水13の戻り量とを調整し、これによりポンプ37から吐出される尿素水13の流量を制御する。また尿素水改質器16の出口圧力が所定値(例えば、30kPa)より高くなったことを改質器圧力検出手段42が検出すると、コントローラ47は尿素水13の尿素水改質器16への供給量を減らすか或いはヒータ32の出力を下げる補正を行い、尿素水改質器16の出口圧力が所定値(例えば、30kPa)より低くなったことを改質器圧力検出手段42が検出すると、コントローラ47は尿素水13の尿素水改質器16への供給量を増やすか或いはヒータ32の出力を上げる補正を行う。
これにより尿素水改質器16に供給された尿素水13は、ヒータ32で加熱されることにより熱分解してアンモニアとイソシアン酸が生成される一方で、尿素水13中の水分の水蒸気化が進行して、改質ケース31内の圧力が所定圧力に増大するとともに改質ケース31内の温度が所定温度に上昇する。この結果、改質ケース31内の水蒸気分圧が増大し、水蒸気によるイソシアン酸の加水分解が促進されるので、尿素水13をほぼ完全にアンモニアガス14に効率良く改質できる。即ち、尿素水改質器16において次の式(1)及び式(2)のように反応して尿素水がアンモニアガスに改質される。
NH2-CO-NH2 → NH3 + HNCO ……(1)
HNCO + H2O → NH3 + CO2 ……(2)
上記式(1)は尿素水13の熱分解式であり、この反応に水は寄与しない。また式(2)はイソシアン酸(HNCO)からアンモニアガス(NH3)14への加水分解式である。
このように尿素水改質器16で尿素水13をヒータ32で加熱して熱分解及び加水分解させてアンモニアガス14に改質するので、水のみが蒸発して尿素が結晶化することを防止できる。この結果、尿素水改質器16内に結晶化した尿素が堆積するのを防止できる。また尿素水改質器16で改質されたアンモニアガス14はアンモニアガス噴射ノズル19から排気管18に噴射される。このアンモニアガス噴射ノズル19から排気管18内に噴射されたアンモニアガス14は排ガスとともに選択還元型触媒12に流入する。この排ガスとともに選択還元型触媒12に流入したアンモニアガス14は排ガス中のNOx(NO、NO2)を還元するための還元剤として機能する。即ち、選択還元型触媒12で、次の式(3)で示すように、排ガス中のNOxが速やかにN2に還元される。
NO + NO2 + 2NH3 → 2N2 + 3H2O ……(3)
上記式(3)は、排ガス中のNO及びNO2が選択還元型触媒12上でアンモニアガス14と反応して、NO及びNO2がN2に還元される化学反応式を示す。この結果、排ガス温度が比較的低いときであっても排ガス中のNOxを効率良く低減できる。
一方、排ガス温度が180℃を越えると、コントローラ47は、上記と同様に、第1改質器温度センサ51、第2改質器温度センサ52、改質器圧力検出手段42、触媒温度センサ43、回転センサ44及び負荷センサ46の各検出出力に基づいてヒータ32、ポンプ駆動モータ及び流量調整弁39を制御するので、尿素水改質器16の密閉された改質ケース31内で尿素水13がヒータ32により熱分解してアンモニアとイソシアン酸が生成される一方で、尿素水13中の水分の水蒸気化が進行して、改質ケース31内の圧力が所定圧に増大するとともに改質ケース31内の温度が所定の温度に上昇する。この結果、改質ケース31内の水蒸気分圧が増大し、水蒸気によるイソシアン酸の加水分解が促進されるので、尿素水13をほぼ完全にアンモニアガス14に効率良く改質できる。この結果、排ガス温度が高くなっても排ガス中のNOxを効率良く低減できる。
このように尿素水改質器16に加水分解触媒やこの触媒の被膜を設けずに、上記のように改質ケース31内で尿素水13を熱分解し加水分解してアンモニアガス14に改質できる。また排ガス温度の高低に拘らず、アンモニアガス14をアンモニアガス噴射ノズル19から噴射することにより、排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減できる。
<第2の実施の形態>
図6は本発明の第2の実施の形態を示す。図6において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、尿素水供給手段77により供給された尿素水13を尿素水改質器16を介さずに排気管18に直接噴射する尿素水噴射ノズル71が選択還元型触媒12より排ガス上流側の排気管18に設けられる。尿素水供給手段77は、尿素水13を尿素水改質器16又は尿素水噴射ノズル71に圧送するポンプ37と、ポンプ37から圧送される尿素水13の圧力を調整する圧力調整弁40に加えて、ポンプ37と尿素水改質器16とを接続する第1供給管41を通る尿素水13の流量を調整する第1流量調整弁81と、ポンプ37と尿素水噴射ノズル71とを接続する第2供給管72と、この第2供給管72を通る尿素水13の流量を調整する第2流量調整弁82とを有する。そして、コントローラ47は、第1改質器温度センサ51、第2改質器温度センサ52、改質器圧力検出手段42、触媒温度センサ43、回転センサ44及び負荷センサ46の各検出出力に基づいてヒータ32、ポンプ駆動モータ、圧力調整弁40、第1流量調整弁81及び第2流量調整弁82をそれぞれ制御するように構成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成された排ガス浄化装置の動作を説明する。エンジン11の始動直後やエンジン11の軽負荷運転時には、排ガス温度が100〜180℃と低い。この温度範囲の排ガス温度を触媒温度センサ43が検出し、回転センサ44及び負荷センサ46がエンジン11の無負荷運転又は軽負荷運転を検出すると、コントローラ47は、第1の実施の形態と同様に、第1改質器温度センサ51、第2改質器温度センサ52、改質器圧力検出手段42、触媒温度センサ43、回転センサ44及び負荷センサ46の各検出出力に基づいて、ヒータ32をオンし、尿素水改質器16内の温度が所定の温度(例えば、平均温度300℃)になったことを第1及び第2改質器温度センサ51,52が検出したときに、ポンプ駆動モータを作動させて尿素水13を尿素水改質器16に供給する。その後のコントローラ47による排ガス浄化装置の制御内容は第1の実施の形態と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
一方、排ガス温度が180℃を越えると、コントローラ47は、触媒温度センサ43の検出出力に基づいて、ヒータ32をオフにするとともに、第1流量調整弁81を閉じかつ第2流量調整弁82を間欠的に開くか又は所定の開度で開く。但し、コントローラ47は、ポンプ駆動モータを所定の速度で作動させ、圧力調整弁40を所定の開度で開く。これにより尿素水13は尿素水噴射ノズル71から排気管18に噴射される。この噴射された尿素水13は比較的高温の排ガスによりアンモニアガス14に改質されるので、このアンモニアガス14は選択還元型触媒12上で排ガス中のNOxをN2に還元する還元剤として機能し、排ガス中のNOxが効率良く低減される。
このように尿素水改質器16に加水分解触媒やこの触媒の被膜を設けることなく、排ガス温度が比較的低いときに、尿素水13を改質ケース31内のヒータ32で加熱することにより、尿素水13を改質ケース31内で熱分解し更に加水分解してアンモニアガスに改質できる。また排ガス温度が比較的高いときに、排気管18に尿素水13を直接噴射して、この噴射された尿素水13を比較的高温の排ガスでアンモニアガス14に改質できる。この結果、排ガス中のNOxを低温領域から高温領域まで広い温度領域にわたって効率良く低減できる。
なお、上記第1及び第2の実施の形態では、本発明の排ガス浄化装置をディーゼルエンジンに適用したが、本発明の排ガス浄化装置をガソリンエンジンに適用してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、本発明の排ガス浄化装置をターボ過給機付ディーゼルエンジンに適用したが、本発明の排ガス浄化装置を自然吸気型ディーゼルエンジン又は自然吸気型ガソリンエンジンに適用してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、触媒温度センサを触媒ケースのうち選択還元型触媒より排ガス入口側に設けたが、選択還元型触媒に関係する温度を検出できれば、触媒温度センサを触媒ケースのうち選択還元型触媒より排ガス出口側に設けたり、或いは触媒温度センサを触媒ケースのうち選択還元型触媒より排ガス入口側及び排ガス出口側の双方に設けてもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、改質器圧力検出手段により改質ケースの出口側の圧力(第2筒状凹部内の圧力)を検出したが、改質器圧力検出手段により改質ケースの入口側の圧力(第1筒状凹部内の圧力)を検出してもよい。
更に、上記第1及び第2の実施の形態では、改質ケースの入口孔を第1供給管に連通接続し、改質ケースの出口孔をアンモニアガス噴射ノズルに連通接続しており、完全に密閉されていない。しかし、ポンプにより尿素水が第1供給管を通って改質ケースに圧送されているため、尿素水が逆流することはなく、またアンモニアガス噴射ノズルの先端は極めて小さい細孔であるため、改質ケース内で改質されたアンモニアガスは徐々にアンモニアガス噴射ノズルから噴射される。このため、改質ケース内はほぼ密閉された状態に保たれており、本明細書では、このほぼ密閉された改質ケースも、密閉された改質ケースに含むものとする。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
図1に示すように、排気量が8000ccである直列6気筒のターボ過給機付ディーゼルエンジン11の排気管18に選択還元型触媒12を設けた。この選択還元型触媒12は、鉄をイオン交換したゼオライト粉末を含むスラリーをハニカム担体にコーティングして作製した触媒であった。また尿素水13をアンモニアガス14に改質する尿素水改質器16を用意した。この尿素水改質器16は、図2〜図4に示すように、密閉した筒状の改質ケース31と、改質ケース31内に収容された円柱状のヒータ32とを有した。そして改質ケース31の内周面に長手方向及び円周方向にそれぞれ延びる第1溝31d及び第2溝31eにて格子状溝31fを形成することにより、改質ケース31の内周面に長手方向及び円周方向にそれぞれ整列した複数の突起31gを設けた。またヒータ32は、円柱状のコイル保持部32aと、このコイル保持部32aの外周面に沿いかつコイル保持部32aの外周面に露出しないように螺旋状に埋設された電熱コイル32bとにより構成した。更に改質ケース31の両端面を第1及び第2蓋体31h,31iによりそれぞれ閉止した。
一方、尿素水改質器16を排気管18の外周面にベース部材33を介して取付けた。そしてアンモニアガス噴射ノズル19を選択還元型触媒12より排ガス上流側の排気管に臨むように設け、尿素水改質器16の入口孔31jを第1供給管41を介してタンク36に接続し、尿素水改質器16の出口孔31kをベース部材33の挿通孔33aを介してアンモニアガス噴射ノズル19に接続した。また第1供給管41に、ポンプ駆動モータにより駆動されるポンプ37と流量調整弁39とを設け、戻り管38に圧力調整弁40を設けた。更に尿素水改質器16の第1筒状凹部31m内に第1改質器温度センサ51を設け、尿素水改質器16の第2筒状凹部31n内に第2改質器温度センサ52及び改質器圧力検出手段42をそれぞれ設け、触媒ケース28のうち選択還元型触媒12より排ガス入口側に触媒温度センサ43を設けた。この排ガス浄化装置を実施例1とした。
<比較例1>
尿素水改質器を用いずに、尿素水供給手段をアンモニアガス噴射ノズルに直接接続して、尿素水をアンモニアガス噴射ノズルから噴射するように構成したこと以外は実施例1と同一に構成した。この排ガス浄化装置を比較例1とした。
<比較試験1及び評価>
エンジンの回転速度及び負荷を変化させて、実施例1及び比較例1のエンジンの排気管から排出される排ガスの温度を100℃から550℃まで徐々に上昇させたときのNOx低減率をそれぞれ測定した。その結果を図7に示す。なお、実施例1の排ガス浄化装置では、排ガス温度が100〜550℃の全範囲で、尿素水供給手段を駆動してアンモニアガス噴射ノズルからアンモニアガスを排気管に噴射した。また、比較例1の排ガス浄化装置では、排ガス温度が100〜550℃の全範囲で、尿素水供給手段を駆動してアンモニアガス噴射ノズルから尿素水を排気管に噴射した。
図7から明らかなように、比較例1の排ガス浄化装置では排ガス温度が100〜180℃と比較的低いとき排ガス中のNOxを殆ど浄化できなかったのに対し、実施例1の排ガス浄化装置では排ガス温度が100〜180℃と比較的低いとき温度の上昇に伴って排ガス中のNOxの浄化率が急激に上昇することが分かった。なお、排ガス温度が200℃を越えると、比較例1の排ガス浄化装置によるNOxの浄化率と、実施例1の排ガス浄化装置によるNOxの浄化率とは略同一であることが分かった。
11 ディーゼルエンジン(エンジン)
12 選択還元型触媒
13 尿素水
14 アンモニアガス
16 尿素水改質器
17,77 尿素水供給手段
18 排気管
19 アンモニアガス噴射ノズル
31 改質ケース
31d 第1溝
31e 第2溝
31f 格子状溝
31g 突起
32 ヒータ
33 ベース部材
33a 挿通孔
37 ポンプ
40 圧力調整弁
41 第1供給管
42 改質器圧力検出手段
43 触媒温度センサ
47 コントローラ
51 第1改質器温度センサ
52 第2改質器温度センサ
71 尿素水噴射ノズル
72 第2供給管
81 第1流量調整弁
82 第2流量調整弁

Claims (3)

  1. エンジン(11)の排ガスを浄化する排ガス浄化装置において、
    前記エンジン(11)の排気管(18)に設けられ排ガス中のNOxをN2に還元可能な選択還元型触媒(12)と、
    密閉された改質ケース(31)内で尿素水(13)をヒータ(32)にて加熱することにより前記尿素水(13)を熱分解し更に加水分解してアンモニアガス(14)に改質する尿素水改質器(16)と、
    前記尿素水改質器(16)に前記尿素水(13)を供給する尿素水供給手段(17,77)と、
    前記選択還元型触媒(12)より排ガス上流側の排気管(18)に臨み前記尿素水改質器(16)で改質されたアンモニアガス(14)を噴射可能なアンモニアガス噴射ノズル(19)と、
    前記尿素水改質器(16)内の温度を検出する改質器温度センサ(51,52)と、
    前記尿素水改質器(16)内の圧力を検出する改質器圧力検出手段(42)と、
    前記選択還元型触媒(12)に関係する前記排ガス温度を検出する触媒温度センサ(43)と、
    前記改質器温度センサ(51,52)、前記改質器圧力検出手段(42)及び前記触媒温度センサ(43)の各検出出力に基づいて前記ヒータ(32)及び前記尿素水供給手段(17,77)を制御するコントローラ(47)と
    を備え、
    前記コントローラ(47)は、前記改質器温度センサ(51,52)、前記改質器圧力検出手段(42)及び前記触媒温度センサ(43)の各検出出力に基づいて、前記ヒータ(32)をオンし前記尿素水改質器(16)内の温度を上昇させて、前記尿素水供給手段(17)により前記尿素水(13)を前記尿素水改質器(16)に供給し、前記尿素水(13)の流量及び前記尿素水改質器(16)の出口圧力を前記ヒータ(32)及び前記尿素水供給手段(17)にて制御することにより、前記尿素水改質器(16)に供給された前記尿素水(13)を熱分解してアンモニアとイソシアン酸を生成し、前記尿素水改質器(16)内の水蒸気分圧を増大させて水蒸気によるイソシアン酸の加水分解を促進させるように構成され
    前記尿素水改質器(16)が、内周面に長手方向及び円周方向にそれぞれ延びる第1溝(31d)及び第2溝(31e)にて格子状溝(31f)を形成することにより内周面に長手方向及び円周方向にそれぞれ整列した複数の突起(31g)が設けられかつ両端が閉止された筒状の前記改質ケース(31)と、この改質ケース(31)の中央に長手方向に延びて収容された前記ヒータ(32)とを有し、前記尿素水(13)が前記格子状溝(31f)への流通時に前記ヒータ(32)による加熱で熱分解し更に加水分解してアンモニアガス(14)に改質されるように構成されたことを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記尿素水改質器(16)が前記排気管(18)の外周面にベース部材(33)を介して取付けられ、前記尿素水改質器(16)により改質されたアンモニアガス(14)が前記ベース部材(33)に形成された挿通孔(33a)を通って前記アンモニアガス噴射ノズル(19)から前記排気管(18)に噴射されるように構成された請求項1記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記選択還元型触媒(12)より排ガス上流側の排気管(18)に設けられ前記尿素水供給手段(77)により供給された尿素水(13)を前記尿素水改質器(16)を介さずに前記排気管(18)に直接噴射する尿素水噴射ノズル(71)を更に備え、
    前記尿素水供給手段(77)が、前記尿素水(13)を前記尿素水改質器(16)又は前記尿素水噴射ノズル(71)に圧送するポンプ(37)と、前記ポンプ(37)から圧送される尿素水(13)の圧力を調整する圧力調整弁(40)と、前記ポンプ(37)と前記尿素水改質器(16)とを接続する第1供給管(41)を通る尿素水(13)の流量を調整する第1流量調整弁(81)と、前記ポンプ(37)と前記尿素水噴射ノズル(71)とを接続する第2供給管(72)を通る尿素水(13)の流量を調整する第2流量調整弁(82)とを有し、
    前記コントローラ(47)が前記改質器温度センサ(51,52)、前記改質器圧力検出手段(42)及び前記触媒温度センサ(43)の各検出出力に基づいて前記圧力調整弁(40)、前記第1流量調整弁(81)、前記第2流量調整弁(82)及び前記ヒータ(32)をそれぞれ制御するように構成された請求項1又は2記載の排ガス浄化装置。
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