JP5107787B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は排気浄化装置に関し、特にアンモニアを還元剤としてアンモニア選択還元型NOx触媒に供給するために、排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段を備えた排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等のエンジンから排出される排気中には、大気汚染物質であるパティキュレートやNOx(窒素酸化物)などが含まれている。
そこでパティキュレートについては、エンジンの排気通路にパティキュレートフィルタを設け、排気中に含まれるパティキュレートをパティキュレートフィルタで捕集し、大気中にパティキュレートが放出されないようにする技術が従来より知られている。
またNOxについては、エンジンの排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設し、還元剤としてアンモニアをアンモニア選択還元型NOx触媒に供給することにより、NOxを選択還元して排気を浄化するようにした排気浄化装置が知られている。アンモニア選択還元型NOx触媒では、上流側の排気中に尿素水を供給し、この尿素水が排気の熱により加水分解して生じたアンモニアが供給される。そして、供給されたアンモニアと排気中のNOxとの間の脱硝反応がアンモニア選択還元型NOx触媒によって促進されることによりNOxの還元が行われ、排気が浄化される。
このように、排気浄化装置に必要な排気浄化機能を発揮させるために、複数の排気浄化手段を採用するのが一般的であり、排気浄化手段を収容するためのケーシングは、採用する排気浄化手段に応じて複数に分割される場合がある。例えば、上述のようにパティキュレートの捕集及びNOxの還元を効率的に行うため、パティキュレートフィルタ及びアンモニア選択還元型NOx触媒を組み合わせ、排気浄化装置として用いるようにしたものが特許文献1などによって提案されている。
特許文献1の排気浄化装置は、上流側ケーシングと、上流側ケーシングの下流側に配設されて連通路で連通された下流側ケーシングとで構成される。上流側ケーシング内には前段酸化触媒が収容されると共に、この前段酸化触媒の下流側にパティキュレートフィルタが収容されている。なお、前段酸化触媒は、排気中のNOを酸化させてNOを生成し、このNOによってパティキュレートフィルタの連続再生を行うために使用される。
一方、下流側ケーシング内にはアンモニア選択還元型NOx触媒が収容されると共に、このアンモニア選択還元型NOx触媒の下流側にアンモニア選択還元型NOx触媒から流出したアンモニアを無害化するための後段酸化触媒が収容されている。
そして、上流側ケーシングと下流側ケーシングとを連通する連通路には、連通路内の排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタが設けられている。尿素水インジェクタから噴射された尿素水は、排気の熱により加水分解してアンモニアとなり、アンモニア選択還元型NOx触媒に還元剤として供給される。
このように、複数の排気浄化手段を収容するためにケーシングを2つに分割した場合、両ケーシングを連通するための連通路が設けられる。例えば、車両に搭載されたエンジンに用いられる排気浄化装置の場合には、車両搭載機器のレイアウトの都合上、上流側ケーシングと下流側ケーシングとは必ずしも直線的に配置されるわけではないため、連通路には両ケーシングの配置に対応して屈曲部が設けられる場合がある。
特開2007−162487号公報
ところが、このような屈曲部を有した連通路が用いられる排気浄化装置において、連通路内を流動する排気中に尿素水が供給された場合、排気中で霧化した尿素水が連通路の内壁面に衝突しやすくなる。連通路の壁面温度は、内部を流動する排気の温度に比べて低いため、排気中で霧化した尿素水が連通路の内壁面に衝突すると、壁面上で液化した後、水分の蒸発によって固形の尿素などの固形物が生成され、連通路の内壁面に堆積してしまうという問題がある。
このような問題を回避するためには、尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させ、比較的高い温度でのみ尿素水を供給することにより、連通路の内壁面に霧化した尿素水が衝突しても液化しにくくすると共に、堆積した固形物が再びガス化して消滅しやすくする必要がある。しかしながら、このように尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させると、尿素水を供給可能なエンジンの運転領域が狭まるため、アンモニア選択還元型NOx触媒に十分なアンモニアを供給することができなくなり、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率が低下してしまうという問題がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、尿素水から生成される固形物の堆積を抑制して良好な排気浄化効率を確保可能な排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に介装され、上記エンジンの排気を浄化する排気浄化手段を収容した第1ケーシングと、上記第1ケーシングの下流側の上記排気通路に介装された第2ケーシングと、屈曲部を有して上記第1ケーシングと上記第2ケーシングとを連通し、上記第1ケーシングから排出された排気を上記第2ケーシングに案内する連通路と、上記第2ケーシング内に収容され、アンモニアを還元剤として上記排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、上記連通路を介し上記第1ケーシングから上記第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段と、上記連通路の少なくとも上記屈曲部に設けられたヒータと、上記ヒータの作動を制御する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記尿素水供給手段によって供給された尿素水が固形物となって上記連通路内に堆積する条件として予め設定された堆積運転条件を上記エンジンの運転状態が満足して上記エンジンが運転された時間を積算して積算運転時間を求め、上記積算運転時間が所定時間に達すると上記ヒータを作動させることを特徴とする(請求項1)。
このように構成された排気浄化装置によれば、第1ケーシング内を通過した排気は、連通路を通って第2ケーシング内に流入する。このとき、尿素水供給手段が連通路を通って第1ケーシングから第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する。排気中に供給された尿素水から生成されたアンモニアは、下流側ケーシング内のアンモニア選択還元型NOx触媒に流入し、アンモニア選択還元型NOx触媒では、排気中のアンモニアを還元剤として排気中のNOxが選択還元されることにより排気が浄化される。
排気中に含まれる尿素水は、屈曲部を有した連通路内を通過する際に連通路に衝突することにより、固形物となって連通路内に堆積する可能性がある。しかし、制御手段がヒータを作動させることにより連通路の少なくとも屈曲部を加熱するので、固形物がヒータの熱によって溶融し、連通路内から除去される。また、ヒータの作動中には、排気中の尿素水が連通路に衝突する際の新たな固形物の生成も抑制される。
そして、尿素水供給手段によって供給された尿素水が固形物となって連通路内に堆積するような運転状態でエンジンが運転された場合の運転時間を積算した積算運転時間が所定時間に達したときに、制御手段がヒータを作動させる。
更に、上記排気浄化装置において、上記所定時間は、上記ヒータの作動によって上記連通路内に堆積している上記固形物からアンモニアが生成されても、上記アンモニア選択還元型NOx触媒へのアンモニア供給量を、上記アンモニア選択還元型NOx触媒に必要とされるアンモニア供給量以下に維持可能な上限堆積量まで上記固形物が堆積するのに要するエンジン運転時間に基づいて予め設定されることを特徴とする(請求項)。
このように構成された排気浄化装置によれば、上記積算運転時間が所定時間に達するとヒータが作動するが、ヒータの作動によって固形物から生成されたアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒に供給されることによってアンモニア選択還元型NOx触媒へのアンモニア供給量が過剰となるような量まで固形物が堆積する前にヒータが作動を開始する。
また、上記排気浄化装置において、上記第1ケーシングは筒状をなし、上記第2ケーシングは筒状をなすと共に、上記第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置され、上記連通路は、一端が上記第1ケーシングの側壁に接続され、他端が上記第2ケーシングの側壁に接続されており、上記尿素水供給手段は、上記第1ケーシングに接続された上記連通路内に向けて尿素水を噴射することを特徴とする(請求項)。
このように構成された排気浄化装置によれば、一端が第1ケーシングの側壁に接続された連通路は、屈曲部によって屈曲することにより、第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置された第2ケーシングの側壁に他端が接続される。
また、上記排気浄化装置において、上記ヒータは、上記連通路の長手方向の全領域のうち、上記連通路の屈曲部を含む所定領域にのみ部分的に設けられていてもよい(請求項)。
更に、上記排気浄化装置において、上記連通路が複数の屈曲部を有する場合には、上記ヒータは、上記連通路の屈曲部のうち最も上流側の屈曲部に設けられていてもよい(請求項)。
また、上記排気浄化装置において、上記ヒータは、上記連通路の長手方向の全領域のうち、上記連通路の上流側端部から上記屈曲部を含んで下流側に延びる所定領域にわたって部分的に設けられていてもよい(請求項)。
また、上記排気浄化装置において、上記ヒータは、上記連通路の長手方向の全領域にわたって設けられていてもよい(請求項)。
連通路が屈曲部を有することにより、排気中に含まれる尿素水が連通路に衝突して固形物となって連通路内に堆積する可能性があり、特に屈曲部には固形物が堆積しやすくなるが、本発明の排気浄化装置によれば、ヒータの作動により連通路の少なくとも屈曲部を加熱するので、連通路に堆積した固形物を除去することが可能となる。また、ヒータの作動中には、連通路への衝突による尿素水からの新たな固形物の生成も抑制することが可能となる。従って、尿素水から生成される固形物の堆積防止のために尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、尿素水の供給が可能なエンジンの運転領域を狭めずにすむ。この結果、アンモニア選択還元型NOx触媒に必要とされるアンモニア供給量を確保することが可能となり、アンモニア選択還元型NOx触媒の排気浄化効率を良好に維持することができる。
また、尿素水が固形物となって連通路内に堆積するような運転状態でエンジンが運転された場合の運転時間を積算した積算運転時間が所定時間に達したときに、ヒータを作動させるようにしたので、尿素水が固形物となって連通路内に堆積することのない運転状態でエンジンが運転されたときの運転時間を排除して、尿素水から生成された固形物の堆積状態を的確に把握し、この堆積状態に対応してヒータを作動させることができる。この結果、必要以上にヒータを作動させることなく、堆積している固形物を効率よく的確に除去することが可能となる。
また、請求項の排気浄化装置によれば、ヒータの作動により固形物から生成されたアンモニアがアンモニア選択還元型NOx触媒に供給されることによってアンモニア選択還元型NOx触媒へのアンモニア供給量が過剰となるような量まで固形物が堆積する前にヒータが作動を開始するので、ヒータの作動によって生成されたアンモニアを要因とするアンモニア選択還元型NOx触媒からの余剰アンモニアの流出、いわゆるアンモニアスリップを防止することができる。
また、請求項の排気浄化装置によれば、第2ケーシングが第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置されると共に、連通路の一端が第1ケーシングの側壁に接続され、他端が第2ケーシングの側壁に接続されているので、連通路は比較的屈曲の度合いが大きい屈曲部を有することになる。屈曲の度合いが大きいほど、連通路への尿素水の衝突による固形物の生成の可能性が増大するため、本発明は特に有効である。
また、請求項の排気浄化装置のように、連通路の長手方向の全領域のうち、連通路の屈曲部を含む所定領域にのみ部分的にヒータを設けるようにした場合には、連通路への尿素水の衝突によって固形物が最も生成されやすい屈曲部及びその周辺を集中的に加熱することにより、ヒータによるエネルギの消費を抑えつつ、尿素水から生成された固形物の堆積に起因する問題の発生を良好に防止することが可能となる。
前述したように、排気中の尿素水は連通路に衝突して熱を奪われることによって固形物となるため、最初に衝突した部分に固形物が生成されやすい。そこで、請求項の排気浄化装置のように、連通路が複数の屈曲部を有する場合には、最も上流側の屈曲部にヒータを設けているので、ヒータによるエネルギの消費を抑えつつ、尿素水から生成された固形物の堆積に起因する問題の発生を良好に防止することが可能となる。
また、尿素水供給手段から供給された尿素水は、連通路の屈曲部に達する前にも、その一部が連通路に衝突する可能性があるため、連通路の上流端部から屈曲部にかけての領域において尿素水から生成された固形物が堆積しやすいことになる。そこで、請求項の排気浄化装置のように、連通路の長手方向の全領域のうち、連通路の上流側端部から屈曲部を含んで下流側に延びる所定領域にわたってヒータを部分的に設けることにより、ヒータによるエネルギの消費を抑えつつ、尿素水から生成された固形物の堆積に起因する問題の発生を一層確実に防止することが可能となる。
また、請求項の排気浄化装置のように、連通路の長手方向の全領域にわたってヒータを設けた場合には、尿素水から生成された固形物の堆積の抑制及び堆積した固形物の除去を連通路の全域にわたって行うことができるので、尿素水から生成された固形物の堆積に起因する問題の発生をより一層確実に防止することが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用された4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)の全体構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は、車両駆動用の動力源として車両に搭載されている。エンジン1は、各気筒共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料を、各気筒に設けられた燃料噴射弁4に供給し、各燃料噴射弁4からそれぞれの気筒内に燃料が噴射される。
吸気通路6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気通路6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。また、吸気通路6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1への吸入空気流量を検出するための吸気量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管(排気通路)20に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられている。
排気管20はターボチャージャ8のタービン8bを経た後、排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。また、タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と連結されており、タービン8bが排気管20内を流動する排気を受けてコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置28は、筒状をなす上流側ケーシング(第1ケーシング)30と、上流側ケーシング30の下流側に連通路32で連通されて筒状をなす下流側ケーシング(第2ケーシング)34とで構成される。上流側ケーシング30内には、前段酸化触媒36が収容されると共に、この前段酸化触媒36の下流側にはパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)38が収容されている。
フィルタ38は、排気中のパティキュレートを捕集してエンジン1の排気を浄化するために設けられる。フィルタ38はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排気が内部を流通することによって排気中のパティキュレートを捕集する。
前段酸化触媒36は排気中のNOを酸化させてNOを生成するので、このように前段酸化触媒36とフィルタ38とを配置することにより、フィルタ38に捕集され堆積しているパティキュレートは、前段酸化触媒36から供給されたNOと反応して酸化し、フィルタ38の連続再生が行われるようになっている。
一方、下流側ケーシング34内には、排気中のアンモニアを吸着し、吸着したアンモニアを還元剤として排気中のNOxを選択還元して浄化するアンモニア選択還元型NOx触媒(以下SCR触媒という)40が収容されると共に、このSCR触媒40の下流側にはSCR触媒40から流出したアンモニアを除去するための後段酸化触媒42が収容されている。この後段酸化触媒42は、フィルタ38の強制再生でパティキュレートが焼却される際に発生するCOを酸化し、COとして大気中に排出する機能も有している。
なお、上流側ケーシング30のフィルタ38下流側には、フィルタ38から流出して連通路32へと流入する排気中に尿素水を噴射供給する尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)44が設けられており、図示しない尿素水タンクから尿素水インジェクタ44に対して尿素水が供給されるようになっている。また、尿素水インジェクタ44の近傍には、フィルタ38から流出して連通路32に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ46が設けられている。
尿素水インジェクタ44から噴射された尿素水は排気中で霧化し、排気の熱により加水分解してアンモニアとなってSCR触媒40に供給される。SCR触媒40は、供給されたアンモニアと排気中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。なお、このときアンモニアがNOxと反応せずにSCR触媒40から流出した場合には、このアンモニアが後段酸化触媒42によって除去されるようになっている。
図1に示される排気後処理装置28は、上方から見たときの上流側ケーシング30及び下流側ケーシング34の配置に対応するものとなっており、車両への搭載の都合により、下流側ケーシング34は、筒状をなす上流側ケーシング30の中心軸線に対して側方に配置されている。
連通路32の上流側端部は、フィルタ38よりも下流側となる位置の上流側ケーシング30の側壁に設けられた流出部30aを介して上流側ケーシング30の側壁に接続されている。一方、連通路32の下流側端部は、SCR触媒40よりも上流側となる位置の下流側ケーシング34の側壁に設けられた流入部34aを介して下流側ケーシング34の側壁に接続されている。そして、連通部32には、このような接続を可能とするために、第1屈曲部32a及び第1屈曲部32aより下流側の第2屈曲部32bの2つの屈曲部を有している。また、連通部32の周壁には、上流側端部から下流側端部までの全域を覆うようにヒータ32cが装着されている。なお、本実施形態においてヒータ32cは、通電されることによって発熱する電熱ヒータによって構成されている。
後段酸化触媒42よりも下流側となる位置の下流側ケーシング34の側壁には、流入部34aの延設方向に対して平面視で逆方向に延設された流出部34bが設けられており、下流側ケーシング34内を通過した排気を大気中に放出するためのテールパイプ48が、流出部34bを介して下流側ケーシング34の側壁に接続されている。従って、排気管20と共に、上流側ケーシング30、連通路32、下流側ケーシング34及びテールパイプ48が本発明の排気通路を形成する。
尿素水インジェクタ44は、上流側ケーシング30の流出部30aに対向する位置の上流側ケーシング30の側壁に装着されており、図1中に一点鎖線で示すように、尿素水の噴射方向が連通路32に向けられている。ヒータ32cが作動していない場合、連通路32の外壁面が大気に晒されていることから、連通路32の内壁面は、内部を流動する排気の温度に比して低い温度にあり、排気中で霧化している尿素水が連通路32の内壁面に接触すると、温度の低下により尿素水が再び液化して連通路32の内壁面に付着する可能性がある。付着した尿素水の水分が蒸発することにより、尿素など(以下では総称して尿素という)の固形物が析出し、連通路32の内壁面に堆積する。
そこで、フィルタ38から流出した後に連通路32内に流入して下流側ケーシング34に向けて流動する排気に対し、上述のようにして連通路32に向けて尿素水インジェクタ44から尿素水を噴射することにより、噴射された尿素水が連通路32の内壁面に接触するのをできるだけ回避するようにして、尿素の堆積を抑制している。
しかしながら、本実施形態では連通路32が第1屈曲部32a及び第2屈曲部32bの2つの屈曲部を有しており、排気がこれら第1及び第2屈曲部32a,32bを通過する際には、排気中に含まれる霧化した尿素水が、第1及び第2屈曲部32a,32bの内壁面に衝突する。このような衝突によって、排気中に霧化している尿素水は衝突した連通路32の内壁面で液化し、上述したように固形の尿素が析出して内壁面に堆積していくことになる。特に第1屈曲部32aは、連通路32の屈曲部のうち最も上流側に位置する屈曲部であるため、排気中の尿素水の多くが最初に第1屈曲部32aで連通路32の内壁面に衝突する。このため、第1屈曲部32aは連通路32の中でも尿素の堆積しやすい箇所となる。
連通路32内における尿素の堆積が継続すると、連通路32における排気流動抵抗が増大し、エンジン1の排圧が増大して運転効率が低下するおそれがある。そこで本実施形態では、連通路32内における尿素の堆積を抑制してエンジン1の運転効率を良好に維持するため、ECU(制御手段)50が必要に応じてヒータ32cを作動させて連通路32内に堆積する尿素を除去するためのヒータ制御を実行する。
なおECU50は、このヒータ制御のほか、エンジン1の運転に必要とされる量の燃料を燃料噴射弁4から各気筒に供給するための燃料供給制御、及びSCR触媒40に必要とされる量の尿素水を尿素水インジェクタ44から供給するための尿素水供給制御など、エンジン1の運転を良好に維持するための制御全般を行う。これらの制御を行うため、ECU50の入力側には、吸気量センサ16及び排気温度センサ46のほか、エンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ52、及びアクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセル開度センサ54などの各種センサ類が接続されている。一方、ECU50の出力側には、上記の各種制御の対象として、燃料噴射弁4、吸気制御弁12、EGR弁22、排気絞り弁26、ヒータ32c及び尿素水インジェクタ44などの各種デバイスが接続されている。
以下では、ECU50が実行するヒータ制御の詳細について説明する。図2は、ヒータ制御のフローチャートであり、ECU50はエンジン1が運転中であるときに、図2のフローチャートに従って所定の制御周期でヒータ制御を実行する。
ヒータ制御を開始するとECU50は、まずステップS1でエンジン1の運転状態が所定の堆積運転状態にあるか否かを判定する。この堆積運転状態とは、尿素水インジェクタ44によって排気中に噴射された尿素水から固形の尿素が析出されて連通路32内に堆積する運転状態として予め実験などによって求められており、本実施形態では排気温度、尿素水インジェクタ44からの尿素水噴射量、及びエンジン1の排気流量に基づいて判定が行われるようになっている。即ち、排気温度センサ46によって検出された排気温度、ECU50が演算した尿素水インジェクタ44からの単位時間あたりの尿素水供給量及びエンジン1の単位時間あたりの排気流量がそれぞれの判定条件(堆積運転条件)を満たしたときに、エンジン1の運転状態が上記堆積運転状態にあると判定する。なお、エンジン1の単位時間あたりの排気流量は、吸気量センサ16によって検出されたエンジン1の吸入空気流量、回転速度センサ52によって検出されたエンジン1の回転速度、及びECU50が演算した燃料噴射弁4からの単位時間あたりの燃料供給量に基づき演算される。
ステップS1においてエンジン1の運転状態がこのような堆積運転状態にないと判定した場合には、ECU50がその制御周期を終了し、次の制御周期で再びステップS1の判定を行う。従って、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にない場合、ECU50はステップS1の判定を繰り返すのみであって、ヒータ制御における他の処理は行われない。
一方、排気温度、尿素水供給量及び排気流量がそれぞれの判定条件を満たし、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるとステップS1で判定すると、ECU50は処理をステップS2に進め、運転時間カウンタのカウント値Cを前回のCn−1から1だけカウントアップする。なお、エンジン1を初めて運転した場合のステップS2において、カウント値Cn−1は、連通路32に尿素の堆積がないことに対応して0を用いるが、既に過去にエンジン1を運転したことがある場合、ECU50は、前回のエンジン1の停止に伴ってヒータ制御を終了したときの最終のカウント値Cを、今回エンジン1の始動に伴ってヒータ制御を開始した際に最初にステップS2で用いるカウント値Cn−1とする。また、後述するように、ヒータ32cの作動によって連通路32内に堆積している尿素の除去が完了した場合も、その次の制御周期においてステップS2で用いるカウント値Cn−1は0となる。
ECU50は次のステップS3に処理を進めると、運転時間カウンタのカウント値CがN以上であるか否か、即ちカウント値Cが判定値Nに達したか否かを判定する。上述したようにカウント値Cは、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるときに限り、制御周期毎に1ずつカウントアップされていくので、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるときの運転時間の積算値である積算運転時間と実質的に同義となる。従って、カウント値Cが判定値Nに達したか否かの判定は、堆積運転状態にある場合のエンジン1の積算運転時間が所定時間に達したか否かを判定していることになる。
ここで判定値Nは次のようにして設定されている。連通路32内に堆積している尿素をヒータ32cの作動によって加熱すると、固形の尿素はガス化してアンモニアに転化し、連通路32内を流動する排気と共にSCR触媒40に流入する。このため、尿素が大量に堆積した状態でヒータ32cを作動させた場合、この尿素から生成された大量のアンモニアが、尿素水インジェクタ44の尿素水の供給によって生成された本来のアンモニアと共にSCR触媒40に供給されることになる。この結果、SCR触媒40では必要以上のアンモニアが供給され、SCR触媒40からの余剰アンモニアの流出、いわゆるアンモニアスリップが生じる可能性がある。そこで、ヒータ32cの作動によって連通路32に堆積している尿素からアンモニアが生成されても、アンモニアスリップが発生しないような上限堆積量まで尿素が堆積するのに要するエンジン1の運転時間を予め実験等により求め、この運転時間に基づいて判定値Nが設定されている。即ち、ヒータ32cの作動時におけるSCR触媒40へのアンモニア供給量を、SCR触媒40に必要とされるアンモニアの量以下に維持可能な上限堆積量まで尿素が堆積するのに要するエンジン1の運転時間を、ヒータ制御の制御周期の時間間隔で除した値に1を加えた値が判定値Nとして設定されている。なお、ここで1を加えるのは、連通路32に堆積していた尿素の除去が完了した後の最初の制御周期におけるステップS2で求められるカウンタ値C、つまりカウンタ値Cの初期値が0ではなく1とって1からカウントが開始されるため、これに対応するものである。
ECU50は、ステップS3でカウント値Cが判定値Nに達していないと判定した場合、その制御周期を終了し、次の制御周期で再びステップS1から処理を開始する。そして、ステップS1でエンジン1の運転状態が堆積運転状態にあると判定した場合には、ECU50がステップS2で運転時間カウンタのカウント値Cを前回のCn−1から1だけカウントアップした後、ステップS3でカウント値Cが判定値Nに達したか否かを判定する。一方、ステップS1でエンジン1の運転状態が堆積運転状態にないと判定した場合には、ECU50がその制御周期を終了し、次の制御周期で再びステップS1の判定を行う。従って、ステップS3でカウント値Cが判定値Nに達したと判定するまでは、上述したように、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるときの運転時間の積算値に対応して運転時間カウンタのカウント値Cが1ずつカウントアップされていく。
上述したように判定値Nは、ヒータ32cの作動時におけるSCR触媒40へのアンモニア供給量をSCR触媒40に必要とされるアンモニアの量以下に維持可能な上限堆積量まで尿素が堆積するのに要するエンジン1の運転時間に対応している。そして、カウント値Cは連通路32内に堆積している尿素の除去が完了した時点で一旦0とされてから1ずつカウントアップされていく。従って、カウント値Cが判定値Nに達した場合には、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるときの積算運転時間が所定時間に達し、連通路32における尿素の堆積量が、上記上限堆積量に達したことを意味する。
運転時間カウンタのカウント値Cが1ずつカウントアップされることにより、カウント値Cが判定値Nに達したと判定すると、ECU50は処理をステップS4に進めてヒータ32cの作動時間を計測するためのタイマの時間カウントを開始させ、ステップS5でヒータ32cを作動させる。
次のステップS6でECU50は、タイマがカウントした時間tが基準通電時間trに達したか否かを判定する。この基準通電時間trは、連通路32に堆積している尿素がヒータ32cの熱によってガス化し、連通路32から除去されるのに要する時間である。上述したようにヒータ32cの作動は、連通路32における尿素の堆積量が上限堆積量に達したときに開始されるので、予め実験等により上限堆積量の尿素を連通路32から除去するのに要する時間を求め、この時間を基準通電時間trとして設定している。従って、本実施形態においては、基準通電時間trを固定値としているが、排気温度や排気流量などのように、尿素のガス化に影響を及ぼすパラメータに応じて基準時間trを補正するようにしてもよい。
ステップS6において、タイマのカウント時間tが基準通電時間trに達していないと判定した場合、ECU50はステップS5に処理を戻し、ヒータ32cの作動を継続させた後、再びステップS6においてタイマのカウント時間tが基準通電時間trに達したか否かを判定する。従って、タイマのカウント時間tが基準通電時間trに達するまではステップS5及びS6の処理が繰り返される。
ステップS6でタイマのカウント時間tが基準通電時間trに達したと判定すると、ECU50は処理をステップS7に進めてヒータ32cの作動を停止した後、ステップS8でタイマの時間カウントを停止させてタイマをリセットする。従って、ヒータ32cが作動を開始すると、ステップS4乃至S7の処理により、基準通電時間trにわたってヒータ32cが連通路32を加熱する。これにより、連通路32に堆積している尿素はヒータ32cの熱でガス化し、連通路32から除去される。このときヒータ32cの作動は、上述したように尿素の堆積量が、ヒータ32cの作動時におけるSCR触媒40へのアンモニア供給量を、SCR触媒40に必要とされるアンモニアの量以下に維持可能な上限堆積量に達したときに開始される。従って、ヒータ32cの作動によって連通路32に堆積している尿素がアンモニアに転化しても、SCR触媒40においてアンモニアが余剰となることはなく、アンモニアスリップの発生が良好に防止される。なお、ヒータ32cが作動している間は、連通路32内を流動する排気中の尿素水からの新たな尿素の析出も良好に抑制される。
このようにして連通路32に堆積している尿素が除去されるので、次の制御周期以降で尿素の堆積量が上限堆積量に達するまでの運転時間を積算するのに備え、ECU50は次のステップS9で運転時間カウンタのカウント値Cを0にリセットし、その制御周期を終了する。
次の制御周期でECU50は、再びステップS1から処理を開始し、上述したようにして、ステップS1及びS2の処理により、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるときの運転時間の積算値に対応して運転時間カウンタのカウント値Cが1ずつカウントアップされていく。そして、カウント値Cが判定値Nに達する前にエンジン1が停止された場合、ECU50はヒータ制御を終了するが、ヒータ制御の終了の前にステップS2において最後に算出されたカウント値Cを記憶し、次にエンジン1が始動されてヒータ制御を開始した際の最初のカウント値Cn−1として用いる。これにより、途中でエンジン1が停止された場合であっても、ヒータ32cの作動は、上述したように尿素の堆積量が上限堆積量に達したときに開始される。従って、このような場合においても、ヒータ32cが作動したときに、SCR触媒40においてアンモニアが余剰となることはなく、アンモニアスリップの発生が良好に防止される。
本実施形態では、上流側ケーシング30の中心軸線に対して側方に下流側ケーシング34が配置されることにより、連通路32には比較的大きな屈曲の度合いを有した第1屈曲部32aに加え、第2屈曲部32bが存在するが、このようにしてヒータ制御が行われることにより、第1及び第2屈曲部32a,32bを有した連通路32において、尿素水から析出した尿素が堆積しても、これを適切に除去して尿素の堆積を抑制するので、大量の尿素が堆積することによる排気流動抵抗の増大やエンジン1の運転性能の低下などの問題の発生を確実に防止することができる。従って、尿素の堆積防止のために尿素水の供給を許可する排気温度の下限値を上昇させる必要がなくなり、尿素水の供給が可能なエンジン1の運転領域を狭めずにすむ。この結果、SCR触媒44に必要とされるアンモニア供給量を確保することが可能となり、SCR触媒44の排気浄化効率を良好に維持することができる。
また、本実施形態では、尿素水インジェクタ44から供給された尿素水から析出された尿素が連通路32内で堆積するような運転状態でエンジン1が運転された場合の積算運転時間に対応するカウンタ値Cで連通路32における尿素の堆積状態を把握し、カウンタ値Cが判定値Nに達したときにするようにしたので、尿素の堆積状態を的確に把握し、この堆積状態に対応して尿素の除去が必要となったときにのみヒータ32cを作動させることができる。この結果、必要以上にヒータ32cを作動させることなく、堆積した尿素を効率よく的確に除去することが可能となる。
また、本実施形態では、連通路32の長手方向の全領域にわたってヒータ32cが設けられているので、尿素水から析出される尿素が比較的堆積しやすい第1屈曲部32aだけではなく、連通路32全域にわたり、堆積した尿素の除去を良好に行うことができる。この結果、大量の尿素が堆積することによる排気流動抵抗の増大やエンジン1の運転性能の低下などの問題の発生をより一層確実に防止することができる。
なお、上記実施形態では、連通路32の全域にわたってヒータ32cを設けるようにしたが、連通路32のうちでも特に尿素が堆積しやすい領域に絞ってヒータを設けるようにしても良い。上流側ケーシング30と下流側ケーシング34との位置関係から、連通路32には前述したように第1屈曲部32a及び第2屈曲部32bが設けられている。このうち第1屈曲部32aは、連通路32において最も上流側に位置する屈曲部であるため、排気中の尿素水の多くが最初に第1屈曲部32aで連通路32の内壁面に衝突する。このため、第1屈曲部32aは連通路32の中で特に尿素の堆積しやすい箇所となる。そこで、図3に示すように、この第1屈曲部32aを含む所定領域にのみヒータ32c’を設けるようにしても良い。なお、図3に示す排気後処理装置28は、ヒータ32c’の配置のみが上記実施形態と相違しており、その他の部分は上記実施形態と全く同一であるので、詳細な説明は省略する。
このように、連通路32に複数存在する屈曲部の中で最上流に位置するために特に尿素の堆積しやすい第1屈曲部32aを含む所定領域にのみヒータ32c’を設けて重点的に尿素の除去を行うことにより、ヒータ32c’によるエネルギの消費を抑えながら、尿素水から析出された尿素の堆積に起因する問題の発生を良好に防止することが可能となる。
また、尿素水インジェクタ44から供給された尿素水は、連通路32の第1屈曲部32aに達する前にも、その一部が連通路32の内壁に衝突する可能性があるため、連通路32の上流側端部から第1屈曲部32aにかけての領域において尿素水から析出された尿素が堆積しやすいことになる。そこで、図4に示すように、連通路32の長手方向の全領域のうち、連通路32の上流側端部から第1屈曲部32aを含んで下流側に延びる所定領域にわたってヒータ32c”を部分的に設けるようにしてもよい。なお、図4に示す排気後処理装置28も、ヒータ32c”の配置のみが上記実施形態と相違しており、その他の部分は上記実施形態と全く同一であるので、詳細な説明は省略する。
このように、尿素水から析出された尿素が堆積しやすい領域にヒータ32c”を設けて重点的に尿素の除去を行うことにより、ヒータ32c”によるエネルギの消費を抑えながら、尿素水から析出された尿素の堆積に起因する問題の発生を良好に防止することが可能となる。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、ヒータ32cを設ける連通路32の領域について図1、図3及び図4の3つの例を示したが、ヒータ32cを設ける連通路32の領域はこれに限定されるものではない。少なくとも尿素の堆積しやすい第1屈曲部32aを含む領域にヒータを設けるようにすれば、尿素の堆積を抑制することが可能であり、尿素水から析出された尿素の堆積に起因する問題の発生を良好に防止することができる。
また、上記実施形態では、上流側ケーシング30の中心軸線に対して側方に下流側ケーシング34を配置するようにした排気後処理装置28に本発明を適用したが、これらケーシングの配置はこれに限定されるものではない。例えば、上流側ケーシングの中心軸線の方向に下流側ケーシングを配置し、屈曲部を有した連通路で両ケーシングを連通するようにした排気後処理装置であっても、本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
更に、上記実施形態では、上流側ケーシング30内に前段酸化触媒36及びフィルタ38を収容すると共に、下流側ケーシング34内にSCR触媒40及び後段酸化触媒42を収容するようにしたが、それぞれのケーシング内に収容される排気浄化のための部材は、これに限定されるものではなく、下流側ケーシング内にSCR触媒を収容すると共に、上流側ケーシングから連通路を介し下流側ケーシングに向けて流動している排気中に尿素水を供給するようにした排気後処理装置であれば、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、運転時間カウンタのカウント値Cによって、エンジン1の運転状態が堆積運転状態にあるときの積算運転時間を把握するようにしたが、これに代えて積算運転時間計測用のタイマを用い、直接的に積算運転時間を計測するようにしてもよい。この場合、図2のステップS2で積算運転時間計測用のタイマをスタートし、ステップS9でこのタイマをリセットすればよい。
また、上記実施形態では、エンジン1を4気筒のディーゼルエンジンとしたが、エンジン1の気筒数及び形式についてはこれに限定されるものではなく、尿素水を供給してSCR触媒で排気中のNOxの選択還元を行うようにしたエンジンであれば同様に本発明を適用可能である。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジンの全体構成図である。 図1の排気浄化装置において行われるヒータ制御のフローチャートである。 図1の実施形態の変形例を示す要部構成図である。 図3とは別の変形例を示す要部構成図である。
符号の説明
1 エンジン
20 排気管
30 上流側ケーシング(第1ケーシング)
32 連通路
32a 第1屈曲部
32b 第2屈曲部
32c,32c’,32c” ヒータ
34 下流側ケーシング(第2ケーシング)
40 SCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)
44 尿素水インジェクタ(尿素水供給手段)
50 ECU(制御手段)

Claims (7)

  1. エンジンの排気通路に介装され、上記エンジンの排気を浄化する排気浄化手段を収容した第1ケーシングと、
    上記第1ケーシングの下流側の上記排気通路に介装された第2ケーシングと、
    屈曲部を有して上記第1ケーシングと上記第2ケーシングとを連通し、上記第1ケーシングから排出された排気を上記第2ケーシングに案内する連通路と、
    上記第2ケーシング内に収容され、アンモニアを還元剤として上記排気中のNOxを選択還元するアンモニア選択還元型NOx触媒と、
    上記連通路を介し上記第1ケーシングから上記第2ケーシングへと流動する排気中に尿素水を供給する尿素水供給手段と、
    上記連通路の少なくとも上記屈曲部に設けられたヒータと、
    上記ヒータの作動を制御する制御手段と
    を備え
    上記制御手段は、上記尿素水供給手段によって供給された尿素水が固形物となって上記連通路内に堆積する条件として予め設定された堆積運転条件を上記エンジンの運転状態が満足して上記エンジンが運転された時間を積算して積算運転時間を求め、上記積算運転時間が所定時間に達すると上記ヒータを作動させる
    ことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記所定時間は、上記ヒータの作動によって上記連通路内に堆積している上記固形物からアンモニアが生成されても、上記アンモニア選択還元型NOx触媒へのアンモニア供給量を、上記アンモニア選択還元型NOx触媒に必要とされるアンモニア供給量以下に維持可能な上限堆積量まで上記固形物が堆積するのに要するエンジン運転時間に基づいて予め設定されることを特徴とする請求項に記載の排気浄化装置。
  3. 上記第1ケーシングは筒状をなし、
    上記第2ケーシングは筒状をなすと共に、上記第1ケーシングの中心軸線に対して側方に配置され、
    上記連通路は、一端が上記第1ケーシングの側壁に接続され、他端が上記第2ケーシングの側壁に接続されており、
    上記尿素水供給手段は、上記第1ケーシングに接続された上記連通路内に向けて尿素水を噴射することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  4. 上記ヒータは、上記連通路の長手方向の全領域のうち、上記連通路の屈曲部を含む所定領域にのみ部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  5. 上記連通路は複数の屈曲部を有し、
    上記ヒータは、上記連通路の屈曲部のうち最も上流側の屈曲部に設けられていることを特徴とする請求項に記載の排気浄化装置。
  6. 上記ヒータは、上記連通路の長手方向の全領域のうち、上記連通路の上流側端部から上記屈曲部を含んで下流側に延びる所定領域にわたって部分的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  7. 上記ヒータは、上記連通路の長手方向の全領域にわたって設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
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