JP4847816B2 - 便座装置及びトイレ装置 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施の形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置の模式斜視図である。 また、図2は、本具体例の便座装置において便蓋300が閉じた状態を表す。
本具体例の便座装置100は、洋式腰掛便器800の後方に設けられた本体部400を有する。本具体例のトイレ装置は、「水道直圧式」であり、便器に流す洗浄水を制御するためのバルブ機構が本体部400に内装されている。ただし、本発明はこの具体例には限定されず、いわゆる「ロータンク式」のトイレ装置にも同様に適用できる。
そして、本実施形態においては、これら便座200及び便蓋300の少なくともいずれかが、電動開閉機構により開閉可能とされ、且つ本体部400から脱着可能とされている。便座200や便蓋300を本体部400から取り外すことができれば、これらの掃除が楽になり、また本体部400の軸支部の周辺も十分に清掃することが可能となる。
図3(a)は、便蓋300が全開の状態を表す。これに対して、便蓋300を脱着する際には、開角度を全開状態よりも小さくする。すなわち、図3(b)に表したように、全開の状態よりも閉じる方向に回転させた状態とする。この状態において、図3(c)に表したように便蓋300を駆動軸728から取り外し、また装着することができる。なお、便蓋300の取付部は、図3(b)及び(c)に表したような所定の角度においてのみ脱着が可能とされ、それ以外の角度においては脱着ができないようなストッパ機構を有する。この構造については、後に具体例を参照しつつ説明する。
また、本発明においては、便座200を脱着自在とした際にも、同様に全開の角度よりも小さい開角度において取り外し、装着可能とする。
本具体例の便蓋開閉ユニット720は、本体部400に内蔵可能であり、その駆動軸728をモータ721により回動可能とされている。その駆動機構は、モータ721の回転出力を減速させる減速機構722、負荷される最大トルクを規制するトルクリミッタ723、駆動軸728の回転角度を脱着状態に保持する角度保持部710、駆動軸728の回転角度を検出する角度検出部725、そして、駆動軸728に付勢力を作用させるアシストバネ(弾性体)726を有する。減速機構722は、回転検出部722A、斜歯車722B、ウォーム歯車722C、平歯車722D、遊星歯車722Eなどを有する。
すなわち、便蓋300は、閉止した状態θ0(閉止端)から開端角度θ1(開放端)までの範囲で開閉が可能とされている。便蓋300の開端角度は、後に詳述するように、例えば、本体部400にストッパなどを設けることにより機械的に規制することができる。 一方、便蓋開閉ユニット720は、その内部に設けられている角度ストッパに便蓋300を介して過度の負荷がかからないように、回転可能範囲が便蓋300の回転範囲よりも広く設定されている。すなわち、 便蓋開閉ユニット720の開端角度θ2は、θ1よりも大きい。なお、便蓋開閉ユニット720の駆動軸をθ1からθ2の範囲で回転させるためには、便蓋300に対して空転するような機構を適宜設ければよい。
図6は、便蓋開閉ユニット720に設けられた角度保持部710の構造を表す模式断面図である。
便蓋300を開閉させる駆動軸728には、回転体712が固定されている。また、回転体712に隣接して、板バネ714が便蓋開閉ユニット720のハウジング724に固定されている。板バネ714には突起714Aが設けられ、回転体712に突起712Aが設けられている。モータ721が駆動軸728を回転させて便蓋300を開く時には、突起712Aが突起714Aを乗り越えて、開端角度θ1まで便蓋300を開くことができる。同様に、モータ721が駆動軸728を回転させて便蓋300を閉じる時にも、突起712Aが突起714Aを乗り越えて、便蓋300を閉じることができる。
便蓋300を再装着した後は、モータ721または手動により便蓋300を閉じればよい。あるいは、後に詳述するように、「オート開閉機能」を利用して自動的に便蓋300を閉じるようにしてもよい。
したがって、使用者は、その後便蓋300を再び本体部400に取り付けることができる(ステップS208)。
図9は、便蓋300を脱着する動作の第3の具体例を例示するフローチャートである。 本具体例においては、便蓋300が閉じた状態から、便蓋300を取り外すために、使用者は、リモコンなどに設けられたスイッチを操作し、便蓋300を脱着する脱着モードを開始する(ステップS302)。すると、便蓋開閉ユニット720のモータ721が駆動して便蓋300をその脱着角度θ3(図5参照)まで開き停止する(ステップS304)。その後、使用者は、便蓋300を引き抜くなどの動作により本体部400から取り外す(ステップS306)。
したがって、使用者は、その後便蓋300を再び本体部400に取り付けることができる(ステップS310)。
便蓋300を再装着した後は、例えば、リモコンなどに設けられているスイッチを操作することにより脱着モードを終了させる(ステップS312)。あるいは、電動または手動により便蓋300を閉じてもよいし全開にしてもよい。
本実施形態においては、突起712Aを非対称に形成することができる。図10に表した具体例の場合、突起712Aは、その一方が緩傾斜面712Aaを有し、他方が急傾斜面712Abを有する。そして、便蓋300を開く方向に駆動軸728が回転する時に、急傾斜面712Abが板バネ714の突起714Aと当接する。このようにすると、アシストバネ726の付勢力のみによっては、突起712Aが突起714Aを乗り越えにくくなる。従って、便蓋300を脱着する際に、脱着角度θ3(図5参照)をより確実に保持することが容易となる。
またさらに、突起712Aと突起714をいずれも非対称に形成してもよい。
本具体例においては、回転体712の突出部に磁性体713が設けられている。一方、これに対向する支持部には、磁石715が設けられている。磁性体713と磁石715との間に作用する引力により、アシストバネ726の付勢力に対抗して駆動軸728を脱着角度θ3(図5参照)に保持することが可能となる。磁石715として例えばネオジウム磁石を用いるとコンパクトで大きな磁力を得ることが容易となる。一方、便蓋300をモータ721により開閉する時には、これら磁性体713と磁石715との間に作用する引力に打ち勝って駆動軸728を回転させることができる。
本具体例においては、回転体712には、突起712Aが設けられている。一方、これに対向して、突起716Aが設けられている。突起716Aは、スプリング716Bにより回転体712に向けて付勢されている。本具体例においても、図6に関して前述した具体例と同様に、突起712Aが突起716Aに当接することにより、脱着角度θ3(図5参照)が保持される。また、スプリング716Bの付勢力に対抗して突起712Aが突起716Aを乗り越えることにより、駆動軸728が全開状態または全閉状態まで回転する。
本具体例においては、回転体712には、突起712Aが設けられている。一方、これに対向して、トレランスリング717が設けられている。トレランスリング717は、例えば弾性体などによりブレーキがかけられた状態にあり、回転させるためには一定以上のトルクが必要とされる。そして、トレランスリング717には、回転体712の突起712Aと噛み合う歯車717Aが設けられている。
図14は、本実施例において便蓋300の回転角度範囲と便蓋開閉ユニット720の駆動軸の回転可能範囲を例示する模式図である。
本実施例においては、回転角度範囲を閉止状態(0°)から順にAエリア、Bエリア、Cエリア、Dエリア、Eエリアの5つのエリアに区分している。これら5つのエリアの境界となる角度は、それぞれ20°、80°、95°、110°である。便蓋開閉ユニット720の駆動軸がどのエリアにいるかは、便蓋開閉ユニット720に内蔵された角度検出部725(図4参照)により検知可能とされている。
図15にも表したように、本体部400からは、駆動軸728が横方向に突出している。便蓋300にはスリット状に開口した軸支部370が設けられ、この軸支部370に駆動軸728を挿入することにより、便蓋300は本体部に回動自在に軸支される。一方、本体部400の駆動軸728の下方には、ストッパ480が設けられている。便蓋300を開くと、図18に表したように、便蓋300の開口端372がストッパ480に当接し、開端角度が規制される。このようにして、図5及び図14に表したように便蓋300の開端角度を確実に規制することができる。
なお、図17及び図18に表したように、本体部400の駆動軸728の後方には、受光窓580が設けられている。これは、後に詳述するように、リモコンから送信される赤外線信号を受けるための窓部である。
図19(a)は、便蓋300がその開端角度まで開いた状態を例示する。
一方、図19(b)は、便蓋300の開端角度が、外部から規制されている状態を例示する。
すなわち、本具体例のトイレ装置は、いわゆる「水道直圧式」であるので、ロータンクは設けられてない。従って、トイレ装置をトイレの後壁950に寄せて設置することが可能である。この時、例えば、トイレの後壁950に、例えば、窓枠や飾り額縁などの突出体960が設けられていると、便蓋300は突出体960と干渉し、所定の開端角度まで開くことができない場合もあり得る。
このため、例えば、図5に表したように、便蓋300を本体部400から着脱可能とする角度θ3は、開端角度θ1から閉止側に離れた所定の角度範囲(装着エリア)Xとすることが望ましい。
また、図21は、便蓋300の開き角度と、便蓋300の重量により駆動軸728に負荷されるトルクとの関係を例示するグラフ図である。
図20(a)に表したように、本具体例の便座装置100の場合、便蓋300を閉じた状態において、その重心Gは、駆動軸Cにおける水平線Hよりも鉛直下方にある。従って、この状態から便蓋300を開いていくと、重心Gが水平線Hの上にきた時に、便蓋300の重量のモーメントによる駆動軸728でのトルクは最大値Tmaxをとる。便蓋300をさらに開くと、その重量モーメントによるトルクは徐々に減少し、アシストバネ726が設けられていない場合には、重心Gが駆動軸728の鉛直上方すなわち鉛直線V(図16(a))の上にきた時(θv)に、トルクはゼロとなる。つまり、この角度θvで便蓋300は中立を維持できる。
本実施形態の便座装置100は、便蓋開閉ユニット720及び便座開閉ユニット780の少なくともいずれかを備える。便蓋開閉ユニット720は、図6に関して前述したように、内蔵するモータにより便蓋300を開閉するユニットである。便座開閉ユニット780は、内蔵するモータにより便座200を開閉するユニットである。これらユニットの動作は、制御部640により制御される。
本具体例のリモコン900は、本体部902とこれに開閉自在に蝶支されたカバー904とを有する。図23は、カバー904を閉じた状態を表し、図24はカバー904を開けた状態を表す。
本具体例の便座装置100においては、図1及び図2に表したように、便座200の駆動軸と便蓋300の駆動軸は、前後方向に離間して設けられている。図1に表したように便蓋300が開いた状態においては、本体部400と便座200はほぼ完全に露出し、使用者は便蓋300に干渉することなく便座200に座ることができる。また、便蓋300を本体部400の後部で軸支することにより、便座200に座る使用者から便蓋300を遠ざけることができる。その結果として、便座200に座る使用者に開放感を与え、快適な使用感が得られる。
本具体例においては、本体部400が、便器800のボウル810の開口端に合わせて後退した形状を有する。すなわち、本体部400は、便器800の上部後方に設置され、その前面が、便器800のボウル810の開口端の形状に沿ってボウル810の開口端よりもボウル810の側にわずかに突出するように凹状に湾曲した湾曲凹面402とされている。湾曲凹面402の左右には、ボウル810の開口端に沿って前方に向けて延出した延出部404が設けられている。湾曲凹面402は、その中央付近が高く、左右の延出部404に近づくにしたがって次第に低くなる形状を有する。
そして、本実施形態によれば、便蓋300や便座200を脱着可能とすることにより、これらの清掃が容易となり同時にこれらを軸支する本体部400も十分に清掃できる。さらに、角度保持部710を設けることにより、便蓋300や便座200を本体部400に確実且つ容易に再装着でき、清潔且つ便利な便蓋装置を提供できる。
図26は、便座装置の本体部400の内部を前方から眺めた斜視図である。
本体部400は、筐体を構成するケースカバー430とケースプレート770とを有する。ケースカバー430の上面には、人体検知センサ500や表示部670が適宜設けられている。表示部670は、例えばトイレ装置に対する電源の投入状態などを適宜表示する役割を有する。また、ケースカバー430の前部の上部には、便座200を自動開閉させるための便座開閉ユニット780が突出して設けられている。
このような各種の機構を備えた本体部400の後端近くに便蓋300を軸支し、便座装置100のほぼ全体を覆うようにすると、外観がすっきりとし掃除もしやすくなる。そして、便蓋300や便座200を脱着可能とし、さらに、角度保持部710を設けることにより、便蓋300や便座200を本体部400に確実且つ容易に再装着でき、清潔且つ便利な便蓋装置を提供できる。
また、便座装置の構造や動作の内容についても、図1乃至図26に関して前述したものには限定されず、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
Claims (5)
- 便器の上に設けられる本体部と、
前記本体部に回動可能に軸支された便座と、
前記本体部に回動可能に軸支された便蓋と、
前記便座及び便蓋の少なくともいずれかを開閉させるモータと、
前記モータからの駆動力を前記便座及び便蓋の少なくともいずれかに伝達する駆動軸と、
前記便座及び便蓋の前記少なくともいずれかを開放端に向けて付勢する弾性体と、
前記便座及び便蓋の前記少なくともいずれかを閉止端も開放端も含まない脱着角度に保持可能とした角度保持部と、
を備え、
前記角度保持部は、突起を有し前記駆動軸の回転に応じて回転する回転体と、前記回転体に対向して設けられ突起を有する板バネと、を有し、
前記便座及び便蓋の前記少なくともいずれかは前記脱着角度において前記本体部から着脱可能とされ、前記弾性体による付勢力で前記回転体の前記突起と、前記板バネの前記突起と、が当接することにより、前記便座及び便蓋の前記少なくともいずれかを取り外した後の前記駆動軸を前記脱着角度に保持可能としたことを特徴とする便座装置。 - 前記角度保持部は、前記モータの駆動力が作用した時には前記脱着角度に保持せず、
前記モータの駆動力が作用しない時には前記弾性体による付勢力に対抗して前記脱着角度に保持することを特徴とする請求項1記載の便座装置。 - 前記駆動軸の回転範囲を規制するストッパ機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の便座装置。
- 前記回転体の前記突起と前記板バネの前記突起の少なくともいずれかは、閉状態から開状態に向けて前記駆動軸が回転する時に互いに当接する面よりも、開状態から閉状態に向けて前記駆動軸が回転する時に互いに当接する面のほうが傾斜が緩やかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の便座装置。
- 便器と、
前記便器の上に設けられた請求項1〜4のいずれか1つに記載の便座装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。
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