JP6384114B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、衛生洗浄装置に関する。
衛生洗浄装置が設置された便器の上面部を清掃可能とするために、衛生洗浄装置の機能部が便器の上面に対して昇降可能とされた衛生洗浄装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された衛生洗浄装置では、ハンドルを手動で操作することで、ケーシングの前方側を上昇させることができる。
しかし、ハンドルが衛生洗浄装置の側方部に設けられているため、衛生洗浄装置の意匠性については改善の余地がある。
一般的に、衛生洗浄装置の側面とトイレ室の壁面との間の隙間は、比較的狭い。また、ハンドルの設置位置は、比較的低い。そのため、ハンドルの操作性については改善の余地がある。
これに対して、衛生洗浄装置の機能部を電動操作により昇降可能とする構成が考えられる。衛生洗浄装置の機能部を電動操作により昇降可能とする場合には、昇降装置を駆動する例えばモータなどが必要となる。しかし、モータが搭載されると、手動操作の場合と比較して、昇降装置が大型化するという問題がある。
また、昇降装置は、機能部の昇降状態を維持する必要がある。例えば、機能部の昇降状態をモータの機能により維持する手段としては、ステッピングモータのディテントトルクを利用する手段が挙げられる。しかし、衛生洗浄装置の機能部を昇降させるモータとしてステッピングモータを用いると、モータが大型化し、昇降装置が大型化することがある。
特開2010−275686号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、昇降部を小型化することができる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便器のボウルよりも後方における前記便器の上面に設置され機能部品を内蔵するケーシングと、前記便器に固定された軸部を有し前記ケーシングの後方側を前記便器に取り付ける固定具と、前記軸部を中心として前記ケーシングを回動させ前記ケーシングの前方側を前記上面から上昇させる昇降部と、前記昇降部の動作を制御する制御部と、を備え、前記昇降部は、前記制御部から送信される信号に基づいてトルクを発生するモータと、少なくとも前記トルクを伝達するウォームと、少なくとも前記ウォームを介して伝達された前記トルクを伝達するウォームホイールと、少なくとも前記ウォームおよび前記ウォームホイールを介して伝達された前記トルクにより回動し前記前方側を前記上面から上昇させる受け部と、を有し、前記前方側が最も上昇した状態は、前記ウォームと前記ウォームホイールとの間のセルフロックにより維持され、前記昇降部は、前記ウォームおよび前記ウォームホイールに連結されたトルク遮断機構であって、過負荷が加わると複数の部品が互いに滑ることで前記トルクを減衰させる又は前記トルクを遮断するトルク遮断機構をさらに有し、前記トルク遮断機構は、過負荷が加わると、前記受け部から伝達された回動力を減衰させる、あるいは前記回動力を遮断することを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、ケーシングの前方側が最も上昇した状態は、ウォームとウォームホイールとの間のセルフロックにより維持される。そのため、モータは、ケーシングの前方側が最も上昇した状態を維持する必要がない。そのため、モータとして、直流モータなどの小型でより安価なモータを用いることができる。これにより、昇降部を小型化し、衛生洗浄装置を小型化することができる。
また、この衛生洗浄装置によれば、例えばモータの故障時などにおいて、ケーシングを下降させる方向に力が発生しても、ケーシングの前方側の上昇状態は、比較的簡単に解除される。そのため、便座やヒンジやケーシングなどが過度の力を受けて破損することを抑制することができる。
の発明は、第の発明において、前記昇降部は、前記ケーシングに設けられ前記ウォームおよび前記ウォームホイールを介して伝達された前記トルクを前記受け部へ伝達する回動軸をさらに有し、前記前方側が最も上昇した状態において、前記回動軸の軸と、前記受け部が水平面と当接した点と、を結ぶ直線と、前記受け部からみて前記受け部の回動の方向における前記水平面と、の間のなす角度は、90度よりも小さいことを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、ケーシングが最も上昇した状態で、モータが故障したとしても、ケーシングを手動にて押し下げることで、衛生洗浄装置の前方側を下降させることができる。
の発明は、第またはの発明において、前記トルク遮断機構は、トレランスリングを有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、ケーシングが上昇した状態あるいは上昇中の状態で、モータが故障しても、ケーシングを手動にて押し下げることで、衛生洗浄装置の前方側を下降させることができる。
の発明は、第の発明において、前記昇降部は、前記モータの回転速度を変速する変速ギヤをさらに有し、前記トレランスリングは、前記変速ギヤが有する複数のギヤのうちの最下流のギヤの下流側に設けられたことを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、トレランスリングのスリップトルクを調整することで、ケーシングを手動にて押し下げることができる。ケーシングを押し下げるときの荷重が変速ギヤに伝わらないため、変速ギヤが破損することを抑制することができる。
の発明は、第1〜のいずれか1つの発明において、前記モータは、直流モータであることを特徴とする衛生洗浄装置である。
この衛生洗浄装置によれば、モータを小型化することができる。これにより、昇降部を小型化し、衛生洗浄装置を小型化することができる。
本発明の態様によれば、昇降部を小型化することができる衛生洗浄装置が提供される。
本実施形態のケーシングが下降した状態を表す模式的斜視図である。 本実施形態のケーシングが上昇した状態を表す模式的斜視図である。 本実施形態のケーシングを下側から眺めた模式的斜視図である。 ケーシングの前方側が上昇した状態を側方から眺めた模式的断面図である。 本実施形態の操作部の一例を例示する模式的平面図である。 本実施形態の昇降部を表す模式図である。 本実施形態のトルクリミッタの具体例を例示する模式図である。 本実施形態のトルクリミッタの他の具体例を例示する模式図である。 本実施形態のトルクリミッタのさらに他の具体例を例示する模式的斜視図である。 本実施形態の第1のギヤ部および第2のギヤ部の進み角と、第1のギヤ部と第2のギヤ部との間の効率と、の関係を例示するグラフ図である。 昇降部の角度と負荷トルクとの間の関係を例示するグラフ図である。 本実施形態の支柱の動作を説明する模式的平面図である。 本実施形態の支柱の他の動作を説明する模式的平面図である。 垂直負荷荷重と軸トルクとの関係の一例を例示するグラフ図である。 本実施形態の固定具を説明する模式的斜視図である。 本実施形態の固定具を説明する模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1および図2は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す模式的斜視図である。
図1は、本実施形態のケーシングが下降した状態を表す模式的斜視図である。
図2は、本実施形態のケーシングが上昇した状態を表す模式的斜視図である。
本実施形態にかかるトイレ装置10は、前部にボウル810を有する便器800と、便器800の上部に設置された衛生洗浄装置100と、を備える。衛生洗浄装置100は、ボウル810の後方上部に設置されたケーシング200と、そのケーシング200に対して開閉自在に軸支された便座300および便蓋400と、を有する。ケーシング200の内部には、便座300に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する局部洗浄機能部などが内蔵されている。また、ケーシング200の内部には、制御部201が設けられている。制御部201は、局部洗浄機能部の動作や、後述する昇降部500(図3(a)および図3(b)参照)の動作を制御する。
なお、ケーシング200の内部には、例えば、便器800のボウル810内の空気を吸い込み、フィルタや触媒などを介して臭気成分を低減させる脱臭機能部や、便座300に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる温風乾燥機能部や、トイレ室内に温風を吹き出してトイレ室を暖房する室内暖房機能部などが内蔵されていてもよい。
便器800の後方側部には、パネル830が設けられている。これによれば、パネル830は、便器800の側面や適宜設けられた配管などを覆い隠すことができるため、意匠性を確保することができる。
例えば使用者がリモコンなどの操作部860(図5参照)において所定の操作を行うと、ケーシング200の前方側は、図2に表した矢印A1のように、ケーシング200の後方側を中心として電動により回動し、便器800の上面820から上昇して離間できる。
そうすると、図2に表したように、操作部860において所定の操作が行われる前、すなわちケーシング200の前方側が上昇する前よりも大きな隙間が、ケーシング200と、便器800の上面820と、の間において生ずる。なお、操作部860における所定の操作については、後述する。
これによれば、使用者は、ケーシング200と、便器800の上面820と、の間の隙間から清掃用具や手などを入れることにより、その隙間の部分や、ケーシング200と便器800との間への汚水浸入を防止するシール材221などを容易に清掃することができる。また、電動により自動でケーシング200の前方側を昇降させることができるため、手動ハンドル等を設置する必要がない。そのため、意匠性が損なわれることを抑え、清掃性および操作性を向上させた衛生洗浄装置100を提供することができる。なお、シール材221は、後述するように、ケーシング200の下面と、便器800の上面820と、の間に設けられている。
また、ケーシング200と、便器800の上面820と、の間の隙間に汚れやゴミが溜まったり、シール材221に汚れが付着したままの状態となることを抑制することができる。そのため、便器800の上面820との間の隙間や、シール材221から異臭が発生することを抑制することができる。またさらに、本実施形態では、ケーシング200の全体を上昇させるわけではなく、ケーシング200の前方側を回動させて上昇させるため、ケーシング200に内蔵された各種機能部品への給水および給電のためにそれぞれ使用される配管および配線は、ほとんど伸縮しない。そのため、ケーシング200の前方側の昇降時には、これらの配管および配線などが破損したり損傷を受けるおそれは少ない。
次に、ケーシング200の前方側を上昇させる機構および動作について、図面を参照しつつさらに詳細に説明する。
図3は、本実施形態のケーシングを下側から眺めた模式的斜視図である。
図4は、ケーシングの前方側が上昇した状態を側方から眺めた模式的断面図である。
図5は、本実施形態の操作部の一例を例示する模式的平面図である。
なお、図3(a)は、ケーシングの前方側が下降した状態を表す模式的斜視図である。図3(b)は、ケーシングの前方側が上昇した状態を表す模式的斜視図である。
図3(a)および図3(b)に表したように、ケーシング200は、ケースカバー210と、ケースプレート220と、昇降部カバー230と、を有する。局部洗浄機能などの機能部品は、ケースプレート220に適宜載置され、その上方をケースカバー210により覆われている。昇降部カバー230は、ケースプレート220の下面に設けられている。図3(a)および図3(b)に表したように、ケースプレート220の下面には、便器800のボウル810の形状に略沿うように直線部分や湾曲部分などを有するシール材221が付設されている。つまり、シール材221は、ケースプレート220の下面におけるボウル810側の前端部に付設されている。
但し、シール材221の設置位置は、これだけに限定されるわけではなく、便器800の上面820に付設されていてもよい。あるいは、シール材221は、ケースプレート220の下面と、便器800の上面820と、の両方に付設されていてもよい。なお、本実施形態では、シール材221がケースプレート220の下面に付設されている場合を例に挙げて説明する。
シール材221は、例えばゴムなどの弾性を有する材料により形成されている。そのため、ケーシング200が便器800の上面820に設置された際には、シール材221は、圧縮変形し便器800の上面820に密着する。そのため、シール材221は、ケーシング200と便器800との間への汚水浸入を防止できる。
ケースプレート220と、昇降部カバー230と、の間には、ケーシング200の前方側を便器800の上面820から上昇させ離間させる昇降部500が設けられている。図3(a)および図3(b)に表したように、昇降部500は、支柱(受け部)550を有する。支柱550は、回動軸530(図6参照)の回動と連動して回動することができる。
ケーシング200は、後方側において、固定具240により便器800に取り付けられている。ケーシング200は、固定具240により取り付けられた部分を中心として便器800に対して回動することができる。固定具240の詳細については、後述する。
ケーシング200の前方側が下降した状態(図3(a)参照)において、例えば使用者が操作部860において所定の操作を行うと、支柱550は、回動軸530を介して伝達された回動力を受け、図3(b)に表したように回動する。すなわち、支柱550は、ケースプレート220の下面からみて倒立した状態となる。
操作部860における所定の操作としては、例えば操作部860のメニュー画面における操作が挙げられる。具体的には、図5に表したように、本実施形態の操作部860は、操作ボタン861と、表示部863と、を有する。例えば使用者は、操作ボタン861を適宜操作することにより表示部863にメニュー画面を表示させる。続いて、例えば使用者は、操作ボタン861を適宜操作することにより表示部863に表示されたメニュー画面の中から「1.お手入れ」を選択する。続いて、例えば使用者は、操作ボタン861を適宜操作することにより「1.お手入れ」の項目の中から「上昇」または「下降」を選択する。例えば使用者が「1.お手入れ」の項目の中から「上昇」を選択すると、支柱550は、昇降部カバー230の内部に収納された状態から、ケースプレート220の下面からみて倒立した状態となる。一方で、例えば使用者が「1.お手入れ」の項目の中から「下降」を選択すると、支柱550は、ケースプレート220の下面からみて倒立した状態から、昇降部カバー230の内部に収納された状態となる。
図4に表したように、支柱550は、ケースプレート220の下面からみて倒立すると、便器800の内部に設置されたガイドプレート(プレート部)840に支持される。その結果として、支柱550は、ケーシング200の前方側を便器800の上面820から上昇させ離間させることができる。支柱550が回動する際には、支柱550の一端部551は、ガイドプレート840の表面と当接しつつその表面上をスライドする。このとき、支柱550およびガイドプレート840は、例えば樹脂などのような摺動性のより良い材料から形成されている。また、支柱550の一端部551は、略円形の断面形状を有する。そのため、支柱550は、ガイドプレート840の表面上を滑らかにスライドすることができる。
なお、ガイドプレート840は、便器800の内部ではなくケースプレート220に取り付けられていてもよい。
また、昇降部500は、ケースプレート220の下部ではなく、便器800の後方部に取り付けられてもよい。
これによれば、使用者は、電動により自動で、ケーシング200の前方側を便器800の上面820から上昇させ離間させることができる。これにより、ケースプレート220の下面に付設されたシール材221を便器800の上面820から離間させることができる。そのため、図1および図2に関して前述したように、使用者は、ケーシング200と、便器800の上面820と、の間の隙間から清掃用具や手などを入れることにより、その隙間の部分やシール材221などを容易に清掃することができる。また、電動により自動でケーシング200の前方側を昇降させることができるため、手動ハンドル等を設置する必要がない。そのため、意匠性が損なわれることを抑え、清掃性および操作性を向上させた衛生洗浄装置100を提供することができる。
一方で、ケーシング200は、上昇および下降していない状態では、昇降部500および固定具240により前方側および後方側を便器800にそれぞれ固定されているため、使用者が便座300に座ったときの安定感を確保することができる。また、昇降部500やガイドプレート840を簡略的な構造とすることができ、大幅なコストアップを必要とせずにトイレ装置に昇降機能を付加することができる。
次に、本実施形態の昇降部500について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態の昇降部を表す模式図である。
図6(a)は、本実施形態の昇降部を表す模式的斜視図である。図6(b)は、本実施形態の昇降部を表す模式的平面図である。
本実施形態の昇降部500は、モータ501と、減速ギヤ(変速ギヤ)510と、トルクリミッタ(トルク遮断機構)520と、回動軸530と、アシストバネ541と、支柱550と、を有する。モータ501、減速ギヤ510、トルクリミッタ520、回動軸530およびアシストバネ541は、昇降部カバー230の内部に設けられている。図3(a)および図3(b)に関して前述したように、昇降部カバー230は、ケースプレート220の下面に設けられている。そのため、モータ501、減速ギヤ510、トルクリミッタ520、回動軸530およびアシストバネ541は、昇降部カバー230と、ケースプレート220の下面と、の間に設けられている。
モータ501は、制御部201から送信される信号に基づいて回動運動を行い、回動力(トルク)を発生する。本実施形態のモータ501は、例えば直流モータなどである。但し、モータ501は、直流モータだけには限定されない。本実施形態では、モータ501が直流モータである場合を例に挙げて説明する。
減速ギヤ510は、第1のギヤ部511と、第2のギヤ部512と、第3のギヤ部513と、第4のギヤ部514と、第5のギヤ部515と、第6のギヤ部516と、を有する。減速ギヤ510が有するギヤ部の数は、これだけに限定されるわけではない。ギヤ部の数については、減速ギヤ510の減速比に応じて適宜変更することができる。なお、本実施形態の減速ギヤ510の減速比は、例えば約1/300以上1/200以下程度である。
本実施形態では、第1のギヤ部511は、ウォームである。第1のギヤ部511は、モータ501の図示しない回転軸に取り付けられている。第2のギヤ部512は、ウォームホイールである。第2のギヤ部512は、第1のギヤ部511とかみあう。第3のギヤ部513は、例えばはすば歯車あるいはねじ歯車である。第3のギヤ部513は、第2のギヤ部512とかみあう。第4のギヤ部514、第5のギヤ部515、および第6のギヤ部516は、例えば平歯車あるいははすば歯車などである。但し、第3のギヤ部513、第4のギヤ部514、第5のギヤ部515、および第6のギヤ部516のそれぞれの歯車の種類は、前述したものには限定されない。
トルクリミッタ520は、第2のギヤ部512、第3のギヤ部513、第4のギヤ部514、第5のギヤ部515、および第6のギヤ部516を介して第1のギヤ部511に連結されている。トルクリミッタ520は、減速ギヤ510が有する複数のギヤのうちの最下流のギヤの下流側に設けられている。図6(a)および図6(b)に表した昇降部500では、トルクリミッタ520は、第6のギヤ部516の下流側に設けられている。
本願明細書において、「下流側」とは、複数のギヤにおいて相対的に従動側をいうものとする。本願明細書において、「上流側」とは、複数のギヤにおいて相対的に原動側をいうものとする。
トルクリミッタ520は、過負荷(所定のトルクよりも大きいトルク)が加わると、モータ501から減速ギヤ510を介して伝達された回動力、あるいは支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断する。例えば、過負荷が加わると、トルクリミッタ520の部品のうちの複数の部品が互いに滑ることで、トルクリミッタ520は、回動力を減衰させる、あるいは遮断する。トルクリミッタ520の詳細については、後述する。
回動軸530は、トルクリミッタ520の出力軸525(例えば図7参照)と連結され、出力軸525と連動して回動する。回動軸530は、減速ギヤ510を介してモータ501から伝達された回動力により回動する。
支柱550は、回動軸530と連結され、回動軸530と連動して回動する。
アシストバネ541は、回動軸530の回動をアシストする。具体的には、アシストバネ541は、支柱550がケースプレート220の下面からみて倒立する方向へ回動軸530を付勢している。これにより、モータ501の負荷トルクを抑えることができる。
本実施形態では、第2のギヤ部512から第1のギヤ部511へ回転を伝達することができない。つまり、第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間には、セルフロックが作用する。
これにより、衛生洗浄装置100が単体で存在する際に、支柱550は、昇降部カバー230の内部に収納された状態(略水平状態)を維持することができる。より具体的には、衛生洗浄装置100が単体で存在する際に、支柱550が自重により倒立したり、支柱550が回動軸530を介してアシストバネ541から受ける付勢力により倒立することを抑えることができる。そのため、組み立て、梱包および搬送の際などにおいて、支柱550がケーシング200から突出することを抑えることができる。そのため、組立性、梱包性および搬送性を確保することができる。
一方で、支柱550がケースプレート220の下面からみて倒立した状態は、第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間に作用するセルフロックにより維持される。つまり、セルフロックが第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間に作用するため、支柱550は、ケースプレート220の下面からみて倒立し衛生洗浄装置100の自重を受けても、略水平状態には戻らない。これにより、ケーシング200の前方側が便器800の上面820から上昇した状態が保持される。
本実施形態によれば、セルフロックが第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間に作用するため、モータ501は、ケーシング200の前方側が便器800の上面820から上昇した状態を維持する必要がない。そのため、モータ501として、直流モータなどの小型でより安価なモータを用いることができる。これにより、昇降部500を小型化し、衛生洗浄装置100を小型化することができる。
また、本実施形態の昇降部500は、トルクリミッタ520を有する。そのため、ケーシング200が上昇した状態あるいは上昇中の状態で、モータ501が故障しても、ケーシング200を手動にて押し下げることで、衛生洗浄装置100の前方側を下降させることができる。このとき、トルクリミッタ520の部品のうちの複数の部品が互いに滑ることで、トルクリミッタ520は、支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断する。これにより、昇降部500の減速ギヤ510などが破損することを抑制することができる。また、便座300やケーシング200や便座300の図示しないヒンジなどが過度の力を受けて破損することを抑制することができる。
図7は、本実施形態のトルクリミッタの具体例を例示する模式図である。
図7(a)は、本具体例のトルクリミッタを表す模式的斜視図である。図7(b)は、図7(a)に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。図7(a)では、本具体例のトルクリミッタは、軸方向に分解されている。図7(b)では、本具体例のトルクリミッタは、組み立てられている。
図7(a)および図7(b)に表したトルクリミッタ520は、入力ギヤ部521と、トレランスリング523と、出力軸525と、を有する。入力ギヤ部521は、出力軸525の側の端部に設けられたキャリア522を有する。トレランスリング523は、例えば炭素鋼などの金属を含み、凸部524を有する。凸部524は、トレランスリング523の外周部に設けられ、弾性を有する。
図7(b)に表したように、トレランスリング523は、入力ギヤ部521のキャリア522の外面と、出力軸525の内面と、の間に圧入されている。トレランスリング523は、減速ギヤ510が有する複数のギヤのうちの最下流のギヤ(図6(a)および図6(b)では第6のギヤ部516)の下流側に設けられている。トレランスリング523がキャリア522と出力軸525との間に圧入された状態では、トレランスリング523の凸部524は、わずかに潰れている。凸部524がわずかに潰れているときに生ずる弾力により、トレランスリング523は、入力ギヤ部521と出力軸525とを締結することができる。
入力ギヤ部521は、第6のギヤ部516に接続され、第6のギヤ部516から伝達された回動力をトレランスリング523を介して出力軸525へ伝達する。出力軸525は、回動軸530に接続され、トレランスリング523を介して入力ギヤ部521から伝達された回動力を回動軸530へ伝達する。
トレランスリング523は、キャリア522の外面とトレランスリング523自身の内面との間に生ずる摩擦力、および凸部524の外面と出力軸525の内面との間に生ずる摩擦力により、回動力を伝達する。そのため、所定のトルク以下のトルクが加わる場合には、トレランスリング523は、キャリア522と出力軸525との間で滑ることはなく、入力ギヤ部521から伝達された回動力を出力軸525へ伝達することができる。一方で、過負荷(所定のトルクよりも大きいトルク)が加わると、キャリア522とトレランスリング523との間、およびトレランスリング523と出力軸525との間の少なくともいずれかにおいて、滑りが生ずる。これにより、トルクリミッタ520は、モータ501から減速ギヤ510を介して伝達された回動力、あるいは支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断する。
本具体例によれば、トレランスリング523がモータ501から減速ギヤ510を介して伝達された回動力、あるいは支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断するときのトルク(スリップトルク)を調整することで、ケーシング200を手動にて押し下げることができる。ケーシング200を押し下げるときの荷重が減速ギヤ510に伝わらないため、減速ギヤ510が破損することを抑制することができる。
図8は、本実施形態のトルクリミッタの他の具体例を例示する模式図である。
図8では、本具体例のトルクリミッタは、軸方向に分解されている。
図8に表した具体例のトルクリミッタ520aは、スプライン521aと、第1のディスク522aと、第2のディスク523aと、ロータ軸525aと、を有する。図8に表したように、複数の第1のディスク522aと、複数の第2のディスク523aと、が設けられていてもよい。第1のディスク522aおよび第2のディスク523aは、油圧により互いに密着され、摩擦力を発生することができる。
スプライン521aは、第6のギヤ部516に接続され、第6のギヤ部516から伝達された回動力を第1のディスク522aおよび第2のディスク523aを介してロータ軸525aへ伝達する。言い換えれば、モータ501から第6のギヤ部516へ伝達された回動力は、スプライン521aによって第1のディスク522aへ伝達される。第1のディスク522aおよび第2のディスク523aは、摩擦力により回動力を伝達する。第2のディスク523aは、ロータ軸525aとかみあい、スプライン521aおよび第1のディスク522aを介して伝達された回動力をロータ軸525aへ伝達する。
所定のトルク以下のトルクが加わる場合には、第1のディスク522aと第2のディスク523aとの間において、滑りは生じない。そのため、スプライン521aから伝達された回動力は、ロータ軸525aへ伝達される。
一方で、過負荷(所定のトルクよりも大きいトルク)が加わると、第1のディスク522aと第2のディスク523aとの間において、滑りが生ずる。これにより、トルクリミッタ520aは、モータ501から減速ギヤ510を介して伝達された回動力、あるいは支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断する。
図9は、本実施形態のトルクリミッタのさらに他の具体例を例示する模式的斜視図である。
図9に表したトルクリミッタ520bは、駆動フランジ521bと、スイッチリング522bと、球523bと、ばね524bと、被動フランジ525bと、を有する。駆動フランジ521bは、第1の溝526bを有する。被動フランジ525bは、第2の溝527bを有する。球523bは、第1の溝526bおよび第2の溝527bに嵌まった状態で、駆動フランジ521bと、スイッチリング522bと、被動フランジ525bと、の間に設けられている。ばね524bは、スイッチリング522bを軸方向へ付勢している。これにより、球523bは、第1の溝526bおよび第2の溝527bに保持される。
駆動フランジ521bは、第6のギヤ部516に接続され、第6のギヤ部516から伝達された回動力を球523bおよびスイッチリング522bを介して被動フランジ525bへ伝達する。被動フランジ525bは、回動軸530に接続され、球535bおよびスイッチリング522bを介して駆動フランジ521bから伝達された回動力を回動軸530へ伝達する。
所定のトルク以下のトルクが加わる場合には、球523bが第1の溝526bおよび第2の溝527bに保持された状態で、滑りは生じない。そのため、駆動フランジ521bから伝達された回動力は、被動フランジ525bヘ伝達される。
一方で、過負荷(所定のトルクよりも大きいトルク)が加わると、スイッチリング522bは、球523bに押され、ばね524bの付勢力に対抗して軸方向へ移動する。すると、スイッチリング522bと被動フランジ525bとの間において、滑りが生ずる。これにより、トルクリミッタ520bは、モータ501から減速ギヤ510を介して伝達された回動力、あるいは支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断する。
図10は、本実施形態の第1のギヤ部および第2のギヤ部の進み角と、第1のギヤ部と第2のギヤ部との間の効率と、の関係を例示するグラフ図である。
図11は、昇降部の角度と負荷トルクとの間の関係を例示するグラフ図である。
図10(a)は、進み角と効率との関係を例示するグラフ図である。図10(b)は、図10(a)のグラフ図において進み角が12°の近傍を拡大したグラフ図である。
図6に関して前述したように、第1のギヤ部511は、ウォームである。第2のギヤ部512は、ウォームホイールである。ウォームとウォームホイールとの間の効率は、次の式で表される。

効率n=(cosα・sinγ−μcosγ)/{(cosα・cosγ+μsinγ)・tanγ} ・・・式(1)

式(1)の中の符号「α」は、圧力角を表す。式(1)の中の符号「γ」は、進み角を表す。式(1)の中の符号「μ」は、動摩擦係数を表す。
日本工業規格(JIS)においては、基準ピッチ円上の圧力角としては、「20°」が規定されている。そのため、一般的には、圧力角αとして20°が用いられる。
本発明者は、計算および実験により、本実施形態の昇降部500の動摩擦係数μを求めた。その結果は、図11に表した通りである。すなわち、本発明者は、動摩擦係数μ=0.1、0.15、0.2、0.25のそれぞれにおいて、昇降部500の角度と、衛生洗浄装置100を上昇させるときの負荷トルクと、の関係を理論式を用いて計算により求めた。計算により求めた線は、図11に表した細線の通りである。
また、本発明者は、昇降部500の角度と、衛生洗浄装置100を上昇させるときの負荷トルクと、の関係を実験により求めた。実験により求めた線は、図11に表した太線の通りである。
図11に表したグラフ図によれば、本実施形態の昇降部500の動摩擦係数μは、「0.2」であることが分かる。
例えば、圧力角α=20°および動摩擦係数μ=0.2を式(1)に代入した場合において、効率nと進み角γとの間の関係を表すグラフ図は、図10(a)および図10(b)に表した通りである。図10(a)および図10(b)によれば、進み角γが12°以下の場合には、効率nが0以下となる。そのため、進み角γが12°以下のときに、第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間においてセルフロックが可能となる。
なお、前述した圧力角α、動摩擦係数μ、および進み角γの数値は、一例であり、これだけには限定されない。効率nが0以下となるときに、第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間においてセルフロックが可能となる。
次に、本実施形態の支柱550の動作について、図面を参照しつつ説明する。
図12は、本実施形態の支柱の動作を説明する模式的平面図である。
図13は、本実施形態の支柱の他の動作を説明する模式的平面図である。
図12(a)および図13(a)は、本実施形態のケーシングが下降した状態のときの支柱を表す模式的平面図である。図12(b)および図13(b)は、支柱がガイドプレートに接触したときの状態を表す模式的平面図である。図12(c)および図13(c)は、本実施形態のケーシングが上昇した状態のときの支柱を表す模式的平面図である。
モータ501の回動力が回動軸530に伝達されると、支柱550は、図12(a)に表した矢印A41の方向へ回動する。図12(b)に表したように、支柱550がガイドプレート840(図4参照)の底部841と接触した直後には、比較的大きい負荷トルクが発生する。また、アシストバネ541の力に基づいて回動軸530に生ずるトルク(バネアシストトルク)は、比較的大きい。
続いて、支柱550が図12(b)に表した矢印A42の方向へさらに回動すると、ケーシング200の前方側が便器800の上面820から上昇した量(上昇量)が増加していく。すると、上昇量が増加するにつれて、負荷トルクおよびバネアシストトルクが減少する。
そこで、本実施形態の制御部201は、ケーシング200の上昇量の増加に伴ってモータ501へ通電する電流を小さくし、モータ501のトルクを小さくする制御を実行する。
これによれば、必要以上の荷重が減速ギヤ510にかかることを抑え、減速ギヤ510が破損することを抑制することができる。
すなわち、使用者が衛生洗浄装置100の上昇を止めようとして、衛生洗浄装置100に対して下降方向に力を加える場合には、衛生洗浄装置100が上昇し始めた直後ではなく、衛生洗浄装置100が上昇していることに使用者が気づいた段階であることが多い。そのため、本実施形態によれば、使用者が意図せずに、衛生洗浄装置100が上昇した場合において、使用者が衛生洗浄装置100の上昇を止めようとして、衛生洗浄装置100に対して下降方向に力を加えたとしても、必要以上の荷重が減速ギヤ510にかかることを抑えることができる。そのため、減速ギヤ510が破損することを抑制することができる。
また、制御部201が実行する制御により、減速ギヤ510が破損することを抑制することができる。そのため、昇降部500が大型化することを抑え、耐久性のより高い昇降部500を提供することができる。
図12(a)〜図12(c)に表したように、本実施形態の昇降部カバー230は、当接部231を有する。図12(c)に表したように、支柱550は、図12(b)に表した矢印A42の方向へさらに回動すると、昇降部カバー230の当接部231と当接し停止する。そのため、ケーシング200の前方側の上昇量が一定に規制される。
あるいは、図13(a)〜図13(c)に表したように、ガイドプレート840は、当接部849を有する。図13(c)に表したように、支柱550は、図13(b)に表した矢印A42の方向へさらに回動すると、ガイドプレート840の当接部849と当接し停止する。これにより、ケーシング200の前方側の上昇量が一定に規制される。
これによれば、ケーシング200の前方側の上昇量が一定となるため、モータ501、回動軸530およびアシストバネ541にかかる負荷を軽減することができる。そのため、昇降部500の耐久性を向上させることができる。また、ケーシング200の前方側の上昇量が一定となるため、より確実な清掃性を担保することができる。
また、支柱550がガイドプレート840の当接部849と当接し停止する場合には、ガイドプレート840を変更することで、ケーシング200の上昇量が異なる種々の機種に対応することができる。
前述したように、制御部201は、ケーシング200の上昇量の増加に伴ってモータ501のトルクを小さくする制御を実行する。これにより、支柱550が当接部231、849と当接するときの衝撃を緩和することができる。そのため、比較的大きい負荷が減速ギヤ510にかかることを抑え、減速ギヤ510の耐久性を確保することができる。そのため、昇降部500の高い信頼性を実現し、昇降部500の長寿命化を図ることができる。
図12(c)および図13(c)に表したように、ケーシング200が最も上昇した状態において、回動軸530の軸530cと、支柱550が水平面880(例えばガイドプレート840の底部841あるいは便器800の上面820など)と当接した点550aと、を結ぶ直線L1と、支柱550からみて支柱550の回動方向における水平面880と、の間のなす角度θは、90度よりも小さい。
これによれば、ケーシング200が最も上昇した状態で、モータ501が故障しても、ケーシング200を手動にて押し下げることで、衛生洗浄装置100の前方側を下降させることができる。
また、昇降部500がケーシング200に設けられているため、支柱550の傾斜方向は、ケーシング200の傾斜方向と同じになる。そのため、支柱550が便器800の上面820やケーシング200の下面の清掃の邪魔になることを抑制することができる。そのため、使用者にとって、使用勝手のいい衛生洗浄装置100を提供することができる。
ケーシング200が最も上昇した状態における支柱550の水平面880に対する角度θは、第1のギヤ部511と第2のギヤ部512との間に作用するセルフロックにより保持される。
これによれば、衛生洗浄装置100が最も上昇した状態を維持することができる。そのため、モータ501にかかる負荷を軽減し、ケーシング200の上昇を長時間にわたって維持した場合に発生する熱を抑えることができる。これにより、モータ501の長寿命化及び昇降部500の長寿命化を図ることができる。
図14は、垂直負荷荷重と軸トルクとの関係の一例を例示するグラフ図である。
図14に表したグラフ図の横軸は、衛生洗浄装置100に対して下方(図1参照)へ与えた荷重(キログラム:kg)を表す。図14に表したグラフ図の縦軸は、回動軸530に発生するトルク(ニュートン・メートル:N・m)を表す。
本発明者は、支柱550がケースプレート220の下面からみて倒立した状態において、衛生洗浄装置100に対して下方へ荷重を与えた。このときに、回動軸530に発生するトルクは、図14に表した通りである。すなわち、荷重が0kgのときに、回動軸530に発生するトルクは、約0.93N・mである。荷重が0kgのときには、衛生洗浄装置100の自重に基づくトルクが回動軸530に発生している。荷重が5.1kgのときに、回動軸530に発生するトルクは、約2.55N・mである。荷重が7.6kgのときに、回動軸530に発生するトルクは、約4.01N・mである。
これらの実測値に基づいて算出した近似式は、図14に表した通りである。本発明者の得た知見によれば、一般的には、人間が手で押し下げられる荷重は、約20kg程度である。図14に表したグラフ図によれば、荷重が20kgのときに、回動軸530に発生するトルクは、約8.65N・mである。そのため、トルクリミッタ520が支柱550から回動軸530を介して伝達された回動力を減衰させる、あるいは遮断するときの所定のトルク(スリップトルク)を8.65N・m以下とすると、使用者は、例えばモータ501が故障しても、ケーシング200を手動にて押し下げることで、衛生洗浄装置100の前方側を下降させることができる。
一方で、トルクリミッタ520のスリップトルクがモータ501の最大トルクよりも小さいと、モータ501が発生するトルクにより、トルクリミッタ520の部品のうちの複数の部品が互いに滑る。そのため、トルクリミッタ520のスリップトルクは、モータ501が発生する最大トルクよりも大きい必要がある。本実施形態では、モータ501の最大トルクは、例えば約0.3N・m以上1.0N・m以下程度である。本実施形態では、スリップトルクは、例えば約1.5N・m以上2.5N・m以下程度である。
次に、本実施形態の固定具240について、図面を参照しつつ説明する。
図15は、本実施形態の固定具を説明する模式的斜視図である。
図16は、本実施形態の固定具を説明する模式的断面図である。
なお、図15(a)は、本実施形態の便器800の後方側を表す模式的斜視図であり、図15(b)は、本実施形態の固定具240の近傍の模式的拡大図、すなわち図15(a)に表した領域A3における拡大模式図である。
また、図16(a)は、図15(b)に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。図16(b)は、図15(b)に表した切断面C−Cにおける模式的断面図である。図16(c)は、図15(b)に表した切断面D−Dにおける模式的断面図である。
まず、図15(a)に表したように、便器800の後方上部には、便器プレート850が固定されている。この便器プレート850は、例えば樹脂などにより形成されている。 また、本実施形態の固定具240は、図15(b)に表したように、ナット固定部材(固定部)241と、ナット固定部材241に上に載置されるナット242と、ナット242と締結されることによりナット固定部材241を便器プレート850に取り付ける取付具245と、取付具246によりケースプレート220に取り付けられる回動軸部材243と、を有する。
なお、本実施形態の固定具240の近傍の構造は一例であり、これだけに限定されるわけではない。例えば、便器プレート850が設けられることなく、ナット固定部材241は、取付具245により直接的に便器800に取り付けられてもよい。また、ナット242がナット固定部材241の上に載置されることなく、取付具245は、直接的にナット固定部材241に締結されてもよい。
回動軸部材243は、図15(b)に表したように、表面から突出した軸部243aを有する。一方、ナット固定部材241は、図15(b)に表したように、回動軸部材243の軸部243aを挿入可能な軸挿入部241aを有する。そして、図16(c)に表したように、取付具246によりケースプレート220に取り付けられた回動軸部材243の軸部243aが、ナット固定部材241の軸挿入部241aに挿入される。なお、取付方法はこれだけに限定されず、例えば、回動軸部材243の軸部243aがナット固定部材241の軸挿入部241aに挿入され、その後に、ナット固定部材241と連接された回動軸部材243が取付具246によりケースプレート220に取り付けられてもよい。
続いて、図16(a)および図16(b)に表したように、取付具245がナット242に締結されることにより、ナット固定部材241は、便器プレート850あるいは便器800に固定される。このとき、ナット固定部材241は、図16(c)に表したように、ケースプレート220に設けられた凹部223に収められる。そのため、ナット固定部材241がケースプレート220の底面と干渉することはなく、ケースプレート220がナット固定部材241との干渉により便器800の上面820から浮き上がることはない。また、ナット固定部材241は、凹部223に収められ、トイレ装置の外部から見られることはないため、トイレ装置の意匠性が損なわれることはない。
そして、回動軸部材243の軸部243aは、図16(a)に表した矢印A4のように、ナット固定部材241の軸挿入部241aの内部において回動することができる。つまり、回動軸部材243は、軸部243aを中心としてナット固定部材241に対して回動することができる。その結果として、回動軸部材243に固定されたケースプレート220は、ナット固定部材241に固定された便器プレート850および便器800に対して軸部243aを中心として回動することができる。これにより、ケーシング200は、図16(a)に表した矢印A5のように、回動軸部材243の軸部243aを中心として便器800に対して回動することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、昇降部500などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやモータ501、減速ギヤ510、回動軸530および支柱550の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、昇降部500は、ケーシング200の上昇を抑えるストッパ部を有していてもよい。例えば、ストッパ部は、ケーシング200が便器800の上面820から使用者の意図に反して上昇することを抑え、使用者が便座300に座ったときの安定感を確保することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 トイレ装置、 100 衛生洗浄装置、 200 ケーシング、 201 制御部、 210 ケースカバー、 220 ケースプレート、 221 シール材、 223 凹部、 230 昇降部カバー、 231 当接部、 240 固定具、 241 ナット固定部材、 241a 軸挿入部、 242 ナット、 243 回動軸部材、 243a 軸部、 245 取付具、 246 取付具、 300 便座、 400 便蓋、 500 昇降部、 501 モータ、 510 減速ギヤ、 511 第1のギヤ部、 512 第2のギヤ部、 513 第3のギヤ部、 514 第4のギヤ部、 515 第5のギヤ部、 516 第6のギヤ部、 520 トルクリミッタ、 520a トルクリミッタ、 520b トルクリミッタ、 521 入力ギヤ部、 521a スプライン、 521b 駆動フランジ、 522 キャリア、 522a 第1のディスク、 522b スイッチリング、 523 トレランスリング、 523a 第2のディスク、 523b 球、 524 凸部、 524b ばね、 525 出力軸、 525a ロータ軸、 525b 被動フランジ、 526b 第1の溝、 527b 第2の溝、 530 回動軸、 530c 軸、 535b 球、 541 アシストバネ、 550 支柱、 550a 点、 551 一端部、 800 便器、 810 ボウル、 820 上面、 830 パネル、 840 ガイドプレート、 841 底部、 849 当接部、 850 便器プレート、 860 操作部、 861 操作ボタン、 863 表示部、 880 水平面

Claims (5)

  1. 便器のボウルよりも後方における前記便器の上面に設置され機能部品を内蔵するケーシングと、
    前記便器に固定された軸部を有し前記ケーシングの後方側を前記便器に取り付ける固定具と、
    前記軸部を中心として前記ケーシングを回動させ前記ケーシングの前方側を前記上面から上昇させる昇降部と、
    前記昇降部の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記昇降部は、
    前記制御部から送信される信号に基づいてトルクを発生するモータと、
    少なくとも前記トルクを伝達するウォームと、
    少なくとも前記ウォームを介して伝達された前記トルクを伝達するウォームホイールと、
    少なくとも前記ウォームおよび前記ウォームホイールを介して伝達された前記トルクにより回動し前記前方側を前記上面から上昇させる受け部と、
    を有し、
    前記前方側が最も上昇した状態は、前記ウォームと前記ウォームホイールとの間のセルフロックにより維持され
    前記昇降部は、前記ウォームおよび前記ウォームホイールに連結されたトルク遮断機構であって、過負荷が加わると複数の部品が互いに滑ることで前記トルクを減衰させる又は前記トルクを遮断するトルク遮断機構をさらに有し、
    前記トルク遮断機構は、過負荷が加わると、前記受け部から伝達された回動力を減衰させる、あるいは前記回動力を遮断することを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 前記昇降部は、前記ケーシングに設けられ前記ウォームおよび前記ウォームホイールを介して伝達された前記トルクを前記受け部へ伝達する回動軸をさらに有し、
    前記前方側が最も上昇した状態において、前記回動軸の軸と、前記受け部が水平面と当接した点と、を結ぶ直線と、前記受け部からみて前記受け部の回動の方向における前記水平面と、の間のなす角度は、90度よりも小さいことを特徴とする請求項記載の衛生洗浄装置。
  3. 前記トルク遮断機構は、トレランスリングを有することを特徴とする請求項またはに記載の衛生洗浄装置。
  4. 前記昇降部は、前記モータの回転速度を変速する変速ギヤをさらに有し、
    前記トレランスリングは、前記変速ギヤが有する複数のギヤのうちの最下流のギヤの下流側に設けられたことを特徴とする請求項記載の衛生洗浄装置。
  5. 前記モータは、直流モータであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
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