JP4844388B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ装置に関し、特に、表面実装型のアンテナブロックを実装したアンテナ装置に関するものである。
携帯電話等の小型無線通信機器には、小型のアンテナブロックが内蔵されている。図12は、従来のアンテナブロックの構成の一例を示す略斜視図である。
図12に示すように、このアンテナブロック60は、略直方体状の誘電体からなる基体61と、基体61の上面61Aの全面に形成された上面導体部62と、基体61の底面61Bに形成された底面導体部63と、基体の側面61Cに形成された側面導体部64とを備えている。底面導体部63は略コの字状であり、底面61Bの第1の辺61aに沿って設けられた第1のパッド電極63aと、第1の辺61aに対向する第2の辺61bに沿って設けられた第2のパッド電極63bと、第1及び第2の辺61a、61bと直交する第3の辺61cに沿って設けられ、第1のパッド電極63aと第2のパッド電極63bとを接続する接続導体パターン63cとを有している。
上面導体部62は、側面導体部64を介して第2のパッド電極63bと接続されている。これにより、上面導体部62、底面導体部63及び側面導体部64は、一本の放射導体を構成している。底面導体部63のうち、第1のパッド電極63aの一方の端部63xは給電点となり、また上面導体部62のうち、側面導体部64と接する側の端部と反対側の端部62xは放射導体の開放端となる。このようなアンテナブロック60は、小型無線通信機器の実装基板上の所定の実装領域に実装され、給電点63xは整合回路65を介して信号供給源66に接続される。
図13は、図12のアンテナブロック60が実装されたアンテナ装置の構成を示す略斜視図である。
図13に示すように、アンテナ装置70は、アンテナブロック60と、このアンテナブロック60が実装された実装基板71とを備えている。実装基板71上にはアンテナ実装領域72が設けられており、アンテナ実装領域72の周囲3方向はグランドパターン73に囲まれている。アンテナブロック60はアンテナ実装領域72内に設けられた2つのランド74a、74b上に半田付けされる。このような向きでアンテナブロック60を設置した場合、給電点63xが矢印P方向から見て左側のランド74aに接続されることから、左側のランド74aに給電ライン75が接続されたレイアウトとなる。
また、特許文献1には、直方体状の基体の底面に形成された放射電極の給電端側部位と基体の上面に形成された開放端側部位とを非対向に配置形成したアンテナブロックが提案されている。このアンテナブロックによれば、放射電極の給電端側部位と開放端側部位との間の間隔を広げることができ、それら放射電極の給電側部位と開放端側部位との間の結合を抑制することができるため、基体の小型化を図りながら、放射電極の給電端側部位と開放端側部位との間の結合強に起因したアンテナ利得の低下(アンテナ特性の劣化)を防止することができる。
特開2003−124726号公報
図12及び図13に示した従来のアンテナブロックにおいては、基体61の底面に形成された接続導体パターン63cとグランドパターン73の周縁ライン73cとの距離Lがアンテナ特性に大きな影響を与えることが知られている。そのため、接続導体パターン63cとグランドパターン73との位置関係を高精度に制御することが重要である。しかしながら、従来のアンテナブロックにおいては、基体11上の各導体パターンがスクリーン印刷によって形成されており、印刷精度が十分でないため、アンテナブロック60を正しく実装したとしても接続導体パターン63cとグランドパターン73の周縁ライン73cとの位置関係がずれてしまい、所望のアンテナ特性を得られない場合があった。また、アンテナ実装位置がずれた場合にはアンテナ特性がさらに低下するという問題があった。
また、この種のアンテナブロックには、実装基板上のどの位置にどのような向きで搭載したとしても特性が良好であることが要求されている。ここで、上述した従来のアンテナブロック60は、上下面の導体パターンの形状が異なっているため、給電位置が一方のランド74aから反対側のランド74bに変わる場合にはチップの向きを180度回転させる必要がある。しかしながら、この場合、基体61の長手方向に沿った接続導体パターン63cが、これと平行なグランドパターン73の周縁ライン73cに近づいてしまい、グランドパターン73に対するアンテナ構造が変化してしまう。つまり、給電方向によってグランドパターン73との相対位置が変化してしまい、整合回路65の素子値や放射パターンが大幅に変わってしまうという問題がある。
したがって、本発明の目的は、アンテナ導体とグランドパターンとの位置関係を高精度に制御でき、給電位置によらず良好なアンテナ特性を得ることが可能なアンテナ装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、アンテナブロックと、アンテナブロックが実装された実装基板とを備え、アンテナブロックは、略直方体状の誘電体又は磁性体からなる基体と、基体の上面に形成された上面導体部と、基体の底面に形成された第1及び第2のパッド電極と、上面導体部と少なくとも第2のパッド電極とを接続する接続導体部とを備え、実装基板は、アンテナ実装領域と、アンテナ実装領域に隣接して設けられたグランドパターンと、第1及び第2のパッド電極の位置に対応してアンテナ実装領域内に設けられた第1及び第2のランドと、アンテナブロックの実装面内に設けられ、第2のランドと給電ラインとを接続する接続導体パターンとを備えることを特徴とするアンテナ装置によって達成される。この場合において、給電ラインが第1のランドに接続されており、接続導体パターンは、第1のランドを介して、第2のランドと給電ラインとを接続することが好ましい。
本発明によれば、接続導体パターンがアンテナブロック側の導体ではなく、実装基板上の導体であることから、グランドパターンと同一工程にて同時に形成することができる。したがって、接続導体パターンとグランドパターンとの間の位置精度を十分に確保することができ、アンテナ特性の変動を大幅に低減することができる。
本発明において、第1のパッド電極は基体の底面の第1の辺に沿って設けられており、第2のパッド電極は第1の辺に対向する第2の辺に沿って設けられていることが好ましい。これによれば、アンテナブロックを180度回転させたとしても、ランドとパッド電極の位置を一致させることができる。
本発明において、接続導体パターンは、アンテナブロックの実装面内のうち、当該接続導体パターンと平行なグランドラインの周縁ラインから最も遠ざかる位置に設けられていることが好ましい。これによれば、接続導体パターンがグランドパターンの第3の周縁ラインから十分に引き離され、グランドパターンからできるだけ逃げたレイアウトになっているので、良好なアンテナ特性を得ることができる。
本発明において、アンテナブロックは、基体の底面に形成され、第1及び第2のパッド電極の少なくとも一方から絶縁されたダミー電極をさらに備え、ダミー電極は、接続導体パターンと対向する位置に設けられていることが好ましい。この場合において、ダミー電極の幅は、接続導体パターンの幅よりも狭いことが好ましい。これによれば、アンテナブロックの過度な浮き上がりを防止し、実装基板との間のギャップを最小限に抑えることができ、アンテナ特性を安定化させることができる。また、ダミー電極の幅が接続導体パターンの幅よりも狭く、ダミー電極が接続導体パターンからはみ出すことがないため、ダミー電極がアンテナ特性に悪影響を及ぼすことがない。
実装基板は、第1及び第2のランドの形成領域内に設けられたスルーホールをさらに備えることが好ましい。これによれば、アンテナブロックの実装時における余分な半田をスルーホール内に逃がすことができるので、アンテナブロックの過度な浮き上がりを防止し、実装基板との間のギャップを最小限に抑えることができ、アンテナ特性を安定化させることができる。
接続導体部は、上面導体部と第2のパッド電極とを接続する第1の接続導体部と、上面導体部と第1のパッド電極とを接続する第2の接続導体部を含み、実装基板は、給電ラインに接続された給電用ランドをさらに備え、接続導体パターンは、給電用ランドを介して、第2のランドと給電ラインとを接続することが好ましい。これによれば、アンテナブロックの向きを変えなくても、実装基板上の導体パターンを変更するだけで、給電位置の変更に対応することができる。
本発明においては、接続導体部がスルーホール導体であることが好ましい。スルーホール導体を用いた場合には、半田フィレットの広がりを抑え、アンテナブロックの実装面積を縮小することができる。また、スルーホールを適用することによりエッジ効果(電流が導体の端を流れる現象)を抑えることができ、アンテナ特性を向上させることが可能である。
このように、本発明のアンテナ装置は、前記上面導体部、前記接続導体部、前記第2のパッド電極、前記接続導体パターン、及び前記第1のパッド電極が放射導体としての機能を果たすことを特徴としている。
本発明の上記目的はまた、アンテナブロックの上面に形成された上面導体部と、アンテナブロックの底面に形成された第1及び第2のパッド電極と、上面導体部と少なくとも第2のパッド電極とを接続する接続導体部と、アンテナブロックの実装基板上に設けられ第2のパッド電極と給電ラインとを接続する接続導体パターンとが放射導体としての機能を果たすことを特徴とするアンテナ装置によっても達成される。
本発明の上記目的はまた、アンテナブロックの上面に形成された上面導体部と、アンテナブロックの底面に形成された第1及び第2のパッド電極と、上面導体部と第2のパッド電極とを接続する接続導体部と、アンテナブロックの実装基板上に設けられ第1のパッド電極と第2のパッド電極とを接続する接続導体パターンとが放射導体としての機能を果たすことを特徴とするアンテナ装置によっても達成される。
このように、本発明によれば、アンテナ導体の印刷精度の影響を受けることなく、アンテナ特性が良好なアンテナ装置を提供することができる。また、本発明によれば、チップの向きを変えることによってその給電位置を変更したとしても、その構造及び特性が良好なアンテナ装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。また、図2は、図1に示すアンテナブロックの展開図である。
図1及び図2に示すように、このアンテナ装置100は、アンテナブロック10と、このアンテナブロック10が実装された実装基板20とを備えている。
アンテナブロック10は、直方体状の誘電体からなる基体11と、基体11の上面11Aの略全面に形成された上面導体部12と、基体11の底面11Bに形成された第1及び第2のパッド電極13、14と、上面導体部12と第2のパッド電極14とを接続する複数のスルーホール導体15とを備えている。上面導体部12の一端は開放端をなしており、他端はスルーホール導体15を介して第2のパッド電極14に接続されている。第1及び第2のパッド電極13、14は共に矩形状のパターンであり、基体11の長手方向の両端部にそれぞれ形成されている。詳細には、第1のパッド電極13は、基体11の底面11Bの第1の辺11aに接して設けられており、第2のパッド電極14は、第1の辺11aに対向する第2の辺11bに接して設けられている。スルーホール導体15は、基体11の上面11Aから底面11Bまでを貫通しており、これにより上面導体部12と第2のパッド電極14との間の電気的接続が図られている。特に、アンテナブロック10が図示のX−X線を対称軸として左右対称となるように、スルーホール導体15が配置されていることが好ましい。これによれば、後述する給電位置の変更に合わせてその向きを180度回転させたとしても同一のアンテナ構造を得ることができるからである。
実装基板20は、アンテナ実装領域21と、アンテナ実装領域21に隣接して設けられたグランドパターン22と、アンテナ実装領域21内に設けられた第1及び第2のランド23、24と、第1のランド23と第2のランド24とを接続する接続導体パターン25と、第1のランド23に接続された給電ライン26とを備えている。
本実施形態においては、アンテナ実装領域21の周囲3方向がグランドパターン22に囲まれている。つまり、アンテナ実装領域21は、グランドパターン22の第1の周縁ライン22aと、第1の周縁ライン22aと対向する第2の周縁ライン22bと、第1及び第2の周縁ライン22a、22bとほぼ直交する第3の周縁ライン22cに囲まれている。アンテナ実装領域21内の第1及び第2のランド23、24は、アンテナブロック10の第1及び第2のパッド電極13、14にそれぞれ対応しており、第1のランド23は第1の周縁ライン22aに近接しており、第2のランド24は第2の周縁ライン22bに近接している。アンテナブロック10の第1及び第2のパッド電極13、14はこれらのランド23、24にそれぞれ半田付けされる。ランド23、24とグランドパターン22との間には最大幅Wのクリアランスが設けられている。このクリアランスは、所望のアンテナ特性が得られる限りにおいてできるだけ狭い方が好ましい。
第1のランド23には給電ライン26が接続されており、第1のランド23と給電ライン26の間には直列インダクタ27a及び並列インダクタ27bからなる整合回路27が挿入されている。右側のランド24はアンテナブロック10を固定するための独立したパターンである。
接続導体パターン25は、第1のランド23と第2のランド24とを電気的に接続する直線状の導体であって、アンテナブロック10の長手方向、つまりグランドパターン22の第3の周縁ライン22cと平行に設けられている。本実施形態の接続導体パターン25はレジストに覆われ、表面の絶縁性が確保されているが、第1及び第2のランド23、24と同様に露出していてもよい。
アンテナ特性を良好にするためには、接続導体パターン25から第3の周縁ライン22cまでの距離Lはできるだけ長い方が好ましい。ただし、誘電体によるアンテナの波長短縮効果を得るためには、接続導体パターン25の全面がアンテナブロック10の実装面内に収まっていることが必要とされる。したがって、接続導体パターン25は、グランドパターン22の第3の周縁ライン22cから最も遠ざかる第1及び第2のランド23、24の幅方向(基体11の長手方向と直交する方向)の端部に設けられている。このように、接続導体パターン25がグランドパターン22の第3の周縁ライン22cから十分に引き離され、グランドパターンからできるだけ逃げたレイアウトになっているので、良好なアンテナ特性を得ることができる。
アンテナブロック10を実装基板20上に実装したとき、第1のパッド電極13と第2のパッド電極14とは、実装基板20上の接続導体パターン25によって電気的に接続される。また、上面導体部12と第2のパッド電極14とは、スルーホール導体15を介して電気的に接続されている。したがって、上面導体部12、スルーホール導体15、第2のパッド電極14、接続導体パターン25及び第1のパッド電極13は、一本の連続する放射導体を構成している。このように、放射導体が基体11の複数の面にわたって形成されているので、基体11自体を小型化しても所望の電気長を確保することができる。このような形状のアンテナブロックは一般に折り返しモノポールアンテナと呼ばれている。
図3は、アンテナ装置100の変形例を示す略斜視図である。
図3に示すように、実装基板20上のパターンレイアウトは、図1及び図2のパターンレイアウトとY−Y線を対称軸として左右対称である。つまり、第1のランド23はアンテナブロック10を固定するための独立したパターンであるが、第2のランド24は整合回路27を介して給電ライン26に接続されている。一方、アンテナブロック10の向きは、上面11A及び底面11Bを貫く軸を中心として180度回転した状態で実装される。したがって、基体11の底面11Bの第1の辺11aがグランドパターン22の第2の周縁ライン22bと向かい合い、第2の辺11bがグランドパターン22の第1の周縁ライン22aと向かい合った状態となる。そしてアンテナブロック10の第1のパッド電極13は第2のランド24に接続され、第2のパッド電極14は第1のランド23に接続される。
この変形例においても、アンテナブロック10を実装基板20上に実装したとき、第1のパッド電極13と第2のパッド電極14とが実装基板20上の接続導体パターン25によって電気的に接続される。また、上面導体部12と第2のパッド電極14とは、スルーホール導体15を介して電気的に接続されている。したがって、上面導体部12、スルーホール導体15、第2のパッド電極14、接続導体パターン25及び第1のパッド電極13は、一本の連続する放射導体を構成している。
また、接続導体パターン25は、第3の周縁ライン22cから最も遠ざかる第1及び第2のランド23、24の幅方向(基体11の長手方向と直交する方向)の端部に設けられている。このように、接続導体パターン25がグランドパターン22の第3の周縁ライン22cから十分に引き離され、グランドパターンからできるだけ逃げたレイアウトになっているので、良好なアンテナ特性を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、接続導体パターン25がアンテナブロック10側の導体ではなく、実装基板20上の導体であることから、グランドパターン22と同一工程にて同時に形成することができる。したがって、接続導体パターン25とグランドパターン22との間の位置精度を十分に確保することができ、アンテナ特性の変動を大幅に低減することができる。また、第1及び第2のパッド電極13、14間を接続する接続導体パターン25がグランドパターン22の第3の周縁ライン22cから引き離されることから、グランドパターン22の影響によるアンテナ特性の低下を抑えることができる。また、グランドパターン22とアンテナ実装領域21との間のクリアランス幅を狭めることができ、これにより実装基板20上の無駄な領域を削減し、さらなる高密度実装を実現することができる。
また、従来のアンテナブロックにおいては、接続導体パターン25がアンテナブロック10側に形成されていたため、給電位置に合わせてアンテナブロック10の向きを180度回転させると接続導体パターン25がグランドパターン22の第3の周縁ライン22cに近づいてしまうという問題があった。しかしながら、本実施形態によれば、そのような問題がなく、給電位置が変わったとしても、接続導体パターン25とグランドパターン22との間の位置関係を一定にすることができる。つまり、専用のアンテナブロックを別途用意しなくても、第1のランド23からの給電と第2のランド24からの給電の両方に対応することができる。
図4は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。また、図5は、図4に示すアンテナブロックの展開図である。
図4及び図5に示すように、このアンテナ装置200は、基体11の底面11Bに形成された2つのダミー電極16a、16bを備える点を特徴としている。ダミー電極16aは、アンテナブロック10が図4に示す向きに載置される場合に接続導体パターン25の上面に配置される導体パターンであり、ダミー電極16bは、アンテナブロック10が図4に示す向きとは逆向きに載置される場合に接続導体パターン25の上面に配置される導体パターンである。これらは、接続導体パターン25と同様、基体11の長手方向に沿った細長い形状を有するが、第1及び第2のパッド電極13、14には接続されておらず、第1及び第2のパッド電極13、14から絶縁された独立パターンとして形成されている。また、ダミー電極16a、16bは互いに絶縁されており、両者は対称性を有している。
これらのダミー電極16a、16bの幅は、接続導体パターン25よりも狭いほうが好ましい。ダミー電極16a、16bを含めた基体11上の導体パターンはスクリーン印刷により形成され、印刷位置に多少のばらつきが生じるが、たとえダミー電極16a、16bの位置がずれたとしても、接続導体パターン25の範囲内に収まっていれば、アンテナ特性に影響しないからである。なお、その他の構成については第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第1の実施形態のように、ダミー電極16a、16bが存在しない場合には、アンテナブロック10を実装基板20上に実装したとき、接続導体パターン25とアンテナブロック10との間に僅かなギャップが生じる可能性がある。しかしながら、ダミー電極16a、16bが存在する場合には、ダミー電極16a、16bのいずれか一方が実装基板20上の接続導体パターン25と接して、アンテナブロック10と実装基板20との間のギャップがなくなるので、アンテナ特性を安定化させることができる。
図6は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。また、図7は、図6に示すアンテナブロックの展開図である。
図6及び図7に示すように、このアンテナ装置300は、基体11の底面11Bに形成された4つのダミー電極16c乃至16fを備える点を特徴としている。ダミー電極16c、16dは、アンテナブロック10がこの向きのときに接続導体パターン25の上面に配置される導体パターンであり、ダミー電極16e、16fは、アンテナブロック10が逆向きの時に接続導体パターン25の上面に配置される導体パターンである。これらは、接続導体パターン25と同様、基体11の長手方向に沿った細長い形状を有している。
ダミー電極16cの一端は第1のパッド電極13に接続され、ダミー電極16dの一端は第2のパッド電極14に接続されているが、ダミー電極16cとダミー電極16dの他端同士は接続されておらず、所定幅のギャップを介した絶縁状態となっている。また、ダミー電極16eの一端は第1のパッド電極13に接続され、ダミー電極16fの一端は第2のパッド電極14に接続されているが、ダミー電極16cとダミー電極16dの他端同士は接続されておらず、所定幅のギャップを介した絶縁状態となっている。
これらのダミー電極16c乃至16fの幅は、接続導体パターン25よりも狭いほうが好ましい。ダミー電極16c乃至16fを含めた基体11上の導体パターンはスクリーン印刷により形成され、印刷位置に多少のばらつきが生じるが、たとえダミー電極16c乃至16fの位置がずれたとしても、接続導体パターン25の範囲内に収まっていれば、アンテナ特性に影響しないからである。なお、その他の構成については第2の実施形態に係るアンテナ装置200と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第2の実施形態と同様、ダミー電極16c乃至16fが存在する場合には、ダミー電極16c、16dからなる導体パターン、又はダミー電極16e、16fからなる導体パターンのいずれか一方が実装基板20上の接続導体パターン25と接して、アンテナブロック10と実装基板20との間のギャップがなくなるので、アンテナ特性を安定化させることができる。なお、ダミー電極の形状は、第2及び第3の実施形態に示したものに限定されず、種々の形状を採用することが可能である。
図8は、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。
図8に示すように、このアンテナ装置400は、実装基板20上の第1及び第2のランド23、24の形成領域内にスルーホール28が設けられている点に特徴を有している。その他の構成は第1の実施形態と同様であるため、説明は省略する。本実施形態によれば、アンテナブロック10の実装時における余分な半田をスルーホール28内に逃がすことができるので、アンテナブロック10の過度な浮き上がりを防止し、実装基板20との間のギャップを最小限に抑えることができ、アンテナ特性を安定化させることができる。なお、本実施形態は、第2及び第3の実施形態との組み合わせがさらに効果的である。
図9は、本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略平面図であって、特に、図9(a)は基体11の底面11Bの電極パターンを示す投影図、図9(b)及び(c)は実装基板上のアンテナ実装領域内の導体パターンの平面図をそれぞれ示している。尚、第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9(a)に示すように、このアンテナ装置500のアンテナブロック10は、上面導体部12と第2のパッド電極14とを接続するスルーホール導体15aと、上面導体部と第1のパッド電極13とを接続するスルーホール導体15bとを備えている。そのため、アンテナブロック10の導体構造は、図示のY−Y線を対称軸として左右対称となっている。
一方、図9(b)に示すように、実装基板20上のアンテナ実装領域には、第1及び第2のランド23、24と、第1のランド23と近接し且つ平行に設けられた給電ランド29と、第2のランド24と給電ランド29とを接続する接続導体パターン25が設けられている。そして、給電ライン26は、第1のランド23ではなく、第1のランド23側に設けられた給電ランド29に接続されている。
アンテナブロックの実装時には、アンテナブロック10の第1のパッド電極13が第1のランド23に接続され、第2のパッド電極14が第2のランド24に接続される。これにより、(第1のパッド電極13、スルーホール導体15b、)上面導体部12、スルーホール導体15a、第2のパッド電極14、第2のランド24、接続導体パターン25、及び給電ランド29は、一本の連続する放射導体を構成している。
図9(c)に示す導体パターンは、図9(b)の導体パターンと左右対称である。実装基板20上のアンテナ実装領域には、第1及び第2のランド23、24と、第2のランド24と近接し且つ平行に設けられた給電ランド29と、第1のランド23と給電ランド29とを接続する接続導体パターン25が設けられている。そして、給電ライン26は、第2のランド24ではなく、第2のランド24側に設けられた給電ランド29に接続されている。
アンテナブロックの実装時には、アンテナブロック10の第1のパッド電極13が第1のランド24に接続され、第2のパッド電極14が第2のランド24に接続される。つまり、アンテナブロック10の向きが特に変わることはない。しかし、これにより、(第2のパッド電極14、スルーホール導体15a、)上面導体部12、スルーホール導体15b、第2のパッド電極14、第2のランド24、接続導体パターン25、及び給電ランド29は、一本の連続する放射導体を構成している。
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置500によれば、第1の実施形態による発明の効果に加えて、アンテナブロックの向きを変えることなく、実装基板上の導体パターンを変更するだけで給電位置を変更することができる。
図10は、本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略平面図であって、特に、図10(a)は基体11の底面11Bの電極パターンを示す投影図、図10(b)及び(c)は実装基板上のアンテナ実装領域内の導体パターンの平面図をそれぞれ示している。尚、第1の実施形態に係るアンテナ装置100と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図10(a)に示すように、このアンテナ装置600は、上面導体部12と第2のパッド電極14とを接続するスルーホール導体15aと、上面導体部と第1のパッド電極13とを接続するスルーホール導体15bと、第1及び第2のパッド電極13、14から絶縁されたダミー電極16g、16h及び16iとを備えている。ダミー電極16gは第1のパッド電極13と平行に設けられた細長い導体部分であり、ダミー電極16hは第2のパッド電極14と平行に設けられた細長い導体部分であり、ダミー電極16iは、ダミー電極16gとダミー電極16hとを接続する細長い導体部分である。これにより、ダミー電極16g乃至16iはコの字型の連続した導体パターンを構成している。また、アンテナブロック10の導体構造は、図示のY−Y線を対称軸として左右対称となっている。
一方、図10(b)に示すように、実装基板20上のアンテナ実装領域には、第1及び第2のランド23、24と、第1のランド23と近接し且つ平行に設けられた給電ランド29と、第2のランド24と給電ランド29とを接続する接続導体パターン25が設けられている。給電ランド29はダミー電極16gに対応しており、第2のランド24は、ダミー電極16hと第2のパッド電極14の両方をカバーしている。そして、給電ライン26は、第1のランド23ではなく、第1のランド23側に設けられた給電ランド29に接続されている。
アンテナブロックの実装時には、第1のパッド電極13が第1のランド23に接続され、第2のパッド電極14及びダミー電極16hが共に第2のランド24に接続される。これにより、(第1のパッド電極13、スルーホール導体15b、)上面導体部12、スルーホール導体15a、第2のパッド電極14a、第2のランド24、接続導体パターン25及び給電ランド23bは、一本の連続する放射導体を構成している。
図10(c)に示す導体パターンは、図10(b)の導体パターンと左右対称である。実装基板20上のアンテナ実装領域には、第1及び第2のランド23、24と、第2のランド24と近接し且つ平行に設けられた給電ランド29と、第1のランド23と給電ランド29とを接続する接続導体パターン25が設けられている。そして、給電ライン26は、第2のランド24ではなく、第2のランド24側に設けられた給電ランド29に接続されている。
アンテナブロックの実装時には、第2のパッド電極14が第2のランド24に接続され、第1のパッド電極13及びダミー電極16gが共に第1のランド23に接続される。これにより、(第1のパッド電極14、スルーホール導体15a、)上面導体部12、スルーホール導体15b、第1のパッド電極13a、第1のランド23、接続導体パターン25及び給電ランド24bは、一本の連続する放射導体を構成している。
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置600によれば、第1の実施形態による発明の効果に加えて、アンテナブロックの向きを変えることなく、実装基板上の導体パターンを変更するだけで給電位置を変更することができる。また、接続導体パターン25や給電ランド29の上面に接してダミー電極16g乃至iが設けられることから、第2及び第3の実施形態と同様、アンテナ特性を安定化させることができる。
図11は、アンテナブロック10の構成の他の例を示す展開図である。
図11に示すように、このアンテナブロック10は、上面導体部12と第2のパッド電極14とを側面導体部30で接続している点を特徴としている。つまり、第1の実施形態においてスルーホール導体15の代わりに側面導体部30を用いたものである。このように、側面導体部30を用いた場合には、スルーホール導体15と同様、一本の放射導体を構成することができる。ただし、スルーホール導体15を用いた場合には、半田フィレットの広がりを抑え、アンテナブロック10の実装面積を縮小することができる。また、スルーホールを適用することによりエッジ効果(電流が導体の端を流れる現象)を抑えることができ、アンテナ特性を向上させることが可能である。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を加えることが可能であり、それらも本発明の範囲に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、アンテナ実装領域の周囲3方向がグランドパターンに囲まれている場合を例に挙げたが、周囲2方向が囲まれていてもよく、さらには一方向のみグランドパターンが存在していてもかまわない。
また、上記実施形態においては、直方体状の誘電体からなる基体11を用いているが、誘電体以外に誘電性を有する磁性体を用いてもよい。この場合、1/√(ε×μ)の波長短縮効果が得られるので、透磁率μの高い磁性体を用いることによって、大きな波長短縮効果が得られる。また、μ/εが電極のインピーダンスを決定するため、μの高い磁性体を用いることによってインピーダンスが高まる。これにより、高すぎるアンテナのQを低下させて、広帯域特性を得ることができる。また、直方体状の基体11は、実質的に直方体であればよく、例えば、直方体の角部にその向きを特定するためのテーパーが設けられていても構わない。
また、上記実施形態においては、接続導体パターン25が、グランドパターン22の第3の周縁ライン22cから最も遠ざかる第1及び第2のランド23、24の幅方向の端部に設けられているが、最も遠ざかる位置であることは必須でなく、グランドパターン22への多少の接近は許容される。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。 図2は、図1に示すアンテナブロックの展開図である。 図3は、アンテナ装置100の変形例を示す略斜視図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。 図5は、図4に示すアンテナブロックの展開図である。 図6は、本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。 図7は、図6に示すアンテナブロックの展開図である。 図8は、本発明の第4の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略分解斜視図である。 図9は、本発明の第5の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略平面図である。 図10は、本発明の第6の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す略平面図である。 図11は、本発明に係るアンテナブロック10の構成の他の例を示す展開図である。 図12は、従来のアンテナブロックの構成の一例を示す略斜視図である。 図13は、アンテナブロック60を実装基板上に実装した状態を示す略斜視図である。
符号の説明
10 アンテナブロック
11 基体
11A 基体の上面
11B 基体の底面
11C 基体の第1の側面
11D 基体の第1の側面
11E 基体の第1の側面
11F 基体の第1の側面
11a 基体の底面の第1の辺
11b 基体の底面の第2の辺
12 上面導体部
13 第1のパッド電極
13a 第1のパッド電極
13b ダミー電極
13c ギャップ
14 第2のパッド電極
14a 第2のパッド電極
14b ダミー電極
14c ギャップ
15 スルーホール導体
15a スルーホール導体
15b スルーホール導体
16a ダミー電極
16b ダミー電極
16c ダミー電極
16d ダミー電極
16e ダミー電極
16f ダミー電極
16g ダミー電極
16h ダミー電極
16i ダミー電極
20 実装基板
21 アンテナ実装領域
22 グランドパターン
22a グランドパターンの第1の周縁ライン
22b グランドパターンの第2の周縁ライン
22c グランドパターンの第3の周縁ライン
23 第1のランド
24 第2のランド
25 接続導体パターン
26 給電ライン
27 整合回路
27a 直列インダクタ
27b 並列インダクタ
28 スルーホール
29 給電ランド
30 側面導体部
60 アンテナブロック
61 基体
61A 上面
61C 側面
61B 底面
61a 基体の底面の第1の辺
61b 基体の底面の第2の辺
61c 基体の底面の第3の辺
62 上面導体部
62x 上面導体部の端部
63 底面導体部
63a 第1のパッド電極
63b 第2のパッド電極
63c 接続導体パターン
63x 給電点
64 側面導体部
65 整合回路
66 信号供給源
70 アンテナ装置
71 実装基板
72 アンテナ実装領域
73 グランドパターン
73c 周縁ライン
74a 第1のランド
74b 第2のランド
75 給電ライン
100 アンテナ装置
200 アンテナ装置
300 アンテナ装置
400 アンテナ装置
500 アンテナ装置
600 アンテナ装置

Claims (7)

  1. アンテナブロックと、前記アンテナブロックが実装された実装基板とを備え、
    前記アンテナブロックは、
    略直方体状の誘電体又は磁性体からなる基体と、
    前記基体の上面に形成された上面導体部と、
    前記基体の底面に形成された第1及び第2のパッド電極と、
    前記上面導体部と少なくとも前記第2のパッド電極とを接続する接続導体部とを備え、
    前記実装基板は、
    アンテナ実装領域と、
    前記アンテナ実装領域に隣接して設けられたグランドパターンと、
    前記第1及び第2のパッド電極の位置に対応して前記アンテナ実装領域内に設けられた第1及び第2のランドと、
    前記アンテナブロックの実装面内に設けられ、前記第2のランドと給電ラインとを接続する接続導体パターンとを備え、
    前記接続導体パターンは、前記アンテナブロックの実装面内のうち、当該接続導体パターンと平行な前記グランドパターンの周縁ラインから最も遠ざかる位置に設けられていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記給電ラインが前記第1のランドに接続されており、
    前記接続導体パターンは、前記第1のランドを介して、前記第2のランドと給電ラインとを接続することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記アンテナブロックは、
    前記基体の底面に形成され、前記第1及び第2のパッド電極の少なくとも一方から絶縁されたダミー電極をさらに備え、
    前記ダミー電極は、前記接続導体パターンと対向する位置に設けられており、
    前記ダミー電極の幅は、前記接続導体パターンの幅よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記実装基板は、
    前記第1及び第2のランドの形成領域内に設けられたスルーホールをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記接続導体部は、前記上面導体部と前記第2のパッド電極とを接続する第1の接続導体部と、前記上面導体部と前記第1のパッド電極とを接続する第2の接続導体部を含み、
    前記実装基板は、
    前記給電ラインに接続された給電用ランドをさらに備え、
    前記接続導体パターンは、前記給電用ランドを介して、前記第2のランドと前記給電ラインとを接続することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  6. 前記接続導体部がスルーホール導体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記上面導体部、前記接続導体部、前記第2のパッド電極、前記接続導体パターン、及び前記第1のパッド電極が放射導体としての機能を果たすことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアンテナ装置。
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