JP4843887B2 - 密封容器 - Google Patents
密封容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4843887B2 JP4843887B2 JP2001287640A JP2001287640A JP4843887B2 JP 4843887 B2 JP4843887 B2 JP 4843887B2 JP 2001287640 A JP2001287640 A JP 2001287640A JP 2001287640 A JP2001287640 A JP 2001287640A JP 4843887 B2 JP4843887 B2 JP 4843887B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- side edge
- sealed container
- body member
- fixing
- opening end
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Cartons (AREA)
- Packages (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は密封容器に関係しており、より詳細には、筒形状の胴部材と、胴部材の一方の開口に固定され上記一方の開口を閉塞する第1の蓋部材と、そして、胴部材の他方の開口に固定され上記他方の開口を閉塞する第2の蓋部材と、を備えている密封容器に関係している。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄板状の素材から上述した如き構成により容易に安価に密封容器を作成することは行なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、密封容器の密封性の程度を高める為に、胴部材の為の素材を胴部材に成形する為に必要な自身の複数の部分の相互の固定、そして胴部材の素材に対する第1及び第2の蓋部材の夫々の為の素材の固定を強固にすると、密封容器の開封が困難になる。
【0004】
この発明は上記事情の下で為され、この発明の目的は、従来に比べ容易に安価に製造することが出来るとともに密封性の程度を高めても開封が容易である密封容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述したこの発明の目的を達成する為に、この発明に従った密封容器は:密封性を有した薄板状の素材の両側縁部を重複して筒形状にした胴部材と;密封性を有した薄板状の素材により形成され、胴部材の一方の開口端部に固定され上記一方の開口端部の開口を閉塞する第1の蓋部材と;密封性を有した薄板状の素材により形成され、胴部材の他方の開口端部に固定され上記他方の開口端部の開口を閉塞する第2の蓋部材と;そして、胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に設けられて外部に露出されており、外力が負荷されて上記外方に位置した側縁部に上記外力を伝達し、上記外力により上記重複部位において内方に位置した側縁部からの上記外方に位置した側縁部の遠ざけを可能にするとともに、引き続き第1の蓋部材及び第2の蓋部材に対する胴部材の一方の開口端部及び他方の開口端部の固定を解除可能にする取っ手部材と;を備えている。
そして、第1の蓋部材が、胴部材の一方の開口端部の開口の横断面形状及び寸法と同じ形状及び寸法を有した本体と、本体の周囲に設けられた張り出し部と、を含んでおり、胴部材の一方の開口端部の開口中に本体が配置され、上記一方の開口端部の内周面に張り出し部が固定されていて、
上記第2の蓋部材が上記胴部材の他方の開口端部の開口の横断面形状及び寸法と同じ形状及び寸法を有した本体と、本体の周囲に設けられた張り出し部と、を含んでおり、上記胴部材の上記他方の開口端部の開口中に本体が配置され、上記他方の開口端部の内周面に張り出し部が固定されており、
上記胴部材の上記素材における上記両側縁部の上記重複部位は上記両側縁部に沿い相互に固定されているとともに、上記固定は上記固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理を伴い行なわれており、
上記固定は、上記取っ手部材に対応した部分がそれ以外の部分よりも上記取っ手部材の先端に接近して行なわれていて、
上記取っ手部材は、上記外方に位置した側縁部において上記胴部材の長手方向中心線に沿った方向における中央部分から上記内方に位置している側縁部の外表面に沿い突出し、
上記取っ手部材において上記長手方向中心線に沿った方向に位置している両端縁は、上記取っ手部材の先端から上記外方に位置した側縁部に向かうにつれて徐々に上記長手方向中心線に沿った方向における夫々の外方に向かい拡大する湾曲面により構成されている、
ことを特徴としている。
【0006】
上記胴部材の上記重複部位は密封処理されていても良い。
【0007】
上記密封処理は、上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において内方に位置した側縁部の端面と、上記側縁部の内表面及び外表面における上記端面に隣接した部分と、を覆う密封テープにより行なわれていても良い。
【0008】
上記密封テープにおいて上記側縁部の外表面における上記端面に隣接した部分を覆う外表面隣接部分は、上記側縁部の長手方向に沿い連続して上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に固定されていても良い。
【0009】
上記記密封テープの上記外表面隣接部分又は上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部の内表面は、上記固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理されていても良い。
【0010】
上記固定は、ヒートシールにより行なわれていても良い。
【0011】
上記固定は、上記取っ手部材に対応した部分がそれ以外の部分よりも上記取っ手部材の先端に接近して行なわれていても良い。
【0015】
上記薄板状材料が遮光性を有していても良い。
【0016】
上記第1の蓋部材の上記張り出し部が上記胴部材の一方の開口端部の内周面の全周に渡り連続して固定されているとともに、上記第2の蓋部材が上記胴部材の他方の開口端部の内周面の全周に渡り連続して固定されていても良い。
【0017】
上記第1の蓋部材の上記張り出し部及び上記第2の蓋部材の上記張り出し部、又は上記胴部材の上記素材の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面が、上記胴部材の上記素材において上記重複部位で外方に位置した側縁部に続く所望の長さの部位の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面に対する固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理されていても良い。
【0018】
上記胴部材の一方の開口端部の内周面に対する上記第1の蓋部材の上記張り出し部の固定及び上記胴部材の他方の開口端部の内周面に対する上記第2の蓋部材の上記張り出し部の固定がヒートシールにより行なわれていても良い。
【0019】
上記第1の蓋部材の上記張り出し部及び上記第2の蓋部材の上記張り出し部、又は上記胴部材の上記素材の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面が、上記胴部材の上記素材において上記重複部位で外方に位置した側縁部に続く所望の長さの部位の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面に対する上記第1の蓋部材の上記張り出し部及び上記第2の蓋部材の上記張り出し部のヒートシールの強度を所望の強さに調節するヒートシール強度調節処理されていても良い。
【0020】
上記取っ手部材が上記胴部材の上記素材とは別体に形成され、上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に固定されていても良い。
【0021】
上記取っ手部材が上記胴部材の上記素材と一体に形成されて上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に固定されていても良い。
【0024】
上記胴部材の上記素材における上記両側縁部の上記重複部位は上記両側縁部に沿いヒートシールにより相互に固定されているとともに上記ヒートシールは上記ヒートシールの固定強度を所望の強度に調節するヒートシール強度調節処理を伴い行なわれていても良い。
【0025】
上記ヒートシールは上記取っ手部材に対応した部分がそれ以外の部分よりも上記取っ手部材の先端に接近して行なわれていても良い。
【0026】
以下、この発明の一実施の形態及びその種々の変形例を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
【発明の実施の形態】
先ず最初に、この発明の一実施の形態に従った密封容器について添付の図面中の図1乃至図4を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
なお、図1の(A)は、この発明の一実施の形態に従った密封容器の概略的な斜視図であり;図1の(B)は、図1の(A)のB−B線に沿った概略的な縦断面図であり;図2の(A)は、図1の(A)の密封容器の筒状の胴部材の展開図であり;図2の(B)は、図2の(A)の展開されている胴部材の側面図であり;図3の(A)は、図1の(A)のA−A線に沿った概略的な横断面図であり;図3の(B)は、図3の(A)の横断面図に示されていた密封容器の筒状の胴部材の取っ手に外力が負荷されて密封容器の筒状の胴部材の素材の重複部位の固定が解除され、さらに胴部材の両開口端部の開口を閉塞している第1及び第2の蓋部材の張り出し部に対する胴部材の両開口端部の固定の一部が解除されて、密封容器が開封された状態を示す横断面図であり;そして、図4は、図3の(A)に示されていた密封容器の横断面図に示されていた密封容器の筒状の胴部材の素材の重複部位を、上記重複部位に設けられている密封テープ及び上記重複部位に隣接した第1の蓋部材の張り出し部とともに、拡大した横断面で示す横断面図である。
【0029】
図1の(A)及び(B)中に良く示されている如く、この発明の一実施の形態に従った密封容器10は、筒形状の胴部材12と、胴部材12の一方の開口端部に固定され上記一方の開口を閉塞する第1の蓋部材14と、胴部材12の他方の開口端部に固定され上記他方の開口を閉塞する第2の蓋部材16と、そして胴部材12に設けられて外部に露出されている取っ手部材18と、を備えている。
【0030】
より詳細には、胴部材12は、図2の(A)中に詳細に示されている如き密封性を有した薄板状の素材12aの両側縁部を相互に重複されて図3の(A)中に示されている如き筒形状にされている。この実施の形態では、上記両側縁部は相互の重複部位12bにおいて相互に間接的に固定されているが、相互に直接的に固定されることも出来る。なお重複部位12bにおける薄板状の素材12aの両側縁部の相互に間接的な固定は、この明細書中で後で詳細に説明される。
【0031】
この実施の形態において、胴部材12の横断面は四角筒形状であったが、三角形や四角以上の多角形状であっても良いし、真円形状や楕円形状であっても良い。
【0032】
この実施の形態では、取っ手部材18は胴部材12の素材12aの上記両側縁部の重複部位12bにおいて外方に位置している外方側縁部12a−1と一体に形成されていて、外方側縁部12a−1において胴部材12の長手方向中心線に沿った方向における中央部分から素材12aの上記両側縁部の重複部位12bにおいて内方に位置している内方側縁部12a−2の外表面に沿い突出している。
【0033】
取っ手部材18の先端における上記長手方向中心線に沿った方向の幅は人の指により摘める程度である。上記長手方向中心線に沿った方向における取っ手部材18の両端縁18aは、取っ手部材18の先端から胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1に向うにつれて徐々に上記長手方向中心線に沿った方向における夫々の外方に向かい拡大する比較的大きな湾曲面により構成されている。
【0034】
このような湾曲面は、胴部材12の素材12aの両側縁部の重複部位12bにおける相互の間接的または直接的な固定を解除する為に、取っ手部材18を摘み取っ手部材18に外力を負荷し引っ張った時に、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1よりも幅の狭い取っ手部材18の両端縁18aと外方側縁部12a−1との境界に取っ手部材18に負荷された外力が集中して両端縁18aの少なくともいずれか一方が破れてしまうことを防止している。
【0035】
なお、上記固定を解消する為に取っ手部材18を摘み取っ手部材18に外力を負荷し引っ張った時に、取っ手部材18の両端縁18aと外方側縁部12a−1との境界に取っ手部材18に負荷された外力が集中して両端縁18aの少なくともいずれか一方が破れてしまうことがなければ、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1に対し上記長手方向中心線に沿ったいずれの位置でも外方側縁部12a−1と一体に形成することが出来るし、取っ手部材18の両端縁18aの形状や寸法も自由に調節することが出来る。
【0036】
また、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1と一体に形成されている取っ手部材18と同様に機能できるのであれば、取っ手部材18は、胴部材12の素材12aとは別体に形成されていて、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1の外表面の任意の位置に、例えばヒートシールや接着剤やその他の公知の固定手段により固定されていることが出来る。
【0037】
胴部材12の素材12aの上記両側縁部の重複部位12bにおける密封性の程度を上げるために、この実施の形態では、重複部位12bにおいて内方に位置する内方側縁部12a−2の端面と内方側縁部12a−2の外表面と内表面において上記端面に隣した部位が、胴部材12の長手方向中心線に沿った方向の全域に渡り密封テープ20により覆われている。
【0038】
密封テープ20は、胴部材12の素材12aの内方側縁部12a−2において胴部材12の長手方向中心線に沿った方向で外部空間に露出される長手方向両端から素材12中に含まれる空気透過可能材料に極めて僅かではあるが侵入した空気が、内方縁部12a−2において胴部材12の周方向に沿った端面から胴部材12の内部空間中に漏れ出ることを遮断する。
【0039】
密封テープ20において、胴部材12の素材12aの内方側縁部12a−2の上記外表面を覆った外表面隣接部分の外表面は、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1の内周面に対向しているが、外方側縁部12a−1の内周面に固定されていることが出来る。このことは、胴部材12の素材12aの両側縁部の重複部位12bにおいて内方側縁部12a−2と外方側縁部12a−1とが密封テープ20を介して間接的に固定されていることを意味する。
【0040】
密封テープ20の外表面隣接部分の外表面と胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1の内周面との相互の固定は、ヒートシールにより行なうことが出来るし、密封容器10の要求する密封の程度が低ければ接着剤により行なうことが出来る。また上記固定は、長手方向中心線に沿った方向の全域に渡り連続して行なわれることが出来るし、不連続に行なわれることも出来る。
【0041】
この実施の形態において、さらに上記固定は、図1中に点線12cで示されている如く、上記長手方向中心線に沿った方向において取っ手部材18に対応した部分12c−1が取っ手部材18に対応していない部分よりも取っ手部材18の先端に接近している。
【0042】
このことにより、取っ手部材18に負荷された引っ張り力が、図1中に点線12cで示されている上記固定において取っ手部材18に対応し取っ手部材18に対応していない部分よりも取っ手部材18の先端に接近している部分12C−1に集中し、取っ手部材18に引っ張り力を負荷し続けることにより部分12C−1からその両側の固定部分へと容易に固定の解除を進めることが出来る。
【0043】
取っ手部材18を使用した胴部材12の両側縁部の重複部位12bにおける上記固定の解除の際に、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1の内周面が密封テープ20の外表面隣接部分の外表面との固定をさらに容易に解除することができるように、密封テープ20の外表面隣接部分の外表面又は胴部材12の素材12aの両側縁部の重複部位12bにおいて外方に位置した外方側縁部12a−1の内表面は、上記固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理されていることが出来る。上記固定が、ヒートシールにより行なわれている場合には、上記固定強度調節処理はヒートシール強度調節処理になる。
【0044】
胴部材12の素材12aの上記両側縁部はまた、重複部位12bにおいて、素材12aの密封性を損なわない公知の種々の固定手段により相互に直接的に固定されることも出来る。
【0045】
素材12aの上記両側縁部を上記公知の種々の固定手段により相互に直接的に固定する場合は、例えばヒートシールにより行なうことが出来るが、この密封容器10に求められる密封の程度によっては接着剤により行なうことも出来る。そして、上記直接的な固定は、胴部材12の素材12aの重複部位12bにおいて上記長手方向中心線に沿った全幅に渡り連続していることが出来るし、この密封容器10に求められる密封の程度によっては、上記長手方向中心線に沿い不連続であっても良い。さらに上記直接的な固定は、図1中に点線12cで示されている如き前述した間接的な固定の場合と同様に、上記長手方向中心線に沿った方向において取っ手部材18に対応した部分12c−1が取っ手部材18に対応していない部分よりも取っ手部材18の先端に接近していることが出来る。
【0046】
このことにより、取っ手部材18に負荷された引っ張り力が、図1の(A)中に点線12cで示されている前述の密封テープ20の上記固定において取っ手部材18に対応し取っ手部材18に対応していない部分よりも取っ手部材18の先端に接近している部分12C−1のような、取っ手部材18の先端に接近している部分に集中し、取っ手部材18に引っ張り力を負荷し続けることにより取っ手部材18の先端に接近している部分からその両側の固定部分へと容易に固定の解除を進めることが出来る。
【0047】
さらに、胴部材12の素材12aの上記両側縁部の重複部位12bにおいて相互に直接的に固定する場合は、この固定強度を所望の強さに調節する為の固定強度調節処理をされていることが出来る。
【0048】
上記固定が、ヒートシールにより行なわれている場合には、ヒートシールによるこの固定強度を所望の強さに調節する為のヒートシール固定強度調節処理をされていることが出来る。
【0049】
いずれにしても、取っ手部材18を掴み取っ手部材18に引っ張り力を負荷することにより、胴部材12の素材12aの重複部位12bにおける内方側縁部12a−2に対する外方側縁部12a−1の上述した如き間接的な固定はもとより、内方側縁部12a−2に対して外方側縁部12a−1が素材12aの密封性を損なわない公知の種々の固定手段により相互に直接的に固定されている場合も、解除可能にし、しかも上記固定に上記固定強度調節処理をすることにより、上記固定の強度を常に所望の強度に調節しておくことが出来る。
【0050】
この発明の考えに従えば、胴部材12の両側縁部の重複部位12bにおける内方側縁部12a−2に対する外方側縁部12a−1の固定は、上述した如き密封テープ20を介した間接的な固定や、上述した如き密封テープ20を介さない直接的な固定や、上記間接的な固定と上記直接的な固定との組合せのいずれかであることが出来る。
【0051】
第1の蓋部材14は、密封性を有した薄板状の素材により形成されており、胴部材12の一方の開口端部の開口の横断面形状及び寸法と同じ形状及び寸法を有した本体14aと、本体14aの周囲に設けられた張り出し部14bと、を含んでいる。胴部材12の一方の開口端部の開口中に本体14aが配置され、上記一方の開口端部の内周面に張り出し部14bが固定されている。この実施の形態において、張り出し部14bは、本体14aの周囲の全周に渡り張り出されているが、所望に応じて上記全周の中の必要な部位にのみ張り出させることも出来る。
【0052】
また、この実施の形態において、胴部材12の一方の開口端部の内周面に対する第1の蓋部材14の張り出し部14bの固定は上記内周面の全周に渡り連続したヒートシールにより行なわれているが、密封容器10に要求される密封の程度によっては、上記固定を接着剤により行なうことも出来るし、ヒートシールや接着剤による固定を上記内周面に対し不連続に行なうことも出来る。
【0053】
第2の蓋部材16は、第1の蓋部材14と全く同じ構成である。即ち、第2の蓋部材16は、密封性を有した薄板状の素材により形成されており、胴部材12の他方の開口端部の開口の横断面形状及び寸法と同じ形状及び寸法を有した本体16aと、本体16aの周囲に設けられた張り出し部16bと、を含んでいる。胴部材12の他方の開口端部の開口中に本体16aが配置され、上記他方の開口端部の内周面に張り出し部16bが固定されている。この実施の形態において、張り出し部16bは、本体16aの周囲の全周に渡り張り出されているが、所望に応じて上記全周の中の必要な部位にのみ張り出させることも出来る。
【0054】
また、この実施の形態において、胴部材12の他方の開口端部の内周面に対する第2の蓋部材16の張り出し部16bの固定は上記内周面の全周に渡り連続したヒートシールにより行なわれているが、密封容器10に要求される密封の程度によっては、上記固定を接着剤により行なうことも出来るし、ヒートシールや接着剤による固定を上記内周面に対し不連続に行なうことも出来る。
【0055】
胴部材12の一方及び他方の開口端部の内周面、又は第1の蓋部材14の張り出し部14b及び第2の蓋部材16の張り出し部16bにおいて、少なくとも、胴部材12の素材12aにおいて重複部位12bの外方側縁部12a−1に続く部分が、上記固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理されている。
【0056】
この様に、密封性を有した薄板状の素材12aにより筒状に形成されていて、一方及び他方の開口端部の開口が密封性を有した薄板状の素材により形成されている第1の蓋部材14及び第2の蓋部材16により閉塞されている胴部材12により構成されている密封容器10を開封する時には、取っ手部材18を掴み取っ手部材18に引っ張り力を負荷する。
【0057】
この結果、胴部材12の素材12aの重複部位12bにおける内方側縁部12a−2に対する外方側縁部12a−1の固定が先ず最初に解除され、次に外方側縁部12a−1の内周面に対して内方側縁部12a−2の密封シール20の外表面隣接部位が固定されていればこの固定が解除され、最後に、図3の(B)中に示されている如く、胴部材12の一方及び他方の開口端部の内周面に対する第1の蓋部材14の張り出し部14b及び第2の蓋部材16の張り出し部16bの少なくとも胴部材12の素材12aにおいて重複部位12bの外方側縁部12a−1に続く部分の固定が解除される。
【0058】
しかも前述したように、これらの固定は固定強度調節処理により所望の強さに調節されることが出来るので、密封容器10における密封の要求の程度が大きくてこれらの固定を十分に行なった場合でも、これらの固定を上述した如く解除する際に取っ手部材18に負荷する必要のある引っ張り力は比較的小さくて良く、平均的な成人男性に比べ力が弱いとされる人、例えば女性一般や老人や乳幼児を除く子供、でも、本願の一実施の形態に従った密封容器10を容易に開封することが出来る。
【0059】
次に図4を参照しながら、上述した一実施の形態における胴部材12の密封性を有した薄板状の素材12a、第1及び第2の蓋部材14,16の夫々に共通の密封性を有した薄板状の素材、そして密封シール20の素材の夫々の具体例について詳細に説明する。
【0060】
上述した一実施の形態において胴部材12の密封性を有した薄板状の素材12aは、紙を基材Paとしていて、紙基材Paにおける胴部材12の外表面の側に接着層Adを介してシーラントSeが積層されている。
【0061】
接着層Adは、例えばウレタン系接着剤又はポリエチレン等の積層用ポリオレフィンにより構成することが出来、シーラントSeはポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィンにより構成することが出来る。
【0062】
紙基材Paのおける胴部材12の内表面の側には、接着層Ad,密封性膜Sf,接着層Ad,補強膜Re,接着層Ad,そしてシーラントSeがこの順に積層されている。
【0063】
密封性膜Sfは、所望の密封の程度に応じて公知の種々の密封性を有した材料から形成することが出来るが、この実施の形態では無機材料蒸着膜またはアルミニウム膜を使用しており、例えば酸化アルミや酸化ケイ素等に代表されるような無機酸化物を略20乃至150ナノメータの厚さでポリエステルフィルムのような基材上に真空蒸着法などの蒸着法により蒸着することにより作成されている。
【0064】
このような密封性膜Sfは、気密密封性(ガスバリヤ性)を有している。
【0065】
接着層Ad及びシーラントSeについては上述した通りであり、また補強膜Reはナイロンやポリエチレンテレフタレートなどの補強用フィルムである。
【0066】
即ち、この実施の形態では、胴部材12の密封性を有した薄板状の素材12aは、外表面から内表面に向かい:シーラントSe/接着層Ad/紙基材Pa/接着層Ad/密封性膜Sf/接着層Ad/補強膜Re/接着層Ad/そしてシーラントSeがこの順に積層されている。
【0067】
そして、図4中に拡大されて示されているように、胴部材12の密封性を有した薄板状の素材12aの両側縁部の重複部位12bにおいて外方側縁部12a−1の内表面のシーラントSeが内方側縁部12a−2の外表面のシーラントSeに隣接している。従って、外方側縁部12a−1の内表面を内方側縁部12a−2の外表面に前述した如く直接的に固定する場合には、外方側縁部12a−1の内表面のシーラントSeを内方側縁部12a−2の外表面のシーラントSeに対し、素材12aの密封性を損なわない公知の種々の固定方法、例えばヒートシールや接着剤、により相互に固定されることが出来る。
【0068】
なお補強膜Reは、密封容器10の使用目的によってはそれに隣接する1つの接着層Adとともに省略することが可能である。
【0069】
上述した一実施の形態において第1及び第2の蓋部材14,16の夫々に共通の密封性を有した薄板状の素材は、図4中に拡大されて示されているように、胴部材12の一方及び他方の開口端部の内周面とは反対側を向いている外表面から上記内周面に対面している内表面までに:紙基層Pa/接着層Ad/密封性膜Sf/接着層Ad/補強膜Re/接着層Ad/そしてヒートシール強度調節処理膜Hscがこの順で積層されている。
【0070】
ヒートシール強度調節処理膜Hscは、例えばポリオレフィン系剥離剤やホットメルトやヒートシールラッカー等の塗工性剥離剤等として従来から広く知られてる。
【0071】
なお図4中の第1の蓋部材14の素材の断面は、第1の蓋部材14において胴部材12の一方の開口端部の内周面に固定されている張り出し部14bにおける断面であり、本体14aの断面では紙基層Paが胴部材12の一方の開口端部の開口において最も外側に配置されヒートシール強度調節処理膜Hscが最も内側に配置される。
【0072】
第1及び第2の蓋部材14,16の夫々に共通の密封性を有した薄板状の素材においても、補強膜Reは、密封容器10の使用目的によってはそれに隣接する1つの接着層Adとともに省略することが可能である。
【0073】
即ちこの一実施の形態では、第1の蓋部材14の張り出し部14b及び第2の蓋部材16の張り出し部16bは夫々において、胴部材12の一方及び他方の開口端部の内周面に対面しているヒートシール強度調節処理膜Hscを介して上記内周面のシーラントSeにヒートシールにより固定されている。
【0074】
さらに、上述した一実施の形態において密封テープ20は、胴部材12の素材12aの内方側縁部12a−2の端面と外表面及び内表面における上記端面の隣接部分とは反対側を向いた外表面から上記端面及び上記隣接部分に対面した内表面までを、ヒートシール強度調節処理膜Hsc/接着層Ad/密封性膜Sf/接着層Ad/補強膜Re/接着層Ad/シーラントSeがこの順で積層されている。
【0075】
密封テープ20においても、補強膜Reは、密封容器10の使用目的によってはそれに隣接する1つの接着層Adとともに省略することが可能である。
【0076】
即ちこの実施の形態では、密封テープ20は、胴部材12の素材12aの内方側縁部12a−2の端面と外表面のシーラントSeにおける上記端面の隣接部分及び内表面のシーラントSeにおける上記端面の隣接部分に対し、内表面のシーラントSeがヒートシールにより固定されている。
【0077】
さらに、密封テープ20は、図4中に示されている如く、胴部材12の素材12aの外方側縁部12a−1の内周面のシーラントSeに対し、密封テープ20の外表面の上記端面隣接部分が外表面のヒートシール強度調節処理膜Hscを介してヒートシールにより固定されているし、第1及び第2の蓋部材14,16の張り出し部14b,16bの内表面のヒートシール強度調節処理膜Hscに対し、密着テープ20の上記内表面の上記端面隣接部分が外表面のヒートシール強度調節処理膜Hscを介してヒートシールにより固定されてる。
【0078】
図4を参照しながら上述した一実施の形態における胴部材12の密封性を有した薄板状の素材12a、第1及び第2の蓋部材14,16の夫々に共通の密封性を有した薄板状の素材、そして密封シール20の素材の夫々の具体例の変形例としては、以下のようなものが考えられる。
【0079】
胴部材12の密封性を有した薄板状の素材12aは、外表面から内表面に向かい:シーラントSe/接着層Ad/紙基材Pa/接着層Ad/密封性膜Sf/接着層Ad/補強膜Re/接着層Ad/そしてヒートシール強度調節処理膜Hscがこの順に積層されている。
【0080】
そして、胴部材12の素材12aの重複部位12bにおいて外方側縁部12a−1の内表面が内方側縁部12a−2の外表面にヒートシールにより相互に直接的に固定される場合には、外方側縁部12a−1の内表面のヒートシール強度調節処理膜Hscが内方側縁部12a−2の外表面のシーラントSeにヒートシールにより相互に直接的に固定されることが出来る。
【0081】
なおここにおいても補強膜Reは、密封容器10の使用目的によってはそれに隣接する1つの接着層Adとともに省略することが可能である。
【0082】
この変形例において、第1及び第2の蓋部材14,16の夫々に共通の密封性を有した薄板状の素材は、胴部材12の一方及び他方の開口端部の内周面とは反対側を向いている外表面から上記内周面に対面している内表面までに:紙基層Pa/接着層Ad/密封性膜Sf/接着層Ad/補強膜Re/接着層Ad/そしてシーラントSeがこの順で積層されている。
【0083】
従って図4中の第1の蓋部材14の素材の断面は、第1の蓋部材14において胴部材12の一方の開口端部の内周面に固定されている張り出し部14bにおける断面なので、本体14aの断面では紙基層Paが胴部材12の一方の開口端部の開口において最も外側に配置されシーラントSeが最も内側に配置される。
【0084】
ここにおいても、補強膜Reは、密封容器10の使用目的によってはそれに隣接する1つの接着層Adとともに省略することが可能である。
【0085】
そしてこの変形例では、第1の蓋部材14の張り出し部14b及び第2の蓋部材16の張り出し部16bは夫々において、胴部材12の一方及び他方の開口端部の内周面のヒートシール強度調節処理膜Hscに対して上記内表面のシーラントSeがヒートシールにより固定されている。
【0086】
さらに、この変形例において密封テープ20は、胴部材12の素材12aの内方側縁部12a−2の端面と外表面及び内表面における上記端面の隣接部分とは反対側を向いた外表面から上記端面及び上記隣接部分に対面した内表面までを、シーラントSe/接着層Ad/密封性膜Sf/接着層Ad/補強膜Re/接着層Ad/シーラントSeがこの順で積層されている。
【0087】
ここにおいても、補強膜Reは、密封容器10の使用目的によってはそれに隣接する1つの接着層Adとともに省略することが可能である。
【0088】
即ちこの実施の形態では、密封テープ20は、胴部材12の素材12aの内方側縁部12a−2の端面と外表面のシーラントSeにおける上記端面の隣接部分及び内表面のヒートシール強度調節処理膜Hscにおける上記端面の隣接部分に対し、内表面のシーラントSeがヒートシールにより固定される。
【0089】
さらに、密封テープ20は、胴部材12の素材12aの両側縁部の重複部位における外方側縁部12a−1の内周面のヒートシール強度調節処理膜Hscに対し、密封テープ20の外表面の上記端面隣接部分が外表面のシーラントSeをヒートシールにより固定されているし、第1及び第2の蓋部材14,16の張り出し部14b,16bの内表面のシーラントSeに対し、密着テープ20の上記内表面の上記端面隣接部分が外表面のシーラントSeがヒートシールにより固定される。
【0090】
前述した如く構成されているこの発明の一実施の形態に従った密封容器10は、以下のようにして作成される。
【0091】
先ず、図2の(A)及び(B)中に示されている如く、胴部材12の為の素材12aの一端部に取っ手部材18が一体的に成形されるとともに他端部の端面及び上記端面に隣接した外表面と内表面の夫々の部位に密封テープ20が固定される。そして、胴部材12の素材12aが型棒の外周面に巻かれ、両側縁部が重複され、そして重複部位12bにおいて外方側縁部12a−1の内表面が内方側縁部12a−2の密封テープ20の外表面と、さらには所望に応じて内方側縁部12a−2の外表面とも、相互に固定される。この実施の形態では、重複部位12bにおいて外方側縁部12a−1の内表面のシーラントSeが内方側縁部12a−2上の密封テープ20の外表面のヒートシール強度調節処理膜Hscと相互にヒートシールされる。
【0092】
この時に、所望に応じて、外方側縁部12a−1の内表面のシーラントSeを内方側縁部12a−2の外表面のシーラントSeに対してもヒートシールにより直接的に固定することが出来る。
【0093】
同時に、第1の蓋部材14及び第2の蓋部材16が、これらに共通の前述した素材から、本体14a,16aと本体14a,16aの周囲において素材の外表面の側に立ち上げられた張り出し部14b,16bとを有する構造に成形される。
【0094】
第1の蓋部材14を胴部材12の上記一端の開口に挿入し固定する前に、胴部材12の外周面において一方の開口端部の開口の周辺が図示されていない分割金型の型凹所により胴部材12の半径方向の外方から囲まれる。この型凹所は全体として胴部材12の外周面と同じ横断面形状と寸法とを有している。そして、好ましくは、上記一方の開口端部の開口の内周面が高温空気により加熱される。
【0095】
次に、上述した如く予め成形されている第1の蓋部材14が胴部材12の半径方向に拡径可能な図示しない挿入型に被せられて本体14aを先頭にして胴部材12の上記一方の開口端部の開口に挿入され、本体14aの周囲の張り出し部14bが胴部材12の上記一方の開口端部の内周面の所望の位置に配置される。
【0096】
次に、上記図示しない拡径可能な挿入型が拡径されて第1の蓋部材14の張り出し部14bを、分割金型の型凹所により胴部材12の半径方向の外方から囲まれ支持されている胴部材12の上記一方の開口端部の内周面上に押圧し、固定する。この実施の形態では、上記挿入型が第1の蓋部材14の張り出し部14bを押圧するとともに加熱して、胴部材12の上記一方の開口端部の内周面のシーラントSe及び胴部材12の重複部位12bの内方側縁部12a−2の密封テープ20の内表面隣接部分のヒートシール強度調節膜Hscに対し、第1の蓋部材14の張り出し部14bの内表面のヒートシール強度調節膜Hscがヒートシールされる。
【0097】
上記押圧により第1の蓋部材14の張り出し部14bは隅部も含め全周に渡り胴部材12の上記一方の開口端部の開口の内周面上に密接され、上記全周に渡り連続して固定、この実施の形態ではヒートシールされる。なおこの固定は、必要に応じて上記全周に渡り、又は上記全周の部分的に間欠的に行なうことも出来る。
【0098】
第1の蓋部材14の張り出し部14bの内表面の固定強度調整膜Hscは、上記ヒートシールの強度を所望の程度に調整する。
【0099】
さらに、ヒートシールに代わり接着剤を使用して上記固定を、上記全周に渡り連続して、または必要に応じて上記全周に渡り部分的に間欠的に、行なうことも出来る。
【0100】
次に、上述した如く予め成形されている第2の蓋部材16が胴部材12の半径方向に拡径可能な図示しない挿入型に被せられて本体16aを先頭にして胴部材12の上記他方の開口端部の開口に挿入され、本体16aの周囲の張り出し部16bが胴部材12の上記他方の開口端部の内周面の所望の位置に配置される。
【0101】
次に、上記図示しない拡径可能な挿入型が拡径されて第2の蓋部材16の張り出し部16bが胴部材12の上記他方の開口端部の内周面に対し、第1の蓋部材14の張り出し部14bが胴部材12の上記一方の開口端部の内周面に対し固定、この実施の形態ではヒートシールされているのと同様に、固定、この実施の形態ではヒートシールされる。
【0102】
前述した一実施の形態や変形例においては、胴部材12の素材12aや第1及び第2の蓋部材14,16に共通の素材や密封テープ20は、密封性膜Sfを構成している無機材料蒸着膜又はアルミニウム膜が気密密封機能を有している。しかしながら、この発明の理念に従えば、上記密封処理は気密密封処理及び防湿密封処理を含んでおり、従って密封機能を有する密封性膜として、望まれる密封性の程度に応じて上述した如きアルミニウム膜や無機材料蒸着膜以外の気密性膜や種々の材料の防湿性膜を使用することも出来る。
【0103】
上述した一実施の形態や変形例においてはさらに、胴部材12,第1の蓋部材14,そして第2の蓋部材16の夫々の素材の薄板状材料に所望の遮光性を持たせることが出来る。より詳細には、上記素材の紙基材やそれに積層される種々の機能膜に所望の遮光性を有する物質を混ぜたり、機能膜として遮光膜を追加することが出来る。この場合、遮光膜は密封容器10の外表面に所望の画像を描く為の種々の色彩の画像形成膜であることが出来る。例えば、紙基材としてバージンパルプを使用する代わりに古紙を使用するだけでも遮光性を増すことが出来る。
【0104】
本願の発明者等の実験によれば、紙基材としてバージンパルプを使用した場合には遮光性は5〜6absであり、古紙を使用した場合には遮光性は3〜4absであり、さらにバージンパルプに墨一色印刷した場合には遮光性は4absになった。
【0105】
本願の発明に従った構成の密封容器は製造が容易であり、バージンパルプにより作成された紙基材よりも強度の落ちる古紙により作成された紙基材を使用した素材からでも十分製造可能なことが分かっている。
【0106】
前述したように、胴部材12の素材12aの重複部位12bの外方側縁部12a−1と内方側縁部12a−2との相互の固定12’cは、図5の(A)中に示されている如く、内方側縁部12a−2の端面及び上記端面に対する外表面と内表面の隣接部を覆っている密封テープ20の外表面隣接部を介して間接的に行なわれることが出来る。この場合、上記固定12’cは取っ手部材18に対応する部分がそれ以外の部分よりも取っ手部材18に接近していることが好ましいことは言うまでもない。図5の(A)中では、上記固定12’cは、取っ手部材18に対応する部分のみが取っ手部材18の先端に向かい突出しているが、それ以外の部分は内方側縁部12a−2の端面に沿い略平行である。
【0107】
また、胴部材12の素材12aの重複部位12bの外方側縁部12a−1と内方側縁部12a−2との相互の固定12’cは、図5の(B)中に示されている如く、内方側縁部12a−2の外表面との直接的な固定と内方側縁部12a−2の端面及び上記端面に対する外表面と内表面の隣接部を覆っている密封テープ20の外表面隣接部を介した内方側縁部12a−2との間接的な固定との組合せによっても行なわれることが出来る。この場合も、上記固定12’cは取っ手部材18に対応する部分がそれ以外の部分よりも取っ手部材18に接近していることが好ましいことは言うまでもない。ここにおいて上記固定12’cは、取っ手部材18に対応する部分から内方側縁部12a−2の両側に向かうにつれて徐々に内方側縁部12a−2の端面に向かい湾曲している。
【0108】
【発明の効果】
以上詳述したことから明らかなように、この発明に従った密封容器は、密封性の程度が高くても従来に比べ容易に安価に製造することが出来る。
【0109】
さらにこの発明に従った密封容器は、従来に比べ容易に安価に製造することが出来、密封性の程度が高くても容易に開封することが出来る。
【0110】
しかも、酸素を含むガスに対するガスバリア性などの気密性や防湿性などの要望に応じた密封性を容易に実現することが出来、例えば水蒸気に触れることが好ましくない洗剤や写真フィルムや水蒸気や酸素に触れることが好ましくない食品や医薬品等の包装に使用することに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、この発明の一実施の形態に従った密封容器の概略的な斜視図であり;そして、
(B)は、(A)のB−B線に沿った概略的な縦断面図である。
【図2】(A)は、図1の(A)の密封容器の筒状の胴部材の展開図であり;そして、
(B)は、図2の(A)の展開されている胴部材の側面図である。
【図3】(A)は、図1の(A)のA−A線に沿った概略的な横断面図であり;そして、
(B)は、図3の(A)の横断面図に示されていた密封容器の筒状の胴部材の取っ手に外力が負荷されて密封容器の筒状の胴部材の素材の重複部位の固定が解除され、さらに胴部材の両開口端部の開口を閉塞している第1及び第2の蓋部材の張り出し部に対する胴部材の両開口端部の固定の一部が解除されて、密封容器が開封された状態を示す横断面図である。
【図4】図3の(A)に示されていた密封容器の横断面図に示されていた密封容器の筒状の胴部材の素材の重複部位を、上記重複部位に設けられている密封テープ及び上記重複部位に隣接した第1の蓋部材の張り出し部とともに、拡大した横断面で示す横断面図である。
【図5】(A)及び(B)は、図1乃至図4中に示されているこの発明の一実施の形態に従った密封容器の胴部材の素材の重複部位における両側縁部の固定の変形例を示す、上記密封容器の胴部材の素材の重複部位の概略的な正面図である。
【符号の説明】
10 密封容器
12 胴部材
12a 素材
12a−1 外方側縁部
12a−2 内方側縁部
12b 重複部位
12c 固定
12c−1 取っ手部材対応部分
14 第1の蓋部材
14a 本体
14b 張り出し部
16 第2の蓋部材
16a 本体
16b 張り出し部
18 取っ手部材
18a 両端縁
20 密封テープ
Claims (16)
- 密封性を有した薄板状の素材の両側縁部を重複して筒形状にした胴部材と;
密封性を有した薄板状の素材により形成され、胴部材の一方の開口端部に固定され上記一方の開口端部の開口を閉塞する第1の蓋部材と;
密封性を有した薄板状の素材により形成され、胴部材の他方の開口端部に固定され上記他方の開口端部の開口を閉塞する第2の蓋部材と;そして、
胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に設けられて外部に露出されており、外力が負荷されて上記外方に位置した側縁部に上記外力を伝達し、上記外力により上記重複部位において内方に位置した側縁部からの上記外方に位置した側縁部の遠ざけを可能にするとともに、引き続き第1の蓋部材及び第2の蓋部材に対する胴部材の一方の開口端部及び他方の開口端部の固定を解除可能にする取っ手部材と;
を備えており、
第1の蓋部材が、胴部材の一方の開口端部の開口の横断面形状及び寸法と同じ形状及び寸法を有した本体と、本体の周囲に設けられた張り出し部と、を含んでおり、胴部材の一方の開口端部の開口中に本体が配置され、上記一方の開口端部の内周面に張り出し部が固定されていて、
上記第2の蓋部材が上記胴部材の他方の開口端部の開口の横断面形状及び寸法と同じ形状及び寸法を有した本体と、本体の周囲に設けられた張り出し部と、を含んでおり、上記胴部材の上記他方の開口端部の開口中に本体が配置され、上記他方の開口端部の内周面に張り出し部が固定されており、
上記胴部材の上記素材における上記両側縁部の上記重複部位は上記両側縁部に沿い相互に固定されているとともに、上記固定は上記固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理を伴い行なわれており、
上記固定は、上記取っ手部材に対応した部分がそれ以外の部分よりも上記取っ手部材の先端に接近して行なわれていて、
上記取っ手部材は、上記外方に位置した側縁部において上記胴部材の長手方向中心線に沿った方向における中央部分から上記内方に位置している側縁部の外表面に沿い突出し、
上記取っ手部材において上記長手方向中心線に沿った方向に位置している両端縁は、上記取っ手部材の先端から上記外方に位置した側縁部に向かうにつれて徐々に上記長手方向中心線に沿った方向における夫々の外方に向かい拡大する湾曲面により構成されている、
ことを特徴とする密封容器。 - 上記胴部材の上記素材における上記両側縁部の上記重複部位は上記両側縁部に沿いヒートシールにより相互に固定されているとともに上記ヒートシールは上記ヒートシールの固定強度を所望の強度に調節するヒートシール強度調節処理を伴い行なわれている、ことを特徴とする請求項1に記載の密封容器。
- 上記胴部材の上記重複部位が密封処理されている、ことを特徴とする請求項1に記載の密封容器。
- 上記密封処理は、上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において内方に位置した側縁部の端面と、上記側縁部の内表面及び外表面における上記端面に隣接した部分と、を覆う密封テープにより行なわれており、
上記密封テープにおいて上記側縁部の外表面における上記端面に隣接した部分を覆う外表面隣接部分は、上記側縁部の長手方向に沿い連続して上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に固定されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の密封容器。 - 上記密封テープの上記外表面隣接部分又は上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部の内表面は、上記固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理されている、ことを特徴とする請求項4に記載の密封容器。
- 上記固定は、ヒートシールにより行なわれている、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の密封容器。
- 上記薄板状材料が遮光性を有する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の密封容器。
- 上記第1の蓋部材の上記張り出し部が上記胴部材の一方の開口端部の内周面の全周に渡り連続して固定されているとともに、上記第2の蓋部材が上記胴部材の他方の開口端部の内周面の全周に渡り連続して固定されている、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の密封容器。
- 上記第1の蓋部材の上記張り出し部及び上記第2の蓋部材の上記張り出し部、又は上記胴部材の上記素材の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面が、上記胴部材の上記素材において上記重複部位で外方に位置した側縁部に続く所望の長さの部位の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面に対する固定の強度を所望の強さに調節する固定強度調節処理されている、ことを特徴とする請求項8に記載の密封容器。
- 上記胴部材の一方の開口端部の内周面に対する上記第1の蓋部材の上記張り出し部の固定及び上記胴部材の他方の開口端部の内周面に対する上記第2の蓋部材の上記張り出し部の固定がヒートシールにより行なわれている、ことを特徴とする請求項8に記載の密封容器。
- 上記第1の蓋部材の上記張り出し部及び上記第2の蓋部材の上記張り出し部、又は上記胴部材の上記素材の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面が、上記胴部材の上記素材において上記重複部位で外方に位置した側縁部に続く所望の長さの部位の上記一方及び上記他方の開口端部の内周面に対する上記第1の蓋部材の上記張り出し部及び上記第2の蓋部材の上記張り出し部のヒートシールの強度を所望の強さに調節するヒートシール強度調節処理されている、ことを特徴とする請求項10に記載の密封容器。
- 上記取っ手部材が上記胴部材の上記素材とは別体に形成され、上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に固定されている、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の密封容器。
- 上記取っ手部材が上記胴部材の上記素材と一体に形成されて上記胴部材の上記素材の両側縁部の中で重複部位において外方に位置した側縁部に固定されている、ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の密封容器。
- 上記重複部位の上記固定は、上記取っ手部材に対応した部分において上記取っ手部材の先端に向いて突出した頂点から上記取っ手部材に対応した部分の両側に位置している上記取っ手部材に対応していない部分の両側に向かうにつれて徐々に直線状に傾斜している、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の密封容器。 - 上記重複部位の上記固定は、上記取っ手部材に対応した部分のみが上記取っ手部材に向かい突出しているが、上記取っ手部材に対応した部分の両側に位置している上記取っ手部材に対応していない部分は上記内方に位置している側縁部の端面に沿い平行である、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の密封容器。 - 上記重複部位の上記固定は、上記取っ手部材に対応する部分から上記内方に位置している側縁部の両側に向かうにつれて徐々に上記内方に位置している側縁部の端面に向かい湾曲している、
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の密封容器。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287640A JP4843887B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 密封容器 |
AT02021208T ATE294965T1 (de) | 2001-09-20 | 2002-09-18 | Abgedichtetes gehäuse |
EP02021208A EP1296184B1 (en) | 2001-09-20 | 2002-09-18 | Sealed case |
DE60203976T DE60203976T2 (de) | 2001-09-20 | 2002-09-18 | Abgedichtetes Gehäuse |
US10/246,742 US7048121B2 (en) | 2001-09-20 | 2002-09-19 | Sealed case |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001287640A JP4843887B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 密封容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003095244A JP2003095244A (ja) | 2003-04-03 |
JP4843887B2 true JP4843887B2 (ja) | 2011-12-21 |
Family
ID=19110418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001287640A Expired - Fee Related JP4843887B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 密封容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4843887B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4812276B1 (ja) * | 1969-06-18 | 1973-04-19 | ||
JPS57105217A (en) * | 1980-12-22 | 1982-06-30 | Nitta Kk | Fibrous filter medium |
GB8501169D0 (en) * | 1985-01-17 | 1985-02-20 | Ici Plc | Heterocyclic compounds |
JP2782227B2 (ja) * | 1989-04-11 | 1998-07-30 | 大日本印刷株式会社 | シールテープ付き紙容器 |
JPH08337238A (ja) * | 1995-06-08 | 1996-12-24 | Toppan Printing Co Ltd | 端面保護部材付き紙容器 |
JP3841883B2 (ja) * | 1996-09-06 | 2006-11-08 | ライオン株式会社 | カートン |
-
2001
- 2001-09-20 JP JP2001287640A patent/JP4843887B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003095244A (ja) | 2003-04-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2015105101A1 (ja) | 包装袋 | |
JP2002104550A (ja) | ウェットシートの収容袋 | |
JP2005014975A (ja) | 紙容器 | |
JP4843887B2 (ja) | 密封容器 | |
JPH10167355A (ja) | 包装体とこの包装体の製造方法 | |
JP2001253444A (ja) | 防湿性の優れた易開封袋 | |
JPH0223403B2 (ja) | ||
JPH11314686A (ja) | 包装体の開封構造 | |
JPH0434827Y2 (ja) | ||
JP2010265010A (ja) | 包装容器 | |
JP3672387B2 (ja) | 包装体の開封機構 | |
JP4110741B2 (ja) | 容器蓋の密封固定方法 | |
JP2001031136A (ja) | Ptp包装体 | |
JP3768548B2 (ja) | カップ容器 | |
JP4790159B2 (ja) | 蓋体付き容器及びその製法、並びに該容器に使用されるシート状の蓋体 | |
JP3972434B2 (ja) | カップ状容器 | |
JP3418161B2 (ja) | 容器構造 | |
JPH0219369Y2 (ja) | ||
WO2015050246A1 (ja) | 包装体用蓋体、これを備えた包装体、および、包装体用蓋体の製造方法 | |
EP1296184B1 (en) | Sealed case | |
JPS6037319Y2 (ja) | 易開封性包装体 | |
JPH0215789Y2 (ja) | ||
JP2002120869A (ja) | 易開封ブリスター包装体 | |
JP3893703B2 (ja) | 開封容易な密封包装体 | |
JP2598045B2 (ja) | 異なる内容物が個々に収納された携帯用パック |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061215 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110301 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110502 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20110609 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20110609 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110913 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110926 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |