JP3841883B2 - カートン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末洗剤などの粉体を収納するカートンに係わり、さらに詳しくは、コスト高となることがなく、より開封し易く、開封後の外観をより向上させることができるという性能を備えたカートン、さらには前述の性能を備えるうえ保存安定性が良好であるという性能を備えたカートンに関する。
【0002】
【従来の技術】
図19は、粉末洗剤が収納される従来の包装容器の例で、開封したときの状態を示した斜視図である。この例の包装容器は、紙製容器1a内に板紙またはダンボール製枠体1bを嵌め入れ貼着したシールカートンタイプの包装容器である。前記紙製容器1aは、図20に示すような側板2a,2b,2c,2dの上部にそれぞれ折曲げ可能に連設された天フラップ3a,3b,3c,3dと、前記側板2a,2b,2c,2dの下部にそれぞれ折曲げ可能に連設された底フラップ4a,4b,4c,4dと、端部の側板2aに連接された余長片5dとからなる紙製シート6を折曲げて作製されたものである。また、この紙製シート6の容器の内側となる面には側板を破断して開封するためのカットテープ7が余長片5d及び側板2a〜2dを横断するように貼着されている。また、側板2dにはカットテープ7の端部を摘むための切り込み7aが形成されている。
【0003】
このような紙製シート6と枠体1bを用いて包装容器を作製するには、紙製シート6を角筒状に折曲げ、側板2dの余長片5dを側板2aに貼着することにより収納空間8の側方を閉塞し、底フラップ4a〜4dを折曲げて固着することにより収納空間8の底部を閉塞する。ついで、側板2a〜2dを補強するため、図21に示すように側板2d〜2aの内面に枠体1bを貼着後、収納空間8内に粉末洗剤を充填し、この後、天フラップ3a,3b,3c,3dを折曲げて固着することにより収納空間8の天部を閉塞すると、図22に示すような包装容器が得られる。このような包装容器を開封するには、カットテープ7の端部を摘み挙げ、側板2d〜2aを破断し、紙製容器1aを本体1cと蓋部1dに分け、該蓋部1dを開けることにより、開封することができる。
【0004】
また、図23は、従来の包装容器のその他の例で、開封したときの状態を示した斜視図である。この例の包装容器は、底板9と短側板10a,10bと長側板11a,11bに囲まれた収納空間14が長側板11bに連設された蓋体15によって覆われてなる横長の直方体状ものであり、前記収納空間14には粉末洗剤が収納されている。粉末洗剤の使用後は、長側板11aの上部に設けられた差込み口16に蓋体15の先端部15aを差込むことにより、収納空間14を覆し、粉体洗剤を保管できるようになっている。開封前の包装容器は、裏面が糊付けされた先端部15aが長側板11aに貼着されており、開封する時は先端部15aを側板11aから剥し、蓋体15を開けることにより、開封することができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図22に示したシールカートンタイプの包装容器にあっては、板紙またはダンボール製枠体1bを用いる分コストが高くなるうえ、該枠体1bを紙製容器1a内に嵌め入れ、貼着する加工費が高いため、得られる包装容器がコスト高となってしまうという問題があった。また、開封後の包装容器は、本体1cと蓋部1dとの間すなわちカットテープ7があった部分に隙間があいて見苦しく、開封後の外観が悪く不満があった。
また、図23に示した横長型の包装容器においては、開封前であっても、蓋体15と短側板10a,10bの周縁との間に隙間が空いているため、該隙間から収納空間14内に湿気が入り保存安定性が悪く、あるいは前記隙間から粉末洗剤が溢れてしまうという不都合があった。
【0006】
そこで、本願発明者は前述のような問題を解決するために、特願平8−91554号において特許出願を行っている。
図24は、前記特許出願のカートンを開封したときの状態を示す斜視図であり、図25は、このカートンを作成するための厚紙の裏層側から見た展開図である。このカートンは、少なくとも表層と裏層を積層した多層構造の紙材からなり、底板21と側板22A,22B,23A,23Bとに囲まれた収納空間24が前記側板22A〜23Bの一つに連設された天板25によって閉塞される紙製カートンであって、前記側板22Aの表面に貼着される外側折り返し片30が折曲げ可能に天板25に連設され、さらに側板22Aの表面に外側折り返し片30の裏面に貼着される弓形表側接着部15が設けられ、弓形表側接着部15の周縁に位置する表層に切り込み16が形成されてなるものである。
【0007】
前記外側折り返し片30の先端部には、摘み片41が連設されている。前記側板22Aの表面には、前記摘み片41を差込むための差込み口39が設けられている。前記弓形表側接着部15は、これの弦が長側板22Aと内側折り返し片42との境界に位置するように設けられており、一方、円弧が差込み口39側となるように設けられている。また、このカートンは、天板25の周縁部の内方から外側折り返し片30にかけて破断線32が設けられ、破断線32の破断により収納空間24を開閉する蓋片33を形成できるようになっている。また、外側折り返し片30の裏面で、破断線32の両側に第2の接着部47a,47bが設けられている。
そして、前述のような厚紙を用いてカートンを作製するとき、外側折り返し片30の裏面の弓形裏側接着部18は、前記側板22Aの弓形表側接着部15に接着剤により貼着されており、前記第2の接着部47a,47bは側板22Aの弓形表側接着部15の両側表面に接着剤により貼着されている。
このような構成のカートンを最初に開封するときは、摘み片41を摘み上げ、外側折り返し片30の中央部30cを側板22Aから剥すとともに破断線32に沿って外側折り返し片30をカットして蓋片33を形成することにより開封でき、このとき弓形表側接着部15の表層15aが剥離して弓形裏側接着部18の上に接着するようになっているので、弓形表側接着部15の周囲の側板22Aが剥離したり破れることがなく、開封後の外観を良好にすることができるものである。
【0008】
ところが図24に示すようなカートンにおいては、コストや保存安定性については十分満足できるものの、外側折り返し片30を側板22Aから剥すときの強度、すなわち、弓形表側接着部15の表層15aを裏層15bから剥離するとき剥離強度が、カートンを構成する紙質にもよるが6.5kgf程度と大きいため、摘み片41を摘み上げてカートンを開封するには抵抗が大きく、外側折り返し片30にしわが発生してしまうため、開封後の外観において不満があった。また、前述のように弓形表側接着部15の表層15aを裏層15bから剥離するときの剥離強度が大きいと、子供や老人などの力の小さい人が使用する場合には、スムーズに開封し難いという問題があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、コスト高となることがなく、より開封し易く、開封後の外観をより向上させることができるという性能を備えたカートン、さらには前述の性能を備えるうえ保存安定性が良好であるという性能を備えたカートンを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、少なくとも表層と裏層を積層した多層構造の紙材からなり、底板と複数の側板とに囲まれた収納空間が側板の一つに連設された天板によって閉塞される紙製カートンであって、前記側板の表面に貼着される外側折り返し片が折曲げ可能に前記天板に連設され、さらに前記外側折り返し片が貼着される側板の表面に該外側折り返し片の裏面に貼着される先細り部を有する鋸刃状表側接着部が設けられるか、又は前記外側折り返し片の裏面に側板の表面に貼着される先細り部を有する鋸刃状裏側接着部が設けられるか、又はこれら側板の表面の鋸刃状表側接着部と前記外側折り返し片の裏面の鋸刃状裏側接着部の両方が設けられ、さらに前記鋸刃状表側接着部の周縁に位置する表層と前記鋸刃状裏側接着部の周縁に位置する裏層のうち少なくとも一方に切り込みが形成され、さらに前記外側折り返し片の先端部に摘み片が連接され、該摘み片の裏面に凸部が形成され、かつ前記外側折り返し片が貼着される側板の表面で、前記摘み片の凸部と対応する位置に凸部が形成されてなることを特徴とするカートンを前記課題の解決手段とした。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のカートンにおいて、鋸刃状表側接着部および/または鋸刃状裏側接着部に代えて、三角型表側接着部および/または三角型裏側接着部が設けられてなることを特徴とするカートンを前記課題の解決手段とした。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、前記外側折り返し片に前記表側接着部の先細り部の頂部の上方を通り幅方向に延在する折り罫が形成されているか、又は裏側接着部の先細り部の頂部あるいは該頂部近傍を通り幅方向に延在する折り罫が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のカートンを前記課題の解決手段とした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明のカートンの第一の例を示す斜視図である。また、図2は、図1に示したカートンを作製するための厚紙の裏層側から見た展開図である。これらの図において符号20は、カートンである。
第一の例のカートン20は、底板21と、長手方向の側板(以下、長側板と記す。)22A,22Bと、短手方向の側板(以下、短側板と記す。)23A,23Bとに囲まれた収納空間24が、一つの長側板22Bに連設された天板25によって閉塞される紙製の直方体状のものである。ここでの収納空間24には、商品Xとして粉末洗剤などの粉体が充填されている。
【0014】
前記底板21と、長側板22A,22Bと、短側板23A,23Bと、天板25は、図2に示すように一枚の厚紙20aによって形成されている。該厚紙20aは、通常の丸網抄紙機により作製されたものであり、少なくとも表層と裏層の二層以上を積層した多層構造のもので、該裏層は通常古紙から構成されており、厚紙20aの表層側表面の大部分がカートンの表面となり、裏層側表面がカートンの裏面となり、図2中の矢印Sは紙目である。
【0015】
前記短側板23Aは、底板21の一方の短辺、天板25の一方の短辺、長側板22Bの一方の短辺、長側板22Bに一方の短辺に連設された側板フラップ26A,27A,28A,29Aを重ね合わせて貼着して設けられた二重壁構造のものである。短側板23Bは、底板21の他方の短辺、天板25の一方の短辺、長側板22Bの他方の短辺、長側板22Bに他方の短辺に連設された側板フラップ26B,27B,28B,29Bを重ね合わせて貼着して設けられた二重壁構造のものである。
【0016】
天板25には、外側の長側板22Aの表面に貼着される外側折り返し片30が折曲げ可能に連設されている。
前記天板25の両方の短辺(周縁部)より内方の位置から折り返し片30にかけて破断可能な破断線32が設けられ、該破断線32の破断により前記収納空間24を開閉する蓋片33が形成できるようになっている。このようにして形成された蓋片33は、天板25の中央部25cと外側折り返し片30の中央部分30aとからなるものである。
【0017】
前記破断線32のうち天板25に設けられる半切れ32aは、図3に示すように天板25の表層25a側と裏層25b側からそれぞれ切り込み34a,34bを、半切れ状態で厚み方向の位置がわずかにずれるように入れることが好ましい。半切れ状態であると、切り込み34a,34bが天板25の表面側から裏面側にまで貫通していないので、収納空間24への湿気の侵入を少なくでき、特に、商品Xとして粉末洗剤が収納される場合、粉末洗剤が湿気により塊状となってしまうのを低減することができるからである。
また、前記破断線32のうち外側折り返し片30に設けられるミシン目32bは、表面側から裏面側にまで貫通する通常のミシン目である方が蓋片33を形成し易く、開封が容易となるからである。また、ここでのミシン目32bとしては、図2に示すような鉤形に曲ったジッパー形式のもの以外に、直線形式のミシン目でもよいが、鉤形に曲ったジッパー形式のミシン目とした方がより開封し易い。
【0018】
前記天板25の両方の短辺から天板25の表層25a側に形成される切り込み34aまでの幅W1としては、大きい方が、外側折り返し片30のミシン目32bと、天板25の長辺との間に作られる内角θが大きくなるため、開封が容易となるからである。例えば、カートンの大きさが横150×縦90×高さ134mmである場合、前記幅W1は、10mm程度が好ましく、また、前記内角θは45゜程度が好ましい。
【0019】
外側折り返し片30の中央部30cの先端部には摘み片41が連設されている。この摘み片41の形状は、摘むことができ、後述する凸部41bを形成できる形状であればよく、例えば、半円形、矩形、逆台形、逆三角形などを挙げることができ、この第一の例では半円形となっている。また、この摘み片41と外側折り返し片30との境界には、折り罫41aが幅方向に沿って水平に形成されていることが好ましい。このような折り罫41aが形成されていると、摘み片41を摘み上げてカートンを開封するとき、摘み片41がこの折り罫41aの位置で折れ曲がり、摘み片41の他の位置にしわができるのを防止することができるので開封後の外観が良好であり、また、摘み片41と外側折り返し片30との境界に均等に引き剥し力をかけることができるので、摘み片41を引き上げて破断線32に沿って外側折り返し片30をカットするときに、中央部30cの両側のミシン目32b,32bのカット量にずれが生じにくく、開封し易い。なお、折り罫41aは、ミシン目形式のものでもよい。
【0020】
前記長側板22Aには、摘み片41を差込むための差込み口39が形成されている。
この長側板22Aには、差込み口39を内側から覆うための内側折り返し片(他の折り返し片)42が折曲げ可能に連接されている。そして、前記内側折り返し片42の裏面の周辺部42aを長側板22Aの内面に接着剤等により貼着して差込み口39を取り囲む周囲部が形成されている。また、内側折り返し片42の裏面の周辺部42aより内方で、差込み口39を覆う中央部42bには、エンボス加工等により凹部が形成されており、長側板22Aと、内側折り返し片42とを貼着したときに、長側板22Aと内側折り返し片42との間で、かつ差込み口39の周囲に隙間ができ、蓋片33の先端部33aならびに摘み片41を差込み口39に差込み易くなっている。
【0021】
長側板22Aの表面で、前記差込み口39と前記内側折り返し片42との間には、図4(B)に示すような鋸刃状表側接着部44が設けられている。この鋸刃状表側接着部44は、前記内側折り返し片42側から差込み口39側にかけて先細りの部分(先細り部)44cが二つ並べられてなるものであり、この第一の例ではW型となっている。ここでの鋸刃状表側接着部44は、W字状のジグザグの周縁部が差込み口39側となるように設けられており、一方、ジグザグの周縁部の両端を繋ぐ水平周縁部が長側板22Aと内側折り返し片42との境界に沿うように設けられている。各先細り部44cの頂部44dの頂角α1は、小さい方が好ましく、この第一の例では、90゜程度になっている。
【0022】
また、外側折り返し片30の裏面でミシン目32bより内方に図4(A)に示すような鋸刃状裏側接着部48が設けられている。この鋸刃状裏側接着部48は、前述の鋸刃状表側接着部44と略同形状であり、前記天板25側から外側折り返し片30の下部側にかけて先細りの部分(先細り部)48cが二つ並べられてなるものであり、この第一の例ではW型となっている。鋸刃状裏側接着部48は、ジグザグの周縁部が蓋片33の先端部33a側となるように設けられ、一方、ジグザグの周縁部の両端を繋ぐ水平周縁部が天板25と外側折り返し片30との境界と一致するように設けられている。各先細り部48cの頂部48dの頂角α2は、小さい方が好ましく、この第一の例では、90゜程度になっている。
【0023】
そして、図4(B)や図5に示すように前記鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する長側板22Aの表層22aに切り込み45が形成されるか、又は図4(A)や図6に示すように前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する外側折り返し片30の裏層30bに切り込み46が形成されるか、又鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する長側板22Aの表層22aに切り込み45が形成され、かつ前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する外側折り返し片30の裏層30bに切り込み46が形成されている。
ここで鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する長側板22Aの表層22aに切り込み45が形成されているとき、前記天板25の裏面の裏層25b又は外側折り返し片30の裏面の裏層30bに切り込み46aが前記天板25と外側折り返し片30との境界に位置する折り返し部に沿って形成されていることが好ましい。あるいは前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する外側折り返し片30の裏層30bに切り込み46が形成されているとき、前記外側折り返し片30が貼着される長側板22Aの表面の表層22a又はこれに連設された内側折り返し片(他の折り返し片)42の表面の表層に半切れ状態の切り込み45aが長側板22Aと内側折り返し片42との境界に位置する折り返し部に沿って形成されていることが好ましい。
前記切り込み45aは、半切れ状態であるので、厚紙20aの表面側から裏面側まで貫通しておらず、表層のみに切り込みが入っているものである。このような切り込み45aを形成する場合は、長側板22Aと内側折り返し片42との境界に位置する折り返し部の全部分に亘って形成される。
なお、鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する長側板22Aの表層22aに切り込み45が形成されているとき、鋸刃状表側接着部44の水平周縁部の延長線上に位置する長側板22Aと内側折り返し片42との境界にも半切れ状態の切り込みが形成されていてもよい。
【0024】
前記鋸刃状裏側接着部48ならびに鋸刃状表側接着部44が、それぞれ前述のような二つの先細り部を並べて構成され、さらに前記鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する表層22aと前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成されたものであると、鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する表層22aに切り込み45が形成されている場合は、後述するように摘み片41を引き上げ、破断線32に沿って外側折り返し片30ならびに天板25をカットすることにより蓋片33を形成してカートンを開封するときに、鋸刃状表側接着部44の各頂部44dにさしかかると、これら頂部44dからジグザグの周縁部の切り込み45によって紙材の層間剥離(表層22aと裏層22bとの層間剥離)が殆ど抵抗なくスムーズに始まり、これが鋸刃状表側接着部44全体に広がり水平周縁部に至って完結し、鋸刃状表側接着部44の表層22aが長側板22Aから完全に引き剥されて、外側折り返し片30の鋸刃状裏側接着部48上に接着した状態で残る。
【0025】
あるいは、鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bに切り込み46が形成されている場合、カートンを開封するときに鋸刃状裏側接着部48の各頂部48dにさしかかると、これら頂部48dからジグザグの周縁部の切り込み46によって紙材の層間剥離(表層30aと裏層30bとの層間剥離)が殆ど抵抗なくスムーズに始まり、これが鋸刃状裏側接着部48全体に広がり水平周縁部に至って完結し、鋸刃状裏側接着部48の裏層30bが外側折り返し片30から完全に引き剥されて、長側板22Aの鋸刃状表側接着部44上に接着した状態で残る。
【0026】
また、外側折り返し片30には、鋸刃状表側接着部44の各先細り部44cの頂部44dの上方を通り幅方向に延在する折り罫51aが形成されているか、または、鋸刃状裏側接着部48の各先細り部48cの頂部48dあるいは該頂部48d近傍を通り幅方向に延在する折り罫51dが形成されていることが好ましい。このような折り罫51aが形成されていると、摘み片41を摘み上げてカートンを開封するとき、外側折り返し片30の中央部30cがこの折り罫51aの位置で折れ曲がり、鋸刃状表側接着部44の各先細り部44cの頂部44dまたは鋸刃状裏側接着部48の各先細り部48cの頂部48dに確実に引き剥し力を加えることができ、また、外側折り返し片30の中央部30cの他の位置にしわができるのを防止することができるからである。
【0027】
また、前記外側折り返し片30の裏面で、ミシン目32bの両側すなわち鋸刃状鋸刃状裏側接着部48の両側に第2の接着部47a,47bが前記鋸刃状鋸刃状裏側接着部48と近接してあるいは接するように設けられている。
また、摘み片41の裏面にエンボス加工等により凸部41bが形成されており、かつ長側板22Aの表面で、前記凸部41bと対応する位置に凸部39aが形成されている。これら凸部41b,凸部39aの形状としては、例えば、円形、矩形などを挙げることができ、この第一の例ではそれぞれ略長方形状となっている。このような凸部41b,凸部39aが形成されていると、外側折り返し片30を長側板22Aに貼着したとき、図7に示すように凸部41bと凸部39aが当接し、しかも摘み片41の端部41cと長側板22A表面との間に摘み用の間隙43ができて、摘み片41が浮き上がった状態となるので、カートンを最初に開封するとき、摘み片41を容易に摘むことができる。
【0028】
前記長側板22Aの表面の差込み口39の近傍で、かつ外側折り返し片30で覆われる部分には下側点状接着部49が設けられるか、又は外側折り返し片30の裏面のミシン目32bより内方で、かつ鋸刃状裏側接着部48と凸部41bとの間には上側点状接着部50が設けられるか、又は長側板22Aの表面の下側点状接着部49と外側折り返し片30の裏面の上側点状接着部50の両方が設けられ、さらに該下側点状接着部49の周縁に位置する長側板22Aの表層22aと、上側点状接着部50の周縁に位置する外側折り返し片30の裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成されていることが好ましい。
【0029】
また、前記長側板22Aの高さHは、他の側板22B,23A,23Bよりも天板25の厚み分程度低くなっていることが好ましい。ここで側板22Aの高さHが他の側板22B,23A,23Bと同じ高さであると、外側折り返し片30を長側板22Aに貼着したとき、天板25と外側折り返し片30との境界に位置する折り返し部の高さが天板25と各側板22B,23A,23Bとの境界に位置する折り返し部の高より高くなり、得られるカートンの天板25に傾斜ができたり、長側板22Aの長辺と外側折り返し片30との間に隙間ができてしまうからである。
【0030】
前述のような厚紙20aを用いてカートンの折り畳み物を作製するサック貼り工程を行うとき、厚紙20aに接着部と非接着部をそれぞれ所定のパターンによって設ける必要があるが、ここでの接着部は、外側折り返し片30の裏面の上側点状接着部50と、鋸刃状裏側接着部48と、第2の接着部47a,47bにコールドグルー等の接着剤がアプリケーターロール等によって塗布されることにより設けられるが、このときミシン目32bの部分を避けて接着剤を塗布することが開封時におけるこの部分の外観上好ましい。ミシン目32bの部分にまで接着剤が塗布されると、ミシン目32bから接着剤が浸み込んで、開封時にミシン目32bからきれいに開封できないことがあり、また、剥離性を有するオーバーコート剤の材質によっては、全面塗布も可能である。
また、厚紙20aの表層側表面には、必要に応じてオフセット印刷やグラビア印刷などの印刷が施されており、さらにこの印刷層上に外側折り返し片30と接着する部分を除いて、例えば、第2の接着部47a,47bや鋸刃状裏側接着部48や上側点状接着部50を接着する部分を除いて、ビニール引き、OPニス、剥離OPニス、剥離UVコートなどのオーバーコートが施されることにより前記非接着部が設けられる。ここで厚紙20aの表層側表面で接着する部分にもオーバーコートが施されていると、接着不良が生じる恐れがあるからである。
【0031】
そして、外側折り返し片30の鋸刃状裏側接着部48は長側板22Aの鋸刃状表側接着部44に接着剤等により貼着されており、さらに、両側の第2の接着部47a,47bは長側板22Aの鋸刃状表側接着部44の両側表面に接着剤等により貼着されている。
さらに長側板22Aに下側点状接着部49が設けられている場合は、該下側点状接着部49は外側折り返し片30の裏面に接着剤等により貼着されており、外側折り返し片30に上側点状接着部50が設けられている場合は、該上側点状接着部50は長側板22Aの表面に接着剤等により接着されており、下側点状接着部49と上側点状接着部50の両方が設けられている場合は、長側板22Aの下側点状接着部49と外側折り返し片30の上側点状接着部50とが接着剤等により貼着されている。このように鋸刃状裏側接着部48と鋸刃状表側接着部44との貼着と、第2の接着部47a,47bと長側板22Aとの貼着以外に、下側点状接着部49と外側折り返し片30とを貼着あるいは上側点状接着部50と長側板22Aとを貼着あるいは下側点状接着部49と上側点状接着部50とを貼着することにより長側板22Aと外側折り返し片30とを接着したカートンは、鋸刃状裏側接着部48と鋸刃状表側接着部44との貼着と、第2の接着部47a,47bと長側板22Aとの貼着することにより長側板22Aと外側折り返し片30とを接着したカートンに比べて、長側板22Aと外側折り返し片30との接着力がより強くなる。
また、下側点状接着部49の周縁の表層22aと外側折り返し片30の上側点状接着部50の周縁の裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成されていることより、開封時には下側点状接着部49の表層22aと上側点状接着部50の裏層30bのうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着し、下側点状接着部49の周囲の長側板22Aや、上側点状接着部50の周囲の外側折り返し片30が剥離したり破れたりすることが少なくなる。
【0032】
また、蓋片33を構成する天板25の中央部25cの裏面には、該中央部25cの周縁からはみださない板紙からなる組立式計量スプーン35が接着剤、両面テープ等により取り外し可能に貼着されている。この組立式計量スプーン35は、横長の長方形状のもので、折り目や切り込み等が形成されており、簡単に組立てられるようになっているものである。このような組立式計量スプーン35の材質としては、紙などが用いられ、特にバルカナイズドファイバーが好適に用いられる。
【0033】
図2に示した厚紙20aを用いて図1に示したカートンを作製するには、例えば以下の工程によって製造することができる。
まず、包材メーカーにおいて、図2に示したような厚紙20aを用意し、天板25の裏面に組立式計量スプーン35を天板25の中央部25cの周縁からはみ出さないように接着剤、両面テープ等で取り外し可能に貼着する。
ついで、図8に示すように内側折り返し片42と長側板22Aとの境界を谷にして折曲げて、内側折り返し片42の裏面の周辺部42aを、長側板22Aの内面に接着剤等を用いて貼着して差込み口39を取り囲む周囲部を形成する。
【0034】
この後、厚紙20aの外側折り返し片30の裏面の上側点状接着部50と、鋸刃状裏側接着部48と、第2の接着部47a,47bには、ミシン目32bの部分を避けて接着剤等を塗布し、ついで図9に示すように底板21と長側板22Aとの境界と、長側板22Bと天板25との境界を谷にして折曲げた後、外側折り返し片30の鋸刃状裏側接着部48と長側板22Aの鋸刃状表側接着部44とを貼着するとともに、外側折り返し片30の第2の接着部47a,47bを側板22Aの鋸刃状表側接着部44の両側表面に貼着し、さらにこれとともに長側板22Aの下側点状接着部49と、外側折り返し片30の上側点状接着部50とを貼着した後、板状の折り畳み物20bを作製する。
【0035】
この後、洗剤メーカーでの組み立て時に側板の立ち上げを容易とするために、前記折り畳み物20bを、これの底板21と長側板22Bとの境界と、天板25と外側折り返し片30との境界を山にして折り曲げて折り目を付けて図10に示すような板状の折り畳み物20cを作製した後、該折り畳み物20cを、これの底板21と長側板22Aとの境界と、長側板22Bと天板25との境界を山にして折曲げて、図9に示した折り畳み物20bの状態に戻しておく。
ついで、このような折り畳み物20bを積み重ね、紐等で束ねた後、洗剤メーカーに運搬する。洗剤メーカーに搬入された折り畳み物20bは、一時的に保管される。このような折り畳み物20bは板状となっているので、また、組立式計量スプーン35はシート状のまま折り畳み物20b内に挿入されているので、運搬時や保管時に、嵩張らず、積み重ね易く、高積みすることができる。
【0036】
ついで、洗剤メーカーにおいて折り畳み物20bを、図11に示すようにフラップ26B,27B,28B,29Bを接着剤等により貼着して短側板23Bを形成し、この短側板23Bの反対側の開口部60から収納空間24内に商品Xとして粉末洗剤を充填後、フラップ26A,27A,28A,29Aを接着剤等により貼着して短側板23Aを形成すると、図1に示すようなカートンが得られる。
【0037】
次に、このようにして得られたカートンの使用例について説明する。
まず、図1に示すカートンの摘み片41を摘み上げ、破断線32に沿って外側折り返し片30をカットして蓋片33の先端部33aを形成する。ここで摘み片41を摘み上げるとき、図7に示したように摘み片41が浮き上がった状態となっているので、摘み片41を容易に摘むことができる。
このようにすると、図12に示すように長側板22Aの下側点状接着部49の周縁の表層22aと外側折り返し片30の上側点状接着部50の周縁の裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成されていることより、下側点状接着部49の表層22aと上側点状接着部50の裏層30bのうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着した状態で載る。例えば、厚紙20aが表層と裏層の二層構造のものである場合、下側点状接着部49の表層20aが剥離して上側点状接着部50上に接着し、長側板22Aには下側点状接着部49の裏層20bが残る。
【0038】
さらに、摘み片41を引き上げ、破断線32に沿って外側折り返し片30ならびに天板25をカットして残りの部分の蓋片33を形成し、蓋片33を開けると、図12に示すように蓋片33を構成する天板25の中央部25cの裏面に貼着された組立式計量スプーン35が露出する。
このようにすると、鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する表層22aと鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成され、鋸刃状裏側接着部48が鋸刃状表側接着部44に貼着されていることにより、紙材の層間剥離が殆ど抵抗なくスムーズに始まり、鋸刃状表側接着部44の表層22aと鋸刃状裏側接着部48の裏層30bのうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着した状態で載る。例えば、図12に示すように鋸刃状表側接着部44の表層20aが容易に剥離して外側折り返し片30の鋸刃状裏側接着部48上に接着し、長側板22Aには鋸刃状表側接着部44の裏層20bが残る。また、このとき、前記外側折り返し片30の中央部30cに前述のような折り罫51aが形成されていることにより、外側折り返し片30の中央部30cがこの折り罫51aの位置で折れ曲がり、鋸刃状表側接着部44の各先細り部44cの頂部44dまたは鋸刃状裏側接着部48の各先細り部48cの頂部48dに確実に引き剥し力を加えることができる。
【0039】
ついで、露出したシート状の組立式計量スプーン35を天板25の中央部25cから取り外した後、この組立式計量スプーン35を組立て計量スプーンを作製する。そして、組立た計量スプーンで収納空間24に収容された粉末洗剤Xをすくい取って計量し、使用する。
粉末洗剤Xを使用した後は、差込み口39に摘み片41を差込むことにより、収納空間24を閉塞し、粉末洗剤Xを保管しておく。ここで組立た計量スプーンは、蓋片33により収納空間24を閉塞する前に、収納空間24内に入れておく。
再度、粉末洗剤Xを取出すときは、摘み片41を差込み口39から抜き、蓋片33を開け、この後、前述の方法と同様に計量スプーンを用いて粉末洗剤Xを使用すればよい。
【0040】
第一の例のカートン20にあっては、前記長側板22Aの表面に外側折り返し片30の裏面に貼着される鋸刃状表側接着部44が設けられ、かつ前記外側折り返し片30の裏面に長側板22Aの表面に貼着される鋸刃状裏側接着部48が設けられ、前記鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する表層22aと前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成され、前記鋸刃状表側接着部44が二つの先細り部44cを並べて構成され、前記鋸刃状裏側接着部48は二つの先細り部48cを並べて構成されたことにより、開封時に鋸刃状表側接着部44の各先細り部44cの頂部44dあるいは鋸刃状裏側接着部48の各先細り部48cの頂部48dに引き剥し力を集中させることができるので、紙材の層間剥離が殆ど抵抗なくスムーズに始まって、鋸刃状表側接着部44の表層22aを裏層22bから剥離するときあるいは鋸刃状裏側接着部48の裏層30bを表層30aから剥離するときの剥離強度を従来と比べて小さくすることができるので、鋸刃状表側接着部44の表層44aと鋸刃状裏側接着部48の裏層48bのうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着し、鋸刃状裏側接着部48の周囲の外側折り返し片30や、鋸刃状表側接着部44の周囲の長側板22Aが剥離したり破れることがなく、さらに、外側折り返し片30にしわが発生することも低減することができ、従って子供や老人などの力の弱い人でも容易に開封でき、開封後の外観をより向上させることができる。
【0041】
また、第一の例のカートン20にあっては、初期開封時に、前述のように鋸刃状表側接着部44の表層44aと鋸刃状裏側接着部48の裏層48bのうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着した状態で載るようになっているので、切り取り片等のゴミの発生はない。
また、安価な紙を用いて作製することができるので、容器内に板紙またはダンボール製枠体を嵌め入れた従来のシールカートンタイプの包装容器のようにコスト高となることがない。また、紙材からなるものであるので、使用後の廃棄処理性あるいはリサイクル性が良好である。
さらに、収納空間24への粉末洗剤の充填は、従来から用いられている成形充填シール機を用いることができるので、新規に設備投資をする必要がない。
【0042】
また、第一の例のカートン20にあっては、前記外側折り返し片30に鋸刃状表側接着部44の各先細り部44cの頂部44dの上方を通り幅方向に延在する折り罫51aが形成されているか、または、鋸刃状裏側接着部48の各先細り部48cの頂部48dあるいは該頂部48d近傍を通り幅方向に延在する折り罫51dが形成されたことにより、摘み片41を摘み上げてカートンを開封するとき、外側折り返し片30の中央部30cがこの折り罫51aの位置で折れ曲がり、鋸刃状表側接着部44の各先細り部44cの頂部44dまたは鋸刃状裏側接着部48の各先細り部48cの頂部48dに確実に引き剥し力を加えることができ、また、外側折り返し片30の中央部30cの他の位置にしわができるのを防止することができる。
【0043】
また、第一の例のカートン20において、前記鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する表層22aに切り込み45が形成されているとき、前記天板25または外側折り返し片30の裏面の裏層に切り込み46aが前記天板25と外側折り返し片30との境界に位置する折り返し部に沿って形成されたものにあっては、外側折り返し片30の裏面が剥がれても天板25の裏面が外側折り返し片30に伴って剥がれることがない。
また、第一の例のカートン20において、前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bに切り込み46が形成されているとき、長側板22Aまたはこれに連設された内側折り返し片(他の折り返し片)42の表面に半切れ状態の切り込み45aが形成されたものにあっては、長側板22Aの表面が剥がれても内側折り返し片(他の折り返し片)42の表面が長側板22Aに伴って剥がれることがない。
【0044】
また、第一の例のカートン20にあっては、前記外側折り返し片30の裏面の鋸刃状裏側接着部48の両側に第2の接着部47a,47bが該鋸刃状裏側接着部48と近接してあるいは接するように設けられ、前記両側の第2の接着部47a,47bが長側板22Aに貼着されたことにより、開封前は外側折り返し片30と長側板22Aとの間の隙間の密封性が良好で、該隙間から収納空間24内に湿気が侵入したり、あるいは収納空間24に収容された粉末洗剤が前記隙間から外部に溢れることを防止することができるので保存安定性が優れており、また、鋸刃状裏側接着部48と長側板22Aの表面との貼着だけにより外側折り返し片30と長側板22Aとが接着されている場合と比べて長側板22Aと外側折り返し片30との接着力がより強くなる。
【0045】
また、第一の例のカートン20にあっては、短側板23A,23Bが、それぞれ、短側板フラップ26A〜29A,26B〜29Bを重ね合わせて貼着して形成された二重壁構造とされたことにより、側面の強度が確保される。
また、側板22A,22B,23A,23Bの周縁と天板25の周縁部との間に隙間が空いていないので、該隙間から収納空間24内に湿気が侵入することや前記隙間から粉末洗剤が溢れることがなく、保存安定性が優れる。
また、天板25の周縁部の内方から外側折り返し片30にかけて破断可能に設けられる破断線32のうち少なくとも天板25に設けられる破断線32を半切れ状態としたことにより、ミシン目が天板25の表面側から裏面側にまで貫通していないので、収納空間24への湿気の侵入を少なくでき、特に、商品Xとして粉末洗剤が収納される場合、粉末洗剤が湿気により塊状となってしまうのを低減することができるからである。
さらに、前記摘み片41を差込むための差込み口39が長側板22Aに設けられ、該差込み口39を内側から覆うための内側折り返し片42が折曲げ可能に前記差込み口39を形成した長側板22Aに連設され、前記内側折り返し片42の裏面の周辺部42bを前記長側板22Aの内面に貼着して前記差込み口39を取り囲む周囲部が形成されたことにより、差込み口39から収納空間24内に湿気が侵入したり、あるいは収納空間24に収容された粉末洗剤が差込み口39から外部に溢れることを防止することができる。
【0046】
なお、第一の例のカートン20においては、短側板23A,23Bが二重壁構造である場合について説明したが、必ずしもこれに限らず、三重壁構造以上のものであってもよい。
また、第一の例のカートン20においては、天板25の裏面の中央部25cに組立式計量スプーン35を貼着した場合について説明したが、予め成形されたプラスチック製計量スプーンを収納空間24に入れてもよく、この場合には該プラスチック製計量スプーンは図12の開口部60から収納空間24に挿入することができ、また、計量スプーンを必要としない場合には収納空間24に挿入しなくてもよい。
また、第一の例のカートン20においては、破断可能な破断線32が天板25の両方の短辺(周縁部)より内方の位置から折り返し片30にかけて設けられた場合について説明したが、破断線32が天板25の両方の短辺(周縁部)から折り返し片30にかけて設けられ、破断線32の破断により形成される蓋片33が天板25の全部分と折り返し片30の中央部30cとから構成されるようにしてもよい。
また、第一の例のカートン20においては、鋸刃状表側接着部44が、これの水平周縁部が長側板22Aと内側折り返し片42との境界に位置する場合について説明したが、鋸刃状表側接着部44が前記境界より下方に設けられていてもよい。
【0047】
図13は、本発明の第二の例のカートンの蓋片を開けて開封したときの状態を示す斜視図である。また、図14は、第二の例のカートンを作製するための厚紙の展開図の部分拡大図であり、(A)三角型裏側接着部が設けられた外側折り返し片の裏層側から見た図であり、(B)は三角型表側接着部が設けられた長側板の表層側から見た図である。
この第二の例のカートン70が、第一の例のカートンと異なるところは、図14に示すような厚紙20dを用いて作製されたものであり、長側板22Aの表面に設けられる表側接着部44と、外側折り返し片30の裏面に設けられる裏側接着部48の形状が三角型である点である。
【0048】
この第二の例での三角型表側接着部44は、図14(B)に示すように一つの先細り部44cからなるものであり、V字状のジグザグの周縁部が差込み口39側となるように設けられており、一方、ジグザグの周縁部の両端を繋ぐ水平周縁部が長側板22Aと内側折り返し片42との境界に沿うように設けられている。先細り部44cの頂部44dの頂角α1は、前述の第一の例のものより大きくなっている。
また、この第二の例での三角型裏側接着部48は、図14(B)に示す前述の鋸刃状表側接着部44と略同形状であり、一つの先細り部48cからなるものであり、V字状のジグザグの周縁部が蓋片33の先端部33a側となるように設けられ、一方、ジグザグの周縁部の両端を繋ぐ水平周縁部が天板25と外側折り返し片30との境界に沿うように設けられている。先細り部48cの頂部48dの頂角α2は、前述の第一の例のものより大きくなっている。
そして、この第二の例のカートン70でも三角型表側接着部44の周縁に位置する表層22aと前記三角型裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成されている。
この第二の例のカートン70にあっては、前述の構成としたことにより、コスト高となることがなく、子供や老人などの力の弱い人でも容易に開封でき、開封後の外観をより向上させることができ、さらに保存安定性が優れる。
【0049】
図15は、本発明の第三の例のカートンの蓋片を開けて開封したときの状態を示す斜視図である。また、図16は、第三の例のカートンを作製するための厚紙の展開図の部分拡大図であり、(A)鋸刃状裏側接着部が設けられた外側折り返し片の裏層側から見た図であり、(B)は鋸刃状表側接着部が設けられた長側板の表層側から見た図である。
この第三の例のカートン80が、第一の例のカートンと異なるところは、図16に示すような厚紙20eを用いて作製されたものであり、長側板22Aの表面に設けられる鋸刃状表側接着部44と、外側折り返し片30の裏面に設けられる鋸刃状裏側接着部48の形状が山字型である点である。
【0050】
この第三の例での鋸刃状表側接着部44は、図16(B)に示すように先細り部44cが三つ並べられてなるものであり、山字状のジグザグの周縁部が差込み口39側となるように設けられており、一方、ジグザグの周縁部の両端を繋ぐ水平周縁部が長側板22Aと内側折り返し片42との境界に沿うように設けられている。各先細り部44cの頂部44dの頂角α1は、前述の第一の例のものより小さくなっている。 また、この第三の例での外側折り返し片30は、図16(B)に示す前述の鋸刃状表側接着部44と略同形状であり、先細り部48cが三つ並べられてなるものであり、山字状のジグザグの周縁部が蓋片33の先端部33a側となるように設けられ、一方、ジグザグの周縁部の両端を繋ぐ水平周縁部が天板25と外側折り返し片30との境界に沿うように設けられている。各先細り部48cの頂部48dの頂角α2は、前述の第一の例のものより小さくなっている。
そして、この第三の例のカートン80でも鋸刃状表側接着部44の周縁に位置する表層22aと前記鋸刃状裏側接着部48の周縁に位置する裏層30bのうち少なくとも一方に切り込みが形成されている。
この第三の例のカートン80にあっては、前述の構成としたことにより、コスト高となることがなく、子供や老人などの力の弱い人でも容易に開封でき、開封後の外観をより向上させることができ、さらに保存安定性が優れる。
【0051】
つぎに、本発明のカートンの第四の例について図17を用いて説明する。
図17は、第四の例のカートンを作製するための厚紙を説明するための図であり、(A)表層側から見た厚紙の展開図の部分拡大図であり、(B)はこの厚紙の半切れのミシン目が形成された折り返し部の断面図である。
この第四の例のカートンが、第一の例のカートンと異なるところは、図17(A)に示すような厚紙20hを用いて作製されたものであり、長側板22Aと内側折り返し片42との境界に位置する折り返し部に沿って形成される切り込み45aが図17(B)に示すような半切れによるミシン目45aである点である。前記半切れによるミシン目45aは、半切目45bと、繋目45cとが交互に形成されてなるものである。前記半切目45bは、厚紙20hの表面側から裏面側まで貫通しておらず、表層のみに切り込みが入っているものである。この半切目45bの長さは、できるだけ長い方が好ましい。また、前記繋目45cには切り込みは形成されていない。この繋目45cの長さは、できるだけ短い方が好ましい。
この第四の例のカートンにあっては、前述の構成としたことより、第一の例のカートンと同様の作用効果がある。
【0052】
つぎに、本発明のカートンの第五の例について図18を用いて説明する。
図18は、第五の例のカートンを作製するための厚紙の全切れのミシン目が形成された折り返し部の断面図である。
この第五の例のカートンが、第四の例のカートンと異なるところは、図18に示すような厚紙20iを用いて作製されたものであり、長側板22Aと内側折り返し片42との境界に位置する折り返し部に沿って形成される切り込み45aが全切れによるミシン目45aである点である。
前記全切れによるミシン目45aは、図18に示すように全切目45dと、繋目45cとが交互に形成されてなるものである。前記全切目45dは、厚紙20iの表面側から裏面側まで貫通しているものである。この全切目45dの長さは、できるだけ長い方が好ましい。また、前記繋目45cには切り込みは形成されていない。この繋目45cの長さは、できるだけ短い方が好ましい。
この第五の例のカートンにあっては、前述の構成としたことより、第一の例のカートンと同様の作用効果がある。
【0053】
【実施例】
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、もちろん本発明の主旨および適用範囲は、以下の実施例により制限されるものではない。
本発明のカートンを家庭用の粉末洗剤用小型容器に適用すべく、容器サイズが、高さ165mm、幅160mm、奥行き90mmで、内容量が1,200g(約1,400cc) である図1と同様の直方体状のカートンを試作した。このカートンを作製するための厚紙としては、図2と同様の厚紙20aを用い、この厚紙20aをなす材料としては、ネオサンド605g/m2(商品名;本州製紙株式会社製)を使用した。
また、外側折り返し片30の先端部(外側折り返し片30と摘み片41との境界の位置)の高さは60mmであり、天板の切り込み34a,34a間の幅を140mm、また、天板25に厚み方向の位置がわずかにずれるように設けられた切り込み34aと34bとの幅は、5mmであった。また、鋸刃状表側接着部44の形状は、W型であり、周縁の表層22aには切り込み45が形成されているものであり、各頂部44dの頂角α1は90゜であった。
以上の仕様によって本発明によるカートンを試作し、老人、子供を含む10人のパネラーによって開封および再封テストを行った結果、初期開封時の抵抗を感じないでスムーズに開封でき、鋸刃状表側接着部44の表層22aが裏層22bから容易に剥離して外側折り返し片30の裏面の鋸刃状裏側接着部48上に接着した状態で載っており、このときの剥離強度はいずれも約3.5kgf程度であり、また、鋸刃状裏側接着部48の周囲の外側折り返し片30や、鋸刃状表側接着部44の周囲の長側板22Aが剥離したり破れることもなく、また、容易に再封できることが確認された。
また、開封時に粉末洗剤の飛散はなく、また、再封したものを倒しても天板と側板との隙間から、粉末のこぼれは少なかった。
上記テストの結果、本発明の実施例のカートンは、子供や老人などの力の弱い人でも容易に開封でき、開封後の外観をより向上させることができることが分った。
【0054】
なお、本発明のカートンの望ましい実施の形態としては、次に記載したような構成要件を設定したときに、以下のような効果を特に得ることができる。
1.本発明のカートンにおいては、前記表側接着部の周縁に位置する表層に切り込みが形成されているとき、前記天板または外側折り返し片の裏面の裏層に切り込みが前記天板と外側折り返し片との境界に位置する折り返し部に沿って形成されてきることが好ましい。このような構成のカートンにあっては、外側折り返し片の裏面が剥がれても天板の裏面が外側折り返し片に伴って剥がれることがない。
2.本発明のカートンにおいては、前記裏側接着部の周縁に位置する裏層に切り込みが形成されているとき、前記外側折り返し片が貼着される側板またはこれに連設された他の折り返し片の表面に形成する切り込みを前記側板と他の折り返し片との境界に位置する折り返し部に沿って半切れまたは全切れによるミシン目とするか、あるいは半切れの切り込みとすることが好ましい。このような構成のカートンにあっては、側板の表面が剥がれても他の折り返し片の表面が側板に伴って剥がれることがない。
3.本発明のカートンにあっては、前記外側折り返し片の裏面の裏側接着部の両側に第2の接着部が該裏側接着部と近接してあるいは接するように設けられ、前記両側の第2の接着部が側板に貼着されていることが好ましい。このような構成のカートンにあっては、開封前は外側折り返し片と側板との間の隙間の密封性が良好で、該隙間から収納空間内に湿気が侵入したり、あるいは収納空間に収容された粉末洗剤が前記隙間から外部に溢れることを防止することができるので保存安定性が優れており、また、裏側接着部と側板の表面との貼着だけにより外側折り返し片と側板とが接着されている場合と比べて側板と外側折り返し片との接着力がより強くなる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載のカートンにあっては、前述の構成としたことにより、開封時に鋸刃状表側接着部の頂部または鋸刃状裏側接着部の頂部に引き剥し力を集中させることができるので、紙材の層間剥離が殆ど抵抗なくスムーズに始まって、鋸刃状表側接着部の表層を裏層から剥離するときあるいは鋸刃状裏側接着部の裏層を表層から剥離するときの剥離強度を従来と比べて小さくすることができるので、鋸刃状表側接着部の表層と鋸刃状裏側接着部の裏層のうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着し、鋸刃状裏側接着部の周囲の外側折り返し片や、鋸刃状表側接着部の周囲の側板が剥離したり破れることがなく、さらに、外側折り返し片にしわが発生することも低減することができ、従って子供や老人などの力の弱い人でも容易に開封でき、開封後の外観をより向上させることができる。
また、初期開封時に、前述のように鋸刃状表側接着部の表層と鋸刃状裏側接着部の裏層のうちいずれかが容易に剥離して他方の上に接着した状態で載るようになっているので、切り取り片等のゴミの発生はない。
また、安価な紙を用いて作製することができるので、容器内に板紙またはダンボール製枠体を嵌め入れた従来のシールカートンタイプの包装容器のようにコスト高となることがない。また、紙材からなるものであるので、使用後の廃棄処理性あるいはリサイクル性が良好である。
さらに、収納空間への粉末洗剤の充填は、従来から用いられている成形充填シール機を用いることができるので、新規に設備投資をする必要がない。
また、前述のような凸部が形成されていると、外側折り返し片を側板に貼着したとき、互いの凸部が当接し、しかも摘み片の先端部と側板の表面との間に摘み用の間隙ができて、摘み片が浮き上がった状態となるので、カートンを最初に開封するとき、摘み片を容易に摘むことができる。
【0056】
請求項2記載のカートンにあっては、前述の構成としたことにより、請求項1記載のカートンと略同様の作用効果がある。
請求項3記載のカートンにあっては、特に、外側折り返し片に前記表側接着部の先細り部の頂部の上方を通り幅方向に延在する折り罫が形成されているか、又は裏側接着部の先細り部の頂部あるいは該頂部近傍を通り幅方向に延在する折り罫が形成されたことにより、カートンを開封するときに、外側折り返し片の中央部が前記折り罫の位置で折れ曲がり、表側接着部の頂部または裏側接着部の頂部に確実に引き剥し力を加えることができ、また、外側折り返し片の中央部の他の位置にしわができるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカートンの第一の例を示す斜視図である。
【図2】 図1のカートンを作製するための厚紙の展開図である。
【図3】 図1のカートンの天板に設けられる半切れ状態の破断線を説明するための断面図である。
【図4】 図2の厚紙の展開図の部分拡大図であり、(A)は鋸刃状裏側接着部が設けられた外側折り返し片の裏層側から見た図であり、(B)は鋸刃状表側接着部が設けられた側板の表層側から見た図である。
【図5】 鋸刃状表側接着部が設けられた側板の縦断面図である。
【図6】 鋸刃状裏側接着部が設けられた外側折り返し片の縦断面図である。
【図7】 図2の厚紙の外側折り返し片を側板に貼着したときの摘み片の状態を説明するための部分断面図である。
【図8】 図2の厚紙の内側折り返し片の裏面の周辺部を、長側板の内面に貼着して差込み口を取り囲む周囲部を形成したときの状態を示す平面図である。
【図9】 図2の厚紙の折り畳み物を説明するための平面図である。
【図10】 図9の折り畳み物を作製した後、作製される折り畳み物を説明するための平面図である。
【図11】 一方の短側板を形成後、収納空間に商品(粉末洗剤)を充填する工程を説明するための斜視図である。
【図12】 図1のカートンの蓋片を開けて開封したときの状態を示す斜視図である。
【図13】 本発明のカートンの第二の例で、これの蓋片を開けて開封したときの状態を示す斜視図である。
【図14】 図13のカートンを作製するための厚紙の展開図の部分拡大図であり、(A)三角型裏側接着部が設けられた外側折り返し片の裏層側から見た図であり、(B)は三角型表側接着部が設けられた長側板の表層側から見た図である。
【図15】 本発明のカートンの第三の例で、これの蓋片を開けて開封したときの状態を示す斜視図である。
【図16】 図15のカートンを作製するための厚紙の展開図の部分拡大図であり、(A)鋸刃状裏側接着部が設けられた外側折り返し片の裏層側から見た図であり、(B)は鋸刃状表側接着部が設けられた長側板の表層側から見た図である。
【図17】 本発明のカートンの第四の例を作製するための厚紙を説明するための図であり、(A)表層側から見た厚紙の展開図の部分拡大図であり(B)はこの厚紙の半切れのミシン目が形成された折り返し部の断面図である。
【図18】 本発明のカートンの第五の例を作製するための厚紙の全切れのミシン目が形成された折り返し部の断面図である。
【図19】 従来のシールカートンタイプの包装容器の例で、開封したときの状態を示す斜視図である。
【図20】 図19に示した包装容器の外側の紙製容器を作製するための紙製シートの容器の内側となる面から見たときの展開図である。
【図21】 図19に示した包装容器の作製工程を説明するための斜視図である。
【図22】 図19に示した包装容器の開封前の状態を示す斜視図である。
【図23】 従来の包装容器のその他の例で、開封したときの状態を示す斜視図である。
【図24】 従来のカートンの例を示す斜視図である。
【図25】 図24に示した従来のカートンを作製するための厚紙の展開図である。
【符号の説明】
20,70,80・・・カートン、20a,20d,20e,20h,20i・・・厚紙、21・・・底板、22A,22B・・・長手方向の側板(長側板)、
23A,23B・・・短手方向の側板(短側板)、22a・・・表層、22b・・・裏層、24・・・収納空間、 25・・・天板、25a・・・表層、25b・・・裏層、
25c・・・中央部、26A,27A,28A,29A・・・側板フラップ、
26B,27B,28B,29B・・・側板フラップ、X・・・商品、
30・・・外側折り返し片、30a・・・表層、30b・・・裏層、30c・・・中央部、
32・・・破断線、32a・・・半切れ、32b・・・ミシン目、
34a,34b・・・切り込み、33・・・蓋片、33a・・・先端部、H・・・高さ、
S・・・紙目、W1・・・幅、θ・・・内角、35・・・組立式計量スプーン、
39・・・差込み口、39a・・・凸部、41・・・摘み片、41a・・・折り罫、
41b・・・凸部、41c・・・端部、42・・・内側折り返し片、42a・・・周辺部、
42b・・・中央部、43・・・間隙、44・・・表側接着部、44c・・・先細り部、44d・・・頂部、α1・・・頂角、45・・・切り込み、45a・・・切り込み、
45b・・・半切目、45c・・・繋目、45d・・・全切目、46・・・切り込み、46a・・・切り込み、47a,47b・・・第2の接着部、48・・・裏側接着部、
48c・・・先細り部、48d・・・頂部、α2・・・頂角、49・・・下側点状接着部、
50・・・上側点状接着部、51a・・・折り罫、60・・・開口部。
Claims (3)
- 少なくとも表層と裏層を積層した多層構造の紙材からなり、底板と複数の側板とに囲まれた収納空間が側板の一つに連設された天板によって閉塞される紙製カートンであって、
前記側板の表面に貼着される外側折り返し片が折曲げ可能に前記天板に連設され、さらに前記外側折り返し片が貼着される側板の表面に該外側折り返し片の裏面に貼着される先細り部を有する鋸刃状表側接着部が設けられるか、又は前記外側折り返し片の裏面に側板の表面に貼着される先細り部を有する鋸刃状裏側接着部が設けられるか、又はこれら側板の表面の鋸刃状表側接着部と前記外側折り返し片の裏面の鋸刃状裏側接着部の両方が設けられ、
さらに前記鋸刃状表側接着部の周縁に位置する表層と前記鋸刃状裏側接着部の周縁に位置する裏層のうち少なくとも一方に切り込みが形成され、
さらに前記外側折り返し片の先端部に摘み片が連接され、該摘み片の裏面に凸部が形成され、かつ前記外側折り返し片が貼着される側板の表面で、前記摘み片の凸部と対応する位置に凸部が形成されてなることを特徴とするカートン。 - 請求項1記載のカートンにおいて、鋸刃状表側接着部および/または鋸刃状裏側接着部に代えて、三角型表側接着部および/または三角型裏側接着部が設けられてなることを特徴とするカートン。
- 前記外側折り返し片に前記表側接着部の先細り部の頂部の上方を通り幅方向に延在する折り罫が形成されているか、又は裏側接着部の先細り部の頂部あるいは該頂部近傍を通り幅方向に延在する折り罫が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のカートン。
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