JP4843874B2 - 振動型ジャイロスコープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動型ジャイロスコープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、振動型ジャイロスコープを使用することが検討されている。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0003】
これまで振動型ジャイロスコープが利用されてきた各種分野では、精密な観測機器であることから、周囲環境の温度変化が少ないことが多く、このため測定値に対する温度ドリフトの影響は少なかった。しかし、例えば車体制御システムにおいては、振動型ジャイロスコープおよびその振動子は、幅広い環境温度、即ち高温と低温とにさらされる。このような使用温度範囲は、通常は−30℃−+80℃(更には−30℃−+85℃)の範囲にわたっており、一層厳しい仕様では更に広い温度範囲にわたる場合もある。更に、振動子を圧電性単結晶によって形成した場合には、圧電性単結晶の有する温度特性の影響がある。
【0004】
こうした温度特性の影響を補償した角速度センサーが、特開平5−288555号公報に記載されている。この公報の記載によると、圧電振動子の近くに、振動子の周辺の温度を検出する温度センサーを設置する。そして、振動子の周辺温度の測定値に基づいて、振動子からの出力信号に対する温度の影響を打ち消すような信号を、振動子からの出力信号に加算している。
【0005】
しかし、振動子の温度と、その周辺の温度とは必ずしも一致しない。特に、環境温度が大きく変化する場合には、温度センサー設置箇所の温度は環境温度変化に応じて比較的に早期に変化する一方、振動子の温度の変化速度は相対的に緩やかになる。このため、温度センサーによる温度測定値に基づいて振動子の信号出力の温度ドリフトを修正したとき、振動子の実際の温度変化に対応しないような修正信号を加算してしまい、かえって温度ドリフトを拡大するおそれがある。
【0006】
特開2000−28363号公報に記載の技術においては、振動子の周辺に温度センサーを設置し、温度センサーによって振動子の周囲の温度を検出する。そして、環境温度が変化したときには、温度センサーによって測定した温度の経時変化に基づき、所定時間における温度変化量を算出する。ここで、振動子の周囲温度が所定時間内に例えば5℃急激に変化したものとすると、同じ時間内における振動子の温度変化は5℃よりも小さいはずであり、例えば2℃程度である。従って、温度センサーによる周囲温度の測定値の変化が大きい場合には、それに応じて振動子の温度変化を少なく見積もり、この見積もりに応じて振動子からの出力を補正する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうした制御を実施するためには、高価な電子制御回路が必要であり、制御方式が複雑である。なぜなら、周囲温度の変化速度に対応して、振動子の温度変化を見積もる際には、実際には多数の因子が関与している。
【0008】
まず、温度センサーの設置箇所における測定温度の変化速度が大きいと、振動子の温度はこの温度変化に追従できず、このため測定温度と振動子の温度との差が開くはずである。しかし、現実問題としては、測定温度の変化速度が一定であるものと仮定しても、振動子の温度の変化は一定とは限らず、どのように変動するのかを予測することは難しい。また、振動子の温度は、温度センサーの設置箇所の形状や熱容量の影響を受けるはずであり、また他の電子素子の発熱状態の影響も受けるはずである。
【0009】
これらの各要因は、現実には各機器においてかなり偏差があるはずである。実際に測定温度を変化させ、振動子からの出力、例えば0点温度ドリフトがどのように変化するのかを測定し、その測定データをコンピューターに内蔵することも考えられる。しかし、現実の機器における変動要因は千差万別であり、完全な対応は難しい。千差万別の環境要因に電子的制御によって対応しようと試みた場合には、ソフトウエア面からもハードウエア面からも非常に負担が大きく、多大のコストアップ要因となるものと予想される。
【0010】
本発明の課題は、振動子からの出力信号を処理し、回転角速度に対応する検出信号を得るような振動型ジャイロスコープにおいて、周囲温度の変化速度に対応して、検出信号の精度を高め得るようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の振動型ジャイロスコープは,
台座、
第一の空間を形成する気密性の第一の容器であって、第一の基盤および第一の蓋を備える第一の容器、
第一の空間に収容されており、回転角速度の影響を受けて出力信号を出力する振動子、
出力信号を処理し、回転角速度に対応する検出信号を得る信号処理手段、
第二の空間を形成する気密性の第二の容器であって、第二の基盤および第二の蓋を備える第二の容器、
第二の空間に収容されている温度測定手段、
第二の基盤から温度測定手段への熱伝導を制御するための接合材、
第一の基盤を台座上に支持する第一の脚部、
第二の基盤を台座上に支持する第二の脚部、
振動子上の電極を第一の脚部に電気的に接続する第一の電気的接続手段、および
温度測定手段の端子を第二の脚部に電気的に接続する第二の電気的接続手段
を備えており、
第一の容器の熱容量と第二の容器の熱容量とが近接しており、温度測定手段による温度の測定結果を使用して検出信号を補正することを特徴とする。
【0012】
本発明者は、第一の気密性容器内に振動子を収容すると共に、これとは別体の第二の気密性容器内に温度測定手段を収容し、第一の容器内の振動子の温度変化を、第二の容器内の温度測定手段によって模倣可能とすることを想到した。
【0013】
即ち,本発明によって、第二の容器内に温度測定手段を設置することによって、環境温度が変化したときに、第一の容器内の振動子の温度変化を、第二の容器内の温度測定手段によって模倣できるようになった。
【0014】
なぜなら、環境温度が変化したときの第一の気密性容器内の振動子の温度変化速度は、第一の容器の熱容量、第一の容器の熱伝導率、第一の容器の内容物の熱容量および第一の容器の内容物の熱伝導率によって左右されるはすである。一方、環境温度が変化したときの第二の気密性容器内の温度測定手段の温度変化速度も、第二の容器の熱容量、熱伝導率、第二の容器の内容物の熱容量および第二の容器の内容物の熱伝導率によって左右されるはすである。従って、これらの要素を適当に調整することによって、外部温度が変化したときの振動子の温度変化速度と温度測定手段の温度変化速度とを接近させ、ある程度の誤差の範囲内に納めることは比較的容易である。
【0015】
このように、第二の気密性容器内に収容された温度測定手段における測定温度に基づいて検出信号を補正することによって、比較的に容易に温度ドリフトを低減でき、また従来よりも高精度の制御が可能となる。
【0016】
本発明においては、前述した第二の容器内の温度測定手段における測定温度を基にして、振動子の温度変化を推定する。
【0017】
ここで、第二の容器内の温度測定手段における測定温度を、振動子の温度と等しいものと推定することができる。この場合には、振動子の温度の推定値に基づいて、検出信号を補正する。
【0018】
しかし、第二の容器内の温度測定手段における測定温度を、振動子の温度と等しいものと推定することは、必須ではない。つまり、第二の容器内の温度測定手段における測定温度は、振動子の実際の温度と相違していてもよく、こうした場合にも本発明の振動型ジャイロスコープの制御は可能である。この理由を述べる。
【0019】
本発明においては、温度測定手段における測定値に応じて、検出信号の補正の大きさを決定するような検量線を作成し、検量線を演算装置内に入力できる。そして、0点温度ドリフトがなくなるように、検量線を設定できる。この場合には、温度測定手段における測定値(絶対値)と、振動子の温度とが完全に一致していなくとも、実際には温度測定手段における測定値をもとにして検量線を作成しているのであるから、0点温度ドリフトは生じないはずである。
【0020】
その上で、本発明においては、環境温度が変化したときに、振動子の温度変化と温度測定手段の測定値の変化とが同等程度となるように調整可能である。このように、環境温度が変化したときの振動子の温度変化と温度測定手段の温度変化とが同等程度であれば、温度測定手段における測定値をもとにして検出信号を補正したときに、温度変化による誤差はほとんど生じないはずである。
【0021】
参考形態は、空間を形成する気密性容器、空間に収容されており、回転角速度の影響を受けて出力信号を出力する振動子、出力信号を処理し、回転角速度に対応する検出信号を得る信号処理手段、および前記空間に収容されている温度測定手段を備えており、温度測定手段による温度の測定値を使用して検出信号を補正することを特徴とする、振動型ジャイロスコープに係るものである。
【0022】
本形態によれば、同一の気密性容器内に振動子と温度測定手段とを共に収容することによって、環境温度が変化したときの振動子の温度変化を、同一容器内の温度測定手段によって模倣するようにした。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明においては、振動子に駆動振動を励振し、駆動振動中の振動子に対する物理量の影響によって振動子の振動状態に変化が生じたときに、この振動状態の変化から検出回路を通して回転角速度理量を検出する。
【0024】
気密性容器によって形成されている空間は、閉空間をなしている。
【0025】
容器の種類は特に限定されないが、実装用のパッケージが好ましい。こうしたパッケージとしては、プロジェクション溶接用パッケージ、シーム溶接用パッケージを使用できる。容器の材質は限定されず、セラミックス、金属、樹脂であってよく、冷間圧延合金が最も好ましい。
【0026】
振動子からの出力信号を処理し、回転角速度に対応する検出信号を得る信号処理手段は、特に限定されず、例えば通常のプロセッサーと電子回路とからなっていてよい。慣性センサーの場合には、信号処理手段は、振動子から出力された生の出力信号を受け、以下の処理を施す。
(1)出力信号を処理して、角速度、加速度、角加速度に対応する所定の検出信号以外のノイズ信号成分を除去または低減する。
(2)出力信号の中から、角速度、加速度、角加速度に対応する検出信号を増幅する。
【0027】
本発明の好適な実施形態においては、信号処理手段は、振動子からの出力信号(交流信号)を増幅する交流増幅器と、交流増幅後の信号を検波する検波器と、検波器からの検波出力を直流信号に変換する整流器と、この直流信号を増幅する直流増幅器とを備えている。また、好ましくは、検波出力から不要な高周波数の信号成分を除去するローパスフィルターを使用する。
【0028】
検出信号の補正は、出力信号処理のどの段階で行っても良い。また、補正の大きさは、温度測定手段における測定値に応じて決定する。例えば、各測定温度に対応して、検出信号の補正の大きさを決定するような検量線を作成し、検量線を演算装置内に入力しておく。そして、0点温度ドリフトがなくなるように、検量線を設定する。
【0029】
温度測定手段は特に限定されないが、パッケージ内に実装できるという点で半導体温度センサーが好ましい。
【0030】
本発明においては、容器が気密性容器である。これによって、容器の内容物の熱伝導率および熱容量を厳密に制御しやすくなり、従って温度測定手段の温度変化と検出素子の温度変化とを一致させ易くなる。
【0031】
本発明においては、第一の容器の熱容量と第二の容器の熱容量とを近接させる。これによって、温度測定手段の温度変化と振動子の温度変化とを一致させ易くなる。両者の熱容量は完全に一致させる必要はないが、相違は10%以下であることが好ましい。
【0032】
好適な実施形態においては、第二の空間に、第二の容器から温度測定手段への熱伝導を制御するための物質が収容されている。こうした物質は、気体であってよく、固形の充填材であってよく、気体と固形充填材との双方であってよい。
【0033】
気体としては、ネオン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスや、乾燥空気が好ましい。
【0034】
固形の充填材としては、雰囲気中で長期にわたって安定であり、かつ温度変化に強いものが好ましい。これらの観点から、セラミックス(アルミナ、ジルコニア等)、ガラス、ステンレス、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、水晶、シリコンが好ましい。
【0035】
本発明では、固形の充填材は、検出素子と容器とを接合する接合材であり、温度測定手段と容器とを接合する接合材である。この場合には、容器から接合材を通して、容器の外部の熱が伝達されている。従って、接合材の熱容量および熱伝導率を変更することによって、振動子および温度測定手段への熱伝導量を容易に制御可能である。こうした接合材としては、エポキシ樹脂系接着剤、導電性接着ペースト、シリコン、シアノアクリレート系接着剤が好ましい。熱容量の制御は、例えば、充填材の分布・体積と組合わせを変えることによって実現される。熱容量が不足している場合は、熱容量の大きな充填材の体積を増すことができる。また、容器内の気密封止を行う場合には、容器の内部を減圧化・真空化することにより、熱伝導率を下げることができるし、容器の内部の圧力を増大させることによって、熱伝導率を上げることができる。
【0036】
好適な実施形態においては、第一の容器と第二の容器とが近傍に設置されている。第一の容器と第二の容器とは接触していてよく、一部が接合または一体化していてよい。第一の容器と第二の容器とが離れている場合には、両者の間隔は1cm以下であることが好ましい。
【0037】
以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。図1は、振動子7および半導体温度センサー5を実装した状態を示す分解斜視図であり、図2は、図1の実装品の断面図である。台座1の表面1a上に、2体の基盤3、4が設置されている。各基盤3、4は、それぞれ、脚部16B、16Aによって台座1の取り付け孔2に対して取り付けられており、これによって実装されている。
【0038】
基盤4には、フランジ4bおよび貫通孔4dが形成されている。貫通孔4dには、それぞれ脚部16Aの上側端部が挿入され、固定されている。フランジ4b上には、蓋11のフランジが載置され、接合されている。基盤4と蓋11とによってパッケージ30Aが形成されており、パッケージ30Aの内部は気密状態に維持されている。基盤4の表面4cには、振動子7が接合材9によって接合されている。振動子7上の駆動電極端子や検出電極端子は、電気的接続手段、例えばリードワイヤー6を通して脚部16Aに対して接続されている。
【0039】
基盤3には、フランジ3bおよび貫通孔3dが形成されている。貫通孔3dには、それぞれ脚部16Bの上側端部が挿入され、固定されている。フランジ3b上には、蓋10のフランジが載置され、接合されている。基盤3と蓋10とによってパッケージ30Bが形成されており、パッケージ30Bの内部は気密状態に維持されている。基盤3の表面3cには、温度センサー5が接合材8によって接合されている。温度センサー5の端子5aは、電気的接続手段、例えばリードワイヤー6を通して脚部16Bに対して接続されている。
【0040】
各パッケージ30A、30B内の第一の空間20A、第二の空間20Bは、それぞれ、外気に対して気密状態に維持されている。空間20A、20B内には、振動子、温度測定手段、電気的接続手段の他には、所定量の気体41、42、固形の充填材12、13および接合材8、9が収容されている。これらの内容物全体の熱容量と熱伝導率とを制御することによって、環境温度が変化したときの、温度測定手段の温度変化と振動子の温度変化とを合わせることが可能である。
【0041】
本例におけるように、第一の容器30Aと第二の容器30Bとを共通基板ないし台座1上に実装することによって、外部の環境に対する振動子および温度測定手段の応答を同程度に維持しやすくなる。なぜなら、共通基板上においては熱的環境が類似しているからである。また、第一の容器と第二の容器との間の位置決めも容易になる。
【0042】
図3は、振動子7および半導体温度センサー5を実装した状態を示す分解斜視図であり、図4は、図3の実装品の断面図である。台座1の表面1a上に、1体の基盤15が設置されている。基盤15は、脚部16A、16Bによって台座1の取り付け孔2に対して取り付けられており、これによって実装されている。
【0043】
基盤15には、フランジ15bおよび貫通孔15dが形成されている。貫通孔15dには、それぞれ脚部16A、16Bの上側端部が挿入され、固定されている。フランジ15b上には、蓋14のフランジが載置され、接合されている。基盤15と蓋14とによってパッケージ30Cが形成されており、パッケージ30Cの内部は気密状態に維持されている。基盤15の表面15cには、温度センサー5が接合材8によって接合されている。温度センサー5の端子5aは、電気的接続手段、例えばリードワイヤー6を通して脚部16Bに対して接続されている。また、基盤15の表面15cには、振動子7が接合材9によって接合されている。振動子7上の駆動電極端子や検出電極端子は、電気的接続手段、例えばリードワイヤー6を通して脚部16Aに対して接続されている。
【0044】
パッケージ30C内の空間20Cは、外気に対して気密状態に維持されている。空間20C内には、振動子、温度測定手段、電気的接続手段の他には、所定量の気体43、固形の充填材38および接合材8、9が収容されている。これらの内容物全体の熱容量と熱伝導率とを制御することによって、環境温度が変化したときの、温度測定手段の温度変化と振動子の温度変化とを合わせることが可能である。
【0045】
図5は、振動子の励振回路および振動子からの出力信号を処理する信号処理手段を示すブロック図である。
【0046】
起動時には、自励発振回路に対して起動回路から雑音を入力する。この雑音は、振動子7の駆動部7aを通過して周波数選択を受け、次いで交流増幅器23に入力されて増幅を受ける。交流増幅器23からの出力信号の一部を取り出し、整流器に入力し、振幅の水準(大きさ)に変換する。この振幅の信号を振幅制御増幅器24に入力する。自励発振装置は診断回路25に連結されており、診断回路25の出力はDIAG端子26を通して外部に出力される。
【0047】
本例の出力信号処理手段35においては、振動子の検出部7b、7cから出力された各出力信号を処理する。振動子の検出振動部7b、7cからの出力信号を検出手段22A、22Bによって検出し、各前置増幅器28A、28Bによって増幅する。各増幅器28A、28Bからの各出力は、少なくとも、角速度に対応する真正の検出信号を含んでいる。本例では、各出力信号に含まれる各検出信号は逆位相となっている。従って、各出力信号を減算器29に入力して減算し、真正の検出信号を残す。次いで、減算器29からの出力を、交流増幅器36、検波器31、ローパスフィルター32、リミッタ33に通し、端子34から検出信号を得る。
【0048】
本例においては、検波器31において、駆動信号に基づく移相信号を利用して出力信号を検波する。即ち、駆動振動からの派生信号を移相器27に通して例えば90°移相させ、移相信号を得る。検波回路31に移相信号を入力し、出力信号を検波すると、検波出力からは、不要な漏れ信号は消去されており、真正の検出信号が得られる。この検波信号を平滑化回路に入力し、その出力を増幅する。
【0049】
また、補正装置40を利用し、検出信号を補正する。補正装置40は、例えば、測定手段における測定温度に対応して検出信号の補正量を決定する検量線を内蔵したコンピューターであってよい。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、振動子からの出力信号を処理し、回転角速度に対応する検出信号を得るような振動型ジャイロスコープにおいて、周囲温度の変化速度に対応して、検出信号の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る物理量測定装置の要部分解斜視図である。
【図2】図1の装置の断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る物理量測定装置の要部分解斜視図である。
【図4】図3の装置の断面図である。
【図5】検出素子の駆動装置および出力信号処理手段を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 台座 2 取り付け孔 3 温度測定手段を実装する基盤 4 検出素子を実装する基盤 5 半導体温度センサー(温度測定手段) 6 リードワイヤー(電気的接続手段) 7振動子(検出素子) 8 温度測定手段の接合材 9 検出素子の接合材 10、11 蓋 12、13、38 充填材 15 温度測定手段および検出素子を実装する基盤 16A、16B 実装用の脚部 20A 第一の空間 20B 第二の空間 20C 空間 30A 第一の容器 30B 第二の容器 30C 容器 35 出力信号処理手段 40 補正装置 41、42、43 気体
Claims (1)
- 台座、
第一の空間を形成する気密性の第一の容器であって、第一の基盤および第一の蓋を備える第一の容器、
前記第一の空間に収容されており、回転角速度の影響を受けて出力信号を出力する振動子、
前記出力信号を処理し、前記回転角速度に対応する検出信号を得る信号処理手段、
第二の空間を形成する気密性の第二の容器であって、第二の基盤および第二の蓋を備える第二の容器、
前記第二の空間に収容されている温度測定手段、
前記第二の基盤から前記温度測定手段への熱伝導を制御するための接合材、
前記第一の基盤を前記台座上に支持する第一の脚部、
前記第二の基盤を前記台座上に支持する第二の脚部、
前記振動子上の電極を前記第一の脚部に電気的に接続する第一の電気的接続手段、および
前記温度測定手段の端子を前記第二の脚部に電気的に接続する第二の電気的接続手段
を備えており、
前記第一の容器の熱容量と前記第二の容器の熱容量とが近接しており、前記温度測定手段による温度の測定結果を使用して前記検出信号を補正することを特徴とする、振動型ジャイロスコープ。
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