JP2004301786A - センサ素子パッケージおよび角速度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】角速度に応じて電流を出力するセンサ素子10と、センサ素子を支持する機構と、その電流を電圧に変換する電流電圧変換手段20と、センサ素子10および電流電圧変換手段20を電気的に接続する配線30とを、同一のパッケージ4の内部に封止する。そのパッケージ4の内部を、真空または乾燥不活性ガス雰囲気に封止してもよい。また、センサ素子10の検出電極16および配線30に、ガードリング18,38を形成してもよい。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサ素子パッケージおよび角速度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
船舶や航空機などの航行制御や姿勢制御用センサ、ハンディビデオカメラの手振れ検出センサ、3次元立体マウス用の回転方向検出センサなどとして、角速度センサが利用されている。角速度センサは、ある物体にX軸まわりの角速度ωが作用している状態で、その物体をY方向に運動させると、Z方向にコリオリ力Fが作用するという基本原理を利用したものである。このコリオリ力Fを測定することにより、角速度ωを求めることができる。
【0003】
図6に、角速度センサにおけるセンサ素子の動作原理の説明図を示す。角速度センサのセンサ素子10として、音叉型圧電振動片が利用されている。音叉型圧電振動片は、水晶等の圧電材料の平板を音叉型に切り出し、その振動腕12の表面に電極を形成したものである。具体的には、振動腕12のY方向表面に駆動電極14およびフィードバック用電極15が形成され、振動腕12のZ方向表面に検出電極16が形成されている。そして、駆動電極14に交流電圧を印加すると、振動腕12がXY面内において屈曲振動する。ここで、センサ素子10のX軸まわりに角速度ωが作用すると、Z軸方向にコリオリ力Fが作用し、振動腕12はXZ面内においても屈曲振動する。これにともなって検出電極16に発生する電流を検出すれば、角速度ωを求めることができる。
【0004】
図7に、電流電圧変換手段の回路図を示す。センサ素子10の検出電極に発生する電流は、電圧に変換して検出する。その電流電圧変換手段120として、ネガティブフィードバックをともなったオペアンプ122が利用されている。具体的には、センサ素子10の検出電極に発生する電流をオペアンプ122に入力し、フィードバックインピーダンスZの抵抗値を適当に設定して、出力電圧Eoを得ている。フィードバックインピーダンスZは、抵抗、或いは抵抗と容量の並列接続、であっても良い。
【0005】
図9に、センサ素子パッケージおよび電流電圧変換手段の側面図を示す。上述したセンサ素子10は、その振動腕に不純物が付着すると振動特性が大きく変化するという性質を有する。そこでセンサ素子10は、パッケージ104の内部に封止されている。そして、このパッケージ104および電流電圧変換手段120を基板102に実装し、基板表面に形成した配線パターン106により両者間を電気的に接続している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
角速度センサが利用されるハンディビデオカメラ等は小型化が顕著であり、これにともなって角速度センサにも小型化が要求されている。そして角速度センサを小型化するには、センサ素子を小型化する必要がある。ところが、センサ素子を小型化すると、振動腕の屈曲振動の振幅が小さくなり、検出電極に発生する電流は微弱なものとなる。その結果、検出すべき信号の強度がノイズの強度に接近し、S/N比が低下するという問題がある。
【0007】
一方、図9に示す基板102は大気中に開放されているので、その表面にフラックスや水分などの不純物が付着する場合がある。基板102はセラミック(アルミナ)等の高抵抗材料により形成されているが、不純物が付着するとその部分の抵抗値が低下する。そして、基板表面の配線パターン106の周辺に不純物が付着すると、センサ素子の検出電極で発生した微弱電流の一部が当該部分から漏えいし、図7のフィードバックインピーダンスZを流れなくなる。その結果、オペアンプは正確な電圧を出力できなくなり、角速度の検出精度が低下するという問題がある。
本発明は上記問題点に着目し、角速度の検出精度が高く、S/N比の高いセンサ素子パッケージおよび角速度センサの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るセンサ素子パッケージは、角速度に応じて電流を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の支持機構と、前記電流を電圧に変換する電流電圧変換手段と、前記センサ素子と前記電流電圧変換手段とを電気的に接続する配線とを、同一のパッケージの内部に封止した構成とした。
【0009】
この場合、配線の周辺部に不純物が付着しないので、配線の周辺部における絶縁抵抗値の低下が防止される。これにより、配線を流れる電流が微弱な場合であっても、その電流の漏えいを防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度の検出精度を向上させることができる。また、配線長が短縮されるので、S/N比を向上させることができる。
【0010】
また、前記パッケージの内部を、真空または乾燥不活性ガス雰囲気に封止してもよい。この場合、配線の周辺部に水蒸気などの不純物が付着しないので、配線の周辺部における絶縁抵抗値の低下が防止される。これにより、配線からの電流の漏えいを防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。
【0011】
また、前記センサ素子の検出電極、前記電流電圧変換手段および前記配線の周囲に、ガードリングを形成してもよい。センサ素子の検出電極、電流電圧変換手段および配線と、ガードリングとを同電位とすれば、配線等からガードリングに電流が流れることがないので、配線等からの電流の漏えいを防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。
【0012】
また、前記パッケージの内部に、高抵抗材料をコーティングしてもよい。この場合、パッケージのキャビティ底面に不純物が付着しないので、配線の周辺部における絶縁抵抗値の低下が防止される。これにより、配線からの電流の漏えいを防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。
【0013】
また、前記パッケージ内部に封止されたセンサ素子と電流電圧変換手段と此れを電気的に接続する配線を、前記パッケージにおいてシールドするように形成された電極を所定の電位に保持することにより、前記パッケージの内部を前記パッケージの外部から電気的にシールドしてもよい。これにより、電磁誘導によるノイズの混入を防止することができる。また、外部電界によるノイズの混入を防止することができる。したがって、S/N比を向上させることができる。
【0014】
なお、前記電流電圧変換手段は、ネガティブフィードバックをともなったオペアンプであるのが好ましい。フィードバック抵抗値を適当に選んだ電流−電圧変換器、あるいはフィードバックインピーダンスZに高抵抗と小容量の並列接続を用いたチャージアンプであるのが望ましい。これにより、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。
【0015】
なお、前記パッケージの内部に、前記電流電圧変換手段の駆動電源の安定化回路を設けてもよい。これにより、電源インピーダンスが低下して電源電圧が安定し、前記電流電圧変換手段の動作が安定し、S/N比を向上させることができる。
また、複数の前記センサ素子およびその支持機構と、複数の前記電流電圧変換手段と、複数の前記配線とを、同一のパッケージの内部に封止してもよい。この場合、各センサ素子による検出条件が均一化されるので、多軸の角速度の検出精度を揃える事が出来る。
【0016】
一方、本発明に係る角速度センサは、前記センサ素子パッケージを使用して製造した構成とした。これにより、上記効果をともなった角速度センサを提供することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係るセンサ素子パッケージおよび角速度センサの好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。なお、本実施形態ではセンサ素子として音叉型圧電振動片を使用するが、本発明では他の圧電振動片を使用することも可能である。
【0018】
図1に、本実施形態に係るセンサ素子パッケージ2のリッドを除いた状態の平面図を示す。本実施形態に係るセンサ素子パッケージ2は、角速度に応じて電流を出力するセンサ素子10と、前記電流を電圧に変換する電流電圧変換手段20と、前記センサ素子と前記電流電圧変換手段とを電気的に接続する配線30とを、同一のパッケージ4の内部に封止したものである。
【0019】
まず、角速度に応じて電流を出力するセンサ素子10を形成する。センサ素子10として、音叉型圧電振動片を使用する。音叉型圧電振動片は、水晶等の圧電材料の平板を音叉型に切り出し、その振動腕12の表面に電極を形成したものである。具体的には、図6に示すように、振動腕12のY方向表面に駆動電極14およびフィードバック用電極15を形成し、振動腕12のZ方向表面に検出電極16を形成する。このように形成したセンサ素子10において、駆動電極14に交流電圧を印加すると、振動腕12がXY面内において屈曲振動する。ここで、センサ素子10のX軸まわりに角速度ωが作用すると、Z軸方向にコリオリ力Fが作用し、振動腕12はXZ面内においても屈曲振動する。これにともなって検出電極16に発生する電流を検出すれば、角速度ωを求めることができる。
【0020】
図2に、本実施形態に係るセンサ素子パッケージ2の回路図を示す。上記電流を電圧に変換して検出するため、電流電圧変換手段20を形成する。電流電圧変換手段20として、ネガティブフィードバック24をともなったオペアンプ22を採用する。具体的には、センサ素子10の検出電極を、オペアンプ22の反転入力端子に接続する。なお、オペアンプ22の非反転入力端子は接地する。また、オペアンプ22の出力端子から反転入力端子にかけてネガティブフィードバック24を形成し、フィードバックインピーダンスZを設ける。フィードバックインピーダンスZは、抵抗、或いは抵抗と容量の並列接続、であっても良い。すなわち、オペアンプ22は、図8(1)に示したように、フィードバックインピーダンスZが抵抗RからなるI−Vアンプとして形成してもよいし、同図(2)に示したように、フィードバックインピーダンスZがコンデンサCと抵抗Rとの並列回路からなるチャージアンプとして形成下してもよい。これにより、オペアンプ22の出力端子において電圧出力を得ることができる。これにより、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となる。
【0021】
なお、オペアンプ駆動用電源の安定化回路130を、パッケージ4の内部に封入してもよい。安定化回路130は、電源電圧の変動による影響を排除するためバイパスコンデンサ132を設けた回路である。この安定化回路130をパッケージ4の内部に封入することにより、電源の安定化回路により電源変動が低減され、また、前記電源の安定化回路の出力と前記電流電圧変換手段との配線長が短縮され、電源インピーダンスが低下して前記電流電圧変換手段の電源電圧が安定し、角速度検出出力のS/N比を向上させることができる。
【0022】
また、図1に示すように、センサ素子10と電流電圧変換手段20とを電気的に接続する配線30を形成する。配線30は、パッケージ4の底面に形成した配線パターン32と、ワイヤ34,35とによって構成する。なお配線30は、センサ素子10と電流電圧変換手段20とを直接に接続するワイヤによって構成してもよい。配線パターン32は、センサ素子10の検出電極16から電流電圧変換手段20の反転入力端子の近傍にかけて形成する。なお、配線パターン32の端部にはワイヤボンディング用パッドを形成する。そして、ワイヤ34により配線パターン32とセンサ素子10とを電気的に接続し、ワイヤ35により配線パターン32と電流電圧変換手段20とを電気的に接続する。
【0023】
なお、配線パターン32の外周に沿って、ガードリング38を形成してもよい。図1ではガードリング38を破線で示しているが、現実には連続したパターンである。ガードリング38は、配線パターン32と同じ材料で、配線パターン32と同時に形成することができる。なお、ガードリング38は接地してGND電位とする。または、反転入力端子と接続し同電位としても良い。このガードリング38と配線パターン32とが同電位の場合には、配線パターン32からガードリング38に電流が流れることはないので、配線パターン32における電流の漏えいを防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。また、電流漏えいによるノイズ混入がなくなるので、S/N比を向上させることができる。なお、ガードリング38の電位は、前記反転入力端子の配線パターンの電位に合わせて任意に設定することが可能である。また、配線パターンごとにガードリングを異なる電位に設定してもよい。
【0024】
また、センサ素子10の検出電極16の外周に沿って、ガードリング18を形成してもよい。さらに、電流電圧変換手段20におけるオペアンプのフィードバックインピーダンスZから反転入力端子にかけて、ガードリングを形成してもよい。このガードリング18等も、上述した配線パターン32のガードリング38と同様に形成すればよい。この場合には、検出電極等からの電流の漏えいを防止することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。また、電流漏えいによるノイズ混入がなくなるので、S/N比を向上させることができる。
【0025】
図3に、本実施形態に係るセンサ素子パッケージ2の側面断面図を示す。パッケージ4は、リッド4aおよびパッケージベース4bで構成する。パッケージベース4bの中央部には、センサ素子10等を実装するためのキャビティ4cを形成する。パッケージベース4bは、セラミック材料等からなる複数のシートを、所定形状にブランクした上で積層して形成する。なお、キャビティ4cの底面を構成するベースシートは、上述した配線パターンおよびガードリング等をその表面に形成した上で積層する。
【0026】
そして、キャビティ4cの底面上に、センサ素子10および電流電圧変換手段20を実装する。センサ素子10は、振動腕の自由な屈曲振動を可能とするため、キャビティ4cの底面から所定の間隔をおいて、センサ素子支持機構4dの上面に実装する。なお、センサ素子10および電流電圧変換手段20を接着剤により実装する場合には、パッケージ4内部にガスを発生させにくい接着剤を使用する。そして、図1に示すように、センサ素子10の検出電極16と配線パターン32との間をワイヤボンディングにより接続する。同様に、電流電圧変換手段20と配線パターン32との間もワイヤボンディングにより接続する。なお、配線パターン32の上に電流電圧変換手段20をフェイスダウンして、フリップチップボンディングにより接続してもよい。
【0027】
さらに、キャビティ4cの内部に高抵抗材料40をコーティングする。高抵抗材料として、ポリフッ化エチレンやポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂を使用する。この他にも、セラミックス(SiO2)やアクリル、エポキシ、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレンなどを使用することができる。コーティングは、液状の高抵抗材料40をスプレーやディップ、はけ塗り等により塗布した後、乾燥させることによって行う。高抵抗材料40は、キャビティ4cの底面全体にコーティングするが、特に図1に示す配線30の全体を覆うようにコーティングする。少なくとも、図2の回路図において微弱な検出電流が流れるA部の表面には、高抵抗材料40をコーティングする必要がある。
【0028】
上述したフッ素樹脂等は撥液性を有するため、その表面に水分等が付着することがない。このような高抵抗材料40をコーティングすることにより、キャビティ底面に不純物が付着することがなくなり、配線30の周辺における抵抗値の低下が防止される。これにより、配線30からの電流の漏えいを防止することができる。また、不純物の付着による配線パターン相互の短絡を防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。また、電流の漏えいによるノイズ混入がなくなるので、S/N比を向上させることができる。
【0029】
なお、配線30の周辺部のみに高抵抗材料40をコーティングしてもよい。この場合にも、配線30の周辺部に不純物が付着することがなくなり、配線30の周辺部における抵抗値の低下が防止され、角速度センサの検出精度を向上させることができる。また、センサ素子10の表面を除いて高抵抗材料40をコーティングすれば、センサ素子10の振動特性の変化を防止することができる。さらに、電流電圧変換手段20の表面を除いて高抵抗材料40をコーティングすれば、電流電圧変換手段20の動作不安定を防止することができる。
【0030】
そして、図3に示すように、キャビティ4cの開口部にリッド4aを装着し、キャビティ4cを封止する。なおリッド4aを装着する前に、キャビティ4c内部を洗浄し乾燥させて、水分等の不純物を除去しておく。そして、金属材料からなるリッド4aの場合は、パッケージベース4bに対してシーム溶接する。またガラス材料からなるリッド4aの場合は、図示しない低融点ガラスを介してパッケージベース4bに固着させる。このようなリッド4aの装着作業を真空または乾燥不活性ガス雰囲気下で行うことにより、キャビティ4cの内部を真空または乾燥不活性ガス雰囲気に封止する。乾燥不活性ガスとして、安価な窒素ガスを用いるのが好ましい。
【0031】
このように、キャビティ4cの内部を真空または乾燥不活性ガス雰囲気に封止することにより、キャビティ底面に不純物が付着することがなくなり、配線30の周辺における抵抗値の低下が防止される。これにより、配線30からの電流の漏えいを防止することができる。また、不純物の付着による配線パターン相互の短絡を防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度センサの検出精度を向上させることができる。また、電流の漏えいによるノイズ混入がなくなるので、S/N比を向上させることができる。
【0032】
なお、パッケージ4の内部を外部から電気的にシールドしてもよい。具体的には、センサ素子10及び、電流電圧変換手段20、これらの配線等の電気信号系に影響しないように、パッケージ4の全体をGND電位とする。これにより、電磁誘導によるノイズの混入を防止することができる。また、外部電計によるノイズの混入を防止することができる。なおパッケージ4の電位は、GND電位に限られず任意の電位に設定することが可能である。また、パッケージの各部を異なる電位に設定してもよい。
【0033】
図4に、複数のセンサ素子を使用したセンサ素子パッケージ2の回路図を示す。複数のセンサ素子10を使用して多軸の角速度センサを形成することも可能である。この場合にも上記と同様に、各センサ素子10をそれぞれ電流電圧変換手段20に接続する。さらに、各電流電圧変換手段20からの出力電圧を差動出力アンプ28に入力する。なお差動出力アンプ28は、オペアンプにより差動増幅回路を構成したものである。この差動出力アンプ28を用いることにより、同相信号を排除してS/N比を向上させることができる。
【0034】
そして、各センサ素子10、各電流電圧変換手段20および差動増幅回路28を、同一のパッケージ4の内部に封入する。これにより、各配線の周囲に不純物が付着することがなくなり、各センサ素子10の検出電極に流れる電流の漏えいを防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することができる。また、各センサ素子における検出条件が均一化されるので、角速度センサの検出精度を向上させることができる。なお、微弱な検出電流は各センサ素子10と各電流電圧変換手段20とを接続する配線を流れるので、各センサ素子10および各電流電圧変換手段20のみをパッケージ4の内部に封入してもよい。
【0035】
図5に角速度センサ全体の回路図を示す。角速度センサ50には発振回路52を設ける。この発振回路52は、自動利得制御手段(AGC)54を介して、図6に示すセンサ素子10の駆動電極14に接続する。そして、発振回路52から駆動電極14に交流電圧を印加すると、振動腕12がXY面内において屈曲振動する。この機械振動をフィードバック用電極15で電気信号に変換し、発振回路52にフィードバックする。これによりフィードバックループが形成され、センサ素子が共振周波数で振動する。
【0036】
そして上述したように、センサ素子10の検出電極は電流電圧変換手段20に接続する。なお、センサ素子10および電流電圧変換手段20はパッケージ4の内部に封入する。さらに電流電圧変換手段20の出力端子は、増幅器56を介して同期検波回路58に接続する。同期検波回路58では、増幅された検出信号を、発振回路52の参照信号によって同期検波する。さらに、ローパスフィルタ60を通すことにより、角速度信号を取り出すことができる。
【0037】
以上に詳述した本実施形態に係る角速度センサにより、角速度の検出感度を向上させることができる。
すなわち、本実施形態では、角速度に応じて電流を出力するセンサ素子と、その電流を電圧に変換する電流電圧変換手段と、センサ素子および前記電流電圧変換手段を電気的に接続する配線とを、同一のパッケージ内部に封止した構成とした。この場合、角速度センサの製造時および使用時において、配線の周辺部に不純物が付着しないので、配線の周辺部における抵抗値の低下が防止される。これにより、配線を流れる電流が微弱な場合であっても、その電流の漏えいを防止することができる。また、不純物の付着による配線パターン相互の短絡を防止することができる。したがって、検出電極で発生した電流を正確に検出することが可能となり、角速度の検出精度を向上させることができる。
【0038】
また、電流漏えいによるノイズ混入がなくなり、さらに浮遊容量等による出力信号のクロストークがなくなるので、S/N比を向上させることができる。さらに、電流漏えいによる感度変化を防止することも可能となり、角速度センサとしての安定性を向上させることができる。
【0039】
以上により、角速度センサを小型化することができる。角速度センサを小型化するには、センサ素子を小型化する必要があるが、センサ素子を小型化すると振動腕の屈曲振動の振幅が小さくなり、検出電極に発生する電流が微弱なものとなる。しかし、本実施形態に係る角速度センサでは、検出電極で発生した電流が微弱であっても、これを正確に検出することができるので、センサ素子の小型化が可能であり、角速度センサの小型化が可能となる。これにともなって、角速度センサを使用するハンディビデオカメラや3次元立体マウスなどをも小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る角速度センサの平面図である。
【図2】電流電圧変換回路の説明図である。
【図3】実施形態に係る角速度センサの側面断面図である。
【図4】複数のセンサ素子を使用した角速度センサの回路図である。
【図5】角速度センサ全体の回路図である。
【図6】角速度センサの動作原理の説明図である。
【図7】電流電圧変換回路の説明図である。
【図8】フィードバックインピーダンスの一例を示す図である。
【図9】センサ素子および電流電圧変換手段の側面図である。
【符号の説明】
2………センサ素子パッケージ、4………パッケージ、10………センサ素子、
16………検出電極、18………ガードリング、20………電流電圧変換手段、
30………配線、32………配線パターン、38………ガードリング。
Claims (9)
- 角速度に応じて電流を出力するセンサ素子と、前記センサ素子の支持機構と、前記電流を電圧に変換する電流電圧変換手段と、前記センサ素子と前記電流電圧変換手段とを電気的に接続する配線とを、同一のパッケージの内部に封止したことを特徴とするセンサ素子パッケージ。
- 請求項1に記載のセンサ素子パッケージにおいて、
前記パッケージの内部を、真空または乾燥不活性ガス雰囲気に封止したことを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1または2に記載のセンサ素子パッケージにおいて、
前記センサ素子の検出電極、前記電流電圧変換手段および前記配線の周囲に、ガードリングを形成したことを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のセンサ素子パッケージにおいて、
前記パッケージの内部に、高抵抗材料をコーティングしたことを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のセンサ素子パッケージにおいて、
前記パッケージ内部に封止されたセンサ素子と前記電流電圧変換手段とこれを電気的に接続する配線をシールドするように形成された電極を所定の電位に保持することにより、前記パッケージの内部を前記パッケージの外部から電気的にシールドしたことを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のセンサ素子パッケージにおいて、
前記電流電圧変換手段は、ネガティブフィードバックをともなったオペアンプであることを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のセンサ素子パッケージにおいて、
前記パッケージの内部に、前記電流電圧変換手段の駆動電源の安定化回路を設けたことを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載のセンサ素子パッケージにおいて、
複数の前記センサ素子およびその支持機構と、複数の前記電流電圧変換手段と、複数の前記配線とを、同一のパッケージの内部に封止したことを特徴とするセンサ素子パッケージ。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載のセンサ素子パッケージを使用して製造したことを特徴とする角速度センサ。
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- 2003-03-31 JP JP2003097500A patent/JP2004301786A/ja not_active Withdrawn
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