JP3861708B2 - 角速度センサの出力信号調整方法 - Google Patents

角速度センサの出力信号調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機、自動車、ロボット、船舶、自動車両等の移動体の姿勢制御に利用する角速度センサの出力信号調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の角速度センサとしては、特開平5−296771号公報に開示されたものが知られている。
【0003】
以下、従来の角速度センサについて、図面を参照しながら説明する。
【0004】
図9は従来の角速度センサにおける駆動手段および検出手段を示すブロック図である。
【0005】
図9において、1は三角柱状の音叉部で、この音叉部1の2つの側面には2つの圧電素子2がGND電極3を介して駆動用かつ検出用として設けられている。また、音叉部1における圧電素子2の表面には各々駆動用かつ検出用として機能する電極4を設けている。
そしてまた、音叉部1における残りの1つの側面には、GND電極3を介してモニター圧電素子5を設けており、そしてこのモニター圧電素子5の表面にはモニター電極6を設けている。7は駆動制御手段で、この駆動制御手段7は発振回路8と位相回路9とにより構成されており、発振回路8にモニター電極6の信号を入力するとともに、発振回路8の出力信号を位相回路9を介して電極4に入力することにより、音叉部1を安定して振動させる。10は検出手段で、この検出手段10は一対の電極4の出力信号の双方を入力する差動増幅回路11と、この差動増幅回路11の出力信号を入力するとともに、駆動制御手段7における位相回路9の出力信号に応じて同期検波をする同期検波回路12と、この同期検波回路12の出力信号を入力するとともに、整流し、かつ増幅する整流増幅回路13とにより構成されている。14は温度センサからなる温度検出手段で、この温度検出手段14は音叉部1の近傍に配設され、音叉部1の周囲の温度を検出している。15はA/D変換器で、このA/D変換器15は温度検出手段14のアナログ信号を入力するとともに、デジタル信号に変換する。16はCPUからなる演算手段で、EPROMからなる記憶手段17に予め記憶した動作プログラムにより、EEPROMからなる記憶手段18に予め記憶した 補正データをもとに、A/D変換器15の出力信号を演算し、その演算した結果を出力信号として出力する。19は加算器で、この加算器19はCPUからなる演算手段16の出力信号をD/A変換器20によりアナログ信号からなる出力信号に変換し、検出手段10における整流増幅回路13の出力信号に加算する。
【0006】
そして、従来の角速度センサに搭載されるEPROMまたはEEPROMからなる記憶手段としては、特開昭60−254753号公報に開示されたものが知られている。
【0007】
図10は従来の角速度センサに搭載されるEPROMまたはEEPROMからなる記憶手段の側断面図である。
【0008】
図10において、17はEPROMからなる記憶手段で、セラミック製の配線基板21の上面にチップ部22を設けており、このチップ部22により各種データあるいはプログラムを記憶している。また、EPROMからなる記憶手段17における配線基板21の上面外周部にはエポキシ樹脂23によりセラミック製のリング24を固着している。25は紫外線を透過するガラス製の蓋で、リング24の上面にエポキシ樹脂26により固着されている。
【0009】
以上のように構成された従来の角速度センサについて、次にその動作を説明する。
【0010】
音叉部1における一対の電極4に交流電圧を加えると、モニター電極6から出力される出力信号を基に発振回路8および位相回路9により音叉部1が一定の振動数で自励振動駆動する。そして、自励振動駆動している音叉部1に角速度が加わるとコリオリ力により、一対の圧電素子2に電荷が発生する。この電荷を検出手段10における差動増幅回路11により、差動の出力電圧に変換した後、同期検波回路12により、位相回路9の位相に合わせて同期検波し、さらに整流増幅回路13により増幅し、出力信号として加算器19に入力する。
【0011】
ここで、角速度センサの周囲の温度が−20℃〜60℃まで変化する場合を考えて見ると、従来の角速度センサにおいては、音叉部1の近傍の温度を温度検出手段14により検出するとともに、温度変化により生じる出力信号の誤差を補正するデータを予め耐熱温度が−20℃から60℃であるEEPROMからなる記憶手段18に記憶させておき、さらにEPROMからなる記憶手段17に記憶させた補正プログラムにより、補正量を算出する。そして、この補正量を加算器19における出力信号に加算し、角速度センサにおける出力信号を補正するようにしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成においては、角速度センサにおけるEEPROMからなる記憶手段18に補正するデータを記憶させるとともに、EPROMからなる記憶手段17に補正プログラムを記憶させるようにしているため、自動車におけるエンジンルーム内に角速度センサを設けた場合、角速度センサの近傍の温度は約−55℃から150℃まで変化するもので、これは前記記憶手段17および記憶手段18の耐熱温度を越えるものであるため、配線基板21、リング24および蓋25とエポキシ樹脂23,26との間の熱膨張係数の差により、配線基板21、リング24および蓋25とエポキシ樹脂23,26との間には剥離部が生じることになり、そして、この剥離部から、EEPROMからなる記憶手段18およびEPROMからなる記憶手段17内に塵、埃および水分が浸入するため、記憶手段17の補正プログラムおよび記憶手段18の補正データはこれによって変動することになり、その結果、角速度センサの動作が不安定になってしまうという課題を有していた。
【0013】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、車両制御装置における角速度センサの周囲の温度が変化しても、動作が不安定になってしまうということはなく、出力特性が安定している角速度センサの出力信号調整方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。
【0015】
本発明の請求項1に記載の発明は、特に、検出手段における出力信号の誤差を補正する補正データを記憶する第1の記憶手段を設けた角速度センサと、この角速度センサと電気的に接続されるとともに第2の記憶手段を有しかつ角速度センサと離間して位置させる制御手段とを設け、この制御手段により角速度センサの検出手段における出力信号の誤差の補正をする角速度センサの出力信号調整方法において、角速度センサを制御手段に電気的に接続する前に角速度センサにおける第1の記憶手段に補正データを一時的に記憶する工程と、前記角速度センサを車両制御装置に組み付けることにより、制御手段に電気的に接続した後、車両制御装置の電源を立ち上げる際に、第1の記憶手段における補正データを制御手段における第2の記憶手段に転送する工程と、この第2の記憶手段の補正データを基に制御手段が補正信号を算出する工程と、この補正信号を角速度センサにおける検出手段に入力することにより、検出手段からの出力信号を補正する工程とを備えたもので、この出力信号調整方法によれば、エンジンルーム内に角速度センサを設けた場合に、角速度センサにおける第1の記憶手段の補正データが角速度センサを配置した周囲の温度変化により変動しても、既に、補正データは制御手段における第2の記憶手段に転送しているとともに、第2の記憶手段は角速度センサと離間して設けているため、第2の記憶手段の補正データは安定しているものであり、その結果、出力特性が安定している角速度センサの出力信号調整方法を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、検出手段における温度変化による出力信号の誤差を補正する補正データを記憶する第1の記憶手段を有する角速度センサと、この角速度センサの近傍の温度を検出する温度検出手段と、前記角速度センサと電気的に接続されるとともに第2の記憶手段を有しかつ角速度センサと離間して位置させた制御手段と、この制御手段により角速度センサの検出手段における出力信号の補正をする角速度センサの出力信号調整方法において、角速度センサを制御手段に電気的に接続する前に角速度センサにおける第1の記憶手段に温度変化による出力信号の誤差を補正する補正データを一時的に記憶する工程と、前記角速度センサを車両制御装置に組み付けることにより、制御手段に電気的に接続した後に車両制御装置の電源を立ち上げる際に、第1の記憶手段における温度変化による出力信号の誤差を補正する補正データを制御手段における第2の記憶手段に転送する工程と、この第2の記憶手段の補正データを基に制御手段が補正信号を算出する工程と、この補正信号を角速度センサにおける検出手段に入力することにより、検出手段からの出力信号を補正する工程とを備えたもので、この出力信号調整方法によれば、エンジンルーム内に角速度センサを設けた場合に、角速度センサにおける第1の記憶手段の補正データが角速度センサを配置した周囲の温度変化により変動しても、既に、補正データは制御手段における第2の記憶手段に転送しているとともに、第2の記憶手段は角速度センサと離間して設けているため、第2の記憶手段の補正データは安定しているものであり、その結果、出力特性が安定している角速度センサの出力信号調整方法を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0017】
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、制御手段における第2の記憶手段を制御手段に通常備えているフラッシュメモリー、EEPROMあるいはEPROMを共用して構成したもので、この構成によれば、制御手段に通常備えているフラッシュメモリー、EEPROMあるいはEPROMを第2の記憶手段として共用して構成しているため、別個に第2の記憶手段を設ける必要がなくなり、その結果、部品点数の削減によりコスト低減が図れる角速度センサの出力信号調整方法を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法を用いた車両制御装置のブロック図、図2は同車両制御装置の角速度センサにおける音叉部の斜視図、図3は同車両制御装置における角速度センサの回路構成を示すブロック図である。
【0020】
図1〜図3において、31は車輪速センサで、自動車(図示せず)等の制御すべき車輪(図示せず)に取り付けられ、車輪(図示せず)の速度を検出するものである。32は操舵角センサで、自動車(図示せず)等におけるステアリングホイール(図示せず)の回転角を検出するものである。33は角速度センサで、自動車(図示せず)等の重心垂直軸周りの角速度を検出するものである。そして、図2に示すように、角速度センサ33における音叉部34は四角柱状の水晶製の検出電極振動体35と、この検出電極振動体35と平行に設けられた水晶製の駆動電極振動体36と、前記検出電極振動体35の一端と駆動電極振動体36の一端を接続する水晶製の接続部37とにより構成されている。そしてまた、音叉部34における駆動電極振動体36には、4つの側面に金からなる駆動電極38aおよび駆動電極38bが設けられている。また前記音叉部34における検出電極振動体35の表面および裏面には金からなるモニタ電極39がそれぞれ設けられるとともに、この検出電極振動体35における内側の側面には金からなるGND電極40が設けられ、かつ外側の側面には金からなる一対の検出電極41a,41bが設けられている。42は角速度センサ33における駆動制御手段で、図3に示すように、音叉部34の一方のモニタ電極39の電荷を入力する増幅器43と、この増幅器43の出力信号を入力するバンドパスフィルタ(BPF)44と、このバンドパスフィルタ(BPF)44の出力信号を入力する整流器45と、この整流器45の出力信号を入力する平滑回路46とにより構成されている。47はAGC回路で、このAGC回路47は駆動制御手段42における平滑回路46の出力信号を入力し、バンドパスフィルタ(BPF)44の出力信号を増幅あるいは減衰させるものである。48は駆動制御回路で、この駆動制御回路48はAGC回路47の出力信号を入力するとともに、音叉部34における駆動電極38aに駆動信号を入力する。49は反転アンプで、駆動制御回路48の出力信号を入力するとともに、音叉部34における駆動電極38bに駆動制御回路48の出力信号を反転させた駆動信号を入力する。
50は検出手段で、この検出手段50は音叉部34における一方の検出電極41aにコリオリ力によって発生する電荷を電圧に変換する第1の増幅器51aと、他方の検出電極41bにコリオリ力によって発生する電荷を電圧に変換する第2の増幅器51bと、第1の増幅器51aおよび第2の増幅器51bの出力信号を入力する差動増幅器52と、この差動増幅器52の出力信号を入力する位相器53と、この位相器53の出力信号を入力する同期検波器54と、この同期検波器54の出力信号を入力する平滑回路55と、この平滑回路55の出力信号を入力するとともに、増幅して角速度信号を出力する直流アンプ56とにより構成されている。また、前記角速度センサ33には図3に示すように、検出手段50における直流アンプ56からの角速度信号に補正データを加算する加算器57を設けるとともに、音叉部34の近傍に位置して温度センサ58を設け、かつこの温度センサ58のアナログ出力信号をデジタル出力信号に変換するA/D変換器59を設けている。さらに、角速度センサ33には、EEPROMからなる第1の記憶手段60を設けており、この第1の記憶手段60は検出手段50と電気的に接続されていないとともに、検出手段50における直流アンプ56から出力される出力信号の誤差を補正する補正データを一時的に保管している。61は制御手段で、この制御手段61は図1に示すように、CPU62および通常備えているEEPROMを共用して構成した第2の記憶手段63を設けるとともに、前記車輪速センサ31からの車輪速データ、操舵角センサ32からの操舵角データを入力し、目標角速度を算出するものである。そして、この制御手段61は算出した目標角速度と、角速度センサ33からの角速度データを比較し、図4に示すように、自動車における制動すべき右前輪64、左前輪65、右後輪66および左後輪67の制動圧を決定し、図1に示す液圧調整手段68に制御信号を出力する。そして、液圧調整手段68は制御手段61からの制御信号に基づいて、ホイールシリンダ69に液圧を加える。
【0021】
以上のように構成された本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法を用いた車両制御装置について、次にその動作を説明する。
【0022】
車輪速センサ31により、自動車における右前輪64、左前輪65、右後輪66および左後輪67の各々の車輪の回転速度を検出し、車輪速データとして、制御手段61に入力する。これと同様に、操舵角センサ32によりステアリングホイール(図示せず)の操舵角を検出し、操舵角データとして、制御手段61に入力する。
【0023】
ここで、自動車に加わる角速度を検出する動作を以下に詳述する。
【0024】
音叉部34の駆動電極38aおよび38bに交流電圧を加えると音叉部34が共振し、音叉部34のモニタ電極39に電荷が発生する。このモニタ電極39発生した電荷は、駆動制御手段42における増幅器43に入力し、正弦波形の出力電圧として出力する。そしてこの増幅器43の出力電圧をバンドパスフィルタ(BPF)44に入力し、音叉部34の共振周波数のみを抽出するとともに、ノイズ成分を除去し、図5(a)に示すような正弦波形を出力する。そしてまた、バンドパスフィルタ(BPF)44の出力信号を整流器45に入力することにより、負電圧成分を正電圧に変換し、その後、平滑回路46に入力することにより、直流電圧信号に変換する。そしてAGC回路47は平滑回路46の直流電圧信号が大の場合にはバンドパスフィルタ(BPF)44の出力信号を減衰させるような信号を、また、平滑回路46の直流電圧信号が小の場合にはバンドパスフィルタ(BPF)44の出力信号を増幅させるような信号を駆動制御回路48に入力し、音叉部34の振動を一定振幅になるように調整するものである。ここで、音叉部34の駆動電極振動体36が振動方向に速度vで屈曲振動している状態において、音叉部34の長手方向の中心軸周りに音叉部34が角速度ωで回転すると、この音叉部34の検出電極振動体35にF=2mVωのコリオリ力が発生する。このコリオリ力によって検出電極振動体35に設けた一対の検出電極における一方の検出電極41aに図5(b)に示すような電荷が発生するとともに、他方の検出電極41bに図5(c)に示すような電荷が発生する。そして第1の増幅器51aにより、一方の検出電極41aから発生する電荷を図5(d)に示すような出力電圧に変換する。また第2の増幅器51bは、他方の検出電極41bから発生する電荷を反転増幅し、図5(e)に示すような出力電圧に変換する。そしてまた、差動増幅器52は第1の増幅器51aおよび第2の増幅器51bの出力信号の差動を取り、さらにこの差動増幅器52の出力信号の位相を位相器53により90度遅らせて、図5(f)に示すような出力電圧に変換する。そして、この位相器53の出力信号を同期検波器54に入力し、駆動制御手段42におけるバンドパスフィルタ(BPF)44の振動の周期で位相検波させるとともに、位相器53の出力電圧の負電圧成分を正電圧に変換し、図5(g)に示すような出力信号を得る。そして、同期検波器54の出力電圧を平滑回路55および直流アンプ56により平滑化するとともに増幅し、図5(h)に示すような出力信号を得る。そして、検出手段50の直流アンプ56の出力信号を角速度の信号として、制御手段61に入力する。
【0025】
図6(a)に示すように、自動車が右旋回アンダステア時には、目標角速度と実際の角速度のずれに対する補正データをあらかじめ記憶しているEEPROMを備えている制御手段61におけるCPU62により、車輪速センサ31からの車輪速データおよび操舵角センサ32からの操舵角データをもとに目標角速度を算出し、この算出したデータと角速度センサ33における角速度データを比較して両者の間にずれが生じた場合、このずれに対する補正データをあらかじめ記憶しているEEPROMによってそのずれに応じた補正信号を選択して、制動すべき左前輪65および右後輪66の制動圧を決定し、液圧調整手段68に制御信号を出力する。そして、液圧調整手段68は制御手段61からの制御信号に基づいて、ホイールシリンダ69に液圧を加えることにより、右後輪66の増圧制御と左前輪65の減圧制御を行う。これと同様に、自動車が右旋回オーバステア時には、図6(b)に示すように、右後輪66の減圧制御と左前輪65の増圧制御を行い、自動車の姿勢を適正に制御するものである。
【0026】
ここで、自動車におけるエンジンルーム内に角速度センサ33を設置し、この角速度センサ33の近傍の温度が−55℃から150℃まで変化する場合を考えて見る。
【0027】
まず、図7に示すように、温度槽70の内部に設けた検査器71に角速度センサ33を組み付けるとともに、自動車におけるエンジンルーム内と条件が同じになるように、角速度センサ33の近傍の温度を−55℃から150℃まで変化させる。そして、角温度における温度センサ58からの出力信号をA/D変換器59を介して検査器71におけるCPU72に入力すると同時に、角速度を与えない状態における角速度センサ33の出力信号をCPU72に入力する。そして、検査器71におけるCPU72により、各温度毎の角速度センサ33の出力信号が既に零出力になるような各温度毎の補正データを算出し、角速度センサ33におけるEEPROMからなる第1の記憶手段60に保管する。
【0028】
次に、図8に示すように、角速度センサ33を車両制御装置に組み付けて、角速度センサ33を制御手段61と電気的に接続し、車両制御装置の電源を立ち上げる際に、角速度センサ33における第1の記憶手段60の各温度データ毎の補正データを、制御手段61に通常備えている前述した目標角速度と実際の角速度のずれに対する補正データをあらかじめ記憶しているEEPROMを共用して構成した第2の記憶手段63に転送して保管する。
【0029】
この場合、制御手段61における第2の記憶手段63は、制御手段61に通常備えている目標角速度と実際の角速度のずれに対する補正データをあらかじめ記憶しているEEPROMを共用して構成しているため、別個に第2の記憶手段63を設ける必要はなくなり、これにより、部品点数の削減が図れるため、コスト低減が図れる角速度センサの出力信号調整方法を提供することができるという作用効果を有するものである。
【0030】
そして、自動車に角速度が加わると、角速度センサ33における検出手段50から角速度信号が出力される。この場合、図8に示すように、制御手段61における第2の記憶手段63に保管した補正データをもとに、CPU62により算出した補正信号を、D/A変換器73によりアナログ信号に変換する。そして、このアナログ信号を加算器57によって、前記検出手段50から出力される角速度信号に加算することにより、検出手段50からの出力信号、すなわち角速度信号を補正するものである。
【0031】
このとき、エンジンルーム(図示せず)内に角速度センサ33を設けることにより、角速度センサ33における第1の記憶手段60の補正データが角速度センサ33を配置した周囲の温度変化により変動しても、既に、補正データは制御手段61における第2の記憶手段63に転送しているとともに、第2の記憶手段63は角速度センサ33と離間して設けているため、第2の記憶手段63の補正デーは安定していることになり、その結果、角速度センサ33の出力特性が安定するため、角速度センサの出力信号調整方法の出力特性も安定するという作用効果を有するものである。
【0032】
なお、上記本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法においては、温度変化により角速度センサ33の出力信号が変化する場合を説明したが、温度が変化しない場合に、出力信号にドリフトが発生する場合においても、補正データは制御手段61における第2の記憶手段63に転送しているとともに、第2の記憶手段63は角速度センサ33と離間して設けているため、上記本発明の一実施の形態と同様の効果を有するものである。
【0033】
また、本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法においては、第2の記憶手段63を制御手段61に通常備えているEEPROMを共用して構成したが、制御手段61に通常備えているEEPROMはこれに限定されるものではなく、これ以外の例えば、フラッシュメモリーあるいはEPROMでもよく、そしてこのフラッシュメモリーあるいはEPROMを共用して第2の記憶手段63を構成した場合でも、上記本発明の一実施の形態と同様の効果を有するものである。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、検出手段における出力信号の誤差を補正する補正データを記憶する第1の記憶手段を設けた角速度センサと、この角速度センサと電気的に接続されるとともに第2の記憶手段を有しかつ角速度センサと離間して位置させた制御手段とを設け、この制御手段により角速度センサの検出手段における出力信号の誤差の補正をする角速度センサの出力信号調整方法において、角速度センサを制御手段に電気的に接続する前に角速度センサにおける第1の記憶手段に補正データを一時的に記憶する工程と、前記角速度センサを車両制御装置に組み付けることにより、制御手段に電気的に接続した後、車両制御装置の電源を立ち上げる際に、第1の記憶手段における補正データを制御手段における第2の記憶手段に転送する工程と、この第2の記憶手段の補正データを基に制御手段が補正信号を算出する工程と、この補正信号を角速度センサにおける検出手段に入力することにより、検出手段からの出力信号を補正する工程とを備えたもので、この角速度センサの出力信号調整方法によれば、検出手段からの出力信号を補正するようにしているため、エンジンルーム内に角速度センサを設けた場合に、角速度センサにおける第1の記憶手段の補正データが角速度センサを配置した周囲の温度変化により変動しても、既に、補正データは制御手段における第2の記憶手段に転送しているとともに、第2の記憶手段は角速度センサと離間して設けられており、その結果、第2の記憶手段の補正データは安定しているため、出力特性が安定している角速度センサを提供することができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法を用いた車両制御装置のブロック図
【図2】 同要部である音叉部の斜視図
【図3】 同要部である角速度センサの回路構成を示すブロック図
【図4】 本発明の一実施の形態における角速度センサの出力信号調整方法を用いた車両制御装置を搭載する自動車の模式図
【図5】 (a)〜(h)同車両制御装置における角速度センサの出力信号を示す図
【図6】 (a),(b)同車両制御装置を搭載した自動車が車両制御装置により制御される状態を示す図
【図7】 同車両制御装置における角速度センサの出力特性を検査する状態を示すブロック図
【図8】 同車両制御装置における第2の記憶手段に第1の記憶手段の補正データを転送する状態を示すブロック図
【図9】 従来の角速度センサにおける回路構成を示すブロック図
【図10】 従来の角速度センサにおける記憶手段の側断面図
【符号の説明】
33 角速度センサ
34 音叉部
42 駆動制御手段
50 検出手段
58 温度センサ(温度検出手段)
60 第1の記憶手段
61 制御手段
63 第2の記憶手段

Claims (3)

  1. 検出手段における出力信号の誤差を補正する補正データを記憶する第1の記憶手段を設けた角速度センサと、この角速度センサと電気的に接続されるとともに第2の記憶手段を有しかつ角速度センサと離間して位置させた制御手段とを設け、この制御手段により角速度センサの検出手段における出力信号の誤差の補正をする角速度センサの出力信号調整方法において、角速度センサを前記制御手段に電気的に接続する前に角速度センサにおける第1の記憶手段に補正データを一時的に記憶する工程と、前記角速度センサを車両制御装置に組み付けることにより、制御手段に電気的に接続した後、車両制御装置の電源を立ち上げる際に第1の記憶手段における補正データを制御手段における第2の記憶手段に転送する工程と、この第2の記憶手段の補正データを基に制御手段が補正信号を算出する工程と、この補正信号を角速度センサにおける検出手段に入力することにより、検出手段からの出力信号を補正する工程とを備えた角速度センサの出力信号調整方法。
  2. 検出手段における温度変化による出力信号の誤差を補正する補正データを記憶する第1の記憶手段を有する角速度センサと、この角速度センサの近傍の温度を検出する温度検出手段と、この角速度センサと電気的に接続されるとともに第2の記憶手段を有しかつ角速度センサと離間して位置させた制御手段と、この制御手段により角速度センサの検出手段における出力信号の補正をする角速度センサの出力信号調整方法において、角速度センサを制御手段に電気的に接続する前に角速度センサにおける第1の記憶手段に温度変化による出力信号の誤差を補正する補正データを一時的に記憶する工程と、前記角速度センサを車両制御装置に組み付けることにより、制御手段に電気的に接続した後、車両制御装置の電源を立ち上げる際に、第1の記憶手段における温度変化による出力信号の誤差を補正する補正データを制御手段における第2の記憶手段に転送する工程と、この第2の記憶手段の補正データを基に制御手段が補正信号を算出する工程と、この補正信号を角速度センサにおける検出手段に入力することにより、検出手段からの出力信号を補正する工程とを備えた角速度センサの出力信号調整方法。
  3. 制御手段における第2の記憶手段を制御手段に通常備えているフラッシュメモリー、EEPROMあるいはEPROMを共用して構成した請求項1または2記載の角速度センサの出力信号調整方法
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