JP4178191B2 - 振動ジャイロ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は振動ジャイロに関し、特にたとえば、カーナビゲーションシステムやカメラの手振れ防止用などとして角速度を検出するために用いられる振動ジャイロに関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の振動ジャイロの一例を示すブロック図である。振動ジャイロ1は、角速度センサ2を含む。角速度センサ2としては、たとえば正3角柱状の振動体3の側面に圧電素子4a,4b,4cを形成したものが用いられる。そして、圧電素子4a,4bと圧電素子4cとの間に、発振回路5が接続される。さらに、圧電素子4a,4bは差動増幅回路6の入力端に接続される。差動増幅回路6の出力信号は同期検波回路7に接続され、さらに同期検波回路7は直流増幅回路8に接続される。
【0003】
このような振動ジャイロ1では、圧電素子4cの出力信号が発振回路5に帰還され、この信号が増幅され、さらに位相補正されたのち、駆動信号として圧電素子4a,4bに入力される。それにより、振動体3は、圧電素子4c形成面に直交する向きに屈曲振動する。このとき、圧電素子4a,4bの屈曲状態は同じとなり、これらの圧電素子4a,4bからは、同じ信号が出力される。そのため、差動増幅回路6からは信号が出力されず、直流増幅回路8からも信号が出力されない。したがって、角速度センサ2に角速度が加わっていないことがわかる。
【0004】
この状態で、振動体3の軸を中心として角速度が加わると、屈曲振動に直交する向きにコリオリ力が働く。このコリオリ力によって、振動体3の振動方向が変わる。そのため、圧電素子4a,4bの屈曲状態に差が生じ、圧電素子4a,4bの一方においてはコリオリ力に対応して出力信号が増加し、他方においてはコリオリ力に対応して出力信号が減少する。そのため、差動増幅回路6からはコリオリ力に対応した大きい出力信号を得ることができる。そして、同期検波回路7において、差動増幅回路6の出力信号が、発振回路5の信号に同期して検波される。それにより、差動増幅回路6の出力信号の正部分のみまたは負部分のみ、または正負のいずれかを反転した信号が検波される。この信号が直流増幅回路8で増幅され、コリオリ力に対応した直流信号が得られる。なお、角速度の方向が逆の場合には、同期検波回路7において、差動増幅回路6の出力信号の逆極性の部分が検波される。したがって、直流増幅回路8の出力信号の極性から、角速度の方向を知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、角速度センサには温度ドリフトがあり、雰囲気温度が変化すると、角速度センサの出力信号が変化する。そのため、角速度センサに加わる角速度が同じでも、雰囲気温度が変化すると、その出力信号が変化し、正確な角速度を検出することができない。そこで、温度ドリフトを補正するために、個々の振動ジャイロについて、予め温度を変化させて温度ドリフトを実測し、各温度におけるドリフト値をROMなどに記憶させ、実際に振動ジャイロを使用するときに、温度センサで温度を測定し、その温度におけるドリフト値をROMから読み出し、振動ジャイロの出力信号を補正することが考えられる。
【0006】
ところが、温度ドリフトは、個々の振動ジャイロによって全て異なり、しかも温度変化に比例して変化するものではないため、正確に補正をしようとすれば、細かく温度を変化させ、各温度におけるドリフト値を実測しなければならない。そして、各温度における多くのドリフト値を記憶させるためには、ROMの記憶容量を大きくする必要がある。また、温度の変化幅を大きくすれば、実測するドリフト値の数は減るが、データの数が少ないため、正確な補正をすることができない。
【0007】
それゆえに、この発明の主たる目的は、記憶容量が小さくても正確にドリフト補正を行うことができ、全温度範囲において正確に角速度を検出することができる振動ジャイロを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる振動ジャイロは、角速度に対応したアナログ信号を出力する角速度センサと、角速度センサの出力信号をデジタル信号に変換するためのA/Dコンバータと、A/Dコンバータから出力されるデジタル信号を処理するためのデジタル信号処理装置とを含み、デジタル信号処理装置において、デジタル信号を取り込み、デジタル信号をデジタル信号における0点間のピーク点を正弦波の最大値とする正弦波で近似して記憶し、その最大値に基づいてドリフト補正を行い、記憶したデジタル信号から角速度に対応した信号を算出し出力する、振動ジャイロである。
この発明にかかる振動ジャイロでは、デジタル信号処理装置において、デジタル信号にドリフトがある場合に、記憶したデジタル信号から角速度に対応した信号を補正する。
さらに、この発明にかかる振動ジャイロでは、デジタル信号処理装置において、最新の複数のデジタル信号を記憶する。
また、この発明にかかる振動ジャイロでは、角速度センサの出力信号は2つの出力信号を含み、デジタル信号は2つのデジタル信号を含み、A/Dコンバータは2つのA/Dコンバータを含み、2つのA/Dコンバータの一方は2つの出力信号の一方を2つのデジタル信号の一方に変換し、2つのA/Dコンバータの他方は2つの出力信号の他方を2つのデジタル信号の他方に変換する。
さらに、この発明にかかる振動ジャイロでは、デジタル信号処理装置において、記憶された2つのデジタル信号の履歴から2つのデジタル信号のそれぞれの変動を分析し、それらの変動からドリフトを算出し、角速度に対応した信号を補正する。
また、この発明にかかる振動ジャイロでは、角速度に対応した信号はデジタル信号である。
さらに、この発明にかかる振動ジャイロでは、角速度に対応した信号が角度に対応した信号に積分されてもよい。
【0009】
この発明にかかる振動ジャイロでは、角速度センサから出力された角速度に対応したアナログ信号がA/Dコンバータでデジタル信号に変換される。さらに、デジタル信号処理装置において、デジタル信号が取り込まれ記憶され、記憶されたデジタル信号から角速度に対応した信号が算出され出力される。
また、デジタル信号処理装置において、デジタル信号にドリフトがある場合に、記憶したデジタル信号から角速度に対応した信号が補正される。
さらに、デジタル信号処理装置において、デジタル信号がデジタル信号における0点間のピーク点を正弦波の最大値とする正弦波近似される。
また、デジタル信号処理装置において、最新の複数のデジタル信号が記憶される。
さらに、角速度センサの出力信号は2つの出力信号を含み、デジタル信号は2つのデジタル信号を含み、A/Dコンバータは2つのA/Dコンバータを含み、2つのA/Dコンバータの一方は2つの出力信号の一方を2つのデジタル信号の一方に変換し、2つのA/Dコンバータの他方は2つの出力信号の他方を2つのデジタル信号の他方に変換する。
また、デジタル信号処理装置において、記憶された2つのデジタル信号の履歴から2つのデジタル信号のそれぞれの変動が分析され、それらの変動からドリフトが算出され、角速度に対応した信号が補正される。
さらに、この発明にかかる振動ジャイロでは、角速度に対応した信号はデジタル信号である。
また、この発明にかかる振動ジャイロでは、角速度に対応した信号が角度に対応した信号に積分されてもよい。
【0010】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明にかかる振動ジャイロの一例を示すブロック図である。振動ジャイロ10は、角速度センサ12を含む。角速度センサ12は、図2に示すように、たとえば正3角柱状の振動体14を含む。振動体14は、たとえばエリンバ、鉄−ニッケル合金、石英、ガラス、水晶、セラミックなど、一般的に機械的な振動を生じる材料で形成される。振動体14の3つの側面には、それぞれ圧電素子16a,16b,16cが形成される。
【0012】
圧電素子16aは、図3に示すように、たとえば圧電セラミックなどからなる圧電層18aを含む。圧電層18aの両面には、電極20a,22aが形成される。そして、一方の電極22aが、振動体14の側面に接着される。同様に、圧電素子16b,16cは圧電層18b,18cを含み、その両面に電極20b,22bおよび電極20c,22cが形成される。そして、これらの圧電素子16b,16cの一方の電極22b,22cが、振動体14の側面に接着される。
【0013】
圧電素子16a,16bには、それぞれ抵抗24,26が接続される。これらの抵抗24,26と圧電素子16cとの間に、発振回路28が接続される。この場合、圧電素子16cからの出力信号が、発振回路28に帰還される。そして、発振回路28において、帰還された信号が増幅され、さらに位相調整されて、駆動信号が形成される。この駆動信号が圧電素子16a,16bに与えられ、それによって振動体14が屈曲振動する。
【0014】
さらに、圧電素子16a,16bは、アナログ信号をデジタル信号に変換するための2つのA/Dコンバータ30,32の入力端にそれぞれ接続される。2つのA/Dコンバータ30,32の出力端は、デジタル信号を処理するためのデジタル信号処理装置34の2つの入力端にそれぞれ接続される。
【0015】
この振動ジャイロ10では、発振回路28からの駆動信号によって圧電素子16a,16bが伸縮し、それによって、振動体14が圧電素子16c形成面に直交する向きに屈曲振動する。このとき、圧電素子16a,16bの屈曲状態は同じ状態となり、これらの圧電素子16a,16bからは、同じ信号が出力される。
【0016】
角速度センサ12の軸を中心として角速度が加わると、振動体14の屈曲振動の向きと直交する方向にコリオリ力が働く。それによって、振動体14の屈曲振動の向きが変わる。そのため、圧電素子16a,16bの屈曲状態に差が生じ、それにともなって、圧電素子16a,16bの出力信号に差が生じる。振動体14の振動方向の変化は、コリオリ力に対応しているため、圧電素子16a,16bの出力信号の変化もコリオリ力に対応したものとなる。つまり、圧電素子16a,16bの一方の出力信号がコリオリ力に対応して増加すると、他方の出力信号がコリオリ力に対応して減少する。
【0017】
また、圧電素子16aの出力信号(アナログ信号)および圧電素子16bの出力信号(アナログ信号)は、A/Dコンバータ30,32によって、デジタル信号(L信号)およびデジタル信号(R信号)にそれぞれ変換される。そして、これらのデジタル信号は、デジタル信号処理装置34によって、図4に示すフロー図に基づいて、次のように処理される。
【0018】
まず、図4に示すフロー図の最初のステップS1では、整数k、閾値、係数、角速度ゼロにおけるピーク値LPZ,RPZなどの初期値が設定される。
【0019】
次のステップS3では、nが0に設定される。
【0020】
そして、次のステップS5では、一方のA/Dコンバータ30から出力されるデジタル信号(L信号)が取り込まれ、正弦波近似され、記憶される。この正弦波近似とは、取り込まれたデジタル信号(L信号)における0点間のピーク点を検出し、検出したピーク点を正弦波の最大値とする近似である。
【0021】
同様に、ステップS7では、他方のA/Dコンバータ32から出力されるデジタル信号(R信号)が取り込まれ、正弦波近似され、記憶される。
【0022】
そして、次のステップS9では、nに1が加算される。
【0023】
以上のステップS5〜S9は、ステップS11においてnが整数k以上になったと判断されるまで繰り返して行われ、ステップS11において、nが整数k以上になったと判断されれば、ステップS13に進む。
【0024】
ステップS13では、この時点でのnの値をNとした場合に、一方のデジタル信号(L信号)においてnがN−1であるときのピーク値LP(N−1)およびnがN−2であるときのピーク値LP(N−2)の差である信号差LDと、他方のデジタル信号(R信号)においてnがN−1であるときのピーク値RP(N−1)およびnがN−2であるときのピーク値RP(N−2)の差である信号差RDとが、それぞれ算出される。すなわち、このステップS13では、一方のデジタル信号(L信号)および他方のデジタル信号(R信号)において、それぞれ、直前に取り込まれたピーク値およびその前に取り込まれたピーク値の差である信号差が算出される。
【0025】
次のステップS15では、一方のデジタル信号(L信号)における信号差LDの絶対値と他方のデジタル信号(R信号)における信号差RDの絶対値との差Dの絶対値が閾値以下であるかどうかが判断される。
【0026】
ステップS15において、その差Dの絶対値が閾値以下であると判断されれば、ドリフトがないと判断されて、ステップS17に進む。すなわち、その差Dの絶対値が閾値以下であれば、一方のデジタル信号(L信号)の変化量と他方のデジタル信号(R信号)の変化量とがほぼ同じ量で、ドリフトがないと判断される。
【0027】
ステップS17では、この時点でのnの値をNとした場合に、一方のデジタル信号(L信号)においてnがN−k〜N−1までにおけるそれぞれのピーク値LP(N−k)〜LP(N−1)に係数を掛けた値の平均値LAと角速度ゼロにおけるピーク値LPZの差、または、他方のデジタル信号(R信号)においてnがN−k〜N−1までにおけるそれぞれのピーク値RP(N−k)〜RP(N−1)に係数を掛けた値の平均値RAと角速度ゼロにおけるピーク値RPZの差が、角速度に対応したデジタル信号として算出される。
【0028】
次のステップS19では、ステップS17において算出された平均値LAとLPZの差または平均値RAとRPZの差が、角速度に対応したデジタル信号として出力される。そして、ステップS5に戻る。
【0029】
一方、ステップS15において、差Dの絶対値が閾値以下でないと判断されれば、ドリフトがあると判断されて、ステップS21に進む。すなわち、その差Dの絶対値が閾値以下でなければ、一方のデジタル信号(L信号)の変化量と他方のデジタル信号(R信号)の変化量とが大きく異なり、ドリフトがあると判断される。
【0030】
ステップS21では、この時点でのnの値をNとした場合に、デジタル信号(L信号)およびデジタル信号(R信号)においてnがN−k〜N−1までにおける履歴が分析され、デジタル信号(L信号)の変動およびデジタル信号(R信号)の変動が算出される。
【0031】
次のステップS23では、デジタル信号(L信号)の変動の大きさとデジタル信号(R信号)の変動の大きさとが比較される。
【0032】
ステップS23において、デジタル信号(L信号)の変動の大きさがデジタル信号(R信号)の変動の大きさより大きいと判断されれば、デジタル信号(L信号)にドリフトがあるとして、ステップS25において、この時点でのnの値をNとした場合に、デジタル信号(L信号)において角速度がゼロであるときのピーク値LPZが補正され、ステップS17に進む。
【0033】
また、ステップS23において、デジタル信号(L信号)の変動の大きさがデジタル信号(R信号)の変動の大きさより大きくないと判断されれば、デジタル信号(R信号)にドリフトがあるとして、ステップS27において、この時点でのnの値をNとした場合に、デジタル信号(R信号)において角速度がゼロであるときのピーク値RPZが補正され、ステップS17に進む。
【0034】
この振動ジャイロ10では、デジタル信号処理装置34において、以上のステップS1〜S27が繰り返して行われる。したがって、この振動ジャイロ10では、デジタル信号(L信号)またはデジタル信号(R信号)にドリフトがあっても、そのドリフトを補正した上で、補正した角速度に対応したデジタル信号が出力される。
【0035】
具体的には、この振動ジャイロ10では、ドリフトがない場合には、たとえば、図5(A)および図5(B)に示すL信号およびR信号などが得られる。この場合、L信号のピーク値は1.18989Vであり、R信号のピーク値は0.758582Vである。
【0036】
そして、ドリフトがなくコリオリ信号が増大した場合には、たとえば、図6(A)および図6(B)に示すL信号およびR信号などが得られる。この場合、L信号のピーク値は0.387278V変化し1.577168Vとなり、R信号のピーク値は−0.356909V変化し0.401673Vとなる。ここで、それらの変化値の絶対値の差を見ると0.030369Vとなり、その差の絶対値が閾値たとえば0.1Vより小さいので、ドリフトがないと判断され、角速度に対応したデジタル信号は補正する必要がないとして補正されない。
【0037】
また、R信号中の駆動信号の位相が変化するというドリフトがありコリオリ信号が増大した場合には、たとえば、図7(A)および図7(B)に示すL信号およびR信号などが得られる。この場合、L信号のピーク値は0.387278V変化し1.577168Vとなり、R信号のピーク値は−0.134752V変化し0.62383Vとなる。ここで、それらの変化値の絶対値の差を見ると0.252526Vとなり、その差の絶対値が閾値たとえば0.1Vより大きいので、ドリフトがあると判断され、補正した角速度に対応したデジタル信号が出力される。
【0038】
また、R信号中の駆動信号の振幅が変化するというドリフトがありコリオリ信号が増大した場合には、たとえば、図8(A)および図8(B)に示すL信号およびR信号などが得られる。この場合、L信号のピーク値は0.387278V変化し1.577168Vとなり、R信号のピーク値は−0.488933V変化し0.269649Vとなる。ここで、それらの変化値の絶対値の差を見ると−0.101655Vとなり、その差の絶対値が閾値たとえば0.1Vより大きいので、ドリフトがあると判断され、補正した角速度に対応したデジタル信号が出力される。
【0039】
なお、R信号中の駆動信号の位相が変化するというドリフトがありコリオリ信号が変化しない場合には、たとえば、図9(A)および図9(B)に示すL信号およびR信号などが得られる。この場合、L信号のピーク値は変化せず1.18989Vのままであり、R信号のピーク値は0.0485V変化し0.807082Vとなる。ここで、それらの変化値の絶対値の差を見ると0.0485Vとなり、その差の絶対値が閾値たとえば0.1Vより小さいので、ドリフトがないと判断され、角速度に対応したデジタル信号は補正されない。このようにドリフトがあるのにドリフトがないと判断されて角速度に対応したデジタル信号が補正されなくても、コリオリ信号が変化していないので問題はない。
【0040】
また、R信号中の駆動信号の振幅が変化するというドリフトがありコリオリ信号が変化しない場合には、たとえば、図10(A)および図10(B)に示すL信号およびR信号などが得られる。この場合、L信号のピーク値は変化せず1.18989Vのままであり、R信号のピーク値は−0.149565V変化し0.609017Vとなる。ここで、それらの変化値の絶対値の差を見ると−0.149565Vとなり、その差の絶対値が閾値たとえば0.1Vより大きいので、ドリフトがあると判断され、補正した角速度に対応したデジタル信号が出力される。
【0041】
以上のように、この振動ジャイロ10では、L信号またはR信号に補正の必要なドリフトがあれば、そのドリフトが補正され、補正した角速度に対応したデジタル信号が得られる。
【0042】
また、この振動ジャイロ10では、整数kと同じ回数分の最新のデジタル信号(L信号およびR信号)のデータを記憶しておけばよいので、デジタル信号処理装置34の記憶容量をあまり大きくする必要がない。
なお、ドリフトの変化が複雑な場合、整数kの値を大きくすればよいが、整数kを大きくしても、デジタル信号(L信号およびR信号)が正弦波近似で記憶されるので、データが比較的少なく、デジタル信号処理装置34の記憶容量をあまり大きくする必要がない。
【0043】
さらに、この振動ジャイロ10では、角速度に対応したデジタル信号が得られるため、そのままか、または、その角速度に対応したデジタル信号を積分回路で時間的に積分して変位角度に対応した信号が得られるようにすれば、この振動ジャイロ10を取り付けた機器の変位角度に関連または対応した信号をマイコンに直接伝達することができる。また、マウスやAV機器のリモートコントロールユニットから出力される一定のルールに基づいたコードを出力するように振動ジャイロ10の出力信号を変換すれば、たとえば振動ジャイロ10を持った手の動きだけでマウスやリモートコントロールユニットの出力信号が得られ、そのような出力信号を得るための回路の集約が可能になる。さらに、この振動ジャイロ10の出力信号は、USBに対応するように変換されてもよい。
【0044】
なお、上述の振動ジャイロ10では、正3角柱状の振動体に圧電素子を接着した角速度センサが用いられているが、この発明では、角速度センサとしては、たとえば2つの圧電体板を接着したバイモルフ型の振動体を用いた角速度センサなど、他の角速度センサが用いられてもよい。
【0045】
また、上述の振動ジャイロ10において、周辺の状況などを考慮して、整数kや閾値などが変更されてもよい。
【0046】
【発明の効果】
この発明によれば、記憶容量の小さいデジタル信号処理装置を用いて、正確なドリフトの補正を行うことができ、個々の振動ジャイロについて、正確な補正を行うことかできる。そのため、全ての振動ジャイロについて、温度変化に対して正確な角速度値を出力させることができ、特性のばらつきの小さい振動ジャイロを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる振動ジャイロの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す振動ジャイロに用いられる角速度センサの一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示す角速度センサの断面図である。
【図4】図1に示す振動ジャイロにおいて、デジタル信号処理装置で行われるデジタル信号の処理を示すフロー図である。
【図5】図5(A)と図5(B)とは、図1に示す振動ジャイロにおいて、ドリフトがない場合のL信号、L信号中の駆動信号およびコリオリ信号とR信号、R信号中の駆動信号およびコリオリ信号とをそれぞれ示すグラフである。
【図6】図6(A)と図6(B)とは、図1に示す振動ジャイロにおいて、ドリフトがなくコリオリ信号が増大した場合のL信号、L信号中の駆動信号およびコリオリ信号とR信号、R信号中の駆動信号およびコリオリ信号とをそれぞれ示すグラフである。
【図7】図7(A)と図7(B)とは、図1に示す振動ジャイロにおいて、R信号中の駆動信号の位相が変化するというドリフトがありコリオリ信号が増大した場合のL信号、L信号中の駆動信号およびコリオリ信号とR信号、R信号中の駆動信号およびコリオリ信号とをそれぞれ示すグラフである。
【図8】図8(A)と図8(B)とは、図1に示す振動ジャイロにおいて、R信号中の駆動信号の振幅が変化するというドリフトがありコリオリ信号が増大した場合のL信号、L信号中の駆動信号およびコリオリ信号とR信号、R信号中の駆動信号およびコリオリ信号とをそれぞれ示すグラフである。
【図9】図9(A)と図9(B)とは、図1に示す振動ジャイロにおいて、R信号中の駆動信号の位相が変化するというドリフトがありコリオリ信号が変化しない場合のL信号、L信号中の駆動信号およびコリオリ信号とR信号、R信号中の駆動信号およびコリオリ信号とをそれぞれ示すグラフである。
【図10】図10(A)と図10(B)とは、図1に示す振動ジャイロにおいて、R信号中の駆動信号の振幅が変化するというドリフトがありコリオリ信号が変化しない場合のL信号、L信号中の駆動信号およびコリオリ信号とR信号、R信号中の駆動信号およびコリオリ信号とをそれぞれ示すグラフである。
【図11】従来の振動ジャイロの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 振動ジャイロ
12 角速度センサ
14 振動体
16a,16b,16c 圧電素子
28 発振回路
30,32 A/Dコンバータ
34 デジタル信号処理装置

Claims (7)

  1. 角速度に対応したアナログ信号を出力する角速度センサ、
    前記角速度センサの出力信号をデジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ、および
    前記A/Dコンバータから出力されるデジタル信号を処理するためのデジタル信号処理装置を含み、
    前記デジタル信号処理装置において、前記デジタル信号を取り込み、前記デジタル信号を前記デジタル信号における0点間のピーク点を正弦波の最大値とする正弦波で近似して記憶し、前記最大値に基づいてドリフト補正を行い、記憶した前記デジタル信号から前記角速度に対応した信号を算出し出力する、振動ジャイロ。
  2. 前記デジタル信号処理装置において、前記デジタル信号にドリフトがある場合に、記憶した前記デジタル信号から前記角速度に対応した信号を補正する、請求項1に記載の振動ジャイロ。
  3. 前記デジタル信号処理装置において、最新の複数の前記デジタル信号を記憶する、請求項1または請求項2に記載の振動ジャイロ。
  4. 前記角速度センサの出力信号は2つの出力信号を含み、
    前記デジタル信号は2つのデジタル信号を含み、
    前記A/Dコンバータは2つのA/Dコンバータを含み、
    前記2つのA/Dコンバータの一方は前記2つの出力信号の一方を前記2つのデジタル信号の一方に変換し、
    前記2つのA/Dコンバータの他方は前記2つの出力信号の他方を前記2つのデジタル信号の他方に変換する、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の振動ジャイロ。
  5. 前記デジタル信号処理装置において、記憶された前記2つのデジタル信号の履歴から前記2つのデジタル信号のそれぞれの変動を分析し、それらの変動からドリフトを算出し、前記角速度に対応した信号を補正する、請求項4に記載の振動ジャイロ。
  6. 前記角速度に対応した信号はデジタル信号である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の振動ジャイロ。
  7. 前記角速度に対応した信号が角度に対応した信号に積分される、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の振動ジャイロ。
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