図1は、本発明の実施の第1形態である発光素子アレイ1を備える光プリントヘッド2の構成を示す部分断面図である。本実施の形態の発光素子アレイ1は、基板3と、複数の発光素子5a,5b,5c,5d,…(以後、特定の発光素子を示す場合を除いて発光素子5と記載する)と、照射領域縮小手段6とを含んで構成される。
発光素子5は、発光部4a,4b,4c,4d,…(以後、特定の発光部を示す場合を除いて発光部4と記載する)をそれぞれ有し、各発光部4が、互いに間隔をあけた2地点間に並べて配置されるように基板3に設けられる。発光素子5のうち、基板3の端部に配置される発光素子5aを、以後端部発光素子5aと記載する。また発光素子5のうち、基板3の端部を除く中間部に配置される発光素子5b,5c,5d,…を、以後中間部発光素子5bと記載する場合がある。また端部発光素子5aの発光部4aを、以後端部発光部4aと記載し、中間部発光素子5b,5c,5d,…の発光部4b,4c,4d,…を、以後中間部発光部4bと記載する場合がある。
照射領域縮小手段6は、端部に配置される発光素子5aの発光部4aを覆うように
設けられ、端部に配置される発光素子5aから出射される光の予め定める仮想一平面
上における照射領域を小さくする端部照射領域縮小部6aと、端部を除く中間部に配
置される発光素子5b,5c,5d,…の発光部4b,4c,4d,…を覆うように
設けられ、端部を除く中間部に配置される発光素子5b,5c,5d,…から出射さ
れる光の前記予め定める仮想一平面上における照射領域を小さくする中間部照射領域
縮小部6b,6c,6d,…とを含む。予め定める仮想一平面とは、後述する基板3
の素子配列面3aに平行な面である。本実施の形態において、予め定める仮想一平面
は、後述するレンズアレイ7の発光素子5に臨む端面である。
また照射領域縮小手段6は、端部照射領域縮小部6aの基板3に対する占有領域の
面積が、中間部照射領域縮小部6b,6c,6d…の基板3に対する占有領域の面積
よりも小さく、かつ端部照射領域縮小部6aの照射領域縮小特性が、中間部照射領域
縮小部6b,6c,6d…の照射領域縮小特性よりも高く構成されることを特徴とす
る。
以後、中間部照射領域縮小部6b,6c,6d,…を、特定の中間部照射領域縮小部を示す場合を除いて中間部照射領域縮小部6bと記載する。
さらに本実施の形態では、照射領域縮小手段6は、光透過層6であり、端部照射領域縮小部6aである端部光透過部6aと、中間部照射領域縮小部6bである端部光透過部6bとで、基板3からの突出高さを異ならせることによって、端部光透過部6aの照射領域縮小特性が、中間部光透過部6bの照射領域縮小特性よりも高められることを特徴とする。
本実施の形態の光プリントヘッド2は、図1では1つしか記載しないけれども、複数の発光素子アレイ1と、複数のレンズアレイ7とを含んで構成される。光プリントヘッド2は、たとえば、電子写真方式を用いるプリンタ、ファクシミリおよび複写機などの画像形成装置に備えられる電子写真感光体を露光する手段として用いられる。
図2は、露光手段として使用される光プリントヘッド2の斜視図である。光プリントヘッド2は、発光素子アレイ1に複数の発光素子5が配置される方向(以後、発光素子配列方向と記載する)に沿って、複数の発光素子アレイ1が等間隔で駆動回路基板8の一方の面8a上に設けられる。発光素子アレイ1は、駆動回路基板8の一方の面8aが電子写真感光体9を臨むように設けられ、複数の発光素子アレイ1と電子写真感光体9との間には、発光素子アレイ1から出射される光を電子写真感光体9に照射させるように、レンズアレイ7が設けられる。複数の発光素子アレイ1が設けられる駆動回路基板8およびレンズアレイ7は、ハウジングに固定支持される。
複数の発光素子5が配列される基板3は、たとえばガリウムヒ素(GaAs)またはシリコン(Si)などの半導体基板である。基板3としてSiから成る半導体基板を用いる場合、たとえば、溶融させた半導体材料の溶融液から単結晶を引き上げるCZ法(チョクラルスキー法)によって単結晶Siのインゴットを形成し、これを250〜350μmの厚み寸法にスライスした後、スライスした面を研磨することによって単結晶ウエハを得る。
基板3には、複数の発光素子5が、光プリントヘッド2の主走査方向に等間隔で直線状に、1列で配置される。本実施の形態の光プリントヘッド2は、解像度が600dpi(dot per inch)であり、発光素子配列方向における発光素子5の中心と、発光素子5に隣合う発光素子5の中心との距離であるピッチL1が42.3μmとなるように、複数の発光素子5が基板3の一方の面である素子配列面3aに互いに間隔をあけて配置される。
発光素子5は、上記のように、たとえばCZ法によって得られ、スライス後研磨された単結晶ウエハの一方の面上に複数個が配列されて形成される。発光素子アレイ1は、複数の発光素子5が形成される単結晶ウエハをダイシングと呼ばれる工程で切断することによって形成される。
発光素子5は、単結晶ウエハの一方の面に、有機金属気相成長法(Metal Organic
Chemical Vapor Deposition:略称MOCVD法)などの方法を用い、エピタキシャル成長によって形成されたGaAsなどの化合物半導体層と、化合物半導体層にオーミック接合された電極層とを備える。また発光素子5を構成する化合物半導体層には、無機材料または有機材料から成る保護膜が形成される。本実施の形態では、発光素子5は、基板3の厚み方向からみたときの形状が矩形状に形成され、発光素子配列方向における幅Wが0.57×L1以下となるように、GaAsから成る化合物半導体層を含む発光素子5が形成される。
このような発光素子5は、化合物半導体層が、たとえば、n型半導体層とp型半導体層とが順次積層されて形成される発光ダイオード(LED)または発光サイリスタである。発光素子5に対して、基板3に形成される電極パターンを介して電力が与えられると、n型半導体層中に正孔が、p型半導体層中に電子がそれぞれ注入される。発光素子5は、n型半導体層中の正孔およびp型半導体層中の電子をn型半導体層とp型半導体層との間のpn接合付近で再結合させ、結合によって生じるエネルギを光に変換し、たとえば850nmの波長で発光する。
発光素子5は、基板3の発光素子5が配列される面である素子配列面3aに対して垂直方向に光を出射する面発光型の発光素子であり、発光素子5から光が出射される部分である発光部4を有する。本実施の形態では、発光部4の基板3の基板配列面3aに平行な面の面積は、発光素子5の基板3の基板配列面3aに平行な面の面積と同じ大きさである。また発光部4の発光素子配列方向の幅は、発光素子5の幅に等しい。
このような発光素子5が配列される基板3は、発光素子5の駆動を制御するICドライバ10が搭載されるガラス基板などの駆動回路基板8に実装される。発光素子5は、基板3に形成される電極パターンを介してICドライバ10と電気的に接続される。電極パターンは、ICドライバ10の回路パターンとボンディングワイヤによって接続される。たとえばA3サイズに対応する光プリントヘッド2の駆動回路基板8には、1つの発光素子アレイに128個の発光素子を備える600dpiの仕様によって構成される本実施の形態の発光素子アレイ1が、60個配置される。
レンズアレイ7は、棒状または円柱形状のレンズであるロッドレンズを多数並列して配列し、各レンズによる正立等倍像を重ね合わせて全体で1つの連続像を形成する光学系である。ロッドレンズとしては、たとえば、円柱形状を有し、円柱の中心軸から外周に向かって屈折率が連続的に減少するような屈折率分布を有するセルフォックレンズ(商品名)などの屈折率分布レンズ(グリンレンズ;GRIN;Gradient Index)を用いることができる。レンズアレイ7としては、棒状または円柱形状のロッドレンズが用いられるアレイに限定されず、たとえば屋根形状のルーフミラーレンズなどが用いられるアレイなどであってもよい。
レンズアレイ7は、1つの発光素子5からの出射光が、各発光素子5に対応する1つのロッドレンズ11または複数のロッドレンズ11を含むロッドレンズ群(以後、ロッドレンズ群についてもロッドレンズ11と称する)に照射されるように配置される。ロッドレンズ11は、対応する発光素子5からの光を受光して、受光した側と反対側の面から光を出射し、発光素子5からの光を電子写真感光体9に結像させる。以後、特定の発光素子5a,5b,5c,5d,…からの光を受光し、特定の発光素子5a,5b,5c,5d,…から受光した光を電子写真感光体9に照射させるロッドレンズ11を、対応するロッドレンズ11a,11b,11c,11d,…と称する。ロッドレンズ11と発光素子5との距離H0は、ロッドレンズ11の視野角(または開口角)および口径などによって決定される。
ロッドレンズ11は、発光素子5から出射される光のうち、ロッドレンズ11の視野角の半角よりも大きい角度の入射角で入射する光については利用することができないので、対応する発光素子5以外の発光素子5から出射された光が照射されても、その光は電子写真感光体9への照射に利用されない。発光素子5から出射された光のうち、対応するロッドレンズ11に入射しない光は、フレア光となる。ロッドレンズ11同士の隙間には不透明な材料が充填され、フレア光がロッドレンズ11同士の隙間から漏れて電子写真感光体9に照射されることを防止している。
ただしこのようなフレア光は、フレア光が反射することによって、ロッドレンズ11の視野角の半角よりも小さい角度の入射角で、対応するロッドレンズ11と異なるロッドレンズ11に入射するおそれがあるので、発生が抑制されることが好ましい。本実施の形態では、発光素子5から出射された光のうち、より多くの光を、発光素子5に対応するロッドレンズ11に入射させることができるように、各発光部4から出射される光の照射領域を小さくする端部照射領域縮小部6aおよび中間部照射領域縮小部6b,6c,6d,…を含む光透過層6が形成される。
本実施の形態の光透過層6は、端部発光素子5aの端部発光部4aを覆うように設けられ、端部発光素子5aから出射される光の照射領域を小さくする端部光透過部6aと、中間部発光素子5bの中間部発光部4bを覆うように設けられ、中間部発光素子5bから出射される光の照射領域を小さくする中間部光透過部6bとを含む。端部光透過部6aは、中間部光透過部6b,6c,6d…と比較して、照射領域縮小特性が高く構成される。以後、端部光透過部6aおよび中間部光透過部6b,6c,6d,…を、あわせて照射領域縮小部6a,6b,6c,6d,…と記載する場合がある。
照射領域縮小部6a,6b,6c,6d,…とは、発光部4の基板3に対する占有領域に応じて分割され、占有領域内に存在する発光部4からの光の照射領域を小さくする光透過部6a,6b,6c,6d,…である。本実施の形態では、各発光部4a,4b,4c,4d,…に設けられる複数の光透過部6a,6b,6c,6d,…が一体的に形成され、光透過層6を構成する。
発光部4の占有領域は、次のように定められる。まず発光素子配列方向に垂直な仮想平面12であって、隣合う2つの発光素子5の発光部4の発光素子配列方向における中心からの距離が等しい複数の仮想平面12によって、基板3の素子配列面3aを切断し、隣合う2つの仮想平面12で区切られる複数の分割面13a,13b,13c,13d,…(以後、特定の分割面を示す場合を除き分割面13と記載する)を定める。ここで、分割面13上に配置される発光部4の参照符号に付加されるアルファベットの添字をあわせて記載することによって、分割面13がどの発光部4の占有領域に含まれるものであるかを示す。このような発光部4と同じ添字が付加される分割面13を含み、隣合う2つの仮想平面12で区切られる領域を、発光部4の占有領域と記載する。また発光部4の占有領域を、発光素子5の占有領域と記載する場合がある。また発光部4の参照符号に付加されるアルファベットの添字をあわせて記載し、光透過部6の基板3に対する占有領域と記載する場合がある。
本実施の形態の光透過層6は、屈折率の異なる第1光透過層14および第2光透過層15がこの順番で発光素子5が形成される基板3の素子配列面3aに積層され、さらに端部に配置される端部発光部4aに設けられる端部照射領域縮小部6aである端部光透過部6aでは、第3光透過層16が形成される。本実施の形態の光透過層6は、基板3の厚み方向からみたときの形状が矩形状に形成される。また本実施の形態では、第1光透過層14の厚みがt1、第2光透過層15の厚みがt2、第3光透過層16の厚みがt3となるように、第1〜第3光透過層14,15,16が形成される。
本実施の形態の光透過層6は、発光素子5から離反する側の層の屈折率が、発光素子5に近接する側の層の屈折率よりも高くなるように、第1〜第3光透過層14,15,16が積層される。本実施の形態では、第1光透過層14の屈折率をn1、第2光透過層15の屈折率をn2、第3光透過層16の屈折率をn3とするとき、n1<n2<n3となる。
光透過層6を構成する第1〜第3光透過層14,15,16は、発光素子5の屈折率よりも低い屈折率であって、空気の屈折率よりも高い屈折率を有するとともに、透光性を有する材料から成る。第1〜第3光透過層14,15,16に用いられる材料としては、たとえば透光性を有する樹脂などが挙げられる。
透光性を有する樹脂は、発光素子5から出射される光の波長領域、たとえば400nm〜1000nm、本実施の形態では850nmにおいて透光性を有するものであれば、特に制限されない。透光性を有する樹脂としては、たとえば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE;ポリテトラフルオロエチレン)、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ベンゾシクロブテン樹脂(BCB)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、およびポリイミド(PI)などが挙げられる。これらの樹脂の屈折率は、常温(24℃)において、波長770nmの光を入射させる場合、PTFEが1.36であり、PMMAが1.49であり、BCBが1.50であり、PSが1.59であり、PCが1.59であり、PIが1.78である。また同じ条件で測定される発光素子5の屈折率は、たとえば、発光素子5の化合物半導体層がGaAsから成る場合、約3.60〜3.70である。また同じ条件で測定される空気の屈折率は1.00である。
光透過層6は、第1〜第3光透過層14,15,16としてたとえば上記樹脂の中から3種類の材料を選択し、屈折率の低い材料から発光素子5の発光部4に順次積層されて形成される。光透過層6は、たとえば、次のような塗布工程および溶媒除去工程を含む光透過層形成方法によって、第1〜第3光透過層14,15,16を順次積層することによって形成される。
塗布工程では、たとえば、各層を構成する樹脂を溶解可能な有機溶剤などの溶媒に溶解させて作製される塗布液を、スピンコート法などの方法によって塗布して塗布液層を形成する。溶媒除去工程では、たとえば、形成された塗布液層をキュア炉などで加熱することなどによって塗布液層中の溶媒を蒸発させて除去し、光透過層を形成する。ここで、第3光透過層16は、形成すべき部分以外にマスクをすることによって必要な部分のみに形成される。第3光透過層16を第2光透過層15の基板3と反対側の面の全面に形成した後、不要な部分に形成された第3光透過層16を、フォトエッチングなどによって除去してもよい。第3光透過層16は、前記スピンコート法で用いられる塗布液を、インクジェット式の吐出手段などによって吐出するポッティングなどの方法によって形成されてもよい。
また第1〜第3光透過層14,15,16は、酸化物または窒化物などから成る薄膜をスパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)、または真空蒸着などの成膜技術を利用して形成されてもよい。
本実施の形態では、第1光透過層14および第2光透過層15が、それぞれ膜によって重ねて形成されるとともに、前述のような矩形状からなる単純な形状であるので、発光素子5の発光部4に対する第1光透過層14および第2光透過層15の位置合わせが不要であり、またフォトリソグラフィーなどの微細加工が不要であり、さらに成膜のみの簡単な方法によって形成することができるので、発光素子アレイ1の製造が容易となる。また第1光透過層14および第2光透過層15が積層膜のような単純な形状であるので、中間部発光部4b,4c,4d,…に設けられる照射領域縮小部6b,6c,6d,…において、均一な光学特性を得ることができる。
図3は、発光素子5および発光素子アレイ1の配置を示す光プリントヘッド2の部分断面図である。発光素子アレイ1の端部に配置される端部発光素子5aと、発光素子アレイ1に隣合うもう一つの発光素子アレイ17の、発光素子アレイ1側の端部に配置される発光素子17aとの間隔が、前記ピッチL1と等しくなるように、複数の発光素子アレイ1,17が駆動回路基板8の一方の面に配置される。
発光素子アレイ1は、前述のように、複数の発光素子5が形成される単結晶ウエハをダイシングと呼ばれる工程で切断することによって得られる基板3を含んで構成される。ここでダイシング工程では、切断によって生じる誤差によって、隣合う発光素子アレイ1,17の端部に配置される端部発光素子5a,17a間のピッチが、前記ピッチL1よりも大きくなることを防止するために、端部発光素子5aと、切断面18との距離L2が、L1/2よりも小さくなるように、単結晶ウエハが切断される。これによって、端部発光部4aの基板3に対する占有領域の面積が、端部を除く中間部に配置される発光部4bの基板3に対する占有領域の面積よりも小さくなる。
ここで、本実施の形態では形成される第3光透過層16が設けられない場合について述べる。端部発光部の基板に対する占有領域の面積が、中間部発光部の基板に対する占有領域の面積よりも小さくなると、端部発光部に設けられる端部光透過部の基板3に対する占有領域の面積が、中間部発光部に設けられる中間部光透過部の基板3に対する占有領域の面積よりも小さくなり、端部光透過部を透過して対応するロッドレンズに入射する光の光量が、中間部光透過部を透過して対応するロッドレンズに入射する光の光量よりも小さくなる。
端部光透過部を透過して対応するロッドレンズに入射する光の光量が、中間部光透過部を透過して対応するロッドレンズに入射する光の光量よりも小さくなると、端部光透過部に対応するロッドレンズから電子写真感光体に照射される光の光量が、中間部光透過部に対応するロッドレンズから電子写真感光体に照射される光の光量に比べて小さくなり、照射光量にむらを生じる。照射光量にむらを生じる光プリントヘッドを、画像形成装置に用いられる電子写真感光体を露光する手段として用いると、形成される画像に白筋などの画像欠陥を発生する。
本実施の形態では、基板3に対する占有領域の面積が他の発光部4である中間部発光部4bに比べて小さい端部発光部4aに設けられる端部光透過部6aが、第3光透過層16を含んで構成される。端部光透過部6aに第3光透過層16が形成されることによって、端部光透過部6aの基板3からの突出高さH1を、中間部光透過部6bの基板3からの突出高さH2よりも大きくすることができる。このように、端部光透過部6aと中間部光透過部6bとで基板3からの突出高さを異ならせることによって、端部光透過部6aの照射領域縮小特性を、中間部光透過部6bの照射領域縮小特性よりも高めることができる。以下図面を参照して、端部光透過部6aの突出高さH1が中間部光透過部6bの突出高さH2よりも大きく形成されることによって、端部光透過部6aの照射領域縮小特性を、中間部光透過部6bの照射領域縮小特性よりも高めることができる理由を説明する。
図4は、発光素子5から出射されてレンズアレイ7に入射される光の光路を示す図である。発光素子5から出射される光は、GaAsの屈折率が、空気の屈折率および光透過層6を構成する樹脂などの材料の屈折率よりも高いことによって、発散光となる。図4では、この発散光のうち、いくつかの成分の光の光路を矢符で示す。レンズアレイ7に入射される光の光路を示す図においては、図面が煩雑となるので、一部のハッチングの記載を省略する。
中間部発光素子5bからの光は、第1光透過層14および第2光透過層15を透過して空気中に出射され、レンズアレイ7に向かう。中間部発光素子5bから出射された光のうち、ロッドレンズ11bに入射するときの入射角をロッドレンズ11bの視野角の半角以下とする閾値以下の出射角で出射された光は、光路19a,19b,19cで示すように、第1光透過層14および第2光透過層15を透過し、対応するロッドレンズ11bに入射する。さらに光路19bに注目すると、第1光透過層14および第2光透過層15を設けない場合では、光路が二点鎖線の矢符20bで示すように対応するロッドレンズ11bに入射させることができなかった光を、第1光透過層14および第2光透過層15で屈折させ、第2光透過層15から空気への出射光の出射位置を出射光軸19a寄りに移動させることによって、対応するロッドレンズ11bに入射させるように導くことができる。閾値よりも大きい出射角で出射された光は、光路19dで示すように、第1光透過層14および第2光透過層15を設けても光路の曲げが不充分であり、対応するロッドレンズ11bに入射させることができない。
端部発光素子5aからの光は、第1光透過層14、第2光透過層15および第3光透過層16を透過して空気中に出射され、レンズアレイ7に向かう。図4の矢符21a,21b,21c,21dで光路が示される端部発光素子5aからの出射光は、矢符19a,19b,19c,19dで光路が示される中間部発光素子5bからの出射光と同じ出射角で出射された光である。
光路21cに注目する。中間部発光素子5bから出射される同じ出射角の光については光路19cに示すように、対応するロッドレンズ11bに入射させることができるけれども、矢符21cで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、光透過層6の端部22から、光透過層6とは光学的に異なる性質を有する空気に入射するときに、光透過層6の端部22において散乱され、対応するロッドレンズ11aに入射させることができない。このように、端部光透過部6aの形成される領域が中間部光透過部6bに比べて小さいことによって、端部発光素子5aから出射された光は、中間部発光素子5bから出射された光に比べて、対応するロッドレンズ11に入射される光量が減少する、という問題がある。
本実施の形態では、第3光透過層16が端部光透過部6aのみに形成されることによって、この減少した分の光量を補償し、端部発光素子5aに対応するロッドレンズ11aへの入射光量を、中間部発光素子6bに対応するロッドレンズ11bへの入射光量に近づけることができる。
光路21bに注目する。中間部発光素子6bから出射される同じ出射角の光については光路19bに示すように、対応するロッドレンズ11bに入射させることができる。二点鎖線19bは、中間部発光素子6bから出射される光路19bを、端部発光素子5aから出射される同じ出射角の光の光路21bに重ね合わせて記載した光路である。このように、二点鎖線で示される光路は、同じ参照符号の実線で示される光路を、異なる発光素子から出射された光に重ね合わせて記載した光路であるので、以後各二点鎖線で示される光路の説明を省略する。
矢符21bで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、第1光透過層14、第2光透過層15および第3光透過層16を透過して空気中に出射され、対応するロッドレンズ11aに入射する。端部発光素子5aからの出射光の光路21bは、中間部発光素子5bからの出射光が透過する第1光透過層14および第2光透過層15に加えて、第3光透過層16を透過するので、中間部発光素子5bからの出射光の光路19bよりも、出射光軸21a寄りに移動する。
光路21dに注目する。中間部発光素子5bから出射される同じ出射角の光については光路19dに示すように、出射角が閾値よりも大きいことによって、第1光透過層14および第2光透過層15を設けても光路の曲げが不充分であり、対応するロッドレンズ11bに入射させることができない。これに対して、矢符21dで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、第1光透過層14、第2光透過層15および第3光透過層16を透過して空気中に出射され、端部光透過部6aから空気への出射光の出射位置が、中間部光透過部6bから空気への出射光の出射位置よりも、出射光軸21a寄りに移動されるので、光路21dで示される光を、対応するロッドレンズ11aに入射させることができる。このように、第3光透過層16を設けて、端部光透過部6aにおける突出高さH1を、中間部光透過部6bの突出高さH2よりも大きくすることによって、端部発光素子5aから出射され基板3の切断面18と反対側で光透過層6を透過する光のうち、対応するロッドレンズ11aに入射させることができる光の出射角の閾値を大きくすることができる。
このように、端部発光部4aに設けられる端部光透過部6aの突出高さH1を、中間部発光部4bに設けられる中間部光透過部6bの突出高さH2よりも大きくすることによって、端部光透過部6aの照射領域縮小特性を、中間部光透過部6bの照射領域縮小特性よりも高めることができる。端部光透過部6aでは、基板3の切断面18と反対側において出射角の閾値を大きくすることができ、対応するロッドレンズ11aへの入射光量を増加させることができる。これによって、基板3の切断面18側の光透過層6の端部22から出射されて散乱され、対応するロッドレンズ11aに入射させることができない分の減少する光量を補償することができる。このようにして、端部発光部4aに対応するロッドレンズ11aの受光光量を増大させ、端部発光部4aに対応するロッドレンズ11aと、中間部発光部4bに対応するロッドレンズ11bとの間で、受光光量を均一化することができる。
ここで、光透過層6は、発光素子配列方向における端部22が、切断面18よりも端部発光素子5a寄りとなるように、形成されることが好ましい。光透過層6は、通常単結晶ウエハに複数の発光素子5を形成した後に、かつダイシング工程の前に形成される。
光透過層6の発光素子配列方向における端部22が、切断面18よりも端部発光素子5a寄りとならない場合、たとえば発光素子アレイ1に形成される光透過層6と、発光素子アレイ1と隣合うもう一つの発光素子アレイ17に形成される光透過層17bとが一体的に形成される場合、ダイシング工程において単結晶ウエハとともに光透過層6,17bを切断することとなり、光透過層6,17bの切断部分にマイクロクラックが発生する。光透過層6,17bにマイクロクラックが発生すると、光透過層6,17bにおける光の透過性が低下し、光量の損失を生じるので、突出高さを大きくすることによっても補償できない光量減少が生じる。
また発光素子アレイ1に形成される光透過層6と、発光素子アレイ1と隣合うもう一つの発光素子アレイ17に形成される光透過層17bとが別々に形成される場合であっても、光透過層6,17b同士の間隔が短いと、ダイシング工程におけるブレードなどの切断手段の振動などによって、マイクロクラックが発生するおそれがある。
したがって光透過層6は、光透過層6の端部22と、基板3の切断面18との距離L3が0.15×(L2−W/2)以上(L2−W/2)以下となるように、形成されることが好ましい。距離L3が上記範囲となるように光透過層6が形成されることによって、ダイシング工程におけるマイクロクラックの発生を防止することができる。基板3の切断面18との距離L3が0.15×(L2−W/2)未満であると、ダイシング工程におけるブレードなどの切断手段の振動などによって、マイクロクラックが発生するおそれがある。基板3の切断面18との距離L3が(L2−W/2)を超えると、発光素子5からの出射光が光透過層6の端部22から出射されることによって減少する光量が多くなり過ぎ、端部光透過部6aの突出高さH1を大きくしても、減少分の光量を補えないおそれがある。
このような端部光透過部6aの基板3からの突出高さH1および中間部光透過部6bの基板3からの突出高さH2は、次のようにして決定される。まず中間部光透過部6bの基板3に対する突出高さH2を決定する。このような中間部光透過部6bの突出高さH2に対する端部光透過部6aの好ましい突出高さH1は、第1〜第3光透過層14,15,16を構成する材料の屈折率などに応じて決定される。したがって突出高さH2の中間部光透過部6bを構成する第1光透過層14および第2光透過層15を形成した後、たとえば実際にロッドレンズ11で受光される光の光量を測定することなどによって、端部発光素子5aに対応するロッドレンズ11aと、中間部発光素子5bに対応するロッドレンズ11bとで、受光光量が均一化するように、第3光透過層16の厚みを決定する。以上のようにして、第1〜第3光透過層14,15,16の厚みt1、t2、t3によって定められる端部光透過部6aの基板3に対する突出高さH1が決定される。
中間部光透過部6bの基板3に対する突出高さH2は、たとえば、第1光透過層14および第2光透過層15がスピンコート法によって形成される場合、塗布液の粘度およびスピンコータの回転数(回転速度)などによって決定される。スピンコート法によって決定される第1光透過層14の厚みt1および第2光透過層15の厚みt2がたとえば、2.5μm以上7.5μm以下である場合、突出高さH2は、5μm以上15μm以下となる。
中間部光透過部6bの基板3に対する突出高さH2が5μm以上15μm以下である場合、端部光透過部6aの基板3に対する突出高さH1は、中間部光透過部6bの基板3に対する突出高さH2よりも大きくなるように、第3光透過層16が形成される。端部光透過部6aの基板3に対する突出高さH1は、15μm以上215μm以下であることが好ましい。ただし、中間部光透過部6bの突出高さH2が15μmである場合、端部光透過部6aの突出高さH2は、15μmより大きく設定される。端部光透過部6aの突出高さH1が上記範囲である場合、第3光透過層16の厚みt3は、10μm以上200μm以下である。
上記のような場合において、第3光透過層16の厚みt3が10μm未満であると、端部光透過部6aから空気への出射光の出射位置を、中間部光透過部6bから空気への出射光の出射位置に対して光軸寄りに移動させることができるけれども、その移動量が小さく、端部発光素子5aからロッドレンズ11aに入射する光の光量と、中間部発光素子5bからロッドレンズ11b入射する光の光量とを均一化することができるほど、照射領域縮小特性を高めることができないおそれがある。また上記のような場合において、第3光透過層16の厚みt3が200μmを超えると、第3光透過層16を透過することによって光の損失が発生するおそれがある。したがって上記のような場合において、端部発光素子5aからロッドレンズ11aに入射する光の光量と、中間部発光素子5bからロッドレンズ11b入射する光の光量とを均一化するためには、第3光透過層16の厚みt3が10μm以上200μm以下であることが好ましい。
このような第3光透過層16は、前述のようにスピンコート法によっても形成することができる。第3光透過層16をスピンコート法によって形成する場合、用いる塗布液の粘度を、第1光透過層14および第2光透過層15を形成するときに用いる塗布液の粘度よりも高めることが好ましい。また第3光透過層16を形成するときのスピンコータの回転数を、第1光透過層14および第2光透過層15を形成するときのスピンコータの回転数よりも小さくすることが好ましい。
このような第3光透過層16は、光透過層6の端部22と反対側の端部23が、端部発光部4aの占有領域の中央寄りに形成されることが好ましい。第3光透過層16の光透過層6の端部22と反対側の端部23が、端部発光部4aの占有領域の中央寄りに形成されると、端部発光素子5aに隣合う中間部発光素子5bからの出射光が、第3光透過層16を透過して端部発光素子5aに対応するロッドレンズ11aに入射することを防止でき、また中間部発光素子5bからの出射光が、第3光透過層16の端部23で反射されて散乱光となることを防止できる。
端部発光部4aと中間部発光部4bとからの発光素子配列方向における距離が等しい仮想平面12と、第3光透過層16の端部23との距離L4は、0.15×(L1−W)/2以上(L1−W)/2以下であることが好ましい。上記範囲となるように第3光透過層16が端部発光部4aの占有領域よりも内側に形成されると、中間部発光素子5bからの出射光が、第3光透過層16を透過または第3光透過層16の端部23で反射されることを防止できる。距離L4が0.15×(L1−W)/2未満であると、中間部発光素子5bからの出射光が、第3光透過層16を透過または第3光透過層16の端部23で反射するおそれがある。距離L4が(L1−W)/2を超えると、第3光透過層16の形成される領域が小さくなり、照射領域縮小特性が低下するおそれがある。
以上のような光透過層6としては、上記のような構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、本実施の形態では、第1光透過層14の屈折率をn1、第2光透過層15の屈折率をn2、第3光透過層16の屈折率をn3とするとき、n1<n2<n3となるような、光透過層6が屈折率の異なる第1〜第3光透過層14,15,16から構成されるものであるけれども、第1光透過層14の屈折率n1、第2光透過層15の屈折率n2、第3光透過層16の屈折率n3の大小関係を適宜変更してもよい。また端部光透過部6aの突出高さH1と、中間部光透過部6bの突出高さH2とが異なっていれば、第1〜第3光透過層として同じ材料を用いて1層で光透過層6を構成するなど、光透過層を形成する層の数を適宜減少または増加させてもよい。
以上のような光透過層6を備える発光素子アレイ1は、端部光透過部6aと、中間部光透過部6bとで、基板3からの突出高さを異ならせることによって、端部光透過部6aの照射領域縮小特性が、中間部光透過部6bの照射領域縮小特性よりも高められる。本実施の形態では、端部光透過部6aの基板3からの突出高さH1を、中間部光透過部6bの基板3からの突出高さH2よりも大きくすることによって、基板厚み方向における端部光透過部6aと空気との界面の位置を、中間部光透過部6bと空気との界面の位置よりもレンズアレイ7寄りとすることができる。これによって、基板3に対する占有領域の面積が小さい端部光透過部6aの照射領域縮小特性を向上させることができ、レンズアレイ7に受光される光の受光光量を、端部発光素子5aと中間部発光素子5bとの間で均一化することができる。
また本実施の形態の光プリントヘッド2は、上記のような光透過層6が形成される複数の発光素子アレイ1と、発光素子アレイ1から出射される光を電子写真感光体9に照射させるレンズアレイ7とを含む。このような光プリントヘッド2では、発光素子5から出射され、レンズアレイ7に受光される光の受光光量が、発光素子5の配置される場所によらず均一化される発光素子アレイ1を備えるので、レンズアレイ7から電子写真感光体9に照射される光の照射光量にむらが発生することを防止できる。さらに電子写真感光体9に照射される光の照射光量むらの発生を防止することによって、他の部分と比較して照射光の光量が小さい部分に発生する白筋および他の部分と比較して照射光の光量が大きい部分に発生する黒筋などの発生を防止することができ、画像欠陥のない良好な画像を形成することができる。
このような発光素子アレイ1および光プリントヘッド2は、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、本実施の形態の光プリントへッド2は、解像度が600dpiであり、発光素子5が等ピッチL1=42.3μmで配置されるけれども、これに限定されることなく、たとえば解像度が1200dpiであり、発光素子5が等ピッチL1=21.1μmで配置される発光素子アレイ1および光プリントヘッド2などであってもよい。
端部発光素子5aの基板3に対する占有領域の面積が小さいことによる光量低下の問題は、高解像度化とともに強まる傾向にある。したがって、ピッチL1が21.1μmと狭い発光素子アレイ1では、たとえばピッチL1が42.3μmの発光素子アレイ1よりも、端部発光部4aへの光透過層の形成が困難であり、端部光透過部6aの占有領域の面積が小さくなるおそれがある。このような場合、端部発光部4aから出射されレンズアレイ7に入射する光の光量は、中間部発光部4bから出射されレンズアレイ7に入射する光の光量に比べて一層小さくなりやすくなる。したがって、本実施の形態のように、端部光透過部6aの突出高さH1を中間部光透過部6bの突出高さH2よりも大きくすることによって、レンズアレイ7に受光される光の受光光量を、端部発光素子5aと中間部発光素子5bとの間で均一化する構成は、高解像度化された発光素子アレイ1に用いられることが好ましい。
図5は、本発明の実施の第2形態である発光素子アレイ31を備える光プリントヘッド32の構成を示す部分断面図である。本実施の形態の光プリントヘッド32は、前述の第1実施形態の光プリントヘッド2に類似し、同一の構成である部分については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態の発光素子アレイ31は、基板3と、発光部4を有する発光素子5と、各発光素子5の発光部4を覆って設けられる光透過層33とを含んで構成される。本実施の形態の光プリントヘッド32は、複数の発光素子アレイ31と、レンズアレイ7とを含んで構成される。
本実施の形態の発光素子アレイ31は、光透過層33の端部光透過部33aと、中間部光透過部33b,33c,33d,…(以後、特定の中間部光透過部を示す場合を除き中間部光透過部33bと記載する)とで、出射面の形状を異ならせることによって、端部光透過部33aの照射領域縮小特性を、中間部光透過部33bの照射領域縮小特性よりも高めることを特徴とする。
本実施の形態では、中間部光透過部33bの出射面形状は、平面形状であり、端部光透過部33aの出射面形状は、レンズアレイ7側に凸となる曲面形状である。本実施の形態の光透過層33は、前述の実施の第1形態の光透過層6と同様に、透光性を有する樹脂などの材料から成る2つの光透過層14,34から構成される。
第2光透過層34には、端部発光素子5aの基板3に対する占有領域内において、凸部35が形成される。凸部35は、半球状、または非球面レンズなどで知られるような曲面形状に形成される。これによって、端部光透過部33aの出射面が曲面形状に形成される。本実施の形態では、基板3の素子配列面3aに平行な面内における凸部35の中心と、発光部4aの中心とをずらして、凸部35の基板3側の面が半径rの円である凸部35が形成される。
第2光透過層34の凸部35を形成する方法としては、たとえば、出射面形状が平面である第2光透過層を形成した後、凸部35を形成すべき部分に金属層などのマスクを形成し、そのマスクが形成された第2光透過層の出射面をリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)またはケミカル・ドライ・エッチング(CDE)などによってエッチングする方法が挙げられる。このようなエッチング方法を用いると、マスクの端部が徐々に内側に後退していくので、曲面形状を有する凸部35を容易に形成することができる。マスクを形成する金属層の材料としては、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)またはクロム(Cr)などを用いることが好ましい。マスクを形成する材料としては、第2光透過層34を構成する材料よりもエッチングレートが低いものであれば、金属材料でなくてもよい。
また第2光透過層34の凸部35を形成する他の方法としては、たとえば、出射面形状が平面である第2光透過層34を形成した後、凸部35を形成すべき部分に、インクジェット法などによって透光性を有する樹脂を溶解可能な有機溶剤などの溶媒に溶解させて作製される樹脂溶液を吐出し、樹脂溶液の表面張力によって凸形状の樹脂溶液部を形成した後、溶媒を除去し、硬化させる方法などが挙げられる。
図6は発光素子5から出射されてレンズアレイ7に入射される光の光路を示す図であり、図7は発光素子5から出射された光が光透過層33から空気に入射するときの入射角を示す図である。中間部発光素子5bから出射される光の光路19a,19b,19c,19dは、図4に示すものと同じであるので、説明を省略する。
端部発光素子5aからの光の一部は、光路36a,36b,36dに示すように、第1光透過層14および第2光透過層15を透過して空気中に出射され、対応するロッドレンズ11aに入射する。また矢符36cで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、光透過層33の端部37において散乱し、対応するロッドレンズ11aに入射することができない。
光路36bに注目する。矢符36bで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、第1光透過層14および第2光透過層15を透過して空気中に出射され、対応するロッドレンズ11aに入射する。端部光透過部33aの出射面形状がレンズアレイ7側に凸部35を有する曲面形状であると、光の入射位置における曲面の法線38が基板3の素子配列面3aに垂直な方向に対して傾斜することによって、入射角θで第2光透過層34から空気に入射する光がロッドレンズ11aの中心側に屈折する。このように、端部光透過部33aの出射面を曲面形状とすることによって、端部光透過部33aは、入射光を集光することができる。
同様にして、中間部発光素子5bから出射されるとき、対応するロッドレンズ11bに入射させることができない光路19dで示す出射光と同じ出射角で出射される光を、端部光透過部33aでは、第2光透過層15と空気との界面において対応するロッドレンズ11aの中心側に屈折させ、対応するロッドレンズ11aに入射させることができる。
以上のように、端部光透過部33aの集光特性を、中間部光透過部33bの集光特性よりも高くするように光透過層33の出射面の形状を各発光素子5の占有領域の面積に応じて異ならせることによって、基板3に対する占有領域の面積が小さい端部光透過部33aの照射領域縮小特性を向上させることができ、レンズアレイ7に受光される光の受光光量を、端部発光素子5aと中間部発光素子5bとの間で均一化することができる。
このような端部光透過部33aの出射面形状は、中間部光透過部33bの出射面形状が平面形状であるとき、次のようにして決定される。端部光透過部33aの凸部35の頂点付近における曲率半径をR、凸部35の突出高さをhとするとき、突出高さhに対する曲率半径Rの比率(R/h)を適宜設定することによって、端部光透過部33aの出射面形状を設定する。たとえば、突出高さhが5μm以上100μm以下である場合、突出高さhに対する曲率半径Rの比率(R/h)を、0.7より大きく5.0未満とする。
突出高さhに対する曲率半径Rの比率が上記範囲となるように端部光透過部33aの凸部35が形成されると、端部光透過部33aにおける集光特性を向上させ、端部発光素子5aからロッドレンズ11aに入射する光の光量と、中間部発光素子5bからロッドレンズ11b入射する光の光量とを均一化することができる。突出高さhに対する曲率半径Rの比率が0.7以下であると、凸部35の半径rが小さくなり、端部光透過部33a全体としての光照射領域縮小特性を向上させることができないおそれがある。突出高さhに対する曲率半径Rの比率が5.0以上であると、端部発光素子5aからロッドレンズ11aに入射する光の光量と、中間部発光素子5bからロッドレンズ11b入射する光の光量とを均一化することができるほどの集光特性の向上を図ることができないおそれがある。
本実施の形態では、中間部光透過部33bの出射面形状は、平面形状であり、端部光透過部33aの形状は、レンズアレイ7側に凸部35を有する曲面形状であるけれども、これに限定されることなく種々の変更が可能である。たとえば、中間部光透過部の出射面形状についても曲面形状とし、端部光透過部の曲面形状の曲率を、中間部光透過部の曲面形状の曲率よりも大きくする。このような光透過層によっても、端部光透過部の集光特性が、中間部光透過部の集光特性よりも高くなるので、基板に対する占有領域の面積が小さい端部光透過部の照射領域縮小特性を向上させることができ、光の受光光量を、端部発光素子と中間部発光素子との間で均一化することができる。
また本実施の形態では、基板3の素子配列面3aに平行な面内における凸部35の中心と、発光部4aの中心とをずらして、凸部35が形成される。凸部35は、基板3の素子配列面3aに平行な面内における凸部35の中心と、発光部4aの中心とを一致させて形成されてもよいけれども、凸部35の中心と発光部4aの中心とを一致させることによって、凸部35の中心と発光部4aの中心とを一致させない場合に比べて凸部35の大きさが小さくなるおそれがある。凸部35の大きさが小さくなると、集光特性が低下するので、基板3の素子配列面3aに平行な面内における凸部35の中心と、発光部4aの中心とをずらすことによって、凸部35を、発光部4aの基板3に対する占有領域の範囲内でなるべく大きく形成することが好ましい。
また本実施の形態においても、光透過層33を構成する層の数を適宜減少または増加させることができる。
図8は、本発明の実施の第3形態である発光素子アレイ41を備える光プリントヘッド42の構成を示す部分断面図である。本実施の形態の光プリントヘッド42は、前述の第2実施形態の光プリントヘッド32に類似し、同一の構成である部分については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態の発光素子アレイ41は、基板3と、発光部4を有する発光素子5と、各発光素子5の発光部4を覆って設けられる第1光透過層14およびレンズ43a,43b,43c,43d,…(以後、特定のレンズを示す場合を除きレンズ43と記載する)とを含んで構成される。本実施の形態の光プリントヘッド42は、複数の発光素子アレイ41と、レンズアレイ7とを含んで構成される。
本実施の形態の発光素子アレイ41は、第2光透過層の代わりに、照射領域縮小部であるレンズ43が形成される。端部発光部4aに形成されるレンズ43aを端部レンズ43aと呼び、中間部発光部4b,4c,4d,…に形成されるレンズ43b,43c,43d,…を、中間部レンズ43b,43c,43d,…と呼び、さらにこれらの中間部レンズのうち、特定の中間部レンズを示す場合を除いて中間部レンズ43bと記載する。レンズ43は、第1光透過層14の発光素子5と反対側に形成され、レンズ43の第1光透過層14側の面が平面形状であり、レンズアレイ7側の面が外方に凸となる曲面形状である。
中間部レンズ43bは、レンズアレイ7側の面が、半径Rb1、高さRb2の半球状に形成される。したがって、本実施の形態における中間部レンズ43bの頂点付近における曲率半径Rbは、半径Rb1に等しい。端部レンズ43aは、高さがRa2であり、かつ端部発光素子5aの占有領域の面積が中間部発光素子5bの占有領域の面積よりも小さいので、発光素子配列方向における端部レンズ43aの長さが、Rb1の2倍よりも小さいRa1の2倍となる。また端部レンズ43aの頂点付近における曲率半径は、Raである。
本実施の形態では、端部レンズ43aと中間部レンズ43bとは、基板3の厚み方向における高さである突出高さが等しい。したがって端部レンズ43aおよび中間レンズ43bは、高さがRa2(=Rb2)である。ここで、レンズの高さをレンズの幅の半分の長さで除した値を偏平率とするとき、端部レンズ43aの偏平率(Ra2/Ra1)は1よりも大きくなる。また中間部レンズ43bの偏平率(Rb2/Rb1)は1となる。
このようなレンズ43は、前述の実施形態の光透過層と同様に、たとえば塗布工程および溶媒除去工程を含む光透過層形成方法によってレンズアレイ7側の面が平面である光透過層を形成し、不要な部分をエッチングなどによって除去することによって形成される。またレンズ43は、インクジェット法などによって形成されてもよい。インクジェット法によってレンズ43を形成する場合、たとえば、吐出する樹脂溶液の溶媒として異なる溶媒を用い、樹脂溶液の表面張力を異ならせることによって、端部レンズ43aと中間部レンズ43bとの形状を異ならせることができる。
図9は、発光素子5から出射されてレンズアレイ7に入射される光の光路を示す図である。中間部発光素子5bから出射される光の光路44a,44b,44c,44dは、第2光透過層15を透過する代わりに中間部レンズ43bを透過すること以外は、図4に示す光路19a,19b,19c,19dと同じであるので、説明を省略する。
ここで、中間部発光部4bよりも占有領域の面積が小さい端部発光部4aに、中間部発光部4bに設けられる中間部レンズ43bと同じ形状である半球状レンズ45を設けたときの出射光の光路を、二点鎖線45b,45dで示す。中間部レンズ43bは、底面の半径がRa、突出高さがRaである。また本実施の形態の端部レンズ43aを設けたときの出射光の光路を46a,46b,46c,46dで示す。
端部発光素子5aからの光の一部は、光路46a,46b,46dに示すように、第1光透過層14および端部レンズ43aを透過して空気中に出射され、対応するロッドレンズ11aに入射する。また矢符46cで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、第1光透過層14の端部47において散乱され、対応するロッドレンズ11aに入射させることができない。
光路46bおよび46dに注目する。偏平率が1である半球状レンズ45に入射する光の光路と、偏平率が1よりも大きい端部レンズ43aに入射する光の光路とを比較すると、半球状レンズ45と端部レンズ43aとで、レンズから空気に入射するときの光の入射角が異なることによって、半球状レンズ45の集光特性よりも、偏平率が1よりも大きくなる端部レンズ43aの集光特性のほうが向上される。
図10は、発光素子5から出射された光がレンズ43から空気に入射するときの入射角を示す図である。光路46bに注目する。矢符46bで光路を示す端部発光素子5aからの出射光は、第1光透過層14および端部レンズ43aを透過して空気中に出射され、対応するロッドレンズ11aに入射する。端部レンズ43aの出射面形状がレンズアレイ7側に凸の曲面形状であり、偏平率が1より大きいので、光の出射位置における曲面の法線48が、半球状の中間部レンズ43bの出射面形状の出射位置の法線49よりも、基板3の素子配列面3aに対する傾斜角度が大きくなる。
これによって、端部レンズ43aから空気に入射する光の入射角θaが、中間部レンズ43bから空気に入射する光の入射角θbよりも大きくなるので、端部レンズ43aの集光特性が中間部レンズ43bの集光特性よりも高くなる。
以上のようにして、端部レンズ43aを、中間部レンズ43bよりも集光特性が高くなるようにレンズ43の出射面の形状を異ならせることによって、基板3に対する占有領域の面積が小さい端部レンズ43aの照射領域縮小特性を向上させることができ、レンズアレイ7に受光される光の受光光量を、端部発光素子5aと中間部発光素子5bとの間で均一化することができる。
このようなレンズの形状および大きさは、次のようにして決定される。前述のように、端部レンズ43aの頂点付近における曲率半径をRa、突出高さをRa2、中間部レンズ43bの頂点付近における曲率半径をRb、突出高さをRb2とするとき、下記式(1)が成立する。
k・Ra/Ra2=Rb/Rb2 …(1)
ただし、kは1より大きく5以下の数である。上記式を満足するように、端部レンズ43aおよび中間部レンズ43bを形成することによって、端部発光素子5aからロッドレンズ11aに入射する光の光量と、中間部発光素子5bからロッドレンズ11b入射する光の光量とを均一化することができる。式(1)におけるkが1以下であると、端部発光素子5aからロッドレンズ11aに入射する光の光量と、中間部発光素子5bからロッドレンズ11b入射する光の光量とを均一化することができるほど、端部レンズ43aの集光特性を中間部レンズ43bの集光特性に比べて向上させることができないおそれがある。式(1)におけるkが5を超えると、端部レンズ43aの半径Ra1が小さくなり、端部レンズ43a全体としての光照射領域縮小特性を向上させることができないおそれがある。
本実施の形態の発光素子アレイ41および光プリントヘッド42は、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。たとえば、本実施の形態では、発光素子5と、レンズ43との間に、1層の光透過層13が形成されるけれども、これに限定されない。たとえば、光透過層13を、複数の層によって構成してもよく、またレンズ43を発光素子5に対して直接形成し、光透過層13を設けない構成としてもよい。
光透過層13を形成することは、光透過層13の材料を適宜選択することによって、レンズ43を形成するための樹脂溶液と、光透過層13との濡れ性を向上させることができ、レンズ43と光透過層13との接着強度を大きくすることができる点において好ましい。
図11は、本発明の実施の第4形態である発光素子アレイ51を備える光プリントヘッド52の構成を示す部分断面図である。図11では、発光素子5から出射されて屈折率の異なるレンズ53,43bを透過する光の光路を示す。本実施の形態の光プリントヘッド52は、前述の第3実施形態の光プリントヘッド42に類似し、同一の構成である部分については同一の参照符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態の発光素子アレイ51は、基板3と、発光部4を有する発光素子5と、各発光素子5の発光部4を覆って設けられる第1光透過層14、端部レンズ53および中間部レンズ43b,43c,43d,…とを含んで構成される。本実施の形態の光プリントヘッド52は、複数の発光素子アレイ51と、レンズアレイ7とを含んで構成される。
本実施の形態では、端部レンズ53と中間部レンズ43bとで、屈折率の異なる材料を用いることによって、端部レンズ53の照射領域縮小特性を、中間部レンズ43bの照射領域縮小特性よりも高めることを特徴とする。
本実施の形態の端部レンズ53は、前述の実施の第3形態の端部レンズ43aと同じ形状および大きさで形成され、端部レンズ53を構成する材料の屈折率が、中間部レンズ43bを構成する材料の屈折率よりも高くなるように形成される。
このような端部レンズ53を透過する端部発光素子5aからの出射光は、端部レンズが中間部レンズ43bを構成する材料の屈折率と同じ屈折率の材料によって形成されたときの出射光の光路46b,46dよりもさらに、矢符54b,54dで示すように光路を対応するロッドレンズ11aの中心寄りに集光することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、端部レンズ53に用いる材料として、中間部レンズ43bに用いられる材料の屈折率よりも高い屈折率を有する材料を選択することによって、端部レンズ53の集光特性をさらに向上させ、発光素子5からの光を一定の面積を有する受光面内で受光する対応するロッドレンズ11での受光光量を、中間部発光素子5bから出射される光よりも、端部発光素子5aから出射される光について大きくすることができる。その結果、レンズアレイ7で受光される光の受光光量を、端部発光素子5aと中間部発光素子5bとの間で均一化することができる。このようなレンズの形状および大きさは、前述の第3実施形態と同様にして決定される。
図12は、本発明の実施の一形態の画像形成装置87の基本的構成を示す側面図である。画像形成装置87は、電子写真方式の画像形成装置であり、前述した発光素子アレイである発光装置60を備え、この発光装置60を、電子写真感光体である感光体ドラム90への露光装置に使用している。本実施の形態では、発光装置60は、前述の図1に示す発光素子アレイ1と、図2に示す駆動手段であるICドライバ10とを含んで構成される。また集光手段88として前述の図1に示すレンズアレイ7が用いられる。発光装置60および集光手段88は、前述の図1に示す光プリントヘッド2を構成する。
画像形成装置87は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のカラー画像を形成するタンデム方式を採用した装置であり、大略的に、4つの発光装置60Y,60M,60C,60K、集光手段88Y,88M,88C,88K、前記各色に対応する4つの発光装置60Y,60M,60C,60Kが実装された回路基板および集光手段88を保持する第1ホルダ89Y,89M,89C,89K、4つの感光体ドラム90Y,90M,90C,90K、4つの現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写手段である転写ベルト92、4つのクリーナ93Y,93M,93C,93K、4つの帯電器94Y,94M,94C,94K、定着手段95および制御手段96を含んで構成される。
各発光装置60は、ICドライバ10に各色のカラー画像情報が与えられて動作する。たとえば、4つの発光装置60の配列方向Xの長さは、たとえば200mm〜400mmに選ばれる。
各発光装置60の発光素子Tからの光は、集光手段88を介して各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに集光して照射される。集光手段88は、たとえば発光素子の光軸上にそれぞれ配置される複数のレンズを含み、これらのレンズを一体的に形成して構成される。
発光装置60が実装される駆動回路基板および集光手段88は、第1ホルダ89によって保持される。ホルダ89によって、発光素子Tの光照射方向と、集光手段88のレンズの光軸方向とがほぼ一致するようにして位置合わせされる。
各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、たとえば円筒状の基体表面に感光体層を被着して成り、その外周面には各発光装置60Y,10M,10C,10Kからの光を受けて静電潜像が形成される静電潜像形成位置が設定される。
各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの周辺部には、各静電潜像形成位置を基準として回転方向下流側に向かって順番に、露光された感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに現像剤を供給する現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写ベルト92、クリーナ93Y,93M,93C,93K、および帯電器94Y,94M,94C,94Kがそれぞれ配置される。感光体ドラム90に現像剤によって形成された画像を記録シートに転写する転写ベルト92は、4つの感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kに対して共通に設けられる。
前記感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、第2ホルダによって保持され、この第2ホルダと第1ホルダ89とは、相対的に固定される。各感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kの回転軸方向と、各発光装置60の前記配列方向Xとがほぼ一致するようにして位置合わせされる。
転写ベルト92によって、記録シートを搬送し、現像剤によって画像が形成された記録シートは、定着手段95に搬送される。定着手段95は、記録シートに転写された現像剤を定着させる。感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kは、回転駆動手段によって回転される。
制御手段96は、前述した第1および第2駆動用IC61,62ならびに選択駆動用IC63に画像情報を与えるとともに、感光体ドラム90Y,90M,90C,90Kを回転駆動する回転駆動手段、現像剤供給手段91Y,91M,91C,91K、転写手段92、帯電手段94Y,94M,94C,94Kおよび定着手段95の各部を制御する。
このような構成の画像形成装置87では、前述した発光素子アレイを備える光プリントヘッドを露光装置として用いるので、電子写真感光体に照射される光の照射光量にむらが発生することが防止される。これによって、他の部分と比較して電子写真感光体に対する照射光の光量が小さい部分に発生する白筋、および他の部分と比較して電子写真感光体に対する照射光の光量が大きい部分に発生する黒筋などの画像欠陥のない良好な画像を安定に形成することができる。