JP2004279468A - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の被走査面を光走査する光束に光偏向器を共通化して光偏向器の大型化を有効に軽減し、各偏向光束をミラーにより容易かつ確実に光路分離する。
【解決手段】複数の光源からのN本の光束を、これらに共通の光偏向器1により偏向し、M組(N≧M≧2)の走査光学系によりM面の被走査面3Y〜3K上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、M面の被走査面を光走査する光走査装置において、光偏向器1により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面20を配し、回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角を与える。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の光源からのN本の光束を、これらに共通の光偏向器1により偏向し、M組(N≧M≧2)の走査光学系によりM面の被走査面3Y〜3K上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、M面の被走査面を光走査する光走査装置において、光偏向器1により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面20を配し、回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角を与える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は光走査装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光源からの光束を光偏向器により偏向させ、偏向光束を走査光学系により被走査面上に導光して光スポットを形成して光走査を行う光走査装置は、デジタル式の複写装置や光プリンタ、光プロッタ、ファクシミリ装置等に関連して広く知られている。光走査により別個の画像を独立して書き込み形成し、これら画像を共通のシート状記録媒体上で合成することで「別個の画像を合成する画像形成」が可能である。
【0003】
このような画像形成の具体的な例は、たとえば、被走査面の実態をなす光導電性の感光体を4個用い、これら感光体にイエロー、マゼンタ、シアン、黒の成分画像に対応する静電潜像を形成し、これら静電潜像を対応する色のトナーで可視化し、得られる4色のトナー画像を転写紙上に重ね合わせて転写し、定着することによりカラー画像を形成するカラー画像形成装置として知られている。
【0004】
複数の被走査面を同時に光走査する光走査装置として「複数の被走査面を光走査する光束に対して光偏向器を共通化したもの」が知られている(特許文献1〜4等)。
【0005】
このように、複数の被走査面を光走査する光束に対して光偏向器を共通化すると、被走査面を光走査する光束ごとに光偏向器を個別に設ける場合に比して、光偏向器の数が減り、画像形成装置のコンパクト化・低コスト化が可能である。
【0006】
複数の被走査面を光走査する光束を、共通の光偏向器で偏向させる場合、偏向された各光束を、対応する被走査面へ導光するために、相互の光路を分離する必要がある。このような光路分離は一般に「ミラーによる光路の屈曲」で行われるが、ミラーのエッジ部は面精度が悪く、実際に光束を反射させる領域はミラーの外周より「数mm内側」に設定する必要がある。
【0007】
また、ミラーの取付誤差も考慮すると、各被走査面に向かう偏向光束相互の光路をミラーにより互いに分離するためには、ミラーを配置する位置において、隣接する偏向光束は副走査方向に5mm程度離れている必要がある。
【0008】
偏向光束相互の副走査方向の距離を大きくするには、光偏向器の偏向反射面を副走査方向に大きくし、偏向光束の偏向の起点が、偏向反射面上で副走査方向に十分に離れるようにすればよい。しかし、1例として、偏向光束数が4で、これらを副走査方向に5mm間隔で離す場合を考えて見ると、偏向反射面は副走査方向に17mm程度の寸法が必要になる。
【0009】
このように大きい光偏向器の使用は、光偏向器共通化による光走査装置のコンパクト化の効果を減殺するし、大きな光偏向器を高速回転すると空気抵抗が大きく、そのため消費電力や風切り音の増大も招来する。
【0010】
また、光偏向器を共通化する場合、偏向光束が最初に入射する走査光学系のレンズも、複数光束に共通化されることが多いが、上記のように複数の偏向光束相互を副走査方向に大きく離すと、上記複数の光束に共通化されたレンズも副走査方向に厚みが大きくなる。このような副走査方向に厚みの大きいレンズを、プラスチックレンズとして成型加工すると、成型時にレンズ内に歪みが生じやすく、レンズ製作の歩留まりが悪く、コスト増の一因となる。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−54263号公報
【特許文献2】
特開2001−4948号公報
【特許文献3】
特開2001−10107号公報
【特許文献4】
特開2001−33720号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述したところに鑑み、複数の被走査面を光走査する光束に光偏向器を共通化して、光偏向器の大型化を有効に軽減しつつ、各偏向光束をミラーにより容易かつ確実に光路分離できる光走査装置およびこの光走査装置を用いる画像形成装置の実現を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査装置は「複数の光源からのN本の光束を、これらに共通の光偏向器により偏向し、M組(N≧M≧2)の走査光学系によりM面の被走査面上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、M面の被走査面を光走査する光走査装置」であって以下の如き特徴を有する(請求項1)。
【0014】
即ち、光偏向器により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面が配され、この回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角が与えられる。
【0015】
上記の如く、N≧M≧2であるので、一番簡単な場合は、N=M=2である。
この場合、2面の被走査面はそれぞれシングルビーム方式で光走査される。光偏向器は2本の光束に共通化され、偏向光束は2組の走査光学系により対応する被走査面上に光スポットとして集光される。
【0016】
各光束は1以上のミラーにより光路を折り曲げられて対応する被走査面へ導光される。このとき、回折光学面が与える回折効果により、2本の光束には回折角が与えられる。回折光学面は、2本の光束が、進行方向へ向かうに連れて、副走査方向へ互いに離れるように、回折効果を設定される。このような回折効果により2本の偏向光束が進行方向へ向かって「互いに開く角」が、上述の「分離角」である。この分離角により光束相互が副走査方向に離れるので、各光束の光路を折り曲げるミラーの配置が容易になるのである。
【0017】
mを2以上の自然数をして、M=2、N=mMとすると、同時に光走査される被走査面数は2で、各被走査面はm個の光スポットによりマルチビーム走査方式で光走査されることになる。このように、この発明の光走査装置は、シングルビーム走査方式のものとしてもマルチビーム走査方式のものとしても実施可能である。M≧3の場合も、上記説明の場合と同様である。
【0018】
上の説明から理解されるように、この発明の光走査装置では、回折光学面の光学作用により光束間に分離角を与えるので、回折光学面に至るまで各光束相互は副走査方向に大きく離れている必要がない。従って、光偏向器の偏向反射面が副走査方向に長大化するのを有効に軽減できる。
【0019】
なお、光偏向器を複数の光束に共通化する場合、例えば4面の被走査面をシングルビーム方式で走査する場合に、4本の光束を光偏向器の共通の偏向反射面で偏向させ、すべての光束を光偏向器の片側で偏向させる「片側走査方式」と、光偏向器の異なる偏向反射面に4本の光束を2本づつ入射させ、光偏向器の両側で2本づつの光束を振り分けて偏向させる「振り分け走査方式」が知られているが、この発明の光走査装置は、これら何れの方式についても適用可能である。
【0020】
請求項1記載の光走査装置における回折光学面の1以上は「1以上の回折光学素子の面」として形成することができる(請求項2)。この場合において、回折光学素子は「回折角の異なる複数の回折格子領域を副走査方向に配列して有し、互いに異なる被走査面に向かう偏向光束間に、副走査方向の分離角を与える」構成とすることもできるし(請求項3)、「入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ」構成とすることもできる(請求項4)。
【0021】
上記請求項4記載の光走査装置は「入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ回折格子をM−1個有し、これらによりM面の被走査面へ向かう偏向光束間に副走査方向の分離角を与える」構成とすることができる(請求項5)。
【0022】
請求項2〜5の任意の1に記載の光走査装置における「回折光学素子」は、直線回折格子による光学素子であることもできるし(請求項6)、位相変調型の光学素子であることもできる(請求項7)。位相変調型の光学素子とする場合は、「回折光学素子の素子面の凹凸形状により位相変調を行う」ものとすることが好ましい(請求項8)。
【0023】
上記請求項2〜8の任意の1に記載の光走査装置において「回折光学素子を、素子面に直交する方向の軸の回りに回転調整可能とする」ことが好ましい(請求項9)。また、上記請求項2〜9の任意の1に記載の光走査装置において「回折光学素子を、素子面に交わる方向へ移動調整可能とする」ことが好ましい(請求項10)。
【0024】
請求項2〜10の任意の1に記載の光走査装置において「M組の走査光学系を2以上の走査レンズにより構成し、光偏向器側の1以上の走査レンズを2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化し、各被走査面に最も近い走査レンズを被走査面ごとに個別化し、2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化された走査レンズと、各被走査面ごとに個別化された走査レンズとの間に回折光学素子を配置する」構成とすることができる(請求項11)。
【0025】
上記請求項1記載の光走査装置において「M組の走査光学系を2以上の走査レンズにより構成し、光偏向器側の走査レンズを2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化し、各被走査面に最も近い走査レンズを被走査面ごとに個別化し、光偏向器に最も近い走査レンズの副走査方向の屈折力を実質的に0とし、回折光学面をこの走査レンズの何れかのレンズ面に形成する」ことができ(請求項12)、この場合、レンズ面に形成された回折光学面が「回折角の異なる2以上の回折格子領域を有する」ことができる(請求項13)。
【0026】
この発明の画像形成装置は「複数の光源からのN本の光束により、1以上の光導電性の感光体に光走査を行ってM個の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体上に重ね合わせて転写し定着して画像形成する画像形成装置」であって、1以上の光導電性の感光体に光走査を行う光走査装置として請求項1〜13の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする。
【0027】
即ち、この発明の画像形成装置では、複数の静電潜像が形成されるが、これら静電潜像は、互いに異なる感光体に形成できることは勿論、同一の感光体における異なる感光面位置に形成することもできる。
【0028】
「シート状記録媒体」は、転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート(OHPシート)等である。
【0029】
請求項14記載の画像形成装置は「光導電性の感光体を3個もしくは4個有し、各感光体に形成される静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色のトナーもしくはこれらに黒色トナーを加えた4色のトナーで別個に可視化し、得られる色違いのトナー画像をシート状記録媒体に転写し定着してカラー画像を得る」構成とすることができる(請求項15)。
【0030】
トナー画像をシート状記録媒体に転写する方法としては、感光体上からシート状記録媒体に直接転写する直接転写方式で行っても良いし、感光体上のトナー画像を中間転写ベルト等の中間転写媒体を介してシート状記録媒体に転写する中間転写方式で行っても良い。請求項14、15に記載の画像形成装置は、デジタル複写機や光プリンタ、光プロッタ、光ファクシミリ等として実施できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を説明する。
図1は、画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。この画像形成装置はカラー画像形成装置である。図1(a)において、光走査装置の部分に関しては、光偏向器であるポリゴンミラー1から各被走査面の実態を成す光導電性の感光体3Y、3M、3C、3Kに至る光路上の光学配置を示している。
【0032】
複数の光源からポリゴンミラー1に至る光学配置は図示されていないが、この部分については周知であるので、以下に簡単に記するに止める。
光源の数は4であり、これら4個の光源は「半導体レーザ」である。各光源は対応する感光体を光走査するための光束を、互いに副走査方向にずらして互いに平行に放射する。
【0033】
具体例を挙げると、4個の半導体レーザは、その発光部が副走査方向に1.5mm間隔で配列している。各光源の発光波長は780nmである。
【0034】
各光源から放射された4本の光束は、共通のカップリングレンズによりそれぞれ平行光束(弱い集束もしくは発散光束でも良い)に変換される。カップリングレンズから射出した光束は、被走査面上で所望のビームスポット径を得るための開口絞りを通過してビーム整形されたのち、線像結像光学素子(例えばシリンドリカルレンズ)を通過し、ポリゴンミラー1の偏向反射面位置に互いに副走査方向に分離した「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0035】
上記カップリングレンズと線像結像光学素子とは「副走査方向に関して等倍の結像機能」を有し、このため、4本の光束が偏向反射面位置に形成する線像は、副走査方向に1.5mm間隔で並ぶ。また、偏向反射面への入射はポリゴンミラー1の回転軸に直交し、互いに平行である。
【0036】
図1(a)を参照する。ポリゴンミラー1が等速回転すると、偏向反射面で反射された4本の光束(主走査方向には平行で、副走査方向には発散性である。)は「副走査方向には互いに平行」で、主光線が1.5mm間隔で並ぶ偏向光束となって等角速度的に偏向しつつ走査レンズ2に入射する。
【0037】
走査レンズ2は4本の偏向光束に共通化されている。走査レンズ2はまた、副走査方向に実質的な屈折力を持たず、主走査方向には正の屈折力を持ち、主として各光束の等速特性(fθ特性)を補正する機能を持つ。
【0038】
走査レンズ2が副走査方向に屈折力を持たないので、4本の偏向光束は副走査方向に光学作用を受けることなく走査レンズ2を透過し、相変わらず「副走査方向には互いに平行な状態」で回折光学素子20に入射する。
【0039】
回折光学素子20については後述するが、回折光学素子20は、4本の偏向光束の個々に対して異なる回折角を与える。このため、図示のように、回折光学素子20を透過した光束のうちの2本は「副走査方向上向き」に回折偏向され、他の2本は「副走査方向下向き」に回折偏向される。
【0040】
上向きに回折偏向された光束の片方は光路分利用のミラー4K1により反射され、走査レンズ5Kを透過し、ミラー4K2により反射されて感光体3Kに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。上向きに回折偏向された光束の他方は光路分利用のミラー4C1により反射され、走査レンズ5Cを透過し、ミラー4C2により反射されて感光体3Cに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。
【0041】
下向きに回折偏向された光束の片方は光路分利用のミラー4M1により反射され、走査レンズ5Mを透過し、ミラー4M2により反射されて感光体3Mに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。下向きに回折偏向された光束の他方は光路分利用のミラー4Y1により反射され、走査レンズ5Yを透過し、ミラー4Y2により反射されて感光体3Yに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。
【0042】
上記の如く、走査レンズ2は走査レンズ5Y〜5Kの個々との組合わさって、感光体3Y〜3Kに対応する「走査光学系」を構成する。換言すれば、走査レンズ2と5Y〜5Kは4組の走査光学系を構成し、これら4組の走査光学系において走査レンズ2が共通化されている。
【0043】
走査レンズ2が副走査方向に実質的に屈折力を持たないので、走査レンズ5Y〜5Kは何れも副走査方向に「強い正の屈折力」を持ち、各偏向光束を対応する感光体に副走査方向に集光させるとともに、走査レンズ2による等速性補正を補助する機能を持つ。
【0044】
感光体3Y〜3Kの周囲には、チャージャ6Y〜6K、現像装置7Y〜7K、転写チャージャ8Y〜8K、クリーニング装置9Y〜9Kが、感光体を囲繞するように配置されている。
【0045】
感光体3Y〜3Kの下部には、無端ベルト状の搬送ベルト17が張架されて、その上側表面が各感光体に接している。転写チャージャ8Y〜8Kは、搬送ベルト17を介して対応する感光体に対向している。
【0046】
画像形成が行われるとき、各感光体3Y〜3Kは夫々時計回りに等速回転し、その表面をチャージャ6Y〜6Kにより均一帯電され、チャージャと現像装置との間で光走査により画像を書きこまれ、静電潜像(ネガ線像)を形成される。
【0047】
このように形成された静電潜像は現像装置7Y〜7Kにより反転現像されて可視化される。感光体3Y上の静電潜像はイエロートナーにより現像されてイエロートナー画像となる。感光体3M上の静電潜像はマゼンタトナーにより現像されてマゼンタトナー画像となる。感光体3C上の静電潜像はシアントナーにより現像されてシアントナー画像となる。感光体3K上の静電潜像は黒トナーにより現像されて黒トナー画像となる。
【0048】
「シート状記録媒体」である転写紙Sは搬送ベルト17の下位に設けられたカセット15から給紙され、レジストローラ10により転写のタイミングを計って搬送ベルト17上に乗せ掛けられる。このときチャージャ11が放電して、転写紙Sを搬送ベルト17に静電吸着させる。
【0049】
搬送ベルト17は反時計回りに回転し、静電吸着された転写紙Sを搬送する。搬送される転写紙Sは、転写チャージャ8Yによりイエロートナー画像を感光体3Yから転写され、以下、転写チャージャ8Mによりマゼンタトナー画像を感光体3Mから、転写チャージャ8Cによりシアントナー画像を感光体3Cから、転写チャージャ8Kにより黒トナー画像を感光体3Kから順次転写される。
このようにして、転写紙S上にイエロートナー画像〜黒トナー画像が重なり合って転写されカラー画像が形成される。カラー画像を担持した転写紙Sは、分離チャージャ12の作用で搬送ベルト17から分離し、定着装置16によりカラー画像を定着されて装置外へ排出される。
【0050】
転写紙Sが分離された後の搬送ベルト17は除電器13で除電され、クリーナ14によりクリーニングされる。トナー画像転写後の各感光体もクリーニング装置9Y〜9Kによりクリーニングされる。
【0051】
以上は、フルカラー画像形成モードの説明であるが、静電潜像を形成する感光体の組合わせにより任意に、単色画像や2色画像、多色画像を形成できることは言うまでもない。
【0052】
ここで、光束分離について見ると、前述したように、光路分離用のミラー4Y1〜4K1には、副走査方向の幅として5mm程度必要である。
すると、例えば、感光体3Yへ向かう偏向光束と、感光体3Mへ向かう光束を分離するミラー4Y1が配置される位置においては、両光束が副走査方向に5mm離れていればよい。
【0053】
回折光学素子20によりこれら両光束間に与えられた分離角をθとすると、回折光学素子20からミラー4Y1が配置される位置までの距離が図の如く34mmであるとすると、大略「34θ≧5mm」であればよく、この場合の分離角:θは略8度であればよい。
【0054】
ミラー4M1、4C1が配置される位置は、ミラー4Y1の位置に比して回折光学素子20から離れているので、これらのミラーで分離される2光束間の分離角は、上記θよりも更に小さくてよいことになる。
【0055】
回折光学素子20につき説明すると、回折光学素子20には「4本の偏向光束の個々に対応した回折格子領域」が設けられ、各回折格子領域は共に「副走査方向に並んだ等間隔の直線の格子」で領域ごとに格子間隔が異なっている。
【0056】
各格子は副走査方向に並んでいるので、透過光束を副走査方向に回折偏向させることが出来、各々格子間隔の差異により回折偏向角を光束ごとに異ならせる。
【0057】
上記格子を曲線格子にしたり、パワーを待たせたりして収差補正等の機能を持たせることも可能である。その場合には、光束が回折光学を透過する位置によって光束の回折角が異なるため、回折光学素子の配置を高精度に合わせ込む必要がある。
【0058】
回折光学素子20として「透過率が周期的に変化している振幅変調型」と「位相付加量が変化している位相変調型」とが使用可能であるが、位相変調型は光量ロスのない点で好ましい。
【0059】
位相変調型の回折光学素子には「周期的に屈折率を変化させる方式」と「表面に凹凸を持ち凹凸の高さを変化させる方式」とがあるが、後者の「凹凸の高さを変化させる方式」の回折格子は、1度金型を作ってしまえばレプリカの大量生産が可能である点で好ましい。
【0060】
図1(b)は、回折光学素子20を説明するための図である。(b−1)は、図1(a)における左方から見た部分図であり、(b−2)は、図面に直交する方向から見た部分拡大断面図である。
【0061】
(b−1)に示すように、回折光学素子20は、透明平行平板の出射側面に各々格子間隔の異なる回折格子領域:A、B、C、Dが形成され、ポリゴンミラー1により偏向された4本の偏向光束はこれら回折格子領域:A〜Dを個別的に透過する。
【0062】
回折格子領域:A〜Dの個々は、これを拡大して断面図として示すと、(b−2)に示すように、回折光学面は斜面による凹凸で構成され、格子ピッチ:P内で凹凸の高さが0〜Hに直線的に変化している。斜面の向きは、領域:A、Bでは(b−2)に示す如く下向き(このため領域:A、Bを透過する偏向光束は図(a)で上向きに回折偏向される。)であり、領域:C、Dでは上向き(このため領域:C、Dを透過する偏向光束は図(a)で下向きに回折偏向される。)である。
【0063】
図1に示す実施の形態の具体例では、回折光学素子20の材料は、屈折率:1.52の樹脂であり、各回折格子領域の格子高さ:Hは何れも1.49μm、格子ピッチ:Pは以下の如くである。
【0064】
回折光学素子20にポリゴンミラー1側から入射する各光束は副走査方向に間隔:1.5mmで離れており、ポリゴンミラー1と走査レンズ2の厚みは、6mm程度に押さえられているが、分離用のミラー4Y1、4M1、4C1、4K1の反射位置では隣接光束間の副走査方向の距離が約5mmとなり、これらのミラーの配置が容易であり、各偏向光束の光路を確実に分離できる。
【0065】
図1の形態では、4つの感光体3Y〜3Kに対応して、回折光学素子20に4つの回折格子領域:A〜Dを設けているが、回折格子領域の数を減らし、偏向光束の一部(例えば感光体3Kを光走査する光束)はミラーのみで光路分離を行うようにすることもできる。
【0066】
図2に、画像形成装置の実施の別形態を示す。繁雑をさけるため、混同の虞がないと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
【0067】
この画像形成装置もタンデム式のカラー画像形成装置であり、複数の光源は4個の半導体レーザであり、各光源からポリゴンミラー1を介して走査レンズ2までの光学的構成は図1の実施の形態のものと同じである。また、各感光体3Y〜3Kにトナー画像を形成して転写紙Sに転写・定着するプロセスも図1の画像形成装置と同様である。
【0068】
この実施の形態においては、走査レンズ2と4枚の光路分離用のミラー4Y1、4M1、4C1、4K1との間に、3枚の回折光学素子21Y、21M、21Cが配置されている。
【0069】
これら回折光学素子21Y〜21Cは、回折光学素子は「格子ピッチの一定な回折格子領域」と「格子のない領域」の2つの領域を有している。
【0070】
図2(b)は、回折光学素子21Yを図1(b)にならって示している。回折光学素子21Yでは、感光体3Yを光走査する偏向光束に対してのみ回折作用を及ぼすように、感光体3Yを光走査する偏向光束が透過する領域:Eのみが「格子ピッチの一定な回折格子領域(図(b−2)に示すように、回折光学面は、高さ:Hの上向き斜面を持つ凹凸面が格子ピッチ:Pで形成された直線光学格子領域である。)」を有し、他の領域:Fは「素通し」になっている。
【0071】
他の回折光学素子21M、21Cも同様に、回折偏向させるべき偏向光束に対応する部分にのみ「格子ピッチの一定な回折格子領域」が形成され、他の領域は「素通し」になっている。
【0072】
回折光学素子21Y〜21Cの材料の屈折率は1.52で、各回折格子領域に形成された回折格子面は何れも、格子高さ:H=1.49μm、格子ピッチ:P=5.3μmである。従って、回折光学素子21Y〜21Cにおける回折偏向角は互いに等しく、分離すべき隣接光束に対する分離角も互いに等しい。
【0073】
このような回折光学素子21Y〜21Cを、図2(a)に示す位置関係に配置すると、光路分離用の各ミラー4Y1、4M1、4C1、4K1の配置位置では、光路分離すべき光束と隣接光束との間を5mm程度にすることができ、ミラー4Y1、4M1、4C1、4K1の配置が容易である。
【0074】
上記光学格子領域に形成された光学格子を「格子間隔を主走査方向の位置によって変え、収差補正等の機能を持たせる」ことも可能である。その場合には、光束が回折格子に入射する位置によって光束の回折偏向角が異なるため、回折光学素子の配置を高精度に合わせ込む必要がある。
【0075】
回折光学素子21Y〜21Cの各回折格子は、上記例のように、光量ロスのない位相変調型が好ましく、レプリカによる大量生産に適した「凹凸の高さを変化させる方式の位相変調型の回折格子」が好ましい。
【0076】
図2の実施の形態のように、偏向光束の回折偏向を個別の回折光学素子21Y〜21Cで行うようにすると、感光体3Y〜3Kにおける走査線(偏向光束による光スポットの移動軌跡)の副走査方向の位置調整や、走査線曲がりの補正が可能になる。
【0077】
図1や図2に示した「タンデム式のカラー画像形成装置」でカラー画像形成を行う場合、各感光体に形成されるトナー画像が、転写紙上で「ずれなく重ね合わせられる」ことが重要であり、トナー画像同士の位置関係が十分でないと「色ずれ」等の画像劣化が生じる。
【0078】
回折光学素子は格子配列方向に光束を曲げる性質がある。従って、回折光学素子21Y〜21Cを個別的に格子面に直交する軸の回りに回転調整可能とすることにより、対応する感光体上における走査線の傾きを調整出来、各色トナー画像を書込む走査線の傾き揃えることが出来る。
【0079】
また、図3に示すように、例えば、回折光学素子21Yを、回折光学面に直交する方向へ変位可能とすると、回折格子による「副走査方向への回折偏向」の起点が変化し、感光体3Yに導光される光束の光路は、例えば実線の状態から破線の状態に変わり、走査線の位置が副走査方向へずれる。従って、この変位を利用して、各感光体上における走査線の位置を副走査方向に位置調整することができ、各色トナー画像の重ね合わせにおけるレジスト位置を揃えることが出来る。
【0080】
図2の実施の形態では、回折光学素子以後に走査レンズ5Y、5M、5Cがある。従って、回折光学素子21Y〜21Cを、上記の如く回転または移動調整して、走査線の曲がりや副走査方向位置を調整すると、偏向光束が走査レンズ5Y〜5Cに入射する位置が変化して像性能の劣化が生じる可能性もあり、このような像性能劣化を無視出来ない場合には、走査レンズ5Y、5M、5Cの姿勢も調整して像性能劣化を補正するようにすればよい。
【0081】
図4に画像形成装置の実施の他の形態を示す。繁雑をさけるため、混同の虞がないと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
【0082】
この画像形成装置もタンデム式のカラー画像形成装置であり、複数の光源は4個の半導体レーザであり、各光源からポリゴンミラー1を介して走査レンズ2A(副走査方向の屈折力が実質的に0で、4本の偏向光束に共通化されている。)に至るまでの光学的構成は図1に示す実施の形態のものと同じである。各感光体3Y〜3Kにトナー画像を形成して転写紙Sに転写・定着するプロセスも図1の画像形成装置と同様である。
【0083】
この実施の形態においては、走査レンズ2Aの射出面に「回折光学面」が形成されている。図4(b)に回折光学面を図1(b)に倣って示す。(b−1)は走査レンズの光軸方向から見た図であり、(b−2)は回折光学面の一部の副走査方向の拡大断面図である。
【0084】
走査レンズ2Aの射出面に形成された回折光学面は、各々格子間隔の異なる回折格子領域:A1、B1、C1、D1が副走査方向に配列されたものである。 これら回折格子領域は感光体3Y〜3Kを光走査する偏向光束と1:1に対応し、対応する偏向光束を副走査方向に回折偏向させる。また、各々格子ピッチが異なるので、光束の回折偏向角を異ならせることが出来る。
【0085】
各回折格子は(b−2)に示すように「斜面を持つ凹凸」による位相変調型の回折格子である。
【0086】
この形態でも4つの感光体4Y〜4Kに対対応させて4つの回折格子領域:A1〜D1を形成しているが、回折格子領域の数を減らし、一部の光束はミラーのみによる光路分離を行うようにしても良い。
【0087】
走査レンズ2Aの回折光学面を形成された面のレンズ面形状が曲面である場合、偏向光束が回折格子に入射する光軸方向の位置が偏向角によって異なり、走査線の曲がりが発生する。これを抑止する方法としては回折格子の格子間隔を偏向角によって変えて光束の出射方向を調節する方法や、走査レンズ5Y、5M、5C、5Kの配置姿勢を調整する方法が考えられる。
上に説明した実施の各形態は、各感光体を複数の光束で光走査するマルチビーム走査方式とすることができる。
【0088】
上に説明した実施の各形態の光走査装置は、複数の光源からのN(=4)本の光束を、これらに共通の光偏向器1により偏向し、M(=4)組の走査光学系2(2A)、5Y〜5KによりM(=4)面の被走査面3Y〜3K上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、M面の被走査面を光走査する光走査装置において、光偏向器1により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面20、21Y〜21C(走査レンズ2Aの射出側面)を配し、回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角を与えるもの(請求項1)である。
【0089】
また、図1、図2の実施の形態における光走査装置において、回折光学面の1以上が、1以上の回折光学素子20、21Y〜21Cの面として形成され(請求項2)、回折光学素子20は、回折角の異なる複数の回折格子領域:A〜Dを副走査方向に配列して有し、互いに異なる被走査面に向かう偏向光束間に、副走査方向の分離角を与える(請求項3)。
【0090】
図2の実施の形態における回折光学素子21Y〜21Cは、入射する光束を回折させる領域(例えば、回折格子領域:E)と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域:Fとを持ち(請求項4)、図2の実施の形態の光走査装置は、入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ回折格子をM−1(=3)個有し、これらによりM(=4)面の被走査面へ向かう偏向光束間に副走査方向の分離角を与える(請求項5)。
【0091】
図1、図2の実施の形態において、回折光学素子20、21Y〜21Cは直線回折格子による光学素子であり(請求項6)、位相変調型の光学素子で(請求項7)、回折光学素子の素子面の凹凸形状により位相変調を行うものである(請求項8)。図2の実施の形態における回折光学素子21Y等は、これを素子面に直交する方向の軸の回りに回転調整可能とし(請求項9)、あるいは、素子面に交わる方向へ移動調整可能とすることができる(請求項10)。
【0092】
図1、図2の実施の形態の光走査装置はまた、M(=4)組の走査光学系が2以上の走査レンズ2、5Y〜5Kにより構成され、光偏向器1側の1以上の走査レンズ2が2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化され、各被走査面に最も近い走査レンズ5Y〜5Kは被走査面ごとに個別化され、2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化された走査レンズ2と、各被走査面ごとに個別化された走査レンズ5Y〜5Kとの間に、回折光学素子20、21Y等が配置される(請求項11)。
【0093】
図4に示した実施の形態の光走査装置は、M(=4)組の走査光学系が2以上の走査レンズ2A、5Y〜5Kにより構成され、光偏向器1側の走査レンズ2Aが2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化され、各被走査面に最も近い走査レンズ5Y〜5Kは被走査面ごとに個別化され、光偏向器1に最も近い走査レンズ2Aは、副走査方向の屈折力が実質的に0であり、回折光学面を射出側のレンズ面に形成されている(請求項12)。
【0094】
また、走査レンズ2Aのレンズ面に形成された回折光学面は、回折角の異なる2以上の回折格子領域:A1〜D1を有する(請求項13)。
【0095】
図1、2、4に実施の形態を示した画像形成装置は、複数の光源からのN(=4)本の光束により、1以上の光導電性の感光体3Y〜3Kに光走査を行ってM(=4)個の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体S上に重ね合わせて転写し定着して画像形成する画像形成装置において、1以上の光導電性の感光体に光走査を行う光走査装置として請求項1〜13の任意の1に記載の光走査装置を用い得るものであり(請求項14)、光導電性の感光体3Y〜3Kを4個有し、各感光体に形成される静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、黒色の4色のトナーで別個に可視化し、得られる色違いのトナー画像をシート状記録媒体Sに転写定着してカラー画像を得る画像形成装置(請求項15)である。
【0096】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、この発明によれば、新規な光走査装置および画像形成装置を実現できる。この発明の光走査装置は、光偏向器の大型化を有効に抑制しつつ、偏向光束の分離を容易かつ確実に行うことができ、風切り音の増大や低消費電力の増大を有効に抑制しつつコンパクトに実現できる。従って、この光走査装置を用いる画像形成装置は、低騒音・低消費エネルギで、コンパクトである。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】画像形成装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図3】回折光学素子の変位による走査線位置の調整を説明するための図である。
【図4】画像形成装置の実施の他の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光偏向器としてのポリゴンミラー
2 走査レンズ
20 回折光学素子
4Y1〜4K1 光路分離用のミラー
3Y〜3K 感光体
【発明の属する技術分野】
この発明は光走査装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光源からの光束を光偏向器により偏向させ、偏向光束を走査光学系により被走査面上に導光して光スポットを形成して光走査を行う光走査装置は、デジタル式の複写装置や光プリンタ、光プロッタ、ファクシミリ装置等に関連して広く知られている。光走査により別個の画像を独立して書き込み形成し、これら画像を共通のシート状記録媒体上で合成することで「別個の画像を合成する画像形成」が可能である。
【0003】
このような画像形成の具体的な例は、たとえば、被走査面の実態をなす光導電性の感光体を4個用い、これら感光体にイエロー、マゼンタ、シアン、黒の成分画像に対応する静電潜像を形成し、これら静電潜像を対応する色のトナーで可視化し、得られる4色のトナー画像を転写紙上に重ね合わせて転写し、定着することによりカラー画像を形成するカラー画像形成装置として知られている。
【0004】
複数の被走査面を同時に光走査する光走査装置として「複数の被走査面を光走査する光束に対して光偏向器を共通化したもの」が知られている(特許文献1〜4等)。
【0005】
このように、複数の被走査面を光走査する光束に対して光偏向器を共通化すると、被走査面を光走査する光束ごとに光偏向器を個別に設ける場合に比して、光偏向器の数が減り、画像形成装置のコンパクト化・低コスト化が可能である。
【0006】
複数の被走査面を光走査する光束を、共通の光偏向器で偏向させる場合、偏向された各光束を、対応する被走査面へ導光するために、相互の光路を分離する必要がある。このような光路分離は一般に「ミラーによる光路の屈曲」で行われるが、ミラーのエッジ部は面精度が悪く、実際に光束を反射させる領域はミラーの外周より「数mm内側」に設定する必要がある。
【0007】
また、ミラーの取付誤差も考慮すると、各被走査面に向かう偏向光束相互の光路をミラーにより互いに分離するためには、ミラーを配置する位置において、隣接する偏向光束は副走査方向に5mm程度離れている必要がある。
【0008】
偏向光束相互の副走査方向の距離を大きくするには、光偏向器の偏向反射面を副走査方向に大きくし、偏向光束の偏向の起点が、偏向反射面上で副走査方向に十分に離れるようにすればよい。しかし、1例として、偏向光束数が4で、これらを副走査方向に5mm間隔で離す場合を考えて見ると、偏向反射面は副走査方向に17mm程度の寸法が必要になる。
【0009】
このように大きい光偏向器の使用は、光偏向器共通化による光走査装置のコンパクト化の効果を減殺するし、大きな光偏向器を高速回転すると空気抵抗が大きく、そのため消費電力や風切り音の増大も招来する。
【0010】
また、光偏向器を共通化する場合、偏向光束が最初に入射する走査光学系のレンズも、複数光束に共通化されることが多いが、上記のように複数の偏向光束相互を副走査方向に大きく離すと、上記複数の光束に共通化されたレンズも副走査方向に厚みが大きくなる。このような副走査方向に厚みの大きいレンズを、プラスチックレンズとして成型加工すると、成型時にレンズ内に歪みが生じやすく、レンズ製作の歩留まりが悪く、コスト増の一因となる。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−54263号公報
【特許文献2】
特開2001−4948号公報
【特許文献3】
特開2001−10107号公報
【特許文献4】
特開2001−33720号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述したところに鑑み、複数の被走査面を光走査する光束に光偏向器を共通化して、光偏向器の大型化を有効に軽減しつつ、各偏向光束をミラーにより容易かつ確実に光路分離できる光走査装置およびこの光走査装置を用いる画像形成装置の実現を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の光走査装置は「複数の光源からのN本の光束を、これらに共通の光偏向器により偏向し、M組(N≧M≧2)の走査光学系によりM面の被走査面上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、M面の被走査面を光走査する光走査装置」であって以下の如き特徴を有する(請求項1)。
【0014】
即ち、光偏向器により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面が配され、この回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角が与えられる。
【0015】
上記の如く、N≧M≧2であるので、一番簡単な場合は、N=M=2である。
この場合、2面の被走査面はそれぞれシングルビーム方式で光走査される。光偏向器は2本の光束に共通化され、偏向光束は2組の走査光学系により対応する被走査面上に光スポットとして集光される。
【0016】
各光束は1以上のミラーにより光路を折り曲げられて対応する被走査面へ導光される。このとき、回折光学面が与える回折効果により、2本の光束には回折角が与えられる。回折光学面は、2本の光束が、進行方向へ向かうに連れて、副走査方向へ互いに離れるように、回折効果を設定される。このような回折効果により2本の偏向光束が進行方向へ向かって「互いに開く角」が、上述の「分離角」である。この分離角により光束相互が副走査方向に離れるので、各光束の光路を折り曲げるミラーの配置が容易になるのである。
【0017】
mを2以上の自然数をして、M=2、N=mMとすると、同時に光走査される被走査面数は2で、各被走査面はm個の光スポットによりマルチビーム走査方式で光走査されることになる。このように、この発明の光走査装置は、シングルビーム走査方式のものとしてもマルチビーム走査方式のものとしても実施可能である。M≧3の場合も、上記説明の場合と同様である。
【0018】
上の説明から理解されるように、この発明の光走査装置では、回折光学面の光学作用により光束間に分離角を与えるので、回折光学面に至るまで各光束相互は副走査方向に大きく離れている必要がない。従って、光偏向器の偏向反射面が副走査方向に長大化するのを有効に軽減できる。
【0019】
なお、光偏向器を複数の光束に共通化する場合、例えば4面の被走査面をシングルビーム方式で走査する場合に、4本の光束を光偏向器の共通の偏向反射面で偏向させ、すべての光束を光偏向器の片側で偏向させる「片側走査方式」と、光偏向器の異なる偏向反射面に4本の光束を2本づつ入射させ、光偏向器の両側で2本づつの光束を振り分けて偏向させる「振り分け走査方式」が知られているが、この発明の光走査装置は、これら何れの方式についても適用可能である。
【0020】
請求項1記載の光走査装置における回折光学面の1以上は「1以上の回折光学素子の面」として形成することができる(請求項2)。この場合において、回折光学素子は「回折角の異なる複数の回折格子領域を副走査方向に配列して有し、互いに異なる被走査面に向かう偏向光束間に、副走査方向の分離角を与える」構成とすることもできるし(請求項3)、「入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ」構成とすることもできる(請求項4)。
【0021】
上記請求項4記載の光走査装置は「入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ回折格子をM−1個有し、これらによりM面の被走査面へ向かう偏向光束間に副走査方向の分離角を与える」構成とすることができる(請求項5)。
【0022】
請求項2〜5の任意の1に記載の光走査装置における「回折光学素子」は、直線回折格子による光学素子であることもできるし(請求項6)、位相変調型の光学素子であることもできる(請求項7)。位相変調型の光学素子とする場合は、「回折光学素子の素子面の凹凸形状により位相変調を行う」ものとすることが好ましい(請求項8)。
【0023】
上記請求項2〜8の任意の1に記載の光走査装置において「回折光学素子を、素子面に直交する方向の軸の回りに回転調整可能とする」ことが好ましい(請求項9)。また、上記請求項2〜9の任意の1に記載の光走査装置において「回折光学素子を、素子面に交わる方向へ移動調整可能とする」ことが好ましい(請求項10)。
【0024】
請求項2〜10の任意の1に記載の光走査装置において「M組の走査光学系を2以上の走査レンズにより構成し、光偏向器側の1以上の走査レンズを2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化し、各被走査面に最も近い走査レンズを被走査面ごとに個別化し、2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化された走査レンズと、各被走査面ごとに個別化された走査レンズとの間に回折光学素子を配置する」構成とすることができる(請求項11)。
【0025】
上記請求項1記載の光走査装置において「M組の走査光学系を2以上の走査レンズにより構成し、光偏向器側の走査レンズを2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化し、各被走査面に最も近い走査レンズを被走査面ごとに個別化し、光偏向器に最も近い走査レンズの副走査方向の屈折力を実質的に0とし、回折光学面をこの走査レンズの何れかのレンズ面に形成する」ことができ(請求項12)、この場合、レンズ面に形成された回折光学面が「回折角の異なる2以上の回折格子領域を有する」ことができる(請求項13)。
【0026】
この発明の画像形成装置は「複数の光源からのN本の光束により、1以上の光導電性の感光体に光走査を行ってM個の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体上に重ね合わせて転写し定着して画像形成する画像形成装置」であって、1以上の光導電性の感光体に光走査を行う光走査装置として請求項1〜13の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする。
【0027】
即ち、この発明の画像形成装置では、複数の静電潜像が形成されるが、これら静電潜像は、互いに異なる感光体に形成できることは勿論、同一の感光体における異なる感光面位置に形成することもできる。
【0028】
「シート状記録媒体」は、転写紙やオーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート(OHPシート)等である。
【0029】
請求項14記載の画像形成装置は「光導電性の感光体を3個もしくは4個有し、各感光体に形成される静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色のトナーもしくはこれらに黒色トナーを加えた4色のトナーで別個に可視化し、得られる色違いのトナー画像をシート状記録媒体に転写し定着してカラー画像を得る」構成とすることができる(請求項15)。
【0030】
トナー画像をシート状記録媒体に転写する方法としては、感光体上からシート状記録媒体に直接転写する直接転写方式で行っても良いし、感光体上のトナー画像を中間転写ベルト等の中間転写媒体を介してシート状記録媒体に転写する中間転写方式で行っても良い。請求項14、15に記載の画像形成装置は、デジタル複写機や光プリンタ、光プロッタ、光ファクシミリ等として実施できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を説明する。
図1は、画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。この画像形成装置はカラー画像形成装置である。図1(a)において、光走査装置の部分に関しては、光偏向器であるポリゴンミラー1から各被走査面の実態を成す光導電性の感光体3Y、3M、3C、3Kに至る光路上の光学配置を示している。
【0032】
複数の光源からポリゴンミラー1に至る光学配置は図示されていないが、この部分については周知であるので、以下に簡単に記するに止める。
光源の数は4であり、これら4個の光源は「半導体レーザ」である。各光源は対応する感光体を光走査するための光束を、互いに副走査方向にずらして互いに平行に放射する。
【0033】
具体例を挙げると、4個の半導体レーザは、その発光部が副走査方向に1.5mm間隔で配列している。各光源の発光波長は780nmである。
【0034】
各光源から放射された4本の光束は、共通のカップリングレンズによりそれぞれ平行光束(弱い集束もしくは発散光束でも良い)に変換される。カップリングレンズから射出した光束は、被走査面上で所望のビームスポット径を得るための開口絞りを通過してビーム整形されたのち、線像結像光学素子(例えばシリンドリカルレンズ)を通過し、ポリゴンミラー1の偏向反射面位置に互いに副走査方向に分離した「主走査方向に長い線像」として結像する。
【0035】
上記カップリングレンズと線像結像光学素子とは「副走査方向に関して等倍の結像機能」を有し、このため、4本の光束が偏向反射面位置に形成する線像は、副走査方向に1.5mm間隔で並ぶ。また、偏向反射面への入射はポリゴンミラー1の回転軸に直交し、互いに平行である。
【0036】
図1(a)を参照する。ポリゴンミラー1が等速回転すると、偏向反射面で反射された4本の光束(主走査方向には平行で、副走査方向には発散性である。)は「副走査方向には互いに平行」で、主光線が1.5mm間隔で並ぶ偏向光束となって等角速度的に偏向しつつ走査レンズ2に入射する。
【0037】
走査レンズ2は4本の偏向光束に共通化されている。走査レンズ2はまた、副走査方向に実質的な屈折力を持たず、主走査方向には正の屈折力を持ち、主として各光束の等速特性(fθ特性)を補正する機能を持つ。
【0038】
走査レンズ2が副走査方向に屈折力を持たないので、4本の偏向光束は副走査方向に光学作用を受けることなく走査レンズ2を透過し、相変わらず「副走査方向には互いに平行な状態」で回折光学素子20に入射する。
【0039】
回折光学素子20については後述するが、回折光学素子20は、4本の偏向光束の個々に対して異なる回折角を与える。このため、図示のように、回折光学素子20を透過した光束のうちの2本は「副走査方向上向き」に回折偏向され、他の2本は「副走査方向下向き」に回折偏向される。
【0040】
上向きに回折偏向された光束の片方は光路分利用のミラー4K1により反射され、走査レンズ5Kを透過し、ミラー4K2により反射されて感光体3Kに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。上向きに回折偏向された光束の他方は光路分利用のミラー4C1により反射され、走査レンズ5Cを透過し、ミラー4C2により反射されて感光体3Cに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。
【0041】
下向きに回折偏向された光束の片方は光路分利用のミラー4M1により反射され、走査レンズ5Mを透過し、ミラー4M2により反射されて感光体3Mに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。下向きに回折偏向された光束の他方は光路分利用のミラー4Y1により反射され、走査レンズ5Yを透過し、ミラー4Y2により反射されて感光体3Yに導光され、同感光体上に光スポットを形成して光走査する。
【0042】
上記の如く、走査レンズ2は走査レンズ5Y〜5Kの個々との組合わさって、感光体3Y〜3Kに対応する「走査光学系」を構成する。換言すれば、走査レンズ2と5Y〜5Kは4組の走査光学系を構成し、これら4組の走査光学系において走査レンズ2が共通化されている。
【0043】
走査レンズ2が副走査方向に実質的に屈折力を持たないので、走査レンズ5Y〜5Kは何れも副走査方向に「強い正の屈折力」を持ち、各偏向光束を対応する感光体に副走査方向に集光させるとともに、走査レンズ2による等速性補正を補助する機能を持つ。
【0044】
感光体3Y〜3Kの周囲には、チャージャ6Y〜6K、現像装置7Y〜7K、転写チャージャ8Y〜8K、クリーニング装置9Y〜9Kが、感光体を囲繞するように配置されている。
【0045】
感光体3Y〜3Kの下部には、無端ベルト状の搬送ベルト17が張架されて、その上側表面が各感光体に接している。転写チャージャ8Y〜8Kは、搬送ベルト17を介して対応する感光体に対向している。
【0046】
画像形成が行われるとき、各感光体3Y〜3Kは夫々時計回りに等速回転し、その表面をチャージャ6Y〜6Kにより均一帯電され、チャージャと現像装置との間で光走査により画像を書きこまれ、静電潜像(ネガ線像)を形成される。
【0047】
このように形成された静電潜像は現像装置7Y〜7Kにより反転現像されて可視化される。感光体3Y上の静電潜像はイエロートナーにより現像されてイエロートナー画像となる。感光体3M上の静電潜像はマゼンタトナーにより現像されてマゼンタトナー画像となる。感光体3C上の静電潜像はシアントナーにより現像されてシアントナー画像となる。感光体3K上の静電潜像は黒トナーにより現像されて黒トナー画像となる。
【0048】
「シート状記録媒体」である転写紙Sは搬送ベルト17の下位に設けられたカセット15から給紙され、レジストローラ10により転写のタイミングを計って搬送ベルト17上に乗せ掛けられる。このときチャージャ11が放電して、転写紙Sを搬送ベルト17に静電吸着させる。
【0049】
搬送ベルト17は反時計回りに回転し、静電吸着された転写紙Sを搬送する。搬送される転写紙Sは、転写チャージャ8Yによりイエロートナー画像を感光体3Yから転写され、以下、転写チャージャ8Mによりマゼンタトナー画像を感光体3Mから、転写チャージャ8Cによりシアントナー画像を感光体3Cから、転写チャージャ8Kにより黒トナー画像を感光体3Kから順次転写される。
このようにして、転写紙S上にイエロートナー画像〜黒トナー画像が重なり合って転写されカラー画像が形成される。カラー画像を担持した転写紙Sは、分離チャージャ12の作用で搬送ベルト17から分離し、定着装置16によりカラー画像を定着されて装置外へ排出される。
【0050】
転写紙Sが分離された後の搬送ベルト17は除電器13で除電され、クリーナ14によりクリーニングされる。トナー画像転写後の各感光体もクリーニング装置9Y〜9Kによりクリーニングされる。
【0051】
以上は、フルカラー画像形成モードの説明であるが、静電潜像を形成する感光体の組合わせにより任意に、単色画像や2色画像、多色画像を形成できることは言うまでもない。
【0052】
ここで、光束分離について見ると、前述したように、光路分離用のミラー4Y1〜4K1には、副走査方向の幅として5mm程度必要である。
すると、例えば、感光体3Yへ向かう偏向光束と、感光体3Mへ向かう光束を分離するミラー4Y1が配置される位置においては、両光束が副走査方向に5mm離れていればよい。
【0053】
回折光学素子20によりこれら両光束間に与えられた分離角をθとすると、回折光学素子20からミラー4Y1が配置される位置までの距離が図の如く34mmであるとすると、大略「34θ≧5mm」であればよく、この場合の分離角:θは略8度であればよい。
【0054】
ミラー4M1、4C1が配置される位置は、ミラー4Y1の位置に比して回折光学素子20から離れているので、これらのミラーで分離される2光束間の分離角は、上記θよりも更に小さくてよいことになる。
【0055】
回折光学素子20につき説明すると、回折光学素子20には「4本の偏向光束の個々に対応した回折格子領域」が設けられ、各回折格子領域は共に「副走査方向に並んだ等間隔の直線の格子」で領域ごとに格子間隔が異なっている。
【0056】
各格子は副走査方向に並んでいるので、透過光束を副走査方向に回折偏向させることが出来、各々格子間隔の差異により回折偏向角を光束ごとに異ならせる。
【0057】
上記格子を曲線格子にしたり、パワーを待たせたりして収差補正等の機能を持たせることも可能である。その場合には、光束が回折光学を透過する位置によって光束の回折角が異なるため、回折光学素子の配置を高精度に合わせ込む必要がある。
【0058】
回折光学素子20として「透過率が周期的に変化している振幅変調型」と「位相付加量が変化している位相変調型」とが使用可能であるが、位相変調型は光量ロスのない点で好ましい。
【0059】
位相変調型の回折光学素子には「周期的に屈折率を変化させる方式」と「表面に凹凸を持ち凹凸の高さを変化させる方式」とがあるが、後者の「凹凸の高さを変化させる方式」の回折格子は、1度金型を作ってしまえばレプリカの大量生産が可能である点で好ましい。
【0060】
図1(b)は、回折光学素子20を説明するための図である。(b−1)は、図1(a)における左方から見た部分図であり、(b−2)は、図面に直交する方向から見た部分拡大断面図である。
【0061】
(b−1)に示すように、回折光学素子20は、透明平行平板の出射側面に各々格子間隔の異なる回折格子領域:A、B、C、Dが形成され、ポリゴンミラー1により偏向された4本の偏向光束はこれら回折格子領域:A〜Dを個別的に透過する。
【0062】
回折格子領域:A〜Dの個々は、これを拡大して断面図として示すと、(b−2)に示すように、回折光学面は斜面による凹凸で構成され、格子ピッチ:P内で凹凸の高さが0〜Hに直線的に変化している。斜面の向きは、領域:A、Bでは(b−2)に示す如く下向き(このため領域:A、Bを透過する偏向光束は図(a)で上向きに回折偏向される。)であり、領域:C、Dでは上向き(このため領域:C、Dを透過する偏向光束は図(a)で下向きに回折偏向される。)である。
【0063】
図1に示す実施の形態の具体例では、回折光学素子20の材料は、屈折率:1.52の樹脂であり、各回折格子領域の格子高さ:Hは何れも1.49μm、格子ピッチ:Pは以下の如くである。
【0064】
回折光学素子20にポリゴンミラー1側から入射する各光束は副走査方向に間隔:1.5mmで離れており、ポリゴンミラー1と走査レンズ2の厚みは、6mm程度に押さえられているが、分離用のミラー4Y1、4M1、4C1、4K1の反射位置では隣接光束間の副走査方向の距離が約5mmとなり、これらのミラーの配置が容易であり、各偏向光束の光路を確実に分離できる。
【0065】
図1の形態では、4つの感光体3Y〜3Kに対応して、回折光学素子20に4つの回折格子領域:A〜Dを設けているが、回折格子領域の数を減らし、偏向光束の一部(例えば感光体3Kを光走査する光束)はミラーのみで光路分離を行うようにすることもできる。
【0066】
図2に、画像形成装置の実施の別形態を示す。繁雑をさけるため、混同の虞がないと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
【0067】
この画像形成装置もタンデム式のカラー画像形成装置であり、複数の光源は4個の半導体レーザであり、各光源からポリゴンミラー1を介して走査レンズ2までの光学的構成は図1の実施の形態のものと同じである。また、各感光体3Y〜3Kにトナー画像を形成して転写紙Sに転写・定着するプロセスも図1の画像形成装置と同様である。
【0068】
この実施の形態においては、走査レンズ2と4枚の光路分離用のミラー4Y1、4M1、4C1、4K1との間に、3枚の回折光学素子21Y、21M、21Cが配置されている。
【0069】
これら回折光学素子21Y〜21Cは、回折光学素子は「格子ピッチの一定な回折格子領域」と「格子のない領域」の2つの領域を有している。
【0070】
図2(b)は、回折光学素子21Yを図1(b)にならって示している。回折光学素子21Yでは、感光体3Yを光走査する偏向光束に対してのみ回折作用を及ぼすように、感光体3Yを光走査する偏向光束が透過する領域:Eのみが「格子ピッチの一定な回折格子領域(図(b−2)に示すように、回折光学面は、高さ:Hの上向き斜面を持つ凹凸面が格子ピッチ:Pで形成された直線光学格子領域である。)」を有し、他の領域:Fは「素通し」になっている。
【0071】
他の回折光学素子21M、21Cも同様に、回折偏向させるべき偏向光束に対応する部分にのみ「格子ピッチの一定な回折格子領域」が形成され、他の領域は「素通し」になっている。
【0072】
回折光学素子21Y〜21Cの材料の屈折率は1.52で、各回折格子領域に形成された回折格子面は何れも、格子高さ:H=1.49μm、格子ピッチ:P=5.3μmである。従って、回折光学素子21Y〜21Cにおける回折偏向角は互いに等しく、分離すべき隣接光束に対する分離角も互いに等しい。
【0073】
このような回折光学素子21Y〜21Cを、図2(a)に示す位置関係に配置すると、光路分離用の各ミラー4Y1、4M1、4C1、4K1の配置位置では、光路分離すべき光束と隣接光束との間を5mm程度にすることができ、ミラー4Y1、4M1、4C1、4K1の配置が容易である。
【0074】
上記光学格子領域に形成された光学格子を「格子間隔を主走査方向の位置によって変え、収差補正等の機能を持たせる」ことも可能である。その場合には、光束が回折格子に入射する位置によって光束の回折偏向角が異なるため、回折光学素子の配置を高精度に合わせ込む必要がある。
【0075】
回折光学素子21Y〜21Cの各回折格子は、上記例のように、光量ロスのない位相変調型が好ましく、レプリカによる大量生産に適した「凹凸の高さを変化させる方式の位相変調型の回折格子」が好ましい。
【0076】
図2の実施の形態のように、偏向光束の回折偏向を個別の回折光学素子21Y〜21Cで行うようにすると、感光体3Y〜3Kにおける走査線(偏向光束による光スポットの移動軌跡)の副走査方向の位置調整や、走査線曲がりの補正が可能になる。
【0077】
図1や図2に示した「タンデム式のカラー画像形成装置」でカラー画像形成を行う場合、各感光体に形成されるトナー画像が、転写紙上で「ずれなく重ね合わせられる」ことが重要であり、トナー画像同士の位置関係が十分でないと「色ずれ」等の画像劣化が生じる。
【0078】
回折光学素子は格子配列方向に光束を曲げる性質がある。従って、回折光学素子21Y〜21Cを個別的に格子面に直交する軸の回りに回転調整可能とすることにより、対応する感光体上における走査線の傾きを調整出来、各色トナー画像を書込む走査線の傾き揃えることが出来る。
【0079】
また、図3に示すように、例えば、回折光学素子21Yを、回折光学面に直交する方向へ変位可能とすると、回折格子による「副走査方向への回折偏向」の起点が変化し、感光体3Yに導光される光束の光路は、例えば実線の状態から破線の状態に変わり、走査線の位置が副走査方向へずれる。従って、この変位を利用して、各感光体上における走査線の位置を副走査方向に位置調整することができ、各色トナー画像の重ね合わせにおけるレジスト位置を揃えることが出来る。
【0080】
図2の実施の形態では、回折光学素子以後に走査レンズ5Y、5M、5Cがある。従って、回折光学素子21Y〜21Cを、上記の如く回転または移動調整して、走査線の曲がりや副走査方向位置を調整すると、偏向光束が走査レンズ5Y〜5Cに入射する位置が変化して像性能の劣化が生じる可能性もあり、このような像性能劣化を無視出来ない場合には、走査レンズ5Y、5M、5Cの姿勢も調整して像性能劣化を補正するようにすればよい。
【0081】
図4に画像形成装置の実施の他の形態を示す。繁雑をさけるため、混同の虞がないと思われるものについては、図1におけると同一の符号を用いた。
【0082】
この画像形成装置もタンデム式のカラー画像形成装置であり、複数の光源は4個の半導体レーザであり、各光源からポリゴンミラー1を介して走査レンズ2A(副走査方向の屈折力が実質的に0で、4本の偏向光束に共通化されている。)に至るまでの光学的構成は図1に示す実施の形態のものと同じである。各感光体3Y〜3Kにトナー画像を形成して転写紙Sに転写・定着するプロセスも図1の画像形成装置と同様である。
【0083】
この実施の形態においては、走査レンズ2Aの射出面に「回折光学面」が形成されている。図4(b)に回折光学面を図1(b)に倣って示す。(b−1)は走査レンズの光軸方向から見た図であり、(b−2)は回折光学面の一部の副走査方向の拡大断面図である。
【0084】
走査レンズ2Aの射出面に形成された回折光学面は、各々格子間隔の異なる回折格子領域:A1、B1、C1、D1が副走査方向に配列されたものである。 これら回折格子領域は感光体3Y〜3Kを光走査する偏向光束と1:1に対応し、対応する偏向光束を副走査方向に回折偏向させる。また、各々格子ピッチが異なるので、光束の回折偏向角を異ならせることが出来る。
【0085】
各回折格子は(b−2)に示すように「斜面を持つ凹凸」による位相変調型の回折格子である。
【0086】
この形態でも4つの感光体4Y〜4Kに対対応させて4つの回折格子領域:A1〜D1を形成しているが、回折格子領域の数を減らし、一部の光束はミラーのみによる光路分離を行うようにしても良い。
【0087】
走査レンズ2Aの回折光学面を形成された面のレンズ面形状が曲面である場合、偏向光束が回折格子に入射する光軸方向の位置が偏向角によって異なり、走査線の曲がりが発生する。これを抑止する方法としては回折格子の格子間隔を偏向角によって変えて光束の出射方向を調節する方法や、走査レンズ5Y、5M、5C、5Kの配置姿勢を調整する方法が考えられる。
上に説明した実施の各形態は、各感光体を複数の光束で光走査するマルチビーム走査方式とすることができる。
【0088】
上に説明した実施の各形態の光走査装置は、複数の光源からのN(=4)本の光束を、これらに共通の光偏向器1により偏向し、M(=4)組の走査光学系2(2A)、5Y〜5KによりM(=4)面の被走査面3Y〜3K上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、M面の被走査面を光走査する光走査装置において、光偏向器1により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面20、21Y〜21C(走査レンズ2Aの射出側面)を配し、回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角を与えるもの(請求項1)である。
【0089】
また、図1、図2の実施の形態における光走査装置において、回折光学面の1以上が、1以上の回折光学素子20、21Y〜21Cの面として形成され(請求項2)、回折光学素子20は、回折角の異なる複数の回折格子領域:A〜Dを副走査方向に配列して有し、互いに異なる被走査面に向かう偏向光束間に、副走査方向の分離角を与える(請求項3)。
【0090】
図2の実施の形態における回折光学素子21Y〜21Cは、入射する光束を回折させる領域(例えば、回折格子領域:E)と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域:Fとを持ち(請求項4)、図2の実施の形態の光走査装置は、入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ回折格子をM−1(=3)個有し、これらによりM(=4)面の被走査面へ向かう偏向光束間に副走査方向の分離角を与える(請求項5)。
【0091】
図1、図2の実施の形態において、回折光学素子20、21Y〜21Cは直線回折格子による光学素子であり(請求項6)、位相変調型の光学素子で(請求項7)、回折光学素子の素子面の凹凸形状により位相変調を行うものである(請求項8)。図2の実施の形態における回折光学素子21Y等は、これを素子面に直交する方向の軸の回りに回転調整可能とし(請求項9)、あるいは、素子面に交わる方向へ移動調整可能とすることができる(請求項10)。
【0092】
図1、図2の実施の形態の光走査装置はまた、M(=4)組の走査光学系が2以上の走査レンズ2、5Y〜5Kにより構成され、光偏向器1側の1以上の走査レンズ2が2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化され、各被走査面に最も近い走査レンズ5Y〜5Kは被走査面ごとに個別化され、2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化された走査レンズ2と、各被走査面ごとに個別化された走査レンズ5Y〜5Kとの間に、回折光学素子20、21Y等が配置される(請求項11)。
【0093】
図4に示した実施の形態の光走査装置は、M(=4)組の走査光学系が2以上の走査レンズ2A、5Y〜5Kにより構成され、光偏向器1側の走査レンズ2Aが2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化され、各被走査面に最も近い走査レンズ5Y〜5Kは被走査面ごとに個別化され、光偏向器1に最も近い走査レンズ2Aは、副走査方向の屈折力が実質的に0であり、回折光学面を射出側のレンズ面に形成されている(請求項12)。
【0094】
また、走査レンズ2Aのレンズ面に形成された回折光学面は、回折角の異なる2以上の回折格子領域:A1〜D1を有する(請求項13)。
【0095】
図1、2、4に実施の形態を示した画像形成装置は、複数の光源からのN(=4)本の光束により、1以上の光導電性の感光体3Y〜3Kに光走査を行ってM(=4)個の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体S上に重ね合わせて転写し定着して画像形成する画像形成装置において、1以上の光導電性の感光体に光走査を行う光走査装置として請求項1〜13の任意の1に記載の光走査装置を用い得るものであり(請求項14)、光導電性の感光体3Y〜3Kを4個有し、各感光体に形成される静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、黒色の4色のトナーで別個に可視化し、得られる色違いのトナー画像をシート状記録媒体Sに転写定着してカラー画像を得る画像形成装置(請求項15)である。
【0096】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、この発明によれば、新規な光走査装置および画像形成装置を実現できる。この発明の光走査装置は、光偏向器の大型化を有効に抑制しつつ、偏向光束の分離を容易かつ確実に行うことができ、風切り音の増大や低消費電力の増大を有効に抑制しつつコンパクトに実現できる。従って、この光走査装置を用いる画像形成装置は、低騒音・低消費エネルギで、コンパクトである。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】画像形成装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図3】回折光学素子の変位による走査線位置の調整を説明するための図である。
【図4】画像形成装置の実施の他の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 光偏向器としてのポリゴンミラー
2 走査レンズ
20 回折光学素子
4Y1〜4K1 光路分離用のミラー
3Y〜3K 感光体
Claims (15)
- 複数の光源からのN本の光束を、これらに共通の光偏向器により偏向し、M組(N≧M≧2)の走査光学系によりM面の被走査面上に導光して各被走査面上に光スポットとして集光させて、上記M面の被走査面を光走査する光走査装置において、
光偏向器により偏向された偏向光束の光路上に、1以上の回折光学面を配し、上記回折光学面の回折作用により、2以上の偏向光束間に副走査方向の分離角を与えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1記載の光走査装置において、
回折光学面の1以上が、1以上の回折光学素子の面として形成されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2記載の光走査装置において、
回折光学素子が、回折角の異なる複数の回折格子領域を副走査方向に配列して有し、互いに異なる被走査面に向かう偏向光束間に、副走査方向の分離角を与えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2記載の光走査装置において、
回折光学素子が、入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つことを特徴とする光走査装置。 - 請求項4記載の光走査装置において、
入射する光束を回折させる領域と、入射する他の光束を回折させずに通過させる領域とを持つ回折格子をM−1個有し、これらによりM面の被走査面へ向かう偏向光束間に、副走査方向の分離角を与えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜5の任意の1に記載の光走査装置において、
回折光学素子が、直線回折格子による光学素子であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜5の任意の1に記載の光走査装置において、
回折光学素子が、位相変調型の光学素子であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項7記載の光走査装置において、
回折光学素子の素子面の凹凸形状により位相変調を行うものであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜8の任意の1に記載の光走査装置において、
回折光学素子を、素子面に直交する方向の軸の回りに回転調整可能としたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜9の任意の1に記載の光走査装置において、
回折光学素子を、素子面に交わる方向へ移動調整可能としたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項2〜10の任意の1に記載の光走査装置において、
M組の走査光学系が2以上の走査レンズにより構成され、光偏向器側の1以上の走査レンズが2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化され、各被走査面に最も近い走査レンズは、被走査面ごとに個別化され、
上記2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化された走査レンズと、各被走査面ごとに個別化された走査レンズとの間に、回折光学素子が配置されることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1記載の光走査装置において、
M組の走査光学系が2以上の走査レンズにより構成され、光偏向器側の走査レンズが2以上の被走査面へ向かう偏向光束に共通化され、各被走査面に最も近い走査レンズは、被走査面ごとに個別化され、
光偏向器に最も近い走査レンズは、副走査方向の屈折力が実質的に0であり、回折光学面を何れかのレンズ面に形成されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項12記載の光走査装置において、
レンズ面に形成された回折光学面は、回折角の異なる2以上の回折格子領域を有することを特徴とする光走査装置。 - 複数の光源からのN本の光束により、1以上の光導電性の感光体に光走査を行ってM(N≧M≧2)個の静電潜像を形成し、これら静電潜像を現像して得られるトナー画像をシート状記録媒体上に重ね合わせて転写し定着して画像形成する画像形成装置において、
1以上の光導電性の感光体に光走査を行う光走査装置として請求項1〜13の任意の1に記載の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
光導電性の感光体を3個もしくは4個有し、各感光体に形成される静電潜像をイエロー、マゼンタ、シアンもしくは赤、緑、青の3色のトナーもしくは、これらに黒色トナーを加えた4色のトナーで別個に可視化し、得られる色違いのトナー画像をシート状記録媒体に転写定着してカラー画像を得ることを特徴とする画像形成装置。
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-
2003
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