JP4841564B2 - 高速直接打錠による錠剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は攪拌フィーダーを用いた高速直接打錠による錠剤の製造方法に関する。
医薬品の固形製剤には、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等があるが、錠剤は、服用しやすく、薬物の投与量を個数でコントロールでき、また製造から服用までの取り扱いが容易であることから、固形製剤の中で最も大きな割合を占める製剤である。
錠剤は、原料となる粉体を打錠機に供給して打錠機で圧縮成型することにより得られる。打錠機は主として回転式打錠機(ロータリー打錠機)が用いられ、粉体の供給、圧縮、排出が連続的に行われる。近年、打錠機の機能が向上するに伴い、生産性を向上させるため、打錠機のスケールを大きくするという大型化、打錠機の回転速度を速くするという高速化が進んでいる。
高速で回転盤を回転させて打錠を行う、いわゆる高速打錠を行う場合には、臼杵の移動速度が大きくなり、臼への打錠粉体の充填時間が短くなるために、充填性が悪化し、錠剤の重量バラツキの増加が起こることが懸念されている。
非特許文献1には、高速打錠において、重量バラツキの小さい錠剤を得るためには、従来、打錠に供する粉体の流動性をできるだけ良好にすることが必要であり、その流動性の指標として用いられる安息角や圧縮度のできるだけ小さい粉体を使用することが良いとの記載がある。
そのため、高速打錠を行う場合には、原料粉体を結合液や水で造粒することにより、重質で、なおかつ安息角、圧縮度の小さい顆粒を調製してから打錠を行う湿式造粒法と言われる方法を採るのが一般的であり、例えば、以下の例が挙げられる。
特許文献1には、セルロース粉末を2〜30重量%含有する粉体を湿式造粒して打錠する錠剤の製造方法が記載されているが、顆粒の安息角は35〜42度であり、42度を超えると錠剤の重量バラツキが大となるとの記載がある。
特許文献2には、糖アルコールを95重量%以上含有する造粒物集合体を打錠する技術が記載されているが、糖アルコール造粒物集合体の安息角は40度以下であり、安息角が40度を超える値となると、流動性が悪くなり、打錠の際に臼への充填性のばらつきが大きくなり、錠剤の重量偏差が大きくなる等の不具合が生じるため、好ましくないとの記載がある。
特許文献3には、トレハロースを造粒して打錠用に供する技術が記載されているが、流動性の尺度として圧縮度は40%以下であり、40%を超えると流動性が悪くなり、錠剤重量バラツキが大きくなるとの記載がある。
特許文献4には、薬物とポリエチレンオキシドと整粒剤を造粒し粉粒体を得て、圧縮成型物を製造する技術であるが、粉粒体の流動性指標として圧縮度を算出しており、好適には15%以下、さらに好適には10%以下であるとの記載がある。
しかしながら、湿式造粒法は、粉体の混合、造粒、乾燥、整粒、打錠と多くの工程を必要とし、それに伴うエネルギーやコストが大きくなる。また工程の数に応じたプロセスバリデーションを必要とする。プロセスバリデーションとは、「ある工程において、定められた仕様及び品質特性に一貫して合致する製品を製造することを、高度に保証できるよう文書でその証拠を確立すること」であり、工程が多いほどプロセスバリデーションの数も増えるため、労力及び費用を要する。したがって、湿式打錠法は、これらの理由により、コストがかかるという欠点がある。
一方、打錠する成分の粉体を混合後、そのまま打錠機に供給して錠剤を製造する直接打錠法は、従来多用されてきた湿式造粒法に比べて、工程及び装置が少なくなる。それ故、製造コストが低く、時間的にも、エネルギー的にも、プロセスバリデーションの観点からも、有利な製造法であることが知られている。
しかしながら、直接打錠においては、粉体をそのまま打錠機に供給して打錠を行うため、粉体の安息角、圧縮度を指標とする流動性が、そのまま打錠時の錠剤重量バラツキに影響を与えると考えられている。そのため、直接打錠法では、湿式造粒法に比較して重量バラツキが大きくなりやすい。とりわけ、臼への粉体の供給時間が短い高速打錠においては、さらに重量バラツキが大きくなることが懸念されている。
従って、直接打錠法においても、湿式打錠法の場合と同様に、なるべく安息角、圧縮度の小さい粉体を調製して、粉体の流動性を改善しなければならないと一般的に考えられている。安息角、圧縮度の小さい打錠用粉体を得るための方法としては、安息角、圧縮度の小さい賦形剤を使用することや、軽質無水ケイ酸(アエロジル(商品名))などの流動化剤を添加する方法がある。
特許文献5には、直接打錠用賦形剤の記載があるが、直打用賦形剤の安息角は35〜42度であり、直打用賦形剤の安息角が42度を超えると、流動性が不足してホッパー内でのブリッジを生じ、ホッパーからの医薬品組成物の流出が阻害されて、錠剤重量変動も大きく高速直打は不可能との記載がある。
特許文献6には、薬効成分に、表面改質基剤として軽質無水ケイ酸などの流動化剤を添加して混合することにより、薬効成分含有表面改質粉体を得て、粉体の流動性を改善する技術の記載がある。当該文献では、薬効成分含有表面改質粉体は、流動性が優れたものであり、安息角で42度以下、好ましくは40度以下の流動性を有するため、この薬効成分含有表面改質粉体は、直接打錠による錠剤の製造を可能にするとの記載がある。
以上述べたように、安息角、圧縮度の大きい粉体は、流動性が悪いと判断され、高速直接打錠時に重量バラツキが大きくなると考えられているため、そのような粉体を高速直接打錠用の粉体として用いる発想はなく、さらには、そのような粉体が高速直接打錠により適する場合があるという発想は全くなかった。
しかしながら、安息角、圧縮度が小さい直打用賦形剤は、概して成形性が低い場合が多いため、圧縮時間の短い高速直接打錠に適用すると、錠剤の硬度不足やキャッピングなどの打錠障害が起こりやすくなるという問題がある。また、流動化剤は、非常に嵩高く、ハンドリング性が非常に悪いという欠点があり、添加により結合性や溶出性の低下を引き起こす場合がある。さらに、流動化剤を添加しても流動性の改善には限界があり、流動化剤を多く入れると、逆に粉体の流動性が悪くなるという問題もある。
一方、安息角、圧縮度が大きく、流動性に劣る粉体を、直接打錠で重量バラツキを小さくするための手段として、ホッパー下部の臼への供給部近くに攪拌フィーダーを設置して強制的に粉体を圧密しながら供給する攪拌フィード法がある。この場合、打錠用粉体が重力のみで臼へ供給されるオープンフィード法と比べ、重量バラツキを小さくする効果はある。しかしながら、攪拌フィード法の場合においても、打錠用粉体の安息角、圧縮度はできる限り小さくすることが、重量バラツキを小さくするためには必要であると考えられている。さらに、高速打錠になればなるほど、臼への充填時間が短くなることは攪拌フィード法においても同様であることから、安息角、圧縮度の大きい粉体は、攪拌フィーダーを使用する高速打錠においても、適していないと考えられている。
そのため、直接打錠において、錠剤の硬度を上げたい場合や、キャッピング・スティッキング等の打錠障害を防ぎたい場合には、成形性の高い直打用賦形剤を使用することが有効であることが知られているものの、成形性の高い直打用賦形剤は、概して安息角、圧縮度が大きいため、このような賦形剤は、直接打錠、特に高速直接打錠には適していないと考えられており、使用目的は限られている。
例えば、直接打錠用の賦形剤として代表的なものに、結晶セルロースがある。成形性が非常に高い結晶セルロース(例えばセオラス(登録商標)KG−802)は、低成形性薬物の打錠などに有効である。しかしながら、成形性の高い結晶セルロースは、流動性が不充分であるため、これまでは、流動性に悪影響を与えない程度の少量を添加したり、成形性を確保するためにどうしても多量添加する場合は攪拌フィーダーを使用して、流動化剤を添加してできる限り流動性を改善しながら、かつ低速で打錠する、といった使われ方が多かった。高速直接打錠では、錠剤の成形性に問題がない処方の場合に限り、成形性は低目であるが流動性の良好な結晶セルロース(例えばセオラスPH−102、PH−302等)が使用されることが多かった。
非特許文献2には、セオラスKG−802を使用し、直接打錠を行う技術の記載がある。しかしながら、本文献の打錠速度は杵の移動速度で590mm/sに過ぎず、生産スケールでの高速打錠速度とはいえない。また、賦形剤の流動性を改善するため、流動化剤であるアエロジルを添加し、粉体の流動性(安息角、圧縮度)をできるだけ改善して打錠を行っている。
非特許文献3には、同じくセオラスKG−802を使用し、攪拌フィード法による直接打錠を行う技術の記載がある。本文献では、打錠速度は生産スケールを考慮した速度で実施しているが、現在の打錠機の水準から見ると、さらに高い打錠速度での打錠が求められる。また、本文献は、流動性の悪い粉体に対し、流動化剤である軽質無水ケイ酸(アエロジル)の添加量、添加時間を最適化してできる限り安息角、圧縮度を小さくして重量バラツキを小さくするという従来の考え方に基づくものであり、攪拌フィーダーを使用した高速直接打錠に適する粉体を調製するという発想はない。また、錠剤の重量バラツキの指標であるCV値も1%と生産で許容され得る上限に近いため、これ以上の打錠速度の向上は望めない。
特開2001−347153号公報 特開2001−10979号公報 特開2001−213890号公報 国際公報第04/78212号パンフレット(欧州特許出願公開第1523994号明細書) 特開昭53−127553号公報 国際公報第00/54752号パンフレット(欧州特許出願公開第11619411号明細書) 粉体工学会・製剤と粒子設計部会、粉体の圧縮成形技術、p.44−48 旭化成株式会社、アビセル時報No.57、2002 旭化成ケミカルズ株式会社、セオラスレポート第1号、2003
本発明の目的は、攪拌フィーダーを用いた高速直接打錠により錠剤を得る方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、少なくとも結晶セルロース15〜80%と活性成分と滑沢剤を含み、安息角が50°以下、圧縮度が20%以上、引張破断伸度が30〜100μm、通気時流動エネルギーが400mJ以下である粉末を用い、攪拌フィーダーで圧密を与えながら杵の移動速度800mm/s以上の高速で打錠することによって、重量バラツキが小さく、硬度が高い錠剤が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)少なくともセルロース15〜80質量%と活性成分と滑沢剤とを含み、安息角が50°以下、圧縮度が20%以上、引張破断伸度が30μm以上である粉体を圧密化しながら杵の移動速度800mm/s以上で高速直接打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。
(2)前記セルロースが、平均重合度が150〜450、250μm篩に残留する粒子の割合が10質量%以下、75μm以下の粒子の平均L/Dが2.0以上、嵩密度が0.25g/cm以下、安息角が43°以上の結晶セルロースである上記(1)に記載の方法。
(3)前記粉体の通気時流動エネルギーが400mJ以下である上記(1)又は(2)記載の方法。
(4)前記粉体の通気時流動エネルギーが350mJ以下である上記(3)記載の方法。
(5)前記粉体の安息角が30〜50°である上記(1)又は(2)記載の方法。
(6)前記粉体の圧縮度が20〜50%である上記(1)又は(2)記載の方法。
(7)前記粉体の引張破断伸度が100μm以下である上記(1)又は(2)記載の方法。
(8)前記粉体の通気時流動エネルギーが100mJ以上である上記(3)又は(4)記載の方法。
(9)前記の圧密化が、打錠機に装着した攪拌フィーダーで行われる上記(1)〜(3)のいずれか一項記載の錠剤の製造方法。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか一項記載の方法により得られる錠剤。
(11)上記(1)〜(9)のいずれか一項記載の方法に用いることができる、少なくともセルロース15〜80質量%と活性成分と滑沢剤とを含み、安息角が50°以下、圧縮度が20%以上、引張破断伸度が30μm以上である高速直接打錠用粉体組成物。
(12)上記(1)〜(9)のいずれか一項記載の方法に用いることができる、平均重合度150〜450、250μm篩に残留する粒子の割合が10質量%以下、75μm以下の粒子の平均L/Dが2.0以上、嵩密度が0.25g/cm以下、安息角が43°以上の高速直接打錠用結晶セルロース。
本発明の製造方法は、重量バラツキが小さく、かつ硬度が高い錠剤を、高速直接打錠において得ることができるという効果を有する。
以下、本発明について、具体的に説明する。
本発明の粉体は、セルロースを含む。セルロースとしては、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体などが挙げられる。セルロースの添加量は15〜80質量%であり、好ましくは、20〜60質量%である。添加量が15質量%以下の場合、セルロースの添加による効果が得られないため好ましくない。また、80質量%を超える場合、打錠用粉末が嵩高く、ハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
また、本発明の粉体は、活性成分を含む。本発明でいう活性成分とは医薬品薬効成分粉末、農薬成分粉末、肥料成分粉末、飼料成分粉末、食品成分粉末、化粧品成分粉末、色素粉末、香料粉末、金属粉末、セラミックス粉末、触媒粉末、界面活性剤粉末等をいい、粉体状、結晶状、油状、溶液状などいずれの形状でもよい。
例えば医薬品薬効成分粉末としては、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗鬆症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経口で投与されるものが対象となる。
また、本発明では、その他の添加剤として、賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色料、甘味剤、界面活性剤などを添加することは自由である。
賦形剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖、マルトースなどの糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、コメデンプン、小麦デンプン、とうもろこしデンプン、馬鈴薯デンプン等のデンプン類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、ケイ酸アルミ、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機類等が挙げられる。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポビドン等が挙げられる。
結合剤としては、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、コンニャクマンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類等が挙げられる。
流動化剤としては含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。矯味剤としてはグルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、l−メントールなどが挙げられる。
香料としてはオレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール等が挙げられる。着色剤としては食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、リボフラビンなどが挙げられる。甘味剤としてはアスパルテーム、サッカリン、グリチルリチン酸二カリウム、ステビア等が挙げられる。界面活性剤としては、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
結晶セルロース、活性成分、添加剤を含む粉体は、混合操作により均一化を図る。混合操作は、公知の技術が使用され、例えば、ビニール袋での混合、容器回転型の低速混合機による混合、高速攪拌型の混合機による混合などが使用される。
低速の回転容器型混合機とは、容器に取り付けられた軸を中心として、容器自体が回転することで粉体を持ち上げ、粉体が重力により落下することで混合を行う混合機であり、粉体の混合が主に移動混合、拡散混合により行われる混合機である。回転容器型混合機の種類としては、V型混合機、二重円錐型混合機、タンブラー型混合機、水平円筒型混合機、傾斜円筒型混合機、正立法型混合機、円錐型混合機、Yコーン型混合機等がある。
高速攪拌型の混合機とは、表面改質装置、高速混合機、高速撹拌型混合造粒機、万能練合機などが挙げられる。具体的な装置としては、メカノミル(商品名、岡田精工(株)製)、バーチカルグラニュレーター(商品名、(株)パウレック製)、ハイスピードミキサー(商品名、深江工業(株)製)、ラボラトリーマトリックス(商品名、(株)奈良機械製作所 製)などが挙げられる。
混合機の大きさは、打錠機に供給する量に合わせて任意に決定することができる。
粉体の混合時間は、通常粉体が均一に混合されるために必要な時間であればよく、5〜60分程度が好ましい。
活性成分、結晶セルロース、必要に応じて添加剤を含み、混合操作を行った粉体に、滑沢剤をさらに添加する。本発明における滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等が挙げられる。滑沢剤の添加量は、結晶セルロース、活性成分、添加剤を含む粉体100重量部に対して、0.1〜3重量部とすることが好ましい。
滑沢剤の混合操作は、公知の技術が使用され、例えば、ビニール袋での混合、容器回転型の低速混合機による混合などが使用される。高速攪拌型の混合機は、滑沢剤の過混合による成形性低下が起こるため、好ましくない。混合時間は、1〜15分程度が好ましい。
以上の手順で得られた粉体を用いて、圧密を与えながら高速直接打錠を行う。
本発明における高速直接打錠について説明する。打錠機には、回転式打錠機(ロータリー打錠機)を使用する。回転式打錠機は、ターンテーブルに臼杵が同心円状に均等に配置され、ターンテーブルが回転することにより、ホッパーからの粉体の充填、粉体の圧縮、錠剤の排出が連続的に行われる機構を備えた打錠機である。その中でも圧縮を予圧、本圧の2段階で行う、2段圧縮式の打錠機が好ましい。また、予圧を2回以上又は連続で行う、多段圧縮打錠機等を使用してもよい。また、回転盤が1周する間に充填・圧縮・排出のサイクルを1回行うシングル式打錠機でもよいし、1周する間にサイクルを2回行うダブル式打錠機でもよい。
本発明の高速直接打錠とは、杵の移動速度が線速で800mm/s以上、好ましくは1000mm/s以上の直接打錠を指す。杵の移動速度は、回転式打錠機の回転盤の杵の回転直径と、回転数より、以下のように求める。
杵の移動速度[mm/s]=π×(杵の回転直径[mm])×(回転数[s−1])
また、本発明の高速直接打錠を行う際の圧密化とは、粉体を受けるホッパー部から下りてきた粉体を、打錠の臼に充填する際に、強制的に圧密を与えることである。その方法としては、攪拌羽根が回転しながら、攪拌羽根の下部の一部に空いた隙間から臼に粉体を強制的に押し込む方法、すなわち、打錠機に装着した攪拌フィーダーによって行う方法や、錠剤の設定質量よりも過剰の質量分の粉体を一旦臼に充填し、弱い圧縮力をかける装置を用いて、臼ごとに変動している充填密度を一定値に収束させ、錠剤の設定質量分の体積ですり切り、過剰分を排出した後に圧縮成形する方法などがある。打錠機に装着した攪拌フィーダーで行うことが、回転式打錠機に改造を加えることなく、そのまま使用できるため好ましい。
杵の移動速度の上限は特にないが、攪拌フィーダーを使用しても粉体が臼に充分に供給される速度とすることが好ましく、3000mm/s以下が好ましく、さらに2000mm/sが好ましい。
攪拌フィーダーの攪拌羽根の形状としては、くし型、平型などがあり、羽根の枚数としては、1枚羽根、2枚羽根、3枚羽根などがある。羽の形状、大きさなどによって違いはあるが、攪拌羽根1枚の与える最大回転速度(攪拌羽根の外周部の線速度)は、150mm/s以上、好ましくは200mm/s以上、特に好ましくは300mm/s以上である。最大回転速度が150mm/s未満の場合、粉体を強制的に押し込む圧密力が充分に働かないため好ましくない。
また、本発明の製造方法に用いられる臼杵の形状には、特に制限はなく、円型、楕円型、三角型、四角型、五角型、六角型、星型等が選択され得るが、使用時の扱いやすさの観点から円型が特に好ましい。また円型の場合打錠機の臼及び杵の径は通常の医薬品錠剤を製造する大きさであればよく、6〜20mmであることが好ましく、6〜10mmがさらに好ましい。また、杵の打錠面の形状は、通常の医薬品錠剤を製造できる形状であればよく、平杵、R杵、2段R杵、割線杵等が使用できる。また、刻印を付与する杵であってもよい。杵の材質は通常使用される材質であればよく、打錠面はクロム等の金属メッキを施したり、研磨剤で磨いたりしたものを使用してもよい。また、打錠する錠剤の重量は通常の錠剤として使用できる範囲であればよい。
本発明の高速直接打錠に用いる粉体は、安息角が50°以下、好ましくは47°以下、さらに好ましくは45°以下である。安息角は、実施例にて後述する方法で測定する。安息角が50°を超えると、輸送時に詰まったり、ホッパー内でブリッジを生じたりするなど、打錠前のハンドリング性が悪いため好ましくない。安息角が50°以下というのは、上記のハンドリング性を確保するために必要な条件である。従来技術では、安息角は小さければ小さいほど打錠時の粉体流動性が良く重量バラツキが小さくなると考えられている。しかし、攪拌フィーダーで圧密を与えながら行う高速直接打錠においては、その従来技術の考え方が必ずしも一致しない。安息角は、35°以上が好ましく、さらに好ましくは38°以上、最も好ましくは40°以上である。
また、本発明の高速直接打錠に用いる粉体は、圧縮度が20%以上である。圧縮度は、実施例にて後述する方法で測定する。
攪拌フィーダーで圧密を与えながら高速直接打錠を行う際に、圧縮度が20%以上の粉体が適している理由としては、詳細は不明ながら、以下のことが考えられる。圧縮度が20%以上の粉体は、ゆるみの状態で嵩高いものが多い。したがって、攪拌フィーダーで圧密を与える場合、均一にエアーを含んだ状態となるため、攪拌フィーダーを通って臼に充填されるまでの間、流動しやすいものと考えられる。このように、従来技術では圧縮度が低い粉体ほど流動性が良好で、高速打錠時の重量バラツキ低減のための指標と考えられてきた。しかし、圧密を与えながら行う高速直接打錠においては、従来の考え方は当てはまらないことが分かった。
また、圧縮度は、大きすぎると粉体が輸送時に詰まったり、ホッパー内でブリッジを生じたりするなど、ハンドリング性が悪くなる。したがって、圧縮度は60%以下が好ましく、50%以下がさらに好ましい。
また、本発明の高速直接打錠に用いる粉体は、引張破断強度が30μm以上である必要があり、好ましくは30〜100μmである。ここで、本発明でいう引張破断伸度について説明する。測定には、粉体層圧縮特性・引張破断特性測定装置「アグロボット」(商品名、ホソカワミクロン(株)製)を用いる。測定粉体を内径25mmのセルに40mmの高さ(体積19.6cm)まで粉体を詰め、秤量したのち、50回タッピングする。圧縮試験部で圧縮速度0.1mm/s、最大圧縮設定値300N、圧縮保持時間60sで圧縮した後、引張試験部で引張速度0.4mm/s、引張サンプリング時間25sで測定した時の、最大引張破断強度と、その時の変位から、引張破断強度と引張破断伸度が得られる。
引張破断伸度が30μm以上であることは、粉体同士が分離しにくいことを意味する。
引張破断伸度が30μm以上である高速直接打錠用粉体は、打錠の際に用いられる攪拌フィーダーを通過させた後でも、同様に引張破断強度と引張破断伸度を測定すると、引張破断伸度は増加する傾向にある。攪拌フィーダーを通過した後も、粉体同士が分離しにくい。ゆえに、引張破断伸度が30μm以上の粉体は、粉体が分離しにくく、均一に空気を保持している。臼に粉体が攪拌フィーダーで充填される際、臼中の下杵が下降し、その部分に粉体が押し込まれる。その際、引張破断伸度が30μm以上の粉体は、粉体が分離せずに均一に空気を保持した状態のまま充填される。そのため、充填される重量バラツキが小さく、高速直接打錠でも重量バラツキが小さくなる。逆に引張破断伸度が30μm未満の場合、粉体は分離しやすいため、攪拌フィーダーで飛び散るため臼に圧密されにくくなることが考えられる。また、粉体が分離し、空気を均一に保持できないため、空気の抜け穴ができ、粉体の密度差が局所的に起こる。そのため、高速直接打錠の際に臼への充填重量のバラツキが大きくなるため好ましくない。
一方、引張破断伸度が大きすぎる場合、粉体同士が非常に分離しにくくなるため、粉体が流動せずにハンドリング性が悪くなる、粉体がホッパー出口で閉塞するなどの問題がある可能性があるため、100μm以下であることが好ましい。
従来、打錠に使用する粉体の流動性は、安息角や圧縮度などの、いわば静的な状態で測定した指標で評価してきた。本発明の高速直接打錠に用いる粉体についても、静的な流動性指標を用いた場合には、流動性が悪いと判断され、高速直接打錠への応用には不向きであると考えられていた。ゆえに、重量バラツキを低減することを目的として、本発明の粉体を高速直接打錠に使用するという発想はなかった。
しかし、本発明者らは、引張破断伸度という指標を見出し、この指標を満たす粉体が、圧密化しながら行う高速直接打錠の際に適性があることを初めて見出したのである。
本発明におけるセルロースとしては、結晶セルロースを用いることが好ましい。結晶セルロースとしては、平均重合度が150〜450、250μm篩に残留する粒子の割合が10質量%以下、75μm以下の粒子の平均L/Dが2.0以上、嵩密度が0.25g/cm以下、安息角が43°以上の結晶セルロースが好ましい。平均L/Dが2.0〜4.5、嵩密度が0.10〜0.25g/cm、安息角が47〜60°の結晶セルロースがさらに好ましく、平均L/Dが2.0〜3.5、嵩密度が0.14〜0.25g/cm、安息角が47〜55°の結晶セルロースが最も好ましい。例えば、市販品としては、セオラス(登録商標)KG−802(旭化成ケミカルズ(株))を使用することができる。
平均重合度が150未満の場合、成形性が不足し、錠剤の硬度が得られないので好ましくない。平均重合度が450を超える場合、繊維性が強くなり、流動性が著しく悪くなるので好ましくない。250μm以上の粒子は造粒されて緻密な構造になり成形性が不足するため、250μm篩に残留する粒子の割合が10質量%を超える場合は好ましくない。75μm以下の粒子の平均L/Dが2.0未満、嵩密度が0.25g/cmを超え、安息角が43°未満である場合は、いずれも成形性が不足すること、攪拌フィーダーを用いた高速直接打錠時に充分に圧密を与えながら打錠することができないため、好ましくない。
また、セルロースの繊維性が強くなり、ハンドリング性が悪くなることから、セルロースの75μm以下の粒子の平均L/Dは4.5以下、嵩密度は0.10g/cm以上、安息角は60°以下が好ましい。
また、本発明の高速直接打錠に用いる粉体は、通気時流動エネルギーが好ましくは400mJ以下、より好ましくは350mJ以下、さらに好ましくは100〜350mJである。
ここでいう通気時流動エネルギーについて説明する。測定には、粉体流動性分析装置「パウダーレオメーターFT4」(商品名、シスメックス(株)販売)を使用する。専用の160mLスプリット容器に粉体を160mLすり切り充填した後、ブレードを100mm/sの速度で回転させながら粉体中を上から下へ30mm/sの速度で移動させるときにかかる回転トルクと垂直荷重を測定し、その積分値を、ブレードが粉体層を押しのけながら進んでいく時のエネルギー量として、流動性の指標とする。エネルギー量が小さいほど、ブレードにかかる抵抗が少なく、流動性の良い粉体と言える。
1回の測定後、40mm/sで逆回転しながらブレードが上昇し、元の位置まで戻る。この操作を、充填後7回繰り返す。その後、粉体層の下部から線速1mm/sで空気を送りこんで粉体が空気を抱き込んだ状態とし、同様にブレードを100mm/sの速度で回転させながら粉体中を上から下へ30mm/sの速度で移動させるときに要したエネルギーを測定し、これを、本発明でいうところの通気時流動エネルギーとする。
通気時流動エネルギーが400mJ以下の粉体では粉体が軽く空気を抱き込んだ状態となり、粉体が動きやすくなると考えられる。これは、粉体が攪拌フィーダーを通過する際に、粉体が均一に空気を抱き込み、粉体の流動性が良好となることを意味すると考えられる。逆に、通気時流動エネルギーが400mJより大きい場合、粉体は空気を抱き込むことができず、空気が抜けやすくなり、粉体の流動性が良くない可能性がないので好ましくない。
本発明者らは、粉体が攪拌フィーダーを通過する際の流動性は、安息角や圧縮度よりも、通気時流動性エネルギーに、より正確に反映されることを見出し、引張破断伸度と通気時流動エネルギーの指標についての特定の条件を満たす粉体が、攪拌フィーダーにより圧密しながら行う高速直接打錠時の重量バラツキが小さく適性があることを初めて見出したのである。
なお、通気時流動エネルギーは、100mJ以上であることが好ましい。100mJ未満の場合、粉体は攪拌フィーダー通過時に流動しすぎる傾向があり、逆に分離を起こすため好ましくない。
攪拌フィーダーを使用して高速打錠を行う場合、本発明の高速直接打錠に用いる粉体の臼への充填密度は、攪拌フィーダーによる圧密作用を受けるために、フィーダー通過前の高速直接打錠用粉体のゆるみ嵩密度より大きく、1.35倍以上となる。
フィーダー通過前の高速打錠に用いるゆるみ嵩密度は、実施例において後述する圧縮度の測定で得られるゆるみ嵩密度のことである。
臼への充填密度について説明する。臼への充填密度は、打錠の臼に充填される粉体の重量と体積より、以下のように求める。
(打錠条件)
回転式打錠機(LIBRA2、(株)菊水製作所製)
ターンテーブル:回転直径410mm、回転数80rpm(杵の移動速度1720mm/s)
杵本数:36本中12本使用(1本セット2本盲栓を繰り返す)
錠剤形状:直径8mm円型、12R
錠剤重量:180mg
打錠圧:予圧:3.5kN、本圧:7kN
攪拌フィーダー:LIBRA2装着攪拌フィーダー(直径210mmくし型羽根、2枚組)。回転数60rpm(外周部の線速度660mm/s)
(臼に充填される粉体の重量)
臼に充填される粉体の重量[g]は、それを打錠することで得られる錠剤の重量と同じであるとし、錠剤20個の平均値とする。
(臼に充填される粉体の体積)
また、臼に充填される粉体の体積は、臼の直径[cm]と、臼のすり切り部から下杵までの設定深さ[cm]、及び杵の凹みの部分の体積より、式(1)のように求められる。
臼に充填される粉体の体積[cm
=π×[0.5×(臼の直径[cm])]×(下杵の設定深さ[cm])+(杵の凹み部分の体積[cm])・・・・(1)
杵の凹みの部分の体積は、杵の形状と大きさによって計算される。例えば、平杵を使用した場合は、その部分の体積は0であり、直径8mm、曲率半径12mmのR杵の場合、杵の凹みの部分の体積は0.0174cmである。
(臼への充填密度)
以上より、臼への充填密度は、式(2)のように定義する。
臼への充填密度[g/cm
=(錠剤20個の平均重量[g]/臼に充填される粉体の体積[cm])・・・(2)
こうして求めた臼への充填密度は、フィーダー通過前の高速直接打錠に用いる粉体の1.35倍以上になる。
このことは、高速直接打錠に用いる粉体が、攪拌フィーダーを通過して臼に充填される際に、充分に圧密を与えられていることを裏付けている。粉体の圧密が充分に大きい場合、粉体の充填性は、粉体自体の流動性、重量、打錠速度等の打錠時の状態に左右される因子よりも、粉末に作用する圧密力の影響をより強く受ける。そのため、高速直接打錠のように、臼の移動速度が大きく、充填時間が短くなる時にも、充填は圧密による部分が大きいため、重量バラツキを小さくすることができる。
また、通常の打錠においては、打錠の速度を上げていくに従って、粉体の臼への充填性が悪くなるため、臼への充填密度は小さくなる傾向がある。しかし、本発明の粉体を用いて打錠を行った場合には、杵の移動速度800mm/s以上の高速打錠を行った場合も、800mm/s未満の低速打錠を行った場合と比べて、臼への充填密度に差がないという特徴がある。
杵の移動速度800mm/s未満の低速で直接打錠した場合は、どんな粉体を用いても、充填時間が長いため、重量バラツキを小さく打錠できる。高速直接打錠を行ったときにも、低速打錠時の臼への充填密度と変化がないということは、高速直接打錠時の充填性、つまり重量バラツキも低速打錠時と同様に小さく維持できるということにつながる。
(低速打錠時の臼への充填密度)
前述の、高速直接打錠での臼への充填密度の求め方において、ターンテーブルの回転数を30rpm(杵の移動速度640mm/s)と下げた以外は、同様な方法により、低速打錠時の臼への充填密度を求め、高速打錠時の臼への充填密度と比較を行う。
このときに、本発明の高速直接打錠用粉体を用いた場合、
「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」は0.98以上となり、高速打錠時の粉体の充填性が、低速打錠時と同様に良好である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、物性の測定方法を説明する。
1)安息角[°]
粉体物性測定機(ホソカワミクロン(株)製、パウダーテスターT−R型(商品名))でオリフィス径0.8cmの金属製ロート、振動目盛1.5の条件で粉体を落下させ、粉体の作る山の稜線角度(2稜線角度測定、測定間隔3°)を測定した。3回測定の平均値で示した。
2)圧縮度[%]
圧縮度[%]=[(固め嵩密度−ゆるみ嵩密度)/固め嵩密度]×100
より求めた。
(1)ゆるみ嵩密度[g/cm
ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを用いて、直径5.03cm、高さ5.03cm(容積100ml)円筒容器に試料をJIS22メッシュ(710μm)の篩を通して23cm上方から均一に供給して、上面をすり切ってその重量を秤量することにより測定した。
(2)固め嵩密度[g/cm
ゆるみ嵩密度測定後にさらにこの容器上部にホソカワミクロン社製パウダーテスターの備品である専用キャップをはめ、この上縁まで試料を追加し、1.8cmのタップ高さで180回タッピングを行った後、キャップをはずして容器の上面で試料をすり切って100ml容器への試料充填量により測定した。
3)引張破断伸度[μm]
(1)測定
粉体層圧縮特性・引張破断特性測定装置「アグロボット」(ホソカワミクロン(株)製)を用いた。測定粉体を内径25mmのセルに40mmの高さ(体積19.6cm)まで粉体を詰め、秤量したのち、50回程度タッピングした。圧縮試験部で圧縮速度0.1mm/s、最大圧縮設定値300N、圧縮保持時間60sで圧縮した後、引張試験部で引張速度0.4mm/s、引張サンプリング時間25sで測定した時の、最大引張破断強度と、その時の変位を、引張破断強度と引張破断伸度とした。
(2)攪拌フィーダー通過後の粉体の測定
回転式打錠機(LIBRA2(商品名)、(株)菊水製作所製)
ターンテーブル:回転直径410mm、回転数30rpm(回転速度640mm/s)
杵本数:0本(盲栓)
攪拌フィーダー:LIBRA2装着攪拌フィーダー(直径210mmくし型羽根、2枚組)。回転数60rpm(外周部の線速度660mm/s)
で打錠機を運転し、攪拌フィーダーを通過後、打錠されずに通過した粉体を回収し、その粉体を(1)の測定に使用した。
4)セルロースの平均重合度
第14改正日本薬局方、結晶セルロースの確認試験(3)に記載された銅エチレンジアミン溶液粘度法により測定した値。
5)セルロースの250μm篩に残留する粒子の割合[%]
目開き250μmのJIS標準篩(Z8801−1987)を用い、ロータップ式篩振盪機(平工製作所製シーブシェーカーA型)で試料10gを10分間篩分し、250μm篩に残留する粒子の質量を全質量に対する百分率で表した。
6)セルロースの75μm以下の粒子の平均L/D
エアージェットシーブ(ALPINE製、A200LS型)を用い、JIS標準篩75μmで篩過した粒子について、粒子の光学顕微鏡像を画像解析処理し((株)インタークエスト製、装置:Hyper700,ソフトウエア:Imagehyper)、粒子に外接する長方形のうち面積が最小となる長方形の長辺と短辺の比(長辺/短辺)を粒子のL/Dとした。粒子の平均L/Dとしては少なくとも粒子400個の平均値とした。但し、個々の粒子は絡まりがないように予めばらけた状態にして測定する必要がある。
7)セルロースの嵩密度[g/cm
ホソカワミクロン社製のパウダーテスターを用いて、直径5.03cm、高さ5.03cm(容積100ml)円筒容器に試料をJIS22メッシュ(710μm)の篩を通して23cm上方から均一に供給して、上面をすり切ってその重量を秤量することにより測定した。
8)セルロースの安息角[°]
粉体物性測定機(ホソカワミクロン(株)製、パウダーテスターT−R型)でオリフィス径0.8cmの金属製ロート、振動目盛1.5の条件で粉体を落下させ、粉体の作る山の稜線角度(2稜線角度測定、測定間隔3°)を測定した。3回測定の平均値で示した。
9)通気時流動エネルギー[mJ]
粉体流動性分析装置パウダーレオメーターFT4(シスメックス(株)製)を使用した。専用の160mLスプリット容器に粉体を160mLすり切り充填した後、ブレードを100mm/sの速度で回転させながら粉体中を上から下へ移動させるときにかかる回転トルクと垂直荷重を測定し、その積分値を、ブレードが粉体層を押しのけながら進んでいく時のエネルギー量として、流動性の指標とした。
1回の測定後、40mm/sで逆回転しながらブレードが上昇し、元の位置まで戻った。この操作を、充填後7回繰り返した。その後、粉体層の下部から線速1mm/sで空気を送りこんで粉体が空気を抱き込んだ状態とし、同様にブレードを100mm/sの速度で回転させながら粉体中を上から下へ移動させるときに要したエネルギーを測定し、これを、本発明でいうところの通気時流動エネルギーとした。
10)臼への充填密度[g/cm
(1)打錠条件
回転式打錠機(LIBRA、(株)菊水製作所製)
ターンテーブル:回転直径410mm、回転数80rpm(杵の移動速度1720mm/s)
杵本数:36本中12本使用(1本セット2本盲栓を繰り返す)
錠剤形状:直径8mm円型、12R
錠剤重量:180mg
打錠圧:予圧:3.5kN、本圧:7kN
攪拌フィーダー:LIBRA2装着攪拌フィーダー(直径210mmくし型羽根、2枚組)。回転数60rpm(外周部の線速度660mm/s)
(2)臼に充填される粉体の重量
臼に充填される粉体の重量[g]は、それを打錠することで得られる錠剤の重量と同じであるとし、錠剤20個の平均値とした。
(3)臼に充填される粉体の体積
また、臼に充填される粉体の体積は、臼の直径[cm]と、臼のすり切り部から下杵までの設定深さ[cm]、及び杵の凹みの部分の体積より、式(1)のように求められる。
臼に充填される粉体の体積[cm
=π×[0.5×(臼の直径[cm])]×(下杵の設定深さ[cm])+(杵の凹み部分の体積[cm])(1)
杵の凹みの部分の体積は、杵の形状と大きさによって計算される。例えば、平杵を使用した場合は、その部分の体積は0であり、直径8mm、曲率半径12mmのR杵の場合、杵の凹みの部分の体積は0.0174cmとなる。
(4)臼への充填密度
以上より、臼への充填密度は、式(2)のように定義する。
臼への充填密度[g/cm
=(錠剤20個の平均重量[g]/臼に充填される粉体の体積[m])(2)
ただし、比較例において、オープンフィーダーを使用したとの言及がある場合は、(1)の打錠条件において、攪拌フィーダーを使用せず、替わりにLIBRA2に装着したオープンフィーダーを使用した以外は同様の条件で打錠を行い、(2)〜(4)より嵩密度を求めた。
11)高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度
8)で測定した充填密度を、高速打錠時の充填密度とした。
低速打錠時の充填密度は、8)の打錠条件において、ターンテーブルの回転数を30rpm(杵の移動速度640mm/s)に下げた以外は同様の条件で測定した。
これより、高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度の比を求めた。
ただし、比較例において、オープンフィーダーを使用したとの言及がある場合は、(1)の打錠条件において、攪拌フィーダーを使用せず、代わりにLIBRA2に装着したオープンフィーダーを使用した。
12)錠剤の製造方法
実施例及び比較例で特に言及しない場合は、以下の条件で打錠を行い、錠剤を得た。
(打錠機条件)
回転式打錠機(LIBRA、(株)菊水製作所製)
ターンテーブル:回転直径410mm、回転数60rpm(回転速度1290mm/s)
杵本数:36本立て
錠剤形状:直径8mm円型、隅角
錠剤重量:180mg
打錠圧:予圧:5kN、本圧:10kN
攪拌フィーダー:LIBRA付属品(直径210mmくし型羽根、2枚組)。回転数60rpm(外周部の線速度660mm/s)
打錠時間:3時間(合計388000錠、70.0kg)
ただし、比較例において、オープンフィーダーを使用したとの言及がある場合は、(1)の打錠条件において、攪拌フィーダーを使用せず、替わりにLIBRAに装着したオープンフィーダーを使用した。
13)重量バラツキの測定
打錠開始後から1時間以降から3時間までの錠剤を15分ごとに8回サンプリング(75、90、105、120、135、150、165、180分)し、それぞれサンプリングした中から重量を10錠ずつ測定し、それぞれについて、平均値と標準偏差からサンプリングごとの重量CV値[%]を計算し、重量バラツキの指標とした。
サンプリングごとの重量CV値=(標準偏差/平均値)×100[%]
サンプリングごとの重量CV値(8点)の平均値を、重量バラツキの指標とした。
14)錠剤の硬度(N)
10)の打錠で得た錠剤について、打錠1日後の錠剤をシュロインゲル硬度計(フロイント産業(株)製)を用いて錠剤の直径方向に荷重を加え、破壊したときの荷重を測定した。試料10個の平均値で示した。
15)錠剤の硬度低下率[%]
10)打錠で得た錠剤について、40℃75%R.H.の条件中に、チャック付きポリ袋(11.5mm×9mm、透湿度3〜5g/m(24Hr))に入れて1ヶ月間保存した時の、錠剤の硬度を12)と同じ方法で測定し、
100−(1ヵ月後の錠剤硬度/打錠1日後の錠剤硬度)×100により求めた。
(実施例1)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(商品名、旭化成ケミカルズ(株)販売)66.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、高速直接打錠に用いるための粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は42°、ゆるみ嵩密度は0.454g/cm、固め嵩密度は0.628g/cmであり、圧縮度は28%であった。また、引張破断伸度は45μm、通気時流動エネルギーは307mJであった。
この粉体の一部を用いて、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は70μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.51倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の嵩充填度」の比は0.998であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーにより充分に圧密されていた。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.54%、錠剤の硬度は92N、錠剤の硬度低下率は12%であった。結果を表1に示す。
(実施例2)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)47.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)47.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、高速直接打錠に用いるための粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は45°、ゆるみ嵩密度は0.328g/cm、固め嵩密度は0.509g/cmであり、圧縮度は36%であった。また、引張破断伸度は67μm、通気時流動エネルギーは256mJであった。
この粉体の一部を用いて、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は82μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.61倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の嵩充填度」の比は0.981であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーにより充分に圧密されていた。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.59%、錠剤の硬度は104N、錠剤の硬度低下率は10%であった。結果を表1に示す。
(実施例3)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)25.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)15.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)59.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、高速直接打錠に用いるための粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は43°、ゆるみ嵩密度は0.411g/cm、固め嵩密度は0.623g/cmであり、圧縮度は34%であった。また、引張破断伸度は44μm、通気時流動エネルギーは288mJであった。
この粉体の一部を用いて、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は62μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.56倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の嵩充填度」の比は0.988であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーにより充分に圧密されていた。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.58%、錠剤の硬度は85N、錠剤の硬度低下率は8%であった。結果を表1に示す。
(比較例1)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスPH−302(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度140、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが1.3、嵩密度が0.417g/cm、安息角が38°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)58.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠に用いる粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は33°、ゆるみ嵩密度は0.629g/cm、固め嵩密度は0.729g/cmであり、圧縮度は14%であった。また、引張破断伸度は17μm、通気時流動エネルギーは415mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は10μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.25倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.971であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.74%、錠剤の硬度は72N、錠剤の硬度低下率は17%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、実施例1〜3の粉体よりも安息角が小さく、圧縮度が小さいため、流動性が良い粉体と考えられていたが、打錠時の重量バラツキが大きく、かつ錠剤硬度も低かった。
[比較例2]
セルロースとして結晶セルロース、セオラスPH−102(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度250、250μm篩に残留する粒子の割合が0.2質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが1.3、嵩密度が0.312g/cm、安息角が40°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)58.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠に用いる粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は34°、ゆるみ嵩密度は0.511g/cm、固め嵩密度は0.702g/cmであり、圧縮度は28%であった。また、引張破断伸度は28μm、通気時流動エネルギーは406mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は30μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.29倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.972であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.73%、錠剤の硬度は78N、錠剤の硬度低下率は15%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、実施例1〜3の粉体よりも安息角が小さく、圧縮度が小さいため、流動性が良い粉体と考えられていたが、打錠時の重量バラツキが大きく、かつ錠剤硬度も低かった。
(比較例3)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスPH−200(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度230、250μm篩に残留する粒子の割合が15.8質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが1,2、嵩密度が0.357g/cm、安息角が35°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)58.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠に用いる粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は32°、ゆるみ嵩密度は0.548g/cm、固め嵩密度は0.650g/cmであり、圧縮度は16%であった。また、引張破断伸度は6μm、通気時流動エネルギーは491mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は1μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.18倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.962であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.70%、錠剤の硬度は55N、錠剤の硬度低下率は16%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、実施例1〜3の粉体よりも安息角が小さく、圧縮度が小さいため、流動性が良い粉体と考えられていたが、打錠時の重量バラツキが大きく、かつ錠剤硬度も低かった。
(比較例4)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスPH−302(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度140、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが1.3、嵩密度が0.417g/cm、安息角が38°)47.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)47.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を0.40kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠に用いる粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は40°、ゆるみ嵩密度は0.541g/cm、固め嵩密度は0.671g/cmであり、圧縮度は19%であった。また、引張破断伸度は18μm、通気時流動エネルギーは383mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は18μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.27倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.973であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.73%、錠剤の硬度は65N、錠剤の硬度低下率は15%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、実施例1〜3の粉体よりも安息角が小さく、圧縮度が小さいため、流動性が良い粉体と考えられていたが、打錠時の重量バラツキが大きく、かつ錠剤硬度も低かった。
(比較例5)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)9.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)85.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠用粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は36°、ゆるみ嵩密度は0.636g/cm、固め嵩密度は0.761g/cmであり、圧縮度は16%であった。また、引張破断伸度は36μm、通気時流動エネルギーは392mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は54μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.31倍であるが、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.962であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.88%、錠剤の硬度は77N、錠剤の硬度低下率は17%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、実施例1〜3の粉体よりも安息角が小さく、圧縮度が小さいため、流動性が良い粉体と考えられていたが、打錠時の重量バラツキが大きく、かつ錠剤硬度も低かった。
(比較例6)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)81.0kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)16.0kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠用粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は48°、ゆるみ嵩密度は0.235g/cm、固め嵩密度は0.425g/cmであり、圧縮度は45%であった。また、引張破断伸度は103μm、通気時流動エネルギーは236mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は125μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.47倍であるが、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.955であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は1.02%、錠剤の硬度は133N、錠剤の硬度低下率は9%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、粉体の引張破断伸度が103μmと大きいため、粉体の一部が撹拌フィーダー部分で閉塞した。また、ホッパーで一部の粉体の詰まりが生じた。そのため重量バラツキが大きくなった。
(比較例7)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスPH−F20(商品名、旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度250、250μm篩に残留する粒子の割合が0質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが2.0、嵩密度が0.230g/cm、安息角が60°)19.0kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)76.0kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠用粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は41°、ゆるみ嵩密度は0.494g/cm、固め嵩密度は0.767g/cmであり、圧縮度は36%であった。また、引張破断伸度は187μm、通気時流動エネルギーは330mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は208μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.35倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.984であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用した場合に、圧密はされていた。
しかし、残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠したところ、途中、粉体がホッパー出口で閉塞し、打錠ができなくなる現象が見られた。閉塞を取り除きながら、連続運転ではないが、3時間打錠を行い、錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は1.13%、錠剤の硬度は81N、錠剤の硬度低下率は15%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、粉体の引張破断伸度が187μmと非常に大きいため、粉体が撹拌フィーダー部分で閉塞し、ホッパーで粉体の詰まりが生じた。そのため連続打錠が困難であり、重量バラツキも大きくなった。
(比較例8)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)55.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)16.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠用粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は49°、ゆるみ嵩密度は0.297g/cm、固め嵩密度は0.628g/cmであり、圧縮度は48%であった。また、引張破断伸度は18μm、通気時流動エネルギーは393mJであった。
この粉体の一部を用いて、実施例1と同様に、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、攪拌フィーダー通過後の粉体の引張破断伸度は21μm、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.48倍であるが、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.975であり、本粉体は、高速打錠時において、攪拌フィーダーを使用しても、充分に圧密されていなかった。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて実施例1と同様に3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.98%、錠剤の硬度は60N、錠剤の硬度低下率は13%であった。結果を表1に示す。
本例の粉体は、安息角、圧縮度が大きい上、引張破断伸度が小さく、通気時流動エネルギーが大きく動的な流動性も良好でないため、打錠時の重量バラツキが大きくなった。
(比較例9)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスKG−802(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度270、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが3.0、嵩密度が0.196g/cm、安息角が50°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)66.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠用粉体を得た。
こうして得られた打錠用粉体の安息角は42°、ゆるみ嵩密度は0.454g/cm、固め嵩密度は0.628g/cmであり、圧縮度は28%であった。また、引張破断伸度は45μm、通気時流動エネルギーは307mJであった。
この打錠用粉体の一部を用いて、攪拌フィーダーを用いずに、オープンフィーダーを使用して、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.15倍、「高速打錠時の嵩密度/低速打錠時の嵩密度」の比は0.947であり、本粉体は、攪拌フィーダーを使用せずに打錠を行うと、充分に圧密がされず、高速打錠時に充填性が悪化した。
残りの打錠用粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて、攪拌フィーダーによる圧密を行わず、オープンフィーダーを使用した以外は実施例と同じ条件で3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は1.21%、錠剤の硬度は98N、硬度低下率は11%であった。結果を表1に示す。
本例の錠剤は、実施例1と比較して重量バラツキが大きくなり、攪拌フィーダーによる圧密を与えながら打錠することが必要であることが分かった。
(比較例10)
セルロースとして結晶セルロース、セオラスPH−302(旭化成ケミカルズ(株)製、平均重合度140、250μm篩に残留する粒子の割合が1質量%、75μm以下の粒子の平均L/Dが1.3、嵩密度が0.417g/cm、安息角が38°)28.5kg、活性成分としてアセトアミノフェン((株)エーピーアイコーポレーション製)5.0kg、添加剤として造粒乳糖SUPER−TAB(旭化成ケミカルズ(株)販売)65.5kgをV型混合機(V−200、(株)徳寿製作所製)に投入し、回転数23rpmで30分間混合した。続いて滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(太平化学産業(株)製)を0.50kgをV型混合機に追加し、さらに23rpmで5分間混合し、打錠用の粉体を得た。
こうして得られた粉体の安息角は33°、ゆるみ嵩密度は0.629g/cm、固め嵩密度は0.729g/cmであり、圧縮度は14%であった。また、引張破断伸度は17μm、通気時流動エネルギーは415mJであった。
この粉体の一部を用いて、攪拌フィーダーを用いずに、オープンフィーダーを使用して、臼への充填密度、及び低速打錠時の充填密度を測定したところ、臼への充填密度はゆるみ嵩密度の1.10倍、「高速打錠時の充填密度/低速打錠時の充填密度」の比は0.945であり、本粉体は、攪拌フィーダーを使用せずに打錠を行うと、充分に圧密がされず、充填性が悪化した。
残りの粉体を用いて、回転式打錠機(LIBRA)を用いて、攪拌フィーダーによる圧密を行わず、オープンフィーダーを使用した以外は実施例と同じ条件で3時間連続打錠して錠剤を得て、錠剤の評価を実施した。錠剤の重量CV値の平均値は0.76%、錠剤の硬度は83N、硬度低下率は15%であった。結果を表1に示す。
本例の錠剤は、実施例1と比較して重量バラツキが大きく、錠剤硬度が低くなった。本発明の物性を持つ粉体を攪拌フィーダーで圧密を与えながら打錠することが、有効でることが分かった。
Figure 0004841564

Figure 0004841564
本発明の高速直接打錠による錠剤の製造方法は、重量バラツキが小さく、硬度の高い錠剤を得るために好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 少なくとも平均重合度が150〜450、250μm篩に残留する粒子の割合が10質量%以下、75μm以下の粒子の平均L/Dが2.0〜3.5、嵩密度が0.14〜0.25g/cm3、安息角が47〜55°の結晶セルロース20〜60質量%と活性成分(5/100.5)×100〜(15/100.5)×100質量%と滑沢剤とを含み、安息角が40〜47°、圧縮度が20%以上、引張破断伸度が30〜100μmである粉体を、打錠機に装着した攪拌フィーダーによって圧密化しながら杵の移動速度800mm/s以上で高速直接打錠することを特徴とする錠剤の製造方法。
  2. 前記粉体の通気時流動エネルギーが400mJ以下である請求項1記載の方法。
  3. 前記粉体の通気時流動エネルギーが350mJ以下である請求項2記載の方法。
  4. 前記粉体の圧縮度が20〜50%である請求項1記載の方法。
  5. 前記粉体の通気時流動エネルギーが100mJ以上である請求項2又は3記載の方法。
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