JP4841388B2 - 分離膜用アルミナ質基体管およびその製造方法 - Google Patents

分離膜用アルミナ質基体管およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルミナ及びゼオライトをはじめとする無機分離膜形成用アルミナ質基体管、及びその製造方法に関する。
近年、し尿処理施設や家畜糞尿施設からの廃水による水質汚染が問題となっている。これらの廃水の中には感染力に強い病原虫が存在しており、通常塩素により滅菌処理されるが、クリプトスポリジウムに代表される耐塩性病原性原虫は塩素では滅菌処理できずに水道水源水に混入し、嘔吐や下痢等といった集団感染症を引起す。そこで近年濾過設備による分離が注目されているが、従来の金属あるいは有機高分子などを用いた材料では、耐食性、耐熱性等の点で問題があり、近年セラミックフィルターが分離用フィルターとして注目されている。
一方、自動車の排出ガスに含まれるCOが地球温暖化の原因の一つとして挙げられる。排出されるCOを削減する目的で、バイオマスから精製されたアルコールをガソリンに添加することが勧められている。アルコールの精製は従来蒸留法が主流であったが、設備スペースや精製コストの問題から、小規模で精製コストが安価であるゼオライト膜を用いたPV法(パーベーパレーション法)が注目されており、ゼオライト膜を形成する基体管としてセラミックチューブが採用されている。
特許文献1及び特許文献2にはクリプトスポリジウムを対象とした水処理用中空糸型濾過膜モジュールが開示されているが、この中空糸型濾過膜モジュールに使用されるセラミックの細孔径は0.03μm〜4.0μmと非常に細孔径の幅が大きく、その細孔径も測定方法については開示しておらず、処理能力に重要な貫通気孔径について一切開示されていない。また中空糸膜モジュールは、濾過精度は高いが、高分子に代表されるプラスチック素材で構成されており、目詰まりが生じ、濾過精度が低下した場合に、耐食性及び耐久性の問題から薬品洗浄や逆圧洗浄ができず、廃棄せざるを得ないため、結果的に膜自体を交換する必要があり、コストの面で問題があった。
また、特許文献3にはゼオライト膜フィルター及びその製造方法について開示されているが、ゼオライト膜を形成する多孔質基盤が金属であるため、セラミックスよりコストが安いというメリットはあるが、透水能力が低いという欠点があった。また、基盤の孔径が0.2μm〜0.5mmと非常に幅広く、上記と同様に処理能力に重要な貫通気孔径について開示されていない。
特開2000−439号公報 特開2000−15062号公報 特開平11−42407号公報
本発明の目的は、安価なアルミナ原料粉体に添加剤を添加し、アルミナ、ゼオライト等の無機分離膜形成用アルミナの製造方法及びそれにより得られた無機分離膜形成用アルミナ質基体管を提供する点にある。
本発明者らは鋭意研究を重ねてきた結果、アルミナ質基体管の製造においてある特定の範囲内にあるAlSiO 、珪石、長石、粘土よりなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を用い、添加比、坏土のかたさ、気孔率、気孔径、表面粗さ等を制御することにより、分離膜用アルミナ質基体管として優れた特性を有することを見出して、ここに本発明を完成させたものである。また、本発明の分離膜用アルミナ質基体管は、高い透水能力並びに高い耐食性をも有するだけでなく、アルミナ、ゼオライト等の無機分離膜に対して、良好な製膜性及び濾過能力を実現させることを併せて見出したものである。
従来の技術では精密に整粒された電融アルミナを使用することが多いが、コストが高くなるという欠点があり、また高い透水量を有する基体管は、気孔径や気孔率が高い反面、基体管の表面の状態が悪く、製膜性に劣ったり、濾過を行う際に目詰まりが発生する等の欠点があった。しかしながら、本発明によれば、安価なアルミナ原料粉体を粉砕、分散させ、ある特定の範囲内の粒度分布に調整し、アルミナ純度をある特定の範囲内とした粉体を用いて、ある特定の範囲内の坏土かたさに調整することにより、気孔径及び気孔率が高く、基体管の表面が滑らかで、高い濾過能力を有する分離膜用アルミナ質基体管が得られるのである。
本発明でいう無機分離膜用アルミナ質基体管として優れた特性とは、高い気体透過性及び透水性を有し、曲げ強さ等の機械的特性に優れ、耐食性に優れることを言う。また、良好な製膜性とは製膜した膜表面にクラックやピンホールがなく、滑らかな表面状態を実現できることを言う。
すなわち、本発明の第1は、(a)Alの含有量が83〜94重量%、SiO の含有量が5〜14重量%、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物の含有量が1〜4重量%からなり、(b)バブルポイント法で測定した貫通モード径が0.3〜0.8μm、(c)最大細孔径が1〜2μm、(d)その気孔率が35%以上、(e)表面粗さが1.5μm以下であることを特徴とする分離膜用アルミナ質基体管に関する。
本発明の第2は、(f)外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmのチューブを用いて、25℃のイオン交換水を液圧1kgf/cmで透水させた時の純水透過流速が50m/m/day以上である請求項1記載の分離膜用アルミナ質基体管に関する。
本発明の第3は、Al含有量が99重量%以上であるアルミナ結晶粒子、SiO 、及び、珪石、長石、粘土よりなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を用いて、Al含有量を83〜94重量%となるように配合・混合し、平均粒子径が4〜12μm、粒度分布変動係数が40〜60の範囲になるように粉砕・乾燥し、ついで少なくともバインダー及び水を添加し、場合によっては気孔形成剤を添加し、ゴム硬度計による坏土のかたさが30〜60の範囲になるように混合・混練し、押出成形した後1200〜1500℃で焼成することを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の分離膜用アルミナ質基体管の製造方法に関する。
以下に本発明の分離膜用アルミナ質基体管が充足すべき各要件について詳細に説明する。
(a)Alが83〜94重量%を含有している点について
本発明の分離膜用アルミナ質基体管においては、Alを83〜94重量%、好ましくは85〜92重量%含有していることが必要である。Al含有量が83重量%未満の場合は、アルミナ結晶粒子界面にガラス相が多くなったり、第2相が析出しやすくなり、機械的特性や耐食性の低下をきたすので好ましくない。Al含有量が94重量%を超えるとAl以外の成分量が少なくなり、アルミナ結晶粒子界面のガラス相の量が少なくなって焼結性が低下し、曲げ強さなどの機械的特性の低下原因となるので好ましくない。
尚、本発明においてはSiOの含有量(ホ)が5〜14重量%、とくに6〜12重量%であることが好ましい。またアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物(珪石、長石、粘土などが、この供給源である)の含有量(へ)が1〜4重量%であることが好ましい。SiO含有量が5%未満の場合は、SiOとアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物が反応して形成するガラス相量が低下し、焼結性が低下するため好ましくない。SiO含有量が14重量%を超える場合は、上記Alの含有量が低下し、耐食性が低下するため好ましくない。また、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物量が1重量%を下回ると、SiOと形成するガラス相量が低下するため好ましくなく、4重量%を超える場合は逆にガラス相量が増加し、Alの結晶粒界のガラス相量が多くなり、気孔を消滅させてしまうため、気孔径が小さくなったり、透水量が低下するため好ましくなく、また耐食性の低下につながるため好ましくない。
(b)バブルポイント法(ASTM F 316−70に準拠)で測定した貫通モード径が0.3〜0.8μmである点について
本発明の分離膜用アルミナ質基体管においては、バブルポイント法で測定した貫通モード径が0.3〜0.8μm、好ましくは0.5〜0.8μmであることが必要である。なお、貫通モード径とは、貫通している気孔径の中の最大頻度径を指す。本発明においては、ASTM F316−70に準拠し、媒体としてフッ素系不活性溶液を用いて測定する。バブルポイント法で測定した貫通モード径が0.3μm以下の場合は、フィルターとしての濾過精度は向上するが、透水量の低下をきたすので好ましくない。また0.8μmを超える場合は、透水量が向上する反面、気孔径の増大に伴い、基体管表面が粗くなったり、曲げ強さなどの機械的特性に低下をきたすので好ましくない。
(c)最大細孔径が1〜2μm以下である点について
本発明の分離膜用アルミナ質基体管においては、最大細孔径が1〜2μm以下、好ましくは1〜1.5μmである。最大細孔径が2μmを超える場合は、透水量は高くなるが、濾過精度の低下をきたし、濾過による浄化や分離が不十分となるので、好ましくない。また1μm以下の場合は、気孔径分布が狭くなり、濾過精度は向上するが、透水量が低下するため好ましくない。
尚、本発明の分離膜用アルミナ質基体管においては、水銀圧入法によるメジアン径(g)が1〜3μm、とくに1.5〜2.5μmであることが好ましい。水銀圧入法で測定される気孔径は貫通気孔径や閉気孔等の様々な気孔であるが、本発明では、水銀圧入法で測定される気孔径は下記に示す表面粗さと同様に、基体管の表面に膜をコーティングする際の重要な因子となる。例えばゼオライト膜を水熱合成する際には、水熱合成前にゼオライトの種結晶を基体管表面に塗布するが、水銀圧入法による気孔径が1〜3μmであると、この種結晶を均一に基体管表面に担持させることができ、均一な製膜が可能となる。
本発明の分離膜用アルミナ質基体管において、水銀圧入法により測定した気孔径が1μm未満の場合は、製膜時の種結晶が均一に塗布されず、膜厚の不均一性が生じるので好ましくない。また、3μmを越える場合、基体管表面の気孔に種結晶が入りすぎてしまい、製膜後の膜の不均一性の低下や、膜表面にピンホールの発生などが起こるので好ましくない。
尚、水銀圧入法はJIS R 1655に準拠するが、測定条件の規定はなく、試料室にサンプルを入れて、水銀を気孔の中に入れていき、水銀が入ったときの圧力から気孔径を計算するものである。
(d)気孔率が35%以上である点について
本発明の分離膜用アルミナ質基体管において、セラミックフィルターとしての気孔率が35%以上、好ましくは40%以上であることが必要である。気孔率が35%以下の場合は、貫通気孔量が低下し、透水能力が低下するので好ましくない。尚、気孔率の測定はアルキメデス法(JIS R 1634に準拠)により行う。気孔率の上限は60%程度である。
(e)表面粗さが1.5μm以下である点について
本発明の分離膜用アルミナ質基体管において、セラミックフィルターの表面粗さが、1.5μm以下、好ましくは1.2μm以下であることが必要である。本発明においては、表面粗さはJIS B 0601−1994に準拠し、レーザー顕微鏡を用いて測定する。従来の表面粗さは線上表面の粗さを計測した度数であるが、本発明で言う表面粗さとは、100μm×100μmの面積の表面粗さを求めたものである。これにより、線上の表面粗さよりも、測定領域を広げることにより、より正確な表面粗さを求めることができる。また、表面粗さは基体管の表面の滑らかを示す度数であるが、本発明では、表面粗さが、基体管への製膜性や濾過精度に影響を与える。例えば上記のゼオライト膜の他に、アルミナ等の膜を形成させる場合に、アルミナ粉体を分散させたスラリーをディップコーティングするが、基体管表面の表面粗さを適切な範囲内にすることで、ピンホール等の欠陥がなく、均一で密着性の高い膜を形成することができる。表面粗さが1.5μmを超える場合は、基体管表面の凹凸が大きくなり、製膜性の低下、目詰まりの原因や濾過精度が低下するため好ましくない。下限は0.3μm程度である。
(f)外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmのチューブを用いて、25℃のイオン交換水を液圧1kgf/cmで透水させた時の純水透過流速が50m/m/day以上である点について
本発明において、外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmのチューブを用いて、25℃のイオン交換水を液圧1kgf/cmで透水させた時の純水透過流速が50m/m/day以上、好ましくは60m/m/day以上有することが必要である。純水透過流速が50m/m/day未満の場合は、透水能力が低くなり、好ましくない。
尚、本発明では純水透過流速は外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmのチューブをサンプルに用いて、25℃のイオン交換水により1kgf/cmの液圧をかけた時の時間当たりの透水量とチューブの表面積から下式より求めたものである。
Figure 0004841388
本発明の分離膜用アルミナ質基体管の曲げ強さ(h)は50〜100MPa、特に55〜90MPaであることが好ましい。曲げ強さの測定はスパン:70mm、クロスヘッドスピード:0.5mm/min.の条件で下式により求めたものである。
Figure 0004841388
本発明の分離膜用アルミナ質基体管の製造方法について以下に説明する。
本発明では、純度99重量%以上、好ましくは99.5重量%以上であるAl原料を用いる。尚、広い気孔径分布や粉砕・分散工程での不純物の混入を考えると、用いる粉体の平均粒子径(ト)が5〜15μm、好ましくは7〜13μmのアルミナ粉体を用いるのがよい。このAlはバイヤー法等で製造された原料粉体を用いることができる。バイヤー法で製造されたAl原料は、従来使用されている電融アルミナよりもコストが安いため好ましい。Al純度が99重量%未満の場合は、アルミナフィルターに含有する不純物量が多くなり、耐食性等に低下をきたすため好ましくない。平均粒子径が5μm未満の場合は、粉砕・分散後の粒度分布が狭くなり、広い気孔径分布が得られなくなるため好ましくない。また15μmを超える場合には、所定の粉砕・分散時間が長くなり、結果的に粉砕機からの摩耗粉の混入により不純物量が増加するため好ましくない。
焼成工程でガラス相を形成する成分は、珪石、長石、粘土等の原料粉体の形態で添加する。これらの原料粉体の平均粒子径は0.5〜5μm、好ましくは0.5〜3μmであることが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満の場合は、粉体粒子同士の凝集が強くなり、均一に分散し難くなるので好ましくなく、5μmを超える場合は焼成工程におけるガラス相の均一分散性が低下し、機械的特性に低下をきたすので好ましくない。
以上の原料を用いて所定の組成となるように配合し、湿式でボールミルやアトリッションミル等を用い、水または有機溶媒で粉砕・分散を行う。コスト等を考慮すると、用いる溶媒は水が好ましい。粉砕・分散後の平均粒子径及び粒度分布は粉砕・分散時の粉体濃度、使用するボール径や処理時間の調整によりコントロールする。尚、粉砕・分散後の平均粒子径は4〜12μm、好ましくは6〜10μmである。平均粒子径が4μm未満の場合は、焼結性が向上し、基体管が緻密化するため、気孔径が小さくなり、広い気孔径分布が得られなくなるので好ましくなく、12μmを超える場合は平均気孔径や最大細孔径が大きくなり、機械的に低下をきたすので好ましくない。
本発明の製造方法においては、原料を配合、混合、粉砕、乾燥した後の粒度分布変動係数が40〜60、好ましくは45〜60であることが必要である。粒度分布変動係数は粒度の頻度分布を算術平均した値である平均粒子径に対する粒度分布の広がり具合を示す数値で、この値が大きいほど分布の広がりが大きいことを示す。
Figure 0004841388
粒度分布変動係数が40未満の場合は、粒度分布がシャープであるため、気孔径分布がシャープとなり濾過精度は向上するが、透水量が低下するため好ましくなく、60を超える場合には気孔径分布が広がりすぎるため好ましくない。また場合よっては、粗い粉体と細かい粉体を混合して粒度分布変動係数をコントロールしてもよい。
本発明においては、成形用坏土のかたさがゴム硬度計(JIS S 6050準拠)による数値で30〜60、好ましくは30〜50であることが必要である。坏土のかたさが30未満の場合は、坏土が軟らかくなりすぎて、成形性に劣るため好ましくない。また坏土のかたさが60を超える場合は、成形機への負荷が大きく、スムーズな押出成形が困難となり、表面粗さが大きくなるため好ましくない。坏土のかたさはバインダー及び水、場合によっては気孔形成剤の添加量により調整する。
貫通気孔径の制御は、原料粒度、焼成温度で制御することができるが、場合によっては気孔形成剤を添加して制御する。使用する気孔形成剤は、アクリル樹脂、多糖類粉体、セルロース等を用いることができ、これらの気孔形成剤の平均粒子径は5〜30μmであることが好ましい。
得られた粉砕・分散スラリーを乾燥し、整粒した後、押出成形用バインダー(CMC、PVA、ワックスエマルション等の公知のバインダーが使用できる)と水、場合によっては気孔形成剤を添加し、混合、混練することにより成形用坏土を得る。成形用坏土を用いて所定の形状になるように押出成形をする。
得られた成形体は大気中1200〜1500℃、好ましくは1250〜1450℃で焼成する。焼成温度が1200℃未満の場合は、焼結が不十分なため機械的特性が低くなり好ましくない。1500℃を超える場合は焼結が進みすぎて気孔量が小さくなり、気孔率、透水量が低下するため好ましくない。
本発明の分離膜用アルミナ質基体管は、粗粒のアルミナ原料を使用しても、表面状態が滑らかであるため、製膜性に優れ、アルミナ及びゼオライトといった無機分離膜用基体管として、機械的特性、透水量、濾過能力に優れ、従来の基体管よりも安価であるという特徴を有している。また、本発明の分離膜用アルミナ質基体管は、被濾過物が基体管の気孔径よりも大きい場合、基体管そのものをフィルターとして適用することができる。また、アルコールなどの脱水に用いるときは、本発明の基体管にゼオライト膜を表面に形成して使用し、被濾過物が本発明の基体管の気孔径よりも小さい場合は、本発明の基体管表面にアルミナなどの無機膜を形成して使用する。
以上のことから、本発明の分離膜用アルミナ質基体管は、様々な被濾過物に広く対応可能である。
以下、実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜6
純度が99.6重量%のアルミナ原料粉体に、珪石、長石及び粘土を用いてSiO含有量が表1の組成となるように配合し、水を用いて湿式で粉砕・分散させ、乾燥した。乾燥した粉体の平均粒子径及び粒度分布変動係数を表1に示す。尚、実施例5は細かい原料と粗い原料を粉砕・分散後に1:1の比率で混合したもので、比較例5には細かい原料と粗い原料を2:8の比率で混合したものである。また、比較例6には従来の整粒された電融アルミナを使用した。これらの粉体にバインダーとしてメチルセルロースと水とを混合・混練し、押出成形用の坏土を得た。得られた坏土はゴム硬度計(株式会社テクロック製 GS−701N)にて、かたさを測定した。測定結果を表1に示す。作製した押出成形用坏土を用いて、チューブを押出成形し、得られた成形体を1180〜1620℃で焼成して、外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmの基体管を得た。
得られた基体管の特性を表2に示す。
Figure 0004841388
Figure 0004841388
実施例1〜6は本発明の請求範囲内の基体管であり、アルミナ及びゼオライトといった無機膜用基体管や水処理用とフィルターとして高い透水性能を有していることは明らかである。一方、比較例1〜6は本発明の条件を少なくとも一つ以上満たしていない基体管であり、そのため透水能力が低いものや、基体管表面が粗いものがある。
気孔率はアルキメデス法(JIS R 1634に準拠)により、気孔径はバブルポイント法(JIS K 3832に準拠)により測定した。純水透過流速は外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmのチューブをサンプルに用いて、25℃のイオン交換水により、1kgf/cmの液圧をかけた時の時間当たりの透水量とチューブの表面積から下式より求めた。
Figure 0004841388
表面粗さはJIS B 0601−1994に準拠し、超深度カラー3D測定形状顕微鏡(株式会社キーエンス製 VK−9500)により100μm×100μmの表面粗さを測定した。

Claims (3)

  1. (a)Alの含有量が83〜94重量%、SiO の含有量が5〜14重量%、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物の含有量が1〜4重量%からなり、
    (b)バブルポイント法で測定した貫通モード径が0.3〜0.8μm、(c)最大細孔径が1〜2μm、(d)その気孔率が35%以上、(e)表面粗さが1.5μm以下であることを特徴とする分離膜用アルミナ質基体管。
  2. (f)外径Φ12mm、内径Φ9mm、長さ100mmのチューブを用いて、25℃のイオン交換水を液圧1kgf/cmで透水させた時の純水透過流速が50m/m/day以上である請求項1記載の分離膜用アルミナ質基体管。
  3. Al含有量が99重量%以上であるアルミナ結晶粒子、SiO 、及び、珪石、長石、粘土よりなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を用いて、Al含有量を83〜94重量%となるように配合・混合し、平均粒子径(イ)が4〜12μm、粒度分布変動係数(ロ)が40〜60の範囲になるように粉砕・乾燥し、ついで少なくともバインダー及び水を添加し、ゴム硬度計による坏土のかたさ(ハ)が30〜60の範囲になるように混合・混練し、これを押出成形した後、焼成温度(ニ)1200〜1500℃で焼成することを特徴とする請求項1又は2に記載の分離膜用アルミナ質基体管の製造方法。
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