JP7381319B2 - 製膜性及び濾過分離特性に優れたアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルター - Google Patents

製膜性及び濾過分離特性に優れたアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルター Download PDF

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Description

本発明は、製膜性及び濾過分離特性に優れたアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルター、並びにその製造方法に関する。
近年、環境問題が深刻化し、上下水道の水処理や有毒性の有機溶剤の処理に色々な方法が採用されている。しかし何れもコストがかかり、特に従来の有機膜による濾過分離は、有機膜の水等による膨潤や腐食による濾過性能の低下等で寿命が短く、交換頻度が高くなり、結果的にコスト増につながっている。一方、環境問題の点からバイオマスアルコールの使用により、地球温暖化の原因の一つであるCO排出量の低減などが積極的に進められている。しかしながら、現在のバイオマスアルコールの精製は蒸留法が主流であり、設備スペースやコストの点からゼオライト膜を用いたセラミックフィルターを積極的に採用する動きはあるものの、コスト等の点から広く採用されるまでには至っていない。
特許文献1には、アルミナ質基体管にアルミナ膜を製膜して膜の気孔径などを制御し、濾過精度及び濾過能力を向上させることが開示されているが、具体的にどのような特性の基体管が必要なのかについては全く記載されていない。アルミナ膜を製膜してフィルターとしたときの濾過性能は膜特性だけでは決まらず、アルミナ膜で分離した液体や気体を効率よく外部に排出できるかどうかは基体管特性によるところが非常に大きい。
特許文献2には、無機分離膜形成用のアルミナ質基体管が開示されており、貫通気孔径や気孔率を制御することも開示されている。しかし、濾過分離性能の向上には製膜性等の種々の特性も関係するにも拘わらず、前記二つの特性以外の記載は見当たらない。
特開2007-283219号公報 特開2008-094664号公報
本発明は、容易に入手できる安価なアルミナ原料粉体と焼結助剤を使用し、粉砕・分散スラリー中の粒子の平均粒子径や粒度分布を制御することにより得られる製膜性及び濾過分離特性に優れたアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルター、並びにその製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、アルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜する場合、単に基体管の気孔率や濾過分離能力(純水透過流速等の処理能力)が高ければ良いという訳ではなく、基体管の各部分が均一で安定した濾過分離能力を有しないと、製膜後のフィルターを用いて濾過分離した場合の濾過分離抵抗が安定性を欠くため、安定な濾過分離性能を有するフィルターが得られないことを見出した。また、気孔径分布がシャープであれば基体管表面に製膜した無機濾過分離膜の膜厚及び膜孔径を均一にできるので、優れた濾過分離性能を有するフィルターが得られるが、そのためには基体管の組成及び貫通気孔径分布を高精度にコントロールする必要があることも見出した。そして更に検討した結果、従来濾過分離性能として殆ど指摘されていなかった濾過分離能力の圧力依存性及び短時間で濾過分離量を安定にさせるという機能を付与することにより、無機濾過分離膜の製膜性を向上させ膜本来の特性を生かせるアルミナ質基体管を得ることに成功し、該気体管表面に無機濾過分離膜を製膜した高機能のフィルターとその製造方法の提供を実現した。
即ち、上記課題は次の(1)~(2)の発明によって解決される。
(1) 次の要件a)~i)を満たすアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したことを特徴とするフィルター。
a)アルミナ含有量が83.0~94.0重量%
b)シリカ含有量が5.0~14.0重量%、
アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量が1.0~3.5重量%、
シリカ含有量と、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量の比が
2.0~6.0
c)気孔率が30~50%
d)バブルポイント法による貫通気孔のモード径が0.20~0.60μm
e)バブルポイント法で測定した最大貫通気孔径/モード径が5.0以下、
かつ、最小貫通気孔径/モード径が0.5以上
f)基体管断面における直径30~80μmの粗大気孔が5個/mm以下
g)液圧0.1MPaで透水させた時の純水透過流束が30~60m/m/day
h)純水透過流束に対する液圧依存係数が500以下
i)純水透過流束が安定するまでの時間が30秒以下
(2) アルミナ原料粉体と焼結助剤を、次の要件a)~b)を満たすように配合・混合し、
a)アルミナ含有量が83.0~94.0重量%、
b)シリカ含有量が5.0~14.0重量%、
アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量が1.0~3.5重量%、
シリカ含有量と、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量の比が
2.0~6.0
更に、水を溶媒として粉砕・分散して次の要件イ)~ロ)を満たすスラリーとし、
イ)スラリー中の粒子の平均粒子径が3.0~5.0μm
ロ)スラリー中の粒子の粒度分布から求められる粒子径の累積が90%の時の粒子径
(D90)と、累積が10%の時の粒子径(D10)の差が5.0以下
前記スラリーを乾燥して得た粉体を成形した後、1250~1500℃で焼成してアルミナ質基体管を作製し、該基体管表面に無機濾過分離膜を製膜することを特徴とする(1)記載のフィルターの製造方法。
本発明によれば、容易に入手できる安価なアルミナ原料粉体と焼結助剤を使用し、粉砕・分散スラリー中の粒子の平均粒子径や粒度分布を制御することにより得られる製膜性及び濾過分離特性に優れたアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルター、並びにその製造方法を提供できる。また、液体系の濾過分離フィルターとして用いることもでき、産業上非常に有用である。
以下、上記本発明について詳しく説明する。

・要件a)について
本発明ではアルミナ含有量を83.0~94.0重量%とする必要がある。好ましくは85.0~92.0重量%である。
含有量が83.0重量%未満では、焼結助剤として添加するシリカやアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の含有量が増加し、ガラス相が多く形成されるため焼結体密度が焼成温度に敏感となり、気孔率及び気孔径の制御が難しくなると共に気孔径分布が広くなってしまう。また、アルミナ結晶粒子界面にガラス相及び/又は第2相が多く形成されるため、機械的特性や耐食性の低下をきたし、安定した濾過分離特性が得られない。
一方、含有量が94.0重量%を越えると、アルミナ以外のガラス相を形成する材料であるシリカやアルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物の含有量が少なくなるため、アルミナ結晶粒子界面のガラス相の量が少なくなり焼結性が低下する。そのため所定の気孔率にするには焼成温度を高くする必要があるが、ガラス相が少ないため気孔率及び気孔径を制御し難くなり、得られたアルミナ質基体管の気孔径分布が広くなったり、液圧依存係数や純水透過流束が規定の範囲に制御できず、また、アルミナ結晶同士の結合強度が低下して機械的特性が低下する。
・要件b)について
本発明ではシリカ含有量を5.0~14.0重量%とする。好ましくは5.0~11.0重量%である。シリカ含有量が5.0重量%未満では、形成されるガラス相量が少なくなり、焼結性が低下するし、気孔径も制御できない。一方、14.0重量%を越えると、ガラス相量が多くなり焼成温度に敏感となって、気孔率及び気孔径の制御が難しくなるため、気孔径分布が広くなってしまう。
またアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量を1.0~3.5重量%とする。好ましくは1.0~3.0重量%である。前記酸化物含有量が1.0重量%未満では、焼成時のガラス相が形成され難くなり、気孔径分布が制御できない。一方、前記酸化物含有量が3.5重量%を越えると、形成されるガラス相の粘性が適正化できず、やはり気孔径分布が制御できない。
上記シリカやアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物は、珪石、長石、粘土の形態で添加すると均一分散性が高くなり、その結果、シャープな気孔径分布が得られる。
更にシリカ含有量と、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量の比を、2.0~6.0とする。好ましくは2.5~5.5である。前記比が2.0未満の場合、シリカ含有量に対してアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物量が多くなるため焼成過程において低温域でガラス相を形成し易くなり、また形成されるガラス相の粘性も低くなるため、気孔径分布が広くなったりして気孔径を制御し難くなる。一方、前記比が6.0を越えると、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量に対してシリカ含有量が多くなるため、ガラス相が形成される温度域が高くなってガラス相の量及び粘性が適正化されず、気孔径分布の制御が難しくなる。
・要件c)について
本発明では気孔率を30~50%とする必要がある。好ましくは35~45%である。気孔率が30%未満では貫通気孔量が低下し濾過分離能力の低下をきたす。一方、気孔率が50%を越えると粗大気孔が増加し易くなり、機械的特性の低下やアルミナ質基体管表面への無機濾過分離膜の製膜性の低下をきたし、均一な膜を製膜し難くなって、フィルターとしての濾過分離能力が低下する。
なお、気孔率の測定はアルキメデス法(JIS R 1634に準拠)で行う。
・要件d)について
本発明ではバブルポイント法で測定した貫通気孔のモード径を0.20~0.60μmとする必要がある。好ましくは0.30~0.50μmである。前記モード径が0.20μm未満では、製膜後のフィルターとしての濾過分離サイズは小さくなるが、濾過分離能力の低下をきたす。一方、前記モード径が0.60μmを越えると、濾過分離能力は向上するが、アルミナ質基体管表面に製膜した無機濾過分離膜の均一性が低下し、その結果、フィルターの濾過分離性能にバラツキが生じる。
なお、上記モード径は、ASTM F316-70に準拠し、媒体としてフッ素系不活性溶液を用いて測定する。
・要件e)について
本発明では、バブルポイント法で測定した最大貫通気孔径、最小貫通気孔径、及び貫通気孔のモード径について、最大貫通気孔径/モード径が5.0以下、かつ、最小貫通気孔径/モード径が0.5以上とする必要がある。最大貫通気孔径/モード径は、好ましくは4.0以下であり、最小貫通気孔径/モード径は、好ましくは0.6以上である。最大貫通気孔径/モード径が5.0を越える場合及び/又は最小貫通気孔径/モード径が0.5未満の場合は、貫通気孔径分布が広いことになり、製膜した後の膜の貫通気孔径が大きい箇所と小さい箇所で膜厚や膜密度にバラツキが生じ、結果的にフィルターの各部分での濾過分離能力にバラツキが生じて、目的とする濾過分離能力を得ることができない。なお、本発明のような安価な原料粉体を用いて粉砕・分散スラリー中の粒子の平均粒子径や粒度分布を制御する方法では、最大貫通気孔径/モード径の下限は2.0、最小貫通気孔径/モード径の上限は0.9程度である。
・要件f)について
本発明では、基体管断面における直径30~80μmの粗大気孔を5個/mm以下とする必要がある。更に20~80μmの粗大気孔が5個/mm以下であることが好ましく、3個/mm以下であることがより好ましい。
基体管断面に粗大気孔があるということは、製膜する基体管表面にも同程度の粗大気孔が存在することになり、無機濾過分離膜を製膜した際に粗大気孔がある部分と無い部分で膜厚が変化し、フィルターの各部で濾過分離能力にバラツキが発生し易くなり、濾過分離能力の安定性を欠くことになる。
なお、基体管表面は焼成したままの表面状態のため、直接走査電子顕微鏡で観察しても粗大気孔が明確に観察できない。そこで、基体管断面を研磨して鏡面仕上げを行った後、走査電子顕微鏡により500倍の倍率で観察して写真撮影し、画像面積1mm×1mmにおける20~80μm又は30~80μmの粗大気孔の数を計測する。
・要件g)について
本発明では、液圧0.1MPaで透水させた時の純水透過流束を30~60m/m/dayとする必要がある。好ましくは35~55m/m/dayである。純水透過流束が30m/m/day未満では濾過分離能力が低下し、フィルターとしての能力を発揮できない。一方、純水透過流束が60m/m/dayを越えると、気孔率が高くなったり、気孔径が大きくなったり、気孔径分布が広くなったりし易く、フィルターとしての濾過分離性能が低下する。また、気孔径が大きくなったり気孔径分布が広くなると、アルミナ質基体管表面に製膜した膜の均一性が低下するため、無機濾過分離膜の性能が低下する。
上記純水透過流束は、外径φ12mm、内径φ9mm、長さ100mmの基体管をサンプルとして用い、25℃のイオン交換水により0.1MPaの液圧を掛けた時の時間当たりの透水量と基体管の表面積に基づいて、下式により求めることができる。
Figure 0007381319000001
・要件h)について
本発明では純水透過流束に対する液圧依存係数を500以下とする必要がある。好ましくは480以下である。液圧依存係数が500を越えると、アルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルターで液体を濾過分離した場合に、濾過分離に要する液圧が高くなり、フィルターへの応力負荷が大きくなって、安定した濾過分離ができなくなったり、破損の原因になったりする。本発明で用いるアルミナ質基体管における液圧依存係数の下限は、技術的に400程度である。
なお、純水透過流束に対する液圧依存性は、基体管に25℃のイオン交換水を用いて液圧0.015~0.1MPaを掛けた時に次式から得られるaの値(液圧依存係数)により評価した。式中のLは純水透過流束、Pは液圧、aは式の傾きである。

L(m/m/day)=a×P(MPa)+b
・要件i)について
本発明では純水透過流束が安定するまでの時間を30秒以下とする必要がある。好ましくは25秒以下である。前記時間が30秒を越えると、フィルターを断続運転する際に、濾過分離能力が安定するまでの時間が長いため、結果として短時間運転の安定性が低下する。なお、本発明においては技術的に15秒が下限である。
また、純水透過流束が安定するまでの時間とは、前述した純水透過流束を求める方法と同じ方法で、液圧0.1MPaで透水させた時に時間当たりの透水量が一定になるまでの時間(秒)である。
アルミナ質基体管の気孔率や貫通気孔のモード径の大きさが規定値内であっても気孔分布が広いと、前記液圧依存係数及び純水透過流束が安定するまでの時間が大きく変化し、規定範囲内にすることができない。これらの数値が規定範囲外の場合、無機濾過分離膜の製膜に適した気孔径及び気孔径分布を有する基体管が得られず、基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したフィルターの特性に大きく影響し、気孔径が大きい部分と小さい部分とで膜厚のバラツキが大きくなり、膜厚が厚い部分の濾過分離抵抗が大きくなる。その結果、膜厚の厚い部分が濾過分離能力の律速となるため、フィルターとしての純水透過流束が、基体管のみの場合に比べて大幅に低下したり、膜の均一性の低下に伴い濾過分離精度の低下が生じる。
本発明で用いるアルミナ質基体管は以下に示す方法で製造できる。
製造に際しては、原料粉体を粉砕・分散したスラリー中の粒子の粒度分布を精密に制御することにより貫通気孔のモード径が特定の範囲になるようにすること、及び最大貫通気孔径と最小貫通気孔径をモード径に対して特定の範囲内に制御することにより貫通気孔径分布をシャープにすることが重要である。これにより、高い濾過分離能力に加えて、従来は濾過分離特性として殆ど指摘されていなかった濾過分離能力の圧力依存性及び短時間で濾過分離量を安定にさせるという特性を付与することができる。その結果、優れた製膜性及び濾過分離特性を有するアルミナ質基体管が得られる。
本発明で用いるアルミナ質基体管の製造では、アルミナ原料粉体として、アルミナ含有量が好ましくは99重量%以上、より好ましくは99.5重量%以上で、平均粒子径が好ましくは4~7μm、より好ましくは5~7μmのものを用いる。原料粉体としては種々の製法で製造されたものを使用できるが、バイヤー法によるものが安価で好ましい。アルミナ含有量が99重量%未満では基体管が含有する不純物量が多くなり、アルミナ結晶粒界に形成されるガラス相及び/又は第2相が多くなって、基体管の機械的特性等の低下を招き易い。また、平均粒子径が4μm未満では焼結性が高くなるため、焼結体密度が焼成温度に敏感となり、気孔率及び気孔径を制御し難くなり易い。一方、平均粒子径が7μmを越えると粉砕・分散し難くなり、ひいては焼成した基体管の気孔径が大きくなり易い。
また、焼結助剤として添加するシリカ、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物は、珪石、長石、粘土等からなる粉体として添加する方がアルミナ原料粉体中に分散・混合し易いため好ましい。焼結助剤粉体の平均粒子径は好ましくは0.5~5μm、より好ましくは0.5~3μmである。平均粒子径が0.5μm未満では分散し難く、アルミナ原料粉体中に均一に混合し難くなるし、5μmを越えるとアルミナ結晶粒界に形成されるガラス相の組成の均一性が低下すると共にガラス相の均一性も低下し易い。
以上の原料を所定の組成になるように配合・混合し、湿式でポットミルやアトリッションミル等により、水を溶媒として粉砕・分散してスラリーとする。スラリー中の粒子の平均粒子径及び粒度分布は、粉砕・分散時の粉体濃度、分散剤の種類及び添加量、使用するボールサイズ及び充填量、処理時間を調整してコントロールする。
スラリー中の粒子の平均粒子径は3.0~5.0μm、好ましくは3.5~4.5μmとする。平均粒子径が3.0μm未満では焼結性が高くなり、形成される気孔径が小さくなり過ぎる。一方、平均粒子径が5.0μmを越えると粒子径分布が広くなり、粗大気孔が多くなったり気孔径分布が広くなったりして、濾過分離特性の低下につながる。なお、本発明のような安価な原料粉体を用いて粉砕・分散スラリー中の粒子の平均粒子径や粒度分布を制御する方法では3.0μm程度が下限である。
上記平均粒子径は体積基準で粒度分析を行って累積が50%になった時の粒子径であるが、粒度分析の測定にはマイクロトラックベル社(旧日機装社)製のマイクロトラック MT3000を使用する。
また、スラリー中の粒子の粒度分布も、貫通気孔径及びその分布を制御する上で重要であり、粒子径の累積が90%の時の粒子径(D90)と、10%の時の粒子径(D10)との差(D90-D10)を5.0以下とする必要がある。この差が5.0を越えると粒子径分布が広くなり充填性が向上するので、得られるアルミナ基体管の貫通気孔のモード径は本発明の範囲内にできるが、十分に焼結しないため閉気孔として粗大気孔が残り易くなる。
本発明で用いるアルミナ質基体管は、上記スラリーを用いて種々の方法で成形した後、得られた成形体を焼成することにより作製できる。
例えば押出成形を採用する場合は、前記スラリーを乾燥・整粒し、これに公知の押出成形用バインダー(カルボキシルメチルセルロース、ワックスエマルジョン等)と水を加えて混合し、土練をして成形坏土とした後、所定の形状になるように成形する。
また、プレス成形を採用する場合は、前記スラリーに公知のバインダー(ワックスエマルジョン、PVA、アクリル樹脂等)を添加し、スプレードライヤーで乾燥させて成形用粉体を作製し、型を用いて成形する。
なお、従来は気孔を形成するためバインダーと一緒に気孔形成剤を添加しているが、本発明では気孔形成剤を添加すると気孔径サイズが大きくなったり気孔径分布が広くなってしまうので添加しない。
成形体の焼成温度は1250~1500℃、好ましくは1280~1400℃である。焼成温度が1250℃未満では、形成されるガラス相量が少なくなったり、粘性が適正でなくなるため気孔径分布の制御が難しい。一方、1500℃を越えると、焼結が進んで気孔率が低下したり気孔径が小さくなったりして気孔径分布が広くなり易い。
上記アルミナ質基体管表面に製膜する無機濾過分離膜の材料は特に限定されず、公知のものを適宜使用できるが、アルミナ、シリカ、ゼオライト等のセラミックが好ましい。
中でもアルミナが好ましく、アルミナ膜を製膜することにより液体系の濾過分離フィルターとしても使用できる。製膜に用いるアルミナ原料粉体は純度が99.0重量%以上、平均粒子径が0.5~1.5μmのものが好ましい。
製膜に際しては、所定のアルミナ原料粉体をポットミルやアトリッションミルなどにより水で粉砕・分散してスラリーとする。膜厚及び膜密度は、粉砕・分散条件を適宜選定すると共に、スラリー中のアルミナ原料粉体と水の重量比を30:70~70:30とすることにより調整できる。次いでスラリーを基体管にコーティングした後、焼成する。スラリーは成形した焼成前の基体管にコーティングしてもよいが、予め成形体を所定の温度で焼成した基体管にコーティングする方が均一な膜が製膜できる。焼成温度はコーティング用のスラリーの粒度に応じて設定するが、1200~1450℃が好ましい。なお、焼成後の基体管にコーティングする場合は、基体管を焼成した温度よりも低温で焼成しないと、基体管の収縮の影響により焼成後の膜にクラック等の欠陥が発生し易い。
無機濾過分離膜の膜厚は、同じスラリーを用いて同じ時間コーティングしても、基体管特性により大きく変化する。基体管特性を規定範囲内にすることにより適正な膜厚にコントロールすることが容易となる。なお、膜厚が厚いと膜の抵抗が大きくなって濾過分離能力の低下につながるので20μm以下にすることが望ましい。膜厚の下限は10μm程度である。10μmよりも薄いと膜の厚さの差による貫通気孔径のバラツキが大きくなり、濾過分離性能のバラツキが大きくなる。
シリカ、ゼオライト等を用いる場合には、それぞれに対応した公知の製法によりコーティングが可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。尚、例中の「%」は気孔率を除き「重量%」である。
実施例1~7、比較例1~10
純度99.5%、平均粒子径5.3μmの市販のアルミナ原料粉体に対し、焼結助剤として平均粒子径1.1μmに粉砕した珪石、平均粒子径1.3μmに粉砕した長石及び平均粒子径1.8μmの木節粘土を、表1の各実施例及び比較例の欄に示す組成になるように配合し、水を用いて湿式で粉砕・分散してスラリーとした後、乾燥させて粉体を得た。
また、比較例1では純度99.7%、平均粒子径3.2μmの市販のアルミナ原料粉体を用いた。比較例2では比較例1と同じアルミナ原料粉体と、純度99.7%、平均粒子径7.8μmの市販のアルミナ原料粉体を50%ずつ混合したものを用いた。比較例3では純度99.7%、平均粒子径7.8μmの市販のアルミナ原料粉体を用いた。
粉砕・分散したスラリー中の粒子の平均粒子径及びD90-D10を表1に示す。
次いで得られた粉体にバインダーのメチルセルロースと水を添加し、混合・混練・土練をして押出成形用坏土を作製した。また、比較例8では更に気孔形成剤を5%添加した。
次いで得られた押出成形用坏土を用いて押出成形し、1240~1530℃で焼成して外径がφ12mm、内径が9mm、長さが100mmのアルミナ質基体管を作製した。
表2に得られた基体管の特性を示す。
続いて、無機濾過分離膜としてアルミナ膜を製膜した場合のフィルターとしての特性を比較検討した。純度99.7%、平均粒子径1.6μmのアルミナ原料粉体を、水を用いて湿式で粉砕・分散し、無機濾過分離膜コーティング用スラリーを作製した。なお、スラリーのアルミナ原料粉体濃度は65%とした。得られたコーティング用スラリーを、前記実施例及び比較例で作製した各基体管の外表面に浸漬法でコーティングし、乾燥させた後、1230℃で焼成してフィルターを作製した。
得られた各フィルターについて、基体管と同様にバブルポイント法で貫通気孔のモード径及び純水透過流束を測定した。また、フィルターチューブの両端部から10mmの箇所及び中央部の3個所の膜厚を測定し、その平均値をフィルターの膜厚として採用した。
結果を表3に示すが、実施例の基体管に無機濾過分離を製膜することにより作製したフィルターは膜にクラック等が見られず、フィルターの純水透過流束/基体管の純水透過流束が60%以上であることから、膜による透過流束に対する抵抗を抑制できており、膜本来の特性を発現できることが分かる。なお、表3の比較例3及び7中の「*」は、膜表面にクラックが発生したためフィルターの評価が出来なかったことを示す。
表1~表3において比較例1~10が示す技術的意義は以下のとおりである。

比較例1:平均粒子径が所定より小さいアルミナ原料粉体を用いたため、粉砕・分散スラリー中の粒子の平均粒子径が規定範囲よりも小さくなり、焼結性が高くなって、気孔率、貫通気孔のモード径、純水透過流束、液圧依存係数及び純水透過流束が安定するまでの時間が規定範囲を外れた。その結果、フィルターに用いた時に無機濾過分離膜の膜厚が薄くなり、流量に対して抵抗が低くなったにも拘わらず純水透過流束が低下した例である。

比較例2:アルミナ原料粉体として、好ましい平均粒子径範囲よりも大きいものと小さいものを混合して用いたため、粉砕・分散スラリー中の粒子の粒度分布が広くなり、形成される気孔径分布が広くなると同時に粗大気孔も残って、液圧依存係数及び純水透過流束が安定するまでの時間が規定範囲を外れた。その結果、フィルターに用いたときに均一な無機濾過分離膜が製膜できず、基体管の純水透過流束に比べてフィルターとしての純水透過流束が低下した例である。

比較例3:アルミナ原料粉体として、好ましい平均粒子径範囲よりも大きいものを用いたため、粉砕・分散スラリー中の平均粒子径が大きくなると共に粒度分布も広くなり、形成される気孔径分布が広くなると同時に粗大気孔も残った。その結果、フィルターとして用いたときに均一な無機濾過分離膜が製膜できず、膜表面にクラックが発生した例である。

比較例4:焼成温度が規定範囲より高いため焼結が進み、気孔率及び純水透過流束が低く、液圧依存係数及び純水透過流束が安定するまでの時間が規定範囲外となり、フィルターとしての純水透過流束が低下した例である。

比較例5:アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量が規定範囲よりも多いため、焼成時に形成されるガラス相の粘性を適正化できず、気孔径制御ができなかった。その結果、最小貫通気孔径/モード径が規定範囲より小さくなり、気孔径分布が広くなって、純水透過流束が安定するまでの時間が長くなり、フィルターとして用いたときに均一な分離膜が製膜できず、純水透過流束が低下した例である。

比較例6:アルミナ含有量が規定範囲より少なくシリカ含有量が規定範囲よりも多いためガラス相量が増え、気孔径分布が広くなった。その結果、純水透過流束が安定するまでの時間が長くなり、フィルターに用いたときの純水透過流束が低下した例である。

比較例7:焼成温度が規定範囲より低いため焼結が進まず、気孔径分布が広くなり、粗大気孔数が規定の範囲外となって、フィルターに用いたときに均一な無機分離膜が製膜できず、膜表面にクラックが発生した例である。

比較例8:押出成形坏土に気孔形成剤を添加したため、貫通気孔のモード径は規定範囲内に収まったが、最大貫通気孔径/モード径が規定範囲を超え、気孔径分布が広くなると同時に粗大気孔も残り、液圧依存係数も大きくなった。その結果、フィルター用の均一な無機濾過分離膜が製膜できず、純水透過流束が低下した例である。

比較例9:アルミナ含有量が規定範囲より多いためアルミナ結晶粒子界面のガラス相量が少なくなって焼結性が低くなり、気孔径等の制御ができなくなった。その結果、液圧依存係数が大きくなり、純水透過流束が安定するまでの時間も長くなって、フィルターに用いたときの純水透過流束が低下した例である。

比較例10:シリカ含有量とアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量の比が小さいため、焼成中に形成されるガラス相の粘性が最適化されず気孔径分布が広くなった。その結果、液圧依存係数及び純水透過流束が安定するまでの時間が規定範囲外となり、フィルターとして用いたときの純水透過流束が低下した例である。
Figure 0007381319000002
Figure 0007381319000003
Figure 0007381319000004

Claims (2)

  1. 次の要件a)~i)を満たすアルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜したことを特徴とするフィルター。
    a)アルミナ含有量が83.0~94.0重量%
    b)シリカ含有量が5.0~14.0重量%、
    アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量が1.0~3.5重量%、
    シリカ含有量と、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量の比が2.0~6.0
    c)気孔率が30~50%
    d)バブルポイント法による貫通気孔のモード径が0.20~0.60μm
    e)バブルポイント法で測定した最大貫通気孔径/モード径が5.0以下、
    かつ、最小貫通気孔径/モード径が0.5以上
    f)基体管断面における直径30~80μmの粗大気孔が5個/mm以下
    g)液圧0.1MPaで透水させた時の純水透過流束が30~60m/m/day
    h)純水透過流束に対する液圧依存係数が500以下
    i)純水透過流束が安定するまでの時間が30秒以下
  2. アルミナ原料粉体と焼結助剤を、次の要件a)~b)を満たすように配合・混合し、
    a)アルミナ含有量が83.0~94.0重量%
    b)シリカ含有量が5.0~14.0重量%、
    アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量が1.0~3.5重量%、
    シリカ含有量と、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物含有量の比が2.0~6.0
    更に、水を溶媒として粉砕・分散して次の要件イ)~ロ)を満たすスラリーとし、
    イ)スラリー中の粒子の平均粒子径が3.0~5.0μm
    ロ)スラリー中の粒子の粒度分布から求められる粒子径の累積が90%の時の粒子径(D90)と、累積が10%の時の粒子径(D10)の差が5.0以下
    前記スラリーを乾燥して得た粉体を成形した後、1250~1500℃で焼成してアルミナ質基体管を作製し、該アルミナ質基体管表面に無機濾過分離膜を製膜することを特徴とする請求項1記載のフィルターの製造方法。
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