JP3057312B2 - 濾過分離用セラミックス多孔体 - Google Patents

濾過分離用セラミックス多孔体

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JP3057312B2 JP6127210A JP12721094A JP3057312B2 JP 3057312 B2 JP3057312 B2 JP 3057312B2 JP 6127210 A JP6127210 A JP 6127210A JP 12721094 A JP12721094 A JP 12721094A JP 3057312 B2 JP3057312 B2 JP 3057312B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濾過分離用セラミック
ス多孔体に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】濾過分離用多孔体とは、廃
水、上水等の浄化や溶液、食品、飲料、ガス等の濾過分
離等に用いられるものであり、従来、この種の多孔体と
しては、金属、有機高分子、これらとセラミックスとの
複合体、多孔質ガラス等を素材としたものが用いられて
いる。しかしながら、これらのうちで、金属又は有機高
分子を用いたものは、耐食性、耐熱性等に劣り、液圧等
により細孔径の変化が生じるという欠点がある。また、
多孔質ガラスを素材としたものは、コストが高く、強度
が低いという欠点がある。
【0003】このため、濾過分離用多孔体としては、近
年セラミックス多孔体の使用が増加しており、その材料
としては、主としてアルミナ質の焼結体が用いられてい
る。しかしながら、微細孔径のアルミナ質多孔体を製造
しようとすると、得られる多孔体の細孔径はこれを構成
する結晶粒径に依存するため、原料粉末としてそれに応
じた極めて微細な原料粉末の使用が不可欠である。この
様な微細な原料粉末を用いる場合には、その粉末が微細
であればあるほど、初期焼結段階において粒成長が起こ
り易くなり、細孔径の制御が難しくなるという欠点があ
り、更に、微細な原料粉末を使用するため、製造コスト
が高くなるという問題点もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記したよう
な課題に鑑みて、安価で、製造方法が比較的容易であ
り、耐食性、耐熱性が良好で、しかも濾過能力の高いセ
ラミックス多孔体を得るべく鋭意研究を重ねてきた。そ
の結果、アルミナ結晶、ムライト結晶又はこれらの混合
晶からなり、組成、純度、細孔径及び純水透過流束が一
定範囲にある多孔質の焼結体からなる支持体に、主とし
てムライト結晶からなり、組成、純度、結晶粒径及び膜
孔径が一定範囲になるように制御した多孔質被膜を形成
したセラミックス多孔体は、耐食性、耐熱性に優れ、し
かも安価で濾過能力が高いものとなり、濾過分離用多孔
体として極めて優れた性質を有するものとなることを見
出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、(1)結晶相がアルミナ
結晶、ムライト結晶又はこれらの混合晶からなり、
(2)Al2 3 /SiO2 重量比が60/40〜98
/2の範囲にあり、(3)Al2 3 及びSiO2 の合
計量が95重量%以上であり、(4)平均細孔径が0.
1〜3μmであり、(5)純水透過流束が1日当り20
〜60m3 /m2 である焼結体からなる無機多孔質支持
体の被濾過物が接触する表面上に、(a)主としてムラ
イト結晶からなり、(b)Al2 3 /SiO2 重量比
が68/32〜78/22の範囲にあり、(c)Al2
3 及びSiO2 の合計量が98重量%以上であり、
(d)平均結晶粒径が0.3〜3μmであり、(e)平
均膜孔径が0.03〜1.0μmの範囲にあって、無機
多孔質支持体の平均細孔径よりも小さい焼結体からなる
多孔質被膜を形成してなる濾過分離用セラミックス多孔
体を提供するものである。
【0006】以下に、本発明のセラミックス多孔体が満
足すべき各要件について詳細に説明する。
【0007】まず、本発明のセラミックス多孔体におい
て、支持体として用いる無機多孔質支持体が満足すべき
要件について説明する。尚、無機多孔質支持体の形状
は、特に限定されず、従来の濾過分離用多孔体の形状と
同様の形状とすればよく、使用方法、濾過対象物等に応
じて適宜決めればよく、例えば、チューブ状、板状等の
形状とすることができる。
【0008】(1)無機多孔質支持体は、結晶相がアル
ミナ結晶、ムライト結晶又はこれらの混合晶からなる焼
結体であること。
【0009】無機多孔質支持体における結晶相が、アル
ミナ結晶、ムライト結晶又はこれらの混合晶からなるこ
とによって、耐食性が良好で、被膜の熱膨張率との適合
性も良好な焼結体となる。該支持体は、特に、多孔質被
膜との密着性が良好である点からアルミナ結晶及びムラ
イト結晶の混合晶からなることが好ましい。
【0010】(2)無機多孔質支持体におけるAl2
3 /SiO2 重量比が60/40〜98/2の範囲にあ
ること。
【0011】該支持体におけるAl2 3 /SiO2
量比は60/40〜98/2の範囲にあることが必要で
あり、60/40〜95/5の範囲にあることが好まし
く、65/35〜90/10の範囲にあることがより好
ましい。Al2 3 /SiO2 重量比が60/40未満
の場合には、支持体の結晶粒界にガラス相が多く生成す
るので、耐食性の低下、及び濾過能力の低下をきたすの
で好ましくない。一方、98/2を上回ると、支持体上
に形成する被膜との熱膨張率の差が大きくなるので好ま
しくない。
【0012】(3)無機多孔質支持体におけるAl2
3 及びSiO2 の合計量が95重量%以上であること。
【0013】該支持体におけるAl2 3 及びSiO2
の合計量は、95重量%以上であることが必要であり、
これを下回ると、不純物によりガラス相が多く生成し、
無機多孔質支持体の細孔径のコントロールが困難にな
り、純水透過流束等も低下するので好ましくない。
【0014】(4)無機多孔質支持体の平均細孔径が
0.1〜3μmであること。
【0015】該支持体の平均細孔径が0.1〜3μmの
範囲からはずれると、多孔質被膜との密着強度が低下
し、剥がれの原因となるので好ましくない。平均細孔径
は、好ましくは0.2〜2.0μmとする。平均細孔径
は、ASTM F−316−86に基づいてバブルポイ
ント法により測定し、媒体は、FC−43(パーフルオ
ロカーボン)とする。この方法によれば、透過開気孔径
のみを測定できる。無機多孔質支持体の焼成温度が、多
孔質被膜形成時の焼成温度より低い場合には、被膜を形
成する温度と同一の温度で無機多孔質支持体を焼成した
時の平均細孔径を測定する。
【0016】(5)無機多孔質支持体の純水透過流束が
1日当り20〜60m3 /m2 であること。
【0017】純水透過流束が1日当り20m3 /m2
下回ると、液圧又はガス圧を高めても濾過する溶液又は
ガスの拡散抵抗が無視できなくなり、セラミックス多孔
体としての濾過能力が低下するので好ましくない。一
方、純水透過流束が1日当り60m3 /m2 を越える
と、無機多孔質支持体の気孔率が高くなるので、多孔質
被膜との密着強度が低下し、多孔質被膜の剥がれの原因
となるので好ましくない。尚、本発明において、純水透
過流束は、イオン交換水を用いて1kgf/cm2の液
圧をかけた場合の時間当りの水の透過量と無機多孔質支
持体の面積(水が透過する面積)とから求める。
【0018】次に、無機多孔質支持体の表面に形成する
多孔質被膜が満足すべき要件について説明する。尚、該
多孔質被膜は、無機多孔質支持体の表面部分のうちで、
濾過時に、被濾過物が接触する部分に形成すればよい。
【0019】(a)多孔質被膜は、主としてムライト結
晶からなる焼結体であること。
【0020】ムライトは、化学的に安定で、耐食性、耐
熱性に優れたものであり、アルミナと比べて焼成温度に
対して粒成長速度が遅く、細孔径の制御が容易であり、
アルミナ結晶、ムライト結晶又はこれらの混合晶からな
る無機多孔質支持体との密着性が良好である。
【0021】該多孔質被膜は、ムライト単相であること
が好ましいが、ガラス相は10体積%以下、α−Al2
3 結晶は20体積%以下まで許容できる。ガラス相が
10体積%を越えると、耐食性が低下し、更に、ムライ
ト結晶粒界にガラス相が多く存在して、開気孔率が低下
し、濾過能力、濾過精度、耐食性等が低下するので好ま
しくない。また、α−Al2 3 結晶が20体積%を越
えると、ムライト結晶との熱膨脹差により粒界にマイク
ロクラックが多く生成して膜孔径が大きくなり、濾過精
度の低下が生じ、更に、長期使用による剥離等の問題も
生じるので好ましくない。
【0022】(b)多孔質被膜のAl2 3 /SiO2
重量比が68/32〜78/22の範囲にあること。
【0023】Al2 3 /SiO2 重量比が68/32
を下回ると、ガラス相が多く生じ、また、78/22を
越えると、α−Al2 3 結晶が増加するので上記
(a)の場合と同様に、多孔質被膜として好ましくな
い。Al2 3 /SiO2 重量比は、好ましくは70/
30〜75/25とする。
【0024】(c)多孔質被膜におけるAl2 3 及び
SiO2 の合計量が98重量%以上であること。
【0025】Al2 3 及びSiO2 の合計量は、多孔
質被膜中において98重量%以上であることが必要であ
り、これを下回ると、不純物によりガラス相が多く生成
し、焼結時の膜孔径コントロールが困難となり、また、
耐食性等の特性の低下をきたすので好ましくない。
【0026】尚、アルカリ金属酸化物及びアルカリ土類
金属酸化物の含有量は、それぞれ0.2重量%以下であ
ることが必要である。また、ZrO2 は焼結助剤として
の働きがあるので、これが存在する場合には、平均結晶
粒径を小さくすることができ、膜孔径のコントロールが
容易になる。ZrO2 の含有量は1重量%程度以下であ
れば許容でき、焼結助剤としての効果を発揮するには、
通常、0.05重量%程度以上の含有量とすればよい。
【0027】(d)多孔質被膜の平均結晶粒径が0.3
〜3μmであること。
【0028】多孔質被膜の平均結晶粒径が0.3〜3μ
mの範囲にあることにより、膜孔径を適度に調節するこ
とができ、支持体に対する良好な密着強度を付与でき
る。平均結晶粒径が0.3μmを下回ると、支持体との
密着強度は高くなるものの、膜孔径が小さくなり、濾過
能力が低下するので好ましくない。一方、平均結晶粒径
が、3μmを上回ると、支持体との密着強度が低下して
剥離し易くなるので好ましくない。平均結晶粒径は、好
ましくは0.4〜2μmとする。
【0029】尚、平均結晶粒径は、走査電子顕微鏡によ
り、視野に結晶粒が100個観察できる倍率で多孔質被
膜を観察して測定する。
【0030】(e)多孔質被膜の平均膜孔径は0.03
〜1.0μmの範囲にあって、無機多孔質支持体の平均
細孔径よりも小さいこと。
【0031】平均膜孔径とは、濾過できる透過開気孔径
の平均を示すものであり、これが0.03μmを下回る
と、平均結晶粒径が小さ過ぎる場合と同様に、支持体と
の密着強度は高くなるものの、濾過能力が低下するので
好ましくない。また、これが1.0μmを上回ると、濾
過による浄化や分離が不十分となり、濾過精度の低下を
きたし、更に、支持体との密着強度が低下して、液圧等
により剥離し易くなるので好ましくない。平均膜孔径は
好ましくは、0.05〜0.5μmとする。
【0032】また、多孔質被膜の平均膜孔径は、無機多
孔質支持体の平均細孔径よりも小さいことが必要であ
り、この様に多孔質被膜の平均膜孔径を無機多孔質支持
体の平均細孔径よりも小さくすることによって、精度よ
く濾過、分離することができる。
【0033】多孔質被膜の平均膜孔径は、次のようにし
て測定する。まず、上記(4)に記載の方法により無機
多孔質支持体の平均細孔径を測定した後、該支持体に多
孔質被膜を形成し、この多孔体について、無機多孔質支
持体の平均細孔径の測定方法と同様にして平均細孔径を
測定する。被膜形成前後の平均細孔径を比較して被膜を
形成した多孔体の平均細孔径が小さいことを確認し、被
膜形成後の多孔体の平均細孔径を平均膜孔径とする。
【0034】本発明のセラミックス多孔体は、上記した
(1)〜(5)の条件を満足する無機多孔質支持体の表
面のうちで、濾過時に被濾過物が接触する表面部分に、
上記(a)〜(e)の条件を満足する多孔質被膜を形成
したものである。無機多孔質支持体における濾過時に被
濾過物が接触する表面部分とは、例えば、板状の支持体
の場合には、被濾過物が接触する側の表面をいい、チュ
ーブ状の支持体において、チューブの内部を被濾過物が
通過する場合にはチューブ内表面、チューブの外部を被
濾過物が通過する場合にはチューブ外表面をいう。
【0035】本発明のセラミックス多孔体は、例えば、
以下のようにして製造できる。
【0036】即ち、まず、Al2 3 、カオリン等を原
料として、これを所定のAl2 3/SiO2 重量比と
なるように配合し、バインダー、分散剤等を添加して、
水、エチルアルコール等の溶媒中で粉砕粒度が3〜50
μm程度になるように、ボールミル、アトリッションミ
ル等の粉砕機を用いて湿式で粉砕、混合、分散する。バ
インダー及び分散剤としては、通常の焼結体の製造に用
いるものを使用でき、バインダーの具体例としては、ポ
リビニルアルコール(PVA)、ワックスエマルジョ
ン、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げる
ことができる。分散剤の具体例としては、スルホン酸ア
ンモニウム塩、ピロリン酸ソーダ等を挙げることができ
る。バインダー及び分散剤の添加量は、成形方法などに
応じて、目的とする無機多孔質支持体が形成されるよう
に適宜決定すればよい。
【0037】この様にして得られた粉体をプレス成形、
鋳込み成形、押出成形等により所定の形状に成形し、6
00〜1600℃程度、好ましくは700〜1550℃
程度で2〜5時間程度焼成して無機多孔質支持体を得
る。
【0038】次いで、Al2 3 /SiO2 重量比が6
8/32〜78/22の範囲にあるムライト原料に、バ
インダー及び分散剤を添加し、水、エチルアルコール等
の溶媒中で、ボールミル、アトリッションミル等の粉砕
機を用いて湿式で粉砕、混合、分散して、多孔質被膜形
成用のスラリーとする。粉砕粒度は、目的とする多孔質
被膜の膜孔径、平均結晶粒径等によって適宜調整すれば
よいが、通常、ムライトの平均粒子径が0.2〜2.0
μm程度、比表面積が5〜20m2 /g程度となるよう
にすればよい。多孔質被膜形成用のスラリーは、形成す
る多孔質膜の膜厚等に応じて、溶媒、分散剤、バインダ
ー等の配合量を適宜調整して、20〜1000cp程度
の粘度に調整することが適当である。使用するムライト
原料としては、主としてムライト結晶となっているもの
であって、平均粒子径が0.5〜3.0μm程度、比表
面積が3〜15m2 /g程度のものが好ましく、例え
ば、液相法等により合成したムライト原料等を使用でき
る。バインダー及び分散剤としては、上記した無機多孔
質支持体の製造において用いるものと同様のものが使用
できる。Al2 3 及びSiO2 以外の不純物は、形成
される被膜中に2重量%以下の含有量となるように制限
することが必要であり、これを上回ると被膜の結晶粒界
にガラス相が多く生成し、膜孔径のコントロールが難し
くなるので好ましくない。また、ZrO2 は、多孔質被
膜の焼結助剤としての働きがあり、これが存在すると平
均結晶粒径を小さくすることができ、膜孔径のコントロ
ールが容易になる効果があり、被膜中に1重量%以下の
含有量となるの量であれば上記スラリー中に混入しても
よく、また、積極的に添加することもできる。
【0039】次いで、上記スラリーを用いて、前述した
無機多孔質支持体における被濾過物が接触する表面上
に、スプレー、スクリーン印刷、浸漬等の方法で焼成後
の被膜の厚さが5〜30μm程度となるように付着さ
せ、乾燥した後、1300〜1600℃程度、好ましく
は1350〜1500℃程度で1〜10時間程度焼成す
ることによって、多孔質被膜が形成され、本発明のセラ
ミックス多孔体を得ることができる。被膜の厚さが5μ
m未満では濾過能力が少なくなり、30μmを上回ると
被膜の剥離が生じやすくなり、また、溶液、ガス等の拡
散抵抗が増加するので好ましくない。
【0040】上記のような方法で得られる本発明のセラ
ミックス多孔体は、濾過分離用多孔体として優れたもの
であり、従来の濾過分離用多孔体と同様にして、廃水、
中水、上水等の浄化や溶液、食品、飲料、ガス等の濾過
分離等の目的で有効に用いることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明のセラミックス多孔体は、安価に
製造ができ、耐食性、耐熱性に優れ、しかも外圧による
膜孔径の変化がほとんどないものであり、精密な濾過が
可能であって、濾過能力が高く耐久性に優れ、更に、逆
洗浄が可能であるという優れた特徴を有するものであ
る。
【0042】この様なセラミックス多孔体は、特に、廃
水の浄化や中水、上水の浄化に用いる濾過分離用多孔体
として有効に用いることができ、更に、耐食性が良好で
あることから、被濾過物が酸、アルカリ等を多く含む場
合にも長期の使用に充分耐えることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0044】実施例1 表1に示す無機多孔質支持体における所定のAl2 3
/SiO2 重量比となるように、Al2 3 及びカオリ
ン原料を配合し、更に、バインダーとしてのワックスエ
マルジョン及び分散剤としてのピロリン酸アンモニウム
塩を添加し、ボールミルとボールを用いて、水を溶媒と
して粉砕粒度が3〜50μmとなるように粉砕、混合
し、得られたスラリーを乾燥し、含水率が20%となる
ように調整して杯土とした。尚、バインダー及び分散剤
の配合量は、成形に際して適度な可塑性が得られるよう
に適宜調整した。この杯土を用いて焼成後サイズがφ1
0×φ7×50mmとなるように押し出し成形により成
形し、乾燥の後、表1に示す温度で2時間焼成して無機
質多孔質支持体を得た。
【0045】次いで、ゾル−ゲル法により合成したAl
2 3 /SiO2 重量比71/29、Al2 3 +Si
2 量99.5重量%、平均粒子径0.5μm、比表面
積9m2 /gのムライト粉末に、バインダーとしてのワ
ックスエマルジョン及び分散剤としてのスルホン酸アン
モニウム塩を、スラリー粘度が100cpとなるように
添加し、更に水を加えてAl2 3 製ボールミルとボー
ルを用いて、粉砕、分散、混合し、コーティング用スラ
リーを作製した。
【0046】このコーティング用スラリーに、上記で作
製した無機質支持体の両端をシールして浸漬し、100
℃で乾燥し、1350℃で2時間焼成して無機質多孔質
支持体の外表面に厚さ30μmの多孔質被膜を形成し、
セラミックス多孔体を得た。形成された多孔質被膜は、
結晶相がムライト結晶からなり、Al2 3 /SiO2
重量比71/29、Al2 3 +SiO2 量99.5重
量%、平均結晶粒径0.4μm、平均膜孔径0.07μ
mであった。
【0047】表1に各セラミックス多孔体について、無
機多孔質支持体のAl2 3 /SiO2 重量比、Al2
3 とSiO2 の合計含有量、平均細孔径及び純水透過
流束を示し、多孔質被膜の膜状態も併せて記載する。
尚、表1において、無機多孔質支持体の平均細孔径とし
ては、支持体の焼成温度が被膜形成の焼成温度よりも低
い場合には、支持体を多孔質被膜形成時の焼成温度で焼
成した場合の平均細孔径を示す。また、膜状態として
は、次の基準により支持体と被膜の密着程度を判定した
結果を示す。
【0048】○:クラック、剥がれがなく、良好、 △:剥がれはないが、クラックが認められる、 ×:剥がれが発生。
【0049】
【表1】
【0050】表1において、試料No.1〜5のセラミ
ックス多孔体は、本発明の条件を満足する無機多孔質支
持体上に多孔質被膜を形成したものであり、被膜の密着
状態が良好で、濾過能力も優れたものであったが、試料
No.6〜9のセラミックス多孔体は、用いた無機多孔
質支持体が本発明の条件を満足しないものであり、試料
No.7及び8のセラミックス多孔体については、被膜
の密着状態が悪く、また、試料No.6、8及び9のセ
ラミックス多孔体は、純水透過流束が低く、濾過能力に
劣るものであった。
【0051】実施例2 平均粒子径0.5〜3.0μm、比表面積3〜15m2
/gのゾル−ゲル法により合成した種々のAl2 3
SiO2 重量比のムライト粉末を使用し、実施例1と同
様の方法で試料記号A〜E及びG〜Jのコーティング用
スラリーを調製した。試料記号Fのコーティング用スラ
リーについては、カオリンとAl2 3原料を使用し、
目的とするAl2 3 /SiO2 重量比となるように配
合したものを用いた。表2に、各スラリーについて遠心
沈降光透過法で測定した平均粒子径を示す。
【0052】これらのスラリーに、実施例1で作製した
無機多孔質支持体を浸漬した後、100℃で乾燥し、表
3に示す温度で2時間焼成して、無機多孔質支持体の外
表面に厚さ30μmの多孔質被膜を形成し、セラミック
ス多孔体を得た。表2に、使用した無機多孔質支持体に
ついて実施例1における試料No.を示し、得られたセ
ラミックス多孔体の多孔質被膜についてのAl2 3
SiO2 重量比、Al2 3 とSiO2 の合計含有量、
ZrO2 含有量、平均結晶粒径、平均膜孔径、及び膜状
態を表2乃至表3に記載する。膜状態は、表1と同様の
基準により評価した。
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】表2乃至表3において、試料記号A〜Eの
セラミックス多孔体は、本発明の条件を満足するもので
あり、純水透過流束が一日当たり20〜40m3 /m2
の範囲にあり、濾過能力に優れ、しかも被膜の密着状態
が良好であった。一方、試料記号F〜Jのセラミックス
多孔体は、形成した多孔質被膜が本発明の条件を満足し
ないものであり、試料記号F及びJのセラミックス多孔
体は、純水透過流束が一日当たり15m3 /m2 以下で
あり、濾過能力が低く、試料記号G及びHのセラミック
ス多孔体については、多孔質被膜の形成時点で被膜の剥
がれが生じてセラミックス多孔体として使用できず、試
料記号Iのセラミックス多孔体は、純水透過流束の測定
中に被膜の剥がれが一部生じた。
【0056】上記で得られた試料記号B及びEのセラミ
ックス多孔体を用いて、汚水(生活排水)の濾過性能テ
ストを行なった。結果を下記表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】以上の結果から明らかなように、本発明の
セラミックス多孔体は優れた濾過能力を有するものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 俊也 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47 号 株式会社クボタ内 (72)発明者 大西 宏司 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株 式会社ニッカトー内 (72)発明者 乾 一代 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株 式会社ニッカトー内 (72)発明者 河波 利夫 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株 式会社ニッカトー内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10 C04B 41/80 - 41/91

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)結晶相がアルミナ結晶、ムライト結
    晶又はこれらの混合晶からなり、(2)Al2 3 /S
    iO2 重量比が60/40〜98/2の範囲にあり、
    (3)Al2 3 及びSiO2 の合計量が95重量%以
    上であり、(4)平均細孔径が0.1〜3μmであり、
    (5)純水透過流束が1日当り20〜60m3 /m2
    ある焼結体からなる無機多孔質支持体の被濾過物が接触
    する表面上に、(a)主としてムライト結晶からなり、
    (b)Al2 3 /SiO2 重量比が68/32〜78
    /22の範囲にあり、(c)Al2 3 及びSiO2
    合計量が98重量%以上であり、(d)平均結晶粒径が
    0.3〜3μmであり、(e)平均膜孔径が0.03〜
    1.0μmの範囲にあって、無機多孔質支持体の平均細
    孔径よりも小さい焼結体からなる多孔質被膜を形成して
    なる濾過分離用セラミックス多孔体。
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