JP4304381B2 - セラミックス多孔質支持体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゼオライト膜形成用セラミックス多孔質支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大気汚染の一因である一酸化炭素の増加など環境汚染が深刻な問題となっている。そこで、例えば、米国ではガソリンにエタノールを添加して、完全燃焼を促し、一酸化炭素を低減する規制の導入が検討されている。しかしながら、エタノールの添加により、ガソリンの完全燃焼促進の効果は奏されるものの、エタノール中に含まれる水分がエンジンのノッキングの原因となるという問題点がある。
【0003】
このため、エタノールの脱水が必要となるが、従来よリ行われている蒸留法では処理能力が低く、コストが高く、更に、共沸混合物等の分離が不可能であるという欠点があり、近年、脱水能力が高く、コストが安いPV法(パーベーパレーション法)が注目されている。この方法は、特定の成分のみを透過する隔膜を隔てて1次側に液体混合物を供給し、2次側を減圧状態として、特定の成分を隔膜に選択的に溶解・拡散させて透過させ、2次側に蒸気として取リ出す方法である。このPV法の問題点としては、従来隔膜として多く用いられている高分子有機膜は、耐熱性が低く、使用される液に含まれる酸やアルカリ等の不純物が膜寿命に影響を与え、分離係数の低下や透過量の減少などの問題が生じることが挙げられる。
【0004】
そこで、高分子有機膜に代えて、ゼオライト膜等の微細孔を有する無機膜を用いる方法が検討されている。斯かる方法では、通常、ゼオライト膜を適当な支持体上に形成することが必要であり、従来は、支持体として、アルミナ製のセラミックス多孔質体が用いられている。しかしながら、ゼオライト膜を用いる方法において、被処理物の透過量、分離係数等を良好とするためには、支持体の細孔径等を正確に制御することが必要であり、アルミナセラミックスでは、細孔径等を制御するためには微細な原料粉末の使用が不可欠となり、このような微細な原料粉末の使用により生産コス卜が高くなるという難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、ゼオライト膜の支持体として有用であり、しかも安価に製造し得るセラミックス多孔質支持体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した従来技術の問題点に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、主としてムライト結晶からなる焼結体、又は主としてムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体であって、Al23/SiO2組成、平均結晶粒径、アスペクト比、気孔率、及び細孔径の全ての条件について同時に特定範囲の値になるように制御したセラミックス多孔質材料は、ゼオライト膜の支持体とした場合に、良好なゼオライト膜を形成することができ、しかもこの様な特定条件を満足する焼結体は、アルミナと比べて製造が容易であり、安価に製造できることを見出した。そして、該支持体にセラミックス膜を形成したものを、被処理物から特定成分を分離するための隔膜として用いた場合には、透過量、分離係数等が良好で、耐食性、耐熱性なども優れているため、各種の用途に有効に使用し得るものとなることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記のゼオライト膜形成用セラミックス多孔質支持体に係る。
【0008】
(1)主としてムライト結晶からなる焼結体、又は主としてムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体であり、
(2)Al23/SiO2重量比が60/40〜78/22、
(3)Al23及びSiO2の合計量が92重量%以上、
(4)平均結晶粒径が0.5〜3μm、
(5)バブルポイント法で測定した細孔径のモード径及び50%径がそれぞれ0.1〜2μmであって、最大細孔径が5μm以下
(6)気孔率が35〜50%、
(7)ムライト結晶の平均アスペクト比が2〜7、
であることを特徴とするゼオライト膜形成用セラミックス多孔質支持体。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のセラミックス多孔質支持体が満足すべき各要件について詳細に説明する。
【0010】
(1)主としてムライト結晶からなる焼結体、又は主としてムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体であること。
【0011】
本発明のセラミックス多孔質支持体は、主としてムライト結晶からなる焼結体、又はムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体であることが必要である。ムライト結晶及びアルミナ結晶は、化学的に安定で、耐食性、耐熱性に優れたものであり、しかも、ムライト結晶、又はムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶の場合、アルミナ結晶単体と比べて、焼成温度に対して粒成長速度が遅く、細孔径の制御が容易である。このため、ムライト結晶からなる焼結体、又はムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体では、目的とする細孔径等の条件を満足する焼結体を容易に得ることができる。
【0012】
尚、本発明のセラミックス多孔質支持体は、主としてムライト結晶からなる焼結体、又は主としてムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体であるが、具体的には、X線回折により回折角20〜45゜で測定したムライトの(210)面(M(210))、アルミナの(113)面(A(113))、クリストバライトの(101)面(C(101))の各面の回折ピーク強度比が下記の条件を満たすことが適当である。
【0013】
M(210)/(M(210)+A(113)+C(101))≧0.4
A(113)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.5
C(101)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.1
上記回折ピーク強度比のうちで、A(113)/(M(210)+A(113)+C(101))が0.5を超える場合は、アルミナ結晶量が多くなり過ぎて、ムライト結晶とアルミナ結晶との熱膨張差により、粒界に生成するマイクロクラックが増加し、細孔径が大きくなるので好ましくない。また、C(101)/(M(210)+A(113)+C(101))が0.1を超える場合には、多孔質支持体中のクリストバライト量が多くなり過ぎて、焼成時の冷却過程で割れが発生し易く、また耐食性の低下にもつながるので好ましくない。本発明では、下記の条件を満たすことがより好ましい。
【0014】
M(210)/(M(210)+A(113)+C(101))≧0.5
A(113)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.45
C(101)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.05
(2)Al23/SiO2重量比が60/40〜78/22であること。
【0015】
本発明においては、Al23/SiO2重量比が60/40〜78/22の範囲にあることが必要であり、62/38〜75/25の範囲にあることが好ましい。
【0016】
Al23/SiO2重量比が60/40を下回るとシリカ系ガラス相が多くなって、耐食性が低下するので好ましくない。一方、Al23/SiO2重量比が78/22を上回るとアルミナ結晶が増加し、ムライト結晶粒径とアルミナ結晶粒径との違いから結晶粒径分布が広くなり、不均一なゼオライト膜が形成され易く、被処理物の透過量、分離係数等が低下し易いので好ましくない。
【0017】
(3)Al23及びSiO2の合計量が92重量%以上であること。
【0018】
本発明においては、Al23及びSiO2の合計量が92重量%以上であることが必要であり、95重量%以上であることが好ましい。これらの合計量が92重量%未満の場合には、不純物の増加により、ムライト、アルミナ結晶以外の第2相の生成が起こり易く、またアルカリ不純物量の増加により、アルカリ不純物がSiO2と反応してガラス相を形成し、ムライト結晶量の減少とアルミナ結晶量の増加につながり、その結果、耐食性が低下すると共に、焼結体の気孔率が低下して細孔径が小さくなり過ぎる傾向にあるので好ましくない。
【0019】
(4)平均結晶粒径が0.5〜3μmであること。
【0020】
本発明のセラミックス多孔質支持体では、平均結晶粒径が0.5〜3μmであることが必要であり、0.5〜2μmであることが好ましい。
【0021】
平均結晶粒径が0.5μm未満の場合には、該支持体の細孔径が小さくなり過ぎて、透過量、分離係数などが低下するので好ましくない。一方、結晶粒径が3μmを上回る場合には、該支持体の細孔径が大きくなり、ゼオライト膜を形成する際に、膜を形成する成分の結晶等が細孔に詰まり易く、透過量や分離係数が低下し易いので好ましくない。
【0022】
尚、本発明のセラミックス多孔質支持体における平均結晶粒径は、結晶形状を円形状に換算した値を用い、具体的には下記の方法で求める。
【0023】
まず、セラミックス多孔質支持体を鏡面に仕上げ、0℃の1%HF溶液中で24時間エッチングをする。次いで、走査電子顕微鏡を用いて、結晶が100個以上観察できる倍率でエッチング面を観察し、写真撮影を行なう。写真から結晶が占める面積(S)を求め、その面積にある結晶数(n)から、次式により、平均結晶粒径を算出する。
【0024】
平均結晶粒径:D(μm)=(S/π・n)0.5×1.5
(5)細孔径のモード径及び50%径が、それぞれ0.1〜2μmであること。
【0025】
本発明のセラミックス多孔質支持体の細孔径は、ASTM F316−86に基づいて、媒体としてFC−43(パーフルオロカーボン)を用いて、バブルポイント法により測定する。従来から行われている細孔径の測定法である水銀圧入法では、開気孔だけでなく閉気孔も測定してしまうため、本発明のセラミックス多孔質支持体の細孔径の測定には適さず、開気孔径のみを測定できる上記バブルポイント法により細孔径の測定を行う。
【0026】
この様にして求めた細孔径の50%径とは、細孔径累積分布曲線において、累積値が50%を示す細孔径であり、モード径とは細孔径累積分布曲線から得られる細孔径のヒストグラムにおいて度数が一番高い細孔径である。
【0027】
本発明では、この様にして求めた細孔径のモード径及び50%径がそれぞれ0.1〜2μmであることが必要である。モード径及び50%径が0.1μm未満の場合は、ゼオライト膜との密着性が高くなりすぎて、被処理物の透過量、分離係数等が低下し易いので好ましくない。また、2μmを超える場合は、形成するゼオライト膜にピンホールが発生し易くなり、更にゼオライト膜の形成時に膜を構成する成分の結晶等が細孔に詰まり易くなり、透過量、分離係数等の低下につながるので好ましくない。
【0028】
(6)気孔率が35〜50%であること。
【0029】
本発明の多孔質支持体において、気孔率は、被処理物の透過量、分離係数等に影響し、更に、良好なゼオライト膜を形成するためにも重要な要件となり、35〜50%の範囲とすることが必要である。
【0030】
気孔率が35%未満の場合には、膜の密着強度が弱くなって、膜の剥離や不均一性が生じたり、透過量の低下が生じるので好ましくなく、一方、気孔率が50%を超える場合には、ゼオライト膜形成時に、膜の構成成分の結晶が細孔に詰まり、透過量、分離係数等が低下するので好ましくない。
【0031】
(7)ムライト結晶の平均アスペクト比が2〜7であること。
【0032】
本発明の多孔質支持体では、ムライト結晶の平均アスペクト比が2〜7の範囲にあることが必要であり、2.5〜6の範囲にあることが好ましい。平均アスペクト比が7を上回る場合には、該多孔質支持体上にゼオライト膜を形成すると、ムライト結晶1個について形成される膜成分の結晶数が多くなりすぎて、被処理物の拡散に対する抵抗が大きくなり、透過量、分離係数などの低下をきたすので好ましくない。
【0033】
本発明では、平均アスペクト比の測定は、平均結晶粒径の測定と同様に走査電子顕微鏡を用いて焼結体のエッチング面を写真撮影して行ない、任意の20個のムライト結晶の長径と短径を測定し、長径/短径の比をアスペクト比とし、20個の平均値を平均アスペクト比とする。尚、平均アスペクト比の測定に先立って、エネルギー分散型X線分光分析(EDX)を行い、アルミニウム及びシリコン元素が同時に現れる結晶をムライト結晶として同定する。
【0034】
本発明のセラミックス多孔質支持体は、上記した(1)〜(7)の条件を同時に満足する焼結体であるが、更に、該焼結体における最大細孔径が5μm以下であることが好ましい。最大細孔径が5μmを上回る場合には、ゼオライト膜を形成する際に、膜にピンホールが生じやすく、また、膜の結晶成分が細孔に詰まって、透過量、分離係数等が低下しやすいので好ましくない。最大細孔径は、2μm以下であることがより好ましい。
【0035】
上記した本発明セラミックス多孔質支持体は、常法に従って適宜製造できるが、その製造法の一例を示すと以下の通りである。
【0036】
まず、凝集した二次粒子の平均粒子径が25〜35μm程度の範囲にあるAl23 、カオリン等の粘度鉱物を原料とし、これを所定のAl23 /SiO2 重量比となるように配合し、バインダー、分散剤等を添加して、水、エチルアルコール等の溶媒中で、ボールミル、アトリッションミル等の粉砕機を用いて、粉砕粒度が10〜15μm程度となるように、湿式で粉砕、混合、分散する。バインダー及び分散剤としては、通常の焼結体の製造に用いるものを使用でき、バインダーの具体例としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ワックスエマルジョン、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることができる。分散剤の具体例としては、スルホン酸アンモニウム塩、ピロリン酸ソーダ等を挙げることができる。バインダー及び分散剤の添加量は、成形方法などに応じて、目的とするセラミックス多孔質支持体が形成されるように適宜決定すればよい。
【0037】
この様にして得られた粉体をプレス成形、鋳込み成形、押出成形等により所定の形状に成形し、Al23 /SiO2 重量比に応じて、1300〜1600℃程度、好ましくは1350〜1550℃程度で焼成してムライト結晶を生じさせることによって、上記した条件を満足するセラミックス多孔質支持体を得ることができる。
【0038】
本発明のセラミックス多孔質支持体は、この表面にゼオライト膜を形成して、液体混合物、気体混合物などの各種被処理物から特定成分を分離する為の隔膜として用いられる。該支持体の大きさは、使用する装置に応じて適宜設定することができ、該支持体の形状も、使用する装置に応じて、角板、円筒状等の各種の形状とすることができる。
【0039】
該支持体上に形成するゼオライト膜としては、公知の各種のもの、例えば、A型、Y型、グメリナイト、シリカライト、ZSM−5、ZSM−35等のゼオライトを用いることができる。これらのゼオライト膜を本発明の支持体上に形成する方法は、特に限定は無く、水熱合成法、気相法等の公知の各種方法によればよい。例えば、A型ゼオライト膜を水熱合成により形成するには、ケイ酸ナトリウム水溶液と、アルミン酸ナトリウム水溶液又は水酸化ナトリウムと水酸化アルミニウムの混合液とを室温で混合し、円筒状のガラス容器に仕込み、これに、本発明の支持体を浸漬し、水熱合成により膜形成を行えばよい。
【0040】
本発明の支持体上に形成するゼオライト膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、5〜100μm程度とすればよい。
【0041】
本発明のセラミックス多孔質支持体上に、ゼオライト膜を形成した材料は、液体混合物、気体混合物などの各種被処理物からの特定成分の分離のための隔膜として用いた場合に、透過量、分離係数等が良好であり、例えば、PV法によるエタノール中に含まれる水分の除去、アルコール中の有機液体の分離等の用途に極めて有効に用いることができる。また、該支持体は、耐熱性、耐食性等に優れているために耐用期間が長く、形成できる膜の種類や、被処理物の種類も多いため、各種の用途に広く用いることができる。更に、該支持体は、安価に製造可能であり、極めて有用性が高いものである。
【0042】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0043】
実施例1
所定のAl23 /SiO2 重量比となるように二次粒子の平均粒子径が25〜35μmのAl23及びカオリン原料を配合し、さらにバインダーとしてのポリビニルアルコールと分散剤としてのスルホン酸アンモニウム塩を添加し、ボールミルとボールを用いて、水を溶媒として粉砕粒度が10〜15μmになるように粉砕、混合した。次いで、得られたスラリーを乾燥し、含水率が25%になるように調整して坏土とした。なお、バインダー及び分散剤の配合量は成形に際して適度な可塑性が得られるように適宜調整した。この坏土を用いて焼成後の大きさが外径10mm、内径7mm、長さ50mmの円筒状となる様に、押し出し成形によリ成形し、乾燥した後、1250〜1650℃で2時間焼成してムライト含有のセラミックス多孔質支持体を得た。
【0044】
表1に、得られたセラミックス多孔質支持体のAl23 /SiO2 重量比、及びAl23 とSiO2の合計重量%を示す。また、表2及び表3に得られたセラミックス多孔質支持体の結晶相、平均結晶粒径、細孔径、気孔率及びムライト結晶の平均アスペクト比を示す。No.1〜5の試料は、本発明の要件を全て満足するセラミックス多孔質支持体であり、No.6〜9の試料は、本発明の要件の少なくとも1つを満たしていない比較品である。
【0045】
次いで、H2O/Na2O=55、Na2O/SiO2=1、SiO2/Al23=2の組成(モル比)になるようにアルミン酸ナトリウムとケイ酸ナトリウム水溶液を混合し、これを用いて、上記各支持体の外表面に、100℃で3時間水熱合成を行ない、A型ゼオライト膜を形成した。形成された膜の状態を表3に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004304381
【0047】
【表2】
Figure 0004304381
【0048】
【表3】
Figure 0004304381
【0049】
実施例2
実施例1においてゼオライト膜を形成した試料の内で、膜状態が良好であったNo.1〜5及び9の試料を隔膜として用いて、含水エタノール中の水分離試験を行った。被処理エタノールとしては、表3に示す各含水率のものを用いた。
【0050】
試験方法は、被処理エタノールの温度を50℃として、円筒状の試料の外側に供給し、円筒の内部、即ち、二次側温度を−30℃、二次側真空度を1.4トールとして、透過量及び分離係数を求めた。
【0051】
透過量は、単位時間当たりの単位膜面積当たりの透過した水重量で示し、分離係数αは、下記式により求めた。
【0052】
分離係数α=(Xa/Xb)×(Yb/Ya)
Xa:被処理エタノール中の水の重量分率
Xb:被処理エタノール中のエタノールの重量分率
Ya:処理後エタノール中の水の重量分率
Yb:処理後エタノール中のエタノールの重量分率
結果を下記表4に示す。
【0053】
【表4】
Figure 0004304381
【0054】
以上の結果から明らかな様に、本発明の支持体上にA型ゼオライト膜をコーティングした試料では、エタノール中の水分離に用いた場合に透過量が1.8以上、分離係数αが650以上と優れた性能を示したのに対して、本発明の条件を満足しない支持体であるNo.9の試料では、透過量及び分離係数が共に劣るものとなった。

Claims (1)

  1. (1)主としてムライト結晶からなる焼結体、又は主としてムライト結晶及びアルミナ結晶の混合晶からなる焼結体であり、
    (2)Al23/SiO2重量比が60/40〜78/22、
    (3)Al23及びSiO2の合計量が92重量%以上、
    (4)平均結晶粒径が0.5〜3μm、
    (5)バブルポイント法で測定した細孔径のモード径及び50%径がそれぞれ0.1〜2μmであって、最大細孔径が5μm以下
    (6)気孔率が35〜50%、
    (7)ムライト結晶の平均アスペクト比が2〜7、
    であることを特徴とするゼオライト膜形成用セラミックス多孔質支持体。
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