JP3057313B2 - セラミックス多孔質膜及びその製造法 - Google Patents

セラミックス多孔質膜及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機質多孔質体の
表面に形成したセラミックス多孔質膜及びその製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質膜は、廃水、上水の浄化や溶液、
食品、ガスなどの濾過分離に広く使用されている。この
様な多孔質膜としては、主として金属、有機高分子、こ
れらとセラミックスとの複合物、多孔質ガラス等を素材
として形成したものが使用されている。しかしながら、
金属や有機高分子は、セラミックスと比べて、耐熱性、
耐食性等に劣り、液圧による多孔質膜の孔径変化が生じ
やすいという問題点を有しており、このためセラミック
ス多孔質膜の開発が積極的に進められている。
【0003】従来、セラミックス多孔質膜としては、主
として、アルミナ質の焼結体が用いられているが、アル
ミナ質焼結体は、膜孔径及び膜孔径分布のコントロール
が難しく、特に膜孔径が小さくなるほど使用する原料粉
末としては微細なものが要求され、コストが高くなると
いう問題がある。
【0004】アルミナ質のセラミックス多孔質膜の製造
法としては、セラミックス多孔質支持体と膜層を異なっ
た粒度の原料により作製する方法やセラミックス多孔質
支持体に膜層を被覆により形成する方法などが知られて
いるが、前者の方法では原料コストが非常に高くなり、
大量生産が難しいという欠点があり、後者の膜層を被覆
により形成する方法は、前者の方法と比べるとコストが
安く、大量生産が可能であるという利点はあるものの、
得られる膜層にピンホールやクラックが生成しやすく、
その結果、濾過精度が低下するという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
耐食性、耐熱性に優れ、外圧による膜孔径変化がなく、
高い濾過精度を有し、しかも安価なセラミックス多孔質
膜を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記の様な現
状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、主としてムライト結
晶からなり、組成、純度、結晶粒径、膜孔径及び純水透
過流束が一定範囲の値となるよう制御したセラミック多
孔質膜は、耐熱性、耐食性に優れ、しかも安価で濾過精
度、濾過能力が高いことを見出し、ここに本発明を完成
するに至った。
【0007】即ち、本発明は下記のセラミック多孔質
膜、及びその製法を提供するものである。
【0008】(I)(1)主としてムライト結晶からな
り、(2)Al23/SiO2重量比が68/32〜7
8/22、(3)Al23及びSiO2の合計量が98
重量%以上、(4)平均結晶粒径が0.3〜3μm、
(5)膜孔径のモード径及び50%径が、それぞれ0.
03〜1.0μm、(6)純水透過流束が1日当たり1
0〜50m3/m2であることを特徴とするセラミックス
多孔質膜。
【0009】(II)ムライト粉末を粉砕、分散して得たム
ライト含有スラリーであって、該スラリー中の固形分に
ついて、Al23 /SiO2 重量比が68/32〜7
8/22の範囲にあり、Al23及びSiO2の合計量
が98重量%以上、平均粒子径が0.8〜1.5μm程
度、比表面積が6〜9m2 /gの範囲にあるスラリー
を、セラミックス製多孔質支持体に被覆し、乾燥した
後、1300〜1600℃で焼成することを特徴とする
上記(I)に記載のセラミックス多孔質膜の製造法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるセラミック多
孔質膜が充足すべき各要件について、詳細に説明する。
【0011】(1)主としてムライト結晶からなるこ
と。
【0012】本発明のセラミック多孔質膜は、主として
ムライト結晶からなることが必要である。ムライトは化
学的に安定で、耐食性、耐熱性に優れているという特徴
を有し、更に、アルミナと比べて焼成温度に対して粒成
長速度が遅く、膜孔径の制御が容易であるという特徴も
併せ持っている。
【0013】本発明では、セラミック多孔質膜は、主と
してムライト結晶からなることが必要であるが、ムライ
ト単相でなくても良く、X線回折により回折角20〜4
5゜で測定したムライトの(210)面(M(210))、アル
ミナの(113)面(A(113))、クリストバライトの(1
01)面(C(101))の各面の回折ピーク強度比が下記の条
件を満たせばよい。
【0014】 M(210)/(M(210)+A(113)+C(101))≧0.7 A(113)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.2 C(101)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.1 上記回折ピーク強度比のうちで、A(113)/(M(210)+A(11
3)+C(101))が0.2を超える場合は、アルミナ結晶量が
増加し、ムライト結晶とアルミナ結晶との熱膨張差によ
り、粒界に生成するマイクロクラックが増加し、細孔径
が大きくなるので好ましくない。また、C(101)/(M(210)
+A(113)+C(101))が0.1を超えると、多孔体中のクリスト
バライト量が増えて多孔膜に割れが発生したり、耐食性
の低下につながるので好ましくない。本発明では、下記
の条件を満たすことがより好ましい。
【0015】 M(210)/(M(210)+A(113)+C(101))≧0.8 A(113)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.15 C(101)/(M(210)+A(113)+C(101))≦0.05 (2)Al23/SiO2重量比が68/32〜78/
22の範囲にあること。
【0016】本発明においては、Al23/SiO2
量比が68/32〜78/22の範囲にあることが必要
であり、70/30〜75/25の範囲にあることが好
ましい。Al23/SiO2重量比が68/32を下回
る場合、即ち、SiO2量が多くなると、焼結性が良く
なる利点はあるが、その反面、濾過物の透過量が減少
し、更に、結晶粒界においてSiO2とアルカリ等の不
純物とで形成されるガラス相量が増加するため、耐食性
の低下の原因ともなるので好ましくない。一方、Al2
3/SiO2重量比が78/22を越える場合、即ち、
Al23量が多くなりすぎると、膜形成時の焼成におい
て結晶粒成長がしやすくなり、結果的に膜孔径が大きく
なるので好ましくない。
【0017】(3)Al23及びSiO2の合計量が9
8重量%以上であること。
【0018】本発明においては、Al23及びSiO2
の合計量が98重量%以上であることが必要であり、こ
れが98重量%未満の場合には、不純物量が多くなり、
SiO2量が多い場合と同様に、結晶粒界におけるガラ
ス相量が多くなって濾過物の透過量が減少するので好ま
しくない。なお、本発明のセラミック多孔質膜に含まれ
るアルカリ金属酸化物及びアルカリ土類金属酸化物の合
量は0.2重量%以下であることが好ましい。また、Z
rO2は、焼結助剤としての効果があるので、0.05
〜1重量%程度添加することが好ましい。
【0019】(4)平均結晶粒径が0.3〜3μmであ
ること。
【0020】本発明のセラミック多孔質膜では、平均結
晶粒径が0.3〜3μmであることが必要であり、0.
3〜1μmであることが好ましい。
【0021】平均結晶粒径が0.3μm未満の場合に
は、該多孔質膜と支持体との密着強度を高めることはで
きるものの、膜孔径が小さくなり、濾過物の透過量が減
少するので好ましくない。一方、平均結晶粒径が3μm
を超えると膜孔径が大きくなり、また膜孔径分布が広く
なって濾過精度の低下をきたすので好ましくない。
【0022】本発明のセラミック多孔質膜における平均
結晶粒径は、結晶が視野に100個以上存在する倍率で
膜表面の走査電子顕微鏡観察及び写真撮影を行ない、撮
影した写真からインターセプト法により10点平均を求
め、下記の算出式から求めた値である。
【0023】D=1.5×n/L(D:平均結晶粒径、
n:長さL当たりの結晶の数) (5)膜孔径のモード径及び50%径が、それぞれ0.
03〜1.0μmであること。
【0024】本発明では、セラミック多孔質膜の膜孔径
は、ASTM F316−86に基づいて、媒体として
FC−43(パーフルオロカーボン)を用いて、バブルポ
イント法により測定する。従来から行われている膜孔径
の測定法である水銀圧入法では、開気孔だけでなく閉気
孔も測定してしまうため、本発明のセラミック多孔質膜
の膜孔径の測定には適さず、本発明では濾過のできる開
気孔径を測定できる上記バブルポイント法により膜孔径
の測定を行う。
【0025】この様にして求めた膜孔径の50%径と
は、細孔径累積分布曲線において、累積値が50%を示
す細孔径であり、モード径とは細孔径累積分布曲線から
得られる細孔径のヒストグラムにおいて度数が一番高い
細孔径である。
【0026】本発明では、膜孔径のモード径及び50%
径が、それぞれ0.03〜1.0μmであることが必要
であり、0.05〜0.5μmであることが好ましい。
モード径及び50%径が0.03μm未満の場合は、濾
過物の透過量が減少するので好ましくない。また、1.
0μmを超える場合は、濾過精度の低下につながるので
好ましくない。さらに、モード径または50%径のどち
らか一方が0.03〜1.0μmの範囲外の場合は、膜
孔径分布が広いことを意味し、この場合、濾過精度が低
下するので好ましくない。
【0027】また、本発明のセラミック多孔質膜では、
最大膜孔径が大きすぎる場合には、濾過物の透過量の低
下はないが、濾過精度の低下をきたすことになるので、
上記のバブルポイント法で測定した膜孔径分布におい
て、最大膜孔径が2μm以下であることが好ましく、1
μm以下であることがより好ましい。
【0028】(6)純水透過流束が1日当たり10〜5
0m3/m2であること。
【0029】本発明では、純水透過流束は、測定対象の
セラミックス多孔質膜よりも純水透過流束の大きいセラ
ミックス製の多孔質支持体上に、セラミックス多孔質膜
を形成し、イオン交換水を用いて1kgf/cm2の液
圧をかけた場合の時間当たりの水の透過量とセラミック
ス多孔質膜の面積(水が透過する面積)とから、1日当
たりのセラミックス多孔質膜1m2についての水の透過
量として求める。
【0030】具体的な測定方法としては、セラミックス
多孔質膜を形成する焼成温度で焼成した時に、純水透過
流束が1日当たり20〜60m3/m2の範囲となるセラ
ミックス製多孔質支持体であって、該支持体に多孔質膜
を形成する前の純水透過流束が多孔質膜形成後の純水透
過流束よりも大きい多孔質支持体上に、下記のセラミッ
クス膜の製造方法と同様にして、セラミックス多孔質膜
を形成した後、イオン交換水を用いて1kgf/cm2
の液圧をかけた場合の水の透過量を測定し、この透過量
から1日当たりのセラミックス多孔質膜1m2について
の水の透過量を求めればよい。この際に用いる多孔質支
持体は、セラミックス多孔質膜との密着性等を考慮する
と、アルミナ結晶、ムライト結晶、又はこれらの混合晶
からなる焼結体が好ましく、平均細孔径が0.1〜3μ
m程度のものが好ましい。
【0031】本発明のセラミックス多孔質膜は、上記し
た方法で測定した純水透過流束が、1日当たり10〜5
0m3/m2であることが必要であり、20〜35m3
2であることが好ましい。純水透過流束が、1日当た
り10m3/m2を下回ると、濾過物の透過量が少なくな
るので好ましくなく、一方、50m3/m2を超える場合
には、多孔質膜の強度が不十分となるので好ましくな
い。
【0032】次に、本発明のセラミックス多孔質膜の製
造方法について説明する。
【0033】まず、原料としてムライト粉末を用い、こ
れをボールミル、アトリッションミル等の粉砕機を用い
て湿式で粉砕、分散してコーティング用スラリーを得
る。原料のムライト粉末としては、液相法などを用いて
合成したムライト粉末を使用することが望ましい。粉
砕、分散に際しては、分子量50,000〜100,0
00程度のポリカルボン酸塩を水溶液として添加するこ
とが好ましい。ポリカルボン酸塩は、スラリーの分散性
の向上だけでなく、スラリーに適度なチクソトロピー性
を持たせて、セラミックス多孔質支持体にコーティング
する際に、コーティングした膜厚を均一にする働きを
し、更に、ポアー、クラックの生成を抑制する効果があ
る。使用できるポリカルボン酸塩としてはナトリウム
塩、アンモニウム塩等を挙げることができる。ポリカル
ボン酸塩の添加量は、原料として用いるムライト粉末1
00重量部に対して2〜10重量部程度とすることが好
ましく、より好ましくは4〜10重量部程度とする。更
に、必要に応じて、バインダーとして、ポリビニルアル
コール(PVA)、ワックスエマルジョン、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)等を添加することが出来、これによ
りコーティング時のスラリーとセラミックス多孔質支持
体との密着性を良好にすることができる。バインダーの
配合量は、原料として用いるムライト粉末100重量部
に対して1〜4重量部程度とすることが好ましい。
【0034】粉砕、分散して得られたコーティング用ス
ラリーでは、該スラリー中の固形分は、Al23 /S
iO2 重量比が68/32〜78/22の範囲にあり、
Al23及びSiO2の合計量が98重量%以上、平均
粒子径が0.8〜1.5μm程度、比表面積が6〜9m
2 /gの範囲にあることが必要であり、この様な条件を
満足するスラリーとなるように、粉砕、分散を行なう。
コーティング用スラリーは、固形分濃度が50〜80重
量%の範囲にあることが好ましい。
【0035】この様にして得られたスラリーを、セラミ
ック製多孔質支持体上に膜厚が5〜30μmとなるよう
に被覆し、乾燥した後、1300〜1600℃で焼成す
ることによって、該多孔質支持体上に本発明のセラミッ
クス多孔質膜を形成することができる。スラリーの被覆
方法としては、スプレー、スクリーン印刷、浸漬等の方
法が採用できる。
【0036】本発明において、セラミックス多孔質膜を
形成するためのセラミックス製の多孔質支持体として
は、該多孔質膜の濾過性能を阻害しないように、多孔質
膜を形成する前の純水透過流束が多孔質膜形成後の純水
透過流束よりも大きい多孔質体を用いる。この様な多孔
質支持体としては、耐食性が良好で、本発明の多孔質皮
膜の熱膨張率との適合性が良好である点から、結晶相が
アルミナ結晶、ムライト結晶又はこれらの混合晶からな
る焼結体であることが好ましく、特に、多孔質皮膜との
密着性が良好である点から、アルミナ結晶及びムライト
結晶の混合晶からなることが好ましい。また、多孔質支
持体の純水透過流束は1日当り20〜60m3 /m2
あることが好ましい。純水透過流束が1日当り20m3
/m2 を下回ると、液圧又はガス圧を高めても濾過する
溶液又はガスの拡散抵抗が無視できなくなり、濾過物の
透過量が減少するので好ましくない。一方、純水透過流
束が1日当り60m3 /m2 を越えると、多孔質支持体
の気孔率が高くなるので、多孔質膜との密着強度が低下
し、多孔質膜の剥がれの原因となるので好ましくない。
また、多孔質支持体の平均細孔径は、上記したバブルポ
イント法で測定した場合に、0.1〜3μmであること
が好ましい。平均細孔径が0.1〜3μmの範囲からは
ずれると、多孔質膜との密着強度が低下し、剥がれの原
因となるので好ましくない。尚、多孔質支持体の焼成温
度が、多孔質膜形成時の焼成温度より低い場合には、皮
膜を形成する温度と同一の温度で無機多孔質支持体を焼
成した時の平均細孔径を測定する。
【0037】本発明のセラミックス多孔質膜を形成する
ための、好ましいセラミックス製の多孔質支持体の例と
しては、下記の条件を満足するものを挙げることができ
る。
【0038】(1)結晶相がアルミナ結晶、ムライト結
晶又はこれらの混合晶からなり、(2)Al23 /S
iO2 重量比が60/40〜98/2の範囲にあり、
(3)Al23 及びSiO2 の合計量が95重量%以
上であり、(4)平均細孔径が0.1〜3μmであり、
(5)純水透過流束が1日当り20〜60m3 /m2
ある焼結体からなる無機多孔質支持体。
【0039】この様な条件を満足する多孔質支持体を用
い、この上に、本発明のセラミックス多孔質膜を形成し
た場合には、特に、耐食性、耐熱性等が良好で、しかも
濾過能力の高いセラミック多孔体を得ることができる。
【0040】尚、上記した無機多孔質支持体は、常法に
従って、適宜製造できるが、その製造法の一例を示すと
以下の通りである。
【0041】まず、Al23 、カオリン等を原料とし
て、これを所定のAl23 /SiO2 重量比となるよ
うに配合し、バインダー、分散剤等を添加して、水、エ
チルアルコール等の溶媒中で粉砕粒度が3〜50μm程
度になるように、ボールミル、アトリッションミル等の
粉砕機を用いて湿式で粉砕、混合、分散する。バインダ
ー及び分散剤としては、通常の焼結体の製造に用いるも
のを使用でき、バインダーの具体例としては、ポリビニ
ルアルコール(PVA)、ワックスエマルジョン、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)等を挙げることがで
きる。分散剤の具体例としては、スルホン酸アンモニウ
ム塩、ピロリン酸ソーダ等を挙げることができる。バイ
ンダー及び分散剤の添加量は、成形方法などに応じて、
目的とする無機多孔質支持体が形成されるように適宜決
定すればよい。
【0042】この様にして得られた粉体をプレス成形、
鋳込み成形、押出成形等により所定の形状に成形し、6
00〜1600℃程度、好ましくは700〜1550℃
程度で2〜5時間程度焼成することによって、上記した
条件を満足する無機多孔質支持体を得ることができる。
【0043】以上の様にして、各種のセラミック製多孔
質支持体上に形成した本発明のセラミックス多孔質膜
は、耐食性、耐熱性に優れ、外圧による膜孔径変化がな
く、高い濾過精度を有し、安価であるという特徴を有し
ている。そのため廃水の浄化や中水、上水の浄化等の用
途に特に有効に用いることができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。
【0045】実施例1 Al23 /SiO2 重量比が65/35〜78/2
2、Al23及びSiO2の合計量が95〜99.5重
量%であって、平均粒子径2〜10μm、比表面積3〜
9m2/gのゾル−ゲル法により合成したムライト粉末
に、ポリカルボン酸ナトリウム塩をムライト粉末100
重量部に対して0〜8重量部、バインダーとしてポリビ
ニルアルコールをムライト粉末100重量部に対して2
重量部添加し、Al23製ボールミルとAl23製又
はZrO2製ボールを用いて粉砕、分散し、コーティン
グ用スラリーを作製した。表1に、各コーティングスラ
リーの特性を示す。表1において、Al23 /SiO
2 重量比、Al23+SiO2重量%、及びZrO2
量%は、得られたスラリー中の固形分量を基準とするも
のであり、ポリカルボン酸ナトリウム塩の添加量は、原
料として用いたムライト粉末100重量部に対する重量
部である。
【0046】
【表1】
【0047】次いでAl23 /SiO2 重量比が66
/34となるように、Al23及びカオリン原料を配
合し、更に、バインダーとしてワックスエマルジョン及
び分散剤としてピロリン酸アンモニウム塩を添加し、ボ
ールミルとボールを用いて、水を溶媒として粉砕粒度が
3〜50μmとなるように粉砕、混合しスラリーを得
た。得られたスラリーを乾燥し、含水率が20%となる
ように調整して坏土とした。バインダー及び分散剤の配
合量は、成形に際して適度な可塑性が得られるように適
宜調整した。この坏土を用いて、焼成後の大きさが外径
10mm、内径7mm、長さ50mmのパイプ状となる
ように押し出し成形により成形し、乾燥後、1100℃
で2時間焼成してムライト質の多孔質支持体を得た。得
られた多孔質支持体は、平均細孔径が0.1〜3μm
で、純水透過流束が1日当たり25〜35m3/m2であ
った。
【0048】このセラミックス多孔質支持体の両端をシ
ールして、上記したコーティング用スラリーに浸漬し、
100℃で乾燥し、1200〜1700℃で焼成して、
厚さ20μmのセラミックス多孔質膜を形成した。
【0049】得られたセラミックス多孔質膜の結晶相、
膜孔径のモード径及び50%径、平均結晶粒径、膜状
態、純水透過流束並びに膜表面状態を下記表2に示す。
得られたセラミックス多孔質膜におけるAl23 /S
iO2 重量比及びAl23+SiO2重量については、
それぞれ表1に記載のスラリーの固形分中の量と同一で
あった。尚、膜表面状態は、光学顕微鏡又は走査式電子
顕微鏡により観察し、異常のないものを○印で表す。
【0050】
【表2】
【0051】表2において、サンプルNo.1〜7のセラ
ミックス多孔質膜は本発明の要件を満足するものであ
り、1日当たりの純水透過流束が10〜50m3/m2
範囲にあり、濾過物の透過量が多く、濾過精度に優れ、
膜の密着状態が良好であった。一方、サンプルNo.8〜
12のセラミックス多孔質膜は、本発明の条件の少なく
とも一つを満足しないものであり、純水透過流束が10
3/m2未満又は50m3/m2を上回るものであり、濾
過物の透過量と濾過精度の両方の性能を同時に満足する
ことはできない。また、サンプルNo.11、12のセラ
ミックス多孔質膜では、膜形成後にクラック又はピンホ
ールが生じており、濾過用のセラミックス多孔質膜とし
て使用できないものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 俊也 大阪府大阪市浪速区敷津東一丁目2番47 号 株式会社クボタ内 (72)発明者 大西 宏司 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株 式会社ニッカトー内 (72)発明者 乾 一代 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株 式会社ニッカトー内 (72)発明者 河波 利夫 大阪府堺市遠里小野町3丁2番24号 株 式会社ニッカトー内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10 C04B 41/80 - 41/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)主としてムライト結晶からなり、
    (2)Al23/SiO2重量比が68/32〜78/
    22、(3)Al23及びSiO2の合計量が98重量
    %以上、(4)平均結晶粒径が0.3〜3μm、(5)
    膜孔径のモード径及び50%径が、それぞれ0.03〜
    1.0μm、(6)純水透過流束が1日当たり10〜5
    0m3/m2、であることを特徴とするセラミックス多孔
    質膜。
  2. 【請求項2】ムライト粉末を粉砕、分散して得たムライ
    ト含有スラリーであって、該スラリー中の固形分につい
    て、Al23 /SiO2 重量比が68/32〜78/
    22の範囲にあり、Al23及びSiO2の合計量が9
    8重量%以上、平均粒子径が0.8〜1.5μm、比表
    面積が6〜9m2 /gの範囲にあるスラリーを、セラミ
    ックス製多孔質支持体に被覆し、乾燥した後、1300
    〜1600℃で焼成することを特徴とする請求項1に記
    載のセラミックス多孔質膜の製造法。
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