JP4840690B2 - 管端防食部材および配管構造 - Google Patents

管端防食部材および配管構造 Download PDF

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Description

本発明は、配水管などを構成する内面樹脂被覆鋼管の端部に装着される管端防食部材およびそれを用いた配管構造に関する。
配水管、例えば給水用配管又は給湯用配管においては、SUS鋼管、樹脂管又は内面樹脂被覆鋼管が使用されており、特に配管コスト(材料費及び施工費用)が重視される場合には、原管(鋼管)の内面を樹脂で被覆したライニング鋼管が多用されている。ライニング鋼管としては、水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(SGP−PA管)又は水道用塩化ビニルライニング鋼管(SGP−VA管)が多用されている。このライニング鋼管は、施工場所で所定長さに切断されるので、その切り口に露出する鋼管の腐食を防止するために、切り口に管端防食部材を装着してから各種継手により配管接続することが行われている。
配管施工コストの低減を図るべく、簡単な作業で管端の防食を行えるようにするために、例えば特許文献1及び特許文献2に記載された管端防食部材が提案されている。まず、特許文献1には、合成樹脂等の耐食材料からなる接着剤付管用防食コアが記載されている。この管用防食コアは、管端面に接合する環状の底壁に、内面樹脂被覆鋼管の内面に接合する内壁と管の外面に接合する外壁とが同一方向に断面形状がコ字形に形成し、上記コの字部に接着剤を注入し、その表面に保護シートで覆うように構成されている。
また特許文献2には、管体(例えば内周面に粉体ライニングを施したダクタイル管)の端部に外嵌可能なリング本体に、このリング本体を管体に外嵌着した際に、その先端に対向する内向突片が設けられかつ内向突片の対向面には、管体の先端面に接着されるゴム系接着剤が設けられた管体用防食リングが記載されている。
実開昭61−99794号公報(第1頁、図1、図2) 実開平7−22198号公報(第1頁、図1、図2)
上記の管端防食部材(防食コア又は防食リング)によれば、防食作業を簡単に行うことは可能であるが、通常の水道用配管に適用した場合には、次のような問題点があることが知見された。すなわち通常の水道用配管では、2種類の内面樹脂被覆鋼管が使用されるので、いずれの内面樹脂被覆鋼管に対しても防食効果が得られることが必要とされる。ところが、原管の内面に被覆される樹脂の吸水率が異なるので、被覆厚さが相違することから、口径(呼び径)が同一でも内径が異なる。すなわちSGP−PA管は吸水率(JIS K 7209に準じた測定値、以下も同様)が0.04%以下であるポリエチレンを使用するので、その被覆厚さは0.30〜0.50mm程度となるのに対し、SGP−VA管では吸水率が約0.4%である塩化ビニルを使用するので、その被覆厚さは1.5〜2.5mm程度となる。したがって、口径が50Aの場合で、SGP−VA管の内径は50.2mm(実測値、以下も同様)であるのに対し、SGP−PA管の内径は51.2mmとなる。このため、特許文献1に記載された管端防食部材(防食コア)では、内面樹脂被覆鋼管の内面に接合する外壁の内径はSGP−VA管を受容可能な寸法に設定されている。しかしこのような寸法に設定された防食コアをSGP−PA管の端面に装着すると、外壁の外周面と内面樹脂被覆鋼管の内周面との間に大きな隙間が形成されることとなる。管端防食部材の奥壁に設けたゴム系接着剤は管端の防食作用と共に鋼管と自身を固着する接着作用もなすものであるが、管内を流れる流体の流速が早い(例えば3m/s以上)場合には、水道水が前述した隙間内部に入り込むことに伴って、接着強度などによっては接着剤が管内に流出して十分な管端部の防食性が得られないことがある。さらに接着剤の流出が進むと防食コアが管端から抜け出すことがある。
また、特許文献2に記載された管端防食部材(防食リング)は、内面側が開放した単純な形状なので、低コストで製造できるが、防食リングと管端とは、接着剤と鋼管の端部外周面と本体(フランジ部)との嵌めあいのみで接合されているので、特許文献1に記載されたものより、防食リングと管端との接合力がさらに弱く、さらに接着剤と水道水との接触面積が大きいので接着剤が流出しやすく、特許文献1の防食コアと同様の問題がある。
本発明の目的は上記の問題点を解消して、口径の異なる複数種の内面樹脂被覆鋼管の端面に強固に固定できる管端防食部材及びこの管端防食部材を含む配管構造を提供することである。

上記目的を達成するために、本発明の管端防食部材は、熱可塑性樹脂からなる2重リング状本体と、内面樹脂被覆鋼管の端面に密着される円環状の接着部材とからなる管端防食部材において、前記2重リング状本体は、前記内面樹脂被覆鋼管の外周面と係合する外フランジ部と、前記内面樹脂被覆鋼管の内周面と係合する内フランジ部と、前記外フランジ部と前記内フランジ部とを一体的に連結する底板部とからなるとともに、
さらに前記外フランジ部の長さ(L1)と前記内フランジ部の長さ(L2)は、前記内フランジ部の長さ(L2)と前記内面樹脂被覆鋼管の外径(D)との比(L2/D)に応じて、
(a)L2/Dが0.1以上0.3未満の場合は、L2>L1、
(b)L2/Dが0.02以上0.1未満の場合は、L1>L2
の寸法関係を有するように設定され、
前記内面樹脂被覆鋼管の外周面と外フランジ部との係合は隙間が無く、前記内面樹脂被覆鋼管の内周面と内フランジ部との係合は隙間を有していることを特徴とするものである。
本発明において、前記2重リング状本体はポリエチレンからなり、前記接着部材は未加硫ブチルゴムからなることが好ましい。
本発明において、前記内面樹脂被覆鋼管として、SGP−PA管及びSGP−VA管を使用することができる。
本発明は、上記した内面樹脂被覆鋼管と、接続しようとする内面樹脂被覆鋼管の管端防食処理を必要とする管継手と、上記したいずれかに記載の管端防食部材とからなる配管構造を構成することができる。
本発明によれば、内面樹脂被覆鋼管の外周面を受取る外フランジ部の長さ(L1)と、前記外フランジ部との間で前記内面樹脂被覆鋼管が差し込まれる空間を形成する内フランジ部の長さ(L2)が、内面樹脂被覆鋼管の外径(D)に対する内フランジ部の長さ(L2)の比率に応じて特定の関係を有するように設定されているので、管内を流動する流体の流下抵抗を受けても、接着部材の一部が内外フランジ部と被覆鋼管との隙間から流出することなく、所定の密封防食力と接着力を維持することができる。このとき特に、内面樹脂被覆鋼管の外周面と外フランジ部は密接した係合関係となし、一方の内面樹脂被覆鋼管の内周面と内フランジ部との間には隙間が生じる係合関係であると、外周面側の密着力が増して管端防食部材の離脱を防止できると共に、内周面側に隙間があっても上記した密封防食力と接着力を同時に維持することができるので内径の異なる異管種にも対応できる。
特に、本体がポリオレフィン(例えばポリエチレン)で形成され、接着部材が粘着性を有する弾性体(例えば未加硫ブチルゴム)で形成されていると、製造コストが低減されしかも強い接着力をもつので、実用性の大なる管端防食部材を得ることができる。また、具体的にはこの管端防食部材をSGP−PA管又はSGP−VA管に適用することで、赤水などの不具合の生じない配管を、低コストで得ることができる。
また、この管端防食部材を用いた配管構造は、上記した以外の内面樹脂被覆鋼管であっても、管端防食処理を必要とする管継手との接続構造であれば広く用いることができる。
本発明の詳細を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わる管端防食部材を有する配管構造の一例を示す半断面図、図2は図1をA方向から見た矢視図(内面樹脂被覆鋼管は不図示)、図3は図2をB方向から見た矢視図(内面樹脂被覆鋼管は不図示)、図4は図1のC部を拡大して示す管端防食部材廻りの断面図、図5は管端防食部材を構成する2重リング状本体の斜視図、図6は管端防食部材の一例を示す断面図、図7は管端防食部材の他の例を示す断面図である。
図1〜図4に示す配管構造は、端部に管端防食部材6a(詳細は後述する)が装着された内面樹脂被覆鋼管10aと同じく端部に管端防食部材6bが装着された内面樹脂被覆鋼管10bをカップリング型継手1により接続した構造を有する。尚、管継手としては本例のようなカップリング型継手に限るものではないが、管端防食構造が必要な配管構造の適例として示した。
内面樹脂被覆鋼管10a、10bは、例えば炭素鋼鋼管(SGP管:JIS G 3452)からなる原管11a、11bと、その内面に形成されたライニング層12a、12bを有する。以下の例では、内面樹脂被覆鋼管10a、10bとして、原管の内面にポリエチレン粉体が圧送融着されたポリエチレン粉体ライニング鋼管(SGP−PA:日本水道協会規格 JWWA K132参照)又は原管の内面に塩化ビニル管が密着された硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP−VA:日本水道協会規格 JWWA K116参照)が使用される。
カップリング型継手1は、オーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS304)のような耐食性を有する金属材料からなる薄板を断面C字状に成形して得られた弾性変形可能なハウジング2と、ハウジング2を締付ける締結部材3と、ハウジング2の内部に収容されたパッキン4と、パッキン4の両側に設けられた保持部材5a、5bを備えている。
締結部材3は、ハウジング2の折り返し部21aに差し込まれる棒ワッシャー31と、折り返し部21bに挿入される棒ナット32と、棒ナット32にそれと直交する方向からねじ込まれる複数(本例では2本)のボルト33a、33bと、各ボルト33a、33bにそれを貫通するようにセットされるスペーサ34a、34bを有する。
パッキン4は、内面樹脂被覆鋼管10a、10bとのシール性を確保するために、例えばEPDM等のオレフィン系ゴムやNBRなどのニトリルゴムで形成され、筒状部41とその両端部に形成されたリップ部42a、42bを有する。
保持部材5a、5bは、内面樹脂被覆鋼管10a、10bの軸方向の移動を阻止するために、パッキン4の端面に密着されるストップリング51a、51bと、ハウジング2の端面から内部に向って傾斜した複数の係止爪521a、521bを有するグリップリング52a、52bと、これらの部材をパッキン4の端面に向って押圧するワイヤーリング53a、53bとで構成される。
締結部材3及び保持部材5a、5bを構成する各部材は、例えばハウジング2と同様の耐食性を有する金属材料で形成することができる。
内面樹脂被覆鋼管10a、10bは、上記のカップリング型継手1により、例えば次の手順で接続することができる。締結部材3、パッキン4及び保持部材5a、5bが収容されたハウジング2の内部に、各端部に管端防食部材6a、6bが装着された内面樹脂被覆鋼管10a、10bを差込み、次いでボルト33a、33bを締付ける。これによりハウジング2が縮径されるので、パッキン4のリップ部42a、42bが内面樹脂被覆鋼管10a、10bの外面に密着し、かつグリップリング52a、52bの係止爪521a、521bが内面樹脂被覆鋼管10a、10bの外面に食い込み、配管接続が行われる。
管端防食部材6aとこれを用いた配管構造(管端防食部材6bも同様)の詳細を図4〜7により説明する。図4に示すように管端防食部材6a(管端防食部材6bも同様)は、2重リング状本体であるケース7と、その内部の奥壁に保持されて、内面樹脂被覆鋼管10aの端面に接触する中空円板状の接着部材8を有する。
図5に示すように、ケース7は、中空円板状の底板部71とその外縁部において軸方向に突設された外フランジ部72と底板部71の内縁部において軸方向に突設された内フランジ部73からなり、外フランジ部72と内フランジ部73との間に内面樹脂被覆鋼管の端部が差し込まれる空間が形成される。ケース7は、低コストで作製できるようにするために、例えば射出成形の手法により製作が可能な熱可塑性樹脂で形成されており、具体的にはポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)に代表されるポリオレフィン系樹脂で形成することが好ましく、耐熱性及び機械的強度を考慮するとPEがさらに好ましい。

接着部材8は、内面樹脂被覆鋼管の端面と接触したときに所定の密封防食力と接着力が得られ、かつ内面樹脂被覆鋼管の軸方向の変動を吸収できるようにするために、ゴム系接着剤で形成することが好ましく、イソブテンと少量のイソプレンとの共重合体で、金属に対して良好な粘着性を示し、また化学的に不活性でかつ酸やアルカリなどに対する抵抗性が強いブチルゴムがより好ましい。特に加硫ブチルゴムを加工して粘性と可塑性を付与した未加硫ブチルゴムは、内部応力(残留応力)が殆どないので、本発明に極めて有用である。
例えば水道用配管においては、通常、口径(呼び径)が20A〜200Aの範囲にある11種類の内面樹脂被覆鋼管10aが使用されるが、SGP−VA管とSGP−PA管とでは、外径(D)が同一でも内径(Da、Db)が異なり、表1に示すように、1.0〜1.9mmの内径差Δd(実測値)が存在する。
Figure 0004840690
そこで本発明では、内面樹脂被覆鋼管の口径に応じてケース7の寸法を適切に設定することにより、各種口径のSGP−VA管及びSGP−PA管のいずれに対しても管端防食部材の接着性能を維持し得るようにした。
内面樹脂被覆鋼管の口径(呼び径)が20A〜40Aの場合は、図6に示すように、内フランジ部73を外フランジ部72よりもわずかに長くした形状を有するケース7が好適である。図6において、D1:外フランジ部72の外径、D2:外フランジ部72の内径、t1:外フランジ部の厚さ、L1:外フランジ部の長さ、t2:底板部の厚さ、d1:内フランジ部の内径、d2:内フランジ部の外径、t3:内フランジ部の厚さ、L2:内フランジ部の長さ、dp:内面樹脂被覆鋼管の内径で表1のDa、Db相当、以上各部の寸法を表2に示す。
さて、ここでは外フランジ部の内径D2は、内面樹脂被覆鋼管の外径(D)と同じ寸法でかつDに対してしまりばめ(例えばh6/R7)となる寸法公差を有するように設定されている。即ち、隙間の無い係合関係に構成されている。一方、内フランジ部の外径d2と内面樹脂被覆鋼管の内径dpの関係はdp>d2と隙間gを有するように設定されている。但し、寸法公差を考慮すると隙間gが0に近いものもできるが、概ね隙間が生じてしまう。
また内面樹脂被覆鋼管の口径(呼び径)が50A〜200Aの場合は、図7に示すように、外フランジ部72を内フランジ部73よりも長くした形状を有するケース7が好適である。図7において、D1:外フランジ部の外径、D2:外フランジ部の内径、t1:外フランジ部の厚さ、L1:外フランジ部の長さ、t2:底板部の厚さ、d1:内フランジ部の内径、d2:内フランジ部の外径、t3:内フランジ部の厚さ、L2:内フランジ部の長さ、dp:内面樹脂被覆鋼管の内径であり、各部の寸法を同じく表2に示す。尚、ここでも外フランジ外径D2は鋼管外径Dと同じ寸法でかつ上記と同じ寸法公差に設定されている。また、内フランジ部の外径d2と鋼管内径dpとの間には同様に隙間gを有するように設定されている。
Figure 0004840690
次に、表2の寸法を有するPE製のケース7に未加硫ブチルゴムからなる接着部材8を貼付した管端防食部材6aを内面樹脂被覆鋼管の端面に装着した状態で、JIS S3200−7に準じた浸出性能試験(管内流速:3m/s)を行なった。その結果、いずれのケースを使用した場合においても、鉄の濃度は0.3mg/L以下であり、また臭気(金属臭)についても異常がなかった(赤水の発生がない)ので、内面樹脂被覆鋼管の管端が正常に防食されていることが確認された。
比較のために、全ての口径(呼び径)において、L1=L2=6mmとした以外は表2と同様の寸法を有するケースを使用した管端防食部材を作製し、上記と同様の条件で浸出性能試験方法を行なった結果、いずれのケースを使用した場合においても、鉄の濃度は0.3mg/Lを越え、また臭気(金属臭)についても異常が認められたので、内面樹脂被覆鋼管の管端が正常に防食されていないことが確認された。
したがって上記の浸出性能試験の結果に基づいて表2に示すケースの各部の寸法を整理すると、外フランジ部の長さ(L1)と内フランジ部の長さ(L2)は、内フランジ部の長さ(L2)と内面樹脂被覆鋼管の外径(D)との比(L2/D)に応じて次の関係を有するように設定する必要があることがわかる。
(a)L2/Dが0.1以上、0.3未満(本例では口径Dが20A〜40Aに相当する)の場合は、L2>L1であり、
(b)L2/Dが0.02以上、0.1未満(本例では口径Dが50A〜200Aに相当する)場合は、L1>L2である。
上記の寸法関係をもつ管端防食部材により、内面樹脂被覆鋼管の管端が正常に防食される理由は次のことであると推定される。図4に示すようにこの管端防食部材6aを内面樹脂被覆鋼管10aの端面に装着した状態で、例えば矢印X方向に水道水が流動すると、内面樹脂被覆鋼管10aの内面と内フランジ部73との間に形成される隙間による環状空間にも水道水が流れ込み、接着部材8が圧縮される。ここで内フランジ部73の長さ(L2)が適切な寸法に設定されていないと、接着部材8の一部が環状空間に引きずり出され、最終的に図示矢印Y方向へ流出する可能性が増大する。このとき、外フランジ72と内面樹脂被覆鋼管10aの外周面との間に隙間が存在するとここからも水圧が環状空間に加わり接着部材8が引きずり出される方向にさらに作用する。
そこで、口径(呼び径)が例えば20A〜40Aと比較的小さい場合は管端防食部材6aは内面樹脂被覆鋼管10aの外径Dに対する内フランジ部73の長さL2の比率(L2/D2)は0.1以上、0.3未満となし、この場合は図6に示すようにL2をL1よりも長くすることにより、接着部材8の一部が上記環状空間(隙間)に引きずり出されるように働いても適切な長さL2によりケース7の内部に保持され易いことが分かった。したがって、管内の流速が早い(例えば3m/s以上)ときでも、管端防食部材6aが内面樹脂被覆鋼管10aの端部から離脱することが防止される。さらに、外フランジ72と内面樹脂被覆鋼管10aの外周面との間に隙間を無くすことにより、ここから加わっていた水圧の影響がなくなるのでより効果的である。
これに対して図7に示すように、口径(呼び径)が例えば50A〜200Aと大きい場合は内面樹脂被覆鋼管10aの外径Dに対する内フランジ部73の長さL2の比率(L2/D)は0.02以上、0.1未満となし、この場合は図7に示すようにL1をL2より長くする。これにより内面樹脂被覆鋼管10aの外周面と外フランジ部72の内面との接触長さと面積が増大する。口径が大きいぶん管端防食部材には、より大きな水圧が作用するが外フランジ側の接触長さと接触面積が増大したことにより外周側の抵抗強度が強く離脱防止効果が高い。よって、接着部材8の一部が環状空間に引きずり出されることが少なくなるし、管端防食部材6aと樹脂被覆鋼管10aとの接着強度の低下が少ない。したがって管内の流速が早い(例えば3m/s以上)ときでも、管端防食部材6aが内面樹脂被覆鋼管10aの端部から離脱することを防止できる。尚、このときも外フランジと内面樹脂被覆鋼管の外周面との間には隙間が無いようにすることでより効果がある。
本発明は、上記に限らず、種々の変更が可能であり、例えばカップリング型継手以外の継手でも良く、給水、給湯、排水などの用途で管端防食処理を必要とする管継手であれば本発明の配管構造を行うことができる。また、この管端防食部材をSGP−VA管及びSGP−PA管以外の内面樹脂被覆鋼管に用いることもできる。
本発明の実施の形態に係わる管端防食部材を備えた配管構造の一例の半断面図である。 図1をA方向から見た矢視図である。 図2をB方向から見た矢視である。 図1のC部を拡大して示す断面図である。 管端防食部材を構成する本体の斜視図である。 管端防食部材の一例を示す断面図である。 管端防食部材の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1:カップリング型継手、
2:ハウジング、21a、21b:折り返し部、
3:締結部材、31:棒ワッシャー、32:棒ナット、33a、33b:ボルト、34a、34b:スペーサ、
4:パッキン、41:筒部、42a、42b:リップ部
5a、5b:保持部材、51a、51b:ストップリング、52a、52b:グリップリング、521a、521b:係止爪、53a、53b:ワイヤーリング
6a、6b:管端防食部材、7:ケース、71:底板部、72:外フランジ部、73:内フランジ部、8:接着部材
10a、10b:内面樹脂被覆鋼管、11a、11b:原管、12a、12b:ライニング層

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂からなる2重リング状本体と、内面樹脂被覆鋼管の端面に密着される円環状の接着部材とからなる管端防食部材において、前記2重リング状本体は、前記内面樹脂被覆鋼管の外周面と係合する外フランジ部と、前記内面樹脂被覆鋼管の内周面と係合する内フランジ部と、前記外フランジ部と前記内フランジ部とを一体的に連結する底板部とからなるとともに、
    前記外フランジ部の長さ(L1)と前記内フランジ部の長さ(L2)は、前記内フランジ部の長さ(L2)と前記内面樹脂被覆鋼管の外径(D)との比(L2/D)に応じて、
    (a)L2/Dが0.1以上0.3未満の場合は、L2>L1、
    (b)L2/Dが0.02以上0.1未満の場合は、L1>L2
    の寸法関係を有するように設定され、
    さらに前記内面樹脂被覆鋼管の外周面と外フランジ部との係合は隙間が無く、前記内面樹脂被覆鋼管の内周面と内フランジ部との係合は隙間を有しているものであることを特徴とする管端防食部材。
  2. 前記内面樹脂被覆鋼管は、SGP−PA管又はSGP−VA管であることを特徴とする請求項1に記載の管端防食部材。
  3. 請求項に記載の内面樹脂被覆鋼管と、接続しようとする内面樹脂被覆鋼管の管端防食処理を必要とする管継手と、請求項1又は請求項2に記載の管端防食部材とを備えることを特徴とする配管構造。
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