JP4840571B2 - 樹脂材料補強用の微細金属帯材と、該帯材を用いてなる樹脂成形品及び医療製品 - Google Patents

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本発明は医療用カテーテルやバルーン等の医療製品、例えばゴルフクラブシャフトやテニスラケット、釣竿、スキーやアーチェリーなど種々のスポーツ・レジャー用プリプレグ用品なとの補強用部材として樹脂材料に複合して使用され、高弾性特性と耐繰返し疲労特性を向上した金属帯材、並びにこれを用いてなる複合樹脂成形品及び医療製品に関する。
血管内に挿入されるカテーテルは、例えば図7に示すように、可撓性の長尺筒体からなるチューブ体Aと、該チューブ体Aの基端側には把手部Bを、また先端側にはソフトチップCを備えて構成され、把手部BからソフトチップCに亙って通じた内孔A1を備え、この内孔A1によって例えばステントやバルーンなどの医療用部材や種々薬剤を体内の必要部位に供給できるように構成されている。またこのカテーテルは、複雑に入り組んだり分岐する血管内に沿って目的部位にこれらが円滑に挿入/注入できるよう、柔軟でかつトルク伝達性などの操作性に優れた特性のものが求められるが、その太さは血管の太さに準じ、例えば血管末梢部用のものでは極めて細径なものが必要となる。
しかし、そのような細径のチューブ品を体内に挿入する場合は、複雑な血管に沿って円滑に操作でき座屈等の変形がなく、トルク伝達性に優れた特性も必要であり、また挿入しようとするステントや造影剤等の薬液の供給に支障がない十分な内部通路と、薬剤注入圧に耐える耐圧性を備えることも必要である。こうしたことから、近年では同図に示すようにその周面に沿って金属細線aを用いてブレード編み加工(編組)した補強部材bをカテーテルの周壁内に埋設することが行われている。
こうしたブレード編組用の金属細線aについて、例えば特許文献1では、ワイヤーの引張強さを増すことで、より薄いカテーテル壁とし、かつ可撓性を犠牲にすることなくキンクを防止するのに必要な剛性を高めることを開示し、また特許文献2では、該補強部材に用いる線材として、焼鈍されたステンレス鋼線を幅0.26mm、厚さ0.06mmの扁平な帯板に圧延成形した強細線を用いて編組した医療用チューブを開示し、さらに特許文献3では、その一形態として特許文献2と同様に焼鈍された線材を平線に直接成形し編組してなる補強部材として、NやNbを添加したオーステナイト系ステンレス鋼を用いることを開示している。
特許文献1 特開平7−194707号公報
特許文献2 特開平8−317986号公報
特許文献3 特開2002−282366号公報
しかしながら、前記各特許文献に示すような金属線材を用いるものには次のような問題があり、その改善が求められている。すなわち、これら通常の金属材料は冷間加工での加工硬化によってその機械的特性を高めるものであるが、冷間加工だけで所定の高強度特性を持つようにしたものでは該加工によって材料の剛性が増して組織的に不安定なものとなり、耐疲労特性を低下させて製品寿命が短くなるばかりでなく、細径加工性及び編組作業性にも影響することとなる。また逆に加工程度が小さいものでは強度不足からトルク伝達性や耐座屈性が低下して使用操作性に劣るとともに、薬液注入時の耐圧性の面からも好ましいものとは言い難い。
また、特許文献3はこうした問題を改善するものとして窒素やニオブを添加したオーステナイト系ステンレス鋼を伸線し編組した補強部材付きのカテーテルを開示しているが、ステンレス鋼にこのような多量の窒素やニオブを添加したものではそれら元素の炭・窒化物を形成してその内部に残留し、これによって微細な補強用細線の加工性や疲労特性を低下させるなどの問題がある。
すなわち、前記窒素やニオブによる炭・窒化物は、その溶解やその後の熱処理時に発生する数μm以上の粗大かつ硬質な粒子であって、この粒子はその後の加工では変形や微細化しにくいことから、例えばその厚さが50μm以下の微細帯材を成形する場合は、その内部にはこのような硬質異物が含まれるものとなり、これが起点になって加工割れや折損等が発生して疲労寿命を短くすることとなる。こうした問題は、断面が円形な金属細線の場合に比べて影響が大きくなることから、本発明のように厚さ50μm以下の帯材ではその発生を抑えることも必要である。
そこで本発明は、特にこのような樹脂製品の補強用部材となる微細形状の金属帯材として、高強度で高弾性特性を発揮し得る析出硬化型Co基合金で構成することによって、その特性向上を図ることとし、それによって補強用材料として求められる強度と弾性特性に優れ、かつ柔軟性にもすぐれ曲げ疲労等での折損を防いで寿命特性に優れた金属帯材、並びに該帯材による樹脂成形品及び医療製品の提供を目的とする。
本願請求項1に係る発明は、樹脂材料の補強に用いる補強用材料であって、質量でCoを30〜60%を含有する析出硬化型のCo基合金で、厚さ50μm以下と該厚さの2〜20倍の幅寸法を備える断面形状を有するとともに、その側面部は未加工の膨出表面で押圧平面部の表面粗さより粗大表面であり、かつ引張強さ2200〜3300MPaでヤング率170〜250GPaの機械的特性を備えることを特徴とする樹脂材料補強用の微細金属帯材である。
そしてその請求項1では、該Co基合金は、質量でCo:30〜60%と、C:0.30%以下,Si:2.0%以下,Mn:2.0%以下,Ni:4〜20.0%,Cr:13.0〜25.0%、及び更にMo:2.0〜10.0%,W:0.5〜8.0%,Ta:0.3〜6.0%のいずれか1種以上を含有し、残部Feと不可避不純物でなる析出硬化型Co基合金でなるものであり、請求項の発明は、前記Co基合金は、質量で35.0〜55.0%のCoと、C:0.08〜0.18%,Si:0.1〜1.0%,Mn:0.2〜1.5%,Ni:14.0〜18.0%,Cr:19.0〜23.0%と、更にMo:4.0〜8.0%及び/又はW:0.5〜4.0を含み,残部Feと不可避不純物でなる前記金属帯材である。
さらに請求項に係わる発明は、前記合金材は、Al:0.08%以下、Ti:0.05%以下、N:0.05%以下、Nb:0.06%以下に各々抑制されたもので構成されてなるものであり、請求項に係わる発明は、前記合金材は、次式A値が30〜42%に調整されたものである
A=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+0.35Si+12.6C
さらに請求項に係わる発明は、その横断面組織内に、0.3μm以下の前記微細析出物粒子が、任意単位面積1μm当たり100〜100000ケの分布率で分布したものであり、請求項に係わる発明は、0.2%耐力が1800〜2800MPaの機械的特性を有するものであり、請求項に係わる発明は、引張強さ(σ)と前記0.2%耐力(τ)との比{(τ/σ)×100}が、85〜98%のものであり、請求項に係わる発明は、環境温度20℃での透磁率(μ)が、1.010エルステッド以下の非磁性であり、請求項に係わる発明は、さらに表面は、加工されたニッケルメッキ層で覆われた前記金属帯材である。
また請求項10に係わる発明は、前記金属帯材が樹脂材料に複合され、かつ所定の形状品に成形されてなる樹脂成形品であり、請求項11に係わる発明は、前記樹脂成形品は、前記金属帯材の編組加工でなるブレード編体を樹脂材料で被包し、チューブ状に成形されたものであり、請求項12に係わる発明は、医療用カテーテルに用いられるものであり、請求項13に記載の医療製品は、カテーテルバルーンに用いられるものである。
こうして本発明によれば、前記樹脂製品は前記微細金属帯材を内装し、かつその組成として所定のCoを含む析出硬化型のCo基合金で構成するものとしている。そして該Co基合金では、例えば軟質熱処理状態でも高い機械的特性を有し、その後の成形加工での加工硬化によってその特性を更に向上することから高い引張強さとヤング率を備えた微細金属帯材が可能となり、しかも該Co基合金は加工性に優れていることから、安定した繊維状の加工組織を持つものとなり、前記強度特性とともに組織的にも安定したものとなる。
したがって、その断面形状を50μm以下の微薄厚さにすることでカテーテルの形成膜厚さを薄くできるとともに、本発明ではその側面部を未加工の膨出表面として押圧平面部の表面粗さより粗大表面にするものであることから、これを樹脂材料に複合する場合は、粗大表面である側面部でより確実な結合を図ることができ、しかも該側面部での平均表面粗さは実質的に該帯線自体の前記機械的特性には影響を及ぼさない程度のものであることから、特性的にも安定した補強効果をもたらすことができる。
更に請求項2の発明ではその材料特性を更に高めることができ、請求項3の発明では有害な非金属介在物の発生を抑えて成形加工性及び疲労特性を高めるとともに、製造歩留まりの向上を図ることができ、請求項4の発明では安定したオーステナイト組織をもたらすことから、耐食性を高めるとともに、これを例えば水素環境下で使用する場合にも耐水素脆性などの問題を未然に解消することができる。
また請求項の発明では、その組織内に極めて微細な化合物粒子を分布させることで、析出硬化現象による高強度化と高弾性化を図り、その使用量を減ずるとともに、複合性能を高めることができる。さらに請求項6乃至8の発明によれば、機械的特性、磁気特性の向上によってその用途範囲を拡大し、請求項の発明では表面をニッケルメッキで被覆していることから潤滑性が向上し、編組加工などでの加工性向上が可能となる。
請求項10の発明では、樹脂材料に複合され所定形状品に成形されることから、樹脂成形品として良好な性能を持つことができ、請求項11乃至13の発明では良好な医療製品が提供できる。
発明を実施する為の最良の形態
次に本発明に係わる微細金属帯材の好ましい形態として、図1は該帯材1の一形態を示す拡大斜視図であり、図2及び図3はこれを編組加工によって形成したブレード網体2を用いてなるカテーテルチューブ体の部分断面図である。
カテーテル10は前記し、また図7に示すように、ブレード網体2を用い可撓性を持つ長尺なチューブ体Aと、その基端側には把持部Bを、また先端側にはソフトチップCを備えて構成され、把持部BからソフトチップCに亙って継った内孔Alを設けている。そして、この内孔Alによって例えばステントやバルーンなどの医療製品や種々薬剤を体内の必要部位に供給できるように構成されている。
チューブ体Aは、例えば図2に示すように、外径0.5〜3mmでかつ膜厚さ0.2〜0.8mm程度に形成された長尺の筒状成形品であって、捻りトルクを伝達するトルク伝達性や可撓性,耐圧性、耐座屈性を高める為に、その壁面内には全長に亙って微細な金属帯材1をメッシュ筒状に編組してなる補強用のブレード編体2を備え、その両面に樹脂材料3(内層31,外層32)を配置して複合一体化している。なお図3は、図2のa−a‘断面を拡大して示す断面図である。
この中で、前記内層31及び外層32に用いる樹脂材料の種類及び被覆方法などについては、生体用として安全性・適合性を備えるものであれば特に制限するものではなく、例えば従来から使用されているポリプロピレンやポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニール、ポリエステル、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、シリコン樹脂、シリコンゴム,天然ゴムなど種々の樹脂材料が可能であるが、熱可塑性樹脂材料によるものが比較的容易に用い得る。また必要ならば、前記内層31と外層32のいずれか一方を省略したり二以上の積層構造にしたもの、あるいは内・外層を各々別種類のもので構成したものなどを用いる他、更に前記各層の両者層間に別の第三層材料を介して一体化することもできる。
こうしたカテーテルチューブ本体Aの前記ブレード編体2について、本発明では質量で30〜60%のCoを含有する析出硬化型のCo基合金材で成り、かつ厚さ50μm以下(好ましくは30μm以下)でその厚さの2.5〜20倍の幅寸法を持つ微細断面形状を有する金属帯材1を用いることとし、かつその引張強さが2200〜3500MPaで縦弾性係数が170〜250GPaの特性を備えるものとしている。
特に、この分量のCoを含有する前記Co基合金は、固溶化熱処理状態でも例えばSUS304,SUS316などの通常のオーステナイト系ステンレス鋼を超える高い引張強さと弾性特性を備えるとともに、その後の細径化や圧延加工での加工性にもすぐれていることから、その特性を更に向上し本発明に好適する。なお、このCo量が30質量%未満のものでは弾性係数が170GPa以上の特性は得られ難く、一方60質量%を越えるほど多量のCoを含有することはコストアップになる他、前記所定厚さの微細帯材に成形する場合の圧延加工性を低下させたり、製造歩留まりの低下を招くなどの問題があり、好ましくは35.0〜55.0%、さらに好ましくは40.0〜50.0%とする。
この組成のCoを含むCo基合金としては、通常は前記Coに、C,Si,Mn,Ni,Cr,Feのいずれかを含み,更に必要に応じてMo,W,Taのいずれか一種以上を添加したものが用いられ、例えばCo−Cr−Ni系合金、Co−Cr−Mo系合金、Co−Cr−W−Ni系合金、Co−Cr−Ni−Mo系合金、Co−Cr−W−Ni−Ta−Fe系合金等を挙げることができ、特にCoは、融点が高く通常のステンレス鋼より高い温度で溶解されるものであることから、該Co基合金内での各元素の固溶が十分になされ、炭・窒化物などの粗大介在物の発生を抑制できる。
前記合金のより具体的なものとして、例えば前者Co−Cr−Ni系合金では、前記Coと20〜25%Cr,15〜20%Niを含有し、その他不可避不純物とFeで構成することができる。またCo−Cr−Mo系合金では25〜32%Cr,5〜9%Moを含有するもの、Co−Cr−W−Ni系合金では、19〜21%Cr−14〜16%W−9〜13.0%Niを含有し、さらにFe:3.0%以下とMn:2.0%以下、Si;1.0%以下を含むことができ、また更に9〜11%Moを添加したCo−Cr−W−Ni−Mo系合金も可能である。
また、前記Co−Cr−Ni−Mo系合金及びCo−Cr−W−Ni−Ta−Mo系合金では、例えば19〜30%Cr−9〜15.0%Ni−2.0〜10.0%Moと、Fe3.0%以下,2.0%以下のMn,1.0%以下のSiを更に含むとともに、後者ではさらにW:0.5〜8.0%,Ta:0.3〜6.0%を含有する。またCo−Cr−W−Ni−Fe系合金として、例えば18〜23%Cr−10〜20%Ni−3〜8%W−1〜6%Feを含むもの、さらにこれに1.0%以下Mn、0.3〜6.0%Ta,0.5%以下Si等を含むもので構成することができる。
本発明では、これら合金の中で、質量でCo:30〜60%と、C:0.30%以下,Si:2.0%以下,Mn:2.0%以下,Ni:4〜20.0%,Cr:13.0〜25.0%、及び更にMo:2.0〜10.0%,W:0.5〜8.0%,Ta:0.3〜6.0%のいずれか1種以上を含み、さらに好ましくは、質量で35.0〜55.0%のCoと、C:0.08〜0.18%,Si:0.1〜1.0%,Mn:0.2〜2.0%,Ni:14.0〜18.0%,Cr:19.0〜23.0%と、更にMo:4.0〜8.0%及び/又はW:0.5〜4.0を含み,残部Feと不可避不純物で構成される前記析出硬化型の前記Co基合金を用いるものとしている。これに該当するものとして、例えば日本冶金工業(株)によるNAS604PH材(NASは同社の登録商標)がある。なお前記析出硬化型とは、過飽和固溶体から溶質が析出して安定な平衡状態に移ろうとするときの中間過程で起こる硬化現象を出現し得る機能を有するものをいい、その処理は通常は比較的低温である、例えば300〜650℃程度が設定される。
次にこのNAS604PH材の場合を例に、各添加元素を前記範囲にした理由を説明する。
〔C〕は、その添加によって結晶を微細化し機械的特性、特に高強度化するのに有効である。しかし、0.3%を超える程多量に添加すると帯線内に有害な炭化物を形成し、細径化する場合の加工性、繰り返し曲げに伴う疲労寿命において問題があり、好ましくは0.08〜0.18%とする。
〔Si〕は、溶製時に必要な脱酸成分であり、その添加によって疲労,強度及び寿命特性を向上するが、2.0%を超えるとクリープ特性が低下し、またσ相生成をもたらす原因となり、より好ましくは0.1〜1.0%とする。
〔Mn〕は、ニッケルとともに熱間加工性を改善する。しかし、2.0%を超えるとであり、より好ましくは0.2〜1.5%とする。
〔Ni〕は、基質を安定なオーステナイト組織にする為に必要であり、またクロムの耐酸化性を助長して加工性を改善するのに有効な元素である。Niが4%未満のものではその効果が期待されにくく、20%を超えるものではコストの割に強度の向上が図りにくく、より好ましくは14.0〜18.0%とする。
〔Cr〕は、本合金材料の生地に固溶することで耐食性及び機械的特性を向上し、例えば13.0%以上でその効果を有するものとなるが、25.0%を超えるものでは鍛造性に影響して疲労が低下する。こうしたことから好ましくは19.0〜23.0%とする。
〔Mo〕は、本合金の強度を飛躍的に向上し、2〜10%でその効果を発揮する、特に10%を超えるものでは硬脆化して寿命を短くする欠点があり、好ましくは4.0〜8.0%とする。
〔W〕は前記Moと同様にCo中に固溶することで生地に強度を与え、耐食性、疲労強度を向上させるとともに、非磁性をもたらす利点がある。その効果は0.5%以上の添加で見られるが、4.0%を超えると別質な第2相が析出して硬脆化することとなり、好ましくは3.0%以下とする。
また、前記MoとWを併用する場合は、その合計含有量が3.0〜10.0%にするのが良い。
こうした元素に加え、その他不純物元素として例えばP,Sを各々0.05%以下の不可避的な含有を許容し、また例えばAl,Ti,N,Nbは前記各添加元素と結合して粗大な硬質粒子となる炭・窒化物を形成させやすくなることから多量の添加は好ましくなく、例えばAl:0.08%以下、Ti:0.05%以下、N:0.05%以下,Nb:0.06%以下に各々抑制することがよい。すなわちこれら元素による炭・窒化物は融点が高く硬質であり、またその大きさも数1〜10数μmの粗大なことから、前記圧延加工等での微細化や変形がし難く、従ってこれを含有する帯材では使用時の曲げ変形に伴う応力負荷によってクラックや折損の原因となる。
また本発明の金属帯線1が例えば高腐食環境下や水素環境下で使用されるものでは、特に次式A値を30〜42%(好ましくは35〜40%)に調整することが好ましく、これによってオーステナイト組織の安定を図り、耐食性を高めたり水素脆化の問題を解消するとともに、さらに本発明に係わるCo基合金は環境温度20℃での透磁率(μ)を1.010エルステッド以下の非磁性にできる効果もあることから、これを体内に挿入した状態で例えば磁気誘導加熱を伴うような処置や高度検査を行う場合には生体安全面での問題を解決できる利点もある。
A=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+0.35Si+12.6C
本発明の金属帯材1は、このように調整された析出硬化型の前記Co合金で構成され、引張強さ2200〜3300MPaとヤング率170〜250GPa(好ましくは190〜230GPa)を備えるものとしており、該Co基合金線の例えば冷間加工で達成可能である。特にこの合金は加工硬化能とともに弾性率を高めることができることから、樹脂材料に複合された場合には強度な補強効果を発揮し、トルク伝達性や耐座屈性など複合材料としての適用用途の拡大を図ることができる。
なお、前記引張強さが2200MPa未満のものでは、所定の補強効果を得る為により多くの分量や厚さ増したものが必要となりコストアップや製品形態を損ねるなどの問題があり、一方3300MPaを超えるものでは剛性が増して折損しやすいものとなることから、より好ましくは2900〜3200MPaとする。また前記ヤング率は、前記引張強さの測定の中で、その応力−歪線図から弾性領域内での傾きを示すものであって、本発明では前記範囲のものを対象にしている。この特性は例えば一般的なステンレス鋼であるSUS304や同316材が160〜180GPaであることから見ても非常に優れたものであることから、これをカテーテルチューブに用いた場合は、その厚さを減じてより薄肉の医療製品の提供に寄与する。
こうして、本発明の微細帯材1は、前記組成の線材を原材料としてこれを例えば上下2方向からの冷間圧延加工によって、図1に示すように厚さ(t)50μm以下でかつその2〜20倍の幅寸法(w)を持つ微細断面形状に成形され、しかもその上下面には前記圧延加工での押圧によって光輝平滑な押圧平面1Aとなり、一方その側面1Bでは、該圧延に伴い外方に湾曲して膨出した未加工の膨出表面が形成される。したがって、前記側面1Bは前記押圧平面1Aより粗大な表面粗さを有し、これによって複合される樹脂材料との結合を強化してより確実な一体化が図れ、良好な複合機能をもたらすことができる。
なお、前記表面状態の確認は、例えば各部での顕微鏡観察で行うことができるが、好ましくは例えば長手方向に沿って計測した10点の平均表面粗さ(Rz)が採用され標準化しておくことが望ましい。一例として、例えば前記押圧平面1AではRz=0.01〜0.08μm、側面1BではRz=0.04〜0.1μmに成形されるが、この程度の表面凹凸は該帯線自体の品質性能には影響しない微細なものであり、通常は圧延加工前の細径加工を例えばダイヤモンドダイスによる湿式冷間伸線加工が採用される。
この場合、前記冷間圧延加工に用いる素材には、例えば所定の線径に細径化され、かつ固溶化熱処理によって軟質仕上げした上ものを圧延加工することができるが、例えば前記固溶化熱処理を施すことなく、冷間伸線加工で繊維組織を持つように細径化した硬質線材をそのまま用いて圧延加工したもの、あるいは圧延加工前の前記硬質線材に前記したような低温熱処理を予め施して、その組織内に金属間化合物の微細粒子を予め析出させたものを用いることもできる。この場合の条件としては、例えば700℃以下、好ましくは400〜650℃×10〜60min.が採用される。
また必要ならば、前記圧延加工時に該細線の破断強度の10〜50%の逆張力を加えながら行うことが好ましく、さらに線の表面に従来から潤滑剤として使用されているニッケルメッキを形成しておくことで圧延加工性や編組加工性を高めることも好ましい。
特に、後二者のように圧延加工に用いる素線材が例えば冷間伸線で硬質仕上げしたものである場合は、その状態で長手方向に沿って伸びる繊維状の金属組織を有することから、これを圧延加工する時には容易に広幅拡幅できるとともに、幅寸法のバラツキを抑制して寸法精度の高い帯線を提供できるメリットがある。その場合の最適加工条件としては、伸線加工では例えばダイヤモンドダイスを用いた湿式連続伸線加工で加工率60〜95%で行い、そして軟質処理することなくそのまま例えば圧下率50%以上の冷間圧延加工を行う方法、あるいは前記したようにさらに低温熱処理を行った上で圧延加工する方法が容易に採用できる。
なお前記したように低温熱処理した硬質細線を用いて圧延するものでは、その組織内に微細な金属間化合物の析出物粒子を析出でき、該粒子は析出硬化現象を促進することから、前記機械的特性を更に向上して、例えば引張強さ及びヤング率を各々高めることができる。このような処理は、例えば析出硬化処理あるいは時効処理と呼ばれるものであって、前記したように帯線1自体の製造段階中で行うことも、またこれを成形品に形成した後の最終段階で行うこともできるものであるが、その処理の有無は本発明の必須要件ではなく、このような処理を行わないまま用いることももちろん可能である。
なお帯材中に分布する前記析出物粒子については、その大きさが直径0.3μm以下の微細なものが好ましく、これを任意横断面内で単位面積1μm当たり100〜100,000ケの分布率で分布することができる。その調整は例えば前記成分元素やその分量、熱処理条件などによって任意に設定できるとともに、その測定には例えば10000倍以上の高倍率に拡大した顕微鏡観察での画像解析が容易に採用できる。その際、全ての対象粒子を抽出して計数することが好ましいが、発生粒子の中には測定機器にはプロットされないような微細なものも含まれ、それらを全て計測することは非現実的であることから、本発明では便宜的にその粒子大きさの下限値を0.01μmとする。なお図3は、その分布状態の一例として50000倍で示す顕微鏡写真である。
このような析出物粒子をより顕著に析出させる方法として、前記したように圧延加工前後あるいはその後の成形品に処理され、こうした微細粒子によって、更に前記引張強さやヤング率が向上し、また0.2%耐力(τ)も1800〜2800MPaを可能にし、また該引張強さ(σ)と0.2%耐力との比である耐力比{(σ/τ)×100}を92〜99.8%にまで高めることができることから、これを複合した樹脂成形品では、形状維持性に優れ、ネジリによるトルク伝達性や曲げ変形に対する耐座屈性が向上する。
こうして本発明の金属帯材1は、微細厚さであることから種々形態の樹脂材料の複合補強用として用いられ、これを使用用途との関連から求められる形態と求める特性に基づき、適宜織目ピッチ及び形成寸法に編組加工することで例えば前記図1に示すような筒状のブレード網体として、例えば前記カテーテル用などの種々用途に用いられる。なおこの編組加工については、従来から種々実施されている例えば平織りや綾織りなど自由に設定されるものであり、その構成まで制限するものではないが、例えばこのブレード網体2を切出して、平面的に透過したときの複合面積率が30〜70%程度のなるように編組したものが容易に用いうる。
この編組加工されたブレード網体は、その構成帯材1として高強度のCo基合金を用いた帯材によるものであり、しかも織目を交差させていることから特にネジリに対するトルク伝達性や曲げ座屈性に優れるとともに、例えば外圧に対する抵抗が大きいことから、内部通路が閉塞したり挿入座屈するなどの問題が改善できる。しかも帯材1は厚さが薄いことから、網体の厚さを減じて製品全体を細径化することにも寄与し、したがって、前記カテーテル用以外にも例えば医療用内視鏡のフレキシブルチューブやバルーンなどの種々医療製品の他、例えばゴルフクラブシャフトやテニスラケット用、釣竿、スキーやアーチェリーなどの民生用レジャー・スポーツ用製品での樹脂プリプレグ用補強材などへの応用が可能である。また、このような網体にすることなく、例えば前記帯材1に沿ってその表面上に所定の樹脂材料を被覆した連続被覆帯材として用いることもできる。
以下、本発明の実施例について説明する。
《実施例A》
表1に示す7種類のCo基合金(実施例A1〜A7)でなる溶体化熱処理された軟質細線0.1mmを原材料線材とし、これを各々ダイヤモンドダイスによる湿式伸線機によって加工率75%の冷間加工をして0.05mmの硬質素線を得た。また比較材には、ステンレス鋼線の一般的な硬質用であるSUS304(比較例1)及び特許文献3に基づくSUS304N材(比較例2)及びSUS316(比較例3)を用いて同様に伸線加工したものであり、その成分組成を合わせて表1に示す。
Figure 0004840571
得られた各硬質素線は、いずれも平滑で光輝な表面状態を持ち、円滑な伸線加工を行うことができた。そこで、この素線の機械的特性を高める為に、温度650℃×30minの低温熱処理を行うとともに該処理済み細線を極細圧延機にセットして、該細線の引張強さの5〜20%の逆張力を付加しながら上下2方向から圧下率60%の冷間圧延加工を行い、厚さ20μm×幅100μmの微細金属帯材を得た。得られた帯材の表面状態は全体的に良好で、幅寸法のバラツキや線状不良もほとんどなく、特に問題視されるような欠陥は認められないが、顕微鏡で拡大して見ると、帯材の側面部にはやや粗大化した微小凹凸が確認されている。しかしその程度は、10点の平均表面粗さが0.05〜0.08μm程度のもので、押圧面より若干大きいものの、実質的な影響はないものと判断された。その他の機械的特性及び繰り返し曲げ試験の結果を、時効熱処理したものとともに合わせて表2に示す。
Figure 0004840571
前記機械的特性は、JIS−Z2201「金属材料引張試験」に基づくチャート付の細線用引張り試験機で標点間距離50mmで行ない、歪と応力とのチャート結果から求めたものであって、ヤング率は該チャートの中で比例限領域内での傾きを示している。これら結果から明らかなように、本実施例の帯材は、いずれも比較例帯材と同等以上の引張強さを有し、特にヤング率が大幅に上昇していることが確認される。
また繰り返し曲げ試験については、得られた各帯材をそれぞれ標点間距離80mmで把持して、図5に示すようにその一方を180°の範囲で繰り返し曲げしながら破断に至るまでの曲げ回数を測定したものであり、結果は曲げ角度90°分を1回と数えたもので示している。さらに磁性は、透磁率測定器により環境温度20℃での透磁率(μ)を測定したものであるが、各実施例の帯材はいずれも1.01エルステッド以下の非磁性であった。
次に,前記低温熱処理の効果を見るために、実施例A1〜A3及び比較例1の各硬質細線をストランド型の低温熱処理炉を用いて温度400〜600℃×15〜60min.の条件で処理し、得られた帯材の特性を調査した。 結果は図6に示しているように、本発明に係わるCo基合金によるものは、処理温度とともに引張強さ及びヤング率共に増加し、例えば温度600℃で処理したものでは引張強さ3000MPa以上の高強度が得られ、また前記耐力比も96%と非常に優れたものであった。機械的特性のこのような増加傾向は、前記Co基合金による固有の効果であって、比較例1のSUS304材のものに比べて全く異なる挙動を示しているのが判る。
このように、前記30〜60質量%のCoを含む析出硬化型Co基合金は、もともとの軟質熱処理された状態でも高い機械的特性を有しており、しかも加工硬化率も大きい特徴がある。したがって、さらに前記低温熱処理で組織内に微細に析出化合物の粒子を広範囲に分布させることができることから、特性の大幅改良を図ることができる。このことは、本実施例による帯材にも、例えば単位断面積1μm2当たり1000〜20000ケ程度の分布率で微細粒子が確認されたことからも伺うことができる。
《実施例B》
次に、前記実施例Aとは異なるプロセスにより、本発明の金属帯材を製造した例として、45Co−20Cr−16Ni−4W−8Mo−残FeでなるCo基合金(試料B1)、及び38Co−25Cr−13Ni−15W−2Mn−0.5Si−残FeでなるCo基合金(試料B2)を原材料とし、これを伸線と熱処理を繰り返し行いながら0.1mmに細径化した。この2種類の合金細線を温度1150℃で固溶化熱処理した後、前記冷間圧延機にセットして各々70%の圧下率で圧延することで、厚さ30μm×幅260μmの微細断面を持つ金属帯材を得た。
この帯材の特性は、表3に示すように引張強さ1800〜2600MPa、ヤング率170〜200GPaであり、圧延加工性は良好であったが、外観状態については実施例Aのものに比して、側面部の寸法バラツキがやや大きいものであった。
《実施例C》
次に、前記実施例Aの中で得られた実施例試料A1の金属帯材を用い、編組加工したカテーテルの試験結果を示す。 編組加工は、予め準備した外径1.5mmの棒状芯材の表面に厚さ0.3mmのポリテトラフルオロエチレン樹脂を被覆した膜体を形成し、その上に8本の前記帯材を用いて交互編みブレーダーによって80ピック/インチ密度で編組加工したものであり、さらに、その表面に前記樹脂材料を再度被覆することでチューブ状の細管を形成し、最後に前記芯材は引抜かれた。
こうして得られた被覆カテーテルの性能を評価する為に、長さ100mmの試料を採取してトルク伝達性と耐圧性、座屈性能を調査した。トルク伝達性は試験試料の一端を捻った時の他端側の捻り力を感覚で求め、また耐圧性は該カテーテル内に注射器で薬液を注入した時の破裂有無で評価したものである。さらに耐座屈性は試料の一端を机上に当ててその上から押付けることで行い、座屈した時の応力の大小で評価した。その結果、本発明に係わるカテーテルはいずれの性能にも優れ、従来型のカテーテルに比して2〜3割程度の特性向上を図ることができた。
《実施例D》
次に、他の用途例としてゴルフクラブシャフト用の補強材として用いた例を示す。シャフトは、前記金属帯材にマトリックス樹脂材料を含浸したプリプレグをマンドレルと呼ばれる中芯材に順次巻きつけて積層し、その後前記含浸樹脂を硬化するというシートワインディング法で製造したものであって、前記プリプレグには厚さ50μm×幅300μmの前記帯材をピッチ1.2mmに配置したものを用い、該帯材の配向方向が各々異なるように3枚を積層してこれを所定回数巻回することで形成したものである。その1層はシャフトの軸心と平行に配向し、また他の2層は該軸心と各々30°の角度で交差するようにしており、こうした構造によって強打した時の曲がり、捻り及び衝撃等に対して有効に機能するように構成している。
特に、本発明では前記寸法の帯材を用いることから、プリプレグ自体の膜厚さを薄くでき、シャフト自体の外径を細くできるとともに軽量化できるメリットが確認された。また前記帯材には高強度のCo基合金を用いたことから非常にしなやかで、打球テストではボール速度:58〜62m/sec.で飛距離:230yardの結果が得られ、またそのスイング感も好ましいものであった。
本発明の極細帯材を示す拡大図である。 極細帯材を編組加工したブレード網体の使用形態を示す斜視図である。 図2のa−a‘断面を示す断面図である。 析出物粒子の分布状態を示す顕微鏡写真の一例である。 繰り返し曲げ試験の方法を示す略図である。 低温熱処理に伴う機械的特性の変化を示す線図である。 カテーテルの一形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 金属帯材
1A 押圧平面
1B 側面
2 ブレード網体
3 樹脂材料
31 内層
32 外層
A チューブ体

Claims (13)

  1. 樹脂材料の補強に用いる補強用材料であって、質量でCo:30〜60%と、C:0.30%以下,Si:2.0%以下,Mn:2.0%以下,Ni:4〜20.0%,Cr:13.0〜25.0%、及び更にMo:2.0〜10.0%,W:0.5〜8.0%,Ta:0.3〜6.0%のいずれか1種以上を含有し、残部Feと不可避不純物でなる析出硬化型のCo基合金で、厚さ50μm以下と該厚さの2〜20倍の幅寸法を備える断面形状を有するとともに、その側面部は未加工の膨出表面で押圧平面部の表面粗さより粗大表面であり、かつ引張強さ2200〜3300MPaでヤング率170〜250GPaの機械的特性を備えることを特徴とする樹脂材料補強用の微細金属帯材。
  2. 前記Co基合金は、質量で35.0〜55.0%のCoと、C:0.08〜0.18%,Si:0.1〜1.0%,Mn:0.2〜1.50%,Ni:14.0〜18.0%,Cr:19.0〜23.0%と、更にMo:4.0〜8.0%及び/又はW:0.5〜4.0を含み,残部Feと不可避不純物でなる請求項1に記載の前記金属帯材。
  3. 前記合金材は、Al:0.08%以下、Ti:0.05%以下、N:0.05%以下、Nb:0.06%以下に各々抑制されたもので構成されてなる請求項1又は2に記載の前記金属帯材。
  4. 前記合金材は、次式A値が30〜42%に調整されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の前記金属帯材。
    A=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+0.35Si+12.6C
  5. その横断面組織内に、0.3μm以下の前記微細析出物粒子が、任意単位面積1μm当たり100〜100000ケの分布率で分布したものである請求項1〜4のいずれかに記載の前記金属帯材。
  6. 0.2%耐力が1800〜2800MPaの機械的特性を有するものである請求項3又は4に記載の前記金属帯材。
  7. 引張強さ(σ)と前記0.2%耐力(τ)との耐力比{(τ/σ)×100}が、85〜98%である請求項に記載の前記金属帯材。
  8. 環境温度20℃での透磁率(μ)が、1.010エルステッド以下の非磁性である請求項1〜7のいずれかに記載の前記金属帯材。
  9. さらに表面は、加工されたニッケルメッキ層で覆われたものである請求項8に記載の前記金属帯材。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の金属帯材が樹脂材料に複合され、かつ所定の形状品を形成してなる樹脂複合成形品。
  11. 前記成形品は、前記金属帯材の編組加工でなるブレード編体を樹脂材料に複合し、チューブ状に成形されたものである請求項10に記載の医療製品。
  12. 医療用カテーテルに用いられるものである請求項10又は11に記載の医療製品。
  13. カテーテル用バルーンに用いられるものである請求項11に記載の医療製品。
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