JPH0351057A - 医療用極細チューブ - Google Patents

医療用極細チューブ

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JPH0351057A
JPH0351057A JP1189388A JP18938889A JPH0351057A JP H0351057 A JPH0351057 A JP H0351057A JP 1189388 A JP1189388 A JP 1189388A JP 18938889 A JP18938889 A JP 18938889A JP H0351057 A JPH0351057 A JP H0351057A
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ultra
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JP1189388A
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Takaaki Yuzutori
柚鳥 登明
Yutaka Kanatsuki
金築 裕
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば肺、胃、あるいは血管内に挿入して体
液、薬液、血液等を抽出、注入する医療用極細チューブ
に関し、特に極細チューブを構成する補強ワイヤ自体の
活性度を抑制して、該ワイヤの加工時の焼失、断線を防
止できるとともに、補強層を形成する際の加工性を向上
でき、かつ上記ワイヤに樹脂被覆する際の両者の密着性
、接着性を向上できるようにした補強ワイヤの構造に関
する。
〔従来の技術〕
医療用に採用される極細チューブとして、従来、ふっ素
樹脂9例えばテフロン(登録商標)が−船釣に採用され
ている。このような医療用チューブは、好余曲折した狭
い体内に挿入して使用されることから、外径が極めて細
いこと、また例えば血管に沿って自由に折れ曲がるよう
十分に柔軟であること、さらには折れ曲がった際に断面
形状が楕円状等につぶれることのない強度が必要とされ
ている。そのためには、線径160μm以下の高強度の
金属極細線を採用し、この極細線を該極細線同士が交叉
するよう内被の外表面に巻回して補強層を形成すれば、
小径化を可能にでき、柔軟性を確保できるとともに、屈
曲による断面形状の変形を防止できると考えられる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、本件発明者等の実験研究により、線径160
μm以下の金属極細線を採用する場合、以下の問題を解
決しなければならないことが判明した。
、金属線を160μm以下に極細化すると、ボリューム
に対する表面積の比が極めて太き(なることから、該極
細線の表面の活性度が異常に高くなり、その結果、極細
化する際のダイスとの摩擦、あるいは撚り線化する際の
極細線同士の摩擦による発熱により、極端な場合は焼失
あるいは断線するおそれがある。従って、極細線自体の
活性度を抑制する必要がある。
ii、また、極細化する際の伸線加工を容易化するため
、及び内被に極細線をスパイラル状に巻回して補強層を
成形する際の加工性を確保するために、極細線自体に自
己潤滑性を付与する必要がある。
1d、さらに、上記金属極細線は鋼であるから錆が発生
し易く、しかも極細であるから錆が発生するとその影響
が大きく、致命的に特性が悪化する。
従って、これを防止するため耐蝕性を付与する必要があ
る。
iv、さらにまた、補強ワイヤに樹脂を被覆する場合、
該樹脂と極細線の密着性1接着性を向上させる必要があ
る。これは密着性が不十分であると引張りやねじりによ
って、上記極細線が樹脂から抜けてしまい、極細線の特
性を有効に作用させることができないおそれがあるから
である。
本発明の目的は、線径160μm以下の金属極細線を採
用する場合の上述した各問題点を解決でき、その結果柔
軟性の向上を図りながら断面性状を向上できる医療用極
細チューブを提供することにあ〔問題点を解決するため
の手段〕 そこで本願第1項の発明は、樹脂からなる内被の外表面
を、単線、又は複数線の補強ワイヤを軸芯に対して傾斜
し、かつ該補強ワイヤ同士が交叉するように巻回してな
る補強層で被覆するとともに、該補強層の外表面を樹脂
製の外被で被覆してなる医療用捲絹チューブであって、
上記補強ワイヤが、線径160μm以下のピアノ線、ス
テンレス線あるいは低炭素二相mrit+i1線のいず
れかからなり、かつ外表面にNiめっき被覆層が形成さ
れていることを特徴としている。また、第2項の発明は
、上記補強ワイヤに樹脂被覆層が形成されていることを
特徴とし、第3項の発明は、上記Niめっき被覆層に塑
性加工による加工歪を形成したことを特徴としている。
以下、本発明において上記構成を採用した理由を詳細に
説明する。
■、極細線として、線径160 μm以下のピアノ線、
ステンレス線あるいは低炭素二相&ll織鋼線を採用し
た理由 極細チューブの補強層を構成する極細線は、上述のよう
にチューブの小径化に貢献できること、かつ屈曲により
断面形状の変形を防止できる強度に優れていることが必
要であり、これらの要求を満足させるにはピアノ線、ス
テンレス線あるいは低炭素二相組織鋼線が最適である。
ここで、上記極細線に低炭素二相組織鋼線を採用した場
合は、ピアノ線等よりさらに線径を小さくしなから引張
強度を向上できる。この低炭素二相組織鋼線は、本件発
明者らが研究開発したもので、以下の点を見出して完成
したものである。即ち、Fe−C−3i−Mn系鉄基合
金で、かつ針状マルテンサイト、ベイナイト又はこれら
の混合u織からなる低温変態生成相がフェライト相中に
均一に分散されてなる複合金属組織を有する鋼線材が強
加工に優れており、このような金属組織を存する線材を
用いれば冷間伸線により線径100μ園以下の極細線を
容易確実に得ることができる。そしてこのような鋼線材
を冷間伸線により加工歪み4以上に強加エすれば、上記
フェライト相と低温変態生成相とが複合してなる複合組
織(二相組織)が一方向に延びる均一な繊維状微細金属
組織が形成され、このような金属組織を有する極細線は
引張強度が30Q kg/ m”以上と飛躍的に向上し
、かつ靭性はピアノ線、ステンレス線程度である。
このような繊維状微細金属線は、従来知られていない全
く新規な組織である0本件発明者らは、上記金属組織が
引張強度を向上させる主因になっているとの観点から、
その強化メカニズムについてさらに研究を重ねた結果、
上述の如き超高強度を有する金属組織では、上記繊維の
間隔が50〜1000人であり、かつ該繊維状をなす上
記複合組織が5〜100人の超微細セルから構成されて
いることを見出した。
ここで上記低炭素二相&Il織fA線の製造方法につい
て説明する。
まず、重量%でCj O,01〜0.5%、Si:3.
0%以下、Mn:5.0%以下、残部Fa及び不可避的
不純物よりなる線径3.5fi以下の線材を700〜1
100℃の範囲の温度に加熱した後、冷却して(この加
熱、冷却は複数回にわたって行ってもよい)一部残留オ
ーステナイトを含有してもよいマルテンサイト、ベイナ
イト又はこれらの混合&lImからなる低温変態生成相
がフェライト相中に体積率で15〜75%の範囲にて均
一に分散されてなる複合組織を有する線材を製造する。
なお、上記かかる製造方法は、特開昭62−20824
号公報に記載されている。
次に、このようにして得られた複合組織線材を冷間伸線
加工により、加工歪み4以上、好ましくは5以上に強加
工し、上記フェライト相と低温変態生成相とを複合化し
、金属組織として一方向に連続して延びる微細な繊維状
組織を形成させる。
このように加工度を高めることにより、上記繊維状&l
l織はさらに微細化し、繊維間隔は狭くなり、ついには
上述のとおり加工にて生じたセルの大きさ、繊維間隔が
それぞれ5〜100人、50〜1000人である繊維状
微細金属組織となる。なお、加工歪みが4以上よりも小
さい伸線加工によって得られた細線では、繊維状組織の
発達の途中にあってその組織が不完全であり、従って強
度も低い。
■、極細線の外表面にNiめっき被覆層を形成した理由 上記Nlめっき被覆層を形成するのは、素線の活性度の
抑制、自己潤滑性及び耐蝕性の付与、樹脂との密着性、
接着性の改善を図るためである。
上述のように、ピアノ線、低炭素二相組織鋼線等の素線
を極細化するとボリューム、表面積比が極めて大きくな
ってその活性度が異常上昇する。
これに対して本発明者等の研究により、Niが活性度の
極めて低い金属であることから、これを素線表面に被覆
することにより、極細線自体の活性度を抑制できること
が判明した。
また、Niを被覆すれば、耐蝕性等通常の特性付与だけ
でなく、伸線加工性、撚り線時の加工性を向上できる自
己潤滑性が得られ、さらに他の被覆金属に比してNiは
樹脂とのなじみが非常に良く、樹脂との密着性を向上で
きることが判明した。
第1表は、金属細線に各種の金属(Ni、Cu。
Zn、 Cu−Zn、 ACAu、 Ag、 Cr)を
表面被覆した場合の各特性(ダイス寿命改善、防錆、酸
化性、接着性1表面処理性、耐蝕性、自己潤滑性、装飾
性、及びi電性)を比較したものを示す、同表からも明
らかなように、Niは、自己潤滑性が高いことからダイ
ス寿命を改善でき、防錆、酸化防止等耐蝕性が高く、ま
たマトリックス樹脂との接着性に優れ、さらに表面処理
性も高い。
このように総合的にも、また上述の各特性から見てもN
lが一番優れていることがわかる。従ってNiを被覆す
ることによって、上述のi〜ivの問題を解決できるこ
とがわかる。
なお、上記Niの被覆方法は、電気めっき、溶融めっき
1等の湿式めっき法、 PCD、CVD、スパッタリン
グ等の乾式めっき法等の一般に用いられている手段が採
用できる。勿論、ここで言うNlめっきには、純粋なN
iだけではなく、上述の必要特性を阻害しない範囲内で
の第1表に例示した金属あるいはその他の金属と合金化
したNiめっきも含まれる。また、上記極細線に対する
Niの被覆量については、極細線1 kg当たり1g未
満では防錆効果等の上記各被覆効果を発渾させるのが難
しく、また100gを越えても被覆効果の向上は望めず
、逆に厚目付による加工時のパウダリング等の副次的な
デメリットが生じるため好ましくない。
従って、極細線1瞳当たり1〜100gの範囲内が適当
である。
■、上記極細線に樹脂を被覆したのは、該極細線を複数
本合わせて補強ワイヤを成形する際の集束性を向上でき
、しかも構造を安定的に保持できるからである。
IV、Nlめっき被覆層に塑性加工による加工歪を付与
した理由 本件発明者らが上記Niめっき被覆層についてさらに検
討したところ、このNiを単にめっきしただけの状態で
は十分満足できる樹脂との密着性接着性が得られない場
合があることが判明した。
この理由は明確ではないが以下の点が考えられる。
即ち、めっき処理しただけのNiめっき被覆層は、無数
のピンホールを有するポーラス状になっており、そのた
めめっき処理工程時に発生する水素が上記Nl被覆層内
に吸蔵され、あるいは上記ポーラス内に空気が残留する
こととなる。そしてこの吸蔵された水素、残留空気が樹
脂コーティングする際の熱で放出され、あるいは膨張し
て樹脂層とNi被覆層との境界に溜まり、その結果両者
のt着性、接着性に悪影響を与えているものと考えられ
る。
一方、上記Niめっき被覆層に加工歪を付与すると、該
被覆層内のピンホールが潰されてなくなる点、及び例え
ば伸線時の加工熱によって上記水素及び残留空気が放出
される点から、水素、残留空気をほとんど含まないNi
めっき被覆層が得られることになる。その結果、上記極
細線と樹脂とを一体化した場合の、該樹脂と極細線との
密着性。
接着性をさらに向上できる。なお、上記加工歪を形成す
るには、例えば上記極細線の製造過程において、冷間伸
線加工する前の素線に予めNiめつき処理を施し、これ
を伸線加工することにより実現できる。
〔作用〕
本願第1項の発明に係る医療用捲絹チューブによれば、
極細線にピアノ線、ステンレス線、低炭素二相組mfI
4taを採用したので、160μm以下の線径で所定の
引張強度を確保しながら、厚さの薄い補強層が形成でき
、それだけ外径の小径化に貢献できる。また特に低炭素
二相組織鋼線を採用した場合は、上述の強化メカニズム
で説明したように、100μm以下のものを容易に得る
ことができ、しかも300〜600 kgf/+n”の
超高強度を有する。
従って、ピアノ線、ステンレス線の場合に比べさらに引
張強度を向上できるとともに、小径化を向上できる。ま
た、上記極細線にNiめっき被覆層を形成したので、極
細化による活性度の異常上昇を抑制できるから、伸線成
形時の摩擦等によって発熱しても焼失や断線を防止でき
る。さらに、Niめっきを被覆したことにより、該極細
線の自己潤滑性が得られるから、極細化時のダイス寿命
の向上が図れるとともに、撚り線加工を容易化でき、さ
らには錆の発生を防止できる。
また、第2項の発明では、極細線の撚り線に樹脂を被覆
したので、集束性、構造を安定化できる。
しかもこの場合、Niめっき被覆層により両者の密着性
、接着性を向上でき、引張りやねじり等による抜けを確
実に防止でき、ひいては極細チューブ全体の引張強度を
大きくでき、寿命を延長できる。さらに、本願第3項の
発明では、上記Niめっき被覆層に加工歪を形成したの
で、該被覆層と樹脂との間に水素、残留空気が溜まるこ
とがなく、樹脂との密着性、接着性をさらに向上できる
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第3図は本発明の一実施例による医療用極
細チューブを説明するための図である。
第3図において、1は医療用極細チューブであり、これ
は外径1500μm、内径1000μ閣、肉厚250μ
mの形状を有し、重1t1.6g/+g程度のものであ
る。
この極細チューブ1は、ふっ素樹脂からなる厚さ140
μmの内被2の外表面に厚さ140μmの補強層3を巻
回し、該補強層3の外表面をふっ素樹脂からなる厚さ5
0μ階の外被4で被覆して構成されている。
上記補強層3は、第1図及び第2図に示すように、線径
160μm以下の極細線5を複数本(2〜50本)撚り
合わせ、これの表面に合成樹脂6を被覆してなる縦合糸
7aと横合糸7bとを、上記チューブ1の軸芯に対して
45度に傾斜し、かつ各金糸7a、7b同士が交叉する
ように、つまり編み組織となるように上記内被2に巻回
することによって構成されている。これによりチューブ
lの屈曲による断面の変形を防止している。
上記極細線5は低炭素二相&g織織締線らなり、これは
重量%でC: 0.01〜0.50%、Sl:3.Q%
以下、Mn:5.0%以下、残部Fe及び不可避的不純
物からなる線径3.0〜6.0fiの線材を一次熱処理
、−次冷間伸線、二次熱処理及び二次冷間伸線により線
径10〜100μmに強加工して製造されたものである
。この極細IJI5は上記強加工により生じた加工セル
が一方向に繊維状に配列された繊維状微細金属組織を形
成しており、かつ上記加工セルの大きさ、繊維間隔がそ
れぞれ5〜100人50〜1000人であり、さらに引
張強力が300〜600瞳f/lx”である。
そして、上記各極細線5の外表面にはNiめっき被覆層
9が形成されている。このNiめっき被覆層9は、上記
線材にめっき処理を行い、しかる後冷間伸線加工する際
に同時に望性加工されたもので、これにより加工歪を有
している。即ち、上記Niめっき被覆層9は、伸線加工
の前工程において線材にめ9き処理を施して4μm程度
の被覆層を形成し、これを−次、二次冷間伸線すること
により、1μm程度の厚さに引き延ばしてなるものであ
る。これにより、めっき処理時に生じていたピンホール
が潰されて、欠陥のない良好な被覆層となっている。
このように本実施例の医療用極細チューブ1によれば、
補強層3を構成する各極細線5にNiめっき被覆層9を
形成したので、極細線5自体の活性度を下げることがで
きるとともに、錆びを防止でき、しかもNiめっき被覆
層9によって自己潤滑性が与えられ、内被2に巻きつけ
加工を行う際の加工性を向上できる。
また、本実施例では上記Niめっき被覆層9に加工歪を
生じさせたので、上記合成樹脂6と極細線5との密着性
、接着性を大幅に向上できる。即ち、上記Niめっき被
覆層9は、加工歪によってピンホール等のない構造とな
っており、はとんど水素、残留空気を含有していないの
で、密着性への悪影響がなく、引張りやねじり等が作用
しても抜けることはない、その結果、極細チューブl全
体の強度を向上でき、寿命を延長できる。
さらに、本実施例では極細線5に低炭素二相組織鋼線を
採用したので、線径10〜100μ繭で引張強度300
〜600 ktf/m”と極めて高強度を有しており、
補強層3としての引張強度を大幅に向上しながら、厚さ
の薄い織・布状の補強層3を形成できる。その結果、外
径0.3〜3龍の極細チューブ1が可能となるとともに
、曲げに対する抵抗はそれほど増大することはなく、十
分な屈曲性が得られる。
ここで、本実施例の極細チューブ1を採用し、半径−1
0鶴で3000回以上の屈曲試験を行ったところ屈曲性
の劣化は認められず、しかも断面が楕円状につぶれるこ
とはなく、断面保持性が非常に高いことがわかった。
なお、上記実施例では、複数本の極細線5を合わせて縦
合糸7aと横合糸7bとを形成し、両者の編み組織とし
て補強層3を形成したが、本発明の補強層3は、第4図
に示すように、内被2の表面に極細線5を軸芯に対して
45度のスパイラル状に巻回してなる第1補強1i13
aと、これの表面に極細vA5を上記と逆向きの45度
に、つまり交叉するように巻回してなる第2補強層3b
とで構成してもよい。
また、上記実施例では、極細線5を複数本合わせた構造
を例にとって説明したが、本発明では、極細線を単独で
補強層を構成しても勿論よい。
さらに、上記実施例では、Niめっき被覆層9に加工歪
を形成したが、本発明ではこの加工歪は必ずしも形成し
なくてもよく、加工歪のない場合でも樹脂との密着性、
接着性を向上できる。
さらにまた、上記実施例では極細線5に低炭素二相組織
鋼線を採用した場合を例にとって説明したが、本発明の
極細線は、他にピアノ線、ステンレス線が採用でき、こ
れらの場合もNiめっき被覆層を形成することにより活
性度の抑制、自己潤滑性、耐蝕性及び樹脂との密着性の
向上を図ることができる。
ここで、本実施例の極細線にNiめっき被覆層を形成し
たことによる樹脂との接着力向上効果を確認するための
実験について説明する。
この実験は、第5図に示すように、本実施例の極細jJ
laの一部分を、エポキシ系樹脂をベースとしてこれに
炭素繊維、ガラス繊維を混合してなる複合試料片すに埋
め込み、この複合試料片すを固定した状態で上記極細線
aの上部をこれが抜けるか、又は断線するまで引張って
、両者の密着性。
接着性を調べた。なお、上記複合試料片すの埋め込み長
さしは、極細&Iaの線径d (fi) X5Qとなる
ようにした。
そして、第2表に示すように、ます線径50μmの極細
線を4本用意し、この各極細線にNiめっきを形成しな
い場合(tlhl)、Niめっき被覆層を形成した後伸
線加工により加工歪を付与した場合(Ni2)、さらに
これの表面に樹脂コーティングした場合(F1a)、N
iめっきを被覆しただけの場合C11kL4 )につい
て引抜き試験を行った。また、線径100μmの極細線
も採用し、これもNiめっきを被覆しただけの場合(I
lh5 ) 、さらにこれに伸線加工により加工歪を付
与した場合(阻6)についても同様の引抜き試験を行っ
た。表中、×印は極細線aが複合試料片すから抜けた場
合を示し、O印は該極細線aが断線した場合を示す。
表からも明らかなように、線径50μ個でNiめっきを
被覆しない場合(隘1)は抜けており、両者の接着力は
上記極細線の破断力未満であった。
これに対して、Niめっきを被覆しくNn4)、さらに
これに加工歪を付与しく1b2)、さらにまたこれに樹
脂コーティングした(丸3)場合は、いずれも抜ける前
に断線しており、両者の接着力は極細線の破断力以上で
あることがわかる。
一方、線径100μ爛でNiめっき被覆層を形成しただ
けの場合(−5)は、断線する前に抜けている。これは
線径が大きい分用張力も高いことから、接着力がこの高
い引張力には及ばなかったものと考えられる。しかしこ
れに加工歪を付与した場合(llh6)は断線しており
、これにより加工歪により接着力が向上することが理解
できるとともに、比較的太い線径の場合は極細線自体の
引張力が大きくなっているから、加工歪を付与すること
によりこの大きな引張力に対応できる接着力が得られ、
その効果はより大きいことがわかる。
〔発明の効果〕
以上のように本願第1項の発明に係る医療用極細チュー
ブによれば、ピアノ線、ステンレス線あるいは低炭素二
相組織鋼線からなる極細線の表面にNiめっき被覆層を
形成したので、線径160μm以下の極細線を使用する
際の活性度を抑制して焼失等を防止できるとともに、巻
回加工する際の加工性を向上でき、かつ樹脂被覆する際
の密着性。
接着性を向上できる効果がある。また、本願第2項の発
明では、上記極細線の撚り線に樹脂を被覆したので、集
束性11造の安定性を同上でき、さらに第3項では、上
記Niめっき被覆層に加工歪を形成したので、さらに樹
脂との密着性を向上できる効果がある。
男15
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の一実施例による医療用極
細チューブを説明するための図であり、第1図はその縦
合糸の断面図、第2図は複数本の極細線を合わせた状態
の模式図、第3図はその医療用極細チューブの斜視図、
第4図は本発明の他の実施例を示す斜視図、第5図は本
実施例の効果をf!認するために行った実験方法を示す
図である。 図において、1は医療用捲縮チューブ、2は内被、3は
補強層、4は外被、5は極細線、6は樹脂、7a、7b
は合糸、9はNiめっき被覆層である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)樹脂製の内被の外表面を、単線、又は複数線から
    なる補強ワイヤを軸芯に対して傾斜し、かつ該補強ワイ
    ヤ同士が交叉するように巻回してなる補強層で被覆する
    とともに、該補強層の外表面を樹脂製の外被で被覆して
    なる外径が3mm以下の医療用極細チューブであって、
    上記補強ワイヤが、線径160μm以下のピアノ線、ス
    テンレス線あるいは引張強度300kg/mm^2以上
    の低炭素二相組織鋼線のいずれかからなり、かつ外表面
    にNiめっき被覆層が形成されていることを特徴とする
    医療用極細チューブ。
  2. (2)上記補強ワイヤの外表面に樹脂被覆層が形成され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の医
    療用極細チューブ。
  3. (3)上記Niめっき被覆層が、塑性加工による加工歪
    を有していることを特徴とする特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載の医療用極細チューブ。
JP1189388A 1989-07-20 1989-07-20 医療用極細チューブ Pending JPH0351057A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0663150A (ja) * 1992-05-19 1994-03-08 Kobe Steel Ltd カテーテル用ガイドワイヤ及びカテーテル
US5685841A (en) * 1995-08-14 1997-11-11 Mackool; Richard J. Support for fluid infusion tube for use during eye surgery

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