JPH0352754A - 繊維強化部材 - Google Patents

繊維強化部材

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JPH0352754A
JPH0352754A JP18938489A JP18938489A JPH0352754A JP H0352754 A JPH0352754 A JP H0352754A JP 18938489 A JP18938489 A JP 18938489A JP 18938489 A JP18938489 A JP 18938489A JP H0352754 A JPH0352754 A JP H0352754A
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wires
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fiber
fine
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JP18938489A
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Takaaki Yuzutori
柚鳥 登明
Yutaka Kanatsuki
金築 裕
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、繊維強化部材、即ち、繊維強化樹脂(F R
 P)又は繊維強化金属(FRM)に関し、特に線径1
60μm以下の金属極細線を使用する際の活性度を抑制
して該極細線,金糸のサイジング加工,織り加工時にお
ける焼失,断線を防止できるとともに、これらを補強織
布.補強綱にする際の集束性,威形性を向上でき、かつ
マトリックス樹脂内に埋設する際の両者の密着性.接着
性を向上できるようにした極細線の構造に関する。
〔従来の技術〕
FRP,FRM用補強繊維としては、従来、ガラス繊維
.炭素繊維,アラもド繊維,アルくナ繊維.ボロン繊維
あるいは金属線等が用いられており、マトリックス用樹
脂にはエボキシ樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂
等が、またマトリックス用金属にはAn,Mg,Ti,
Cuが用いられている。
ところで、このようなFRP,FRM用補強繊維として
は、その用途上、引張強度を可能な限り高くする必要が
あるとともに、金糸化,あるいは織布化,m化を容易化
するため線径を、例えば160μm以下に極細化するこ
とが必要である。このような要請に応えるためには、高
強度の金属極細線の採用が望ましい。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが本件発明者等の実験研究により、線径160μ
m以下の金属極細線を採用して繊維強化部材を構威する
場合、以下の問題を解決しなければならないことが判明
した。
i,金属線を160μm以下に極細化すると、ボリュー
ムに対する表面積の比が極めて大きくなることから、該
極細線の表面の活性度が異常に高くなり、その結果極細
化する際のダイスとの摩擦、あるいは織布化する際の極
細線同士の摩擦による発熱等により、極端な場合は焼失
あるいは断線するおそれがある。従って極細線自体の活
性度を抑制する必要がある。
ii.また、極細化する際の伸線加工を容易化するため
、及び各極細線を束ねてサイジング処理して合糸化する
際の集束性、及び極細線や金糸を織り合わせたり、編み
合わせたりして織布や金網を威形する際の戒形性を確保
するために、極細線自体の自己潤滑性を向上させる必要
がある。
iii .さらに、上記金属極細線は鋼であるから錆び
が発生し易く、しかも極細であるから錆が発生すると特
性が致命的に悪化する。従って錆の発生を防止するため
耐蝕性を付与する必要がある。
iv.さらにまた、上記極細線や合糸をマトリックス樹
脂内に埋設する場合の、両者の密着性,接着性を向上さ
せる必要がある。これは密着性等が不十分であると引張
りやねじりが加わった場合、上記極細線が樹脂から抜け
てしまい、極細線の特性を有効に作用させることができ
ないおそれがあるからである。
本発明の目的は、線径160μm以下の金属極細線を採
用する場合の上述した各問題点を解決できる繊維強化部
材を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本願第1項の発明は、単繊維状の補強繊維,該補
強繊維を織布化してなる補強織布,又は該補強繊維を網
化してなる補強網のいずれかを、マトリックス樹脂.又
はマトリックス金属内に埋設してなる繊維強化部材にお
いて、上記補強繊維が、線径160μm以下のピアノ線
,ステンレス線あるいは低炭素二相組織鋼線からなる極
細線.又は該極細線を複数本束ねてサイジング処理を施
してなる合糸.あるいは上記極細線を複数本撚り合わせ
てなる撚り線からなり、かつ上記極細線の外表面にNi
めっき被覆層が形成されていることを特徴としている。
また、第2項の発明は、上記Niめっき被覆層に塑性加
工による加工歪を形成したことを特徴としている。
以下、本発明において上記構威を採用した理由を詳細に
説明する。
■.極細線として、160μm以下のピアノ線.ステン
レス線あるいは低炭素二相組織鋼線を採用した理由 補強繊維を構威する極細線は、引張強度,延性に優れて
いることが必要であり、さらに織布化網化を容易化する
には、極細線は線径160μm以下にする必要がある。
線径160μm以下でこれらの特性を満足させるにはピ
アノ線,ステンレス線.低炭素二相組織鋼線が最適であ
る。
ここで、上記極細線に低炭素二相組織鋼線を採用した場
合は、ピアノ線等よりさらに線径を小さくしなから引張
強度を向上できる。この低炭素二相組織鋼線は、本件発
明者らが研究開発したもので、以下の点を見出して完威
したものである。即ち、Fe−C−Si−Mn系鉄基合
金で、かつ針状マルテンサイト.ペイナイト又はこれら
の混合組織からなる低温変態生威相がフエライト相中に
均一に分散されてなる複合金属組織を有する鋼線材が強
加工に優れており、このような金属組織を有する線材を
用いれば冷間伸線にまり線径100μm以下の極細線を
容易確実に得ることができる。
そしてこのようなsum材を冷間伸線により加工歪み4
以上に強加工すれば、上記フエライト相と低温変態生威
相とが複合してなる複合組織(二相組織)が一方向に延
びる均一な繊維状微細金属組織が形或され、このような
金属組織を有する極細線は引張強度が300 kg/ 
*vs”以上と飛躍的に向上し、かつ靭性はピアノ線.
ステンレス線程度である。
このような繊維状微細金属線は、従来知られていない全
く新規な組織である。本件発明者らは、上記金属組織が
引張強度を向上させる主因になっているとの観点から、
その強化メカニズムについてさらに研究を重ねた結果、
上述の如き超高強度を有する金属組織では、上記繊維の
間隔が50−1000人であり、かつ該繊維状をなす上
記複合組織が5〜100人の超微細セルから構威されて
いることを見出した。
ここで上記低炭素二相組織鋼線の製造方法について説明
する。
まず、重量%でC : 0.01〜0.5%、Si:3
.0%以下、Mn:5.O%以下、残部Fe及び不可避
的不純物よりなる線径3.5n+以下の線材を700〜
1100℃の範囲の温度に加熱した後、冷却して(この
加熱,冷却は複数回にわたって行ってもよい〉一部残留
オーステナイトを含有してもよいマルテンサイト,ペイ
ナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態生威相が
フエライト相中に体積率で15〜75%の範囲にて均一
に分散されてなる複合組織を有する線材を製造する。な
お、上記かかる製造方法は、特開昭62−20824号
公報に記載されている。
次に、このようにして得られた複合組織線材を冷間伸線
加工により、加工歪み4以上、好ましくは5以上に強加
工し、上記フエライト相と低温変態生威相とを複合化し
、金属組織として一方向に連続して延びる微細な繊維状
組織を形成させる。
このように加工度を高めることにより、上記繊維状組織
はさらに微細化し、繊維間隔は狭くなり、ついには上述
のとおり加工にて生じたセルの大きさ.繊維間隔がそれ
ぞれ5〜100人,50〜1000人である繊維状微細
金属組織となる。なお、加工歪みが4以上よりも小さい
伸線加工によって得られた細線では、繊維状組織の発達
の途中にあってその組織が不完全であり、従って強度も
低い。
■.極細線の外表面にNiめっき被覆層を形成した理由 上記Niめっき被覆層を形或するのは、素線の活性度の
抑制,自己潤滑性及び耐蝕性の付与,樹脂との密着性,
接着性の改善を図るためである。
上述のように、ピアノ線.低炭素二相組織鋼線等の素線
を極細化するとボリューム.表面積比が極めて大きくな
ってその活性度が異常上昇する。
これに対して本発明者等の研究により、Niが活性度の
極めて低い金属であることから、これを素線表面に被覆
することにより、極細線自体の活性度を抑制できること
が判明した。
また、Niを被覆すれば、耐蝕性等通常の特性付与だけ
でなく、伸線加工性,織布化時等の威形性を向上できる
自己潤滑性が得られ、さらに他の被覆金属に比してNi
は樹脂とのなじみが非常に良く、樹脂との密着性を向上
できることが判明した。
第1表は、金属細線に各種の金属(Ni,Cu,Zn,
 Cu−Zn, AC Au, Ag, Cr)を表面
被覆した場合の各特性(ダイス寿命改善.防錆,酸化性
,接着性.表面処理性,耐蝕性,自己潤滑性,装飾性,
及び導電性〉を比較したものを示す。同表からも明らか
なように、Niは、自己潤滑性が高いことからダイス寿
命を改善でき、防錆,酸化防止等耐蝕性が高く、またマ
トリックス樹脂またはマトリックス金属との接着性に優
れ、さらに表面処理性も高い。このように総合的にも、
また上述の各特性から見てもNiが一番優れていること
がわかる。従ってNiを被覆することによって、上述の
i=ivの問題を解決できることがわかる。
なお、上記Niの被覆方法は、電気めっき,溶融めっき
,等の湿式めっき法, PCD,CVD,スパッタリン
グ等の乾式めっき法等の一般に用いられている手段が採
用できる。勿論、ここで言うNiめっきには、純粋なN
iだけではなく、上述の必要特性を阻害しない範囲内で
の第1表に例示した金属,あるいはその他の金属と合金
化したNiめっきも含まれる。また、上記極細線に対す
るNiの被覆量については、極細線1 kg当たり1g
未満では防錆効果等の上記各被覆効果を発揮させるのが
難しく、また100 gを越えても被覆効果の向上は望
めず、逆に厚目付による加工時のバウダリング等の副次
的なデメリットが生じるため好ましくない。
従って、極細#lA1 kg当たり1〜100 gの範
囲内が適当である。
1[[.Niめっき被覆層に塑性加工による加工歪を付
与した理由 本件発明者らが上記Niめっき被覆層についてさらに検
討したところ、このNiを単にめっきしただけの状態で
は十分満足できる樹脂,又は金属との密着性,接着性が
得られない場合があることが判明した。この理由は明確
ではないが以下の点が考えられる。即ち、めっき処理し
ただけのNiめっき被覆層は、無数のピンホールを有す
るボーラス状になっており、そのためめっき処理工程時
に発生する水素が上記Ni被覆層内に吸蔵され、あるい
は上記ボーラス内に空気が残留することとなる。そして
この吸蔵された水素.残留空気が樹脂コーティングする
際の熱で放出され、あるいは膨張して樹脂層とNi被覆
層との境界に溜まり、その結果両者の密着性.接着性に
悪影響を与えているものと考えられる。
一方、上記Niめっき被覆層に加工歪を付与すると、該
被覆層内のピンホールが潰されてなくなる点、及び例え
ば伸線時の加工熱によって上記水素及び残留空気が放出
される点から、水素.残留空気をほとんど含まないNi
めっき被覆層が得られることになる。その結果、上記極
細線と樹脂とを一体化した場合の、該樹脂と極細線との
密着性.接着性をさらに向上できる。なお、上記加工歪
を形成するには、例えば上記極細線の製造過程において
、冷間伸線加工する前の素線に予めNiめっき処理を施
し、これを伸線加工することにより実現できる。
〔作用〕
本願第1項の発明に係る繊維強化部材によれば、極細線
にピアノ線,ステンレス線.低炭素二相組織鋼線を採用
したので、160μm以下の線径で所定の高強度.延性
を確保でき、特に低炭素二相組11 織鋼線を採用した場合は、上述の強化メカニズムで説明
したように、100μm以下のものを容易に得ることが
でき、しかも300〜600 kgf/m璽2の超高強
度を有する。従って、ピアノ線,ステンレス線の場合に
比べさらに引張強度を向上でき、上述の要請に応えられ
る。
また、上記補強繊維としての極細線にNiめっき被覆層
を形成したので、線径160μm以下の極細線を使用す
る際の活性度の異常上昇を抑制できるから、織布化する
場合等の発熱による焼失や断線を回避できる。またNi
めっき被覆層を形成したことにより自己潤滑性を向上で
き、該極細線を合糸−サイジング処理する際の集束性、
織布化,網化加工する際の威形性を向上できる。さらに
また、マトリックス樹脂内に極細線を埋設した場合の密
着性,接着性を向上でき、引張りやねじり等による抜け
を確実に防止でき、ひいては繊維強化部材全体の引張強
度を大きくでき、寿命を延長できる。
また、本願第2項の発明では、上記Niめっきl2 被覆層に加工歪を形成したので、該被覆層と樹脂との間
に水素.残留空気が溜まることがなく、樹脂,金属との
密着性,接着性をさらに向上できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図ないし第3図は本発明の一実施例による繊維強化
樹脂を説明するための図である。
図において、lは繊維強化樹脂(F R P)であり、
これはエボキシ樹脂からなるマトリックス樹脂2内に金
網状の補強Wi3を埋設して構威されている。この補強
1ii3は、縦撚り線4,横撚り1!5を金網用編み機
で平織りしてなるもので、各撚り線4.5は、それぞれ
線径160μ軸以下の金属極細線6を2〜100本撚り
合わせた構造となっており、いずれの撚り線も波形状に
曲げ形成され、かつ所定の網目間隔になるよう編まれて
いる。また、図示していないが、この横撚り線5は、該
補強網3の左.右端において内方に反転されており、該
反転部分は切断されることなく連続している。なお、第
1図において、マトリソクス樹脂2を、例えばAJから
なるマトリソクス金属に変更することにより繊維強化金
属(FRM)が構威される。
また、上記極細線6は低炭素二相組織鋼線からなり、こ
れは重量%でC:0.01〜0.50%、Si:3.0
%以下、Mn:5.0%以下、残部Fe及び不可避的不
純物からなる線径3.0〜6.0fiの線材を一次熱処
理、一次冷間伸線、二次熱処理及び二次冷間伸線により
線径10〜100μm6こ強加工して製造されたもので
ある。この極細線6は上記強加工により生じた加工セル
が一方向に繊維状に配列された繊維状微細金属組織を形
成しており、かつ上記加工セルの大きさ,繊維間隔がそ
れぞれ5〜100人,50〜1000人であり、さらに
引張強力が300〜600 kgf/m” T:アル。
そして、上記各極細線6の外表面にはNiめっき被覆層
7が形成されている。このNiめっき被覆層7は、上記
線材にめっき処理を行い、しかる後冷間伸線加工する際
に同時に塑性加工されたもので、これにより加工歪を有
している。即ち、上記Niめっき被覆層7は、伸線加工
の前工程において線材にめっき処理を施して4μm程度
の被覆層を形成し、これを一次.二次冷間伸線すること
により、1μm程度の厚さに引き延ばしてなるものであ
る。これにより、めっき処理時に生じていたビンホール
が潰されて、欠陥のない良好な被覆層となっている。
このように本実施例の繊維強化樹脂1によれば、縦撚り
線4.横撚り線5に採用される各極細線6にNiめっき
被覆層7を形成したので、極細線6自体の活性度を下げ
ることができ、各極細線同士を撚り線化する場合、及び
網化する場合の極細線同士の摩擦によって発熱しても焼
失,断線を防止できる。またこのNiめっき被覆層7に
よって自己潤滑性が与えられ、各極細線6同士を撚り線
加工等を行う際の集束性、編み合わせ加工を行う際の加
工性を向上でき、さらに錆びの発生を防止できる。
また、本実施例では上記Niめっき被覆層7を形戒する
とともに、これに加工歪を生じさせたので、マトリック
ス樹脂2と極細線6との密着性,15 接着性を大幅に向上できる。即ち、上記Niめっき被覆
層7は、加工歪によってビンホール等のない構造となっ
ており、ほとんど水素.残留空気を含有していないので
、密着性への悪影響がなく、引張りやねじり等が作用し
ても抜けることはない。
その結果、繊維強化樹脂1全体の引張強度を向上でき、
寿命を延長できる。
さらに、本実施例では極細i6に低炭素二相組織鋼線を
採用したので、線径10〜100μmで引張強度300
〜600 kgf/m”と極めて高強度を有しており、
補強繊維としての引張強度,延性を大幅に向上できる。
なお、上記実施例ではNiめっき被覆層7に加工歪を形
成したが、本発明ではこの加工歪は必ずしも形成しなく
てもよく、加工歪のない場合でも樹脂との密着性,接着
性を向上できる。
また、上記実施例では極細線6に低炭素二相組織鋼線を
採用した場合を例にとって説明したが、本発明の極細線
は、他にピアノ線.ステンレス線が採用でき、これらの
場合もNiめっき被覆層をl6 形成することにより活性度の抑制,自己潤滑性.耐蝕性
及び樹脂,金属との密着性の向上を図ることができる。
さらに、上記実施例では、マトリソクス樹脂2.マトリ
ソクス金属を、撚り線で構成した補強網3で強化したが
、本発明では、極細線を単独で網化した補強網により、
又は極細線を複数本束ねてサイジング処理を施した合糸
を織布化した補強織布゛により、あるいは極細線を単独
で用いることにより補強織布を構威してもよい。また、
網化.織布化する場合は、縦線.横線のいずれか一方の
み金属極細線で構威し、他方は従来のガラス繊維.炭素
繊維,アラ亙ド繊維等を使用することも可能であり、ま
た両者を混合して撚り線化,織布化してもよく、このよ
うにした複合金網.複合織布の場合は、それぞれの有す
る長所を合わせ持つことができる。
ここで、本実施例の極細線にNiめっき被覆層を形成し
たことによる樹脂との接着力向上効果を確認するために
行った実験について説明する。
この実験は、第4図に示すように、本実施例の極細#l
Aaの一部分を、エボキシ系樹脂をベースとしてこれに
炭素繊維.ガラス繊維を混合してなる複合試料片bに埋
め込み、この複合試料片bを固定した状態で上記極細線
aの上部をこれが抜けるか、又は断線するまで引張って
、両者の密着性,接着性を調べた。なお、上記複合試料
片bの埋め込み長さLは、極細線aの線径d (m)X
50となるようにした。
そして、第2表に示すように、まず線径50μmの極細
線を4本用意し、この各極細線にNiめっきを形成しな
い場合(Nnl)、Niめっき被覆層を形成した後伸線
加工により加工歪を付与した場合(Im2)、さらにこ
れの表面に樹脂コーティングした場合(Na3)、Ni
めっきを被覆しただけの場合(阻4)について引抜き試
験を行った。また、線径100μmの極細線も採用し、
これもNiめっきを被覆しただけの場合(N[L5)、
さらにこれに伸線加工により加工歪を付与した場合(N
a6)についても同様の引抜き試験を行った。表中、×
印は極細線aが複合試料片bから抜けた場合を示し、○
印は該極細線aが断線した場合を示す。
表からも明らかなように、線径50μmでNiめっきを
被覆しない場合(Nll 1 )は抜けており、両者の
接着力は上記極細線の破断力未満であった。
これに対して、Niめっきを被覆し(m4)、さらにこ
れに加工歪を付与し(llh2)、さらにまたこれに樹
脂コーティングした(弘3)場合は、いずれも抜ける前
に断線しており、両者の接着力は極細線の破断力以上で
あることがわかる。
一方、線径100μmでNiめっき被覆層を形成しただ
けの場合(Ilh 5 )は、断線する前に抜けている
。これは線径が大きい分引張力も高いことから、接着力
がこの高い引張力には及ばなかったものと考えられる。
しかしこれに加工歪を付与した場合(11116)は断
線しており、これにより加工歪により接着力が向上する
ことが理解できるとともに、比較的太い線径の場合は極
細線自体の引張力が大きくなっているから、加工歪を付
与することによりこの大きな引張力に対応できる接着力
が得19 られ、その効果はより大きいことがわかる。
〔発明の効果〕
以上のように本願第1項の発明に係る繊維強化部材によ
れば、補強繊維に採用されるピアノ線,ステンレス線あ
るいは低炭素二相組織鋼線からなる極細線の表面にNi
めっき被覆層を形成したので、線径160μm以下の極
細線を使用する際の活性度を抑制できるとともに、加工
威形時の潤滑性,サイジング処理時の集束性を向上でき
、かつマトリックス樹脂.金属に埋設する際の密着性,
接着性を向上できる効果があり、また、本願第2項の発
明では、上記Niめっき被覆層に加工歪を形成したので
、さらに樹脂等との密着性を向上できる効果がある。
20
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明の一実施例による繊維強化
樹脂を説明するための図であり、第1図はその斜視図、
第2図は補強網の拡大断面図、第3図はその縦撚り線の
断面図、第4図は本実施例の効果を確認するために行っ
た実験方法を示す図である。 図において、1は繊維強化樹脂(繊維強化部材)、2は
マトリックス樹脂、3は補強網、45は撚り線、6は極
細線、7はNiめっき被覆層である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)単繊維状の補強繊維、該補強繊維を織布化してな
    る補強織布、又は該補強繊維を網化してなる補強網のい
    ずれかを、マトリックス樹脂、又はマトリックス金属内
    に埋設してなる繊維強化部材において、上記補強繊維が
    、線径160μm以下のピアノ線、ステンレス線あるい
    は引張強度300kg/mm^2以上の低炭素二相組織
    鋼線のいずれかからなる極細線、又は該極細線を複数本
    束ねてサイジング処理を施してなる合糸、あるいは上記
    極細線を複数本撚り合わせてなる撚り線からなり、かつ
    上記極細線の外表面にNiめっき被覆層が形成されてい
    ることを特徴とする繊維強化部材。
  2. (2)上記Niめっき被覆層が、塑性加工による加工歪
    を有していることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の繊維強化部材。
JP18938489A 1989-07-20 1989-07-20 繊維強化部材 Pending JPH0352754A (ja)

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