JP2017008420A - エッチングカット用ワイヤーの製造方法及びこの方法で得られたエッチングカット用ワイヤーを用いた無機性脆性材料のカット方法 - Google Patents

エッチングカット用ワイヤーの製造方法及びこの方法で得られたエッチングカット用ワイヤーを用いた無機性脆性材料のカット方法 Download PDF

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Takayuki Akizuki
孝之 秋月
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Abstract

【課題】 ソーワイヤーの砥粒による幅広の切断ロスの削減を図るエッチングカット方法に好適なカット用ワイヤーの製造方法及びこの方法で得られたエッチングカット用ワイヤーを用いた無機性脆性材料のカット方法を提供する。
【解決手段】 無機性脆性材料を腐食エッチングで化学的にカットする為の細径金属線材でなるカット用ワイヤーの製造方法であって、質量%で、Ni:12.0〜20.0%、Cr:12.0〜25.0%、Co:35.0〜60.0%を含有する析出硬化型のCo合金細線を準備する段階と、Co合金細線を最終加工率75%以上で線径0.2mm未満とする仕上げ伸線加工の段階を含み、JIS−G0577に基づく孔食電位特性(V’c10):0.60〜0.75Vと、80〜110μΩ・cmの電気抵抗率(但し、室温環境中)を備えるCo合金細線にする。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は半導体シリコンやセラミック、水晶、石材などの無機性硬質脆性材料を腐食エッチングによる化学的方法で切断加工するのに使用するための細径エッチングカット用ワイヤーの製造方法及びこの方法で得られたエッチングカット用ワイヤーを用いた無機性脆性材料のカット方法に関する。
従来、石材や鉄筋コンクリート、半導体シリコン、セラミック、サファイヤ、水晶などの硬質脆性材料を切断する切断加工法として、例えば図6に示すようにピアノ線やステンレス鋼線等の高強度線材(ソーワイヤー)Wを高速で被切断物(ワーク)Cと摺接しつつ走行させ、かつその周囲に介在する研削用砥粒によって物理的に切断するワイヤーソーイング法が開発され、例えば電子工業用分野では、これを所定ワークに対して、厚さ1mm程度の比較的狭い等間隔に多段に掛け渡すことで、種々のウエハー製品を得ることが行われている。
その切断加工は、例えば、前記高強度線材Wとともに前記砥粒を別途供給しながら切断加工を行う遊離砥粒方式によるもの、また予め該線材Wの表面上に電着や接着剤等によって砥粒を固定しておく砥粒固定型のソーワイヤーによる方法が採用されている。特に後者の砥粒固定型ソーワイヤーによるものでは、より効率的な切断カットができることから、現在の半導体ウエハーの製造プロセスには欠かせないものとなっている。
図7はそのソーワイヤーによる切断状態を示すもので、横断面方向の拡大図を示している。ソーワイヤーは、通常その切断効率を高める必要から、ワークをより強く押圧しながら連続走行することで行われる。その為、該ソーワイヤーはその押圧強度や連続走行に適するように、高強度の張力付加が行われるとともに、その芯材についても例えば0.2〜0.6mm程度の比較的太線とすることで高強度化を図っている。
またその構成は、前記高強度の芯材と、その表面にダイヤモンドやCBN等の硬質砥粒を所定の分布密度で固着したもので、該砥粒の固着をより強固にする為に、前記芯材の表面に予め下地用の金属メッキを施した複合線が用いられ、砥粒は例えば電着用のNiメッキ液中に懸濁して、そのメッキ処理と同時に砥粒固着するものである(例えば、特許文献1,2)
特開平09−150314号公報 特開2007−203393号公報
このように、前記特許文献1及び2のソーワイヤーによる従来の切断技術は、前記所定線径の芯材と、その表面に塗布される下地メッキ層を介して砥粒を固着している。従って、そのソーワイヤーを用い切断する場合の実質的な前記切断幅は、少なくともこれら各部材を含む全体寸法以上になり、例えば前記芯材として仮に0.2mm程度の金属細線を用いるものでも、砥粒の粒径によって、実質的な切断幅は例えば0.3〜0.4mm程度にまで拡幅したものとなり、結局その部分は消失して切断ロスとなる。
またそうしてカットされた切断面も、前記砥粒の大きさによって異なるものの、微小凹凸の形成は避けられず、その表面性をより高める為の研磨処理が行われており、こうしたカットや研磨処理に伴う歩留まりは 40〜60%程度とされ、高価なワークの歩留まり低下やコストアップの一因になっている。
これを改善する方策として、例えば砥粒の微細化や前記芯材をより細径化することも提案されている。 しかし、砥粒を微細化したものでは切断性能が低下し、また後者の細径芯材によるものでは、ソーワイヤー自体の全体強度が低下し、ワークへの押圧強度を弱くしたり、ワイヤーの走行速度を減少させる等、作業条件の変更やそれに伴う効率低下は避けられず、またワーク切断作業中にソーワイヤー自体が断線することも懸念される。
そして作業中にソーワイヤーが断線すると、再度そのワイヤーの掛け渡しセットの調整に相当の手間を要し、またワーク切断面の品質も、その前後で段差が生じるなど平面性や平滑性が損なわれる。したがって、その改修の為に余分な研磨処理が必要になるなど多大な負担を要し、作業効率や歩留まり低下への影響が大きいものである。
また、近年の研究では、ソーワイヤーのこのような問題を改善し、実質的にワイヤーのみの切断幅でカット可能な方法として、化学的な腐食エッチング現象を利用するカット方法が試みられている。本発明は、このエッチングカット方法に好適に採用可能なカット用ワイヤーと、これを用いた無機性脆性材料のカット方法の提供を目的とするものである。
すなわち請求項1に係る発明は、無機性脆性材料を腐食エッチングで化学的に溶断カットする為の細径金属線材でなるカット用ワイヤーの製造方法であって、質量%でC≦0.30%,Si:≦2.0%,Mn:≦2.0%,Ni:12.0〜20.0%,Cr:12.0〜25.0%,Mo:2.0〜10.0%,Co:35.0〜60.0%と、又は更にAl:0.1〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.01〜1.0%,W:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる析出硬化型のCo合金細線を準備する段階と、該Co合金細線を最終加工率75%以上で線径0.2mm未満とする仕上伸線加工の段階と、前記仕上伸線加工に続く温度400〜650℃での時効熱処理によって、その基地マトリックス内に、Co,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする炭化物、又はAl及び/又はTiの金属間化合物のいずれかの析出物を形成する段階を含み、JIS−G0577に基づく孔食電位(V’c10):0.60〜0.75Vと、80〜110μΩ・cmの電気抵抗率(但し、室温環境中)の特性と前記析出物を備えるCo合金細線にすることを特徴とするエッチングカット用ワイヤーの製造方法である。
また、請求項2に係る発明は、前記析出物は、該Co合金細線の任意横断面において、平均粒子径:0.02〜0.2μmで、かつ0.5〜2.0%の面積率で形成されるものであるエッチングカット用ワイヤーの製造方法である。
また、請求項3に係る発明は、前記Co合金細線は、質量%でC:0.08〜0.20%,Si:≦1.0%,Mn:≦2.0%,Ni:14.0〜18.5%,Cr:19.0〜25.0%,Mo:4.0〜8.0%,Co:40.0〜55.0%、及びAl:0.1〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.01〜1.0%,W:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる析出硬化型のCo合金によるエッチングカット用ワイヤーの製造方法である
更に請求項4に係る発明は、前記Co合金細線は、その表面粗さRaが0.01〜0.5μmの表面状態に加工されてなるエッチングカット用ワイヤーの製造方法である。
そして、請求項5に係る発明は、本発明の製造方法で製造されたカット用ワイヤーで、ワークの無機性脆性材料を任意切断面で溶断カットするにあたり、前記ワークとカット用ワイヤーとの接触界面に、該ワークを腐食エッチング現象によって腐食溶解する腐食性溶液を介在させるとともに、該腐食性溶解が前記カット用ワイヤーが接する前記接触界面でのみ生じるように、該カット用ワイヤーを所定温度に通電加熱しながら、一定の切込み速度と走行速度で連続的にカットすることを特徴とする無機性脆性材料のカット方法である。
本発明が対象とするエッチングカット技術を説明する概略図である。 エッチングカットによるワーク切断の要部拡大図である。 析出物の析出状態を示す顕微鏡組織写真の一例である。 他の形態を示すカット用ワイヤーの平面図 他の形態を示すカット用ワイヤーの横断面図である。 従来のソーワイヤーによるワーク切断状態を示す斜視図である。 従来型の砥粒固定型ソーワイヤーの横断面図である。
1:ワーク
2:カット用ワイヤー
2A:複合細線
3a:腐食性溶液
以下、本発明のエッチングカット用ワイヤー(以下、単に「カット用ワイヤー」とも言う)の好ましい形態を、その製造方法及び図面とともに説明する。その中で、該Co合金材料の組成については特に本文中に明記される場合を除き、質量%を意味するものとする。
カット用ワイヤー1は、質量%で、12.0〜20.0%Ni、12.0〜25.0%Cr、35〜60%Coを含有するCo合金で構成され、その線径は0.2mm以下でかつ耐力1500〜2200N/mm2の高強度特性とともに、JIS‐G0577に基づく孔食電位特性(V‘c1o):0.65〜0.75Vと、室温環境下で80〜100μΩ・cmの電気抵抗率を備えるCo合金の細線でなる。
この組成に適合するCo合金をより詳細に説明すれば、例えば、質量%でC:≦0.30%,Si:≦2.0%,Mn:≦2.0%,Ni:14.0〜20.0%,Cr:15.0〜25.0%,Mo:2.0〜10.0%,Co:40.0〜55.0%を含み、残部Fe及び不可避不純物でなるもの(第一形態)、また同様に質量%でC:0.08〜0.20%,Si:≦1.0%,Mn:≦2.00%,Ni:12.0〜12.0%,Cr:19.0〜25.0%,Mo:4.0〜8.0%,およびCo:40.0〜55.0%と、更にAl:0.1〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.01〜1.0%及びW:0.5〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部Fe及び不可避不純物からなるもの(第二形態)があり、これらはいずれも析出硬化機能を備える組成のものとして構成される。前者組成のCo合金に適合するものとしては、例えばNAS604PHがあり、また後者合金はCCW合金として、何れも高強度ばね用の線材として実施されている。
これら組成のCo合金は、例えば通常のステンレス鋼線等に比して冷間加工性に優れ、またその加工後の析出硬化処理によって大幅な機械的特性の向上が図れることから、例えば数十μm程度の微細線材にまで細径化可能で、かつ十分な強度維持と耐食性、及び本発明に好適する通電特性を備え好ましい。
すなわち、本発明が対象とする腐食エッチングによるカット方法は、従来の砥粒を用いるソーワイヤーによる場合のように、ワーク(被カット物)自体を強度押圧したり、切断走行速度を高める必要がなく、比較的緩く設定できることから、その線径は0.2mm未満、好ましくは0.02〜0.08mm程度の極めて微細な細線が使用可能である。またその断面形状も、通常の円形形状のものだけに限らず、たとえば角線等の非円形のものを含み、その場合の線径表示は、その任意横断面の面積から算出される換算線径で示されるものとする。
また前記Co合金は、高Ni,高Crを含み耐食性に優れるものでもあるため、これを前記エッチングの腐食溶液として例えば弗硝酸などの高腐食性溶液を用いる場合にも、実質的なワイヤーの腐食減量は例えば3g/m2/hr.以下と極めて微量で実質的な影響はないことから、繰り返し使用する再生使用にも十分な適性を備える。
腐食性溶液としては、前記するようにワークに対して必要部分のみを腐食溶解可能な例えば弗硝酸や
弗硫酸等の強腐食性溶液が採用でき、その腐食エッチング現象で化学的に溶断カットするものである。また本発明では、その腐食エッチング反応が該ワイヤーと接する接触界面の近傍付近でのみ発生するように、該ワイヤーを例えば50〜200℃程度に加熱しながら腐食エッチング反応させることを基本としており、前記Co合金はこうした用法に好適する特性を備え得る。
すなわち、前記ワークの無機性脆性材料は、その種類に応じて固有の活性反応温度域を有し、その温度以上の環境中では最も活性な腐食反応を生じさせるものの、逆に低い低温域では実質的な腐食反応には至らず、当初の表面状態のまま維持する。 その例として、例えば前記シリコンをワークとする場合の活性温度域は50℃以上であり、サファイヤは70℃以上とするが、必要以上の高温にすると該溶液の気化によって周辺環境に悪影響をもたらすことから、例えば85℃以下とする。
したがって、腐食性溶液の前記活性温度に応じて、前記カット用ワイヤーに負荷する通電発熱量を適宜設定することで、溶断カットに必要な適正温度に加熱して、該ワイヤーの周囲に存在する腐食性溶液をより活性な状態になるように調整される。その場合、ワークの切断部以外の部分に腐食性溶液が存在すれば多少の腐食反応は生じるものの、その程度は該切断部での腐食反応のような大きいものではなく、腐食減量として数値化できないような微量程度を含むものとし、その意味で本発明では、腐食溶解は該ワイヤーが接触する「接触界面でのみ生じる」と表現するが、「接触界面を優先的に腐食する」の意味も含むものとする。
こうした用法に対し、前記Co合金が本発明の実施に好適する理由として、該Co合金は次の諸特性を備えることが挙げられる。
▲1▼繊維状のような細径線材にまで容易に加工可能な延・靭性を有し、高い伸線加工性を備えること。
▲2▼材料特性として、高強度でかつ疲労特性及び弾性特性に優れた機械的特性を有す ることから、より細径化したワイヤーとして使用できること。この▲1▼及び▲2▼ によって、ワークの切断ロスの低減をもたらし得る。
▲3▼またその機械的特性を更に高める方策として、細径加工後の時効処理などによっ て特性アップをもたらす、析出硬化型の合金線として利用できること。
▲4▼弗硝酸溶液など強度の腐食性溶液やそのような環境下においても、優れた耐食性 を有すること。 ⇒これによって、ワイヤーの再使用が可能となる。
・なお該耐食性は、本発明ではJIS−G0577に基づく「孔食電位」で示され、 該Co合金は、0.60〜0.75Vの耐食性を備え、ステンレス鋼を超える耐食性 が可能で、カット用ワイヤーとしての再使用化が図れる。尚前記JIS−G0577 規格は、ステンレス鋼を対象にするものではあるものの、本願のCo合金についても 同様に測定可能なことから、これを用いることとした。また、その測定条件は、3. 5%NaCl溶液(30℃)により、Ar脱気と掃引速度20mV/min.による ものとし、またその参照電極はAg/AgClによるものとする。
▲5▼該Co合金のマトリックスは電気抵抗率が高く、通電などで容易に所定温度に加 熱でき、エネルギー効率の削減に寄与すること。
例えば、常温程度の比較的低い温度環境中でも80〜110μΩ・cmの高い電気 抵抗を備え、
その発熱特性は、時効処理等の析出硬化機能で析出する析出物によって、更に向上する 析出硬化型の前記Co合金が採用できること。
▲6▼前記通電処理によって200℃程度に加熱した状態でも、ワイヤー自体の強度等 の機械的特性は実質的な低下が少ないこと。
前記析出硬化処理に伴う析出物については、その基地マトリックス内に、Co,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする炭化物,Al及び/又はTiの金属間化合物のいずれか析出物が形成されるものを含む。その析出物は、該Co合金の任意断面における顕微鏡観察で、例えば基地マトリックス中に0.02〜0.2μm程度の平均粒子径を持つ前記微細析出物を含み、かつ0.5〜2.0%の容積比(面積比)で点在させることが推奨される。 その検証は、例えば1000倍程度以上の高倍率で観察可能であり、さらに画像回析を行うことで数値化可能である。
その場合の前記平均粒子径は、その測定視野内に確認される析出粒子の上位20点の長径の合計を測定点数で除した平均値で示し、また容積比は同様に所定視野内におけるその測定倍率で検証される析出粒子が占める面積比を意味するもので、これによって、ワイヤー自体の通電抵抗率を高めるとともに、細線材料としての強度向上にも寄与する。図3は、より好ましい析出物の一例として、平均粒径0.04〜0.10μmで0.5〜1.0%の容積比で分布する炭化物粒子の分布状態を示すが、研磨時に生じた若干の異形部を含んでいる。
また前記Co合金細線は、例えば常温〜200℃の温度範囲での使用を前提とし、かつ好適な使用ができるよう、例えば温度20℃の室温環境下で、80〜110μΩ・cmの高い電気抵抗特性を有するものが採用される。その測定は、任意に抽出した試験片を例えばJIS−C3002「電気用銅線及びアルミニウム線試験方法」の電位差計による方法で測定可能であり、その特性値が80μΩ・cm未満のものでは、これを使用する際の通電によって発熱温度に加熱するのに多大の電気エネルギーを要し、効率的ではない。逆に110μΩ・cmを超えるものでは、前記Co合金では得られ難く、より好ましくは95〜105μΩ・cmである。
この電気抵抗率を任意に調整する方法としては、例えばCo含有量を比較的高めにしたり、冷間加工に伴う加工歪をより少なくなるように調節することが推奨される。また、前記時効処理等の析出硬化機能により析出する前記析出物によって、より高めることもできる。その機能を備えるように、本発明では前記Co合金は析出硬化型であることが望まれる。
次に、本発明に係る切断加工プロセスを説明すれば、図1に示すように、例えばシリコンやサファイヤ、種々組成のセラミック等の無機性脆性材料(例えばインゴット)をワーク1とし、その切断部4に沿って前記構成のカット用ワイヤー2を掛け渡して、これを一定の切り込み速度(矢印A)と走行速度を維持しながらカットするもので、そのカットをワーク1を腐食エッチング現象による化学的方法で行うことを特徴とする。
すなわち、供給リール10から繰り出されるカット用ワイヤー2は、種々ロールを経てワーク1と接触させることで徐々に切断カットし、その後水洗槽11と乾燥ヒーター12を経て、表面に残留する前記腐食溶液を除却・乾燥し、巻取りリール13に巻き取られる。その場合、必要に応じて図1の1点鎖線で示すように、該ワイヤー2をワーク1に繰り返し又は多段に掛け渡してカットすることができる。
図2は、該ワーク1の近傍要部を拡大図示するもので、供給側から繰り出したカット用ワイヤー2は、ワーク1の前段に設けた腐食性溶液の供給手段3によって、その表面上に該溶液を塗布被包したままワーク1の切断部4に送り、その接触界面に前記腐食性溶液3aを介在させることで、その切断部4において局部的な腐食エッチング反応を生じさせる。図1では、前記腐食性溶液3aは、例えばこれを収容した容器の下方にフェルト3Aを設け、その毛細管現象で走行するカット用ワイヤー2の表面上に付与可能に構成しており、そのままワーク1の切断部に供される。必要ならば、該溶液の貯槽内を通過させることでワイヤー表面に付与させることもできる。
また、前記カット用ワイヤー2は、前記腐食エッチング反応がカットの必要部分のみで生ずるように、ワーク1の前後に設けた通電加熱機構14(ガイドロール14A,14B)で通電加熱可能に構成しており、その設定電流量によって、反応可能な所定温度(例えば50〜200℃)に加熱するとともに、ワーク1に対する切込み速度とワイヤー2の走行速度が一定の関係になるように調整することで、ワーク1は連続的に切断される。なお符号15は、該ワイヤー2を所定温度に加熱する為の電源である。
本発明によれば、ワーク1をカットする前記ワイヤー2は、その設定領域内でほぼ所定温度を備え、ワーク1を活発に腐食エッチング反応させて溶断カットさせることができ、その切断カット面の平滑性や平面性が確保できる。一方、カット部以外に前記腐食性溶液が残留していても、その部分では該ワイヤーよる加熱がないことから、実質的な腐食反応は生じないこととなる。
なお前記腐食性溶液には、例えば前記例示の弗硝酸や弗硫酸などの高腐食性溶液によるものが採用でき、その構成組成比を変化させることで、より最適温度での腐食エッチング反応ができるよう発生温度を変えることもできる。発明者による研究では、前記弗硝酸溶液で、HFとNO3の容量配合比率を1:5とするものでは該反応の活性開始温度は約65℃であったのに対し、同比1:4では約59℃、同様に1:3では約54℃と、配合比率に伴って温度変化する結果を得られている。したがって、ワークの種類や腐食性溶液の構成組成を適宜設定することで、最適な実施が行われる。
次に、本発明における前記Co合金として、これを構成する各組成の及ぼす作用と、その分量にする理由を説明する。
《Ni:12.0〜20.0%》
〔Ni〕は、基質を安定なオーステナイト組織にする為に必要であり、またクロムの耐酸化性を助長して加工性を改善するのに有効な元素である。Niが12.0%未満のものでは本発明が求める耐食性の確保が困難で、十分な効果が期待され難く、また20.0%を超えるものではコストの割に強度の向上が図りにくい。より好ましくは14.0〜20.0%、更に後記第三の添加元素を付加するものでは、好ましくは14.0〜18.5%とする。
《Cr:12.0〜25.0%》
〔Cr〕も前記Niと同様に、本合金材料の生地に固溶することで耐食性及び機械的特性を向上するとともに、その熱処理によって基地マトリックス中にクロム酸化物などの析出物を発生させて、基地強度や電気抵抗を高める働きをする。その効果は、例えば12.0%以上で得られ、一方25.0%を超えるものでは鍛造性に影響して疲労特性が低下する。そのため好ましくは15.0%以上、更に好ましくは19.0%とする。
《Co:35〜60%》
〔Co〕は、前記するように本発明では基本元素に相当するもので、その組成によって前記電気抵抗率に影響をもたらすなど、本形態では前記した他の成分組成とのより好ましい関係から各々35〜60%とし、より好ましくは、その他添加組成として、またその組成に数%程度のMoを含有する場合は、40.0〜55.0%とすることが望ましい。
これら基本組成に加えて、該Co合金は前記第一形態及び第二形態の合金として、更に次の添加元素を含有するものを含む。
《C:≦0.30%》
〔C〕は、その添加によって結晶を微細化し機械的特性、特に高強度化するのに有効である。しかし、0.30%を超える程多量に添加すると必要以上の炭化物が形成して、細径化する場合の加工性、繰り返し曲げに伴う疲労寿命において問題になりやすい。より好ましくは0.08〜0.20%とする。
《Si:≦2.0%》
〔Si〕は、溶製時に必要な脱酸成分であり、その添加によって疲労,強度及び寿命特性を向上するが、2.0%を超えるとクリープ特性が低下し、またσ相生成をもたらしやすく、より好ましくは1.0%以下(例えば0.1〜1.0%)とする。
《Mn:≦2.0%》
〔Mn〕は、ニッケルとともに熱間加工性を改善する。しかし、一般的に2.0%を超えてもその効果は飽和し、かえってコストアップとなることから、より好ましくは1.50%以下(例えば0.2〜1.50%)とする。
《Mo:2.0〜10.0%》
〔Mo〕は、本合金の強度を飛躍的に向上し、2.0〜10.0%で最も優れた効果を発揮する。しかし、特に10%を超えるものでは硬脆化して寿命を短くしやすく、より好ましくは4.0〜8.0%とする。
また本発明は、前記各Co合金に対して、更に機械的特性を向上する目的で次のような特定第三元素の添加も許容する。
該第三元素には、Al:0.1〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.01〜1.0%及びW:0.50〜5.0%のいずれか1種以上が相当し、これら組成の前記析出物による時効特性によって特性向上を図り得る。該第三元素の添加は、前記第一形態のCo合金、あるいは特に前記CやSiなどの添加元素を規定しないCo合金にも同様な効果が見られ、好ましい。
その第三元素の各組成が各々単独の場合、前記各下限値未満のものではその効果が期待できず、逆に上限を超えるものでは材料の硬化が増して加工性の低下を招くこととなる。また、いずれか2以上を複合添加するものでは、その合計は5.5%を超えないようにすることが好ましい。
その中で前記〔W〕は、Moと同様にCo中に固溶することで生地に強度を与え、耐食性、疲労強度をより向上させるとともに、非磁性をもたらす利点もある。その効果は0.50%以上の添加で見られるが、5.0%を超えると別質な第2相が析出して脆化しやすく、より好ましくは3.0%以下とする。また、例えば前記MoとWを併用する場合は、その合計含有量が3.0〜10.0%にするのが良く、さらにこうした構成元素に加え、その他不純物としては例えばP,Sを各々0.05%以下の不可避的な含有を許容し、残部はFeでなる。
このように構成されてなる本発明のカット用ワイヤー1は、例えば次の方法で製造可能である。
前記組成に調整されたCo合金のROD線材を用い、伸線加工と熱処理を繰り返し行いながら、最終加工率例えば75%以上(より好ましくは85〜99.5%)の強加工を行い、目標線径に仕上伸線加工した後に、更に温度400〜650℃の温度範囲での時効熱処理を施す。前者伸線加工はより好ましくは、ダイヤモンドダイスを用いた湿式伸線加工で行い、その平均粗さRaは0.01〜0.5μmの表面状態に仕上げることが好ましい。その表面粗さは、トータルの加工率や使用する潤滑剤の種類、粘度によって適宜変化し、前記表面粗さを有することで、これをカット用ワイヤーとして使用する際には前記腐食性溶液の保持性を高め得る。 また後者の時効熱処理条件についても、その基地マトリックス中に析出する析出物の生成が促進でき、通電発熱性を改善することができる。より好ましい熱処理条件として、温度500〜600℃×時間3〜10min程度で加熱し、急冷することが推奨される。
また、図4はカット用ワイヤーの別の形態を示す平面図である。これは、例えば前記特性を持つCo合金細線の複数本を縒り合わせたもの、あるいは、その素材段階で、予め複数の線材同士を集束して同時に細径化する集束伸線法で細径化した2〜100本程度(本形態では2本)の糸状の複合線を用いて、これを所定ピッチで縒り加工した撚線ないし編組処理した複合細線2Aとして用い得る。その状態でワイヤー表面は前記腐食性溶液3aで覆われている。同様に図5は図4の横断面図を示しており、該ワイヤー同士の隣接部には毛細管現象による液溜り部16が見られ、十分な腐食液の供給をもたらすことができる。
具体的には、各単線2cは各々線径0.005〜0.05mm程度の極細線として、これを所定ピッチ(例えば該芯素線2cの線径の3〜100倍程度)で撚り合わて構成したものである。
以下、実施例によって本発明をさらに説明する。
実施例として、材料組成の適合性を評価する判断基準として、Ni,Cr,Coの3元素についてその他添加元素の及ぼす影響を見るために、それぞれ成分組成の分量を段階的に変化させた表1記載の7種類のCo合金線を準備した。そして、その軟質線材(線径:0.18mm)を用いて、湿式冷間伸線機にセットし、各々0.06mmの硬質細線にまで総加工率89%を目標として極細伸線加工を行い、その加工性を評価した。なお同表中の、各試料の元素欄に下線を付したものは、本発明の組成範囲外であることを示す。
また、比較材には通常のステンレス鋼線(SUS304,SUS316,SUS430)を用い、上記に習って同様の伸線加工を行い、比較1〜3の硬質細線とした。
該伸線加工は、非塩素系のオイル(溶融粘度16mm2/S(40℃)を用いた液中にダイヤモンドダイスを浸漬して、各ダイス間の加工率を12〜20%とし伸線速度200m/min,の条件で行ない、得られた細線の表面欠陥(例えばダイスマークやきず等の表面異常の発生)及び断線発生の有無を調査した。その結果を表2に示す。
その結果、試料1,5,7及び比較材3は、いずれも断線及びダイスマーク等が発生し、目標線径0.06mmを得ることはできなかった。
次に、前記各試料の耐食性について、前記伸線加工した各試料についてJIS−G0577による孔食電位を求め、対象液には35%NaClを用いて、Ar脱気、掃引速度20mV/min.で行ったものである。その結果、試料6は十分な耐食性が見られず、結果的に本願発明に係る試料2〜4が最も安定するものであった。
以上の結果に照らして、本願発明に係るCo合金については、前記Ni:12.0〜20.0%、Cr:12.0〜25.0%、Co:35〜60%を備えるものに優位差が認められた。そこで、その範囲内でその他の微量成分を更に詳細に検証することとして、表2のCo合金についてその他特性を評価した。
これら試料A〜Dの加工は、前記実施例1より更に細径化を目的として、素線0.18mmの軟質線
材を用い、同様の湿式伸線加工によって0.03mmの細径硬質線材を製造した。いずれの試料材も良好な加工性が確認された。
次に、その硬質細線について更にストランド方式の連続時効熱処理を行い、加熱条件は、温度500〜550℃でかつ温度×時間(min.)との積を18000〜30000として設定したもので、その加熱雰囲気は露点−60℃の Arガス中で行ったものである。
得られた各細線の特性結果を表3に一覧する。
上記試験は、機械的特性はJIS−Z2241に基づき、標点間距離100mmにおける引張試験で行い、析出物は各細線の横断面について1000倍に拡大した顕微鏡観察によるもので、平均粒子径は、その測定視野内に見られる各粒子について、その平均径の上位20点の結果を更に平均化する平均粒径で示すもので、分布率とともに画像解析で求めたものである。
また耐食性は、JIS−G0577による前記孔食電位により、また電気抵抗率は、JIS−C3002「電気用銅線及びアルミニウム線の試験方法」により、任意に選択した該合金細線のサンプルを、各々所定の電位差計(横河電機製)にセットして、その50cm分における電気抵抗値で、その平均値で示す。試験環境は、温度20℃の室温環境で行ったものである。
その中で、特にそのマトリックス内に、前記図3に示すような微細化合析出物を有する試料では、電気抵抗率を高め好適することが確認された。
また、得られた各細線は、いずれも光輝な表面状態を有し、その表面粗さRaは0.03〜0.14μmとミクロ的に見ると表面全体にわたって微小凹凸が認められるものの、特にダイスマーク等の加工トラブルもなく、良好な細径加工性を有するものであった。
実施例3は、実施例2で得られたCo合金細線を用いた切断試験の結果を示すもので、ワークにはサファイアインゴット(直径2インチ)を約1mm間隔の薄板状にカットできるように該合金細線を多段に掛渡し、一定速度での切り込みと、前記カット用ワイヤーの送り速度を次の条件として、切断試験を行った。
なおその際、前記ワークの所定部分がカットされるように、図2に習って、ワークの前段階で腐食性溶液を該ワイヤー表面に付着させるようにセットし、切り込み量0.12μm/min.かつ走行速度
3m/minの条件で行った。また前記腐食性溶液には、5%HF+15%HNO3の弗硝酸溶液を用い、カット処理の必要部分のみで腐食エッチング反応が促進し得るように、ワークを挟む前後2つのガイドロール間に電流25A/dmm2を印加して、ワイヤー接触部の液温が80℃になるように通電加熱している。
該腐食性溶液は、微細なワイヤー表面上に形成した微視的な結晶粒間の凹凸によって該溶液の濡れ保持性が向上でき、カット処理に十分な腐食溶液をもたらすものであった。
その切断カット試験では、各カット用ワイヤーが30μmと微小細線であるものの、ワークに対して必要以上の押圧付加の必要はなく、カット試験中におけるワイヤーの断線などのトラブルは見られなかった。この試験において、該ワークは約200〜240分の短時間で切断カットができ、しかもその切断幅は、該ワイヤーの線径の1.5倍以下に留まり、歩留りよくしかも平滑な表面状態が得られた。
前記試料BのCo合金細線(線径0.08mm)について、更に異種ワークへの適用可能性を評価する為に、腐食性溶液に弗硫酸溶液を用い、またワークは多結晶シリコンインゴット(太さ8インチ)への適用可能性を同様の条件で検証した。シリコンインゴットはそのカット用ワイヤーで加熱されたカット部では容易に腐食反応が生じ、一方、カット部以外の領域ではワイヤー表面の腐食溶液が活性温度域に達しないことから十分な腐食反応には至らず、ほとんど影響しないことが確認された。このことから、同様の無機性脆性材料の切断加工に十分に採用可能なことが認められた。またその切断幅の寸法も、0.15mm以下の極めて微細なもので、歩留り70%が可能であった。
次の実施例として、前記実施例4で用いたのと同様に、試料13のCo合金細線(線径0.14mm)の3本を準備し、これを極細撚線機にセットするとともに、撚りピッチ0.2mmで撚り合わした複合細線のカット用ワイヤーについても同様の切断カット試験を行った。
この形態では、合金細線同士が隣接する凹所には図5に見られるような、腐食溶液の溜まり部16が確認でき、毛細管現象による効果的な貯留効果を高めることで有効であった。しかも、この形態では該複合細線のスパイラル状の接触部では、その凹所に十分な液溜り部を有し、良好なカット処理ができた。
産業上の利用分野
本発明のエッチングカット用ワイヤーによれば、従来のようなその切断界面に砥粒を介在させることなく、またワイヤーには比較的緩い張力付加で切断カットができることから、実質的な切断ロスの軽減が図れ、シリコンやサファイア、セラミックなどの種々無機性脆性材料の切断加工に幅広く用い得るものである。

Claims (5)

  1. 無機性脆性材料を腐食エッチングで化学的に溶断カットする為の細径金属線材でなるカット用ワイヤーの製造方法であって、
    質量%でC≦0.30%,Si:≦2.0%,Mn:≦2.0%,Ni:12.0〜20.0%,Cr:12.0〜25.0%,Mo:2.0〜10.0%,Co:35.0〜60.0%と、又は更にAl:0.1〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.01〜1.0%,W:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる析出硬化型のCo合金細線を準備する段階と、
    該Co合金細線を最終加工率75%以上で線径0.2mm未満とする仕上伸線加工の段階と、
    前記仕上伸線加工に続く温度400〜650℃での時効熱処理によって、その基地マトリックス内に、Co,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする炭化物、又はAl及び/又はTiの金属間化合物のいずれかの析出物を形成する段階を含み、
    JIS−G0577に基づく孔食電位(V’c10):0.60〜0.75Vと、80〜110μΩ・cmの電気抵抗率(但し、室温環境中)の特性と前記析出物を備えるCo合金細線にすることを特徴とするエッチングカット用ワイヤーの製造方法。
  2. 前記析出物は、該Co合金細線の任意横断面において、平均粒子径:0.02〜0.2μmで、かつ0.5〜2.0%の面積率で形成されるものである請求項1に記載のエッチングカット用ワイヤーの製造方法。
  3. 前記Co合金細線は、質量%でC:0.08〜0.20%,Si:≦1.0%,Mn:≦2.0%,Ni:14.0〜18.5%,Cr:19.0〜25.0%,Mo:4.0〜8.0%,Co:40.0〜55.0%、及びAl:0.1〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.01〜1.0%,W:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部Fe及び不可避不純物からなる析出硬化型のCo合金による請求項1又は2に記載のエッチングカット用ワイヤーの製造方法。
  4. 前記Co合金細線は、その表面粗さRaが0.01〜0.5μmの表面状態に加工されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載のエッチングカット用ワイヤーの製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のカット用ワイヤーで、ワークの無機性脆性材料を任意切断面で溶断カットするにあたり、
    前記ワークとカット用ワイヤーとの接触界面に、該ワークを腐食エッチング現象によって腐食溶解する腐食性溶液を介在させるとともに、該腐食性溶解が前記カット用ワイヤーが接する前記接触界面でのみ生じるように、該カット用ワイヤーを所定温度に通電加熱しながら、一定の切込み速度と走行速度で連続的にカットすることを特徴とする、無機性脆性材料のカット方法。
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