JP2007203393A - ソーワイヤー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】品質特性を向上し耐久性に優れたソーワイヤー及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】長尺の金属細線でなる芯材と、該芯材に粒子状の研削用砥粒を一様に付着して構成され、かつ前記芯材は、引張強さ1800〜3500Mpaとヤング率180〜230GPaを具える、Co:36〜60質量%を含有するCo基合金材で構成したことを特徴とするソーワイヤーであり、その製造方法は、Co基合金材でなる金属細線に下地メッキした後、冷間加工と更に必要に応じて温度300〜650℃での析出硬化処理を行って前記芯材を形成し、さらに研削用砥粒を懸濁した2 次メッキを施し研削用砥粒を電着する。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体シリコンやセラミック、水晶、石材などの硬質脆性材料の切断加工に使用でき、高強度で切断作業性に優れかつ断線を防止しうるソーワイヤー及びその製造方法に関する。
従来、石材や鉄筋コンクリート、半導体シリコン、セラミック、水晶などの硬質脆性材料を切断する切断加工法として、例えば図7に示すようにピアノ線等の高強度線材Wを高速で被切断物Cと摺接しつつ走行させ、その周囲に研削用砥粒を供給しながら切断するワイヤーソーイング法が開発され、以来ソーワイヤーに用いる芯材について、切断性能及び耐久性を向上する種々研究が進められている。
特に前記用途の中で、 半導体、宝石などの精密分野では切断精度と切断面の表面状態を向上する必要から、芯材には例えば0.2〜0.8mm程度の金属線材が用いられるが、このように細径化したワイヤー工具では全体強度が小さいことから、通常は被加工物との接触抵抗を抑えながら加工することとなる。
他方、これに伴う切断作業性の低下を防ぐ為に、被切断物との間に研削用砥粒を介在させることに代えて、ワイヤー芯材の表面に直接、ダイヤモンド粒子などの研削用砥粒を固着したものが用いられ、また該研削用砥粒を固着する方法として、その表面に例えばニッケルメッキ層に電着することが行われている。
このソーワイヤーについては、さらに、例えば特許文献1では、ピアノ線など抗張力の大きな金属線材の表面に、螺旋状に被覆したニッケルメッキ層上に微細なダイヤモンド研削用砥粒を固着させ、該研削用砥粒を芯材に強固に付着させるとともに、切断性能及びに切断加工液、切屑の排出性を高めたソーワイヤーが提案されている。又特許文献2は、前記芯材に複数の金属細線を縒り合せた縒り線を用いることで、細線相互間に形成されるスパイラル状の谷部(チップポケット)を形成して切断加工液の流通、排出の為の通路とすることを開示している。更に特許文献3は、ピアノ線以外に、特殊合金鋼線やアモルファス合金線などを例示している。
特開平7−96454号公報 特開平11−277398号公報 特開平10−138114号公報
このように、前記特許文献1及び2は、ソーワイヤー法に用いる芯材について、ピアノ線の表面にニッケルメッキ層により研削用砥粒を電着している。しかしながら、ピアノ線は、周知のように、冷間伸線前のパテンティグ処理で発生したパーライト組織を加工硬化することによって高強度化するものであり、ばねなどのような用途には静的強度に優れ、良好な性能を発揮するとはいえ、常に大きな張力を負荷しながらロール間を連続走行するという動的状態で用いられるソーワイヤー法の芯材としては、疲労寿命が十分とはいえない。又ピアノ線は前記金属組織によって外界の影響を受ける感受性が比較的強いことから、例えばその後に行われるニッケルメッキ処理で発生する水素ガスを吸蔵しやすく、芯材が早期に破断することも知られている。
また、前記ピアノ線以外の高強度線材として、例えばばね用等に使用されている前記硬質ステンレス鋼線、前記特許文献3が開示するアモルファス合金線なども一部で使用されているが、前者硬質ステンレス鋼線は、高強度特性とする為に強度の冷間加工を行ったもので加工誘起マルテンサイト相が形成して、オーステナイト組織の安定度が低下しており、その為、その後に例えばニッケルメッキ処理を行う場合に液中の水素元素が結晶内部に侵入して水素脆性を誘発する危険性があり、その回避が求められている。また後者のアモルファス金属についても剛性が大きく、繰り返し曲げ等による折損の危険性が高く寿命の面で問題がある。
特に、芯材が0.2mm程度の極めて微細な金属線を用いる場合は、その付加張力も比較的大きいことから、その一部に組織的異常があるものでは断線等のトラブルが発生し、それによって例えば被加工物を損傷させたり、発生したトラブルの改修に多大の手間を要するなど、このようなトラブル発生のない、高精度切断用の細径芯材が待たれている。
このように、前記各提案による従来の芯材は、ソーワイヤー法に用いる芯材としての材料特性が十分でなく、切断精度、切断作業性及び寿命の面から、その改善が望まれている。そこで本発明は、このような課題を解決し、品質特性を向上しかつ耐久性、作業性に優れたソーワイヤー及びその製造方法の提供を目的とする。
請求項1に係る発明は、ソーワイヤーであって、長尺の芯材と、該芯材に一様に付着される粒子状の研削用砥粒を具え、かつ前記芯材は、引張強さ1800〜3500Mpaとヤング率180〜230GPaとを有し、かつCo:36〜60質量%を含有するCo基合金材からなる金属細線を用いて構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記芯材が、質量%でC:≦0.30%,Si:≦2.0%,Mn:≦2.0%,Ni:4.0〜20.0%,Cr:13.0〜25.0%,Mo:2.0〜10.0%,Co:40.0〜55.0%を含み、残部実質的にFeと不可避不純物からなる析出硬化型の前記Co基合金材により構成したものであること、また請求項3に係わる発明は、前記芯材は、質量%でC:0.08〜0.20%,Si:≦1.0%,Mn:≦1.50%,Ni:14.0〜18.5%,Cr:19.0〜25.0%,Mo:4.0〜8.0%,およびCo:40.0〜55.0%、並びにAl:0.2〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.1〜1.0%及びW:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部実質的にFeと不可避不純物でなる析出硬化型の前記Co基合金材により構成したことを特徴にしている。
請求項4に係わる発明は、前記芯材は、その金属組織内にCo,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする析出物、炭化物及び/又は複炭化物が形成されていることを特徴とし、請求項5に係わる発明は、前記芯材は、次式のNi当量が32〜43%に調整された前記Co基合金材を用いたことを特徴とし、請求項6に係わる発明は、前記研削用砥粒は、前記芯材表面に被覆された2層以上の金属メッキにより前記芯材に固着されていることを特徴とする前記ソーワイヤーである。。
Ni当量=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+0.35Si+12.6C
さらに請求項7に係わる発明は、前記ソーワイヤーの製造方法に関し、Co:36〜60質量%を含有するCo基合金材からなる金属線材に下地用金属メッキした後、冷間加工と更に必要に応じて温度300〜650℃での析出硬化処理を行って、引張強さ1800〜3500MPa,ヤング率180〜230GPaを有する高弾性特性の芯材を形成するとともに、該芯材の前記下地用金属メッキ層表面に更に研削用の研削砥粒を懸濁した2 次メッキ用の第二金属メッキを施して、前記研削砥粒を前記芯材に固着することを特徴とし、請求項8に係わる発明は、前記芯材が、前記金属線材の冷間加工後の前記析出硬化処理によって、その組織内にCo,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする析出物、炭化物及び/又は複炭化物を形成し得る析出硬化型の前記Co基合金材からなる金属細線を用いて形成したことを特徴としている。
このように、請求項1に係る発明は、高強度でヤング率の大きいCo基合金材からなる芯材を用いているため、組織的に安定し、従来のピアノ線、ステンレス鋼などの金属細線を用いた場合に見られていたパーライトや加工誘起マルテンサイト相による水素脆性の問題を解消できる。
しかも、該Co基合金材は、ステンレス鋼等に比して冷間加工、析出硬化処理での機械的特性の向上が可能であり、前記引張強さとヤング率に優れた特性を得ることができることから、切断作業時には被加工物に対して大きな張力を負荷でき切断効率を高め得る。又前記ヤング率は例えばSUS304ステンレス鋼線などに比して約20%程度向上していることから、これを図7のようにロール間に掛け渡して走行させる場合にも、繰り返し曲げ等に対する疲労寿命を向上し、断線などのトラブル軽減を図ることができる。
前記芯材は、このような機械的特性に優れ、その表面に研削砥粒を一体的に付着させていることから、本発明のソーワイヤーは前記耐水素脆性の利点ととともに、長寿命で切断効率を高めることができる。
また請求項2及び3に係る発明は、該芯材の材料特性をより向上して安定した金属線材とし、寿命向上を図ることができ、請求項4の発明では、その内部に金属間化合物や炭化物などの一種以上の微細な第2相粒子の分布によって、機械的特性を高めまた性能向上が可能となる。更に請求項5に係る発明では、前記水素脆性に対する抵抗性を更に高めることが可能となり、請求項6の発明で前記研削用砥粒の固着を強固にして切断性能及び寿命低下を防止できる。
また、請求項7及び8に係る発明では、前記Co基合金材線材に下地用金属メッキを施して、冷間加工及び必要に応じて析出硬化処理して前記特性の芯材を形成し、この下地用金属メッキ層に更に第二金属メッキを行って前記研削用砥粒を固着するもの、又前記芯材に炭化物や析出硬化による析出物を形成させるものであることから、これら方法によれば、前記下地用金属メッキ層は冷間加工によって予め前記芯材に強固に密着させた上に更に第二金属メッキを被覆することから、厚メッキでありながらも前記芯材との密着性を高めたメッキ層が形成でき、また研削用砥粒の固着をより確実にすることができることなどの利点もあり、また前記芯材の特性向上を図ることができる。
以下、本発明のソーワイヤーの好ましい形態をその製造方法とともに説明するが、合金材料の組成については特に明記されている場合を除き質量%を用いている。
図1は、本発明のソーワイヤー1の一部を剥離して拡大した正面図であり、また図2はその横断面を拡大して示している。同図1,2において、ソーワイヤー1は、長尺の金属細線2Aを用いて生産された芯材2と、該芯材2の表面に一様に付着した研削用砥粒4を具え、かつ本形態では前記砥粒4は前記芯材2の表面上に形成した金属メッキ層3を形成する際の電着作用によって前記芯材2に間接的に固着している。
前記芯材2は、本発明ではCo:36〜60質量%を含有するCo基合金材からなる金属細線2Aを用いており、かつ芯材2はその機械的特性として引張強さ1800〜3500MPa及びヤング率が180〜230GPaを具える、例えば線径0.05〜1.0mm程度の金属細線に形成している。
このようなCo基合金からなる金属細線2Aを用いることにより、芯材2として、従来の一般的なピアノ線やステンレス鋼線でなるものに比してヤング率が大きく、高強度でありながらも繰り返し曲げ疲労に優れるとともに断線などの発生を抑えることができる。しかも該合金は組織的にも安定で水素の浸透が少ない利点もあることから、水素脆性を抑えることができる。また該合金材は多量のCoを含有することから、所定条件の熱処理により、その内部に微細粒子状の析出物を発生させる析出硬化現象を利用して機械的特性を更に向上し、またヤング率を高めて繰り返し疲労特性が向上する利点もある。
なおこのCo基合金材において、Co含有量が36質量%より低いものでは、前記機械的特性の確保が得られ難く、曲げ強度、繰り返し疲労に対する抵抗性が低下するとともに、水素吸蔵に対する効果も期待し難い。一方Co含有量が60質量%を超える程多量にしたものでは、芯材の剛性がアップして断線等の危険性が増し、かつCoは高価であることから製品価格の上昇原因にもなり、さらに溶解、冷間加工性にも影響して歩留まり低下の原因になるなど、価格、生産性から不利となる。
このようなCo基合金材には、例えば前記Coと、Cr,Ni,Mo,Mn,Si,Feなどのいずれか一種以上の金属を含む合金が用いられるが、更に必要に応じてAl,Ti,Nb及びWなどのいずれか1種以上の第三元素を添加したものを含む、例えばCo−Cr−Ni系合金、Co−Cr−Mo系合金、Co−Cr−Ni−W系合金、Co−Cr−Ni−Mo−W−Fe系合金,Co−Cr−Ni−Al−W系合金などの合金を用い得る。例えば、前記Co−Cr−Ni系合金では質量で20〜23%のCrと15〜20%のNiを含有し残りCoで構成したもの、またCo−Cr−Ni−W系合金では18〜23%のCr、8〜11%のNi、10〜20%のWを含み残Coからなるもの、また更に必要に応じて例えば3%以下のFe、2%以下のMn、1%以下のSi等を含有するものなど種々組成に調整したものがある。
また前記Co基合金として、例えば(A)、(B)組成の合金を用いうる。(A)組成とは質量%でC:≦0.30%,Si:≦2.0%,Mn:≦2.0%,Ni:4.0〜20.0%,Cr:13.0〜25.0%,Mo:2.0〜10.0%,Co:40.0〜55.0%を含み、残部実質的にFeと不可避不純物でなる析出硬化型のもの、(B)組成とは質量%でC:0.08〜0.20%,Si:≦1.0%,Mn:≦1.50%,Ni:14.0〜18.5%,Cr:19.0〜25.0%,Mo:4.0〜8.0%,およびCo:40.0〜55.0%、並びにAl:0.2〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.1〜1.0%及びW:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部実質的にFeと不可避不純物であって、このような析出硬化型の前記Co基合金材により構成したものは、いずれも前記特性、加工性にも優れ好適に用いうる。
なお前記析出硬化型とは、過飽和固溶体から溶質が析出して安定な平衡状態に移ろうとする時の中間過程で起こる硬化現象を発現し得る機能を有するものであって、その処理方法としては例えば最終冷間伸線後に300〜650℃程度の比較的低温での熱処理によって容易に実施することができる。このような析出効果処理は、ソーワイヤー1の品質特性を向上する上で非常に好ましい。しかしながら、本発明においては該熱処理を行うことなく、前記機械的特性が得られるように単に冷間伸線したものをそのまま用いるものも包含している。
前記析出硬化処理した前記Co基合金では、その組織内に該合金を構成する例えばCo,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする析出物、炭化物及び/又は複炭化物等のいずれか1種以上の第2相粒子を形成することができる。これら粒子は通常、例えば粒径が5μm以下(好ましくは0.001〜3μm)の微細、かつ硬質なものであることから、これを前記合金中に例えば任意横断面10μm2 当たり5〜100000個(好ましくは1000〜50000個)の分布率で分布させることで粒子分散強化の機能を付加するとともに、該粒子がその組織内に存在することで結晶のすべりを抑え高硬度性を付与し、その特性を更に向上することができる。特に前記析出物は炭化物などのような耐食性への影響が少なく好ましいものであり、また該粒子の大きさや分布量の調整は、例えば前記含有元素の分量及び処理加工条件によって任意に調整でき、またその測定は例えば100〜10000倍での顕微鏡観察による画像解析で求めることができる。
このような構成のCo基合金を得ようとする場合、例えば加工率60〜98%での冷間伸線した前記金属細線2Aに、必要に応じて更に前記析出硬化処理することで、前記引張強さ1800〜3500MPaと、かつヤング率180〜230GPaの特性を具える前記芯材2を得ることができる。引張強さが1800MPa未満のものでは、該芯材2の強度が不足することから切断作業時に付加する張力が小となり切断効率が低下し、また3500MPaを超える程大きくしたものでは、芯材2自体の加工性が低く製造歩留まり低下によるコストアップの他、芯材2の曲げ剛性が増して折損しやすくなり、切断加工時の作業性にも影響するなど、技術及びコスト面からも問題となる。したがって、好ましくは2000〜2800MPaとする。
また、ヤング率が180GPa未満のものでは前記引張強さの確保が困難となり、一方、230GPaを超えるものでは剛性が増して疲労特性を低下させ、折損しやすいものとなり、より好ましくは190GPa以上、更に好ましくは200〜220GPaである。
このような機械的特性の中で、更に0.2%耐力が1600MPa以上(好ましくは1700〜2500MPa)で、かつ耐力比(耐力/引張強さ×100)が90〜97%の特性を有するものでは切断性能を更に高め、ソーワイヤーとして好ましく、例えば前記析出硬化処理による第2相粒子によって得ることができる。
さらに前記Co基合金材の中で、 特に次式によるNi当量を30%以上(好ましくは32.0〜43.0%)になるように調整したものでは、オーステナイト相の組織的安定を図り、前記耐水素脆性をより向上することができる。これによって例えば表面に研削砥粒4を固着する為の前記金属メッキを形成しうる場合など、使用するに際しての、水素脆性に伴う断線やクラックの発生を抑制しうることとなる。
Ni当量=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+0.35Si+12.6C
ここで、前記(A)(B)組成のCo基合金の場合を例に、前記Co基合金の各構成元素の作用について、その用いる理由、設定範囲を説明する。
〔C〕は、その添加によって結晶を微細化し機械的特性、特に高強度化するのに有効である。しかし、0.30%を超える程多量に添加すると必要以上の炭化物が形成して、細径化する場合の加工性、繰り返し曲げに伴う疲労寿命において問題があることから、好ましくは0.08〜0.20%とする。
〔Si〕は、溶製時に必要な脱酸成分であり、その添加によって疲労,強度及び寿命特性を向上するが、2.0%を超えるとクリープ特性が低下し、またσ相生成をもたらす原因となり、より好ましくは1.0%以下(例えば0.1〜1.0%)とする。
〔Mn〕は、ニッケルとともに熱間加工性を改善する。しかし、2.0%を超えてもその効果は飽和し、かえってコストアップとなることから、好ましくは1.5%以下(例えば0.2〜1.5%)とする。
〔Ni〕は、基質を安定なオーステナイト組織にする為に必要であり、またクロムの耐酸化性を助長して加工性を改善するのに有効な元素である。Niが4%未満のものではその効果が期待されにくく、20%を超えるものではコストの割に強度の向上が図りにくく、より好ましくは14.0〜18.5%とする。
〔Cr〕は、本合金材料の生地に固溶することで耐食性及び機械的特性を向上し、例えば13.0%以上でその効果を有するものとなるが、25.0%を超えるものでは鍛造性に影響して疲労が低下する。こうしたことから好ましくは19.0〜25.0%とする。 〔Mo〕は、本合金の強度を飛躍的に向上し、2〜10%でその効果を発揮する、特に10%を超えるものでは硬脆化して寿命を短くする欠点があり、好ましくは4.0〜8.0%とする。
〔Co〕は、前記するように本発明では基本元素に相当するものであるが、本形態では前記した他の元素とのより好ましい関係から各々40.0〜55.0%とする。
また(B)組成のCo基合金では、さらに次の添加元素を加えるものとしており、〔Al〕〔Ti〕〔Nb〕〔W〕は、いずれも添加元素として材料に時効特性を賦与し、本合金線の強度を高める上で有効である。その効果は、Al:0.2〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.1〜1.0%及びW:0.50〜5.0%のいずれか1種以上が単独または複合して用いることで顕著に発揮できるが、単独の場合、前記下限値以下ではその効果が期待できず、上限を超えるものでは材料が硬化して加工性を低下させたり加工性を低下されることとなり、また前記複合する場合は、その合計は5.5%を超えないようにすることが好ましい。
その中で前記〔W〕は、Moと同様にCo中に固溶することで生地に強度を与え、耐食性、疲労強度を向上させるとともに、非磁性をもたらす利点もある。その効果は0.50%以上の添加で見られるが、5.0%を超えると別質な第2相が析出して硬脆化することとなり、好ましくは3.0%以下とする。また、例えば前記MoとWを併用する場合は、その合計含有量が3.0〜10.0%にするのが良く、さらにこうした元素に加え、その他不純物元素としては例えばP,Sを各々0.05%以下の不可避的な含有を許容する。
本発明のソーワイヤー1は、このように構成された前記芯材2に研削用砥粒4を固着されてなる。研削用砥粒4としては、例えば2〜30μm程度の微細粒子状にしたダイヤモンド、サファイヤ、ルビー、炭化ケイ素などの硬質無機材料が選択される。一般的にはダイヤモンド粒子は、図2に例示するように不定形形状で、鋭利な凸部を有し硬質でもあることから広く用いられているが、その分布量、分布の状態はソーワイヤーとしての使用条件などを考慮して設定される。
また該研削用砥粒4は、前記芯材2の表面に直接固着させても良いが、通常は予め芯材2の表面上に結合材3を介して間接的に固着することが行われる。該結合材3には、例えばニッケルメッキ、亜鉛メッキ、銅メッキなどの金属メッキ、乃至樹脂系の接着剤が用いられ、特に前記金属メッキは前記研削用砥粒4をより強固に固着させることができ、またニッケルメッキは芯材2との材料特性及び加工性と近似することから好適するものの一つである。
この場合、前記研削用砥粒4を芯材2により強固に固着する手段として、前記金属メッキ3は、例えば5〜20μmのメッキ厚さになるように厚メッキされ、その処理は例えばストランド方式での連続的メッキ方法が採用される。なおこの処理を1回のメッキ処理で直接前記厚さを得るようにしたものでは、処理速度が遅く作業効率に劣る他、それに伴ってメッキ状態のバラツキが大きくなり、また芯材2との密着性にも劣るなどの問題もあり、高性能のソーワイヤーは得られ難い。
この問題に対し、本発明では前記メッキ処理を2層以上の積層メッキ法によって解決し、その方法として、前記芯材2の伸線加工前の素材段階で予め下地用の下地メッキ層3aを被覆したものを用い、これを所定線径に伸線加工した後に更に2次金属メッキ層3bを形成するのがよい。これによって予め芯材2との密着性を高めておき、その後に前記砥粒4を懸濁した2次メッキ層13bを形成する電着作用によって、前記研削砥粒4を前記芯材2に固着する。
すなわちこのような二段階のメッキ方法によれば、下地、2次メッキ層3a、3bを薄く形成できるとともに、下地メッキ層3aはその後の前記伸線加工時のダイスによる押圧作用によって芯材2に強固に一体化でき、また該下地メッキ層3aと2次金属メッキ層3bを各々相性の良い金属(例えば同種の金属)を選択することで両者メッキ層同士の結合はより強固にできることから、結果的に厚メッキでありながらも層剥離やクラックなどの生じ難いメッキ状態が可能となる。また前記2次金属メッキ層3bを形成する際に、前記研削砥粒4をメッキ液中に懸濁したものを用いて電着することで、メッキ処理と同時に研削砥粒4が固着でき、該砥粒4は前記芯材2に強固に固着される。
なお該結合材3として前記ニッケルメッキ層を用いる場合、例えば電解メッキ、無電解メッキの方法が採用できるが、その処理は予めワイヤー表面を洗浄処理して活性化し、その後引き続いてメッキ金属、例えば高速スルフォミン酸ニッケルメッキ槽内で処理する方法が採用できる。
このように下地メッキ層3aのメッキ層は芯材2との密着性を高め、2次メッキ3bでは研削用砥粒4を予めメッキ液中に懸濁したものを用いることでメッキ処理と同時に付着させることができる。また、必要に応じて更にその表面を全体的に同様のニッケルメッキで被覆することで該砥粒4をより強固に固着することも可能であり、このような3層以上の複層構造にすることもできる。またこのような積層メッキ法による場合は、各メッキ層を各々別金属を用いることもできるが、前記のごとく、相性のよい金属、例えばニッケル等の同種の金属を用いてメッキ処理することが好ましい。
なお前記芯材2について、例えば図1及び図2では、冷間伸線によって細径化した線径0.05〜1.0mm程度(好ましくは0.1〜0.8mm)の断面円形の前記Co基合金でなる金属細線2Aの全面に研削砥粒4を一様に塗布した場合を示しているが、本発明はそれ以外にも種々形態で実施できる。
例えば図3は、前記特許文献1にならって、断面円形の金属細線2Aに沿って前記研削砥粒4をスパイラル状に配置している。スパイラル状の配置は、例えば2次メッキ層3bを形成するに際して適宜のマスキング処理を施すことで実施できる。また研削用砥粒4が付着した部分は凸状部2dとなることから、この凸状部2d間には研削用砥粒4が付着しない凹状部2eが繰り返し螺旋状に現れる。したがって該凸状部2dで切断しながら、凹状部2eは研削液を流過させるチップポケットとして機能し切断効率を向上する。なおこの場合の研削用砥粒4の形成幅、ピッチ(P)、付着量などについては必要に応じて任意に設定することができる。
また図4の形態は、前記芯材2を例えば圧延加工等によって断面四角形などの非円形形状とした非円形線2aを用い、これを必要に応じて図3の場合と同様な所定ピッチ(P)で捻り形成することで、前記図3のように凸状部2dと凹状部2eとをその全長に亙って繰り返し形成するものであり、その芯材2の外径仮想円周線2b、2bを一点鎖線で示している。
この形態の芯材によれば、非円形線2aとして、前記断面四角形状のもの以外にも、例えば楕円形状や帯形状、三角形状などのような断面多辺形状にできるとともに、また図4の破線に示すように内側に向かって凹状に湾曲させることで、前記凸状部2dと凹状部2eの差を大きくして研削液の排出を促進することができる。
この場合、前記砥粒4が十分な広幅な面上に固着できるよう、図4に見られるようにそのコーナー部は鋭利な角が生ずることがなくやや広幅な円弧面を持つようにし、また、前記研削液の排出機能をより高める為に、例えば該芯材2の実質的な横断面面積がその最外周点を半径として描かれる真円(2b)での仮想横断面積の30〜70%になるように内側に凹ました非円形状にしたものが好ましい。さらに前記捻り成形する場合も、例えば圧延と同時に捻り加工するように圧延ロール自体にねじり回転を与えながら圧延加工することで工数削減を図ることも推奨される。
また、このような非円形線2aを例えば圧延などの押圧加工により形成する場合、その押圧量を比較的軽度にして角部を前記円弧状に膨出して形成したものでは、その膨出部2xは、該押圧加工に伴う張り出し現象によって機械掛けされていない未加工でかつ表面粗雑なものとなることから、その粗雑表面上に例えば前記金属メッキ3を形成する場合には両者の密着性向上に寄与するとともに、該芯材2は単一線で構成されることから、撚線の場合のようにその一部が例えば分離したり断線するなどのトラブルが軽減できる。
またソーワイヤーとする場合、前記膨出部2xでの長さ方向における10点の表面粗さ(Rz)が、その押圧部2Yより粗表面となるよう0.5〜6μm程度とすることも望ましく、またその捻りピッチPについても図3の場合と同様に適宜設定できるが通常3〜20mm程度とする。なおこの形態でも、該芯材2の線径としては前記したように0.05〜1.0mm程度のものを用い得る。この場合の芯材2線径については、例えばその重心点から最も離間した膨出部2xまでの長さを半径として描かれる外周仮想円周線2bにより求める。
さらに図5及び図6の形態は、複数本、例えば2〜5本(本形態では2本)の単線である芯素線2c,2c(前記芯材2と同様に製作できる)を所定ピッチで撚り加工した撚線2Cを芯材2として用いたものである。このとき、各単線2cは各々線径0.1〜0.5mm程度でこれを例えば該芯素線2cの線径の3〜100倍(例えば3〜10mm)のピッチで撚り合わて構成しており、また撚り状態を定着する為に、各芯素線2c,2cに施す撚りとは逆方向のストランド撚りしたり、更に型付熱処理が行われる。
このように、図4の非円形線2aを所定ピッチで捩り成形した芯材2S、あるいは図5に示す撚り合わせた芯材2Cには、前記のように、結合材3によって研削用砥粒4を前記芯材2に固着させる。その場合、該砥粒4は例えば前記マスキング方法によって、該芯材2の一部表面のみ、又は全体にも形成することができ、研削用砥粒4を予め懸濁したメッキ槽に漬けて電着メッキ3bを全面に施し、同時に研削用砥粒4を全体に亘って固着することもできる。
又前記析出硬化処理又は型付熱処理を行う場合、その処理は前記したように300〜650℃程度の低温熱処理で実施されるが、処理時間については、その希望特性に応じて例えば10分〜2時間程度の範囲内で任意に設定できる。これら処理は、より好ましくは前記捻り成形や撚り成形、その他直線形状を定着させるように成形加工後に行ない、またこの熱処理によって、例えば前記金属メッキ3と芯材2がその界面で部分拡散によって強固に結合させる条件で行うことも好ましい。さらに前記圧延加工するものでは、予め冷間伸線加工によって加工硬化させて金属線の結晶組織をその長手方向に沿って伸びるよう繊維構造にしたものでは、単に圧延加工だけの場合に比して高強度化するとともに、幅寸法などのバラツキを抑えることができる。その為の、より好ましい冷間伸線加工率は40%以上で行うのがよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態としてその一例を説明したが、さらにその具体的な実例を次の実施例に示す。これら説明は本発明を限定されるものではなく、各請求項の記載の範囲内で種々変形しうることは明瞭である。
《実施例1》
実施例として、表1に記載した6種類のCo基合金材(線径0.8mm)の軟質線材に各々厚さ3〜8μmのニッケルメッキを被覆し、このニッケルメッキを潤滑剤として冷間伸線加工して線径0.23mmの硬質細線を得た。なおこの伸線加工はダイヤモンドダイスによる連続湿式伸線機で行い、表面状態は、表面粗さ(Rz)0.08〜0.12μmの非常に平滑なものであり、またニッケルメッキ層の剥離などは全く見られなかった。一方、その比較例にはSUS304,SUS304N,316及び0.71%のCを含むピアノ線を用い、前記と同様に0.23mmに伸線加工したものであるが、この比較材には前記メッキは行わないまま加工したものである。
Figure 2007203393
この伸線加工で得られた各線材の機械的特性を表2に示す。この結果に見られるように本発明に係わる実施例はいずれも引張強さ2000MPa以上で、ヤング率も200〜230GPaと優れたものであり、特に耐力比及びヤング率が比較例材に比して非常に高いものであった。
Figure 2007203393
そこで、この実施例線材の中から、さらに各試料について温度430℃×120min.で析出硬化処理した場合の引張強さを前記表2に合わして示している。この結果によれば、前記硬化熱処理によって約10〜30%の特性向上が図られ、非常に弾性に優れた芯材が得られた。
次に、この芯材に砥粒を固着させる為の電着処理を行うに当たり、線表面を有機溶剤で洗浄して活性化し、さらにスルファミン酸ニッケルによる電解メッキ法で第2層目のニッケルメッキを被覆した。なおこのメッキ処理は、ダイヤモンド研削用砥粒(平均粒径13μm)を懸濁させた懸濁メッキ液を用いて、メッキと同時に研削用砥粒をその全面に形成させる電着法で行ったものであり、合計メッキ厚さは8μmであった。
このような2段階のメッキ処理をしたものについては、これをペンチで曲げてもその曲がり部にはメッキ層の剥離や亀裂は見られず、良好なメッキ状態が得られていることが確認され、しかも前記砥粒は前記ニッケルメッキ層によって強固に固着したものであった。
次にこの得られたソーワイヤーを用いて、石材の切断を負荷張力120N,研削速度640m/min.の条件で12時間にわたる切断試験を行ったが、 本発明に係わるソーワイヤーには特に目詰まりや断線などのトラブルはなく、良好な切断作業ができた。
《実施例2》
前記試料No2の組成を持つCo基合金の軟質線材を素材として、前記実施例1と同様に厚さ5μmの下地ニッケルメッキを行うとともに、これを加工率60%で冷間伸線し更にその上下2方向から押圧する冷間圧延によって、厚さ0.2mm,幅0.6mmの断面扁平な細径帯材を形成した。その際、圧延加工によって、その側面部は外方に湾曲張出した膨出部が形成され、その部分の表面粗さはRz:0.12μmで、この表面粗さは圧延面より粗大であった。
またこの帯材の引張り試験結果は、引張強さ:1920MPa,0.2%耐力:1800MPa,ヤング率:210GPaの特性であり、この帯材をピッチ8mmで捻り加工して、さらにその帯材の側面膨出部に厚さ5μmの無電界ニッケルメッキ層を形成するとともに、該ニッケルメッキでの電着によって平均粒子径13μmのダイヤモンド砥粒を付着させた。
なおこの試料について外観試験をした結果、捻り加工しているにもかかわらず、メッキ状態は非常に良好で層剥離は見られず、またこれら試料を水素吸蔵試験として、試験温度50℃、水素分圧350atmで所定時間キープした時の含有水素量を調査したが、本実施例品では水素吸蔵は少なく、一方比較材では20〜30ppm程度の検出が確認された。このことから、本実施例品は良好なメッキ状態を具え、水素脆性を生じにくく、また前記捻り帯線を用いたものでは厚さと幅の比が大きいことから、切断効率と排液効率に優れ、目詰まりなどのない良好な切断作業ができた。
《実施例3》
実施例2のCo基合金線による析出硬化処理の影響を調べるために、前記伸線加工と冷間圧延加工ど同様に処理した非円形合金線材を温度480℃×1Hrの時効硬化処理を行った。その結果、金属組織内に平均粒子径0.9μmの微細析出物が単位面積当たり1000〜2000ケ程度の分布率で存在していることが確認され、この微細粒子によって芯材は硬質かつ高強度の特性が得られた。そこで、大理石(60mm角)を被加工物として、ワイヤー張力8.1N,ワイヤー走行速度100m/min.の条件で切断作業したところ、180Sec.で切断することができた。
本発明のソーワイヤーの一形態を示す正面図である。 図1の横断面を示す拡大横断面図である。 ソーワイヤーの他の一形態を示す正面図である。 非円形線からなる芯材を用いたソーワイヤーの一形態の横断面を示す拡大横断面図である。 2本の芯素線を撚り合わせた芯材を用いたソーワイヤーの一形態を例示する正面図である。 図5の横断面を示す拡大横断面図である。 ソーワイヤーによる切断状態を示す概要図である。
符号の説明
1 ソーワイヤー
2 芯材
3 結合材
4 研削用砥粒

Claims (8)

  1. 長尺の芯材と、該芯材に一様に付着される粒子状の研削用砥粒を具え、かつ前記芯材は、引張強さ1800〜3500Mpaとヤング率180〜230GPaを有し、かつCo:36〜60質量%を含有するCo基合金材からなる金属細線を用いて構成したことを特徴とするソーワイヤー。
  2. 前記芯材は、質量%でC:≦0.30%,Si:≦2.0%,Mn:≦2.0%,Ni:4.0〜20.0%,Cr:13.0〜25.0%,Mo:2.0〜10.0%,Co:40.0〜55.0%を含み、残部実質的にFeと不可避不純物からなる析出硬化型の前記Co基合金材により構成したものであることを特徴とする請求項1に記載のソーワイヤー。
  3. 前記芯材は、質量%でC:0.08〜0.20%,Si:≦1.0%,Mn:≦1.50%,Ni:14.0〜18.5%,Cr:19.0〜25.0%,Mo:4.0〜8.0%,およびCo:40.0〜55.0%、並びにAl:0.2〜4.0%,Ti:0.10〜2.5%,Nb:0.1〜1.0%及びW:0.50〜5.0%のいずれか1種以上を含み、残部実質的にFeと不可避不純物からなる析出硬化型の前記Co基合金材により構成したものであることを特徴とする請求項1に記載のソーワイヤー。
  4. 前記芯材は、その金属組織内にCo,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする析出物、炭化物及び/又は複炭化物が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のソーワイヤー。
  5. 前記芯材は、次式のNi当量が32〜43%に調整された前記Co基合金材を用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のソーワイヤー。
    Ni当量=Ni+0.65Cr+0.98Mo+1.05Mn+0.35Si+12.6C
  6. 前記研削用砥粒は、前記芯材表面に被覆された2層以上の積層金属メッキにより、前記芯材に固着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のソーワイヤー。
  7. Co:36〜60質量%を含有するCo基合金材からなる金属線材に下地用金属メッキした後、冷間加工と更に必要に応じて温度300〜650℃での析出硬化処理を行って、引張強さ1800〜3500MPa,ヤング率180〜230GPaを有する高弾性特性の芯材を形成するとともに、該芯材の前記下地用金属メッキ層表面に更に研削用の研削砥粒を懸濁した2 次メッキ用の第二金属メッキを施して、前記研削砥粒を前記芯材に固着することを特徴とするソーワイヤーの製造方法。
  8. 前記芯材は、前記金属線材の冷間加工後の前記析出硬化処理によって、その組織内にCo,Mo,Al,Ti,Nb又はWのいずれか1種以上を主要組成とする析出物、炭化物及び/又は複炭化物を形成し得る析出硬化型の前記Co基合金材からなる金属細線を用いて形成したことを特徴とする請求項7に記載のソーワイヤーの製造方法。
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