JP2009113272A - 硬質材料の切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高価な切断工具を使用することなく、切断工具を高速走行させたり高速回転させる必要がなく、マルチ切断が可能で、被切断物の大きさに制限がなく、切断加工代が極めて小さく、切断面を平滑に仕上げることが可能な切断方法を提供する。
【解決手段】一方の繰り出しリール3から鋼製ワイヤ2を連続的に繰り出し、この鋼製ワイヤ2をフェントン反応槽1内のフェントン処理液5に浸漬後単結晶SiCのインゴット10の表面に当接させ、鋼製ワイヤ2の鉄分に由来する第一鉄イオンとフェントン処理液5中の過酸化水素とのフェントン反応により発生するヒドロキシラジカルで単結晶SiCのインゴット10をエッチングし、メインローラ6、7をそのエッチング速度に合わせつつ下方にゆっくりと移動させて、下降する鋼製ワイヤ2によって単結晶SiCのインゴット10を切断後、他方の巻取リール9に鋼製ワイヤ2を巻き取る。
【選択図】図1
【解決手段】一方の繰り出しリール3から鋼製ワイヤ2を連続的に繰り出し、この鋼製ワイヤ2をフェントン反応槽1内のフェントン処理液5に浸漬後単結晶SiCのインゴット10の表面に当接させ、鋼製ワイヤ2の鉄分に由来する第一鉄イオンとフェントン処理液5中の過酸化水素とのフェントン反応により発生するヒドロキシラジカルで単結晶SiCのインゴット10をエッチングし、メインローラ6、7をそのエッチング速度に合わせつつ下方にゆっくりと移動させて、下降する鋼製ワイヤ2によって単結晶SiCのインゴット10を切断後、他方の巻取リール9に鋼製ワイヤ2を巻き取る。
【選択図】図1
Description
本発明は硬質材料の切断方法に関し、特に、シリコン、石英、セラミック等の硬質材料を化学的な方法で効率的に切断する方法に関するものである。
各種硬質材料を切断する方法として、ワイヤソーが知られている。このワイヤソーは、テンションを付与した細いワイヤ列を走行させ、そのワイヤ列に砥粒を含有するスラリー状の研磨材をかけながら被切断物(例えば、シリコンインゴット)をワイヤ列に押し当てて、遊離砥粒の研磨作用によって被切断物をウェハ状に切断する装置であり、同時に複数枚のウェハを得ることが可能であるから、マルチ切断法とも呼ばれている。図3に、一例として単結晶シリコンの加工に使われるワイヤソー装置の概略構成を示す。
図3を簡単に説明すると、繰り出しボビン21から供給されたワイヤ22は、ワイヤをガイドするための多数のガイドローラ23を経て多数の溝を有する複数のメインローラ24において所定ピッチのワイヤ列を形成し、そのワイヤ列に対してフィードユニット25によって被切断物26を押し当てつつノズル27からワイヤ列に向けてスラリー状の遊離砥粒をかけることによって被切断物26をウェハ状に切断し、その後、ワイヤ列は多数のガイドローラ28を経て巻き取りボビン29に巻き取られる。ワイヤ22はメインローラ24に付設された駆動モータ30の駆動力によって走行するが、そのとき、ダンサーローラ31、32の動きの情報が繰り出しボビン21および巻き取りボビン29の回転にフィードバックされ、一定のテンションが保たれる。通常、ワイヤ22はその材料としての有効利用と切断面粗さの改善など品質面からの要請で一定の双方向走行または一方向走行を行いながら前進し、最終的に巻き取りボビン29に巻き取られる。
このような遊離砥粒を用いたワイヤソーの特徴は、(1)被切断物全体を一挙に切断する方式であるため、切断速度が大きくなくても大量に処理することができ、(2)工具がワイヤであるため、大口径被切断物の切断が比較的容易であり、(3)遊離砥粒の研磨作用を利用する切断であることに加えて、工具が細いワイヤであるため切り代が少なく、薄いウェハの切断が可能であるという特徴を有するが、スラリー状の遊離砥粒を用いるため、装置内で飛散したスラリーの持ち出しにより作業環境が汚される欠点があるとともに、廃液処理、切断されたウェハの洗浄が必要であるなどの欠点を有している。
そこで上記欠点を解消する手段として、ワイヤにダイヤモンド砥粒などを樹脂で固定させた樹脂固定砥粒式ソーワイヤやダイヤモンド砥粒を電着法でワイヤに固定させた電着固定砥粒式ソーワイヤが提案されている。
さらに、特許文献1には、図4に示すような単結晶SiCのインゴットの切断・鏡面加工装置が記載されている。図4において、メタルボンド砥石41を陽極とし、このメタルボンド砥石41と対設させた電極42を陰極とし、メタルボンド砥石41と電極42の間に加工液供給手段43からライン44を経て導電性加工液45を供給し、メタルボンド砥石41と電極42間に電圧印加手段46によって直流電流パルス電圧を印加することによりメタルボンド砥石41の表面を電解ドレッシングしながら、メタルボンド砥石41のテーパ部分47(異なる粒度のダイヤモンド砥粒と鋳鉄を主成分とする金属結合材とからなる)により単結晶SiCのインゴット48を切断し、次いで、メタルボンド砥石41の平板部49(異なる粒度のダイヤモンド砥粒と鋳鉄を主成分とする金属結合材とからなる)で切断面が鏡面加工される。
また、特許文献2には、図5(a)(b)(c)に示すようなダイヤモンド砥石外周刃51と図6(a)(b)(c)に示すようなダイヤモンド砥石内周刃61が記載されている。図5(a)(b)(c)において、外周刃51を構成する台板52が超硬合金からなり、台板52外周の切り刃部53はダイヤモンド系砥粒粉末を10ないし80体積%含有している。図6(a)(b)(c)において、内周刃61を構成する台板62が超硬合金からなり、台板62内周の切り刃部63はダイヤモンド系砥粒粉末を10ないし80体積%含有している。
特開2000−79561号公報
特開平11−333729号公報
固定砥粒式ソーワイヤや特許文献1や特許文献2に記載された砥石は、いずれもダイヤモンド砥粒による研磨作用を利用した切断方法であるため、切断工具が高価なものとなる。また、切断速度を向上させるためには、ワイヤソーやダイヤモンド砥石などの切断工具を高速走行させたり、高速回転させる必要があり、ランニングコストが高くなる。また、特許文献1に記載されたメタルボンド砥石や特許文献2に記載されたダイヤモンド砥石はマルチ切断法に対処することが困難である。さらに、特許文献1に記載されたメタルボンド砥石や特許文献2に記載されたダイヤモンド砥石では、大口径のものを切断する場合、砥石径も大きくせざるを得ないので切断時に工具振れが発生しやすくなる。そして、特許文献1に記載されたメタルボンド砥石では、切断面の鏡面加工を行うための平板部の摩耗により切断加工代が変化することがある。また、固定砥粒式ソーワイヤや特許文献1や特許文献2に記載された砥粒による切断方式は一定の大きさの砥粒を用いる以上、切断面を平滑に仕上げるのは困難であり、切断面の粗さが大となり、表面にうねりや反りが発生しやすいので、次工程で切断面を研磨するために多大な手間が必要である。
本発明は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、高価な切断工具を使用することなく、切断工具を高速走行させたり高速回転させる必要がなく、マルチ切断が可能で、被切断物の大きさに制限がなく、切断加工代が極めて小さく、切断面を平滑に仕上げることが可能な硬質材料の切断方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の切断方法は、砥粒による研磨作用を利用した物理的な切断方法に代えて、強力な酸化剤の酸化力による化学反応を利用した切断方法を提供する。すなわち、本発明者は、酸素より反応性の強い活性酸素を利用するという極めてユニークな切断方法を着想したのである。
活性酸素は、ラジカル種とノンラジカル種からなる。ラジカル種には、スーパーオキシド(・O2 -)、ヒドロキシラジカル(HO・)、ヒドロペルオキシラジカル(HOO・)、アルコキシラジカル(LO・)、アルキルペルオクシラジカル(LOO・)、一酸化窒素(NO)などがあり、ノンラジカル種には、過酸化水素(H2O2)、一重項酸素(1O2)、ペルオキシナイトライト(ONOO-)、脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)、次亜塩素酸(HOCl)、オゾン(O3)などがある。記号「・」は不対電子を意味する。
これらの中で、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素および一重項酸素が狭義の活性酸素と呼ばれる。そして、スーパーオキシドの酸化力が最も低く、ヒドロキシラジカルの酸化力が最も強い。酸化還元電位で比較すると、酸素分子が0.94、過酸化水素が1.30、オゾンが1.52であるのに対して、ヒドロキシラジカルは2.05と極めて大きい数値である。本発明者はこのヒドロキシラジカルに着目した。ヒドロキシラジカルを発生させるには様々な方法があるが、例えば、次式に示すように、酸性のpH域で、過酸化水素に二価のFeイオンが触媒的に反応して連鎖反応が起こり、ヒドロキシラジカルが生成する(いわゆる、フェントン反応)。
Fe2++H2O2 → Fe3++HO・+OH- (1)
そして、このヒドロキシラジカル(HO・)の強力な酸化力を利用して、硬質材料を切断することが可能となる。
そして、このヒドロキシラジカル(HO・)の強力な酸化力を利用して、硬質材料を切断することが可能となる。
すなわち、本発明は、過酸化水素を含有するフェントン処理液を有するフェントン反応槽の該フェントン処理液中に浸漬した硬質材料を鉄製ワイヤにより切断する方法において、硬質材料の一方側から他方側に向けて移動する鉄製ワイヤまたは硬質材料の一方側と他方側の間を繰り返し往復移動する鉄製ワイヤをフェントン反応槽内のフェントン処理液に浸漬後硬質材料表面に当接させて、鉄製ワイヤの鉄分に由来する第一鉄イオンとフェントン処理液中の過酸化水素とのフェントン反応により発生するヒドロキシラジカルを利用して硬質材料をエッチングしつつ上記鉄製ワイヤを下降させるかもしくは硬質材料を上昇させるか又は上記鉄製ワイヤを下降させつつ硬質材料を上昇させることにより硬質材料を切断することを特徴としている。
本発明において、鉄製ワイヤが硬質材料の一方側と他方側の間を繰り返し往復移動するとは、鉄製ワイヤが振動することを含む意である。
すなわち、フェントン反応槽内に進入した鉄製ワイヤの鉄分がフェントン処理液で酸化されることによって生成したFe2+の存在下で上記(1)式に示すように、ヒドロキシラジカル(HO・)が発生し、このヒドロキシラジカルを利用して、次式(2)に示すように、高硬度で化学的にも極めて安定なSiCをエッチングして切断することができる。
SiC+4HO・+O2 → SiO2+2H2O+CO2 (2)
本発明は化学反応を利用して発生する強力な酸化剤の酸化力を利用して切断する方法であるから、高価な切断工具を使用することなく、切断工具を高速走行させたり高速回転させる必要がない。また、鉄製ワイヤを複数本並行して移動させることによりマルチ切断が可能である。また、化学反応を利用するので被切断物の大きさに制限がなく、切断加工代が極めて小さく、切断面を平滑に仕上げることが可能である。
本発明の切断方法に使用する鉄製ワイヤとしては、特に制限はなく、例えば、長尺のピアノ線などの鋼線を用いることができる。
本発明の切断方法に使用する鉄製ワイヤの直径は、被切断物の形状および特性により適宜選択することができ、通常は0.01〜0.5mm程度が採用されることが多いが、0.01mm以下の細線であっても、0.5mmを超える厚めの線であっても、本発明の効果は同じである。
本発明はフェントン反応を利用する切断方法であるから、反応槽内のフェントン処理液の条件をフェントン反応をスムーズに進めることができるように維持することが好ましい。
フェントン処理液のpHは、2.0ないし5.0が好ましい。pHが5.0を超えると、フェントン反応の結果、第一鉄イオン(Fe2+)が酸化されることにより、Fe(OH)3を主とする汚泥が生成しやすくなる。一方、pHが2.0を下回ると、フェントン反応の進行速度が緩慢になる。このpH調整には、塩酸、硫酸などを用いることができる。
上記のように、フェントン反応の結果、第一鉄イオン(Fe2+)が酸化されることにより、Fe(OH)3を主とする汚泥が生成する。このFe(OH)3はフェントン反応に寄与せず、却って妨げとなるので、適宜反応槽から排出することが好ましい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、適宜変更と修正が可能である。
(1)フェントン反応槽
図1は、フェントン反応槽1の概略構成を示す図である。直径100μmの鋼製(SWRS82A相当品)のワイヤ2を満杯に巻回した繰り出しリール3から鋼製ワイヤ2を繰り出し、その鋼製ワイヤ2をガイドローラ4を経てフェントン反応槽1内に進入させ、下記に示す組成を有するフェントン処理液5に少なくとも下半部が浸されたメインローラ6、7を経て、ガイドローラ8を経由して巻取リール9に巻き取る。メインローラ6、7の外周面には円周方向に沿って多数の溝が形成されており、鋼製ワイヤ2はメインローラ6、7の溝に沿って巻き付けられて所定ピッチのワイヤ列を形成するので、いわゆるマルチ切断が可能である。また、メインローラ6、7は図示しない駆動装置によって上下方向に移動することが可能である。
(1)フェントン反応槽
図1は、フェントン反応槽1の概略構成を示す図である。直径100μmの鋼製(SWRS82A相当品)のワイヤ2を満杯に巻回した繰り出しリール3から鋼製ワイヤ2を繰り出し、その鋼製ワイヤ2をガイドローラ4を経てフェントン反応槽1内に進入させ、下記に示す組成を有するフェントン処理液5に少なくとも下半部が浸されたメインローラ6、7を経て、ガイドローラ8を経由して巻取リール9に巻き取る。メインローラ6、7の外周面には円周方向に沿って多数の溝が形成されており、鋼製ワイヤ2はメインローラ6、7の溝に沿って巻き付けられて所定ピッチのワイヤ列を形成するので、いわゆるマルチ切断が可能である。また、メインローラ6、7は図示しない駆動装置によって上下方向に移動することが可能である。
10は単結晶SiCのインゴットであり、固定台11上に静置されている。
(2)フェントン処理液の組成
当初のフェントン処理液のH2O2濃度は35重量%、液温は20〜25℃である。
(3)単結晶SiCのインゴットの切断
そして、繰り出しリール3から鋼製ワイヤ2を徐々に繰り出し、ガイドローラ4を経てフェントン反応槽1内のフェントン処理液5に浸漬することによって鋼製ワイヤ2のFeの一部はFe(OH)2となる。このFe(OH)2は酸性のフェントン処理液5に溶解して、Fe2+イオンとなる。このFe2+イオンと過酸化水素とが次式のように反応してヒドロキシラジカル(HO・)が生成する。
(2)フェントン処理液の組成
当初のフェントン処理液のH2O2濃度は35重量%、液温は20〜25℃である。
(3)単結晶SiCのインゴットの切断
そして、繰り出しリール3から鋼製ワイヤ2を徐々に繰り出し、ガイドローラ4を経てフェントン反応槽1内のフェントン処理液5に浸漬することによって鋼製ワイヤ2のFeの一部はFe(OH)2となる。このFe(OH)2は酸性のフェントン処理液5に溶解して、Fe2+イオンとなる。このFe2+イオンと過酸化水素とが次式のように反応してヒドロキシラジカル(HO・)が生成する。
Fe2++H2O2 → Fe3++HO・+OH-
そして、そのヒドロキシラジカル(HO・)を利用して、次式に示すように、高硬度で化学的にも極めて安定なSiCをエッチングして切断することができる。
そして、そのヒドロキシラジカル(HO・)を利用して、次式に示すように、高硬度で化学的にも極めて安定なSiCをエッチングして切断することができる。
SiC+4HO・+O2 → SiO2+2H2O+CO2
ヒドロキシラジカルは極めて強力な酸化剤ではあるが、100万分の一秒程度しか存在しない。そこで、鋼製ワイヤ2の鉄分に由来するFe2+と過酸化水素との反応により発生するヒドロキシラジカルを利用して単結晶SiCのインゴットをエッチングし、メインローラ6、7は図示しない駆動装置によって、そのエッチング速度に合わせつつ下方にゆっくりと移動させて、下降する鋼製ワイヤ2によって単結晶SiCのインゴット10をマルチ切断することができる。
ヒドロキシラジカルは極めて強力な酸化剤ではあるが、100万分の一秒程度しか存在しない。そこで、鋼製ワイヤ2の鉄分に由来するFe2+と過酸化水素との反応により発生するヒドロキシラジカルを利用して単結晶SiCのインゴットをエッチングし、メインローラ6、7は図示しない駆動装置によって、そのエッチング速度に合わせつつ下方にゆっくりと移動させて、下降する鋼製ワイヤ2によって単結晶SiCのインゴット10をマルチ切断することができる。
その結果、単結晶SiCのインゴット10を20mm×20mm×0.9mmの大きさの単結晶SiCウェハにマルチ切断した(約0.003mm長さ/分の切断速度)。そのSiCウェハの表面粗さは0.2μm(Ra)であり、表面のうねりは5μmであった。なお、本明細書において、表面のうねりとは、図2に示すように、SiCウェハの表面Fの最も高い箇所(凸部)と最も低い箇所(凹部)との高低差(Wt)をいう。
上記実施例においては、単結晶SiCのインゴット10を固定台11に静置して、メインローラ6、7とともに鋼製ワイヤ2を下降させることにより単結晶SiCのインゴット10を切断したが、メインローラ6、7は下方に移動させずに鋼製ワイヤ2のパスラインはそのまま保持した状態として、単結晶SiCのインゴット10を固定台11とともに上昇させても単結晶SiCのインゴット10を切断することができる。さらに、鋼製ワイヤ2を下降させつつ単結晶SiCのインゴット10を上昇させても単結晶SiCのインゴット10を切断することができる。
(4)遊離砥粒方式による単結晶SiCのインゴットの切断
図3に示すワイヤソー装置において、被切断物26として同上単結晶SiCのインゴットを20mm×20mm×0.9mmの大きさの単結晶SiCウェハにマルチ切断すると、そのSiCウェハの表面粗さは0.5μm(Ra)となり、表面のうねりは10μmとなった。この場合、砥粒は、直径が8〜15mのダイヤモンド砥粒であり、ワイヤの切断速度は約0.007mm長さ/分であった。
(5)以上のように、本発明によれば、化学反応を利用して硬質材料を切断するので被切断物の大きさに特に制限がなく、切断加工代が極めて小さく、切断面を平滑に仕上げることが可能である。
(4)遊離砥粒方式による単結晶SiCのインゴットの切断
図3に示すワイヤソー装置において、被切断物26として同上単結晶SiCのインゴットを20mm×20mm×0.9mmの大きさの単結晶SiCウェハにマルチ切断すると、そのSiCウェハの表面粗さは0.5μm(Ra)となり、表面のうねりは10μmとなった。この場合、砥粒は、直径が8〜15mのダイヤモンド砥粒であり、ワイヤの切断速度は約0.007mm長さ/分であった。
(5)以上のように、本発明によれば、化学反応を利用して硬質材料を切断するので被切断物の大きさに特に制限がなく、切断加工代が極めて小さく、切断面を平滑に仕上げることが可能である。
本発明の切断方法は、シリコン、石英、セラミック等の硬質材料の切断に用いることができる。
1 フェントン反応槽
2 鋼製ワイヤ
3 繰り出しリール
4 ガイドローラ
5 フェントン処理液
6 メインローラ
7 メインローラ
8 ガイドローラ
9 巻取リール
10 単結晶SiCのインゴット
11 固定台
2 鋼製ワイヤ
3 繰り出しリール
4 ガイドローラ
5 フェントン処理液
6 メインローラ
7 メインローラ
8 ガイドローラ
9 巻取リール
10 単結晶SiCのインゴット
11 固定台
Claims (1)
- 過酸化水素を含有するフェントン処理液を有するフェントン反応槽の該フェントン処理液中に浸漬した硬質材料を鉄製ワイヤにより切断する方法において、
硬質材料の一方側から他方側に向けて移動する鉄製ワイヤまたは硬質材料の一方側と他方側の間を繰り返し往復移動する鉄製ワイヤをフェントン反応槽内のフェントン処理液に浸漬後硬質材料表面に当接させて、鉄製ワイヤの鉄分に由来する第一鉄イオンとフェントン処理液中の過酸化水素とのフェントン反応により発生するヒドロキシラジカルを利用して硬質材料をエッチングしつつ上記鉄製ワイヤを下降させるかもしくは硬質材料を上昇させるか又は上記鉄製ワイヤを下降させつつ硬質材料を上昇させることにより硬質材料を切断することを特徴とする硬質材料の切断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007287219A JP2009113272A (ja) | 2007-11-05 | 2007-11-05 | 硬質材料の切断方法 |
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Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-11-05 JP JP2007287219A patent/JP2009113272A/ja active Pending
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