JP4840553B2 - 無線通信機と、そのブートプログラム書き換え方法及びプログラム - Google Patents

無線通信機と、そのブートプログラム書き換え方法及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等の無線通信機において起動時などにCPUにて実行するブートプログラムの書き換え方法に関し、特に、書き換え後のブートプログラムが確実に実行可能となる無線通信機及びブートプログラム書き換え方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の携帯電話機は、従来からの電話通信機能の他に、メール機能やウェブ機能、ゲーム機能その他の付加機能を有しており、ソフトウェア処理が複雑化している。
【0003】
これら多くの機能を実現する携帯電話機として、CODECによるベースバンド信号処理や無線基地局との間の通信プロトコル制御等を行うCPU(以下、通信コアと称す)と、表示やキー操作その他の付加機能等を制御するCPU(以下、制御コアと称す)の2つのCPUを有するものがある。
【0004】
図13は、2つのCPUを有する従来の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【0005】
図13を参照すると、従来の携帯電話機1300は、CPU1311,1321、ROM1312,1322、RAM1313,1323、ポートインタフェース部1314,1324及びポートスイッチ部1301を有しており、パーソナルコンピュータ(PC)1310と接続可能である。
【0006】
CPU1311、ROM1312、RAM1313及びポートインタフェース部1314は、CPU1311のアドレス・データ線1315で互いに接続されている。また、CPU1321、ROM1322、RAM1323及びポートインタフェース部1324は、CPU1321のアドレスデータ線1325で互いに接続されている。
【0007】
CPU1311とCPU1321は、互いに独立して動作するプロセッサである。例えば、一方が通信コアであり、他方が制御コアである。
【0008】
CPU1311の実行するプログラムはROM1312に格納されている。そして、CPU1311は、様々なプログラムを実行する際にRAM1313を一時的に利用する。
【0009】
ポートインタフェース部1314は、CPU1311とPC1310の間の通信を可能とするためにポート1316を制御する。
【0010】
また、CPU1321の実行するプログラムはROM1322に格納されている。そして、CPU1321は、様々なプログラムを実行する際にRAM1323を一時的に利用する。
【0011】
ポートインタフェース部1324は、CPU1321とPC1310の間の通信を可能とするためにポート1326を制御する。
【0012】
ポートスイッチ部1301は、PC1310からの指示によりCPU1311またはCPU1321のいずれかを選択してPC1310と接続する。
【0013】
一般に、CPUが組み込まれた装置においては、そのCPUの実行するプログラムがROMに格納されている。近年では、電子デバイス技術の進歩により、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やFROM(Flash ROM)のように、電源供給がなくても記録内容を保持し、かつ、その記録内容を書き換えることも可能なデバイスの大容量化が進んでいる。そのため、通常のROMの代わりにEEPROMまたはFROMが使用されることが多くなっている。図13のROM1312,1322は、EEPROMやFROMのように、記録内容を書き換え可能なROMである。
【0014】
一般に、CPUの起動時に実行されるプログラムは、特にブートプログラムと呼ばれる。CPU1311のブートプログラムはROM1312の特定領域に格納されており、CPU1321のブートプログラムはROM1322の特定領域に格納されている。CPU1311,1321は、起動の際に、先ずその特定領域にアクセスし、そこに格納されたブートプログラムを実行する。
【0015】
バグや機能追加、変更等により、CPU1311のブートプログラムを変更する場合、PC1310からROM1312へ新たなブートプログラムを書き込む。その場合、PC1310は、ポートスイッチ部1301を制御してポート1316を選択し、CPU1311に新たなブートプログラムを送信する。新たなブートプログラムを受信したCPU1311はROM1312の特定領域にそれを書き込む。
【0016】
その際、CPU1311は、通常の動作のためのプログラムを実行している状態(以下、オンラインと称す)であってもよく、また、通常の動作を停止してPC1310と通信するためのプログラムを実行している状態(以下、オフラインと称す)であってもよい。オンライン状態でブートプログラムを受信するためには、通常の動作のためのプログラムがPC1310と通信する処理を有している必要がある。オフライン状態でブートプログラムを受信するためには、PC1310と通信するための処理を有するオフラインプログラムが、CPU1311により実行可能に、ROM1312に格納されている必要がある。
【0017】
また、PC1310から、CPU1311を介さずに、ROM1312に直接ブートプログラムを書き込む構成であってもよい。その場合、ポートインタフェース部1314はアドレス・データ線1315に対してバスマスタとなる。
【0018】
以上のようにしてブートプログラムを書き換えた後にCPU1311を再起動させると、CPU1311は新たなブートプログラムを読み取り、実行して起動する。これでブートプログラムが正常に変更されたことになる。
【0019】
CPU1321のブートプログラムを変更についても、CPU1311のブートプログラムの場合と同様である。
【0020】
一方、特開平8−179937号公報や特開2000−293376号公報には、複数のブートプログラム領域を有するブートプログラム書き換え装置であって、複雑な操作を行うことなくブートプログラム領域を変更することが可能なものが記載されている。
【0021】
図14は、特開平8−179937号公報に記載された従来のブートプログラム書き換え装置の構成を示すブロック図である。図14のブートプログラム書き換え装置は、CPU1401、リセット部1402、アドレスデコーダ1403、ROM1404a〜1404d、正常プレート1405、リセットスイッチ1405、表示LED1407を有している。ROM1404a〜1404dのアドレスは、ROM1404a,ROM1404b,ROM1404c,ROM1404dの順にマップされているとする。
【0022】
CPU1401は、ROM1404a〜1404dに格納されたブートプログラムにより起動される。ブートプログラムのアドレスは、アドレス信号1408のうちの下位の信号によりROM1404a〜1404dに入力される。
【0023】
アドレスデコーダ1403は、アドレス信号1408の上位をデコードし、チップセレクト信号1412a〜1412dを生成する。CPU1401からアクセスがあると、チップセレクト信号1412a〜1412dによりROM1404a〜1404dのいずれか1つが選択される。
【0024】
リセット部1402は、電源電圧及びリセットスイッチ1406を監視しており、電源電圧が低下した場合やリセットスイッチ1406が操作された場合に、所定幅のリセットパルスを発生する。このリセットパルスはCPUリセット信号1409として作用するほか、アドレスデコーダ1403のチップセレクトを制御するアドレスデコーダリセット信号1410,1411として作用する。アドレスデコーダリセット信号1410は、電源監視により発生するリセット信号である。アドレスデコーダリセット信号1411は、リセットスイッチ1406を動作させた場合のリセット信号である。
【0025】
電源オンなど通常の電源監視による起動時には、リセット部1402はCPUリセット信号1409及びアドレスデコーダリセット信号1410を発生する。そして、ROM1404aが選択され、CPU1401はROM1404aにあるブートプログラムを実行する。
【0026】
一方、リセットスイッチ1406が操作されると、リセット部1402はCPUリセット信号1409及びアドレスデコーダリセット信号1411を発生する。これによりCPU1401は電源オン時と同様に起動する。但し、この場合には、アドレスデコーダ1403はCPU1401の発生するアドレスを変換し、通常のブートROM1404aの次にマップされているROM1404bのチップセレクト信号1412bを発生する。これにより、CPU1401はROM1404bのブートプログラムにより起動を開始する。その後、リセットスイッチ1406の操作によりアドレスデコーダリセット信号1411を発生する毎に、アドレスデコーダ1403はブートアドレスのチップセレクト信号1412a〜1412dを順次切り替えて行く。
【0027】
このように、図14の従来例では、リセットスイッチ1406が操作される毎に、4個のROM1404a〜1404dのうちの1つが切り替わり選択され、そこに格納されているプログラムがCPU1401の起動に用いられる。
【0028】
図15は、特開2000−293376号公報に記載された従来のブートプログラム書き換え装置の構成を示すブロック図である。図15のプートプログラム書き換え装置は、CPU1501、セレクタ1502及びブートROM1503,1504を有している。セレクタ1502は、切り替えレジスタ1508及びオフセットレジスタ1509を有している。CPU1501のアドレスデータ線1505に接続された2つのブートROM1503,1504は容量が互いに等しい。
【0029】
セレクタ1502は、CPU1501の起動時には、アドレス信号をデコードしてブートROM1503またはブートROM1504を選択する。なお、ブートROM1503及びブートROM1504には、それぞれチェックサム及びタイムスタンプを含むブートプログラムが書き込まれている。また、これらのブートプログラムには、ブートROM1503及びブートROM4に書き込まれたプログラムのタイムスタンプ同士を比較する処理が含まれている。更に、これらのブートプログラムには、最もタイムスタンプが新しいプログラムのチェックサムが正常であるか否か判断する処理が含まれている。
【0030】
切り替えレジスタ1508には、選択されるブートROMのアドレスが設定されている。オフセットレジスタ1509には、切り替えレジスタ1508に設定されたブートROMのアドレスに対する他方のブートROMのオフセットが設定されている。
【0031】
アドレスマップ上では、切り替えレジスタ1508に設定されたブートROMのブートプログラムが「ROM空間」の領域に書き込まれている。また、他方のブートROMに格納されているブートプログラムは「ROM空間+オフセット」の領域に書き込まれている。ここでは、切り替えレジスタ1508にブートROM1503が設定されており、オフセットレジスタ1509にブートROM1504が設定されているとする。また、ブートROM1504には、これから使用すべき最新のブートプログラムが記録されているものとする。
【0032】
CPU1501は、起動時にブートROM1503のアドレスを指定し、そのブートプログラムを実行する。そのブートプログラムを実行することにより、CPU1501は、ROM1503とROM1504のタイムスタンプを比較し、新しい方のプログラムのチェックサムを計算する。そして、チェックサムに異常が無ければ、CPU1501は、切り替えレジスタ1508のアドレスをブートROM1504のものにするように、切り替えレジスタ1508及びオフセットレジスタ1509を変更する。ブートROM1503とブートROM1504が切り替わると、セレクタ1502はリセット信号1510をCPU1501に出力する。したがって、新たなブートプログラムが正常に書き込まれた場合にのみ切り替わるので、書き込みに失敗したり、データが破壊された場合に起動が不可能となることがない。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
図13の携帯電話機では、ROM1312に格納されたブートプログラムが破壊されたり、ブートプログラムの書き換えに失敗すると、CPU1311は正しく再起動できなくなる。このような場合、従来は、ROM1311を取り外し、別の装置でROM1311にブートプログラムを正しく書き直してから再び実装し、再起動する必要があり、作業が煩雑であった。特に、携帯電話機のように出荷台数の多い装置では、その作業は膨大となる恐れがあった。更に、ブートROMの取り外しの際に、そのブートROM自体や周辺の部品等を破損してしまう恐れがあった。
【0034】
これに対して、特開平8179937号公報や特開2000−293376号公報に記載されたブートプログラム書き換え装置を用いれば、ブートプログラムが破壊されたり、書き換えに失敗してもROMを取り外して書き直す必要がない。
【0035】
しかし、特開平8179937号公報や特開2000−293376号公報に記載されたブートプログラム書き換え装置は1つのCPUに対して複数のROM或いはブートプログラム格納領域を有する必要があるため、装置規模が増大し、小型軽量、低コスト化が強く望まれる携帯電話機等には好ましくない。特に、2つのCPUを有する携帯電話機では装置規模の増大が顕著となる。
【0036】
本発明の目的は、装置規模を拡大せず、コストを増大させずに、CPUが起動しなくなることが無いようにしてブートプログラムを書き換えることができる携帯電話機等の無線通信機を提供することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の無線通信機は、起動時に実行するブートプログラムが書き換え可能な無線通信機であって、
それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、
前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部の前記ブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、
複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てており、該他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するセレクタを有している。
【0038】
したがって、本発明の無線通信機によれば、情報処理部のアドレス空間には、他の情報処理部に対応した記憶部がセレクタにより割り当てられているので、他系統の情報処理部から、ブートプログラムを記憶している記憶部へアクセスすることができる。
【0039】
本発明の一態様によれば、前記セレクタは、
前記他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセス時に指定された前記アドレスから前記オフセットを減算し、該他の情報処理部のアドレスデータ線に出力するアドレスオフセット減算部と、
前記オフセット減算部と接続されており、前記他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセス時にのみオンするスイッチとを有している。
【0040】
したがって、通常時、無線通信機は、セレクタのスイッチをオフとしているので、他系統の情報処理部からの不要なアクセスにより記憶部の内容が破壊されることがない。
【0041】
本発明の一態様によれば、前記セレクタは、前記他の情報処理部に対応した記憶部への書き込み時のデータを、そのまま該他の情報処理部の前記アドレスデータ線に出力する。
【0042】
したがって、他系統の情報処理部から、ブートプログラムを記憶している記憶部へデータの書き込みが可能なので、他系統の情報処理部からブートプログラムを書き換えることができる。
【0043】
本発明の一態様によれば、前記セレクタは、前記他の情報処理部に対応した記憶部からの読出し時のデータを、そのまま読み出しを行った前記情報処理部のアドレス・データ線に出力する。
【0044】
したがって、他系統の情報処理部から、ブートプログラムを記憶している記憶部のデータの読み出しが可能なので、他系統の情報処理部からブートプログラムを読み出すことができる。
【0045】
本発明の一態様によれば、全ての前記記憶部は、それぞれ、少なくとも1つの情報処理部からアクセス可能である。
【0046】
本発明の一態様によれば、全ての前記記憶部は、全ての前記情報処理部からアクセス可能である。
【0047】
本発明の一態様によれば、前記情報処理部が2つである。
【0048】
本発明のブートプログラム書き換え方法は、それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部の前記ブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部とを有する無線通信機におけるブートプログラム書き換え方法であって、
前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てるために、複数のアドレスデータ線に接続されたセレクタを予め設けておくステップと、
1つの情報処理部で、他の情報処理部のブートプログラムを書き換えるために、自身に対応した記憶部のアドレスに前記所定のオフセットを加算したアドレスを自身のアドレスデータ線に出力してアクセスするステップと、
前記セレクタで、前記1つの情報処理部より出力された前記アドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するステップとを有している。
【0049】
本発明の一態様によれば、前記1つの情報処理部から前記他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、前記セレクタは、内部のスイッチがオンし、内部のオフセット減算部が、前記1つの情報処理部の指定した前記アドレスから前記オフセットを減算したアドレスを該他の情報処理部のアドレスデータ線に出力する。
【0050】
本発明の一態様によれば、前記セレクタは、前記他の情報処理部に対応した記憶部への書き込み時のデータを、そのまま該他の情報処理部の前記アドレスデータ線に出力する。
【0051】
本発明の他のブートプログラム書き換え方法は、それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部のブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部とを有する無線通信機のブートプログラム書き換え方法であって、
複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てており、任意の情報処理部から他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するセレクタを予め設けておくステップと、
1つの情報処理部にて、他の情報処理部のブートプログラムを外部装置から受信するステップと、
前記1つの情報処理部にて、自身のブートプログラムのアドレスに前記オフセットを加算するステップと、
前記1つの情報処理部にて、前記オフセットを加算したアドレスを自身のアドレスデータ線へ出力するステップと、
前記他の情報処理部のブートプログラムを前記自身のアドレスデータ線上に出力して書き込み動作を行うステップとを有している。
【0052】
本発明のブートプログラム書き換えプログラムは、それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部のブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てており、任意の情報処理部から他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するセレクタとを有する無線通信機において、前記ブートプログラム書き換えるために前記情報処理部にて実行するブートプログラム書き換えプログラムであって、
1つの情報処理部にて、他の情報処理部のブートプログラムを外部装置から受信する処理と、
前記1つの情報処理部にて、自身のブートプログラムのアドレスに前記オフセットを加算する処理と、
前記1つの情報処理部にて、前記オフセットを加算したアドレスを自身のアドレスデータ線へ出力する処理と、
前記1つの情報処理部にて、前記他の情報処理部のブートプログラムを前記自身のアドレスデータ線上に出力して書き込み動作を行う処理とを有している。
【0053】
本発明の一態様によれば、通常時の動作を行うための処理を有するプログラムに一体的に組み込まれた。
【0054】
本発明の他の態様によれば、通常時の動作を行うための処理を有するプログラムとは別個に構成されている。
***ここから***
本発明のブートプログラム切替装置は、起動時に実行するブートプログラムを書き換え、切り替えるためのブートプログラム切替装置であって、
それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、
前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部の前記ブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、
複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記録部のアドレス領域に所定のオフセットを加算したアドレス領域に、該情報処理部に対応しない記憶部を割り当てており、該情報処理部に対応しない記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算して、該情報処理部に対応しない記憶部が接続されたアドレスデータ線へ出力するセレクタを有している。
【0055】
したがって、本発明のブートプログラム切替装置によれば、セレクタが記憶部をそれに対応しない情報処理部のアドレス空間に割り当てており、そのアドレス領域へのアクセスがあると所定のオフセットを減算することで変換したアドレスを所定の記録部へ出力するので、他系統の情報処理部から記憶部のブートプログラムを書き換えることができる。
【0056】
本発明の実施態様によれば、前記情報処理部が2つである。
【0057】
本発明の実施態様によれば、前記セレクタは、前記情報処理部に対応しない記憶部へのアクセス時にのみオンとなるスイッチと、前記情報処理部に対応しない記憶部へのアクセス時に指定された前記アドレスから前記オフセットを減算し、該情報処理部に対応しない記憶部に接続された前記アドレス・データ線に出力するアドレスオフセット減算部とを有している。
【0058】
したがって、通常時、ブートプログラム切替装置は、セレクタのスイッチをオフとしているので、他系統の情報処理部からの不要なアクセスにより記憶部のブートプログラムが破壊されることがない。
【0059】
本発明の実施態様によれば、前記セレクタは、前記情報処理部に対応しない記憶部への書き込み時のデータを、そのまま該情報処理部に対応しない記憶部に接続された前記アドレス・データ線に出力する。
【0060】
本発明の実施態様によれば、前記セレクタは、前記情報処理部に対応しない記憶部からの読出し時のデータを、そのまま読み出しを行った前記情報処理部に接続されたアドレス・データ線に出力する。
【0061】
本発明の実施態様によれば、前記ブートプログラム切替装置を複数有する装置である。
【0062】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0063】
図1は、本発明の一実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、携帯電話機10は、CPU111,121、ROM112,122、RAM113,123、ポートインタフェース部114,124、ポートスイッチ部101及びセレクタ102を有しており、パーソナルコンピュータ(PC)13と接続可能である。即ち、携帯電話機10は、CPU111とCPU121の2系統のCPUシステムを有している。
【0064】
CPU111、ROM112、RAM113、ポートインタフェース部114及びセレクタ102は、CPU111のアドレスデータ線115で互いに接続されている。また、CPU121、ROM122、RAM123、ポートインタフェース部124及びセレクタ102は、CPU112のアドレスデータ線125で互いに接続されている。
【0065】
CPU111とCPU121は互いに独立して情報処理を行うプロセッサである。例えば、一方が通信コアであり、他方が制御コアである。
【0066】
ROM112は、EEPROMやFROMのような記録内容の書き換えが可能なROMであり、CPU111が起動時に実行するブートプログラムを特定領域に記憶している。ROM122もまた記録内容の書き換えが可能なROMであり、CPU121が起動時に実行するブートプログラムを特定領域に記憶している。
【0067】
RAM113は、CPU111がプログラムを実行する際に利用される、ランダムアクセス可能な揮発性のメモリである。RAM123は、CPU121がプログラムを実行する際に利用される、ランダムアクセス可能な揮発性のメモリである。
【0068】
ポートインタフェース部114は、CPU111とPC13の間の通信を可能とするためにポート116を制御する。ポートインタフェース部124は、CPU121とPC13の間の通信を可能とするためにポート126を制御する。
【0069】
ポートスイッチ部101は、PC13からの指示によりCPU111またはCPU121のいずれかを選択し、選択したCPUとPC13の間の通信を可能とする。
【0070】
セレクタ102は、アドレス・データ線115とアドレス・データ線125を互いに接続し、CPU111からROM122へのアクセス及びCPU121からROM112へのアクセスを可能とする。
【0071】
図2は、CPU111から見たアドレス空間を示す図である。CPU111のアドレス空間には、ROM112のアドレス領域201と、RAM113のアドレス領域202と、他系統のROMであるROM122のアドレス領域203を含んでいる。アドレス領域203はアドレス領域201に所定のオフセット204を加算したアドレスである。CPU111及びCPU121から見たアドレス領域203には実際にはセレクタ102が存在している。
【0072】
CPU121から見たアドレス空間も図2と同様であり、ROM122のアドレス領域201と、RAM123のアドレス領域202と、他系のROMであるROM112のアドレス領域203を含んでいる。
【0073】
図3は、セレクタ102の構成を示すブロック図である。セレクタ102は、スイッチ301,302及びアドレスオフセット減算部303,304を有している。
【0074】
スイッチ301は、アドレス・データ線115を介したCPU111からROM122へのアクセス時にオンとなる。
【0075】
スイッチ302は、アドレス・データ線125を介したCPU121からROM112へのアクセス時にオンとなる。
【0076】
アドレスオフセット減算部303は、CPU111からROM122へのアクセス時に、CPU111がアドレス・データ線115上で指定したアドレスからオフセット204を減算してアドレス・データ線125へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部303は、アドレス・データ線115上のデータをそのままアドレス・データ線125に出力する。
【0077】
アドレスオフセット減算部304は、CPU121からROM112へのアクセス時に、CPU121がアドレス・データ線125上で指定したアドレスからオフセット204を減算してアドレス・データ線115へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部304は、アドレス・データ線125上のデータをそのままアドレス・データ線115に出力する。
【0078】
なお、スイッチ301とアドレスオフセット減算部303の接続順序は逆であってもよい。また、スイッチ302とアドレスオフセット減算部304の接続順序は逆であってもよい。
【0079】
CPU111は、ROM122にアクセスする場合には、他系統ROMのアドレス領域203のアドレスを指定する。CPU111からアドレス・データ線115によりROM122へのアクセスがあると、セレクタ102は、指定されたアドレスから所定のオフセット204だけ減算してアドレス・データ線125に出力する。オフセット204だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線125上のROM122のアドレスなので、ROM122がアクセスされる。
【0080】
同様に、CPU121からアドレス・データ線125によりROM112へのアクセスがあると、セレクタ102は、指定されたアドレスから所定のオフセット204だけ減算してアドレス・データ線115に出力する。オフセット204だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線115上のROM112のアドレスなので、ROM112がアクセスされる。
【0081】
次に、本実施形態の携帯電話機10のROM122に格納されたブートプログラムの書き換え動作について説明する。
【0082】
作業者は、PC13を携帯電話機10に接続して、PC13上のデータ送信用プログラムを起動する。
【0083】
ここで、CPU111は通常の動作のためのプログラムを実行しているオンライン状態であってもよく、また、通常の動作を停止してPC13と通信するためのプログラムを実行しているオフライン状態としてもよい。
【0084】
オンライン状態でブートプログラムを受信するためには、通常の動作のためのプログラムがPC13と通信する処理を有している必要がある。オフライン状態でブートプログラムを受信するめには、PC13と通信する処理を有するオフラインプログラムが、CPU111に実行可能に、ROM112に格納されている必要がある。
【0085】
PC13は、ポートスイッチ部101を制御してポート116を選択する。次に、PC13は、ポートインタフェース部114を介して、CPU111へ新たなブートプログラムを送信する。新たなブートプログラムを受信したCPU111は、セレクタ102を介して、ROM122上のブートプログラムを書き換える。
【0086】
その際、先ず、CPU111は、セレクタ102のスイッチ301をオンにして、図4において太線で示されたルートを形成する。
【0087】
図4の太線のルートが形成されると、CPU111は、他系統ROMのアドレス領域203のアドレスを指定してROM122へ書き込みのアクセスを行う。
【0088】
CPU111からROM122へのアクセスがあると、アドレスオフセット減算部303は、CPU111により指定されたアドレスからオフセット204を減算して、アドレス・データ線125に出力する。このとき、CPU111からのデータは、そのままアドレス・データ線125に出力される。
【0089】
アドレス・データ線125上のROM122に対するチップセレクト信号は、一例として、CPU111が生成し、セレクタ102がそれをアドレス・データ線125上に出力したものである。また、他の例として、アドレス・データ線125上のROM122に対するチップセレクト信号は、CPU111からアドレス・データ線115上で指定されたアドレスの上位をセレクタ102がデコードして生成し、アドレス・データ線125上に出力したものであってもよい。
【0090】
ROM122に格納されたブートプログラムがCPU111から書き換え可能なので、ROM122の内容やCPU121の動作状態によらずにCPU121のブートプログラムを書き換えることができる。同様にして、ROM112に格納されたブートプログラムがCPU121から書き換え可能なので、ROM112の内容やCPU111の動作状態によらずに、CPU111のブートプログラムを書き換えることができる。この場合、CPU121は、セレクタ102のスイッチ302をオン状態にし、図5において太線で示されたルートを形成する。また、携帯電話機10は、通常時には図6に示したように、セレクタ102のスイッチ301,302をオフ状態としている。
【0091】
以上のようにしてブートプログラムを書き換えると、通常、作業者はCPUリセットや電源の再投入等をして、CPUに新たなブートプログラムを実行させる。
【0092】
本実施形態の携帯電話機におけるCPUの起動時の動作について説明する。ここでは、CPU121の起動を例示する。
【0093】
CPUリセット等されると、CPU121は、ROM122のアドレス領域201にアクセスし、そこに格納されたブートプログラムを実行する。
【0094】
ここで、例えば、ROM122のブートプログラムに何らかの不具合があり、CPU121が正常に起動しなかった場合、CPU111からROM122にアクセスしてブートプログラムを書き換えた後、CPU121を再度起動する。以上により、最終的にはCPU102が正常に起動できる状態となる。
【0095】
また、本実施形態のポート116,126は、例えば、USB、RS232c等である。また、本発明は無線基地局からエアインタフェース上で、携帯電話機にプログラムやパラメータをダウンロードする場合にも適用可能である。
【0096】
以上より、本実施形態の携帯電話機は、セレクタで、ROMを他系統のCPUのアドレス領域に割り当てており、そのアドレス空間へのアクセスがあると、所定のオフセットを減算することで変換したアドレスを所定のROMへ出力するので、他系統のCPUからROMのブートプログラムを書き換えることができる。例えば、データが破壊されたり、書き換えに失敗してその系統のCPUが起動しなくなった場合でも、他系統のCPUからROMのブートプログラムを何度も繰り返して書き直すことが可能である。
【0097】
また、通常時、携帯電話機は、セレクタ102のスイッチ301,302をオフ状態としている。したがって、図6に示すように、それぞれのCPU111,121が互いに独立して動作しており、他系統のCPUから不要なアクセスによりROM112,122のデータ内容が破壊されることはない。
【0098】
なお、本実施形態ではブートプログラムを書き換えるためのROMへの書き込み動作を示したが、書き込んだ内容を確認するなどのために読み出し動作も可能であってよい。
【0099】
本発明の他の実施形態について図面を参照して説明する。
【0100】
図7は、本発明の他の実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。図7の携帯電話機40は、複数のCPUが2つづつで1組のペアとなっている。ペア同士のCPUは互いに相手の系統のROMにアクセス可能である。
【0101】
図7の携帯電話機40は、CPU411,421,431,441、ROM412,422,432,442、RAM413,423,433,443、ポートインタフェース部414,424,434,444、ポートスイッチ401及びセレクタ402,403を有している。
【0102】
CPU411、ROM412、RAM413、ポートインタフェース部414及びセレクタ402はCPU411のアドレスデータ線416で互いに接続されている。また、CPU421、ROM422、RAM423、ポートインタフェース部424及びセレクタ402はCPU421のアドレスデータ線416で互いに接続されている。
【0103】
CPU431、ROM432、RAM433、ポートインタフェース部434及びセレクタ403はCPU431のアドレスデータ線436で互いに接続されている。また、CPU441、ROM442、RAM443、ポートインタフェース部444及びセレクタ403はCPU441のアドレスデータ線446で互いに接続されている。
【0104】
CPU411,421,431,441は互いに独立して動作するプロセッサである。
【0105】
CPU411のブートプログラムはROM412に格納されている。CPU421のブートプログラムはROM422に格納されている。CPU431のブートプログラムはROM432に格納されている。CPU441のブートプログラムはROM442に格納されている。
【0106】
セレクタ402は、アドレス・データ線416とアドレス・データ線426を互いに接続し、CPU411からROM422へのアクセス及びCPU421からROM412へのアクセスを可能とする。セレクタ403は、アドレス・データ線436とアドレス・データ線446を互いに接続し、CPU431からROM442へのアクセス及びCPU441からROM432へのアクセスを可能とする。
【0107】
図8は、CPU411から見たアドレス空間を示す図である。CPU411のアドレス空間は、ROM412のアドレス領域501と他系のROMであるROM422のアドレス領域502を含んでいる。アドレス領域502はアドレス領域501に所定のオフセット503を加算したアドレスである。
【0108】
CPU421,431,441から見たアドレス空間も図8と同様である。
【0109】
図9は、図7に示したセレクタ402の構成を示すブロック図である。セレクタ402は、スイッチ601,602及びアドレスオフセット減算部603,604を有している。
【0110】
スイッチ601は、アドレス・データ線415を介したCPU411からROM422へのアクセス時にオンとなる。
【0111】
スイッチ602は、アドレス・データ線4425を介したCPU421からROM412へのアクセス時にオンとなる。
【0112】
アドレスオフセット減算部603は、CPU411からROM422へのアクセス時に、CPU411がアドレス・データ線415上で指定したアドレスからオフセット503を減算してアドレス・データ線425へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部603は、アドレス・データ線415上のデータをそのままアドレス・データ線425に出力する。
【0113】
アドレスオフセット減算部604は、CPU421からROM412へのアクセス時に、CPU421がアドレス・データ線425上で指定したアドレスからオフセット503を減算してアドレス・データ線415へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部604は、アドレス・データ線425上のデータをそのままアドレス・データ線415に出力する。
【0114】
CPU411及びCPU421から見たアドレス領域502には実際にはセレクタ402が存在している。
【0115】
CPU411は、ROM422にアクセスする場合、他系統ROMのアドレス領域502のアドレスを指定する。CPU411からアドレス・データ線415によりROM422へのアクセスがあると、セレクタ402は、指定されたアドレスから所定のオフセット503だけ減算してアドレス・データ線425に出力する。オフセット503だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線425上のROM422のアドレスなので、ROM422がアクセスされる。
【0116】
同様に、CPU421からアドレス・データ線425によりROM412へのアクセスがあると、セレクタ402は、指定されたアドレスから所定のオフセット503だけ減算してアドレス・データ線415に出力する。オフセット503だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線415上のROM412のアドレスなので、ROM413がアクセスされる。
【0117】
セレクタ403は、セレクタ402と同じ構成である。
【0118】
本発明の更に他の実施形態について図面を参照して説明する。
【0119】
図10は、本発明の更に他の実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。図10の携帯電話機70は、複数のCPUを有しており、それぞれの系統のROMが他の系統のCPUからアクセス可能である。
【0120】
図10の携帯電話機70は、CPU711,721,731、ROM712,722,732、RAM713,723,733,ポートインタフェース部714,724,734、ポートスイッチ部701及びセレクタ702を有しており、パーソナルコンピュータ74と接続可能である。
【0121】
CPU711、ROM712、RAM713、ポートインタフェース部714及びセレクタ702はCPU711のアドレスデータ線715で互いに接続されている。また、CPU721、ROM722、RAM723、ポートインタフェース部724及びセレクタ702はCPU721のアドレスデータ線725で互いに接続されている。CPU731、ROM732、RAM733、ポートインタフェース部734及びセレクタ702はCPU731のアドレスデータ線735で互いに接続されている。
【0122】
CPU711,721,731は互いに独立して動作するプロセッサである。
【0123】
CPU711のブートプログラムはROM712に格納されている。CPU721のブートプログラムはROM722に格納されている。CPU732のブートプログラムはROM723に格納されている。
【0124】
セレクタ702は、アドレス・データ線715,725,735を互いに接続する。
【0125】
図11は、CPU711から見たアドレス空間を示す図である。CPU711のアドレス空間には、ROM712のアドレス領域801と、他系のROMであるROM722及びROM732のアドレス領域802,803を含んでいる。アドレス領域802はアドレス領域801に所定のオフセット804を加算したアドレスである。アドレス領域803はアドレス領域801に所定のオフセット805を加算したアドレスである。
【0126】
CPU721,731から見たアドレス空間も図11と同様である。
【0127】
図12は、セレクタ702の構成を示すブロック図である。セレクタ702は、スイッチ901,902,903及びアドレスオフセット減算部904,905,906を有している。
【0128】
スイッチ901は、アドレス・データ線715を介したCPU711からROM721またはROM731へのアクセス時にオンとなる。スイッチ902は、アドレス・データ線725を介したCPU721からROM712,732へのアクセス時にオンとなる。スイッチ903は、アドレス・データ線735を介したCPU731からROM712,722へのアクセス時にオンとなる。
【0129】
アドレスオフセット減算部904は、CPU711からROM722へのアクセス時に、CPU711がアドレス・データ線715上で指定したアドレスからオフセット804を減算してアドレス・データ線725へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部904は、アドレス・データ線715上のデータをそのままアドレス・データ線725に出力する。アドレスオフセット減算部904は、CPU711からROM732へのアクセス時に、CPU711がアドレス・データ線715上で指定したアドレスからオフセット805を減算してアドレス・データ線735へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部904は、アドレス・データ線715上のデータをそのままアドレス・データ線735に出力する。
【0130】
アドレスオフセット減算部905は、CPU721からROM732へのアクセス時に、CPU721がアドレス・データ線725上で指定したアドレスからオフセット804を減算してアドレス・データ線735へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部905は、アドレス・データ線725上のデータをそのままアドレス・データ線735に出力する。アドレスオフセット減算部905は、CPU721からROM712へのアクセス時に、CPU721がアドレス・データ線725上で指定したアドレスからオフセット805を減算してアドレス・データ線715へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部905は、アドレス・データ線725上のデータをそのままアドレス・データ線715に出力する。
【0131】
アドレスオフセット減算部906は、CPU731からROM712へのアクセス時に、CPU731がアドレス・データ線735上で指定したアドレスからオフセット804を減算してアドレス・データ線715へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部906は、アドレス・データ線735上のデータをそのままアドレス・データ線715に出力する。アドレスオフセット減算部906は、CPU731からROM722へのアクセス時に、CPU731がアドレス・データ線735上で指定したアドレスからオフセット805を減算してアドレス・データ線725へ出力する。このとき、アドレスオフセット減算部906は、アドレス・データ線735上のデータをそのままアドレス・データ線725に出力する。
【0132】
CPU711,721,731から見たアドレス領域802,803には、実際にはセレクタ702が存在している。
【0133】
CPU711は、ROM722にアクセスする場合には、アドレス領域802のアドレスを指定する。CPU711からアドレス・データ線715によりROM722へのアクセスがあると、セレクタ702は、指定されたアドレスから所定のオフセット804だけ減算してアドレス・データ線725に出力する。オフセット804だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線725上のROM722のアドレスなので、ROM722がアクセスされる。CPU711は、ROM731にアクセスする場合には、アドレス領域803のアドレスを指定する。CPU711からアドレス・データ線715によりROM735へのアクセスがあると、セレクタ702は、指定されたアドレスから所定のオフセット805だけ減算してアドレス・データ線735に出力する。オフセット805だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線735上のROM732のアドレスなので、ROM732がアクセスされる。
【0134】
同様に、CPU721は、ROM732にアクセスする場合には、アドレス領域802のアドレスを指定する。CPU721からアドレス・データ線725によりROM732へのアクセスがあると、セレクタ702は、指定されたアドレスから所定のオフセット804だけ減算してアドレス・データ線710に出力する。オフセット804だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線735上のROM732のアドレスなので、ROM732がアクセスされる。CPU721は、ROM712にアクセスする場合には、アドレス領域803のアドレスを指定する。CPU721からアドレス・データ線725によりROM712へのアクセスがあると、セレクタ702は、指定されたアドレスから所定のオフセット805だけ減算してアドレス・データ線715に出力する。オフセット805だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線715上のROM712のアドレスなので、ROM712がアクセスされる。
【0135】
同様に、CPU731は、ROM712にアクセスする場合には、アドレス領域802のアドレスを指定する。CPU731からアドレス・データ線735によりROM712へのアクセスがあると、セレクタ702は、指定されたアドレスから所定のオフセット804だけ減算してアドレス・データ線715に出力する。オフセット804だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線715上のROM712のアドレスなので、ROM712がアクセスされる。CPU731は、ROM722にアクセスする場合には、アドレス領域803のアドレスを指定する。CPU731からアドレス・データ線735によりROM712へのアクセスがあると、セレクタ702は、指定されたアドレスから所定のオフセット805だけ減算してアドレス・データ線725に出力する。オフセット805だけ減算されたアドレスは、アドレス・データ線725上のROM722のアドレスなので、ROM722がアクセスされる。
【0136】
なお、図10の携帯電話機70は、CPU711からROM722とROM732の両方へアクセス可能であり、CPU721からROM732とROM712の両方へアクセス可能であり、CPU731からROM712とROM722の両方へアクセス可能であるが、CPU711からアクセス可能な他系統のROMをROM722だけとし、CPU721からアクセス可能な他系統のROMをROM732だけとし、CPU731からアクセス可能な他系統のROMをROM712だけとしてもよい。
【0137】
【発明の効果】
本発明によれば、情報処理部のアドレス空間には、他の情報処理部に対応した記憶部がセレクタにより割り当てられているので、他系統の情報処理部から、ブートプログラムを記憶している記憶部へアクセスでき、データが破壊されたり、書き換えに失敗して情報処理部が起動しなくなった場合でも、他の情報処理部から記憶部のブートプログラムを何度も繰り返して書き換え、起動することができる。
【0138】
また、通常時、無線通信機は、セレクタのスイッチをオフとしているので、他系統の情報処理部からの不要なアクセスにより記憶部のブートプログラムが破壊されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のCPUから見たアドレス空間を示す図である。
【図3】図1のセレクタの構成を示すブロック図である。
【図4】図1の携帯電話機のROMの書き換え動作を説明するための図である。
【図5】図1の携帯電話機のROMの書き換え動作を説明するための他の図である。
【図6】図1の携帯電話機の通常時のアドレス・データ線のルートを示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図8】図7のCPUから見たアドレス空間を示す図である。
【図9】図7に示したセレクタの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図11】図10のCPUから見たアドレス空間を示す図である。
【図12】図10のセレクタの構成を示すブロック図である。
【図13】複数のCPUを有する装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】特開平8−179937号公報に記載された従来のブートプログラムの切替装置の構成を示すブロック図である。
【図15】特開2000−293376号公報に記載された従来のブートプログラム切替装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10,40,70 携帯電話機
13,45,74 パーソナルコンピュータ(PC)
101,401,701 ポートスイッチ部
102,402,403,702 セレクタ(SEL)
111,121,411,421,431,441,711,721,731
CPU
112,122,412,422,432,442,712,722,732
ROM
113,123,413,423,433,443,713,723,733
RAM
114,124,414,424,434,444,714,724,734
ポートインタフェース部
115,125,415,425,435,445,715,725,735
アドレスデータ線
201,202,203,501,502,801,802,803 アドレス領域
204,503,804,805 オフセット
301,302,601,602,901,902,903 スイッチ
303,304,603,604,904,905,906 アドレスオフセット減算部

Claims (14)

  1. 起動時に実行するブートプログラムが書き換え可能な無線通信機であって、
    それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、
    前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部の前記ブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、
    複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てており、該他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するセレクタを有する無線通信機。
  2. 前記セレクタは、
    前記他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセス時に指定された前記アドレスから前記オフセットを減算し、該他の情報処理部のアドレスデータ線に出力するアドレスオフセット減算部と、
    前記オフセット減算部と接続されており、前記他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセス時にのみオンするスイッチとを有する、請求項1記載の無線通信機。
  3. 前記セレクタは、前記他の情報処理部に対応した記憶部への書き込み時のデータを、そのまま該他の情報処理部の前記アドレスデータ線に出力する、請求項1または2に記載の無線通信機。
  4. 前記セレクタは、前記他の情報処理部に対応した記憶部からの読出し時のデータを、そのまま読み出しを行った前記情報処理部のアドレスデータ線に出力する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信機。
  5. 全ての前記記憶部は、それぞれ、少なくとも1つの情報処理部からアクセス可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信機。
  6. 全ての前記記憶部は、全ての前記情報処理部からアクセス可能である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信機。
  7. 前記情報処理部が2つである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信機。
  8. それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部の前記ブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てるために、複数のアドレスデータ線に接続されたセレクタを有する無線通信機におけるブートプログラム書き換え方法であって、
    1つの情報処理部で、他の情報処理部のブートプログラムを書き換えるために、自身に対応した記憶部のアドレスに前記所定のオフセットを加算したアドレスを自身のアドレスデータ線に出力してアクセスするステップと、
    前記セレクタで、前記1つの情報処理部より出力された前記アドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するステップを有する、無線通信機におけるブートプログラム書き換え方法。
  9. 前記1つの情報処理部から前記他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、前記セレクタは、内部のスイッチがオンし、内部のオフセット減算部が、前記1つの情報処理部の指定した前記アドレスから前記オフセットを減算したアドレスを該他の情報処理部のアドレスデータ線に出力する、請求項8記載の無線通信機におけるブートプログラム書き換え方法。
  10. 前記セレクタは、前記他の情報処理部に対応した記憶部への書き込み時のデータを、そのまま該他の情報処理部の前記アドレスデータ線に出力する、請求項8または9に記載の無線通信機におけるブートプログラム書き換え方法。
  11. それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部のブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てており、任意の情報処理部から他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するセレクタと、を有する無線通信機のブートプログラム書き換え方法であって、
    1つの情報処理部にて、他の情報処理部のブートプログラムを外部装置から受信するステップと、
    前記1つの情報処理部にて、自身のブートプログラムのアドレスに前記オフセットを加算するステップと、
    前記1つの情報処理部にて、前記オフセットを加算したアドレスを自身のアドレスデータ線へ出力するステップと、
    前記他の情報処理部のブートプログラムを前記自身のアドレスデータ線上に出力して書き込み動作を行うステップを有する、無線通信装置におけるブートプログラム書き換え方法。
  12. それぞれ独立に動作する複数の情報処理部と、前記情報処理部に対応して該情報処理部のアドレスデータ線に接続されており、該情報処理部のブートプログラムをそれぞれ記憶している複数の記憶部と、複数のアドレスデータ線に接続され、前記情報処理部から見たアドレス空間において、該情報処理部に対応した記憶部のアドレスに対して所定のオフセットを加算したアドレスに、他の情報処理部に対応した記憶部を割り当てており、任意の情報処理部から他の情報処理部に対応した記憶部へのアクセスがあると、指定されたアドレスから前記オフセットを減算したアドレスを、前記他の情報処理部のアドレスデータ線へ出力するセレクタを有する無線通信機において、前記ブートプログラムを書き換えるために前記情報処理部にて実行するブートプログラム書き換えプログラムであって、
    1つの情報処理部にて、他の情報処理部のブートプログラムを外部装置から受信する処理と、
    前記1つの情報処理部にて、自身のブートプログラムのアドレスに前記オフセットを加算する処理と、
    前記1つの情報処理部にて、前記オフセットを加算したアドレスを自身のアドレスデータ線へ出力する処理と、
    前記1つの情報処理部にて、前記他の情報処理部のブートプログラムを前記自身のアドレスデータ線上に出力して書き込み動作を行う処理を実行させるためのブートプログラム書き換えプログラム。
  13. 通常時の動作を行うための処理を実行させるためのプログラムに一体的に組み込まれた、請求項12記載のブートプログラム書き換えプログラム。
  14. 通常時の動作を行うための処理を実行させるためのプログラムとは別個に構成された、請求項12記載のブートプログラム書き換えプログラム。
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