JP4840151B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明は、トラニオンで保持したローラを入力ディスクと出力ディスクとの間に挟み込んだ構成のバリエータを備え、そのローラを流体圧アクチュエータによってトラニオンと共に移動させることにより傾転させて変速を実行するように構成されたトロイダル型無段変速機に関するものである。
トロイダル型無段変速機は、同一軸線上で互いに対向させた入力ディスクと出力ディスクとの間に、前記軸線に交差する平面内に回転中心軸線を持つ複数のローラを挟み込み、入力ディスクの回転に伴ってローラを回転させ、さらにそのローラから出力ディスクにトルクを伝達することにより、入力ディスクから出力ディスクにトルクを伝達するように構成されている。そして、入力ディスクとローラとのトルク伝達点の前記軸線からの半径と、ローラと出力ディスクとのトルク伝達点の前記軸線からの半径との比が、各ディスクの回転数の比すなわち変速比となるように構成されている。
そのローラの回転中心軸線が各ディスクの回転中心軸線と交差する状態であれば、各ディスクとローラとのトルク伝達点におけるそれぞれの運動方向(すなわちそれぞれの接線方向)が一致するが、ローラを移動させてその回転中心軸線が各ディスクの回転中心軸線に交差しない状態とすれば、トルク伝達点におけるそれぞれの運動方向が異なってディスクの半径方向に向けた分力が生じる。この分力がいわゆる傾転力であって、ローラはその傾転力によって傾けられる。その傾転は、ローラの回転中心軸線を含む平面と各ディスクの回転中心軸線とのなす角度が変化する挙動である。ローラがこのようにして傾転すると、各ディスクとのトルク伝達点の半径が変化するので、各ディスクとの回転数比すなわち変速比が変化する。このようなローラの傾転を円滑に生じさせるために、トロイダル型無段変速機では、各ディスクの対向面(トルク伝達面)がトロイダル面として構成されている。トロイダル面とは、曲率半径が180度以下もしくは90度以下の円弧を、所定の軸線の回りに回転させた場合の軌跡として得られる凹曲面である。
従来、上記のローラ(すなわちパワーローラ)を変位させて変速を生じさせるために油圧シリンダが用いられている。その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたトロイダル型無段変速機では、パワーローラを保持しているトラニオンが上下方向を向けて配置されており、そのトラニオンの下側に油圧シリンダが配置されている。そして、変速比制御弁やそのリリーフ圧を一定に制御するリリーフバルブ、全体の元圧であるライン圧を制御するライン圧制御弁、前後進切換弁、クラッチ圧切替弁などを備えたバルブボディが、その油圧シリンダの下方に配置されている。
なお、トルクを伝達する歯車対を選択することにより変速を行う歯車式の自動変速機において、バルブボディアッセンブリの汎用性を高めるために、バルブボディアッセンブリを積層構造とし、これをトルクコンバータの後方(エンジンとは反対側)に配置した構成の油圧制御装置が、特許文献2に記載されている。また、エンジンの再始動時における油圧を確保するための蓄圧器を備えた車両用動力伝達装置の制御装置が特許文献3に記載されている。さらに、エンジン停止中における自動変速機の油圧を確保するために、逆止弁とアキュムレータとを設けたエンジン自動停止始動装置が特許文献4に記載されている。
特開平7−27213号公報 特開平8−93901号公報 特開2003−14099号公報 特開平8−14076号公報
上記の特許文献1に記載されたトロイダル型無段変速機では、その全体の下部にバルブボディが設けられているので、ドレーン油やリータンしたオイルをバルブボディに還流させることができる。また、トラニオンを駆動する油圧シリンダとバルブボディとの距離を短くすることができるので、油圧シリンダの制御応答性すなわち変速応答性を向上させることができる。しかしながら、特許文献1に記載された構成では、車両に搭載した場合にそのバルブボディが車体の下方に突出した状態となるので、車体の最低地上高が低くなる可能性があり、またバルブボディの配置の自由度が少なくなる可能性がある。これに対して、特許文献2に記載されている歯車式の自動変速機のようにトルクコンバータの後方にバルブボディアッセンブリを配置すると、トラニオンを駆動する油圧シリンダなどのアクチュエータとバルブボディアッセンブリとの距離が長くなって油圧の応答遅れが変速制御に影響する可能性が高くなる。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、トロイダル型無段変速機における変速応答性を損なうことなくバルブボディの配置の自由度を向上させることを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、入力ディスクと出力ディスクとの間に挟み付けられたローラがトラニオンによって回転自在かつ傾転自在に保持されたバリエータを備え、そのローラをトラニオンと共に前記ローラの回転中心軸線に垂直な面に沿う方向に移動させる流体圧アクチュエータが設けられたトロイダル型無段変速機において、前記流体圧アクチュエータの可動部を保持しているアクチュエータボディに、その可動部を動作させるための圧力流体を給排する流路が設けられるとともに、前記流体圧アクチュエータに対する圧力流体の給排を制御する制御弁が前記流路に連通された状態で前記アクチュエータボディに取り付けられ、ポンプによって発生させられた流体圧を前記流体圧アクチュエータに供給する圧力流体の元圧に調圧する調圧部を備えたバルブボディが、前記アクチュエータボディから離れた位置に設けられ、その調圧部は前記制御弁に連通されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、動力源の出力軸から出力された動力を前記バリエータに入力する入力軸を更に備え、その入力軸が前記出力軸と同一軸線上に位置するように配置されるとともに、前記バルブボディは、前記動力源と前記バリエータとの間に配置されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記動力源と前記バルブボディとの間に、前記動力源が出力した動力を流体を介して前記入力軸に伝達する流体伝動装置が設けられていることを特徴とするトロイダル型無段変速機である。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記ポンプとバルブボディとは、前記バリエータの回転中心軸線に沿う方向での同じ位置に配置されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機である。
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれかの発明において、前記ポンプは、前記動力源の出力する動力で駆動されるように構成され、そのポンプで発生した流体圧を蓄えて前記動力源が停止しているときに前記元圧に替わる流体圧を出力する蓄圧器を更に備えていることを特徴とするトロイダル型無段変速機である。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記蓄圧器は、前記バリエータの回転中心軸線に沿う方向での前記バルブボディおよびポンプと同じ位置でかつ該回転中心軸線を中心とした円周方向で前記バルブボディとポンプとの間に配置されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機である。
請求項1の発明によれば、制御弁が動作することによりアクチュエータに対して圧力流体が供給され、あるいはその供給方向が切り替えられ、もしくは排圧される。その制御弁に圧力流体を供給するバルブボディは、前記アクチュエータのボディから離れた箇所に配置されており、これに対して制御弁はアクチュエータボディに取り付けられているので、制御弁とアクチュエータとの距離が短く、制御弁が動作することによる圧力流体の給排の状態の変化に応じてアクチュエータが特に遅れを生じることなく動作し、したがってその応答性を向上させることができる。また、バルブボディはそのアクチュエータから離れた位置に設けられているので、その配置の自由度が高く、したがって車両に用いた場合には、最低地上高の減少要因となる可能性が少なくなる。
請求項2の発明によれば、バルブボディは無段変速機の全体の下部に設けずに、それよりも高い位置に配置することになり、したがってバルブボディによって車両の最低地上高が減少する可能性が少なくなる。
請求項3の発明によれば、バルブボディから流体伝動装置への圧力流体の供給が容易になり、またその給排の応答性が向上する。
請求項4の発明によれば、ポンプとバルブボディとを軸線方向に直列に配列せずに、軸線方向での同じ位置に並列に配置するので、トロイダル型無段変速機の全長の短縮化を図り、また全体としての構成を小型化することができる。
請求項5の発明によれば、動力源でポンプを駆動して得られた圧力流体を蓄圧器に蓄え、ポンプが圧力流体を発生していない状態ではその蓄圧器の圧力流体を使用することができるので、動力源が停止および再始動を繰り返す場合であっても、動力源と共に停止するポンプ以外のポンプを設ける必要がない。したがって、停車時に動力源を停止するいわゆるエコラン制御を実行する車両に使用する場合であっても、トロイダル型無段変速機の大型化を防止もしくは抑制することができる。
請求項6の発明によれば、ポンプとバルブボディと蓄圧器との三者を、軸線方向での同じ位置に並列に配置するので、トロイダル型無段変速機の全長の短縮化を図り、また全体としての構成を小型化することができる。
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とするトロイダル型無段変速機の基本構造について説明すると、入力側のディスクと出力側のディスクとを対向させて配置するとともに、これらのディスクの間に、回転中心軸線が、各ディスクの回転中心軸線に対してほぼ直交するようにパワーローラを配置して挟み込み、そのパワーローラを介して各ディスクの間でトルクを伝達するように構成されている。特に、各ディスクの対向面がトロイダル面を形成している無段変速機であり、対向するトロイダル面の曲率中心が各ディスクの外周縁の近辺もしくはその外側にあるいわゆるハーフトロイダル型のものや、その曲率中心が各ディスクの外周縁より内側にあるタイプのもののいずれであってもよい。さらに、一対のディスクを備えたいわゆるシングルキャビティ型の無段変速機に限らず、二対のディスクを備えたダブルキャビティ型の無段変速機であってもよい。そして、入力側のディスクと出力側のディスクとの間に挟み込むパワーローラは、ディスクの円周方向に等間隔に複数設けられていればよく、一対のパワーローラを備えた構成に限られない。
図3および図4には、ダブルキャビティ式のハーフトロイダル型無段変速機の一例を模式的に示してあり、トロイダル面を対向させた入力ディスク1と出力ディスク2とが、二対、同一軸線上に配置されている。これらの図に示す例では、軸線方向での左右両端部に入力ディスク1が配置され、中央部に出力ディスク2が、いわゆる背合わせに配置され、これらの出力ディスク2の間に出力部材としての出力ギヤ3が配置されている。
各ディスク1,2および出力ギヤ3の中心部を入力軸4が貫通しており、各入力ディスク1はこの入力軸4に一体となって回転し、かつ軸線方向に移動できるように取り付けられている。これに対して出力ディスク2および出力ギヤ3は、入力軸4に対して回転自在に嵌合しており、かつ各出力ディスク2と出力ギヤ3とは一体となって回転するように連結されている。入力軸4の一方の端部(図3の左側の端部)には、入力ディスク1を抜け止めするためのロック部材としてのロックナット5が取り付けられている。これとは反対側の端部(図3での右側の端部)には、油圧シリンダ6が取り付けられている。
この油圧シリンダ6は、各対の入力ディスク1と出力ディスク2とを互いに接近させる方向に押圧する挟圧力を生じさせるための挟圧力発生機構であって、シリンダ7が入力軸4に固定されるとともに、そのシリンダ7の内部に軸線方向に移動可能に収容したピストン8が、入力ディスク1の背面に当接させられている。したがって、そのシリンダ7とピストン8との間に油圧を供給することにより、ピストン8が一方の入力ディスク1をこれとは反対側に配置されている入力ディスク1側に向けて押圧するように構成されている。なお、この挟圧力発生機構は、油圧シリンダ6に替えて、トルクを軸線方向の推力に変化させるカム機構やネジ機構などの他の機構によって構成してもよい。
各対の入力ディスク1と出力ディスク2との間にそれぞれ複数のパワーローラ9が挟み込まれている。これらのパワーローラ9は、入力ディスク1と出力ディスク2との間でのトルクの伝達を媒介するいわゆる伝動部材であって、ほぼ円盤状をなし、入力ディスク1と出力ディスク2との間に、各ディスク1,2の円周方向に等間隔に配置されている。各パワーローラ9は、各ディスク1,2の回転に伴って自転し、また各ディスク1,2の間で傾く(傾転する)ように、それぞれトラニオン10によって保持されている。そして、入力ディスク1と出力ディスク2およびこれらの間に挟み込まれたパワーローラ9とによって、実質的な変速を行い、また変速比を実質的に設定するバリエータVaが構成され、図3および図4に示す例では、二つのバリエータVaが設けられている。
各トラニオン10は、パワーローラ9を自転かつ傾転自在に保持するためのものであって、中心側を向く面を平坦面とした保持部11の上下両側にトラニオン軸12が延びて形成されている。図4での上側のトラニオン軸12が軸受を介してアッパーヨーク13に嵌合させられ、また図4での下側のトラニオン軸12が軸受を介してロアーヨーク14に嵌合させられている。したがって各トラニオン10は、それぞれトラニオン軸12を中心にして回転できるように各ヨーク13,14によって互いに連結されている。したがってトラニオン軸12の中心軸線が傾転軸となっている。
各パワーローラ9は各トラニオン10における前記保持部11に取り付けたピボットシャフト15によって回転自在に保持され、また各パワーローラ9とそれぞれのトラニオン10との間にはスラスト軸受16が介装されている。各トラニオン10における図4での下側のトラニオン軸12は、アクチュエータに連結されている。そのアクチュエータは、流体圧シリンダや流体圧モータおよびリンク機構などによって、トラニオン10を図3および図4での上下方向に移動させるように構成されており、図に示す例では、油圧シリンダ17が採用されている。
具体的には、前記トラニオン軸12は、各パワーローラ9に対応して設けた油圧シリンダ17のピストン18に連結されている。これらの油圧シリンダ17は、一方のパワーローラ9を図4での上側(パワーローラ9の回転軸線に垂直な面に沿う方向)に移動させると同時に他方のパワーローラ9を図4での下側(パワーローラ9の回転軸線に垂直な面に沿う方向)に移動させるように構成されている。例えば、図4での左側の油圧シリンダ17におけるピストン18より上側の油圧室が変速比の小さい高速側に変速させるためのハイ油室17Hであり、これとは反対の下側の油圧室が変速比の大きい低速側に変速させるためのロー油室17Lとなっている。また、図4での右側の油圧シリンダ17におけるピストン18より上側の油圧室が変速比の大きい低速側に変速させるためのロー油室17Lであり、これとは反対の下側の油圧室が変速比の小さい高速側に変速させるためのハイ油室17Hとなっている。そして、ハイ油室17H同士、およびロー油室17L同士が互いに連通されている。
上記のパワーローラ9を中立位置からアップシフト側あるいはダウンシフト側に変位(オフセット)させて変速を実行するための機構について説明すると、その機構は前記油圧シリンダ17などのアクチュエータを動作させるように構成された機構であり、図に示す例では電磁弁によって構成されている。なお、この種の制御弁は、前述したハイ油室17Hに対する油圧の給排を制御する制御弁19Hとロー油室17Lに対する油圧の給排を制御する制御弁19Lとの二本を設けてもよく、あるいは一本の制御弁で各油室17H,17Lに対する油圧の給排を同時に制御するように構成してもよい。
図3および図4には二本の制御弁19H,19Lを用いた例を示してあり、ハイ油室17Hに対する油圧の給排を制御する一方の制御弁19Hは、そのハイ油室17Hに連通されたポートを入力ポートに選択的に連通させると同時に、ロー油室17Lに連通されたポートをドレーンに選択的に連通させるように構成されている。また、ロー油室17Lに対する油圧の給排を制御する一方の制御弁19Lは、そのロー油室17Lに連通されたポートを入力ポートに選択的に連通させると同時に、ハイ油室17Hに連通されたポートをドレーンに選択的に連通させるように構成されている。このような切替動作をそれぞれの制御弁19H,19Lに設けられたソレノイド20H,20Lに電子制御装置ECUから制御信号を印加することにより行うように構成されている。
また、各制御弁19H,19Lの元圧はライン圧PLであって、これはポンプ21で発生させた油圧をバルブボディ22で調圧した油圧である。したがって、このバルブボディ22は、トロイダル型無段変速機に入力されるトルクに応じた調圧を行う調圧弁、その調圧弁のドレーン油圧をコンバータ油圧や潤滑油圧に調圧する他の調圧弁、前後進の切り替えを行う切替弁、前記パワーローラ9を挟み付ける挟圧力を制御する挟圧力制御弁などを含んでおり、それらのうち特にライン圧PLに調圧する調圧弁がこの発明の調圧部に相当している。そして、このバルブボディ22は、一つの筐体の内部に各弁および油路を組み込んで一つのユニットとして構成されている。
この発明に係るトロイダル型無段変速機は、上述した制御弁19H,19Lをバルブボディ22に設けずに、これらが相互に油圧を供給できるように連通した状態で分離した構成となっている。その具体的な例を図1および図2に示してある。図1は入力側の一部を示す縦断面図であって、図1の上下方向が車両への搭載状態での上下方向になっている。なお、作図の都合上、ポンプ21の位置を変更して描いてある。また、図2は図1におけるII−II線矢視図である。
バリエータVaはケーシング23の内部に、その回転中心軸線がほぼ水平となるように収納されており、その状態でトラニオン10は上下方向に向けて配置され、その下側に変速用の油圧シリンダ17が配置されている。この油圧シリンダ17は、図4に示すように、一つのバリエータVaにおけるパワーローラ9毎(トラニオン10毎)に設けられており、図に示す例では二つ設けられている。そして、各バリエータVaにおける油圧シリンダ17は、一つのシリンダボディ24の内部に設けられている。このシリンダボディ24は、可動部としての前記ピストン18を液密状態に収納した金属ブロック状の部材であって、ケーシング23の内部に固定され、さらにそのピストン18に対して油圧を導く流路(すなわち油路:図示せず)がシリンダボディ24の内部に形成されている。この油路は、シリンダボディ24の外面に開口して給排ポートを形成している。
そして、前述した各制御弁19H,19Lは、シリンダボディ24の外面(図1および図2では下面)に、その給排ポートに連通した状態で取り付けられている。なお、制御弁19H,19Lは、弁体とこれを駆動するソレノイド20H,20Lとから構成されているから、その弁体の部分を所定の金属ブロックに収容し、その金属ブロックの外面に取り付けたソレノイド20H,20Lによって駆動するように構成することもでき、その場合には、弁体を収容している金属ブロックを前記シリンダボディ24に直接取り付けて、前記油路と制御弁19H,19Lとを連通させてもよい。このような構成は、制御弁19H,19L側のいわゆる副バルブボディを、前記調圧部を有するバルブボディ22から分離させた構成と言い得る。
前記入力軸4は、動力源25の出力軸26と同一軸線上に配置されている。この動力源25は、内燃機関や電気モータあるいは両者を組み合わせたハイブリッド動力源などであって、図1にはエンジンを動力源とした例を示してある。そのエンジン25の出力軸26には、トルクコンバータ27などの流体伝動装置が連結されている。また、トルクコンバータ27と前記バリエータVaとの間に前後進切換機構28が配置されている。この前後進切換機構28は、トルクコンバータ27から出力したトルクの方向を正逆に反転させてバリエータVaに入力するものであって、図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構とクラッチおよびブレーキとによって構成されている。
その構成を簡単に説明すると、その遊星歯車機構は、サンギヤとリングギヤと、これらサンギヤおよびリングギヤに噛み合っているピニオンギヤを保持しているキャリヤとを回転要素として備え、そのリングギヤに前記トルクコンバータ27の出力軸が連結され、またサンギヤに前記バリエータVaの入力軸4が連結されている。そして、リングギヤとサンギヤとを選択的に連結するクラッチが設けられ、このクラッチを係合させることにより遊星歯車機構の全体が一体となって回転し、その結果、前進段を設定するようになっている。また、キャリヤを選択的に固定するブレーキが設けられており、このブレーキを係合させてキャリヤを固定することにより、入力要素であるリングギヤに対して出力要素であるサンギヤが反対方向に回転し、その結果、後進段を設定するようになっている。
前述したバルブボディ22は、上記のトルクコンバータ27と前後進切換機構28との間、換言すれば動力源とバリエータVaとの間に配置され、あるいはトルクコンバータ27の出力側に隣接して配置されている。このバルブボディ22の少なくとも一部は、図1および図2に示す例では、互いに軸線方向に並べて配列されたトルクコンバータ27と前後進切換機構28とバリエータVaとの回転中心軸線の外周側におけるほぼ半分もしくはそれ以下の領域にバルブボディ22が配置されている。具体的には、バルブボディ22の少なくとも一部は、図2に示すように、トルクコンバータ27側から見てほぼ左半分の領域を占める形状に構成されている。このような構成は、例えばバルブボディ22を、油路を形成した複数のブロックを積層した構成とすることにより得ることができる。なお、図2にはバルブボディ22に含まれる幾つかのバルブを模式的に付記してある。したがって前記回転中心軸線の外周側におけるほぼ右半分の領域は余裕空間となっている。その余裕空間における下側の部分にポンプ21が配置されている。言い換えれば、バルブボディ22とポンプ21とが軸線方向での同じ位置に配置されている。
ポンプ21は、動力源によって駆動されるようになっている。すなわち、トルクコンバータ27のフロントカバー29はポンプインペラーのシェル(外殻)30と一体になっており、トルクコンバータ27の出力軸と同軸上に延びているシェル30のボス部とポンプ21の入力軸とが、所定の伝動機構31によって連結されている。その伝動機構31としては、チェーンやベルトあるいは歯車などを介してトルクを伝達する機構などを必要に応じて適宜に採用することができ、図1および図2に示す例では、チェーン32によってトルクを伝達する伝動機構31が採用されている。
さらに、蓄圧器(アキュムレータ)33が設けられている。このアキュムレータ33は、ポンプ21によって発生した油圧を蓄えることによりポンプ21が停止した場合にポンプ21に替わって油圧源となるものであって、前述した余裕空間で前記バルブボディ22に連通させた状態に配置されている。したがって、バルブボディ22およびポンプ21ならびにアキュムレータ33の三者は、軸線方向のほぼ同じ位置に軸線方向に対して並列に配置されている。言い換えれば、アキュムレータ33は、トロイダル型無段変速機の回転中心軸線を中心とした円周方向でバルブボディ22とポンプ21との間に配置されている。このように配置することにより、軸線方向に直列に配列する部品の数が少なくなって全体としての軸長が短縮化され、また余裕空間を有効に利用することにより、全体としての構成が小型化されている。
また、上記のアキュムレータ33が設けられていることにより、エンジン25を一時的に停止させ、その後に再始動する場合であっても油圧を確保して前記バリエータVaやクラッチあるいはブレーキを所期どおりに制御することができる。そのため、前記トロイダル型無段変速機を搭載した車両が停止し、その際にエンジン25を停止し、再発進の際にエンジン25を自動的に再始動するいわゆるエコラン制御が可能になる。
上述したトロイダル型無段変速機では、エンジン25が動作することにより、ポンプ21が駆動されて油圧を発生し、これがバルブボディ22の内部に設けられている調圧部によって、全体の元圧であるライン圧に調圧され、そのライン圧が各制御弁19H,19Lに供給される。また同時にアキュムレータ33に蓄えられる。変速制御は、基本的には、アクセル開度などで代表される要求駆動力と車速とに基づいて行われ、加減速要求を満たすように、またエンジン回転数が最適燃費運転点の回転数となるように、変速比が設定される。これは、前記電子制御装置ECUから制御弁19H,19Lに制御信号を出力することにより行われ、例えば変速比を小さくするアップシフトの場合には制御弁19Hを介して前記ハイ油室17Hにライン圧PLが供給され、それに伴ってパワーローラ9がトラニオン10と共に所定の方向に移動させられる。また反対に変速比を増大させるダウンシフトの場合には、制御弁19Lを介して前記ロー油室17Lにライン圧PLが供給され、それに伴ってパワーローラ9がトラニオン10と共に、アップシフトの場合とは反対の方向に移動させられる。
変速の際における油圧シリンダ17に対するこのようなライン圧PLの供給は、シリンダボディ24に直接取り付けられている制御弁19H,19Lから行われ、その距離が短いことにより、制御弁19H,19Lの動作に対して特に遅れを生じることなく油圧シリンダ17が動作する。すなわち、圧油の給排に起因する変速制御の遅れが殆どなく、もしくは極めて僅少である。そして、制御弁19H,19LはバリエータVaの下側に配置されているが、制御弁19H,19Lに対して体積の大きいバルブボディ22は制御弁19H,19Lとは分離されて異なる位置に配置されているので、バリエータVaの下側に突出する部材が少なく、その突出寸法を小さくすることができる。その結果、上記のトロイダル型無段変速機を車両に搭載した場合には、最低地上高を低くする要因が少なくなり、それに伴いトロイダル型無段変速機自体を相対的に低い位置に搭載することが可能になる。
なお、この発明は、変速制御のための制御弁と調圧部を含むバルブボディとを分離し、それらを互いに異なる位置に配置した構成であればよく、したがってバルブボディの位置は、上述した実施例で示した位置に限定されないのであって、例えばバリエータの上側や側部あるいは出力側の適宜の位置であってよい。また、バルブボディとポンプとは車載状態で左右に配置する構成に替えて、上下に配置する構成であってもよい。さらに、この発明における流体伝動装置は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータが好ましいが、これに限らず、ロックアップクラッチを備えていないトルクコンバータや、コンバータ機能のない流体継ぎ手であってもよい。その場合であっても、その出力側に前記バルブボディを配置することが好ましく、そのような構成であれば、バルブボディと流体伝動装置との間で圧力流体を給排するための油路などの構成を簡素化でき、また油圧の応答性を向上させることができる。
この発明の一例を示す部分縦断面図である。 図1のII−II線矢視図である。 この発明で対象とするトロイダル型無段変速機の基本的な構成を説明するための図であって、回転中心軸線に沿う模式的な断面図である。 この発明で対象とするトロイダル型無段変速機の基本的な構成を説明するための図であって、回転中心軸線に垂直な面に沿う模式的な断面図である。
符号の説明
1…入力ディスク、 2…出力ディスク、 4…入力軸、 9…パワーローラ、 10…トラニオン、 17…油圧シリンダ、 17H…ハイ油室、 17L…ロー油室、 18…ピストン、 19H,19L…制御弁、 20H,20L…ソレノイド、 ECU…電子制御装置、 21…ポンプ、 22…バルブボディ、 24…シリンダボディ、 25…動力源(エンジン)、 26…出力軸、 27…トルクコンバータ、 28…前後進切換機構、 31…伝動機構、 32…チェーン、 33…蓄圧器(アキュムレータ)、 Va…バリエータ。

Claims (6)

  1. 入力ディスクと出力ディスクとの間に挟み付けられたローラがトラニオンによって回転自在かつ傾転自在に保持されたバリエータを備え、そのローラをトラニオンと共に前記ローラの回転中心軸線に垂直な面に沿う方向に移動させる流体圧アクチュエータが設けられたトロイダル型無段変速機において、
    前記流体圧アクチュエータの可動部を保持しているアクチュエータボディに、その可動部を動作させるための圧力流体を給排する流路が設けられるとともに
    記流体圧アクチュエータに対する圧力流体の給排を制御する制御弁が前記流路に連通された状態で前記アクチュエータボディに取り付けられ
    ンプによって発生させられた流体圧を前記流体圧アクチュエータに供給する圧力流体の元圧に調圧する調圧部を備えたバルブボディが、前記アクチュエータボディから離れた位置に設けられ、
    その調圧部は前記制御弁に連通されている
    とを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 動力源の出力軸から出力された動力を前記バリエータに入力する入力軸を更に備え、その入力軸が前記出力軸と同一軸線上に位置するように配置されるとともに、前記バルブボディは、前記動力源と前記バリエータとの間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 前記動力源と前記バルブボディとの間に、前記動力源が出力した動力を流体を介して前記入力軸に伝達する流体伝動装置が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 前記ポンプとバルブボディとは、前記バリエータの回転中心軸線に沿う方向での同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 前記ポンプは、前記動力源の出力する動力で駆動されるように構成され、そのポンプで発生した流体圧を蓄えて前記動力源が停止しているときに前記元圧に替わる流体圧を出力する蓄圧器を更に備えていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のトロイダル型無段変速機。
  6. 前記蓄圧器は、前記バリエータの回転中心軸線に沿う方向での前記バルブボディおよびポンプと同じ位置でかつ該回転中心軸線を中心とした円周方向で前記バルブボディとポンプとの間に配置されていることを特徴とする請求項5に記載のトロイダル型無段変速機。
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