JP2005331078A - 無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低速モードの伝達トルク容量を増大させ、またモードの切り替えに伴うショックを防止できる無段変速機を提供する。
【解決手段】 入力ディスク9と出力ディスク10との間のローラ8を介したトルク伝達を機械的な噛み合いによらずにおこなって入力ディスク9と出力ディスク10との間の変速比を無段階に変化させる無段変速部1と、機械的な噛み合いによってトルクを伝達する伝動機構部2とが、入力軸7と出力軸18との間に並列に配置された無段変速機において、入力軸7から入力ディスク9と前記伝動機構部2とにトルクを分配して伝達する低速モードを設定する低速モードクラッチ16と、前記無段変速部1における入力ディスク9から出力ディスク10に向けたトルク伝達によって前記入力軸7から出力軸18にトルクを伝達する高速モードを設定する高速モードクラッチ17とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、入力回転数と出力回転数との比を連続的に変化させることのできる無段変速部(あるいはバリエータ)とその無段変速部での変速比の変化に関連して変速をおこなう歯車機構とを備え、全体としての変速比を無段階に変化させることのできる無段変速機に関するものである。
入力回転数と出力回転数との比を無段階に変化させることのできる無段変速機として、従来、ベルト式無段変速機やトラクション式(トロイダル型)無段変速機などが知られている。前者のベルト式無段変速機は、溝幅を変更可能な一対のプーリにベルトを巻き掛け、それらのプーリの溝幅の変更に伴ってベルトの巻き掛け半径が連続的に変化することにより、変速比を無段階に変化させるように構成された変速機である。このベルト式無段変速機では、主として、ベルトと各プーリとの間の摩擦力を利用してトルクが伝達される。
また、後者のトラクション式(トロイダル型)無段変速機は、同一軸線上に対向して配置された入力ディスクと出力ディスクとの対向面をトロイダル面として形成し、その対向面の間に、ディスク状のパワーローラを挟み付けた構造の無段変速機である。そのトロイダル面とは、凹状に湾曲した線分をディスクの中心軸線を中心にして回転させた場合にその線分の軌跡として得られる湾曲面である。したがってトロイダル型無段変速機は、このトロイダル面に挟み付けられたパワーローラが、前記各ディスクの中心軸線とは垂直な面に対して傾斜(傾転とも言う)することにより、各ディスクに対するパワーローラの接触点(トルク伝達点)の半径が連続的に変化することにより、変速比が無段階に変化するように構成された変速機である。このトロイダル型無段変速機では、各ディスクがパワーローラを挟み付けることにより、それらの間に介在されたトラクション油の剪断力によってトルクが伝達される。
このように無段変速機では、ベルトやパワーローラなどの動力伝達部材を大きい荷重で挟み付け、それに伴う摩擦力やトラクション油の剪断力などによってトルクを伝達するので、伝達可能なトルクもしくは動力が、歯車などのいわゆる噛み合い式の伝動機構に比較して、制限される。また、ベルトやパワーローラなどの動力伝達部材を挟み付けるいわゆる挟圧力を大きくすると、動力の伝達効率が低下する特性を持っている。
そこで従来では、無段変速機を単独では使用せずに、これと歯車機構とを組み合わせて変速機を構成することが考えられている。その一例が特許文献1に記載されている。その構成を簡単に説明すると、入力軸と出力軸とが平行に配置され、その入力軸と同軸上にトラクション式の無段変速部が配置され、また出力軸と同軸上にダブルピニオン型の遊星歯車機構が配置されるとともにそのサンギヤが出力軸と一体化されている。一方、無段変速部を構成している出力ディスクには、第一の伝動機構をなすギヤ対が連結され、そのギヤ対を介して出力ディスクと前記遊星歯車機構のキャリヤとが連結されている。なお、この遊星歯車機構を一体化させるための低速用クラッチが、キャリヤとサンギヤとの間に配置されている。さらに、入力軸には、第二の伝動機構を構成する他のギヤ対が連結され、そのギヤ対と前記遊星歯車機構のリングギヤとの間に、高速用クラッチが設けられている。なお、前記遊星歯車機構のリングギヤを選択的に固定する後進ブレーキが設けられている。
したがって特許文献1に記載された変速機では、低速用クラッチを係合させることにより、入力軸から無段変速部に伝達されトルクが、第一の伝動機構および低速用クラッチを介して出力軸に伝達される。この状態がいわゆる低速走行モードであって、無段変速部での変速比に応じて変化する変速比が設定される。また、トルクの伝達に前記遊星歯車機構は関与しない。
これに対して高速用クラッチを係合させると、入力軸から第二の動力伝達機構を介して遊星歯車機構のリングギヤにトルクが伝達され、そのトルクがキャリヤとサンギヤとに分配される。そして、キャリヤのトルクは第一の伝動機構を介して無段変速部の出力ディスクに入力され、この無段変速部での変速作用を受けたトルクが入力軸に付加される。すなわち、動力循環が生じ、高速走行時に設定される高速走行モードで無段変速部に掛かるトルクが低減される。
また一方、特許文献2には、低速時に動力循環が生じるように構成された無段変速装置が記載されている。その構成を簡単に説明すると、トロイダル型のバリエータとシングルピニオン型遊星歯車機構とが用いられており、入力軸がバリエータにおける入力ディスクに連結されるとともに、低速用クラッチを介して遊星歯車機構のキャリヤに連結されている。また、出力ディスクがカウンタ軸と二組のギヤ対とを介して遊星歯車機構のサンギヤに連結されている。そして、遊星歯車機構の全体を一体化するための高速用クラッチが、サンギヤとリングギヤとの間に配置され、そのリングギヤからトルクを出力するようになっている。
したがって低速用クラッチを係合させると、エンジンなどの動力源から入力軸に伝達されたトルクが遊星歯車機構のキャリヤに入力され、その遊星歯車機構においてリングギヤとサンギヤとに分配される。そのサンギヤに伝達されたトルクは、二組のギヤ対およびカウンタ軸を介して出力ディスクに伝達され、さらにバリエータを介して入力軸に伝達される。すなわち、動力循環が生じ、ギヤニュートラルにおいてはバリエータに大きいトルクが入力されるが、バリエータがハーフトロイダル型のものであることにより、接触面でのスピンロスが低減されて伝達効率が向上する、とされている。
特開平11−230300号公報 特開平11−63148号公報
上記のいずれの特許文献に記載された変速機も、トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを併用し、所定の変速モードでは、動力循環を生じさせている。すなわち特許文献1に記載された変速機では、低速走行時には、駆動力をトロイダル型無段変速機のみを介して伝達し、高速走行時には、遊星歯車機構を介して動力を伝達するとともにその動力の一部をトロイダル型無段変速機の出力ディスクに伝達し、さらにパワーローラを介して入力側に伝達することにより、動力循環を生じさせている。
しかしながら、特許文献1の変速機では、大きい動力が要求される発進時などの低速時にトロイダル型無段変速機のみで動力を伝達するので、その伝達トルク容量が制約されていることに伴い、車両全体としての動力性能が制約される可能性がある。また、低速時においてはトロイダル型無段変速機に対して順方向(入力ディスクから出力ディスクに向かう方向)にトルクが伝達されるが、高速走行時の動力循環の際には、逆方向(出力ディスクから入力ディスクに向かう方向)にトルクが伝達される。そのために、いわゆる低速走行モードと高速走行モードとのモードの切り換えの際に、トロイダル型無段変速機に作用するトルクの方向が反転するので、動力伝達系統におけるバックラッシやガタに起因する部品同士の衝突が生じ、いわゆるモード切替ショックが生じる可能性がある。
一方、特許文献2に記載された変速機では、低速走行時に遊星歯車機構のキャリヤに伝達した入力トルクの一部を、トロイダル型無段変速機の出力ディスクに伝達して動力循環を生じさせている。しかしながら、高速走行時にはトロイダル型無段変速機に対して順方向にトルクを入力するので、トロイダル型無段変速機に作用するトルクの方向が低速走行時と高速走行時とでは反対になる。結局、特許文献2に記載された変速機においても、上述した特許文献1に記載された変速機と同様に、モード切替ショックが生じる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、トルク伝達の態様の切り替えに伴うショックを防止できるとともに、低速時における変速機全体としての高容量化を図ることのできる無段変速機を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、入力要素と出力要素との間の伝動部材を介したトルク伝達を機械的な噛み合いによらずにおこなって前記入力要素と出力要素との間の変速比を無段階に変化させる無段変速部と、機械的な噛み合いによってトルクを伝達する伝動機構部とが、入力部材と出力部材との間に並列に配置された無段変速機において、前記入力部材から前記入力要素と前記伝動機構部とにトルクを分配して伝達する低速モードを設定する第一切換機構と、前記無段変速部における入力要素から出力要素に向けたトルク伝達によって前記入力部材から出力部材にトルクを伝達する高速モードを設定する第二切換機構とを備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記第一切換機構によって設定される前記低速モードと前記第二切換機構によって設定される前記高速モードとの切り替えを、前記低速モードでの前記無段変速部の変速比と前記高速モードでの前記無段変速部の変速比とが同一のときに実行する切替制御手段を更に備えていることを特徴とする無段変速機である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明における前記伝動機構部が、前記入力部材からトルクの伝達される入力回転部とその入力回転部からトルクが分配されて伝達される二つの出力回転部とによって差動作用をなす分配機構と、いずれか一つの前記出力回転部に前記第一切換機構を介して選択的に連結されるとともに前記出力要素および前記出力部材にトルク伝達可能に連結された中間部材とを備え、他の一つの前記出力回転部が前記入力要素に連結され、かつ前記第二切換機構が前記分配機構における少なくともいずれか二つの回転部を互いに連結して前記分配機構の全体を一体回転させる係合機構を含むことを特徴とする無段変速機である。
またさらに、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記中間部材と前記出力部材との間に、ギヤ比を適宜に設定可能なギヤ対が更に設けられていることを特徴とする無段変速機である。
そして、請求項5の発明は、請求項1または2の発明における前記伝動機構部が、互いに差動作用をなす入力回転部と出力回転部と反力回転部とからなる差動機構と、前記無段変速部における出力要素から前記差動機構における前記反力回転部にトルクを伝達する中間部材とを備え、前記第一切換機構が、入力部材もしくは入力要素と前記入力回転部とを選択的に連結する係合機構を含み、前記第二切換機構が、前記差動機構における少なくともいずれか二つの回転部を互いに連結して前記差動機構の全体を一体回転させる係合機構を含み、前記出力部材が前記差動機構における出力回転部に連結されていることを特徴とする無段変速機である。
またそして、請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかの発明における前記無段変速部が、前記入力要素である入力ディスクと前記出力要素である出力ディスクとの間に、前記伝動部材であるパワーローラを挟み込んだトロイダル型無段変速機構によって構成されていることを特徴とする無段変速機である。
請求項1の発明によれば、低速モードにおいては入力部材から無段変速部の入力要素にトルクが伝達される一方、その無段変速部に対して並列に配置された伝動機構部にトルクが伝達されるので、低速モードにおいて無段変速部に掛かるトルクが低減され、したがって無段変速部による伝達トルクの制約があるとしても入力部材から出力部材に伝達される全体としてのトルクもしくは動力を大きくすることができる。また、無段変速部におけるトルクの伝達方向は、低速モードと高速モードとのいずれであっても入力要素から出力要素に向けた方向になるので、低速モードと高速モードとの切り替えに伴うショックを防止することができる。
特に請求項2の発明によれば、低速モードと高速モードとの切り替えの際に変速比の変化がないので、ショックを確実に防止することができる。
一方、請求項3の発明によれば、入力されたトルクを無段変速部と伝動機構部とに分配し、その無段変速部から出力されるトルクと伝動機構部におけるトルクとを合成して出力部材に伝達することになるので、機械的な構成部品の数を削減することが可能になり、また伝動機構部に遊星歯車機構を採用する場合にはその遊星歯車機構のギヤ比の最適化が容易になり、ひいては無段変速機の全体としての構成を簡素化することが可能になる。
これに加えて、請求項4の発明では、出力部材と中間部材との間に設けられているギヤ対のギヤ比によっても、無段変速機の全体としての変速比を調整することができるので、伝動機構部での変速比や中間部材と他の回転部材との間の変速比の設定もしくは選択の自由度が向上する。
また、請求項5の発明によれば、低速モードにおいては差動機構が、入力部材から伝達されたトルクと無段変速部から伝達されたトルクとを合成して出力部材に出力するいわゆる合成機構として機能するが、無段変速部の入力要素から第一切換機構にトルクを伝達するとともに出力要素から中間部材にトルクを伝達することができるので、無段変速部自体がトルクの分配のための機構として機能し、したがって低速モードで無段変速部に作用するトルクを低下させて、無段変速機全体としての高容量化を図ることができる。
そして、請求項6の発明によれば、無段変速部がトロイダル型無段変速機構によって構成されることにより無段変速部と伝動機構部とを同一軸線上に配列することが可能になり、車両用の変速機として構成する場合には車載性を向上させることができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図1はこの発明の一例を模式的に示すスケルトン図であり、無段変速部1としてダブルキャビティ式のハーフトロイダル型無段変速機構を採用し、かつ伝動機構部2としてシングルピニオン型遊星歯車機構を採用し、さらに車両に搭載された例を示している。
動力源としてのエンジン3の出力側に伝動機構部2が配置され、その伝動機構部2と同一軸線上に無段変速部1が配置されている。伝動機構部2を構成している遊星歯車機構は、外歯歯車であるサンギヤ4と、そのサンギヤ4に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ5と、これらサンギヤ4およびリングギヤ5に噛み合っているピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持しているキャリヤ6とを三つの回転部として差動作用をなすように構成されている。エンジン3が出力した動力を伝達する入力部材(すなわち入力軸)7がそのキャリヤ6に連結されており、したがってここに示す例では、キャリヤ6が入力回転部となっている。
無段変速部1を構成しているトロイダル型無段変速機構は、対向面がトロイダル面とされるとともにそのトロイダル面で伝動部材であるパワーローラ8を挟み付けている入力ディスク9と出力ディスク10とからなるキャビティを二対(二組)備えている。図1に示す例では、これらのキャビティが、各出力ディスク10をいわゆる背中合わせにして配置するとともに、これらの出力ディスク10を各入力ディスク9で挟むように配置されている。すなわち、各入力ディスク9を軸線方向での両端側に配置し、その中間部に各出力ディスク10が背中合わせに配置されており、各入力ディスク9は出力ディスク10をその中心軸線に沿って貫通する軸によって互いに一体となって回転するように連結され、また出力ディスク10同士も互いに一体となって回転するように連結されている。したがってこのトロイダル型無段変速機構は、各パワーローラ8を同時に傾転させることにより、入力ディスク9と出力ディスク10とに対する接触点の中心軸線からの距離(各ディスク9,10の回転中心からの距離)が連続的に変化することにより、入力ディスク9の回転数と出力ディスク10の回転数との比率を連続的に変化させるようになっている。
このように構成されかつ配置されたトロイダル型無段変速機構が、前記遊星歯車機構と同一軸線上に配置され、その遊星歯車機構側に位置する一方の入力ディスク9もしくは入力ディスク9同士を連結している軸に、前記サンギヤ4が連結されている。したがってここに示す例では、サンギヤ4が一つの出力回転部となっている。
前記遊星歯車機構およびトロイダル型無段変速機構の中心軸線と平行に中間軸11が配置されている。この中間軸11はこの発明の伝動機構部の一部を構成している。そして、この中間軸11と前記各出力ディスク10とが、アイドルギヤ12を含むギヤ対13によってトルク伝達可能に連結されている。
また、中間軸11と前記遊星歯車機構におけるリングギヤ5とが選択的にトルク伝達可能に連結されている。すなわち、前記入力軸7と同一軸線上にドライブギヤ14が配置されるとともに、このドライブギヤ14に噛み合っているドリブンギヤ15が中間軸11に取り付けられている。そして、そのドライブギヤ14とリングギヤ5との間に、この発明の第一切換機構あるいは係合機構に相当する低速モードクラッチ16が配置されている。この低速モードクラッチ16として、摩擦クラッチを好適に用いることができるが、噛み合いクラッチを用いてもよい。したがってリングギヤ5がこの発明における他の出力回転部となっている。
さらに、前記遊星歯車機構の差動作用を利用することなくトロイダル型無段変速機構を介してトルクを伝達する高速モードを設定するための高速モードクラッチ17が、前記サンギヤ4とキャリヤ6との間に設けられている。すなわち、この高速モードクラッチ17は、この発明の第二切換機構あるいは係合機構に相当するものであって、遊星歯車機構の少なくとも二つの回転部を一体化するように連結することにより、遊星歯車機構の全体を一体化するようになっている。したがって、この高速モードクラッチ17は、サンギヤ4とキャリヤ6とリングギヤ5との少なくともいずれか二者の間に設けられていればよい。また、前述した低速モードクラッチ16と同様に、高速モードクラッチ17として摩擦クラッチ以外に噛み合いクラッチを使用することができる。
そして、上記のトロイダル型無段変速機構を挟んで前記エンジン3とは反対側には、トロイダル型無段変速機構と同一軸線上に出力部材(すなわち出力軸)18が配置されている。この出力軸18に対しては前記中間軸11からトルクを伝達するようになっており、そのためのギヤ対19が、中間軸11の軸端と出力軸18の軸端との間に設けられている。このギヤ対19のギヤ比は適宜に設定可能である。なお、出力軸18は、図示しないデファレンシャルなどを介して駆動輪に動力を出力するようなっている。
上記の各クラッチ16,17の係合および解放の制御、およびトロイダル型無段変速機構での変速比を電気的に制御できるように構成されている。その制御は、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量があるアクセル開度や車速などの車両の走行状態に基づいて実行され、例えば低車速でアクセル開度が大きい場合には、低速モードクラッチ16が係合されて低速モードが設定されるとともに、無段変速部1の変速比が相対的に大きい(低速側の)変速比に設定される。また反対に、高車速でアクセル開度が小さい場合には、高速モードクラッチ17が係合されて高速モードが設定されるとともに、無段変速部1の変速比が相対的に小さい(高速側の)変速比に設定される。このような制御をおこなうための電子制御装置(ECU)20が設けられている。この電子制御装置20は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、車速やスロットル開度などの入力されたデータおよび予め記憶させられているプログラムに従って演算をおこなうことにより、各種の指令信号を出力するように構成されている。この電子制御装置20がこの発明の切替制御手段に相当する。
つぎに上記のように構成された無段変速機の作用について説明する。車両の発進時などのように低車速度でアクセル開度が大きい状態では、低速モードが設定される。すなわち、前記低速モードクラッチ16が係合させられるとともに、高速モードクラッチ17が解放させられる。この状態でエンジン3の出力トルクが入力軸7を介して前記遊星歯車機構のキャリヤ6に伝達されると、そのトルクは、遊星歯車機構のギヤ比(サンギヤ4とリングギヤ5との歯数の比)に応じてサンギヤ4とリングギヤ5とに分配されて伝達される。
そのサンギヤ4から無段変速部1における各入力ディスク9にトルクが伝達され、さらにパワーローラ8を介して出力ディスク10にトルクが伝達される。その場合、パワーローラ8の傾転角度に応じて無段変速部1での変速比が設定される。これは、従来一般のトロイダル型無段変速機構と同様である。そして、出力ディスク10から前記ギヤ対13を介して中間軸11にトルクが出力される。
一方、リングギヤ5に伝達されたトルクは、低速モードクラッチ16およびドライブギヤ14とドリブンギヤ15とを介して中間軸11に伝達される。したがってエンジン3の出力トルクは無段変速部1と伝動機構部2とに分配されるとともに、それらの無段変速部1と伝動機構部2とでの変速比に応じて増減された後、中間軸11で合成され、その状態でギヤ対19を介して出力軸18に出力される。すなわち、入力軸7から出力軸18に伝達されるトルクの一部が無段変速部1によって伝達されるから、無段変速部1に掛かるトルクが相対的に低減される。そのため、無段変速部1もしくはトロイダル型無段変速機構による伝達トルクに制約があるとしても、低速モードにおける無段変速機の全体としての伝達トルク容量が高容量化される。
また、この低速モードでは、サンギヤ4が入力ディスク9に連結されるとともに、リングギヤ5が出力ディスク10に連結されているので、無段変速部1での変速比に応じて無段変速機の全体としての変速比が変化する。すなわち、例えば車速が一定であることによりリングギヤ5の回転数を一定とした場合、無段変速部1をアップシフトして入力要素である入力ディスク9の回転数が低下すると、それに応じて遊星歯車機構における入力回転部であるキャリヤ6およびこれに連結されている入力軸7もしくはエンジン3の回転数が低下し、無段変速機の全体としての変速比が低下してアップシフトが生じる。
このような低速モードで走行している間に、車速の増大に伴って無段変速部1の変速比が増大するとともに無段変速機の全体としての変速比が増大し、遊星歯車機構を構成しているサンギヤ4とキャリヤ6とリングギヤ5との三者の回転数が等しくなる変速比になると、低速モードクラッチ16が解放されるとともに、高速モードクラッチ17が係合させられる。すなわち、モードの切り替えが実行される。その場合、各クラッチ16,17の係合・解放状態の切り替えに伴って変速比が変化しないから、言い換えればいずれの回転部材の回転数も変化しないから、出力軸18のトルクである出力トルクが変化せず、したがって変速ショックが生じない。
高速モードでは、高速モードクラッチ17が係合して遊星歯車機構の全体が一体化されるので、入力軸7から伝達されるエンジン3の出力トルクがそのまま無段変速部1の入力ディスク9に伝達される。そして、パワーローラ8の傾転角度に応じた変速比に従ってトルクが増減されて出力ディスク10からギヤ対13を介して中間軸11にトルクが伝達され、さらにギヤ対19を介して出力軸18に出力される。すなわち、伝動機構部2を構成している遊星歯車機構による差動作用を受けることなく無段変速部1のみを介して、入力軸7から出力軸18にトルクが伝達される。いわゆる直達状態である。
その場合、車速がある程度増大していて無段変速部1に入力される動力が相対的に小さいので、無段変速部1の滑りや耐久性の低下の要因となることはない。そして、この高速モードにおいても、無段変速部1でのトルクの伝達方向は入力ディスク9から出力ディスク10に向けた方向となっている。そのため、低速モードから高速モードに切り替えた場合に、動力伝達系統におけるバックラッシやガタの位置が反転することがないので、これらバックラッシやガタが詰まることによる振動やショックあるいは騒音が生じることはない。
さらに、高速モードで走行している間に車速が低下するなどの走行状態の変化が生じると、高速モードから低速モードへの切り替えが実行される。すなわち、車速などの走行状態の変化に伴って無段変速部1での変速比が低速側に増大させられ、その変速比が所定値に達して遊星歯車機構の全体が一体回転する状態になると、高速モードクラッチ17が解放させられるとともに、低速モードクラッチ16が係合させられる。このように、モードの切り替えをおこなう際の無段変速部1の変速比は、いずれのモードによっても同一となる変速比であるから、モードの切り替えによって回転数の変化や出力トルクの変化が生じず、その結果、モードの切り替えに伴うショックが回避される。なお、高速モードから低速モードに切り替える場合であっても無段変速部1におけるトルクの伝達方向が反転しないので、ショックや騒音などが生じることはない。
また、図1に示す構成では、低速モードでは、遊星歯車機構のサンギヤがトロイダル型無段変速機構の入力ディスク9に連結されるとともに、リングギヤ5が出力ディスク10に連結されるので、その遊星歯車機構のギヤ比、ドライブギヤ14とドリブンギヤ15とのギヤ比、ギヤ対13のギヤ比などが無段変速機の全体の変速比に影響を及ぼす。しかしながら、無段変速機の全体としての変速比は、最終的には、前記ギヤ対19のギヤ比によっても調整することができるので、上記の遊星歯車機構などのギヤ比の設定に自由度が確保され、要求される車両の特性やドライバビリティに適合させることが容易になる。
上述した図1に示す構成では、低速モードにおいて伝動機構部2によってトルクを分配もしくは分割するように構成したが、この発明は、上記の構成に限らず、無段変速部1を経由して伝動機構部2にトルクを伝達する経路と伝動機構部2に直接トルクを伝達する経路とに入力トルクを分割するように構成してもよい。その例を図2にスケルトン図で模式的に示してある。この図2に示す構成では、エンジン3に続けて無段変速部1(上記のトロイダル型無段変速機構)が配置され、その無段変速部1に続けて、伝動機構部2を構成している遊星歯車機構が同一軸線上に配置されている。
無段変速部1は、上述した図1に示す構成と同様のダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機構によって構成されており、エンジン3から出力された動力を伝達する入力軸7が入力ディスク9に連結されている。また、伝動機構部2を構成している遊星歯車機構は、上述した図1に示す構成と同様のシングルピニオン型遊星歯車機構であって、無段変速部1の中心軸線を延長した軸線上に配置されている。そして、無段変速部1における図2での右側に入力ディスク9と遊星歯車機構におけるサンギヤ4とを選択的に連結する低速モードクラッチ16が設けられている。さらに、遊星歯車機構における出力回転部であるキャリヤ6に出力軸18が連結されている。
一方、無段変速部1を構成してるトロイダル型無段変速機構の外周側に中間軸11が平行に配置されている。この中間軸11とトロイダル型無段変速機構における出力ディスク10とがギヤ対21によってトルク伝達可能に連結されている。また、中間軸11と前記遊星歯車機構におけるリングギヤ5との間に、アイドルギヤ22を有するギヤ対23が設けられており、したがって無段変速部1の出力要素と伝動機構部2の反力回転部とが、常時トルク伝達できるように連結されている。そして、この伝動機構部2を構成している遊星歯車機構の全体を一体化させて高速モードを設定するための高速モードクラッチ17が、遊星歯車機構を構成している入力回転部と出力回転部と反力回転部との少なくともいずれか二つとの間、具体的にはキャリヤ6とリングギヤ5との間に設けられている。
図2に示す構成の無段変速機では、エンジン3の出力トルクが入力軸7を介して入力ディスク9に伝達され、そのトロイダル型無段変速機構における変速比に応じてトルクが増減されて出力ディスク10から中間軸11に出力される。さらに、その中間軸11からギヤ対23を介して、伝動機構部2の反力回転部であるリングギヤ5にトルクが伝達される。その場合、高速モードクラッチ17を係合させ、かつ低速モードクラッチ16を解放させれば、中間軸11から高速モードクラッチ17に伝達されたトルクが直接出力軸18に出力される。したがって、無段変速部1のみを介して入力軸7から出力軸18にトルクを伝達するいわゆる高速モードが設定される。そして、この高速モードでは、トロイダル型無段変速機構で設定される変速比に応じて、無段変速機の全体としての変速比が増減する。
これに対して、高速モードクラッチ17を解放し、かつ低速モードクラッチ16を係合させると、入力軸7から伝達されたトルクが、トロイダル型無段変速機構および中間軸11ならびにギヤ対23を介してリングギヤ5に伝達される一方、低速モードクラッチ16を介して、入力回転部であるサンギヤ4に伝達される。すなわち、入力軸7のトルクが、無段変速部1を介して伝動機構部2に伝達する経路と、伝動機構部2に直接伝達する経路とに分割もしくは分配される。そして、各経路のトルクが伝動機構部2を構成している遊星歯車機構によって合成されて出力軸18に出力される。したがって、低速モードでは入力軸7から伝達されたトルクの一部を無段変速部1に作用させるので、無段変速部1に掛かるトルクが相対的に低減される。そのため、無段変速部1もしくはトロイダル型無段変速機構による伝達トルクに制約があるとしても、低速モードにおける無段変速機の全体としての伝達トルク容量が高容量化される。
また、この低速モードでは、サンギヤ4が入力ディスク9に連結されるとともに、リングギヤ5が出力ディスク10に連結されているので、無段変速部1での変速比に応じて無段変速機の全体としての変速比が変化する。すなわち、例えば車速が一定であることによりキャリヤ6の回転数を一定とした場合、無段変速部1をアップシフトして入力要素である入力ディスク9の回転数が低下すると、それに応じて遊星歯車機構における入力回転部であるキャリヤ6およびこれに連結されている入力軸7もしくはエンジン3の回転数が低下し、無段変速機の全体としての変速比が低下してアップシフトが生じる。
なお、図2に示す構成であっても、無段変速部1を構成してるトロイダル型無段変速機構に対するトルクの入力方向もしくはトルクの伝達方向は、低速モードと高速モードとのいずれでも入力ディスク9から出力ディスク10に向かう方向であり、したがってモードの切り替えに伴うショックや振動あるいは異音を防止もしくは抑制することができる。また、低速モードと高速モードとの切り替えは、エンジン3を含む各回転部材の回転数が変化しない状態で実行される。具体的には、低速モードでの無段変速部1における変速比と高速モードでの無段変速部1における変速比とが等しくなる状態、あるいは伝動機構部2を構成している遊星歯車機構の全体が一体化して回転している状態で、各クラッチ16,17の係合・解放状態の切り替えがおこなわれる。その結果、モードの変更に伴う出力軸トルクの変化が防止もしくは抑制されるので、モード切替ショックが防止あるいは緩和される。
ここで、上記のトロイダル型無段変速機構の一例について説明する。図3は、ハーフトロイダル型無段変速機構をそのディスクの中心軸線に対して垂直な面で切断した断面図を示しており、図3での上下方向が使用状態での上下方向である。一対のパワーローラ30が入力軸31を挟んだ左右両側に配置されており、これらのパワーローラ30は入力軸31に嵌合させあるいは遊嵌させられた入力側および出力側の各ディスク32によって挟み付けられている。
各パワーローラ30はトラニオン33によってそれぞれ保持されている。これらのトラニオン33は、パワーローラ30を自転かつ傾転自在に保持するためのものであって、中心側を向く面を平坦面とした保持部34の上下両側にトラニオン軸35が延びて形成されている。図3での上側のトラニオン軸35が軸受36を介してアッパーヨーク37に嵌合させられ、また図3での下側のトラニオン軸35が軸受38を介してロアーヨーク39に嵌合させられている。したがって各トラニオン33は、それぞれトラニオン軸35を中心にして回転できるように各ヨーク37,39によって互いに連結されている。
各トラニオン33における保持部34には、取付軸40と保持軸41とを所定寸法L、偏心させた状態に設けた保持プレート42が取り付けられている。すなわち、保持軸41は、パワーローラ30を回転自在に嵌合させて保持するための軸であって、保持プレート42の中心部に、前記入力軸32に向けて突出した状態に形成されている。これに対して取付軸40は、保持プレート42をトラニオン33に取り付けるための軸であって、保持軸41に対して下側に所定寸法Lずれた位置に、保持軸41とは反対方向に突出した状態に設けられている。そして、各取付軸40が、トラニオン33の保持部34における中心位置から下側に所定寸法Lずれた位置に、軸受43を介して回転自在に嵌合させられている。なお、符号44はスラスト軸受であって、パワーローラ30と保持プレート42との間に配置されている。
したがって図3に示す構成では、各パワーローラ30の回転中心軸線とトラニオン33に対する取付軸40との偏心方向が、左右のトラニオン33で同じになっており、またその偏心量Lも同じになっている。すなわち、左右の各トラニオン33は同一の構造であり、左右のいずれにも組み付けることのできる構成となっている。言い換えれば、各トラニオン33が左右で共用化されている。
なお、上記の偏心量Lは、構成部材の加工誤差や変形などの誤差に起因してパワーローラ30が入力軸32の軸線方向に変位した場合、それに伴うトラニオン軸35の軸線方向への移動量が、変速を生じない不感帯に入っている程度の量となるように設定されている。したがって、その偏心量Lは、偏心方向を左右のトラニオンで上下に異ならせている従来のトロイダル型無段変速機構における偏心量よりも大きく設定されている。
他の構成は、従来のトロイダル型無段変速機構とほぼ同様であり、例えば下側に延びているトラニオン軸35は、油圧シリンダ45におけるピストン46に螺合している。これらの油圧シリンダ45は、トラニオン33と共にパワーローラ30を図3の上下方向に移動させ、それに伴ってディスク33とパワーローラ30との間に生じるサイドフォースによってパワーローラ30をトラニオン33と共に傾転させるためのものである。したがって、左右の油圧シリンダ45は、互いに上下反対方向に同時に動作するようになっている。また、トラニオン33がパワーローラ30と共に傾転した場合にその傾転した状態を維持して元のいわゆる中立位置(サイドフォースの生じない位置)に復帰するように構成されている。
したがって図3に示す構成では、左右のトラニオン33に区別がないので、その組み付けに間違いが生じることが回避されるとともに、構成部品の種類を削減できるうえに、取付軸40が下側にあることにより潤滑油のための油路の配索に要する加工量が少なくなるので、製造コストを低下させることが可能になる。また、取付軸40の偏心方向を左右で同じにするとともに、その偏心量を従来より大きくしたので、変速制御性が向上する。
以上、この発明の具体的な例を説明したが、この発明は上記の各具体例に限定されないのであって、無段変速部はダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機構に限らず、シングルキャビティ式のもので構成されていてもよく、あるいはベルト式無段変速機構によって構成されていてもよい。また、この発明の伝動機構部は、要は、歯車などの機械的な噛み合いによってトルクを伝達する機構であればよいから、上述したシングルピニオン型遊星歯車機構に替えて、ダブルピニオン型もしくはラビニョ型の遊星歯車機構、あるいは適宜の歯車変速機構によって構成されていてもよい。さらに、この発明の各切換機構は単一のクラッチなどの係合機構に限らず、一方向クラッチなどの他の機構を併用したものであってもよい。
さらに、この発明は、低速モードと高速モードとのいずれのモードにおいても無段変速部で入力要素側から出力要素側にトルクが伝達されるように構成されていればよく、したがって高速モードでは無段変速部のみを介して入力部材から出力部材にトルクを伝達する構成以外に、伝動機構部を経て動力を無段変速部に循環させ、その際に無段変速部で伝達するトルクの方向が入力要素側から出力要素側に向けた方向となる構成であってもよい。
この発明の一例を模式的に示すスケルトン図である。 この発明の他の例を模式的に示すスケルトン図である。 この発明で使用可能なトロイダル型無段変速機構の一例を示す断面図である。
符号の説明
1…無段変速部、 2…伝動機構部、 4…サンギヤ、 5…リングギヤ、 6…キャリヤ、 7…入力軸、 8…パワーローラ、 9…入力ディスク、 10…出力ディスク、 11…中間軸、 16…低速モードクラッチ、 17…高速モードクラッチ、 18…出力軸、 19…ギヤ対、 20…電子制御装置。

Claims (6)

  1. 入力要素と出力要素との間の伝動部材を介したトルク伝達を機械的な噛み合いによらずにおこなって前記入力要素と出力要素との間の変速比を無段階に変化させる無段変速部と、機械的な噛み合いによってトルクを伝達する伝動機構部とが、入力部材と出力部材との間に並列に配置された無段変速機において、
    前記入力部材から前記入力要素と前記伝動機構部とにトルクを分配して伝達する低速モードを設定する第一切換機構と、
    前記無段変速部における入力要素から出力要素に向けたトルク伝達によって前記入力部材から出力部材にトルクを伝達する高速モードを設定する第二切換機構と
    を備えていることを特徴とする無段変速機。
  2. 前記第一切換機構によって設定される前記低速モードと前記第二切換機構によって設定される前記高速モードとの切り替えを、前記低速モードでの前記無段変速部の変速比と前記高速モードでの前記無段変速部の変速比とが同一のときに実行する切替制御手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。
  3. 前記伝動機構部が、前記入力部材からトルクの伝達される入力回転部とその入力回転部からトルクが分配されて伝達される二つの出力回転部とによって差動作用をなす分配機構と、いずれか一つの前記出力回転部に前記第一切換機構を介して選択的に連結されるとともに前記出力要素および前記出力部材にトルク伝達可能に連結された中間部材とを備え、
    他の一つの前記出力回転部が前記入力要素に連結され、かつ前記第二切換機構が前記分配機構における少なくともいずれか二つの回転部を互いに連結して前記分配機構の全体を一体回転させる係合機構を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機。
  4. 前記中間部材と前記出力部材との間に、ギヤ比を適宜に設定可能なギヤ対が更に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の無段変速機。
  5. 前記伝動機構部が、互いに差動作用をなす入力回転部と出力回転部と反力回転部とからなる差動機構と、前記無段変速部における出力要素から前記差動機構における前記反力回転部にトルクを伝達する中間部材とを備え、
    前記第一切換機構が、入力部材もしくは入力要素と前記入力回転部とを選択的に連結する係合機構を含み、
    前記第二切換機構が、前記差動機構における少なくともいずれか二つの回転部を互いに連結して前記差動機構の全体を一体回転させる係合機構を含み、
    前記出力部材が前記差動機構における出力回転部に連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機。
  6. 前記無段変速部が、前記入力要素である入力ディスクと前記出力要素である出力ディスクとの間に、前記伝動部材であるパワーローラを挟み込んだトロイダル型無段変速機構によって構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の無段変速機。
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