JP4839211B2 - 燃料電池及び燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池特性の劣化要因のひとつである過酸化水素の生成を抑制できる燃料電池及び燃料電池の製造方法に関する。
燃料電池発電システムは、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより、反応ガスのもつ化学的エネルギを電気エネルギに変換する装置である。電気化学的反応により生成するものは水のみであるため、クリーンな発電機として期待されている。
このような無公害エネルギを利用する燃料電池発電システムに組み込まれる燃料電池本体は、互いに対向配置される燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる単位セルと、それぞれの電極に反応ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)を供給するための反応ガス供給溝(燃料ガス供給溝または酸化剤ガス供給溝)をそれぞれ設けた導電性を有するガス不透過性の燃料ガス供給セパレータおよび酸化剤ガス供給セパレータと、冷却水供給溝を設けた冷却水供給セパレータとからなる単位セルユニットを複数枚積み重ねた燃料電池積層体、および前記反応ガス溝に反応ガスをそれぞれ供給するために燃料電池積層体側面に配置した反応ガス供給マニホールドから構成されている。
なお、反応ガス供給溝に直接水を供給する燃料電池本体では、冷却水供給セパレータを挿入しない場合がある。また、燃料としてメタノール等の液体を使用する場合も反応ガスを反応液と読み替えることで同様の構成とすることができる。
このように構成された燃料電池本体において、燃料ガス供給溝および酸化剤ガス溝にそれぞれの反応ガスを供給すると、単位セルの一対の電極で下記に示す電気化学反応がそれぞれ進行し、電極間で起電力が生じる。
燃料極:2H→4H+4e ……(1)
酸化剤極:O+4H+4e→2HO ……(2)
燃料極では、反応式(1)に示すように、供給した水素ガスを水素イオンと電子に解離する(水素酸化反応)。その際、水素イオンは電解質体を通り、また、電子は外部回路を通り酸化剤極にそれぞれ移動する。
一方、酸化剤極では、反応式(2)に示すように、供給した酸化剤ガス中の酸素と上述の水素イオンおよび電子が電気化学的に反応(酸素還元反応)して水を生成する。このとき、外部回路を通った電子は電流となり、電力を供給することができる。
なお、反応式(1),(2)の反応により生成した水は、燃料電池本体で消費されなかった反応ガスとともに反応ガス排出マニホールドを介して燃料電池本体の外部に排出される。
ところで、燃料電池は、使用されている電解質体の種類により、アルカリ形燃料電池、リン酸形燃料電池、固体高分子形燃料電池、溶融炭酸塩形燃料電池、固体酸化物形燃料電池に分類されている。
これら燃料電池のうち、電解質体として固体高分子電解質膜(以下電解質膜と称する)を使用した固体高分子形燃料電池は比較的低温で運転ができ、起動時間が短く、大きな出力密度が得られることから、定置電源用、車載電源用、携帯電源用として大きな注目を浴びている。
このように注目を浴びている固体高分子形燃料電池の電解質膜には、10〜100ミクロン程度の厚さのパーフルオロカーボンスルホン酸膜、例えば、ナフィオン(商品名:デュポン社製)等が用いられている。
この電解質膜は、燃料ガスと酸化剤ガスを分離する反応ガス分離機能と、燃料極で生成された水素イオンを酸化剤極に運ぶ機能を有していて水素イオン伝導性が優れている。もっとも、この電解質膜は水分を含んでいる場合に良好な水素イオン伝導性を示すものの、水分が少なくなると水素イオン伝導性を著しく低下させる属性を持っている。このため、電解質膜の湿潤度を保つ必要があるが、電解質膜の水分を高くすると反応ガスが電解質膜を透過(クロスリーク又はクロスオーバ)し易くなり対極への反応ガス透過量が多くなる問題点がある。
固体高分子形燃料電池の運転では上記の微量の反応ガスの透過が電池電圧低下を招くことから、反応ガスのクロスリーク防止が重要課題になっている。特に、燃料極から酸化剤極への燃料のクロスリークは酸化剤極の前述の反応式(2)に示す酸素還元反応を阻害し、電池電圧低下を招くことが知られている。
これに対し、電解質膜における反応ガスのクロスリークを抑制する公知例として、以下に述べるものがある。すなわち、電解質膜を透過する反応ガスを固体高分子膜内で反応させるものであり、電解質膜内全体に白金などの金属触媒を分散することを特徴とした技術がある(特許文献1参照)。特許文献1は固体高分子膜内で燃料ガスと酸化剤ガスを反応させることにより膜内で水を生成して、膜を湿潤化させると共に反応ガスのクロスリーク防止を目的としている。この技術によれば、固体高分子膜の湿潤化ができると共に膜の厚さを薄くできること、また反応ガスの透過を防止できることにより高い性能の燃料電池を提供できることが記載されている。
また、酸化剤極に触媒と酸化物と高分子電解質材からなる触媒・酸化物・高分子電解質薄膜層を配置することを特徴とした技術がある(特許文献2参照)。特許文献2によれば、燃料極から酸化剤極に電解質膜を透過した水素ガスを酸化剤極の触媒・酸化物・高分子電解質薄膜層で酸素と反応させることにより電池性能の低下を防止できることが記載されている。
さらに、電解質膜に触媒を含有保持したものがあり、これは電池動作中に電解質膜での水の自己生成反応を効率的に進行させるために、電解質膜中間部に金属を坦持した触媒坦持粒子を含有したものである(特許文献3参照)。特許文献3のように構成することで、必要最小限の金属触媒を有効に活用して、電池動作中のプロトン伝導性が高い電解質膜−電極接合体を提供するものである。なお、以上述べた公知例以外に、触媒層の改良発明として公知例が種々ある(特許文献4、5、6、7を参照)。
最近の研究では、上記と異なる観点から電池電圧の低下の検討が進められている。
例えば、稲葉氏らは、酸化剤極での反応式(2)に示す酸素還元反応の過程で反応式(3)に示す副生反応により過酸化水素(H)が副生され、その過酸化水素が電解質膜の分解を促進することや、反応ガスの透過による局部的発熱が電解質膜を劣化させる等により、電池性能が低下することを報告している(非特許文献1参照)。
+2H+2e→H2……(3)
しかし現在、それらの電解質膜劣化に対する有効な対策は提案されていない。
特開平7−90111号公報 特開2003−86192号公報 特開2003−59511号公報 特許第3411897号 特開2003−59507号公報 特開2004−6306号公報 特開2002−542590号公報 稲葉 他,"PEFC空気極における過酸化水素の副生とNafionに及ぼす影響",第10回燃料電池シンポジウム講演予稿集,P261−264,2003
上記の様に、燃料極から酸化剤極に電解質膜を通して水素が透過すると、酸化剤極での酸素還元反応が阻害され電池電圧は低下することが知られており、種々の対策が提案されている。
一方、発明者等は過酸化水素の生成が電解質膜の劣化を加速することに注目し、自らの最近の研究により以下の新たな知見を得た。すなわち、反応ガスのクロスリークが発生すると過酸化水素の生成が加速される可能性を見出した。さらに、電極触媒層の電位が低いほど、また酸素濃度が高いほど多くの過酸化水素(H)が生成されることを見出した。燃料電池において上記の条件を満足する具体的条件は、燃料極に酸化剤極から酸素がクロスリークする場合である。前記のことから、酸化剤極から電解質膜を通して電位の低い燃料極に酸素がクロスリークすると、燃料極の触媒層で多量の過酸化水素が生成され電解質膜の分解を促進する懸念があることが分かった。その結果、電解質膜の劣化を加速する過酸化水素の生成を抑制するためには酸化剤極から燃料極への酸素の透過を防止することが重要であるとの知見を得た。
以下に発明者等の研究により得た、過酸化水素生成速度に関するデータの一部と詳細な知見を示す。図1は、作用電極の電位および供給ガス中の水素濃度をパラメータとし、二電子反応による酸素還元電流を測定した結果を示す図である。試験は回転リング・ディスク電極(RRDE)法を用い、各値に設定した作用電極(ディスク電極)の電位において作用電極に供給する酸素ベースガス中の水素濃度をパラメータとして、二電子反応による酸素還元電流をそれぞれリング電極にて測定した。
以下に試験条件を示す。回転リング・ディスク電極法は、電解液を入れた容器内に、回転可能に支持したディスク電極と、ディスク電極の周囲に配設されたリング電極から構成されたものにおいて、上記のリング・ディスク電極を回転させると、溶液の流れが発生し、溶液バルク→ディスク電極→リング電極の方向に電解質が輸送される。ディスク電極と、リング電極は、この電解質の輸送によって関連づけられる。回転リング・ディスク電極法は、このような原理に基づいて、電極反応の生成物や中間体に関する情報を得るようにした方法である。
実験条件は以下である。
電解溶液:0.5モルの硫酸水溶液 作用電極 :白金回転リング・ディスク電極
対極 :白金線 電極回転速度:1500(rpm)
測定温度:室温(25℃) 電位基準 :可逆水素電極基準
供給ガス:純水素と純酸素の混合ガス(電解液にバブリングする)
パラメータ:供給ガス組成(酸素と水素の混合割合)および作用電極の電位
図1において、縦軸は前述した反応式(3)の二電子反応により、作用電極で生成した過酸化水素を酸化する時にリング電極に流れる電流(リング電極の酸化電流)であり、この電流値が過酸化水素生成量の指標となる。
前記の電流値が大きいほど過酸化水素生成速度が速いことを意味する。横軸は水素と酸素の混合割合であり、左ほど酸素濃度が高く、右ほど水素濃度が高いことを示す。各シンボルはそれぞれの測定における作用電極の電位を示す。
図1からは、各電極電位において酸素濃度が高いほど過酸化水素生成速度は速くなることまた、同じガス組成であれば電極電位が低いほど過酸化水素生成速度は速くなることがわかる。また、電極電位が低く、酸素濃度が高いときに過酸化水素生成速度が最も速くなることがわかる。
燃料電池における運転では、一般的に水素ガスを供給する燃料極の電極電位は0.03V程度と低く、酸化剤ガス(空気)を供給する酸化剤極の電極電位は0.7V程度以上と高い。回転リング・ディスク電極を使用した上記の要素試験から得られた図1に示す結果からは、電極電位の高い酸化剤極では燃料極からの水素のクロスリークにより酸素に水素が混入しても過酸化水素の生成速度は比較的小さく、電極電位の低い燃料極では酸化剤極からの酸素のクロスリークにより水素に酸素が混入すると過酸化水素生成速度が急激に速くなることがわかる。
上記の実験結果から電解質膜の劣化を加速する過酸化水素の生成を抑制するためには酸化剤極から燃料極への酸素の透過を防止することが極めて重要である。従来、酸化剤極での酸素還元反応阻害の防止を目的として、電解質膜を通した反応ガスのクロスリーク抑制技術が提案されているが、それらは上記の様な過酸化水素生成の抑制による電池性能の安定化が目的ではないためその効果は小さいうえ、いくつかの課題が残されている。
例えば特許文献1や特許文献2に関連する技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術では、電解質膜内全体に白金などの金属触媒を分散する必要があるため、下記の問題が発生する懸念がある。すなわち、電解質膜を透過する酸素を確実に抑制するには電解質膜内に分散する触媒の濃度を一定以上にする必要があり比較的多くの量の触媒量が必要となる。また、触媒など導電性材料を分散することにより、電解質膜自体の電気絶縁性が低下し、燃料極と酸化剤極が電気的に短絡するリスクが高くなる。
また、電解質膜の保水性を向上させるために添加する金属触媒以外の親水材は非絶縁性材料が好ましく、カーボンの様な導電性物質を添加すると電気的短絡のリスクをさらに増加することになる。さらには、電解質膜そのものは樹脂であるため熱伝導性が極めて低く、電解質膜内全体に金属触媒を分散する特許文献1において、電解質膜の中心部で燃料と酸素の反応による反応熱が蓄積し、特に厚い電解質膜を使用すると、膜中心部の温度が上昇し電解質膜の劣化を加速促進する懸念がある。
次に、特許文献2に開示された技術では、触媒・酸化物・高分子電解質薄膜層は酸化剤極の一部として機能するものであり、本来備えている触媒層の機能を補助する第2の触媒層である。電解質膜は反応ガス透過防止機能を備えていないため、透過した水素ガスは第2の触媒層である触媒・酸化物・高分子電解質薄膜層で酸素ガスと反応することになる。特許文献2では上記のように透過した水素を触媒・酸化物・高分子電解質薄膜層で消費するものであり、酸素の透過防止機能を期待することはできない。
一方、酸化剤極で水素ガスと酸素ガスが直接反応すると上記反応式(2)に示す酸素還元反応と同時に反応式(3)に示す反応を促進し、酸化剤極で過酸化水素が生成する恐れがある。
上記のことから透過した水素を酸化剤極の一部である触媒・酸化物・高分子電解質薄膜層で酸素ガスと反応させる特許文献2では電解質膜の劣化を防止することはできず、電池性能が低下する。
そこで本発明の目的は、酸化剤極から燃料極への酸素の透過を効果的に防止することが可能で、この結果過酸化水素の生成が抑制され、電解質体の劣化を防止できると共に、長期間安定して高い電池特性を維持できる燃料電池及び燃料電池の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、互いに対向配置する燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる燃料電池において、前記電解質体は複数の電解質層からなり、このうちの前記燃料極および前記酸化剤極の少なくとも燃料極に接する電解質層は、前記酸化剤極から前記燃料極への酸素の透過を防止する層であって、該層内に金属触媒を分散した状態で含有していることを特徴とする燃料電池である。
図1は、作用電極の電位および供給ガス中の水素濃度をパラメータとした過酸化水素を酸化する時にリング電極に流れる電流を測定した結果を示す図である。 図2は、本発明の実施例1の燃料電池の単位セルを示す断面図である。 図3は、本発明の実施例2、3、4の燃料電池の単位セルを示す断面図である。 図4は、本発明の実施例5の燃料電池の単位セルを示す断面図である。 図5は、図2〜図4における単位セル及び従来の単位セルの酸素ガス透過量を示す図である。 図6は、本発明の実施例1および実施例5の単位セル並びに従来の単位セルにおける電流密度と電圧の特性図である。 図7は、本発明の実施例1、3、5の単位セル及び従来の単位セルにおける発電時間と燃料電池のセル電圧を示す特性図、並びに本発明の実施例5の単位セル及び従来の単位セルにおける発電時間とフッ素排出速度を示す特性図である。 図8は、本発明の実施例2および実施例3の単位セル並びに従来の単位セルの電流密度と電圧の特性図である。 図9は、本発明の実施例3に示した第2の電解質層の内部構造を示す概念図である。 図10は、本発明の実施例4に示した第2の電解質層の内部構造を示す概念図である。 図11は、本発明の実施例3の単位セルと実施例4の単位セルの内部抵抗を比較した図である。 図12は、本発明の実施例4に示した第2の電解質層の内部構造を示す概念図である。 図13は、本発明の実施例6における電解質層の製造工程を示す図である。 図14は、本発明の実施例7における電解質層の製造工程を示す図である。 図15は、本発明の実施例8における電解質層の製造工程を示す図である。 図16は、本発明の実施例7における触媒層及び電解質層界面の断面模式図である。 図17は、本発明の実施例8における触媒層及び電解質層界面の断面模式図である。 図18は、白金−コバルト触媒で生じる過酸化水素を酸化する時にリング電極に流れる電流を測定した結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図2、図3、図4はそれぞれ、異なる本発明の実施形態を説明するための燃料電池の単位セル断面図である。始めに、概略構成について説明する。それぞれの単位セルは互いに対向配置される燃料極2及び酸化剤極1の間に、イオン伝導性を有する電解質体3(スルホン基を含むフッ素系スルホン酸高分子膜)を配置してなる燃料電池において、次のように構成したものである。
図2に示す「本発明の単位セルA」の電解質体3は第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bの2層構成であって、酸化剤極1の酸化剤極触媒層1B側に電解質層3Aを、燃料極2の燃料極触媒層2B側に第2の電解質層3Bをそれぞれ配置した構成である。
該第2の電解質層3Bは酸化剤極1から燃料極2への酸素の透過を防止する層であって、第2の電解質層3B内に、後述する材料からなる触媒を、例えば分散した状態で含有している。以上述べた単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4と燃料ガス供給用セパレータ5で挟んで単セルユニットを構成している。
図3に示す「本発明の単位セルB」の電解質体3は第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bの2層構成であって、酸化剤極1の酸化剤極触媒層1B側に電解質層3Bを、燃料極2の燃料極触媒層2B側に第1の電解質層3Aを、それぞれ配置した構成である。
該第2の電解質層3Bは酸化剤極1から燃料極2への酸素の透過を防止する層であって、第2の電解質層3B内に、後述する材料からなる触媒を、例えば分散した状態で含有している。以上述べた単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4と燃料ガス供給用セパレータ5で挟んで単セルユニットを構成している。
図4の「本発明の単位セルC」の電解質体3は第1の電解質層3Aを第2の電解質層3Bで挟んだ3層構成であって、酸化剤極1の酸化剤極触媒層1B側および燃料極2の燃料極触媒層2B側に電解質層3Bをそれぞれ配置した構成である。
第2の電解質層3Bは酸化剤極1から燃料極2への酸素の透過を防止する層であって、第2の電解質層3B内に、後述する材料からなる触媒を、例えば分散した状態で含有している。以上述べた単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4と燃料ガス供給用セパレータ5で挟んで単セルユニットを構成している。
なお、以上説明した「本発明の単位セルA」「本発明の単位セルB」「本発明の単位セルC」に使用した酸化剤極1、燃料極2はそれぞれ、拡散層と触媒層から構成されているが、その間にカーボンなどで形成した中間層を配置してもよい。
上記の本発明の単位セル構成におけるそれぞれの電解質体3の酸素透過防止効果を評価するために以下の試験を実施した。サンプルである電解質体を2枚のガス拡散性の板で挟み、両面に反応ガスをそれぞれ供給および排出できるホルダーにセットした。前記サンプルの一方の面に予め加湿した純水素を、他方の面に予め加湿した純酸素をそれぞれ供給し、排出される純水素の中に含まれる酸素をガス分析装置にて定量することにより、純酸素供給側から純水素供給側に透過する酸素を評価した。
なお、本試験では触媒層における水素ガスと酸素ガスの反応による酸素消費の効果を除外するために、酸化剤極触媒層1Bおよび燃料極触媒層2Bは形成していない。また、比較例として従来の電解質層である第1の電解質層3Aを2枚貼り合わせた電解質体についても同様の試験を実施した。従来の単位セルでは、通常1枚の電解質体を使用するが、本試験では2枚張り合わせの影響を除外するために前記の構成とした。但し、1枚の電解質体と本比較例の電解質体の酸素透過量はほぼ同じであったことから、以下、「従来の単位セル」の電解質体と称する。
電解質体への純水素および純酸素の供給面は、「本発明の単位セルA」「本発明の単位セルB」「本発明の単位セルC」の構成にそれぞれ準じる。
図5に各単位セル構成の電解質体における酸素透過速度(透過量)測定結果を示す。
「本発明の単位セルA」の電解質体の酸素透過速度は「従来の単位セル」の25%程度であり、十分な酸素透過防止効果があることがわかる。「本発明の単位セルB」の電解質体の酸素透過速度は「従来の単位セル」の65%程度であり、「本発明の単位セルA」と比較してその効果は小さいが、酸素透過防止効果が確認された。「本発明の単位セルC」の電解質体の酸素透過速度は「従来の単位セル」の7%程度であり、最も高い酸素透過防止効果が得られた。これは、「本発明の単位セルA」と「本発明の単位セルB」の両方の効果が発揮されているものと思われる。
上記の様に第2の電解質層3Bを燃料極2側に配置した、「本発明の単位セルA」及び「本発明の単位セルC」の電解質体の酸素透過防止効果が比較的高かった。
その理由として以下のことが考えられる。
一般的に、固体高分子電解質膜中の物質の拡散は濃度拡散であり、電解質膜内で濃度分布が生じている。酸素の透過係数は水素の透過係数と比較して数分の一と小さいことから、燃料極2側の第2電解質層3Bの酸素濃度は比較的低い一方、水素濃度は比較的高くなっていることが考えられる。依って、この領域に触媒を集中的に含有保持することにより、電解質層内で酸素を水素と効果的に反応させ消費することができる。なお、酸素が消費する反応は反応式(4)によると考えられる。
2H+O→2HO ……(4)
なお、燃料極2側の第2の電解質層3Bにはある程度の電子絶縁性を確保しておく必要がある。含有保持する触媒量が多過ぎると第2の電解質層の電子伝導性が高くなる。第2の電解質層3Bの電子伝導性が高くなると、燃料極2に接する第2の電解質層3B内に含有保持した触媒の電位が燃料極の(比較的低い)電位に近づくため、図1で示した様に、電解質層内での水素と酸素の反応においても過酸化水素が生成してしまう。このため、第2の電解質層3Bの電子絶縁性をある程度確保しておくことが必要となる。なお、若干の電子導電性の増加は許容できる。本発明では本来の電解質層(第1の電解質層3A)を配置しているため第2の電解質層3Bの電子伝導性が若干上昇しても単位セルとしての電気的短絡は生じない。
一方、第2の電解質層3Bを酸化剤極1側に配置した、「本発明の単位セルB」の電解質体の酸素透過防止効果が比較低かった。その理由としては、上記の燃料極2側に第2の電解質層3Bを配置した場合とは逆に、酸化剤極1側の第2の電解質層3Bの酸素濃度は比較的高い一方、水素濃度は比較的低くなっていると考えられる。依って、この領域に触媒を含有保持しても一部の酸素は水素と反応せずに透過すると考えられる。但し、酸化剤極1側に配置した第2の電解質層3Bは多少電子絶縁性を犠牲にしても多くの触媒を添加することにより、酸素透過防止効果を高めることができる。これは、第2の電解質層3Bの電子絶縁性が低下しても、含有保持した触媒の電位は酸化剤極の(比較的高い)電位に近づくため、図1で示した様に過酸化水素の生成は加速されない。
上記の様に「本発明の単位セルA」「本発明の単位セルB」「本発明の単位セルC」の構成の電解質体3は酸化剤極1から燃料極2への酸素の透過を効果的に防止することができる。特に、第2の電解質層3Bを酸化剤極1と燃料極2の両極側に配置した「本発明の単位セルC」の構成の電解質体3の効果は著しく大きい。上記の作用の効果として、過酸化水素の生成を抑制でき電解質体3の劣化を防止できると共に、長期間安定して高い電池特性を維持できる。
また、本発明では第2の電解質層3Bを、酸化剤極1または燃料極2のような熱伝導性の高い電極のいずれかに接触して配置していることから酸素と水素の反応熱は第2の電解質層3B内に蓄積されることなくいずれかの電極により除去されることから、反応熱による電解質体へのダメージを小さくできる効果もある。
本実験では、イオン伝導性基としてスルホン基を含むフッ素系スルホン酸高分子膜を電解質層として使用したが、カルボキシル基、リン酸基のようなイオン伝導性基を含む高分子膜であれば同様の効果が得られる。
また、第2の電解質層3Bに含有する触媒としてカーボン担持白金を使用したが、カーボンに担持する必要はなく、また、触媒作用を持つ金属であればコバルト、パラジウム、金、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、いずれを使用してもまた併せて使用しても同様の効果が得られる。特に白金−コバルト触媒は触媒活性が高く、過酸化水素生成抑制効果が高いことから、電解質層3Bに含有する触媒として特に有効である。
図18は回転リング・ディスク電極法による、各電位での過酸化水素生成量の測定結果である。横軸は作用電極の電位、縦軸は過酸化水素生成量の指標である過酸化水素を酸化する時にリング電極に流れる電流(リング電極の酸化電流)である。参考に白金触媒での測定値も記載した。白金触媒と比較して、特に低電位での過酸化水素の生成量が少ないことが分かる。なお、本実施形態では、燃料を水素ガスとする燃料電池について説明したが、液体を燃料とした燃料電池(ダイレクトメタノール形燃料電池:DMFC)にも同様の効果が得られる。
上記に示した、酸化剤極から燃料極への酸素の透過を防止する電解質層を有する本発明の単位セルを製造する際、燃料極、電解質体、酸化剤極を同時に熱圧着して一体構成とすることが好ましい。このことによりそれぞれ部材の接触性が向上し、高い性能の単位セルを製造できるだけではなく、前記の単位セルを複数積層して燃料電池スタックを製造する場合も取り扱いが容易となる。
また、前記の電解質体の製造において、触媒を含有する第2の電解質層を樹脂シート上に予め成形することにより、第2の電解質層を薄く形成することができ、製造時における第2の電解質層の破れを防止でき製造も容易となる。前記の樹脂シート上成形した第2の電解質層は、触媒を含有する電解質層以外の電解質層または燃料極または酸化剤極のいずれかに熱圧着した後、前記の樹脂シートを剥離することにより、第2の電解質層を破損することなく単位セルを製造できる。
以下に本発明の具体的な実施例を示す。
本発明の実施例1の燃料電池の単位セルユニットを、図2を用いて説明する。なお、本実施例1の単位セルの構造は、図5に示す単位セルAの構造と同一である。実施例1の単位セルユニットは、酸化剤極触媒層1Bと酸化剤極拡散層1Aからなる酸化剤極1と燃料極触媒層2Bと燃料極拡散層2Aからなる燃料極2の間に第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bからなる電解質体3を配置した単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4と燃料ガス供給用セパレータ5で挟んで構成している。なお、第2の電解質層3Bは燃料極触媒層2Bと直接接触するように配置している。
第1の電解質層3Aは水素イオン交換基として、スルホン酸基を有するフッ素系スルホン酸高分子膜とし、膜厚25ミクロンのナフィオン膜(デュポン社製)を用いた。第2の電解質層3Bは水素イオン交換基として、スルホン酸基を有するフッ素系スルホン酸高分子膜にカーボンに担持した触媒作用を有する金属を含有保持させ、膜厚10ミクロンとした。
次に本実施例1の単位セルの製造方法を説明する。
燃料極2は、カーボンペーパーをポリテトラフルオロエチレンにより撥水処理した燃料極拡散層2Aに触媒ペーストを塗布し燃料極触媒層2Bを形成した構造としている。触媒ペーストは、カーボンブラックに白金40wt%を担持したカーボン担持触媒にフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶液を加えてペースト状にしたものである。このペーストを白金塗布量が0.4mg/cmになるように塗布して、70℃で乾燥することにより溶剤を除去した。なお、燃料極触媒層2Bを形成する面に、予めカーボン粉末とフッ素樹脂からなる薄膜を形成したが、図2では記載を省略している。
次に、酸化剤極1は、燃料極2と同様の工程によって製作した。但し、触媒としてカーボンブラックに白金50wt%担持したカーボン担持触媒を使用し、白金塗布量が0.4mg/cmになる様に塗布した。
第2の電解質層3Bは、カーボンブラックに白金50wt%を担持したカーボン担持触媒をフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶液に分散したペーストをポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布し、70℃の条件下で、減圧乾燥して成膜した。カーボン担持触媒と高分子電解質の混合重量比は20:80となるようにペーストの組成を調整し、膜厚さを10ミクロンとした。成膜後、ポリテトラフルオロエチレンシートから第2の電解質層3Bを引き剥がし、電気抵抗を測定したところ0.4MΩ程度であり十分な電子絶縁抵抗を備えていることを確認した。上記の酸化剤極1と第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bと燃料極2を前記の順に重ね合わせ、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着した。
4つの構成部材を一度に熱圧着することにより製造時間の短縮が図れた。
上記の様に製造した単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4、燃料ガス供給用セパレータ5で挟み込み単位セルユニットを構成した。前述の手順で作成した単位セルユニットの発電試験を実施した。
次に、発電試験結果について説明する。なお、比較例として触媒を含有させない従来の電解質体を使用した単位セルユニットを上記と同様の電極により製作し、発電試験を実施した。図6は、本実施例による実施例1の単位セルと、従来の単位セルについての電流−電圧特性を示したものである。
図6に示したように、実施例1の単位セルは開路電圧、各電流密度でのセル電圧ともに従来の単位セルと比較して若干の改善がみられた。
次に、図7に本実施例による実施例1の単位セルと従来の単位セルについて、セル電圧の経時変化をそれぞれ示す。実施例1の単位セルの初期セル電圧は従来の単位セルと比較して若干改善がみられる。一方、セル電圧の低下速度は従来セルと比較して大幅に改善されていることが分かる。
これは、図5で示したように、燃料極側に第2の電解質層を配置することにより、酸化剤極側から燃料極側への酸素の透過を効果的に防止でき、過酸化水素生成による電解質層の劣化を最小限できたことによると考えられる。
本発明の実施例2の燃料電池単位セルユニットを、図3を用いて説明する。なお、本実施例2の単位セルの構造は、図5に示す単位セルBの構造と同一である。
実施例2の単位セルユニットは、酸化剤極触媒層1Bと酸化剤極拡散層1Aからなる酸化剤極1と燃料極触媒層2Bと燃料極拡散層2Aからなる燃料極2の間に第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bからなる電解質体3を配置した単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4と燃料ガス供給用セパレータ5で挟んで構成している。なお、第2の電解質層3Bは酸化剤極触媒層1Bと直接接触するように配置している。
第1の電解質層3Aは水素イオン交換基として、スルホン酸基を有するフッ素系スルホン酸高分子膜とし、膜厚25ミクロンのナフィオン膜(デュポン社製)を用いた。第2の電解質層3Bは水素イオン交換基として、スルホン酸基を有するフッ素系スルホン酸高分子膜に触媒作用を有する金属触媒として白金黒を含有保持させ、膜厚10ミクロンとした。
次に本実施例2の単位セルの製造方法を説明する。燃料極2および酸化剤極1は、実施例1で示した方法によりそれぞれ製造した。第2の電解質層3Bは、水に分散した白金黒にフッ素系スルホン酸高分子樹脂を溶液に加えたペーストをポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布し、70℃の条件下で、減圧乾燥し成膜した。なお、白金黒と高分子電解質の混合重量比は5:95となるようにペーストの組成を調整し、膜厚さを10ミクロンとした。成膜後、ポリテトラフルオロエチレンシートから第2の電解質層3Bを引き剥がし、電気抵抗を測定したところ、1MΩ以上であり電子絶縁性が確保されていることを確認した。
上記の燃料極2と第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bと酸化剤極1を前記の順に重ね合わせ、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着した。4つの構成部材を一度に熱圧着することにより製造時間の短縮が図れた。
上記の様に製造した単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4、燃料ガス供給用セパレータ5で挟み込み単位セルユニットを構成した。
前記の手順で作成した単位セルユニットの発電試験結果について説明する。なお、比較例として触媒を含有させない従来の電解質体を使用した単位セルユニットを上記と同様の電極により製作し、発電試験を実施した。
図8は、本実施例による実施例2の単位セルと、従来の単位セルについての電流−電圧特性を示したものである。この場合の発電条件は以下の通りであり、単位セル温度は、80℃、反応ガスは純水素/空気、反応ガス加湿温度は80℃/70℃、反応ガス利用率は70%/40%である。
図8に示したように、実施例2の単位セルは従来の単位セルと比較して、開路電圧が高く、また各電流密度においてセル電圧が高い値を示した。従来の単位セルでは、燃料極2から酸化剤極1に水素ガスが透過し、酸化剤極触媒層1Bの触媒上で水素ガスが直接酸素ガスと反応するために、開路状態でも短絡電流が流れ、開路電圧が低くなったと考えられる。また、透過した水素ガスはカソード触媒での酸素還元反応を妨害し、各電流密度におけるセル電圧低下の要因となっていると思われる。これに対して実施例2の単位セルでは、燃料極2から透過してきた水素ガスは酸化剤極から透過してきた酸素ガスと第2の電解質層3B内の白金黒上で反応することにより、酸化剤極に到達する前に消費されて水となる。すなわち、酸化剤極1側に配置した第2の電解質層3は酸素透過防止機能および水素透過防止機能を有効に発揮していると思われる。
なお、本実施例と同様の第2の電解質層を燃料極側に配置した実施例1の単位セルを評価した結果(図6参照)では、開路電圧、各電流密度での電圧ともに従来の単位セルの電池特性よりは改善は見られるが、本実施例ほどの高い改善効果を示さなかった。これは、電解質体3中の水素と酸素の濃度の差によるものと思われる。電解質体3を通過するガス透過速度はセル運転温度、電解質体の保水量に依存するが、一般的に酸素に比較して水素の透過速度は数倍大きい。このため、燃料極2側に第2の電解質層を形成しても前記電解質層内での水素濃度は酸素濃度よりも大きくなることから、酸素と反応しない過剰の水素が前記膜内を通過してしまう。水素は結果的に第1の電解質層を通過して酸化剤極1に透過することになる。一方、酸化剤極1側に第2の電解質層を形成した場合、前記第2の電解質層内の酸素濃度は高く、燃料極2から透過してきた水素と反応し水素透過を効果的に防止することができる。
以上のように、実施例2の単位セルでは、酸化剤極1と第1の電解質層3Aとの間に第2の電解質層3Bを配置することにより、酸化剤極1から燃料極2への酸素透過防止機能があるだけではなく、燃料極2から酸化剤極1への水素透過防止機能に優れることが分かった。このことにより、酸化剤極触媒層1Bの電極反応阻害が発生せず、高いセル電圧を得ることができ、従来の方法と比較して使用する金属触媒を少なくすることができる。また、第2の電解質層3Bに内在保持する金属触媒の濃度を高くすることにより、さらに薄い層でも十分な酸素透過防止および水素透過防止効果を発揮することができ、高いセル電圧を得ることができる。また、第2の電解質層3Bの触媒金属濃度を高くし薄膜とした場合は、第2の電解質層3B内で発生した生成熱は酸化剤極1の熱伝導により速やかに除去されるために、反応熱による第2の電解質層3Bへのダメージを防止することができる。
ここで、金属触媒の濃度を高くすることにより電子絶縁性が多少低下しても、第1の電解質層3Aが電気絶縁を維持するため、単位セル内の内部短絡は発生しない効果もある。
本実施例では触媒作用を有する金属に白金を用いたが、コバルト、パラジウム、金、イリジウム、ロジウム、ルテニウムを単独または混合して用いても同様の効果が得られた。また、第2の電解質層3Bは水素イオン交換基として、スルホン基を有するフッ素系スルホン酸高分子樹脂を使用したが、カルボキシル基、リン酸基等のイオン伝導性基を有するイオン伝導性樹脂を使用しても同様の効果が得られる。
次に実施例3について図9を用いて説明する。実施例3における単位セルユニットは、図3に示す実施例2の単位セルユニットと同様の構成である。
但し、図9に示すように第2の電解質層に含有保持した触媒作用を有する金属触媒7はカーボン材料6に担持されている点が異なる。次に本実施例3の単位セルの製造方法を説明する。
燃料極2、酸化剤極1は実施例2と同様に製作した。第2の電解質層3Bは、カーボンブラックに白金50wt%を担持したカーボン担持触媒をフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶液に分散したペーストをポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布し、70℃の条件下で、減圧乾燥して成膜した。カーボン持白金触媒と高分子電解質の混合重量比は20:80となるようにペーストの組成を調整し、膜厚さを10ミクロンとした。成膜後、ポリテトラフルオロエチレンシートから第2の電解質層3Bを引き剥がし、電気抵抗を測定したところ0.3MΩ程度であり実施例2と比較して若干の電子導電性が確認されたが、十分な電子絶縁抵抗を備えている。
上記の燃料極2と第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bと酸化剤極1を前記の順に重ね合わせ、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着した。4つの部材を一度に熱圧着することにより製造時間の短縮が図れる。
次に、発電試験結果について図8を用いて説明する。発電条件は実施例2と同様である。図8に示したように、実施例3の単位セルの電流−電圧特性は、実施例2の単位セルと比較してさらに開路電圧が高く、また各電流密度において高いセル電圧を示した。電池特性が向上するメカニズムは実施例2に示したものと同様であると考えられる。本実施例3では第2の電解質層3Bの電子絶縁性は若干低下したが、第1の電解質層3Aがあるために、内部短絡が発生せずに高い開路電圧が得られている。また、本実施例3では、触媒能力を有する白金をカーボンブラックに担持しており、実施例2で用いた白金黒と比較して表面積が大きくなっているために、触媒活性が向上した分、水素透過防止効果が向上したと考えることができる。
次に、図7に本実施例による実施例3の単位セルと従来の単位セルについて、セル電圧の経時変化をそれぞれ示す。実施例3の単位セルの初期セル電圧は従来の単位セルと比較して大幅な改善がみられる。また、セル電圧の低下速度は従来セルと比較して改善されていることが分かる。
これは、図5で示したように、酸化剤極側に第2の電解質層を配置することにより、酸化剤極側から燃料極側への酸素の透過を効果的に防止でき、過酸化水素生成による電解質層の劣化を低減できたことによると考えられる。
以上のように、本実施例3の単位セルでは、酸化剤極1と第1の電解質層3Aとの間に第2の電解質層3Bを配置することにより、酸化剤極1から燃料極2への酸素透過防止機能があるだけではなく、燃料極2から酸化剤極1への水素の透過を効果的に防止することができる。このことにより、酸化剤極触媒層1Bの電極反応阻害が発生せず、高いセル電圧を得ることができる。また、第2の電解質層3Bは薄く形成することができ、従来の方法と比較して使用する金属触媒を少なくすることができる。
また、第2の電解質層3Bに含有保持する金属触媒の濃度を高くすることにより、さらに薄い層でも十分な水素透過防止効果を発揮することができ、高いセル電圧を維持することができる。金属触媒の濃度を高くすることにより電子絶縁性は低下したが、第1の電解質層3Aが電気絶縁を維持するため、セル内の内部短絡は発生しない効果も有った。
本実施例では触媒作用を有する金属をカーボンブラックに担持させたが、カーボンナノチューブ、カーボン繊維、フラーレンに担持させても同様の効果が得られる。
また、本実施例では触媒作用を有する金属に白金を用いたが、コバルト、パラジウム、金、イリジウム、ロジウム、ルテニウムを用いても同様の効果が得られる。
次に実施例4について図10を用いて説明する。実施例4の単位セルユニットは、図3に示す実施例2の単位セルユニットと同様の構成であるが、図10に示すように第2の電解質層に含有保持した触媒作用を有する金属触媒7を酸化物8に担持させた点が異なる。
次に本実施例4の単位セルの製造方法を説明する。
燃料極2、酸化剤極1は実施例1と同様に製作した。第2の電解質層3Bは水に分散した白金30wt%担持の二酸化チタンにフッ素系スルホン酸高分子樹脂を溶液に加えたペーストをポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布し、70℃の条件下で、減圧乾燥して成膜した。白金と高分子電解質の混合重量比は5:95となるようにペーストの組成を調整し、膜厚さを10ミクロンとした。成膜後、ポリテトラフルオロエチレンシートから第2の電解質層3Bを引き剥がし、電気抵抗を測定したところ1MΩ以上であった。なお、白金担持二酸化チタンは、塩化白金酸水溶液中に二酸化チタン分散しホルムアルデヒドにより白金を還元させることにより作成した。
上記の燃料極2と第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bと酸化剤極1を前記の順に重ね合わせ、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着した。本実施例4の単位セルを発電試験した結果、実施例3と同様に従来の単位セルと比較して開放電圧の向上、各電流密度でのセル電圧の向上が確認できた。
次に、担持体を二酸化チタンとした付随効果について図11を用いて説明する。図11は前記の実施例3の単位セルと本実施例4の単位セルについて1kHzの交流インピーダンス法により測定した内部抵抗の測定値の比較を示す。実施例3の単位セルと比較して、実施例4の単位セルの内部抵抗は低い値となった。内部抵抗が低下した分セル電圧の向上が見込める。本実施例4の単位セルでは、触媒作用を有する金属触媒7を酸化物8に担持させることにより、第2の電解質層3B内の金属触媒7上で生成した水を、酸化物8が保水するために、電解質層の含水量が向上しセル内部抵抗が低くなったと考えられる。
本実施例では、酸化物に二酸化チタン(TiO)を用いたが、二酸化珪素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化第二錫(SnO)、酸化アルミニウム(Al)、二酸化セリウム(CeO)を用いても同様の効果が得られる。また、図12に示すように第2の電解質層3Bにはカーボン材料6に担持した触媒作用を有する金属触媒7と酸化物8をそれぞれ含有在保持させた場合も同様の効果が得られた。
本発明の実施例5の燃料電池の単位セルユニットを、図4を用いて説明する。なお、本実施例5の単位セルの構造は、図5に示す単位セルCの構造と同一である。実施例5の単位セルユニットは、酸化剤極触媒層1Bと酸化剤極拡散層1Aからなる酸化剤極1と燃料極触媒層2Bと燃料極拡散層2Aからなる燃料極2の間に、第1の電解質層3Aと第2の電解質層3Bからなる電解質体3を配置した単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4と燃料ガス供給用セパレータ5で挟んで構成している。なお、第2の電解質層3Bは第1の電解質層3Aの両面に配置しており、酸化剤極触媒層1Bと燃料極触媒層2Bとそれぞれ直接接触している。
第1の電解質層3Aは水素イオン交換基として、スルホン酸基を有するフッ素系スルホン酸高分子膜とし、膜厚25ミクロンのナフィオン膜(デュポン社製)を用いた。第2の電解質層3Bは水素イオン交換基として、スルホン酸基を有するフッ素系スルホン酸高分子膜にカーボンに担持した触媒作用を有する金属を含有保持させ、膜厚10ミクロンとした。
次に、本実施例5の単位セルの製造方法を説明する。燃料極2および酸化剤極1は実施例1と同様に製作した。第2の電解質層3Bは、カーボンブラックに白金50wt%を担持したカーボン担持触媒をフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶液に分散したペーストをポリテトラフルオロエチレンシート上に塗布し、70℃の条件下で、減圧乾燥して成膜した。カーボン担持触媒と高分子電解質の混合重量比は20:80となるようにペーストの組成を調整し、膜厚さを10ミクロンとした。成膜後、ポリテトラフルオロエチレンシートから第2の電解質層3Bを引き剥がし、電気抵抗を測定したところ0.4MΩ程度であり十分な電子絶縁抵抗を備えている。
上記の様に成膜した2枚の第2の電解質層3Bを第1の電解質層3Aの両面にそれぞれ配置し、120℃のホットローラにて接着して電解質体3とした。
上記の酸化剤極1と電解質体3と燃料極2を重ね合わせ、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着した。上記の様に製造した単位セルを酸化剤ガス供給用セパレータ4、燃料ガス供給用セパレータ5で挟み込み単位セルユニットを構成した。
前記の手順で作成した単位セルユニットを実施例1と同様に発電試験した。次に、発電試験結果について説明する。図6は、本実施例による実施例5の単位セルと、従来の単位セルと、実施例1の単位セルについての電流−電圧特性を示したものである。図6に示したように、実施例5の単位セルは開路電圧、各電流密度でのセル電圧ともに従来の単位セルおよび実施例1と比較して大きな改善が見られた。これは、図5に示すように実施例5の構成では燃料極2から酸化剤極1への水素ガスの透過を効果的に防止できているためであると思われる。
次に、図7に本実施例による実施例5の単位セルと従来の単位セルについて、セル電圧および排出ガス中の水に含まれるフッ素イオン量(フッ素排出速度とした計算値)の経時変化をそれぞれ示す。なお、フッ素は電解質膜の構成材料であり、排出ガス中のフッ素量を測定することにより、電解質膜の劣化速度を推定できる。フッ素排出速度が大きいほど電解質膜の劣化速度が大きい。従来の単位セルと比較し、本実施例5の単位セルのセル電圧は高く、セル電圧の低下速度は大幅に改善されていることが分かる。また、本実施例5の単位セルのフッ素排出速度が小さくなっていることからも、上記の改善効果が分かる。
これは、図5で示したように、燃料極側および酸化剤極側にそれぞれ第2の電解質層を配置することにより、酸素と水素の透過をそれぞれ効果的に防止でき、酸化剤極の電位の低下および燃料極での過酸化水素生成による電解質層の劣化を最小限とできたことによると考えられる。実施例5の単位セルでは実施例1と実施例3に示した両方の効果を得ることができた。
なお、試験後の分解調査により電解質層の損傷状態を調査したが、過熱等による電解質層の損傷等は観察されなかった。これは、第2の電解質層内で発生した反応熱が隣接する電極に伝熱されている効果であると思われる。
実施例6について図13を用いて説明する。なお、図13は単位セルの製造工程の一部を示したものである。触媒作用を有する金属触媒7としての白金黒を分散したフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶液をポリテトラフルオロエチレンのシート9上に塗布し、膜厚さ10ミクロンの第2の電解質層3Bを形成した。白金黒と高分子電解質の混合重量比は10:90とした。膜厚が薄いにも係わらず、ピンホールなどの破損がなく、均一厚さの薄膜を再現性良く作成することができた。
なお、一般的に膜厚が薄い電解質層3Bは強度が低いため、大きな面積の単位セルを作成する場合は単独膜としての取り扱いが非常に困難であるが、本実施例の様にポリテトラフルオロエチレンのシート9に形成することにより取り扱いが容易となる。前記第2の電解質層3Bを膜厚さ25ミクロンの第1の電解質層3Aにホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で3分間熱圧着することにより電解質体3を得た。その後、第2の電解質層3Bに付いているポリテトラフルオロエチレンのシート9を剥がしたが、電解質体3の膜厚は35ミクロンであり、取り扱い容易な均一厚さの膜であった。前記の工程より得られた電解質体3の両面に酸化剤極1と燃料極2をそれぞれ配置し、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着することにより膜電極複合体を形成した。なお、燃料極、酸化剤極は実施例1と同仕様のものを用いた。
前記の単位セルを実施例1と同様に発電試験を行い、実施例1の単位セルと同様の効果が得られることを確認した。本実施例6では樹脂シートに予め第2の電解質層を形成し、第1の電解質膜層に熱圧着することにより、膜厚が薄い電解質層3Bを形成できるため、より高いセル特性を得ることができる。
実施例7について図14を用いて説明する。なお、図14は単位セルの製造工程の一部を示したものである。実施例6と同様の手順でポリテトラフルオロエチレンのシート9上に第2の電解質層3Bを形成した。前記第2の電解質層3Bを燃料極2にホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で3分間熱圧着することにより電解質層付き燃料極を作成した。第2の電解質層3Bに付いているポリテトラフルオロエチレンのシートを剥がしたが、第2の電解質層3Bにはピンホール、破れなどの欠陥は無かった。
前記の工程より得られた酸化剤極と燃料極を膜厚さ25ミクロンの第1の電解質層3Aを挟んで、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着することにより単位セルを形成した。前記の単位セルを実施例1と同様に発電試験を行い、実施例1の単位セルと同様の効果が得られることを確認した。本実施例7では、樹脂シートに予め第2の電解質層を形成し、酸化剤極に熱圧着することにより、膜厚が薄い電解質層3Bを作成することができるため、より高いセル特性を得ることができる。
実施例8について図15を用いて説明する。なお、図15は単位セルの製造工程の一部を示したものである。触媒作用を有する金属としての白金黒を分散したフッ素系スルホン酸高分子樹脂溶液10を燃料極2に形成した燃料極触媒層2Bに塗布した後に乾燥し、第2の電解質層3Bを形成した。白金黒と高分子電解質の混合重量比は10:90とした。電極の電気抵抗を測定したところ0.3MΩ程度であり第2の電解質層3Bが燃料極触媒層2Bを全面覆っていることが確認できた。形成した第2の電解質層3Bの膜厚さを測定した所、5ミクロン程度であった。
図16は触媒層2Bと電解質層3Bの界面の断面模式図であり、これは第2の電解質層3Bと触媒層2Bを貼り合わせているため触媒層2Bと電解質層3Bが明確に分かれている。
これに対し、図17は触媒層2Bと電解質層3Bが明確に分かれていない場合の断面模式図であり、これは塗布した高分子電解質溶液の一部が触媒層2Bに含浸されているために、電解質層3Bは図16よりさらに薄い膜を形成することができる。
前記の工程より得られた酸化剤極と燃料極を膜厚さ25ミクロンの第1の電解質層3Aを挟んで、ホットプレスにより130℃、14kgf/cmの条件で5分間熱圧着することにより単位セルを作成した。前記の単位セルを実施例1と同様に発電試験を行い、実施例1の単位セルと同様の効果が得られることを確認した。本実施例8では燃料極の電極触媒層上に触媒作用を有する金属触媒を分散した高分子電解質溶液を塗布することにより超極薄の第2の電解質層を形成した単位セルを作成することができ、より高いセル特性を得ることができる。
なお、上記の実施例6から実施例7は、燃料極側に第2の電解質層を形成した構造の単位セル製造工程を示したが、酸化剤極側に第2の電解質層を形成した単位セルや燃料極と酸化剤極の両方に第2の電解質層を形成した構造の単位セルを作成する場合も同様の製造工程を採用できる。
本発明は、互いに対向配置される燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる燃料電池であり、定置用、車載用、携帯用に適用可能である。
[発明の効果]
本発明によれば、酸化剤極から燃料極への酸素の透過を効果的に防止することが可能で、この結果過酸化水素の生成が抑制され、電解質体の劣化を防止できると共に、長期間安定して高い電池特性を維持できる燃料電池及び燃料電池の製造方法を提供することができる。

Claims (14)

  1. 互いに対向配置する燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる燃料電池において、
    前記電解質体は複数の電解質層からなり、
    このうちの前記燃料極および前記酸化剤極の少なくとも燃料極に接する電解質層は、
    前記酸化剤極から前記燃料極への酸素の透過を防止する層であって、該層内に金属触媒を分散した状態で含有していることを特徴とする燃料電池。
  2. 互いに対向配置する燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる燃料電池において、
    前記電解質体は第1の電解質層と第2の電解質層の2層構成であって、前記第2の電解質層は前記燃料極に接するものであり、
    該第2の電解質層は前記酸化剤極から前記燃料極への酸素の透過を防止する層であって、該層内に金属触媒を分散した状態で含有していることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層は、
    電子絶縁性であることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層は、
    保水性及び耐熱性の優れている材料を含有していることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層内に含有された触媒又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層内に含有された触媒は、
    カーボン材料に坦持されていることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層内に含有された触媒又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層内に含有された触媒は、
    酸化物に坦持されていることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層内に含有された触媒又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層内に含有された触媒は、
    白金、コバルト、パラジウム、金、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのうち、少なくとも1種以上の元素を含んだ金属触媒であることを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層内に含有された触媒又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層内に含有された触媒は、
    コバルト触媒であることを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項1に記載の前記燃料極に接する前記電解質層内に含有された触媒又は請求項2に記載の前記燃料極に接する前記第2の電解質層内に含有された触媒は、
    白金−コバルト触媒であることを特徴とする燃料電池。
  10. 互いに対向配置する燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる燃料電池において、
    前記電解質体は複数の電解質層からなり、
    このうちの前記燃料極および前記酸化剤極の少なくとも燃料極に接する電解質層は、前記酸化剤極から前記燃料極への酸素の透過を防止する電子絶縁性の層であって、該層内に金属触媒を分散した状態で含有している燃料電池を製造する際、
    前記燃料極、前記電解質体、前記酸化剤極を同時に熱圧着して一体構成とすることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  11. 互いに対向配置する燃料極及び酸化剤極の間に、イオン伝導性を有する電解質体を配置してなる燃料電池において、
    前記電解質体は第1の電解質層と第2の電解質層の2層構成であって、前記第2の電解質層は前記燃料極に接するものであり、
    該第2の電解質層は前記酸化剤極から前記燃料極への酸素の透過を防止する電子絶縁性の層であって、該層内に金属触媒を分散した状態で含有している燃料電池を製造する際、
    前記燃料極、前記電解質体、前記酸化剤極を同時に熱圧着して一体構成とすることを特徴とする燃料電池の製造方法。
  12. 請求項10に記載の前記触媒を含有する前記燃料極に接する前記電解質層又は請求項11に記載の前記触媒を含有する前記燃料極に接する前記第2の電解質層を、樹脂シート上に予め成形し、
    これを、前記触媒を含有する電解質層以外の電解質層に熱圧着することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  13. 請求項10に記載の前記触媒を含有する前記電解質層又は請求項11に記載の前記触媒を含有する前記第2の電解質層を、樹脂シート上に予め成形し、
    これを前記燃料極及び前記酸化剤極のうち少なくとも燃料極に熱圧着することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  14. 請求項10に記載の前記触媒を含有する前記電解質層又は請求項11に記載の前記触媒を含有する前記第2の電解質層を、
    前記燃料極および前記酸化剤極のうち少なくとも燃料極に備えている電極触媒上、
    または少なくとも前記触媒を含有する電解質層以外の電解質層であって前記燃料極に接する側の面に、触媒を含有する高分子電解質溶液を塗布して形成することを特徴とする燃料電池の製造方法。
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