JP4839027B2 - 磁気シールドルーム及びその磁気シールドルームを備えてなる磁気共鳴イメージングシステム - Google Patents

磁気シールドルーム及びその磁気シールドルームを備えてなる磁気共鳴イメージングシステム Download PDF

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Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置用の磁気シールドルーム及びその磁気シールドルームに磁気共鳴イメージング装置を設置して形成された磁気共鳴イメージングシステムに関する。
磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI装置という)は、撮像空間に強力な磁場を形成して、被検体の断層像等を撮像する装置である。このようなMRI装置が発生する強力な磁場が周囲に漏洩すると、周辺の電子機器に悪影響が及ぶおそれがある。また、MRI装置に対しても外部から磁場が進入すると、撮像空間の均一磁場が乱れて、画像に影響が現れることがある。
そのため、MRI装置の周りを磁性体板等からなるシールド面により囲って、内外からの磁場を遮蔽することが行われている(特許文献1)。また、シールド面は、一般に、例えば、電磁鋼板などと呼ばれる積層鋼板等の高透磁率の磁性体板を用いて形成される。
一方、MRI装置の技術分野では、高磁場化と磁極の高開放度化が進むことによってMRI装置からの漏洩磁場が増加し、これまでになく高いシールド性能をもった磁気シールドルームが必要になっている。特に、垂直磁場方式と称されるMRI装置は、撮像空間を挟んで上下に一対の環状コイル又は環状コイル群(以下、単に環状コイルという。)を対向させて配置して強力な磁場を形成するようになっている。この垂直磁場方式のMRI装置の場合、従来は、一対の環状コイルの一方から出る磁束を鉄ヨークからなる磁路を介して他方に戻す構成のものが知られている。このような鉄ヨークを備えている場合は、例えば、直下の床面に向かう磁束の大部分は鉄ヨークに吸引されることから、床面を透過して外部に漏れる漏洩磁場は比較的小さい。
しかしながら、MRI装置の軽量化及び小形化等の観点から、特許文献2に記載されているように、ヨークを設けない垂直磁場方式のMRI装置が採用されるようになってきた。特許文献2によれば、天井、床及び壁面を磁性体板からなるシールド面で形成した磁気シールドルームの中にMRI装置を設置し、一対の環状コイルの一方から出る磁束を床シールド面、壁シールド面及び天井シールド面の磁性体板を介して他方の環状コイルに戻すように構成している。特に、同文献によれば、環状コイルの軸方向に対向するシールド面の磁性体板に環状コイルと同心状の複数のリングを磁束の流れに合わせて傾斜させて設け、磁束を進入しやすくすることによりシールド面の重量を軽減することが提案されている。
特開2003−135424号公報 特開2002−172101号公報
ところで、特許文献2に記載されているヨーク無しの垂直磁場型の高磁場MRI装置は軽量に形成できるから、2階以上の階や駐車場など地下空間がある1階に設置したいという需要がある。また、低磁場MRI装置の置き換え需要により、既設の狭い磁気シールドルームに垂直磁場型の高磁場MRI装置を設置したいという需要がある。ところが、階下の部屋や駐車場などへの漏洩磁場を遮蔽するために、特許文献2に記載のように、床シールド面の磁性体板の厚みを厚くする等の対応が必要になる。
しかし、特許文献2では、床シールド面の磁性体板が漏洩磁場により磁化されることに起因する撮像空間の誤差磁場を低減することについては配慮されていない。例えば、撮像空間の磁場は、ppmオーダーの均一度が要求される。これに対し、シールド性能を向上させるために磁性体板の厚みを増すと、磁性体板に大きな磁化が発生し、その磁化が作り出す磁界によって撮像空間の磁場均一度を低下させる問題を見出した。このような問題は、環状コイルの筒内に形成される磁場を撮像空間とする水平磁場方式のMRI装置と、壁シールド面との関係についても同様である。
一方、シールドルームを大きく形成すれば、装置からシールド材までの距離を大きく取れるので、シールド材に作用する漏洩磁場強度が弱くなってシールド効果が上がる。また、シールド材の磁化により発生した磁場が撮像空間に及ぼす影響も距離に応じて小さくなる。しかし、一般に、建物の制限を受けて、磁気シールドルームを大きくするのは困難なことが多い。
本発明は、MRI装置の環状コイル軸方向の漏洩磁場に対するシールド性能を改善するとともに、撮像空間の磁場均一度に及ぼす影響を低減できる磁気シールドルームを実現することを課題とする。
上記課題を解決するため、環状コイルの軸方向に対向するシールド面の磁性体によって生ずる撮像空間の誤差磁場を検討したところ、図2に示す知見を得ることができた。すなわち、環状コイルの軸方向に対向するシールド面に十分なシールド性能を有する厚い磁性体を配設すると、図2の線22に示すように、磁性体の磁化によって観測領域の子午線上角度の南極部(負側)の磁場が正側に増大する誤差磁場が現れる。一方、環状コイルの軸方向に対向するシールド面に、環状コイルと同心に環状の磁性体のみを配設した場合、つまり環状コイルの軸が交差する位置を中心とする一定の円形内に磁性体を配設しない穴明きのシールド面を形成した場合、環状コイルからシールド面に向かう漏洩磁束が環状の磁性体に吸引され、漏洩磁束が径方向に広がり、図2の線23に示すように、磁性体の磁化による正方向の誤差磁場は現れず、逆に、漏洩磁束の広がりによって子午線上角度の南極部(負側)の誤差磁場が負方向に増大するという知見を得た。すなわち、環状コイルの軸が交差する位置を中心とする一定の中心領域に配置された磁性体の磁化によって撮像空間の南極部の誤差磁場が正方向に増加する一方、その中心領域を囲むように環状の磁性体(穴明きシールド)のみを配置すると、撮像空間の南極部の誤差磁場が逆方向の負方向に増加するという現象を知見した。
そこで、本発明は、上記知見で得られた現象に基づいて、環状コイルの軸が交差する位置から一定の領域内に配設される第1の磁性体部と、前記一定の領域外に配設される環状の第2の磁性体部とを有してシールド面を形成することによって、両者の磁性体部が誤差磁場に与える影響を相殺させて、撮像空間の磁場均一度に及ぼす影響を低減することを本旨とする。この場合、第1の磁性体部の磁性体の厚みは第2の磁性体部よりも薄く形成することが好ましい。
また、第2の磁性体部の径方向の外側に配設される第3の磁性体部は、第2の磁性体部から離れるに従って磁気抵抗が少なくとも減少されてなるものとすることができる。
さらに、磁性体は、シールド面の全面に配設された第1の磁性体板と、シールド面の環状コイルの軸が交差する位置から一定の領域外に配設された環状の第2の磁性体板とを有して構成し、第1の磁性体板の厚みは第1の磁性体板と第2の磁性体板の厚みの和よりも薄く形成することができる。
また、本発明の磁気シールドルームを垂直磁場方式の磁気共鳴イメージング装置に適用する場合は、床シールド面の広い領域に配設される磁性体板と、前記環状コイルの軸が交差する位置を中心として重ねて配設された環状磁性体板とから形成することにより実現できる。
また、水平磁場方式の磁気共鳴イメージング装置に適用する場合は、環状コイルの軸方向に対向する少なくとも一方の壁シールド面を、壁シールド面の広い領域に配設される磁性体板と、前記環状コイルの軸が交差する位置を中心として重ねて配設された環状磁性体板とから構成することができる。
本発明によれば、MRI装置の環状コイル軸方向の漏洩磁場に対するシールド性能を改善できるとともに、撮像空間の磁場均一度に及ぼす影響を低減できる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1に、本願発明の一実施形態の磁気シールドルームの縦断面図を示す。図1に示すように、磁気シールドルーム1内に、垂直磁場方式の磁気共鳴イメージング装置2が収納されている。磁気共鳴イメージング装置2は、撮像空間3に磁場を形成する一対の環状コイル4a、4bが撮像空間3を挟んで上下に対向させて配置されている。一対の環状コイル4a、4bは、コイル軸を共通にして、それぞれ一個の環状コイル又は複数の環状コイル群を円筒状の容器に収納して形成されている。上下一対の環状コイル4a、4bは、容器を介して複数の柱5によって所定の間隔に保持され、これによって撮像空間3の周囲が開放された構成となっている。
磁気シールドルーム1は、床面を覆う床シールド10、側面の壁を覆う壁シールド11、天井を覆う天井シールド12によって構成される。これらは、一般に、それぞれ接合され、磁束の行き来ができるように磁気的な結合が図られている。床シールド10は、床面全面に配設された磁性体板10aと、環状コイル4bのコイル軸が交差する位置を中心とする一定範囲の中心領域14を囲む周辺領域15に配設された例えば円環状の磁性体板10bとにより構成されている。つまり、床シールド10の磁性体板は、環状コイル4bのコイル軸が交差する位置を中心とする一定範囲の中心領域14の板厚が薄く形成され、中心領域14を囲む円環状の周辺領域15の少なくとも一定範囲の板厚が厚く形成されている。
このように構成される実施形態の磁気シールド作用について次に説明する。一対の環状コイル4a、4bにより撮像空間3を含む領域に垂直方向の磁場が形成される。特に、球形空間である撮像空間3に形成される磁場の均一度が高く要求される。撮像空間3を含む空間領域に磁場を形成する磁束16は、図中に示した実線の矢印のように、下の環状コイル4bの直下に向かって透磁率の高い床シールド10に漏洩磁束として進入する。床シールド10に進入した磁束は、磁性体板10a、10bを通って壁シールド11及び天井シールド12に流れ、天井シールド12から上の環状コイル4aに戻るようになる。
このとき、環状コイル4bから直下の磁性体板10aに進入する磁束16によって、磁性体板10aが磁化されて磁化ベクトル17が発生する。この磁化ベクトル17によって生ずる磁場は、撮像空間3の均一磁場の誤差磁場となり、後述するように、撮像空間3に仮想した仮想球面の子午線上の磁場分布をゆがめて、磁場均一度を低下させることがある。
一方、周辺領域15に配設された環状の磁性体板10bは板厚が厚く形成され、磁気抵抗が小さいことから、環状コイル4bから直下に流出する漏洩磁束が吸引されやすい。そのため、環状コイル4bから直下に流出する漏洩磁束が径方向に広がる傾向になり、磁化ベクトル17による誤差磁場を相殺する方向に、子午線上の磁場分布をゆがめることになる。その結果、本実施形態の床シールド10によれば、垂直磁場型のMRI装置の環状コイル軸方向の漏洩磁場に対するシールド性能を改善できるとともに、磁性体板10aと磁性体板10bとによる磁場分布のゆがみが相殺され、撮像空間3の磁場均一度を保持ないし向上させることができる。
図2と図3を用いて本実施形態の効果を詳細に説明する。図2は、撮像空間3に仮想して設定された仮想球形の子午線上角度を横軸に表し、縦軸に誤差磁場強度を正規化して示している。つまり、誤差磁場の相対的な大きさを示しており、0を通る水平軸上にあれば、誤差磁場はゼロである。図中の線21はMRI本体の誤差磁場の強度分布、線22は磁性体板10aのみによる誤差磁場の強度分布、線23は環状の磁性体板10bのみによる誤差磁場の強度分布である。また、仮想球形の子午線上角度とは、図4に示すように、仮想球形24の赤道25を0°とし、北極Nと南極Sをそれぞれ90°、−90°に設定し、球形上の任意の点26の位置を子午線上の角度で表したものである。
図2からわかるように、線21に示すMRI装置本体の誤差磁場の強度分布は、仮想球面の下部(南極付近)と上部(北極付近)で正の誤差磁場があり、水平面(赤道付近)では負の誤差磁場があることが示され、子午線上角度に対して分布が対称形になっている。このMRI装置を磁気シールドルームに設置すると、全体として磁場が下がり、負の誤差磁場となるが、全体として下がる磁場については、目標とする磁場を下げるか、あるいは励磁電流を上げることで対処することができる。また、図2のMRI装置本体の対称な誤差磁場は、周知のシミング等の磁場補正により修正できる。
一方、線22に示す磁性体板10aのみによる誤差磁場の強度分布は、子午線上角度の南極側で正側に大きくなる非対称の誤差磁場となっている。したがって、この誤差磁場は、目標とする磁場を下げても、励磁電流を上げても低減することはできない。他方、環状の磁性体板10bのみによるシールドは、磁化ベクトル17によって生ずる誤差磁場を排除するため、図1の中心領域14の磁性体板を切除した、いわゆる穴明きシールドに対応する。このような環状コイル4bの直下に穴を開けた床シールド10にすると、図2の線23に示すように、子午線上角度の南極側で負側に大きくなる非対称形の誤差磁場になる。
すなわち、図2に示したように、磁性体板10aのみの床シールド10を設置した場合は、北極に比べて南極の誤差磁場が正の方向に大幅に強められる。また、穴明きの環状の磁性体板10bのみの床シールド10を設置した場合は、逆に南極の誤差磁場は北極に比べて負の方向に強められる。このように、広い領域に配設される磁性体板10aと、環状の磁性体板10bとでは、撮像空間の仮想球面下部(南極側)における誤差磁場の振る舞いが逆の傾向になる。
つまり、本発明は、磁性体板10aと環状の磁性体板10bが磁場誤差に及ぼす影響が相反することに鑑み、図1に示すように、それらを組み合わせて磁場誤差を相殺するようにしたのである。
したがって、本実施形態の床シールド10によれば、図3の線28に示すように、磁性体板10aと磁性体板10bによる磁場誤差が相殺されて、誤差磁場を最小化でき、かつ子午線上角度に対して分布が対称形になっている。そのため、目標とする磁場を下げるか、あるいは励磁電流を上げるという全体的な調整で修正できるとともに、シミング等の磁場補正によって非対称性を容易に修正することができる。
ここで、図1の実施形態に示した床シールド10を施工する場合、床に予め厚板の円環状の磁性体板10bを埋め込み、その上に薄い板厚の磁性体板10aを一様に設置するようにすることが好ましい。また、磁性体板10a、10bには、積層ケイ素鋼板を使用するのが好ましい。
薄い板厚の磁性体板10aを全面に用いない場合には、図12のように、中央部に磁性体板10aを、この周囲にこれより厚い磁性体板10bを環状に配置し、さらにその周囲に第3の磁性体板10cを配設してもよい。このとき第3の磁性体板10cは壁シールド11に接続されるようにする。
(実施形態2)
ここで、図1の本実施形態の円環状の磁性体板10bに代えて、図5に示すように、四角形の環状の磁性体板10bを用いることができる。これによれば、積層ケイ素鋼板の調達及び加工がしやすく、設置のコストを下げられる。また、図1の本実施形態の円環状の磁性体板10bに代えて、図6に示すように、八角形の環状の磁性体板10bを用いることができる。
つまり、図5に示した四角形の環状の磁性体板10bが作り出す磁場は4回対称性をもち、その非軸対称成分は誤差磁場となる。また、四角形の場合、磁性体板10bの開口部の最短幅と最長幅である対角線の長さとの差が大きいため、十分な磁気シールド特性を保持しようとすると、開口部の幅を小さくせざるを得ない。そのため、4回対称の四角形の磁性体板10bは、開口部の幅の辺が磁極中心軸に接近し、誤差磁場が大きくなる。この点、図6のように、磁性体板10bを八角形の環状に構成すると、磁場の軸対称性が一層向上し、また、同じ開口面積でもその幅を大きく取れるため、誤差磁場が小さくなる。
図5、図6に示す磁性体板10bの施工は、図7及び図8に示すように、カットしたケイ素鋼板を組み合わせることで容易にできる。なお、ケイ素鋼板を円形に加工し、磁性体板10bを円環状にした場合は、さらに誤差磁場が小さくなる。
また、例えば、磁性体板10aの厚みは3〜10mm程度となり、磁性体板10bの厚みは30〜50mm程度となるから、施工時の取り扱いにも運搬用の機材が必要な重さになる。そこで、図9に示すように、積層ケイ素鋼板30の束をリベット31で留めて一層分とし、それを重ね合わせて施工することにより、一つの束を作業員が人力で運搬可能な重さに抑えることができる。
(実施形態3)
上述した各実施形態は、環状の磁性体板10bの周方向の厚みを一定としたものを説明した。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、環状の磁性体板10bの周方向の一部の厚みを変えることにより、周方向の誤差磁場を緩和することができる。
すなわち、図10に示すように、一般に、磁気シールドルームにより覆われるMRI撮像室は、上部からみると長方形をしており、かつ空間の利用性から装置がその中心に置かれることはない。一般には、被検体が横たわるベッドを中心に配置されるから、装置は部屋の中心から偏心した位置に設置される。このとき、磁場環境としては、壁面に近接した領域の磁場が強くなる傾向がある。また、壁面から遠い領域の磁場が弱くなる傾向がある。これは周方向に非軸対称であるだけでなく、回転対称性もない誤差磁場をもたらすことになる。この場合、環状の磁性体板10bが最も近接する壁シールド11の反対側に位置する磁性体板10bの一部32の厚みを薄くすることにより、1回対称の誤差磁場を低減することができる。その理由は、磁性体板10bの厚みは、図2に示したように、磁場を弱める効果があるから、磁性体板10bの一部32の厚みを薄くすることにより磁場を強めることができるからである。具体的には、磁性体板10bの一部32に含まれる積層ケイ素鋼板の枚数を少なくし、残りを非磁性のSUS板などで構成することで、全体として元の厚みと同じにし、施工を容易にすることもできる。
本実施形態によれば、長方形の磁気ルームシールドに偏心して設置されるMRI装置の周方向の誤差磁場を緩和することができる。
(実施形態4)
上記の各実施形態は、垂直磁場型のMRI装置に適用したものであるが、本発明の磁気シールドルームはこれに限らず、図11に示す水平磁場型のMRI装置35の磁気ルームシールドに適用することもできる。
つまり、水平磁場型のMRI装置35は、撮像磁場を発生する環状コイル36を筒型に形成し、その筒内部を撮像空間とするトンネル型が代表的である。このようなトンネル型のMRI装置35は、垂直磁場型のMRI装置以上に高磁場化が図られており、その漏れ磁場は非常に大きくなる傾向である。また、その漏れ磁場の向かう方向は磁気シールドルームの側面の壁の方向である。したがって、隣室に磁場が漏れることが問題となる医療施設においては、この漏れ磁場の低減が垂直磁場型のMRI装置以上に重要な課題となる。
そこで、本実施形態は、トンネル型の環状コイル36のコイル軸が交差する壁シールド11は、壁面全面に配設された磁性体板11aと、環状コイル36のコイル軸が交差する位置を中心とする一定範囲の中心領域37を囲む周辺領域38に配設された例えば円環状の磁性体板11bとにより構成されている。つまり、壁シールド11の磁性体板は、環状コイル36のコイル軸が交差する位置を中心とする一定範囲の中心領域37の板厚が薄く形成され、中心領域37を囲む円環状の周辺領域38の少なくとも一定範囲の板厚が厚く形成されている。
これにより、垂直磁場方式と同様に、高いシールド性能を持ちながら、撮像空間磁場の水平方向の非対称性を緩和し、撮像空間の均一度を向上させることができる。なお、磁性体板11bは、図5〜図10に示した実施形態の磁性体板を適用することができる。
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、撮像空間の磁場均一度に及ぼす影響を低減することができる。しかし、本発明は、それらの実施形態に限定されるものではない。例えば、環状コイルの軸が交差するシールド面の位置から径方向に磁性体の板厚を複数段階に変えてもよい。また、磁性体の板厚を段階的に変えることにとどまらず、連続的に変えても本発明の効果を奏することができる。
本発明の磁気シールドルームの一実施の形態の縦断面図である。 本発明の原理を説明するための線図であり、撮像空間に設定された仮想球形の子午線上角度に対する誤差磁場強度の分布を示す。 図1の実施形態によって得られる撮像空間に設定された仮想球形の子午線上角度に対する誤差磁場強度の分布を示す線図である。 仮想球形の子午線上角度を説明する図である。 本発明の特徴に係る磁性体板の一実施形態の平面図である。 本発明の特徴に係る磁性体板の他の実施形態の平面図である。 本発明の特徴に係る磁性体板の他の実施形態の平面図である。 本発明の特徴に係る磁性体板の他の実施形態の平面図である。 本発明の特徴に係る磁性体板の施工法を説明する図である。 本発明の特徴に係る磁性体板の他の実施形態の平面図である。 本発明の磁気シールドルームの他の実施形態の縦断面図である。 図1の磁気シールドルームの一実施の形態の変形例の縦断面図である。
符号の説明
1 磁気シールドルーム
2 MRI装置
3 撮像空間
4a、4b 環状コイル
5 柱
10 床シールド
10a,10b 磁性体板
11 壁シールド
14 中心領域
15 周辺領域

Claims (10)

  1. 磁気共鳴イメージング装置が収納され内外からの磁場を遮蔽するシールド面を有してなる磁気シールドルームにおいて、前記磁気共鳴イメージング装置の撮像空間に磁場を形成する環状コイルの軸方向に対向する少なくとも一方のシールド面に配設される磁性体は、前記環状コイルの軸が交差する位置から一定の領域内に配設される第1の磁性体部と、前記一定の領域外に第1の磁性体部を取り囲むように配設される第2の磁性体部とを有して構成され、第1の磁性体部の厚みは第2の磁性体部よりも薄く形成されてなることを特徴とする磁気シールドルーム。
  2. 第1の磁性体部及び第2の磁性体部からなる前記磁性体は、前記シールド面の全面に配設された第1の磁性体板と、前記シールド面の前記環状コイルの軸が交差する位置から一定の領域外にこれを囲むように配設された第2の磁性体板とを有して構成され、第1の磁性体板の厚みは第1の磁性体板と第2の磁性体板の厚みの和よりも薄く形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の磁気シールドルーム。
  3. 第2の磁性体板は、円形又は多角形の環状に形成されてなることを特徴とする請求項に記載の磁気シールドルーム。
  4. 第2の磁性体板は、周方向の一部に磁気抵抗が高い部位が設けられてなることを特徴とする請求項に記載の磁気シールドルーム。
  5. 第2の磁性体板は、複数の積層鋼板を重ねて形成された磁性体板ユニットを複数重ねて形成されてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁気シールドルーム。
  6. 撮像空間に磁場を形成する環状コイルを前記撮像空間を挟んで上下に対向させて配置してなる垂直磁場方式の磁気共鳴イメージング装置が収納され、内外からの磁場を遮蔽するシールド面を有してなる磁気シールドルームにおいて、床シールド面は、該床シールド面の広い領域に配設される磁性体板と、前記環状コイルの軸が交差する位置を中心として重ねて配設された環状磁性体板とからなることを特徴とする磁気シールドルーム。
  7. 環状コイルの筒内に形成される磁場を撮像空間とする水平磁場方式の磁気共鳴イメージング装置が収納され、内外からの磁場を遮蔽するシールド面を有してなる磁気シールドルームにおいて、前記環状コイルの軸方向に対向する少なくとも一方の壁シールド面は、該壁シールド面の広い領域に配設される磁性体板と、前記環状コイルの軸が交差する位置を中心として重ねて配設された環状磁性体板とからなることを特徴とする磁気シールドルーム。
  8. 前記環状磁性体板は、円形又は多角形の環状に形成されてなることを特徴とする請求項6又は7に記載の磁気シールドルーム。
  9. 前記環状磁性体板は、環状の周方向の一部に磁気抵抗が高い部位が設けられてなることを特徴とする請求項に記載の磁気シールドルーム。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の磁気シールドルームに磁気共鳴イメージング装置を設置して形成された磁気共鳴イメージングシステム。
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