JP7134679B2 - 磁気共鳴イメージング装置および静磁場補正方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置および静磁場補正方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置および静磁場補正方法に関する。
MRI装置は、静磁場中に被検体を配置して、被検体の内部情報を画像データとして取得する装置である。MRI装置は、高い静磁場強度を実現するために、超伝導磁石を用いることがある。MRI装置において、品質の高い画像を取得するためには、超伝導磁石によって形成される静磁場を均一化することが求められる。
国際公開第2012/132911号
本発明が解決しようとする課題は、静磁場磁石の外部に設けられた磁性体により静磁場の均一性を向上させることである。
実施形態に係るMRI装置は、静磁場磁石と、傾斜磁場コイルと、磁石架台と、磁性体とを備える。静磁場磁石は、第1の磁場を形成するメインコイル、及び、第2の磁場を形成するキャンセルコイルを含む。傾斜磁場コイルは、傾斜磁場を形成する。磁石架台は、静磁場磁石と傾斜磁場コイルとを収める。磁性体は、磁石架台の外部であって、キャンセルコイル近傍に配置される。MRI装置は、第2の磁場を受けて磁化された磁性体が形成する第3の磁場により、第1の磁場及び前記第2の磁場により形成される静磁場を補正する。
図1は、実施形態に係るMRI装置の全体構成を示す概略図。 図2は、実施形態に係るMRI装置に備えられるメインコイル、キャンセルコイル、磁性体のそれぞれが形成する磁場について説明する図。 図3は、実施形態に係る磁性体が磁化される様子を示す図。 図4は、実施形態に係るMRI装置に備えられる磁性体の配置例を示す図。 図5は、実施形態に係るMRI装置において、ボア内の任意のXY平面を極座標系で表現した図。 図6は、実施形態に係るMRI装置において、図5に示す角度θに対する静磁場の均一性を示すグラフ。 図7は、実施形態に係るMRI装置における静磁場補正方法の手順をフローチャートとして示す図。
以下、図面を参照しながら、MRI装置および静磁場補正方法の実施形態について詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るMRI装置の全体構成を示す概略図である。
図1は、実施形態に係るMRI装置1を示す。MRI装置1は、撮像装置5及び磁場計算装置7を備える。撮像装置5は、磁石架台100、磁石脚200(図4及び図5に図示)、制御キャビネット300、コンソール400、及び寝台装置500を備える。磁石架台100、磁石脚200、制御キャビネット300、及び寝台装置500は、一般的には、検査室に備えられる。検査室は、撮影室とも呼ばれる。コンソール400は、制御室に備えられる。制御室は、操作室とも呼ばれる。磁場計算装置7は、撮像装置5とは別体として設けられるものとして説明するが、その場合に限定されるものではない。例えば、磁場計算装置7の出力結果を、撮像装置5のコンソール400に表示できるように、磁場計算装置7とコンソール400とを、例えば電気通信回線を介して接続できるように構成してもよい。
磁石架台100は、静磁場磁石10、傾斜磁場コイル11、及びWBコイル12を内部に収容する。寝台装置500は、寝台本体50及び天板51を有する。
磁石脚200は、磁石架台100の外部に設けられ、磁石架台100を外部から支持する。例えば、磁石脚200は、4脚設けられる。
制御キャビネット300は、傾斜磁場用電源31(X軸用31x、Y軸用31y、Z軸用31z)、RF送信器32、RF受信器33、及びシーケンスコントローラ34を備える。
磁石架台100の静磁場磁石10は、超伝導磁石である。静磁場磁石10は、概略円筒形状をなしており、被検体、例えば患者Uが搬送されるボアW内に静磁場を発生させる。ボアWとは、磁石架台100の円筒内部の空間のことである。静磁場磁石10は、例えば、筐体10A及び熱シールド10Bを備える。
筐体10Aは、例えば、冷凍機(図示省略)により極低温に冷却された液体ヘリウムを収容する。筐体10A内において、メインコイル61及びキャンセルコイル62が例えば液体ヘリウムにより冷却される。メインコイル61は、筐体10Aの内部に備えられる超伝導コイルであり、第1の磁場を形成する。キャンセルコイル62は、筐体10Aの内部に備えられ、メインコイル61とは逆向きに巻かれた超伝導コイルであり、第2の磁場を形成する。キャンセルコイル62は、例えば磁石の開口端部側に設置されており、撮像領域外に漏洩しているメインコイル61により形成された静磁場、つまり漏洩磁場を第2の磁場を形成することにより弱めている。
熱シールド10Bは、輻射熱を防ぐものであり、例えば導電体であるアルミニウムなどで構成される。
静磁場磁石10は、励磁モードにおいて静磁場用電源から供給される電流がメインコイル61,キャンセルコイル62に印加されることで静磁場を発生する。その後、永久電流モードに移行すると、静磁場用電源は切り離される。一旦永久電流モードに移行すると、静磁場磁石10は、長時間、例えば数年以上に亘って、静磁場を発生し続ける。
傾斜磁場コイル11は、静磁場磁石10と同様に概略円筒形状をなし、静磁場磁石10の内側に設置されている。傾斜磁場コイル11は、傾斜磁場用電源31から供給される電流(電力)により傾斜磁場を形成する。傾斜磁場コイル11は、X軸方向について傾斜磁場を発生させるXchコイルと、Y軸方向について傾斜磁場を発生させるYchコイルと、Z軸方向の傾斜磁場を発生させるZchコイルとを備える。
また、傾斜磁場コイル11は、シムトレイユニット(図示省略)を備える。シムトレイユニットは、概略円筒形状をなし、例えば、概略円筒形状のメインコイルとシールドコイルとの間に挟まれる。シムトレイユニットの周方向には、略均等な間隔で複数のスロットが形成される。各スロットは、シムトレイユニットの長手方向(Z軸方向)の両端面に開口を形成し、シムトレイユニットのZ軸方向に全長にわたって形成された貫通穴である。各スロットには、シムトレイが挿入可能である。シムトレイは、Z軸方向においてシムトレイユニットの概ね中央部に固定される。Z軸方向におけるシムトレイユニットの概ね中央部は、Z軸方向における傾斜磁場コイル11の中央部でもある。シムトレイは、例えば、非磁性、かつ、非電導性材料である樹脂にて形成され、概略棒状を成す。
各シムトレイには、複数のシムポケットが形成される。ボアW内の撮像領域の静磁場を均一化する目的で、各シムポケットに必要な数の金属シムが収納される。金属シムの材料は、例えばケイ素鋼板などである。撮像装置5の据え付け時に各シムポケットに収納される金属シムの数を調整し、ボアW内の撮像領域における静磁場を均一にすることを、パッシブシミングと呼ぶ。
静磁場磁石10は、ボアW内の静磁場が可能な限り均一になるように設計及び製造される。しかし、現実には、磁石製造誤差やボアW周囲の構造物の影響を受けるため、何らかの調整なしに静磁場を完全に均一とすることは難しい。また、静磁場の不均一の度合いは、装置の個体間によっても異なり、装置の設置場所の周囲環境によっても異なる。このため、通常、装置の据え付け毎に、金属シムを用いたパッシブシミングが行われる。
WBコイル12は、全身用コイルとも呼ばれ、傾斜磁場コイル11の内側に患者Uを取り囲むように概略円筒形状に設置されている。WBコイル12は、送信コイルとして機能する。つまり、WBコイル12は、RF送信器32から伝送されたRFパルス信号に従ってRFパルスを患者Uに向けて送信する。一方、WBコイル12は、RFパルスを送信する送信コイルとしての機能に加え、受信コイルとしての機能を備える場合もある。その場合、WBコイル12は、受信コイルとして、原子核の励起によって患者Uから放出されるMR信号を受信する。
撮像装置5は、WBコイル12の他、ローカルコイル20を備える場合もある。ローカルコイル20は、患者Uの体表面に近接して配置される。ローカルコイル20は、複数のコイル要素を備えても良い。これら複数のコイル要素は、ローカルコイル20の内部でアレイ状に配列されるため、PAC(Phased Array Coil)と呼ばれることもある。
ローカルコイル20には幾つかの種別がある。例えば、ローカルコイル20には、図1に示すように患者Uの胸部、腹部、又は脚部に設置されるボディコイル(Body Coil)や、患者Uの背側に設置されるスパインコイル(Spine Coil)といった種別がある。この他、ローカルコイル20には、患者Uの頭部を撮像するための頭部コイル(Head Coil)や、足を撮像するためのフットコイル(Foot Coil)といった種別もある。また、ローカルコイル20には、手首を撮像するためのリストコイル(Wrist Coil)、膝を撮像するためのニーコイル(Knee Coil)、肩を撮像するためのショルダーコイル(Shoulder Coil)といった種別もある。
ローカルコイル20は、受信コイルとして機能する。つまり、ローカルコイル20は、前述のMR信号を受信する。ただし、ローカルコイル20は、MR信号を受信する受信コイルとしての機能に加え、RFパルスを送信する送信コイルとしての機能を備える送受信コイルでもよい。例えば、ローカルコイル20としての頭部コイル及びニーコイルの中には、送受信コイルも存在する。つまり、ローカルコイル20は、送信専用、受信専用、送受信兼用の種別を問わない。
傾斜磁場用電源31は、X軸、Y軸、及びZ軸方向について傾斜磁場を発生するコイルそれぞれを駆動する各チャンネル用の傾斜磁場用電源31x,31y,31zを備える。傾斜磁場用電源31x,31y,31zは、シーケンスコントローラ34の指令により、必要な電流を各チャンネル独立に出力する。それにより、傾斜磁場コイル11は、X軸、Y軸、及びZ軸の方向における傾斜磁場(「勾配磁場」とも呼ばれる)を患者Uに印加することができる。
RF送信器32は、シーケンスコントローラ34からの指示に基づいてRFパルス信号を生成する。RF送信器32は、生成したRFパルス信号をWBコイル12に伝送する。
ローカルコイル20で受信したMR信号、より具体的には、ローカルコイル20内の各コイル要素で受信したMR信号は、RF受信器33に伝送される。各コイル要素の伝送線路や、WBコイル12の伝送線路はチャンネルと呼ばれる。このため、各コイル要素やWBコイル12から出力される夫々のMR信号をチャンネル信号と呼ぶこともある。WBコイル12で受信したチャンネル信号もRF受信器33に伝送される。
RF受信器33は、ローカルコイル20やWBコイル12からのチャンネル信号、即ち、MR信号をAD(Analog to Digital)変換して、シーケンスコントローラ34に出力する。デジタルに変換されたMR信号は、生データ(Raw Data)と呼ばれることもある。
シーケンスコントローラ34は、コンソール400による制御のもと、傾斜磁場用電源31、RF送信器32、及びRF受信器33をそれぞれ駆動することによって患者Uの撮像を行う。撮像によってRF受信器33から生データを受信すると、シーケンスコントローラ34は、その生データをコンソール400に送信する。
シーケンスコントローラ34は、処理回路(図示を省略)を具備する。この処理回路は、例えば所定のプログラムを実行するプロセッサや、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで構成される。
コンソール400は、処理回路、記憶回路、ディスプレイ、及びインターフェース(図示省略)を備える。コンソール400は、ホスト計算機として機能する。なお、コンソール400の処理回路、記憶回路、ディスプレイ、及びインターフェースは、後述する処理回路70、記憶回路71、演算回路72、ディスプレイ73、及びインターフェース74と同等の構成を備えるものとして説明を省略する。
コンソール400の処理回路は、記憶回路に記憶された、又は、処理回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで、パルスシーケンスに従った撮像を実行してMR画像を生成する画像生成機能を実現する。コンソール400は、処理回路による制御の下、シーケンスコントローラ34から送信されるMR信号を収集し、収集したMR信号を記憶回路に記憶する。コンソール400は、処理回路による制御の下、記憶回路に記憶されたMR信号に対して、後処理、即ち、フーリエ変換等の再構成処理を施すことによって、患者U内の所望のMR画像を生成する。そして、コンソール400は、処理回路による制御の下、生成した各種MR画像を記憶回路に格納する。
寝台装置500は、寝台本体50及び天板51を備える。寝台本体50は、天板51を例えば、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動可能なように配置する。天板51のX軸方向の移動は、天板51の左右方向、つまり、天板51の短手方向の移動である。天板51のY軸方向の移動は、天板51の上下方向、つまり、天板51の厚み方向の移動である。天板51のZ軸方向の移動は、天板51の前後方向、つまり、天板51の長手方向の移動である。
磁場計算装置7は、処理回路70、記憶回路71、演算回路72、ディスプレイ73、及びインターフェース74を備える。磁場計算装置7は、撮像装置5の周辺環境、および静磁場磁石10の静磁場の特性を入力として受け付け、後述する磁性体Mの配置情報を出力する。磁場計算装置7による磁性体Mの配置情報の計算については後述する。
処理回路70は、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)の他、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び、プログラマブル論理デバイス等の処理回路を意味する。プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の回路が挙げられる。
また、処理回路70は、単一の処理回路によって構成されてもよいし、複数の独立した処理回路の組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、複数の記憶回路71が複数の処理回路の機能に対応するプログラムをそれぞれ記憶するものであってもよいし、1個の記憶回路71が複数の処理回路の機能に対応するプログラムを記憶するものであってもよい。
記憶回路71は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、及び光ディスク等を備える。記憶回路71は、USB(Universal Serial bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)等の可搬型メディアを備えてもよい。記憶回路71は、処理回路70において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。また、OSに、操作者に対するディスプレイ73への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作をインターフェース74によって行うことができるGUI(Graphical User Interface)を含めることもできる。
演算回路72は、後述する磁性体Mの検査室内における配置情報、およびシムトレイ内の金属シムの配置及び数を算出する。
ディスプレイ73は、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスである。
インターフェース74は、操作者によって操作が可能な入力デバイスと、入力デバイスからの信号を入力する入力回路とを含む。入力デバイスは、ポインティングデバイス(例えばマウス)、キーボード、及び各種ボタン等を含む。操作者により入力デバイスが操作されると、入力回路はその操作に応じた入力信号を生成して処理回路70に出力する。なお、磁場計算装置7は、入力デバイスがディスプレイ73と一体に構成されたタッチパネルを備えてもよい。
本実施形態に係る磁石架台100の外部には、磁性体Mが設けられる。例えば、図4に示すように、磁性体Mは、キャンセルコイル62の近傍に配置される。磁性体Mは、キャンセルコイル62により形成される第2の磁場を受けて磁化される位置に配置される。例えば、磁性体Mは、静磁場磁石10の下部領域、例えば図4に図示されるように、床下に設けられる。
磁性体Mが配置される位置は、例えば、演算回路72によって求められる。演算回路72は、撮像装置5の周辺環境、および静磁場磁石10の静磁場の特性を入力として受け付け、磁性体Mの配置情報を出力する。撮像装置5の周辺環境とは、例えば、検査室周辺の柱や梁、床材に含まれる鉄筋の位置や量である。換言すると、検査室周辺の磁性体の配置情報である。静磁場磁石10の静磁場の特性とは、例えば、静磁場磁石10が製造された時点における静磁場スペックであり、完全に均一な静磁場を基準とした静磁場のずれ量の分布を示す。演算回路72が出力する磁性体Mの配置情報とは、例えば磁性体Mの検査室内における配置位置や磁性体Mの厚みなどである。
演算回路72により出力される磁性体Mの配置情報に基づいて、磁性体Mが配置された後、静磁場磁石10の磁場が立ち上げられる。静磁場磁石10の磁場が形成された後に、ボアW内における撮像領域内の静磁場を均一化するためにパッシブシミングが行われる。演算回路72は、パッシブシミングにおける、シムトレイ内の金属シムの配置及び数を算出する。演算回路72は、例えば、ボアW内にNMR(Nuclear Magnetic Resonance)プローブを設けて測定した静磁場の分布に基づいて、繰り返しシムトレイ内の金属シムの配置及び数を算出する。
なお、上述した演算回路72は、磁性体Mの配置情報の計算と、パッシブシミングにおける金属シムの配置及び数の算出の、それぞれの機能を兼ね備えるように説明したが、異なる回路あるいは装置として実現されても構わない。また、上述した演算回路72は、パッシブシミングを行なう前に、磁性体Mの配置情報を計算しているが、パッシブシミングを行った後の静磁場の特性を入力として受け付け、磁性体Mの位置情報を計算しても構わない。
なお、演算回路72は、磁場計算装置7でなく、コンソール400に備えられるものであってもよい。また、演算回路72の機能は、処理回路70がプログラムを実行することによって実現されるものであってもよい。
ここで、メインコイル61、キャンセルコイル62、磁性体Mのそれぞれが形成する磁場について図2および図3を用いて説明する。
図2(a)における磁場B0aは、メインコイル61により形成される第1の磁場であり、図2(b)における磁場B0bは、キャンセルコイル62により形成される第2の磁場である。図2では、わかりやすさのため、メインコイル61とキャンセルコイル62が各々形成する磁場を書き分けて説明しているが、実際には、磁性体Mが受ける磁場は合成された磁場である。図3(a)は、磁性体Mが磁場B0aと磁場B0bのそれぞれによって磁化される方向を示す図である。キャンセルコイル62付近に配置された磁性体Mは、磁場B0aよりも、磁場B0bによる影響を強く受ける。つまり、磁場B0bの影響が支配的になるので、磁性体Mは磁場B0bと同じ方向に磁化され、第3の磁場として磁場B0cを形成する。図3(b)は、磁性体Mが磁場の影響を受けて磁化される様子を模式的に示す図である。磁性体Mが形成する磁場B0cは、磁場B0aと逆向きに形成される。
図4は、磁性体の配置例を示す図である。図4に示すように、磁性体Mは、静磁場磁石10の下部領域、例えば床下に設けられる。なお、磁性体Mは、磁石架台100の外部であってキャンセルコイル62の近傍に設けられればよく、例えば、静磁場磁石10を保持する磁石脚200、又は、静磁場磁石10の床上の空間に設けられてもよい。
静磁場磁石10のメインコイル61により形成される第1の磁場を弱める方向に、キャンセルコイル62は第2の磁場を形成する。磁性体Mは、キャンセルコイル62により形成される第2の磁場B0bを受けて、第3の磁場を形成することになる。
続いて、図4に示すようにMRI装置1が磁性体を配置する場合の効果について、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、ボアW内の任意のXY平面を極座標系で表現した図である。図6は、図5に示す角度θに対する静磁場の均一性を示すグラフである。つまり、図6は、角度θにおける、基準となる静磁場強度に対応する共鳴周波数からの誤差をppm(parts par million)単位で概念的に示したグラフである。
磁性体Mがキャンセルコイル62により発生する磁場により磁化される位置に設置されると、いわゆる金属シムによるパッシブシミングのように、不均一な静磁場を整えることが可能になる。図6に示すように、例えば磁性体Mが設置されない場合は、静磁場の均一性が±A[ppm]の範囲で異なっているのに対し、磁性体Mが設置される場合は、誤差の範囲が小さい±B[ppm]の範囲で静磁場の均一性が担保される。なお、縦軸における±C[ppm]の範囲が、最終的にMRI装置1が満たすべき静磁場均一性の目標範囲である。磁性体Mの配置のみでは、±C[ppm]の範囲まで静磁場の均一性を収束させることこそできていないが、金属シムに依存せずに、目標範囲近くまで静磁場均一性を高めることができている。
撮像空間内における球面を考えた時、その球面上の磁場分布は球面調和関数で表すことが可能である。ルジャンドル(Legendre)多項式による球面調和関数の展開における展開係数のうち、1次項のY軸成分は、静磁場のY軸成分を表している。例えば、磁石脚200の下部に意図的に設置された静磁場補正用の磁性体Mは、静磁場のY軸成分を補正するのに適している。例として、撮像空間内における球面上の磁束密度が、Y軸正側の領域と比較して、Y軸負側の領域において高くなる磁場特性を有する静磁場磁石10を想定する。磁石脚200付近に磁性体Mが設けられると、磁性体Mによって形成される磁場B0cが、メインコイルにより形成される磁場B0aを、撮像空間内における球面上Y軸負側で打ち消す。つまり、撮像空間内における球面上のY軸負側の磁束密度が減少するので、球面全体における磁束密度分布の偏りが緩和され、静磁場が均一化されることになる。
以上説明したように、磁石架台100の外部であってキャンセルコイル62の近傍に磁性体Mを配置して第3の磁場を形成させることで、静磁場の均一性を向上させることができる。
図7は、MRI装置1における静磁場補正方法の手順をフローチャートとして示す図である。
まず、磁場計算装置7の演算回路72は、磁性体Mの配置情報を計算する(ステップST1)。そして、MRI装置1の撮像装置5の据え付け時に、磁石架台100の外部であってキャンセルコイル62の近傍に磁性体Mが配置される(ステップST2)。磁場計算装置7の演算回路72は、ステップST2により磁性体Mが配置された状態で、かつ、傾斜磁場コイル11の各シムポケットの全てが空の状態、つまり、金属シムが全く配置されていない状態で、静磁場磁石10の磁場特性を測定する。例えば、演算回路72は、各シムポケットの全てが空の状態で、ボアW中央部の多数点の磁場を測定する(ステップST3)。ステップST3の時点はパッシブシミング前なので、測定された静磁場の均一性は担保されていない。なお、測定は任意の磁場測定器を用いて行われる。また、磁場の測定において、シムポケットは必ずしも全て空の状態である必要はなく、金属シムがいくつか予め備えられていてもよい。
演算回路72は、撮像装置5の据え付け時に、ステップST3における磁場の測定値に基づいて最適化計算を実行し、各シムポケットに収納すべき金属シムの数を算出する(ステップST4)。このように、静磁場磁石10の外部であってキャンセルコイル62の近傍に磁性体Mが配置された状態で、最適化計算が実行される。ここで、最適化計算とは、パラメータx(xは通常多変数)の関数として目的関数f(x)及び制約条件g(x)を設定し、制約条件g(x)を満たしつつ目的関数f(x)が最小(又は最大)となるようなパラメータxを決定する手法のことである。なお、制約条件g(x)は、撮像装置5で予め定められた静磁場不均一性の許容範囲を表す。制約条件として、制約条件g(x)のみならず複数設定されてもよい。
パラメータxは、各シムポケットの金属シムの数がそれぞれ最適化された値である。そして、制約条件g(x)として、例えば、磁場の不均一性を表す指標が所定の範囲内、つまり空間的な変動成分が所定の範囲内であることを示す不等式が設定される。また、目的関数f(x)として、各シムポケットの金属シムの数が設定される。これらの設定で最適化計算が実行されることにより、磁場の不均一性を表す指標が所定の範囲内に抑制された状態で金属シムの総数が最小となるように、各シムポケットの金属シムの数が最適化される。
次いで、ステップST4による最適化計算の実行後、各シムポケットに配置されるべき金属シムの数に従って、各シムポケットに金属シムが配置される(ステップST5)。
図7に示す静磁場補正方法によれば、静磁場磁石10の外部であってキャンセルコイル62の近傍に磁性体Mを配置して第3の磁場を形成させ、球面調和関数の展開における展開係数のうちの1次項のY軸成分がある程度小さくなった状態で各シムポケットの金属シムの数が最適化される。
また、当該静磁場補正方法によれば、磁石架台100の外部であってキャンセルコイル62の近傍に磁性体Mを配置して第3の磁場を形成させることで、配置される金属シムの数を減らすことができる。これにより、熱による金属シムの磁化率の変化による静磁場の不均一化を抑制することもできる。また、磁場の測定(ステップST3)及び最適化計算(ステップST4)を繰り返す処理を減らすことができる。
なお、当該静磁場補正方法を、磁性体Mの複数の配置位置においてそれぞれ適用することで、複数の配置位置の中から磁性体Mの好適な配置位置を算出することもできる。好適な配置位置とは、例えば、ステップST4によって算出された、金属シムが最少の場合の磁性体Mの配置位置である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、磁石架台100の外部に設けられた磁性体Mにより静磁場の均一性を向上させることができる。具体的には、磁石架台100の外部に設けられた磁性体Mは、金属シムのように、傾斜磁場コイル11の熱で温められないので、磁化率変化の影響を受けずに静磁場を調整することができる。また、傾斜磁場コイル11の内部に配置される鉄シムが減らせられれば、熱による静磁場不均一化の問題を抑制することができる。さらに、鉄シムでは対処しきれない静磁場不均一性を有する静磁場磁石を使用する場合であっても、静磁場を調整することができる。
なお、演算回路72は、「演算部」の一例である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 磁気共鳴イメージング(MRI)装置
5 撮像装置
7 磁場計算装置
10 静磁場磁石
40 処理回路
61 メインコイル
62 キャンセルコイル
72 演算回路
100 磁石架台
200 磁石脚
M 磁性体

Claims (5)

  1. 第1の磁場を形成するメインコイル、及び、第2の磁場を形成するキャンセルコイルを含む静磁場磁石と、
    傾斜磁場を形成する傾斜磁場コイルと、
    前記静磁場磁石と前記傾斜磁場コイルとを収めた磁石架台と、
    前記磁石架台の外部であって、前記第1の磁場より前記第2の磁場の影響が支配的な複数の位置にそれぞれ配置された複数の磁性体と、
    前記傾斜磁場コイルの各シムポケットに、前記複数の磁性体の配置に基づく数だけ配置される金属シムと、
    を備え、
    前記第2の磁場を受けて磁化された前記複数の磁性体が形成する第3の磁場により、前記第1の磁場及び前記第2の磁場により形成される静磁場を補正する、
    磁気共鳴イメージング装置。
  2. 前記キャンセルコイルは、前記第2の磁場を、前記メインコイルにより形成される前記第1の磁場を弱める方向に形成する、
    請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  3. 前記複数の磁性体は、前記キャンセルコイルにより形成される前記第2の磁場を受けて磁化可能な位置に配置される、
    請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  4. 前記複数の磁性体は、前記静磁場磁石を保持する脚部、又は、撮像中心の直下を含む領域に設けられる、
    請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 前記複数の磁性体の配置位置において前記各シムポケットに収納すべき前記金属シムの数を算出する演算部
    をさらに備えた請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージング装置。
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