JP4838038B2 - ダクト及びダクトの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空調用等に使用されるダクト及びそのダクトの製造方法の技術に関する。
横断面が矩形のダクトが空調用として用いられている。このようなダクトは、ダクト同士の接続部の数を低減するため、いわゆる6幅鉄板と呼ばれる約1810mmの長さの板状部材により構成することが一般的である。そして、6幅鉄板を用いるダクトでは、ダクトを構成する板状部材の厚さはダクトの横断面幅、すなわち長辺に基づいて決定されていた。すなわち、ダクトを構成する4枚の板状部材を全て同じ厚さとしていた。また、6幅鉄板を用いるダクトでは、ダクトの長さ方向の撓みを抑制するため、およそ900mm間隔でアングル補強を施すことが一般的である。
ダクトを構成する板状部材同士の接続に関する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。ダクトの端部同士の接続に関する技術として、例えば特許文献2に記載の技術が知られている。ダクトを構成する板状部材を補強する技術として、例えば特許文献3に記載の技術が知られている。
特許第3701243号公報 特開2001−355906号公報 特開2001−241744号公報
従来の空調用のダクトは、いわゆる6幅鉄板と呼ばれる長手方向の長さが約1810mmの板状部材により構成することが一般的であった。6幅鉄板の板状部材により形成されるダクトは、両端部にフランジが設けられ、ダクトの単位長さは約1740mmとなる。そして、このような長さを有する従来のダクトは、以下の問題を生じていた。すなわち、単位ダクトの長さが長いため、作業者が一人で運ぶのが困難であり、作業性が悪い。また、単位ダクトの中央部に幅方向にアングル等による鉄板の補強が必要となる。その結果、補強のための部材やその補強部材の取り付けに費用がかかりコストの上昇を招く。また、ダクトを構成する板状部材同士の継目部、すなわちハゼ部からの空気の漏洩を防止するためシール加工を行うが、単位ダクトの長さが長いと一方の端部からのシール加工は不可能である。すなわち、両方の端部からシール加工を行う必要があり、シール加工作業の効率が悪い。
また、従来の空調用ダクトは、ダクトを構成する板状部材の厚さをダクトの横断面幅、すなわち長辺に基づいて一律に決定し、全て同じ厚さの板状部材を用いていた。これにより、余分な厚さを有する板状部材が用いられ、ダクトの重量が重くなってしまう。また、余分な厚さを有する板状部材を用いることで、資源の浪費を招いていた。
本発明では、上記の問題に鑑み、従来に比べて軽量化できると共に運搬等の作業性に優れたダクトに関する技術を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。すなわち、本発明に係るダクトは、横断面が略矩形のダクトであって、前記ダクトの長辺を形成し、前記横断面の幅に基づいて厚さが決定され、絞り加工が施された所定の長さを有する第一の板状部材と、前記ダクトの短辺を形成し、前記横断面の高さに基づいて厚さが決定され、絞り加工が
施された所定の長さを有する第二の板状部材と、を備える。
なお、断面が矩形である本発明に係るダクトは、配置する場所の条件、例えば天井裏であればその高さやそのスペースに配置されている他の部材との干渉によりサイズが変更される。すなわち、ダクトの高さや幅がダクトを配置する場所により変わってくる。横断面が正方形であることがコスト的に最良であるが、上記のようにダクトを配置する場所の条件に適合させて、長方形とすることが一般的である。したがって、本明細書においては、長方形のダクトの長い辺の長さを幅と呼び、短い辺の長さを高さと呼ぶこととする。したがって、ダクトを床に対して直交するように立設する場合や、いわゆる床ころがしと呼ばれるように床上に延設されるダクトの断面が床に対して縦長となるように配置される場合においても、本明細書では、長辺を水平とした場合の幅と高さをそれぞれ「幅」及び「高さ」として説明する。なお、長い辺は、通常対向する2辺であり、短い辺も通常対向する2辺である。
本発明に係るダクトに用いられる第一の板状部材と第二の板状部材の厚さは、それぞれ別個の基準に基づいて決定されている。したがって、それぞれの板状部材を必要最小限の板厚とすることができ、ダクトの軽量化を図ることが可能となる。それぞれの板状部材を必要最小限の板状部材とすることで、資源の浪費を低減することができる。また、ダクトの軽量化を図ることで、ダクトの運搬等の作業性が向上する。
第一の板状部材は、前記横断面の幅に基づいて厚さが決定される。横断面とは、ダクトの長手方向と直交する断面である。横断面の幅とは、通常長辺と呼ばれるものである。長辺は、施工箇所のダクトの収まり等を考慮すると450〜1500mmとすることが好ましい。そして、第一の板状部材の厚さは、この長辺の長さに基づいて決定される。また、例えば、450mm、550mmと、上記範囲内において100mmピッチごとに対応する厚さを有する第一の板状部材を作り置きしてもよい。これにより、作業効率が向上する。なお、長辺に対応する第一の板状部材の厚さは、前述した横断面の幅の他、第一の板状部材の材質、ダクトの内部を流れる空気の性質、第一の板状部材に施す絞り加工の種類、ダクト同士の接続方法等に基づいて決定することができる。
第二の板状部材は、前記横断面の高さに基づいて厚さが決定される。そして、第二の板状部材は、前記第一の板状部材と接続されることで横断面が略矩形のダクトを形成する。横断面の高さとは、通常短辺と呼ばれるものである。短辺は、施工箇所のダクトの収まり等を考慮すると250〜450mmとすることが好ましい。そして、第二の板状部材の厚さは、この短辺の長さに基づいて決定される。また、例えば、250mm、300mmと、上記範囲内において50mmピッチごとに対応する厚さを有する第二の板状部材を作り置きしてもよい。これにより、作業効率が向上される。
このように、本発明に係るダクトは、それぞれが別々の基準で決定された厚さを有する第一の板状部材と第二の板状部材とにより構成されている。したがって、それぞれの板状部材を必要最小限の板厚とすることができ、ダクトの軽量化を図ることができる。なお、短辺に対応する第二の板状部材の厚さは、第二の板状部材の材質、ダクトの内部を流れる空気の性質、第二の板状部材に施す絞り加工の種類、ダクト同士の接続方法等に基づいて決定することができる。なお、第一の板状部材と第二の板状部材は、亜鉛鉄版、鋼板、ステンレス鋼版、塩化ビニル鋼板、硬質塩化ビニル板、ガラス繊維等により形成することができる。
第一の板状部材と第二の板状部材には、それぞれ絞り加工が施されている。絞り加工には、ひもリブ補強、「Zリブ」補強、「タイルリブ」補強が例示できる。絞り加工が施された板状部材とすることで、板状部材の強度を増加することができる。また、絞り加工が
ダクトの長手方向に亘って施されていることで、ダクトの強度が向上される。そして、ダクトの長手方向の端部間、換言するとフランジ間に連続的に棒状や板状の起伏や凹凸が形成されることで最も効果的にダクトの強度が向上される。なお、起伏や凹凸は、板状部材をプレスすることで形成することができる。また、絞り加工は、ダクトの長手方向の端部間に断続的に施されていてもよい。
また、本発明において、前記所定の長さは、4幅鉄板の長さであり、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材との継目部には、前記ダクト内を流通する空気が外部へ流出するのを防止するシール部が形成されている、とすることができる。
所定の長さを4幅鉄板の長さとすることで、作業効率が向上する。すなわち、従来のダクトには、長手方向の長さが約1810mmの6幅鉄板と呼ばれる板状部材が用いられていた。しかし、長手方向の長さが約1810mmもあると、作業者が一人で運搬することができず、作業性が悪いといった問題を生じていた。しかし、本発明のダクトは、4幅鉄板、すなわち長手方向の長さが約1210mmの板状部材を用いることで運搬を容易に行うことができ、作業効率が向上される。また、ダクトの単位長さが従来に比べて短いことから、アングル等による補強をする必要がない。その結果、部品点数を削減でき、作業工程も削減することができる。なお、上述したように、6幅鉄板の板状部材により形成されるダクトは、両端部にフランジが設けられ、ダクトの単位長さは約1740mmとなる。これに対し、4幅鉄板の板状部材により形成されるダクトは、両端部にフランジが設けられ、ダクトの単位長さは約1130mmとなる。
第一の板状部材と第二の板状部材との継目部、すなわちハゼ部には、前記ダクト内を流通する空気が外部へ流出するのを防止するシール部が形成されている。これにより、ダクト内から外部への空気漏れとダクトの外部からダクト内への空気の流入を抑制することができる。その結果、ダクト内を流通する空気を送る送風動力の損失を低減することができる。
また、本発明において、前記絞り加工は、等間隔で形成された複数の第一の斜行リブと、この第一の斜行リブに直交するように形成された複数の第二の斜行リブと、により形成され、前記継目部は、ボタンパンチハゼ又はスピンハゼであり、前記ダクトの長辺と短辺の寸法は、それぞれ750mmより大きく1500mm以下であり、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材の厚さは、略0.5mmである、とすることができる。
等間隔で形成された複数の第一の斜行リブと、この第一の斜行リブに直交するように形成された複数の第二の斜行リブと、により形成される、絞り加工とは、上述した「タイルリブ」に相当する。これにより、板状部材の強度は向上される。また、本発明によれば、例えばダクトの横断面が1500mm×1500mmの場合、4辺全ての板状部材の厚さを0.5mmとすることができる。これにより、従来にない薄板ダクトを形成することができる。また、この場合、全ての板状部材を共通部材とすることができ、部品点数を削減することができる。
また、本発明は、長辺を形成する第一の板状部材と短辺を形成する前記第二の板状部材とを有する、横断面が略矩形のダクトの製造方法であって、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材との継目形態を決定する工程と、前記第一の板状部材及び前記第二の板状部材の補強形態を決定する工程と、前記ダクトの短辺の寸法を決定する工程と、前記ダクトの長辺の寸法を決定する工程と、前記各工程により決定された、継目形態と短辺の寸法と長辺の寸法と補強形態とに基づいて前記ダクトに使用する前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とをそれぞれ個別に決定する工程と、決定された前記第一の板状部材と第二の板状部材の両側端部を接続して前記ダクトを組み立てる工程と、を備えるダクトの製造方
法とすることができる。
本発明に係るダクトの製造方法によれば、ダクトに使用する最適な板状部材を効率よく決定することができる。そして、決定された板状部材を組み立てることで、従来よりも軽量のダクトを製造することができる。なお、断面が正方形のダクトを製造する場合、前記ダクトの短辺の寸法を決定する工程と前記ダクトの長辺の寸法を決定する工程とのうちいずれか一方の工程は省略してもよい。また、第一の板状部材と第二の板状部材の材質を決定する工程を更に設けてよい。
継目形態、すなわちハゼ部には、ボタンパンチハゼ、「スピンハゼ」、CDA(Compact Duct Airsystem)ハゼ、が例示できる。補強形態には、絞り加工の種類が例示できる。横断面の幅とは、長辺を意味する。横断面の高さとは、短辺を意味する。そして、これらの情報に基づいて第一の板状部材と第二の板状部材とをそれぞれ個別に決定する。これにより、ダクトに使用する最適な板状部材を効率よく決定することができる。なお、継目形態を決定する工程、補強形態を決定する工程、ダクトの短辺の寸法を決定する工程、ダクトの長辺の寸法を決定する工程、ダクトに使用する第一の板状部材及び第二の板状部材を決定する工程は、コンピュータにより実行させてもよい。これにより、ダクトに使用する最適な板状部材をより効率よく決定することができる。この場合、例えば、継目形態の種類、補強形態の種類等を記憶装置に格納し、CPU(Central Processing Unit)に上記
各工程を実行させればよい。
本発明によれば、従来に比べて軽量化できると共に運搬等の作業性に優れたダクトに関する技術を提供することができる。
次に、本発明に係るダクトの実施形態について図面に基づいて説明する。
〈構成〉
図1は、第1の実施形態に係るダクト10を複数直列に接続した斜視図である。第1の実施形態に係るダクト10は、横方向断面が矩形となるように、ダクト10の長辺を形成する板状部材11と、ダクト10の短辺を形成する板状部材12とを接続することで形成されている。なお、本実施形態では、長辺を850mm、短辺を350mmとした。また、長手方向の長さは、1210mmの4幅鉄板を用いて1130mmとした。
第1の実施形態に係るダクト10は、板状部材11を2枚と、第二の板状部材2枚との合計4枚の板状部材とにより構成される。板状部材11は、ダクト10の上下面を形成するものであり、その幅が850mm、長手方向の長さが1210mmである。そして、板状部材11は、短辺の長さ350mmの間隔をもって、互いに平行かつ水平に配置される。板状部材12は、ダクト10の左右側面を形成するものであり、板の幅が短辺に相当する350mmであり、長手方向の長さが1210mmである。そして、板状部材12は、長辺の長さ850mmの間隔をもって、板状部材11の長手方向の両側縁部に垂直に接続される。このように長手方向の長さが1210mmの第一の板状部材及び第二の板状部材を用いることで取扱が容易となり、作業性が向上する。また、このような4幅鉄板を加工することで形成されるダクト10の長手方向の単位長さは1130mmであり、ダクト10の運搬や設置作業が容易となり、作業性が向上する。
長辺を形成する板状部材11は、その厚さが長辺に基づいて決定される。本実施形態では、長辺が850mmであることに基づいて、板状部材11の厚さを0.6mmとした。
また、短辺が350mmであることに基づいて、板状部材12の厚さを0.5mmとした。なお、長辺及び短辺に対応する板状部材11、12の厚さを予め算出しておき、これを表にしておくことで、効率よくダクト10に使用する板状部材11、12を抽出することができる。図2に、ダクト10の長辺及び短辺に対応する板状部材の厚さを纏めた表の一例を示す。同図に示すように、例えば、長辺×短辺が850mm×350mmの場合、長辺を形成する板状部材の厚さ(板厚)が0.6mm、短辺を形成する板状部材の厚さ(板厚)が0.5mmである。なお、この表は、ハゼ部20に「スピンハゼ」を用い、ダクト10の補強のために「Zリブ」を形成した板状部材を用いる場合の表である。ハゼ部やリブの種類や板状部材の材質によって、予め板状部材の厚さを求めて表にしておくことで、効率よく最適な板状部材を選択することができる。なお、図2に示すように、長辺×短辺が850mm×350mmより大きい場合において、短辺を形成する板状部材の厚さが長辺を形成する板状部材の厚さよりも小さく、すなわち板厚が薄くなっている。すなわち、ハゼ部20に「スピンハゼ」を用い、「Zリブ」を形成した板状部材を用いる場合、本発明の効果が効果的に発揮される。換言すると、ダクトが扁平な形状であるほど本発明の効果が効果的に発揮される。
なお、図2においては、ダクトサイズが1150×450mmまでとなっているがこれに限定されるわけではない。本発明では、長辺及び短辺について、それぞれの寸法が1500mmまでを管理対象とすることができる。これは、工場等の特殊用途以外を除き、殆どのダクトがこの寸法の範囲内で賄えるからである。また、必要に応じて長辺及び短辺の寸法は、本発明の要件に基づいて拡張することができる。この場合、ダクト10の十分な強度を確保できるように、材質、継目形態、接続形態等を選択し、これらを基に板状部材11、12の厚さを決定する。
板状部材11と板状部材12との継目部、すなわちハゼ部20は、ボタンパンチハゼとすることができる。図3は、ボタンパンチハゼを示す断面図である。板状部材11、12をボタンパンチハゼにより接続する場合、同図に示すように板状部材11の長手方向の両側縁部は、長手方向に沿って略直角に屈曲している。そして、屈曲した板状部材11の先端部11aには、内側に突出する爪部11a1が形成されている。また、板状部材12は、板状部材11aの爪部11a1と係合するように長手方向の両側縁部が長手方向に沿って屈曲している。具体的には、板状部材12の先端部は、U字状の屈曲部12a、12b、12cを有している。屈曲部12aの一端は、板状部材12の先端と接続され、他端は屈曲部12bの一端と接続されている。屈曲部12bの他端は、屈曲部12cの一端と接続されている。なお、屈曲部12cの他端は、開放端であって屈曲部12bの内側に位置するように配置され、板状部材11aの爪部11a1が屈曲部12bの内側に挿入された際に接触する。すなわち、爪部11a1が屈曲部12cの開放端に引っかかることにより、板状部材11と板状部材12は、接続される。なお、符号70は、シール部材である。シール部材70を有することで、ダクト10は、空気漏れ量が低減される。
なお、ハゼ部20は、上記の他、例えば「スピンハゼ」としてもよい。図4は、「スピンハゼ」を示す断面図である。同図に示すように板状部材11、12を「スピンハゼ」により接続する場合、板状部材11の長手方向の両側縁部にカール状の湾曲部11bを形成する。一方、板状部材12の長手方向の両側縁部にもカール状の湾曲部12dを形成する。そしてこのカール状の湾曲部11bとカール状の湾曲部12dを湾曲部で回動自在に面接触させて接続する。これにより、板状部材11、12は、湾曲部の中心軸Aを軸として回転可能となる。すなわち、板状部材11、12を接続した状態で折りたたみが可能となる。なお、符号71は、シール部材である。シール部材71を有することで、ダクト10は、空気漏れ量が低減される。
第1の実施形態に係るダクト10は、本発明の絞り加工に相当するひもリブ21、22
を有する。図5は、ひもリブを有するダクト10を示す斜視図である。ひもリブ21は、外側に凸のリブであって、板状部材11の長手方向と直交するように形成されている。これにより、ダクト10内を流れる空気による振動や騒音を抑制することができる。また、ダクト10の強度を向上させることができる。なお、ひもリブ21同士の間隔は、350から450mmとすることが好ましい。また、板状部材12についても、ひもリブ22を長手方向と直交するように形成した。なお、ひもリブ22同士の間隔も、350から450mmとすることが好ましい。これにより、ダクト10内を流れる空気による振動や騒音を抑制すること共に強度を向上させることができる。
なお、絞り加工は、上記の他、「Zリブ」としてもよい。図6は、「Zリブ」を有するダクト10を示す図である。図5(a)に示すように、「Zリブ」を有するダクト10は、長手方向に沿って「Zリブ」23、24を有する。この「Zリブ」23、24は、図5(b)に示すように、山から谷までの間隔を75mmとなるように折り曲げることで形成されている。これにより、ダクト10内を流れる空気による振動や騒音を抑制すると共に強度を向上させることができる。
また、絞り加工は、「タイルリブ」としてもよい。図7は、「タイルリブ」を有するダクト10を示す図である。「タイルリブ」は、板状部材11に等間隔で複数形成された斜行リブ25aと、この斜行リブ25aに直交するように形成された複数の斜行リブ25bと、により形成されている。なお、斜行リブ25aと斜行リブ25bは、外側に凸のリブとなっている。また、板状部材12についても、斜行リブ25a、25bに相当する、斜行リブ26a、26bが形成されている。これにより、ダクト10内を流れる空気による振動や騒音を抑制すると共に強度を向上させることができる。
第1の実施形態に係るダクト10は、共板フランジ工法により接続した。図8は、ダクト10の接続部を示す分解斜視図である。図9は、共板フランジ11A2、11B2に共板クリップ33を固定した状態を示す断面図である。共板フランジ工法では、板状部材11、12の長手方向端部を折り曲げ加工して、接続する。具体的には、板状部材11、12の長手方向端部を略直角に折り曲げて共板11A1、11B1を形成し、共板11A1、11B1の先端側を更に略直角に折り曲げて共板フランジ11A2、11B2を形成する。共板フランジ11A2、11B2の四隅にL型のコーナ金具17を差し込み、ガスケット15を介して、ボルト16A、ナット16Bにより締結する。更に、共板クリップ33を用いて共板フランジ11A2と共板フランジ11B2とを固定している。また、本実施形態においては、四隅のそれぞれの長手方向に亘ってシール部材40を形成した。なお、共板12A1、12B1は、板状部材12の共板であり、上記共板11A1、11B1に相当する。また、共板フランジ12A2、12B2は、板状部材12の共板フランジであり、上記共板フランジ11A2、11B2に相当するものである。
なお、ダクト10同士の接続は、上記の他、アングルフランジ工法としてもよい。アングルフランジ工法による場合、ダクト10同士の接続は、以下のように行う。すなわち、接続する鋼板をダクト10の長辺及び短辺に合わせて断面がL型になるようにフランジ加工し、これをダクトにリベット等で固定し、フランジをガスケットを介してボルト、ナットにより締結する。
<使用方法>
上述したダクト10は、従来技術を用いて支持し、使用することができる。すなわち、ダクト10は、形鋼と棒鋼を用いて支持又は天井から吊り下げることができる。例えば、小型のダクト10を天井から吊り下げる場合、一端を天井に固定した平鋼をリベットにより直接ダクトの側面に固定することができる。また、アングルをダクト10の側面に固定して、アングルに一端が天井に固定されたワイヤを固定してもよい。
以上説明したように、第一の実施形態に係るダクト10では、板状部材11の厚さは、ダクト10の横断面の幅に相当する長辺の寸法に基づいて決定され、板状部材12の厚さは、ダクト10の横断面の高さに相当する短辺の寸法に基づいて決定されている。その結果、ダクト10を形成する板状部材12の厚さは、板状部材11の厚さよりも薄くなっている。したがって、長辺の寸法に基づいて一律に決定された板状部材を用いる従来のダクトに比べて、重量の軽量化を図ることができる。また、4幅鉄板と呼ばれる長手方向の長さが1210mmの板状部材を用いることで、運搬が容易となり、その結果作業効率が向上される。また、従来に比べて長さが短い4幅鉄板の両端部にフランジがそれぞれ形成されて、接続されるので、ダクト10の強度が従来に比べて向上される。更に、ハゼ部20の内側にシール加工をする場合、一方の端部からシール加工を行うことができ、作業効率が向上される。
次に、ダクト10の製造方法について説明する。図10は、ダクト10の製造手順を示すフローである。まず、ステップS01では、ハゼ部20の種類を決定する。ハゼ部20の種類には、ボタンパンチハゼ、「スピンハゼ」等が例示できる。なお、板状部材11、12の材質についても合わせて決定することが好ましい。
次に、ステップS02では、ダクト10の板状部材11、12のリブの種類を決定する。リブの種類には、ひもリブ、「Zリブ」、「タイルリブ」等が例示できる。次に、ステップS03では、ダクト10の短辺の寸法を決定する。ステップS04では、ダクト10の長辺の寸法を決定する。そして、次に、ステップS05では、ハゼ部の種類、リブの種類、短辺の寸法、長辺の寸法、に基づいて板状部材11と板状部材12の厚さをそれぞれ個別に決定する。より具体的には、ハゼ部の種類、リブの種類、短辺の寸法に基づいて板状部材12の厚さを決定する。そして、リブの種類、ハゼ部の種類、長辺の寸法に基づいて板状部材11の厚さを決定する。そして、ステップS06では、決定した板状部材11と板状部材12の両側縁部を接続して、ダクト10を組み立てる。
なお、上述したダクト10の製造手順のうち、ステップS01からステップS05の板状部材の決定手順をコンピュータに実行させることでより効率よく正確に板状部材を決定することができる。図11は、板状部材11、12の決定手順をコンピュータに実行させる場合の機能ブロック図である。同図に示すように、コンピュータ80は、ハゼ部決定手段とリブ決定手段と短辺決定手段と長辺決定手段と板状部材決定手段と、例えばリブの種類等を表示するディスプレイ等の表示手段と、ダクト10の長辺又は短辺の寸法に対応する板状部材の厚さが、リブやハゼ部の種類ごとに予め設けられた各テーブルが格納された記憶手段とを備える。図12から図19は、ダクト10の長辺又は短辺の寸法に対応する板状部材の厚さが、リブやハゼ部の種類ごとに予め設けられた表を示す。これらの各表に相当するテーブルを記憶手段に格納することで、コンピュータ80による処理が可能となる。また、これらの各表を表示手段に表示することでユーザは、ダクトに必要な板状部材を確認することができる。なお、図12から図19に示す表は、板状部材の長手方向の長さが1130mm、すなわち4幅鉄板の場合のものであり、材質として亜鉛鉄板を用いる場合のものである。ステンレス等、他の材質により形成する場合は、材質に対応する表を別途用意する。
図12は、リブなし、ボタンパンチハゼが選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。図12に示すように、ダクトの長辺又は短辺が450mm以下である場合、板状部材の厚さは0.5mmとなる。ダクトの長辺又は短辺が451〜750mmの場合、板状部材の厚さは0.6mmとなる。ダクトの長辺又は短辺が751〜1500mmの場合、板状部材の厚さは0.8mmとなる。なお、この表は、長辺と短
辺の両方に対応する。但し、板状部材の厚さは、長辺と短辺のそれぞれについて別々に決定する。このように、長辺と短辺は、それぞれ別々に決定するが、テーブル自体は共通して使用することができる。
図13は、リブなし、ボタンパンチハゼが選択された場合の横補強(横方向における補強)の要・不要を示す表である。図13に示すように、横補強では、長辺又は短辺の寸法が451〜750mmの場合、補強は不要である。長辺又は短辺の寸法が751〜1500mmの場合、リブ同士の間隔が300mm以内のリブ補強が必要である。
図14は、「タイルリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。図14に示すにように、ダクトの長辺又は短辺の寸法が1500mm以下である場合、板状部材の厚さは0.5mmとなる。つまり、本実施形態では、例えばダクト10の横断面が1500mm×1500mmの場合、4辺全ての板状部材11、12の厚さを0.5mmとすることができる。これは、4幅鉄板という従来よりも短い板状部材を用いることで、フランジが受け持つ荷重の負担割合が高まったことに加えて、「タイルリブ」、ボタンパンチハゼによりダクト10を形成したことにより実現されたものである。
図15は、「タイルリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の横補強(横方向における補強)の要・不要を示す表である。図15に示すように、横補強では、長辺又は短辺の寸法が750mm以下の場合、補強は不要である。長辺又は短辺の寸法が751〜1500mmの場合、間隔が565mmの共板フランジ補強が必要である。また、長辺が751mm以上である場合、裏補強が必要である。なお、ボタンパンチハゼ、「スピンハゼ」についても、「タイルリブ」、ボタンパンチハゼに対応する図14、図15に示す表が適用可能である。
図16は、「Zリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。図16に示すにように、ダクトの長辺又は短辺が750mm以下である場合、板状部材の厚さは0.5mmとなる。ダクトの長辺又は短辺が751〜1500mmの場合、板状部材の厚さは0.6mmとなる。図17は、「Zリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の補強の要・不要を示す表である。図17に示すように、横補強(横方向における補強)では、長辺又は短辺の寸法が451〜750mm、751〜1500mm共に、補強は不要である。但し、長辺が751mm以上である場合、裏補強が必要である。
図18は、「Zリブ」、「スピンハゼ」が選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。図18に示すように、ダクトの長辺又は短辺が750mm以下である場合、板状部材の厚さは0.5mmとなる。ダクトの長辺又は短辺が751〜1500mmの場合、板状部材の厚さは0.6mmとなる。なお、この表は、長辺と短辺の両方に対応する。
図19は、「Zリブ」、「スピンハゼ」が選択された場合の横補強(横方向における補強)の要・不要を示す表である。図19に示すように、横補強では、長辺又は短辺の寸法が1500mm以下の場合、補強は不要である。なお、長辺が751mm以上である場合、裏補強が必要である。
コンピュータ80により、上述した板状部材の決定手順を実行する例を以下に説明する。なお、リブの種類として「タイルリブ」、ハゼ部の種類としてボタンパンチハゼという板状部材11、12の厚さの低減の面で最も効果の大きい、組み合わせがユーザにより選択された場合について説明する。コンピュータ80は、ユーザによって選択された「タイ
ルリブ」、ボタンパンチハゼに対応するテーブルを選択する。すなわち、図14、図15のテーブルが選択される。次にコンピュータ80は、選択したテーブルを参照して、選択された板状部材の辺寸法に基づいて板状部材の厚さを決定する。すなわち、短辺の寸法として350mmが選択された場合、コンピュータ80は、板状部材12の厚さとして0.5mmを決定する。そして、長辺の寸法として850mmが選択された場合、コンピュータ80は、板状部材11の厚さとして0.5mmを決定する。すなわち、いずれの板状部材もその板厚が0.5mmであることを判断し、表示手段を介してこれをオペレータやユーザに通知する。
以上説明したように、ダクト10に使用する板状部材の決定方法によれば、ダクト10に使用する最適な板状部材11、12を効率よく決定することができる。そして、ダクト10の長辺又は短辺に寸法に対応する板状部材の厚さが、リブやハゼ部の種類ごとに予め設けられた表に相当するテーブルを記憶手段に格納することで、コンピュータ80による処理が可能となる。その結果、より効率よく正確に板状部材11、12を決定することが可能となる。
次にダクト10を用いたダクトユニットの性能試験について説明する。
<試験体の仕様>
図20は、本性能試験を行ったダクトの規格を示す図である。同図に示すように、本性能試験は、比較対象とする従来の規格ダクトNを含めて、合計8種類のダクトについて行った。ダクトG−A−1は、ハゼ部がボタンパンチハゼ、リブの種類がひもリブ、長辺×短辺が750mm×450mm、板状部材11の厚さが0.6mm、板状部材12の厚さが0.5mm、長手方向の長さが1130mmのダクトである。ダクトG−A−2は、ハゼ部がボタンパンチハゼ、リブの種類がひもリブ、長辺×短辺が1500mm×450mm、板状部材11の厚さが0.8mm、板状部材12の厚さが0.5mm、長手方向の長さが1130mmのダクトである。ダクトG−D−1は、ハゼ部が「スピンハゼ」、リブの種類がひもリブ、長辺×短辺が750mm×450mm、板状部材11の厚さが0.6mm、板状部材12の厚さが0.5mm、長手方向の長さが1130mmのダクトである。G−D−2は、ハゼ部が「スピンハゼ」、リブの種類がひもリブ、長辺×短辺が1500mm×450mm、板状部材11の厚さが0.8mm、板状部材12の厚さが0.5mm、長手方向の長さが1130mmのダクトである。ダクトG−E−1は、ハゼ部が「スピンハゼ」、リブの種類が「Zリブ」、長辺×短辺が700mm×450mm、板状部材11の厚さが0.5mm、板状部材12の厚さが0.5mm、長手方向の長さが1130mmのダクトである。ダクトG−E−2は、ハゼ部が「スピンハゼ」、リブの種類が「Zリブ」、長辺×短辺が1500mm×450mm、板状部材11の厚さが0.6mm、板状部材12の厚さが0.5mm、長手方向の長さが1130mmのダクトである。ダクトN−1は、ハゼ部がボタンパンチハゼ、リブなし、長辺×短辺が700mm×450mm、板状部材11の厚さが0.6mm、板状部材12の厚さが0.6mm、長手方向の長さが1740mmのダクトである。ダクトN−2は、ハゼ部がボタンパンチハゼ、リブなし、長辺×短辺が1200mm×450mm、板状部材11の厚さが0.8mm、板状部材12の厚さが0.8mm、長手方向の長さが1740mm、アングル横補強を施したダクトである。従来の規格ダクトN以外については、板状部材11と板状部材12とをそれぞれ別々に決定した。また、従来の規格ダクトNには、6幅鉄板と呼ばれる長手方向の長さが1810mmの板状部材を用いる1740mmのダクトが選定され、従来の規格ダクトN以外については、4幅鉄板と呼ばれる長手方向の長さが1210mmの板状部材を用いる1130のダクトを選定した。
本性能試験は、本発明に係るダクトがダクトの置かれる様々な状況に対して、安全対策
上から見たダクトの強度とその状況における性能を確認するものである。本性能試験では、ダクトの変形、歪みを測定するとともに空気漏れについて試験を行った。
<試験方法>
次に試験方法について説明する。本性能試験は、80kg積載時の安全強度と性能の確認及び制限圧力時における凹凸変形の安全強度の確認を行った。
80kg積載時の安全強度と性能の確認は、図21に示す試験装置を用いて行う。図21に示すように、試験体の各ダクトは、ダクト支持台85に載置されている。なお、試験体のダクトは、ダクトG−A、G−D、G−Eについては、1130mm×4本を直列に接続し、ダクトNについては、1740mm×2本を接続した。ダクトの長手方向中心付近の上部には、荷重84a、84bが載置され、その下部にはダクトの撓み量を測定する撓み量測定ゲージ86が配置され、ダクトの長手方向端部付近の上部には、ダクトの変形を測定する凹凸変形スケール83が配置されている。また、ダクトに空気を供給する送風機80が配置され、送風機80とダクトの一端は、配管により接続され、流量測定器81と、圧力測定器82とが配置されている。
まず、内圧を常用最大圧力の試験圧力に保持しながら、ハゼ部及びフランジ部からの空気漏れを計測し、ダクトの接続部、継目部の長さ当たりの空気漏れ量QP0(l/min・m)を求める。なお、常用最大圧力は、正圧が490Pa、負圧が−490Paである。次に、内圧を試験圧力に保持したまま、試験体の中央部にWP1(保温荷重+80kg)の荷重をかけたときの空気漏れ量を計測し、ダクトの接続部、継目部の長さ当たりの空気漏れ量QP1(l/min・m)を求める。次に、WP1積載荷重時において、試験体中央の接続部、すなわちフランジ部での撓み量を撓み量測定ゲージ86で計測し、撓み角(dp/L/2)を求める。次に、内圧を試験圧力に保持したまま、試験体の中央部にWP2(保温荷重)の荷重をかけたときの空気漏れ量計測し、ダクトの接続部、継目部の長さ当たりの空気漏れ量QP2(l/min・m)を求める。次に、無荷重の状態で、内圧を制限圧力に保持したときの空気漏れ量を計測し、ダクトの接続部、継目部の長さ当たりの空気漏れ量QP3(l/min・m)を求める。なお、制限圧力は、正圧が980Pa、負圧が−735Paである。
80kg積載時の安全強度と性能の確認は、以下を基準に評価することとした。すなわち、無荷重時の空気漏れ量QP0は、制限空気漏れ量(QN=2.0×P0.75)の0.75倍以下であること。WP1積載荷重時の空気漏れ量QP1は、制限空気漏れ量QNの0.9倍以下であること。WP2積載荷重時の空気漏れ量QP2に対する、WP1積載荷重時の空気漏れ量QP1の比が1.2以下であること。制限圧力時の空気漏れ量QP3と、無荷重時の常用最大圧力時の空気漏れ量とが、下記に示す式1を満足すること。なお、空気漏れ量の試験は、本発明に係るダクトが従来と異なり長辺と短辺が異なることでハゼ部に隙間等が生じることが懸念されるため、これを検証すべく行ったものである。また、これらの基準は、編集・著作権者、社団法人空気調和・衛生工学会、「ダクトの新標準仕様・技術指針・同解説」(平成5年11月20日第一刷発行)を参考にした。
QP3/QP0≦(PM/PN)0.75・・・式1
なお、式1において、PMは制限圧力、PNは常用最大圧力である。また、WP1積載荷重時の撓み角は1/150以下であるものし、空気漏れ量の実測値は測定誤差を含め±20%を許容するものとする。
また、制限圧力時における凹凸変形の安全強度の確認は、図22に示す要領で行った。すなわち、無荷重時、制限圧力に保持しながら、正圧時では+b、負圧時では、−bを測
定する。そして、測定はダクトの長辺及び短辺の両方を測定する。
制限圧力時における凹凸変形の安全強度の確認は、ダクトの長辺幅W、凹凸変化量±bとして、|±b|≦30mm、且つ、|±b/w|<3%であること、を基準として評価した。
<試験結果>
次に、試験結果について説明する。図23は、空気漏れ量(1)を示す試験結果である。図24は、空気漏れ量(2)を示す試験結果である。縦軸は、空気漏れ量(l/min・m)、横軸は、試験体のダクト種類を示す。また、P1は常用最大圧力(490Pa)、P2は常用最大圧力+80kg+保温荷重、P3は常用最大圧力+保温荷重、P4は制限圧力(980Pa)である。なお、図においては、G−A−1にのみP1〜P4を記載したが、他のダクトについても同様に左から順にP1、P2、P3、P4とする。また、本試験は、ダクト支持台85の間隔は3mとし、正圧で行ったものである。
図23、図24に示すように、ダクトG−A−1、G−D−1、G−E−1、G−A−2、G−D−2、G−E−2(以下、本願に係るダクトという。)の空気漏れ量は、従来の規格ダクトN−1、N−2(以下、従来規格のダクトという)の空気漏れ量よりも少なくなった。より具体的には、本願に係るダクトの空気漏れ量は、従来規格のダクトの1/10〜1/3であり、本願に係るダクトが、空気漏れ量において優れた特性を有することが確認された。なお、空気漏れ量は、一般的に総送風量の3〜10%であることから、仮にこれを5%と想定すると、本願に係るダクトを採用することで、約6%の送風動力の低減を図ることが可能であると考えられる。
図25は、変形比較量(1)を示す試験結果である。図26は、変形比較量(2)を示す試験結果である。縦軸は、変化量mm、横軸は、試験体のダクトの種類を示す。また、Q1は、80kg+保温荷重の撓み量、Q2は、無荷重で内圧を制限圧力(+980Pa)に保持し長辺の凹凸変化量+bを測定したもの、Q3は、無荷重で内圧を制限圧力(+980Pa)に保持し短辺の凹凸変化量+bを測定したものである。なお、図においては、G−A−1にのみQ1〜Q3を記載したが、他のダクトについても同様に左から順にQ1、Q2、Q3とする。また、本試験は、ダクト支持台85の間隔は3mとし、正圧で行ったものである。
図25、図26に示すように、本願に係るダクトの変形量は、従来規格のダクトの変形量と同程度であることが確認された。すなわち、本願に係るダクトを形成する板状部材は、その厚さが従来に比べて薄くすることを可能とするものである。しかし、ダクトの変形量は従来規格のダクトと同程度であることが確認できた。
図27は、板状部材(長辺)の振動測定結果である。図28は、板状部材(短辺)の振動測定結果である。縦軸は、振動加速度レベルVAL(dB)、横軸は、周波数(Hz)を示す。また、実線は、従来規格のダクトN−1の波形であり、点線は、本願に係るダクトG−E−1の波形である。なお、本試験は、ダクト支持台85の間隔は3mとし、正圧、風速8m/sで行ったものである。
図27、図28に示すように、本願に係るダクトは、従来規格のダクトとほぼ同様の性能を有することが確認することができた。より具体的には、長辺では、100〜140Hzにおいて、本願に係るダクトの方が従来規格のダクトよりも振動加速度レベルが小さいことが確認された。また、短辺では、120〜160Hzにおいて、本願に係るダクトの方が従来規格のダクトよりも振動加速度レベルが小さいことが確認された。
以上説明しようように、本願に係るダクトは、従来規格のダクトよりも空気漏れ量が小さかった。すなわち、本発明に係るダクトは、空気漏れが少ないという優れた特性を有することが確認された。また、本願に係るダクトは、撓み量、凹凸変形量が従来規格のダクトとほぼ同じであった。したがって、板状部材を従来より薄くすることによる強度への影響が見られないことが確認された。更に、本願に係るダクトは、振動加速度レベルが従来のダクトとほぼ同じであった。また、別途行った試験では、騒音値が従来規格のダクトと同じ又はそれ以下であった。すなわち、本願に係るダクトは、騒音面においても、従来規格のダクトと同等又はそれ以上の性能を有することが確認された。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るダクトはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
第1の実施形態に係るダクト10を複数直列に接続した斜視図である。 ダクト10の長辺及び短辺に対応する板状部材の厚さを纏めた表の一例である。 ボタンパンチハゼを示す断面図である。 「スピンハゼ」を示す断面図である。 ひもリブを有するダクト10を示す斜視図である。 「Zリブ」を有するダクト10を示す図である。 「タイルリブ」を有するダクト10を示す図である。 ダクト10の接続部を示す分解斜視図である。 共板フランジに共板クリップを固定した状態を示す断面図である。 図9は、ダクト10に使用する板状部材の決定手順を示すフローである。 板状部材の決定手順をコンピュータに実行させる場合の機能ブロック図である。 リブなし、ボタンパンチハゼが選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。 リブなし、ボタンパンチハゼが選択された場合の補強の要・不要を示す表である。 「タイルリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。 「タイルリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の補強の要・不要を示す表である。 「Zリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。 「Zリブ」、ボタンパンチハゼが選択された場合の補強の要・不要を示す表である。 「Zリブ」、「スピンハゼ」が選択された場合の長辺又は短辺に対応する板状部材の厚さを示す表である。 「Zリブ」、「スピンハゼ」が選択された場合の補強の要・不要を示す表である。 性能試験を行ったダクトの規格を示す図である。 性能試験を行った試験装置を示す図である。 性能試験の要領を示す図である。 空気漏れ量(1)を示す試験結果である。 空気漏れ量(2)を示す試験結果である。 変形比較量(1)を示す試験結果である。 変形比較量(2)を示す試験結果である。 板状部材(長辺)の振動測定結果である。 板状部材(短辺)の振動測定結果である。
符号の説明
10・・・ダクト
11、12・・・板状部材
11A1、11B1・・・共板
11A2、11B2・・・共板フランジ
20・・・ハゼ部
21、22・・・ひもリブ
23、24・・・「Zリブ」
25a、25b、26a、26b・・・斜行リブ
70、71・・・シール部材
80・・・コンピュータ

Claims (4)

  1. 横断面が略矩形のダクトであって、
    前記ダクトの横断面の長辺を形成し、前記横断面の幅に基づいて厚さが決定され、絞り加工が施され、長手方向の長さが4幅鉄板の長さである第一の板状部材と、
    前記第一の板状部材と接続されて前記ダクトの横断面の短辺を形成する第二の板状部材であって、前記横断面の高さに基づいて厚さが決定され、絞り加工が施され、長手方向の長さが4幅鉄板の長さである第二の板状部材と、を備え
    前記第二の板状部材の厚さが、前記第一の板状部材の厚さよりも薄い、ダクト。
  2. 前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とが接続される継目部には、前記ダクト内を流通する空気が外部へ流出するのを防止するシール部が形成され、
    前記絞り加工は、等間隔で形成された複数の第一の斜行リブと、この第一の斜行リブに直交するように形成された複数の第二の斜行リブと、により形成され、
    前記継目部は、ボタンパンチハゼ又はスピンハゼであり、
    前記ダクトの長辺の寸法は、751mmから1500mmであり、前記ダクトの短辺の寸法は、750mm以下であり、
    前記第一の板状部材の厚さは、略0.6mmであり、前記第二の板状部材の厚さは、略0.5mmである、請求項に記載のダクト。
  3. 横断面が略矩形のダクトであって、前記ダクトの横断面の長辺を形成し、長手方向の長さが4幅鉄板の長さである第一の板状部材と、前記第一の板状部材と接続されて前記ダクトの横断面の短辺を形成する第二の板状部材であって、長手方向の長さが4幅鉄板の長さである第二の板状部材と、を有するダクトの製造方法であって、
    前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とが接続される継目形態を決定する工程と、
    前記第一の板状部材及び前記第二の板状部材の補強形態を決定する工程と、
    前記ダクトの長辺の寸法を決定する工程と、
    前記ダクトの短辺の寸法を決定する工程と、
    前記各工程により決定された、継目形態と短辺の寸法と長辺の寸法と補強形態とに基づいて、前記ダクトに使用する前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とをそれぞれ個別に決定し、前記第二の板状部材の厚さを、前記第一の板状部材の厚さよりも薄く決定する工程と、
    決定された前記第一の板状部材と第二の板状部材の両側端部を接続して前記ダクトを組み立てる工程と、を備えるダクトの製造方法。
  4. 横断面が略矩形のダクトであって、前記ダクトの横断面の長辺を形成し、長手方向の長さが4幅鉄板の長さである第一の板状部材と、前記第一の板状部材と接続されて前記ダクトの横断面の短辺を形成する第二の板状部材であって、長手方向の長さが4幅鉄板の長さである第二の板状部材と、を有するダクトの板状部材決定装置であって、
    前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接続する継目形態と、前記第一の板状部材及び前記第二の板状部材の、補強形態と、長手方向の長さと、長辺及び短辺寸法と、それぞれの厚さとを対応づけたテーブルを格納する記憶手段と、
    前記記憶手段に格納されたテーブルを参照し、ユーザによって選択された、前記継目形態、前記補強形態、前記長手方向の長さ、前記長辺及び短辺寸法に基づいて、前記ダクトに使用する前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とをそれぞれ個別に決定し、前記第二の板状部材の厚さを、前記第一の板状部材の厚さよりも薄く決定する手段と、を備えるダクトの板状部材決定装置。
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