JPH087196Y2 - 管装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、端部に継手部を有する管体に、保護カバ
ーを挿着した管装置に関するものである。

［従来の技術］ 近年、屋外のガス配管などにおいては、端部にフレア
継手を有する金属の可とう管を、保護カバーで覆った構
成の管装置が使用されている。

本出願人は、先に、このような保護カバー付きの管装
置として、挿着が簡単な管装置１（第５図および第６図
参照）のものを提案した（実願昭60−63890号）。

この管装置１は、フレアナット（ナット）2,3の内周
部の相互間に金属可とう管（管体）４の両端部を回転自
在に取り付け、またフレアナット2,3の外周部の相互間
に保護カバー５の両端部を回転自在に取り付けた構成と
なっている。フレアナット2,3にはめねじ部2a,3aが形成
されており、そのめねじ部2a,3aを、野外配管に固定さ
れた管継手6,7にねじ付けるようになっている。また保
護カバー５は、高圧法ポリエチレンをブロー成形したも
のであり、その中央部に波形の蛇腹部5aが形成され、そ
の両端部に直管部5b,5cが形成されている。

フレアナット2,3と可とう管４の取り付け構造は、フ
レアナット2,3の内周に形成された縮径部2b,3bに、可と
う管４の端部のフレアー部4a,4bを回転自在に嵌め合わ
せた構造となっている。一方、フレアナット2,3と保護
カバー５の取り付け構造は、フレアナット2,3の外周に
形成した環状の溝2c,3cにＯリング８を嵌め付け、そし
て、そのＯリング８に保護カバー５の端部内周の環状凹
部5d,5eを回転自在かつ水密性を保つように嵌め付けた
構造となっている。なお、第５図において９はアルミニ
ウム製のリングであり、このリング９には製造ロット、
最小曲げ半径等の表示や検査合格証紙等が貼付されてい
る。

このような構成の管装置１を装着する場合には、予
め、フレアナット2,3の相互間に可とう管４と保護カバ
ー５を回転自在に取り付けておく。そして、フレアナッ
ト2,3を管継手6,7にねじ付ける。これにより、フレアナ
ット2,3と管継手6,7の間に可とう管４のフレアー部4a,4
bが挟み込まれて、それらの間がシールされる。フレア
ナット2,3のねじ付けに際しては、フレアナット2,3と保
護カバー５が相対回転する。

結局、配管現場においては、フレアナット2,3を管継
手6,7にねじ付けるだけで管装置１の装着が完了し、装
着の手間を大幅に削減することができる。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、このような既提案の管装置１にあっては、
Ｏリング８を必要とする分、部品点数が増加すると共
に、その管理や取り扱いが面倒であり、しかもその嵌め
付け作業が面倒であるという解決すべき問題があった。

また、Ｏリングを係止する必要からフレアナットの先
端部がＯリングの前方まで延びているうえ、Ｏリングは
弾性変形量が大きいため、保護カバーのフレアナット先
端に対応する部分が強く押されたり、フレアナットの近
傍で保護カバーが強く曲げられると、フレアナットの先
端に保護カバーの内面が当たり、傷を付けるおそれがあ
った。また、Ｏリングの変形により保護カバーが抜けや
すいという欠点があった。

この考案は、このような問題を解決課題とするもので
ある。

［課題を解決するための手段］ この考案の管装置は、端部にフレアー部が形成された
管体と、一端部の内周にめねじ部が形成されていると共
に、他端部の内周には、前記管体のフレアー部と回転自
在にはまり合う縮径部が形成され、かつ前記他端部の外
周には、この他端部の先端縁に沿って、周方向へ延びる
断面略半円状の環状凸部が一体的に形成されたナット
と、前記管体を覆い、かつ端部内周には、自由状態で前
記ナットの環状凸部よりも曲率半径が小さく、前記環状
凸部と回転自在にはめ合わされ、この状態でその内周面
が前記環状凸部の外周面に弾性的に圧接する断面略半円
状の環状凹部が形成された保護カバーとからなることを
特徴とする。

［作用］ この考案の管装置は、ナットの外周に断面面略半円状
の環状凸部を形成すると共に、保護カバーの内周に断面
略半円状でかつ曲率半径が上記環状凸部よりも小さい環
状凹部を形成して、これらの環状凸部と環状凹部を回転
自在に嵌め合わせる構成、つまり、ナットと保護カバー
の間にＯリングなどのような特別なシール部材を介在さ
せずに、それらを直接、嵌め合わせる構成を採用するこ
とにより、Ｏリングなどのようなシール部材を必要とし
ない分、部品点数を削減して、組み付け作業性を向上さ
せる。

また、環状凸部と嵌り合った保護カバーの環状凹部
が、内側に向かう復元力によって環状凸部の表面に各方
向から密着することにより、確実にシールを実現する。

さらに、環状凸部がフレアナットの先端に形成された
ことにより環状凸部より前方に突出する部分を有しない
うえ、環状凸部がフレアナットの外周と一体化された断
面半円状をなしているから、保護カバーのフレアナット
先端に対応する部分が強く押された場合にも、環状凸部
が弾性変形して保護カバーの内面がフレアナットの先端
に当たることがない。したがって、フレアナットの先端
によって保護カバーの内面に傷が付くおそれがない。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を第１図ないし第４図に基づ
いて説明する。なお、上述した既提案の管装置１と同様
の部分には同一符号を付して説明を省略する。

第１図ないし第４図は、この考案の第１の実施例の説
明図であり、本実施例の管装置11は、フレアナット2,3
と保護カバー５の取り付け構造のみが、前述した既提案
のものと異なる。

すなわち、フレアナット2,3の外周には、周方向に沿
って延在する断面略半円状の環状凸部2d,3dが形成さ
れ、また保護カバー５の直管部5b,5cの内周には、断面
略半円状の環状凹部5f,5gが形成されている。環状凹部5
f,5gの曲率半径R1は、環状凸部2d,3dの曲率半径R2より
も小さくなっており、第２図のように保護カバー５の内
側にフレアナット2,3を差し込むことによって、環状凹
部5f,5gが押し広げられるようにして環状凸部2d,3dと嵌
り合うようになっている。その嵌め合い状態において
は、第３図中の矢印で示すように、環状凹部5f,5gの内
側に向かう各方向の復元力が、環状凸部2d,3dの断面略
半円状の表面を押すことになる。この結果、環状凸部2
d,3dと環状凹部5f,5gが密に嵌り合って、フレアナット
2,3と保護カバー５との間が確実にシールされる。また
その嵌め合い状態において、環状凸部2d,3dと環状凹部5
f,5gはシールを保ったまま相対回転自在となる。

さらに、この実施例のフレアナット2,3は、その環状
凸部2d,3d側の先端部が第５図の従来例に比べて短く切
り落とされている。すなわち、環状凸部2d,3dはフレア
ナット2,3の先端縁に沿って、周方向へ延びるように、
フレアナット2,3と一体的に形成されている。

その他の構成は、前述した既提案のものと同様であ
る。

このような構成の管装置11を装着する場合には、前述
した既提案のものと同様に、予め、フレアナット2,3の
相互間に可とう管４と保護カバー５を回転自在に取り付
けておいてから、フレアナット2,3を管継手6,7にねじ付
ける。これにより、フレアナット2,3と管継手6,7との管
に可とう管４のフレアー部4a,4bが挟み込まれて、それ
らの間がシールされる、またフレアナット2,3のねじ付
けに際しては、フレアナット2,3と保護カバー５がシー
ルを保ったまま相対回転する。

また、本実施例では、環状凸部2d,3dがフレアナット
2,3の先端縁に沿って、周方向へ延びるように、フレア
ナット2,3と一体的に形成されているため、環状凸部2d,
3dより前方に突出する部分を有しないうえ、環状凸部2
d,3dがフレアナット2,3と一体化された断面半円状をな
しているから、保護カバー５のフレアナット先端に対応
する部分が強く押された場合にも、環状凸部2d,3dが弾
性変形して保護カバー５の内面がフレアナット2,3の先
端に当たることがない。したがって、フレアナット2,3
の先端によって保護カバー５の内面に傷が付くおそれが
ない。また、保護カバー５をスムーズにフレアナット2,
3にはめ合わせることができる。

なお、環状凸部2d,3dと環状凹部5f,5gとの嵌め合い部
分にはシリコンオイルなどを塗布してもよい。また、管
体としては可とう性のないものを使用してもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案の管装置は、ナットの
外周に断面面略半円状の環状凸部を形成すると共に、保
護カバーの内周に断面略半円状でかつ曲率半径が上記環
状凸部よりも小さい環状凹部を形成して、これらの環状
凸部と環状凹部を回転自在に嵌め合わせる構成、つま
り、ナットと保護カバーの間にＯリングなどのような特
別なシール部材を介在させずに、それらを直接、嵌め合
わせる構成であるから、Ｏリングなどのようなシール部
材を必要としない分、部品点数を削減して、組み付け作
業性を向上させることができる。

また、環状凸部がフレアナット先端縁に沿って形成さ
れたことにより環状凸部より前方に突出する部分を有し
ないうえ、環状凸部がフレアナットの外周と一体化され
た断面半円状をなしているから、保護カバーのフレアナ
ット先端に対応する部分が強く押された場合にも、環状
凸部が弾性変形して保護カバーの内面がフレアナットの
先端に当たることがない。したがって、フレアナットの
先端によって保護カバーの内面に傷が付くおそれがな
い。

さらに、フレアナットと同じ硬質材料で形成された環
状凸部の断面を半円状にする一方、保護カバーの端部に
環状凹部を形成し、さらに、環状凹部の断面の曲率半径
を環状凸部の断面の曲率半径よりも小さくしているの
で、環状凸部に環状凸部をはめ合わせた状態では、環状
凹部の内周面が環状凸部の外周面全面に弾性力で圧接さ
れ、高いシール性がられるのみならず、保護カバーが抜
けにくいという利点も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の第１の実施例を説明す
るための図であって、第１図は半断面図、第２図は第１
図のII円部の拡大分解図、第３図は第１図のII円部の拡
大図、第４図はフレアナットの断面図である。 第５図および第６図は本出願人が先に提案した管装置の
説明図であり、第５図は半断面図、第６図は第５図のVI
円部の拡大図である。 2,3……フレアナット（ナット）、2a,3a……めねじ部、
2b,3b……縮径部、2d,3d……環状凸部、４……可とう管
（管体）、4a,4b……フレアー部、５……保護カバー、5
f,5g……環状凹部、11……管装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】端部にフレアー部が形成された管体と、 一端部の内周にめねじ部が形成されていると共に、他端
   部の内周には、前記管体のフレアー部と回転自在にはま
   り合う縮径部が形成され、かつ前記他端部の外周には、
   この他端部の先端縁に沿って、周方向へ延びる断面略半
   円状の環状凸部が一体的に形成されたナットと、 前記管体を覆い、かつ端部内周には、自由状態で前記ナ
   ットの環状凸部よりも曲率半径が小さく、前記環状凸部
   と回転自在にはめ合わされ、この状態でその内周面が前
   記環状凸部の外周面に弾性的に圧接する断面略半円状の
   環状凹部が形成された保護カバーとからなることを特徴
   とする管装置。