JP6161148B2 - 断熱パネルの接続構造 - Google Patents

断熱パネルの接続構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6161148B2
JP6161148B2 JP2013030340A JP2013030340A JP6161148B2 JP 6161148 B2 JP6161148 B2 JP 6161148B2 JP 2013030340 A JP2013030340 A JP 2013030340A JP 2013030340 A JP2013030340 A JP 2013030340A JP 6161148 B2 JP6161148 B2 JP 6161148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat insulation
heat insulating
insulation panel
panel
reinforcing member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013030340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014159690A (ja
Inventor
寛之 森
寛之 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Coated Sheet Corp
Original Assignee
Nippon Steel Coated Sheet Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Coated Sheet Corp filed Critical Nippon Steel Coated Sheet Corp
Priority to JP2013030340A priority Critical patent/JP6161148B2/ja
Publication of JP2014159690A publication Critical patent/JP2014159690A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6161148B2 publication Critical patent/JP6161148B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finishing Walls (AREA)

Description

本発明は、ビルなどの建物の外壁や間仕切り壁の形成に用いられる断熱パネルの接続構造に関する。
従来、断熱パネルは、建物の外壁や間仕切り壁などを形成するのに用いられており、例えば、二枚の金属外皮の間に芯材を充填して形成させた、いわゆるサンドイッチパネルが広く使用されている。このような断熱パネルは、例えば、一端部に嵌合部を、他端部に被嵌合部を設けるなどして、断熱パネルどうしを嵌合させ、さらにネジやボルトなどを打ち込むなどして、隣接する断熱パネルどうしの接続が安定するように工夫がなされている(例えば、特許文献1等を参照)。
図6(a)には一例として、複数の断熱パネルAを順次接続させて形成される外壁Gの一部を示している。このような外壁Gは、例えば、ビル等の側壁を形成するために用いられている。図6(a)に示すように、この外壁Gは、構造材21を柱として有しており、構造材21の屋外側には胴縁28が隣接して立設されている。また、この胴縁28から所定の間隔をおいて、複数の胴縁28が互いに平行に立設されている。また、外壁材としての断熱パネルAは、複数の胴縁28の屋外側に架け渡されて固定されている。図6の形態では、各断熱パネルAは、外壁の横方向(水平方向)に長く配置されている。また、図6(b)は、図6(a)の外壁Gの断面図であって、外壁Gの縦方向(水平面に対して直交する方向)における断熱パネルAどうしの接続部分を示している。図6(b)に示されているように、断熱パネルAは、二枚の金属外皮11、12(例えば、金属板)の間に断熱材5が充填されて形成されており、一端部には嵌合部3が、他端部には被嵌合部4が形成されている。そして、外壁の縦方向で隣接する断熱パネルA、Aにおいて、一方の断熱パネルAの嵌合部3と、他方の断熱パネルAの被嵌合部4とが互いに嵌合されて、断熱パネルAどうしが接続されている。尚、断熱パネルAの胴縁28への取り付けは、図示のようにビスや釘など固定具2が用いられている。また、隣接する断熱パネルAの端部間には防水性を確保するために、防水部材13を介在させている。
特開平8−184159号公報
しかしながら、従来のような断熱パネルAの接続方法では、図7に示すような、建物Cの外壁Gに風Wによる風荷重がかかった際の負圧によって、断熱パネルA、Aどうしの嵌合が外れてしまうおそれがあった。ここで、一般的には図7に示しているように、外壁Gに風Wが吹き付けられて風荷重がかかると、風Wを正面で受けた外壁Gには正圧が発生する。そして、風Wが建物Cの周囲を通り抜けると、建物Cの正圧が発生した面以外の側面や頂面には負圧、すなわち、引っ張られる力が発生する。尚、図7において、風Wを示す矢印の方向は、風の吹きつけ方向を示し、また、正圧は実線のブロック矢印(風Wの矢印は除く)、負圧は破線のブロック矢印で示している。
図8は、上記の負圧(破線のブロック矢印)が発生して、断熱パネルA、Aどうしの嵌合が外れた状態を示している。負圧が一定以上の大きさに達してしまうと、図8のように、嵌合部3と被嵌合部4との嵌合が外れてしまうことがある。このように、隣接する断熱パネルAどうしの接続が充分でないと、負圧によって、嵌合が外れることがあり、これが原因で、建物Cの外観の低下や断熱性能の低下、さらには、安全面も損なわれるおそれがあった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、外壁に大きな負圧が発生したとしても、隣接する断熱パネルどうしの接続が外れてしまうのを抑制することができる断熱パネルの接続構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係る断熱パネルの接続構造は、断熱パネルの一端部及び他端部にそれぞれ嵌合部及び被嵌合部が設けられ、隣接する断熱パネルの一方の断熱パネルの前記嵌合部と他方の断熱パネルの前記被嵌合部とが嵌合されてなる断熱パネルの接続構造であって、断熱パネルの端部どうしが補強部材で連結されて成ることを特徴とする。
また、上記の断熱パネルの接続構造にあっては、前記補強部材には少なくとも第1の固着具及び第2の固着具が設けられており、前記第1の固着具は一方の断熱パネル表面の端部に連結され、前記第2の固着具は他方の断熱パネル表面の端部に連結されていることが好ましい。
また、前記補強部材が円盤状に形成されていることが好ましい。
また、前記第1の固着具及び第2の固着具がいずれもビスであることが好ましい。
本発明に係る断熱パネルの接続構造によれば、建物の外壁に風荷重が作用して負圧が発生したとしても、隣接する断熱パネルどうしの接続が外れるのを抑制することができ、建物の外観の低下や断熱性能の低下を抑制することができる。
本発明の断熱パネルの接続構造の実施の形態の一例を示し、(a)は複数の断熱パネルを取り付けて形成させた外壁の室内側からの正面図、(b)はその側面の断面図であって、隣接する断熱パネルどうしの接続部分の拡大図、(c)は(b)の変形例であって、隣接する断熱パネルどうしの接続部分の拡大図である。 同上の実施の形態の一例を示す斜視図である。 同上の他の実施の形態の一例を示し、断熱パネルの接続構造における側面断面図である。 断熱パネルの接続強度を測定するための試験の様子を示し、(a)は補強具の平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。 断熱パネルの接続強度の実施例及び比較例の試験結果を示し、胴縁間隔と風圧力との関係を示すグラフである。 従来例を示し、(a)は複数の断熱パネルを取り付けて形成させた外壁の斜視図、(b)はその側面の断面図であって、隣接する断熱パネルどうしの接続部分の拡大図である。 建物に風が吹きつけられて、正圧と負圧とが発生する様子を示す概略図である。 負圧によって断熱パネルどうしの接続が外れる様子を示し、断熱パネルどうしの接続部分の断面を示す拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1(a)は、複数の断熱パネルA、A、・・・を取り付けて形成させた外壁Gの一部を示しており、室内側から見た場合の正面図である。また、図1(b)は、図1(a)における側面の断面図を示しており、隣り合う二枚の断熱パネルA、Aどうしの接続部分を拡大した図を示している。さらに、図2は、上記の外壁Gの一部の斜視図を示している。以下、図1及び図2の実施の形態によって、断熱パネルの接続構造について詳述する。
図1及び図2の実施の形態における外壁Gは、少なくとも胴縁28と、断熱パネルAと、補強部材1とを備えている。
断熱パネルAとしては、図1、2に示されているように、例えば、平面視略矩形状で板状に形成されたものを使用することができる。本実施の形態の断熱パネルAでは、二枚の金属外皮11、12の間に芯材として断熱材5が充填されて形成されている。断熱パネルAは、断熱材5と共に耐火材などを二枚の金属外皮11、12の間に有していてもよい。
図1、2の実施形態では、一方の金属外皮11を室外側(屋外側)、他方の金属外皮12を室内側(屋内側)として使用しているが、その逆であってもよい。尚、本発明では、本実施形態のような断熱パネルAに限定されるものではなく、その他の構成の種々のパネルを使用してもよい。また、断熱パネルAの縦横の寸法も特に制限されるものでなく、形成する外壁Gの大きさに応じて、適宜の大きさにすることができる。
金属外皮11、12は、公知の金属板をロール加工するなどして形成されるものであり、金属板としてはステンレス鋼板、亜鉛めっき鋼板、塗装鋼板、ガルバリウム鋼板(登録商標)などを用いることができる。断熱材5としては、例えば、ロックウールやグラスウールなどの無機繊維板、あるいはフェノールフォーム、ウレタンフォームやイソシアヌレートフォームなどの樹脂発泡体などを用いることができる。
断熱パネルAの両側の金属外皮11、12、すなわち、室内側及び室外側の面は、いずれも平坦状に形成されている。図1、2では、断熱パネルAの両側の面のうち、室内側に配置される面を室内側面20a、室外側に配置される面を室外側面20bと表記している。
断熱パネルAの一方の端部(以下、一端部という)には、外方に突設されて形成されている嵌合部3を有している。嵌合部3は、断熱パネルAの一端部の略全長に亘って形成されている。嵌合部3の断面形状は、図1(b)に示すように断熱パネルAの一端部の略全長に亘って一定である。
一方、断熱パネルAの他方の端部(以下、他端部という)には、断熱パネルAの端面に凹設して形成されている被嵌合部4を有している。尚、断熱パネルAの他端部とは、上記の断熱パネルAの一端部と互いに対向している端部のことをいう。被嵌合部4は、断熱パネルAの他端部の略全長に亘って形成されている。被嵌合部4の断面形状は、図1(b)に示すように断熱パネルAの他端部の略全長に亘って一定である。
尚、図1の実施形態では、断熱パネルAの上端部に嵌合部3、下端部に被嵌合部4が形成されているが、この逆であってもよい。
嵌合部3は、通常は断熱パネルAの厚みよりも薄く形成されており、被嵌合部4は、嵌合部3を差し込んで嵌合できるような形状に形成されている。ここでいう断熱パネルAの厚みとは、室内側面20aから室外側面20bまでの距離のことをいう。
図1の実施形態で使用している断熱パネルAの場合、以下に説明するように、上記の嵌合部3及び被嵌合部4は、金属外皮11、12をそれぞれ折り曲げ加工(屈曲加工)することで形成させることができる(特に、図1(b)を参照)。
二枚の金属外皮11、12のうち、一方の金属外皮11の一端部には、屈曲加工されて断面略倒L字状の凹段部8が形成され、この凹段部8の先端がさらに折り返し屈曲されて、断面略倒U字状の固着具用凹部9が形成されている。さらに、固着具用凹部9の先端で屈曲加工されて、断面略逆L字状の室外側折り曲げ片10が形成されている。室外側折り曲げ片10の先端は、断熱パネルAの内側(断熱材5側)に配置されている。
また、一方の金属外皮11の他端部には、その先端で内側(断熱材5側)に折り返し屈曲加工されて、折り曲げ部6が形成されている。折り曲げ部6の先端は、さらに内側(断熱材5側)に略垂直に屈曲加工されている。
一方、二枚の金属外皮11、12のうち、他方の金属外皮12の一端部には、略垂直に屈曲加工されて、断面略L字状の凹み部16が形成されている。凹み部16の先端は、さらに内側(断熱材5側)に略垂直に屈曲加工されている。また、金属外皮12の他端部には、その先端で内側(断熱材5側)に折り返し屈曲加工されて、屈曲部7が形成されている。屈曲部7の先端は、さらに内側(断熱材5側)に略垂直に屈曲加工されている。
本実施形態の断熱パネルAのように、二枚の金属外皮11、12それぞれの一端部、及び他端部が上記のように構成されている場合、室外側折り曲げ片10及び凹み部16と、これらの間に介在している断熱材5を含む領域が嵌合部3に相当する。また、折り曲げ部6及び屈曲部7と、これらの間に介在している断熱材5を含む領域が被嵌合部4に相当する。図1(b)では、嵌合部3の先端部分は断熱材5が一部露出しているが、金属外皮11、12を屈曲加工させて断熱材5の露出部分を覆うようにしてもよい。また、被嵌合部4の先端部分も断熱材5が一部露出しているが、同様に、金属外皮11、12を屈曲加工させて断熱材5の露出部分を覆うようにしてもよい。
もちろん、本発明では、断熱パネルAの嵌合部3及び被嵌合部4は、上記形状に限定されるものではなく、適宜の形状に形成させることができる。また、図1の実施形態において、断熱パネルAの左右端部の形状も特に制限されるものではないが、例えば、左右で隣接する断熱パネルAの端部どうしを互いに係合させて連結できるような形状に適宜形成されていてもよいし、略平坦面に形成されていてもよい。断熱パネルAの左右端部が略平坦面に形成されている場合は、隣接する断熱パネルAの側端部間にシーリング材などを充填するようにしてもよい。
胴縁28は、断熱パネルAを壁に取り付け施工する際に、当該断熱パネルAを受けるための下地部材に相当する。本実施形態の外壁Gでは、胴縁28は複数備えられており、これらの胴縁28が所定の間隔を空けながら配置されている。各々の胴縁28は互いに平行に設置されている。また、隣り合う胴縁28の間隔は、断熱パネルAの幅の寸法や、必要とする耐風圧に応じて設定すればよい。尚、胴縁28の間隔と、風圧力との関係については、後述の図5(実施例)で詳述する。外壁Gがビル等の側壁を形成するものである場合は、胴縁28は水平面に対して垂直方向に延伸するように設けられ、いわゆる縦胴縁の役割を果たす。この場合、胴縁28は、例えば、一端側(地面側)を土台に載置させて固定することができる。尚、図1(b)では、胴縁28は省略して示している。
断熱パネルAは、上記のように設けられている複数の胴縁28を架け渡して張り付け固定される。断熱パネルAを胴縁28に張り付けるにあたっては、図1、2の実施形態のように、外壁Gが建物の側壁をなすものである場合は、嵌合部3が外壁Gに対して上端側、被嵌合部4が外壁Gに対して下端側に配置されるように、断熱パネルAを設けることができる。
断熱パネルAの胴縁28への固定は従来から行われている方法を採用でき、ネジやボルト等の固着具2を用いて行うことができる。固着具2を設ける位置は特に限定されるものではないが、断熱パネルAの一端側に形成されている固着具用凹部9に打ち込むことが好ましい(図6(b)参照)。具体的には、固着具用凹部9から固着具2を断熱材5側に向けて打ち込み、断熱材5及び金属外皮12を貫通させて、固着具2の先端が胴縁28に打ち込まれるようにする。尚、図1(b)では、固着具用凹部9に挿入されている固着具2の図示は省略している。固着具2は、一枚の断熱パネルAに対して複数打ち込むようにしてもよい。また、固着具2を設ける箇所は、固着具用凹部9だけでなく、その他の部分に設けるようにしてもよい。
上記のように一枚の断熱パネルAを胴縁28に取り付け固定させた後、この上側に新たな断熱パネルAを同様に取り付け固定する。この際、既設の断熱パネルA(図1(b)では下側の断熱パネルA)の嵌合部3が、新たに取り付ける断熱パネルA(図1(b)では上側)の被嵌合部4に差し込まれるようにする。上記のように嵌合部3が被嵌合部4に差し込まれると、図1(b)のように、折り曲げ部6が固着具用凹部9を覆い被して配置される。また、嵌合部3が被嵌合部4に差し込まれた状態では、折り曲げ部6の屈曲部分の先端は、下側の断熱パネルAの金属外皮11に当接していてもよいし、図1(b)のように隙間を有していてもよい。隙間を有している場合、この隙間は外壁Gの目地として形成されることになる。一方、屈曲部7の先端は、下側の断熱パネルAの金属外皮12に当接していてもよいし、図1(b)のように間隙部Sを有していてもよい。
上記のように、上下で隣接する断熱パネルA、Aにおいて、一方の断熱パネルA(図1(b)では下側)の嵌合部3と、他方の断熱パネルA(図1(b)では上側)の被嵌合部4とが嵌合されることによって、隣接する断熱パネルA、Aどうしが接続される。
嵌合部3を被嵌合部4に差し込むにあたっては、あらかじめ嵌合部3先端(上端)の全長にわたって防水部材13を設けておけば、嵌合部3と被嵌合部4が嵌合された際に、隣接する断熱パネルAの端部間に防水部材13が狭持されるようになる。この場合、外壁Gの防水性を高めることができる。尚、防水部材13に替えて、公知の膨張フェルトを使用することもでき、この場合、外壁Gの耐火性を高めることができるようになる。もちろん、防水部材13と膨張フェルトとは併用しても構わない。
図1及び図2に示すように、上下で隣接する断熱パネルA、Aを接続した後、補強部材1を設けることによって、上下で隣接する断熱パネルAの端部どうしの接続を補強するようにする。
補強部材1としては、例えば、図1のような平面視略円形状の平板(円盤)を採用することができる。もちろん、補強部材1は円盤状に限定されるものでなく、平面視で略矩形状、略三角形状、あるいは楕円形状に形成された平板を採用してもよい。また、補強部材1は、公知の金属材料などで形成することができ、加工方法も公知の手段で行えばよい。
補強部材1は、断熱パネルAの少なくとも一方の面に設けて固定させるものであって、隣接する断熱パネルA、Aの接続部分に設けるようにする。図1、2の実施形態の外壁Gでは、補強部材1は、上下で隣接する断熱パネルA、Aの室内側面20a(金属外皮12側の面)の端部付近に配置されており、それぞれの断熱パネルAの室内側面20a(金属外皮12側の面)どうしを架け渡すように固定されている。
補強部材1の断熱パネルAへの固着方法は、特に限定されるものではないが、図1(b)、(c)の実施形態のように、固着具2としてリベット類を用いて補強部材1を断熱パネルAに固着させることができる。図1(b)は、固着具2として汎用のブラインドリベットを使用したものである。一方、図1(c)は、図1(b)において、固着具2を特殊品のリベット、いわゆるバルブタイトと呼ばれるものに置き換えたものである。図1(b)、(c)の断熱パネルの接続構造において、固着具2が異なるものであること以外は、すべて同様の構成である。このようなリベット類を使用することで、補強部材1の断熱パネルに対する取付強度が高くなるので、断熱パネルの接続構造がより安定化する。
補強部材1を固着具2で断熱パネルAに固着させる場合、図1、2に示すように、少なくとも2個の固着具2を使用することが好ましい。以下、2個の固着具2のうちの一方を第1の固着具2、他方を第2の固着具2とする。
そして、第1の固着具2を、補強部材1の表面から打ち込んで補強部材1を貫通すると共に、隣接する断熱パネルAのうちの一方の断熱パネルA(上側の断熱パネルA)に挿入させる。この場合、第1の固着具2の先端は、金属外皮12を貫通して断熱材5内に埋設された状態となる。一方、第2の固着具2を、補強部材1の表面から打ち込んで補強部材1を貫通すると共に、隣接する断熱パネルAのうちの他方の断熱パネルA(下側の断熱パネルA)に挿入させる。第2の固着具2の先端も、金属外皮12を貫通して断熱材5内に埋設された状態である。上記のように第1の固着具2、第2の固着具2を設けることで、補強部材1は隣接する断熱パネルA、Aの両方に連結されて固定される。もちろん、固着具2を設ける個数は2個に限定されるものではなく、3個以上設けるようにしてもよい。
上記の手順で、断熱パネルA、Aの端部どうしを接続しつつ、接続部分に補強部材1を設けた後、同様の手順で、新たな断熱パネルAを順次、既設の断熱パネルAに嵌合させつつ、胴縁28に取り付け、さらに補強部材1を固着させることで接続を補強するようにする。このような手順の繰り返しによって、断熱パネルAを外壁Gの縦方向(嵌合方向)にわたって設けた後、横方向(嵌合方向と直交する方向)においても同じように複数の断熱パネルAを縦方向に接続させながら設けていくことで、図1、2に示すような外壁Gが形成される。尚、横方向で隣接する断熱パネルA、Aの間には、適宜、シーリング材などを設けるようにしてもよい。
この外壁Gでは、上述のように補強部材1は、断熱パネルAの室内側面20aに設けるようにしているため、室外側、すなわち、建物の外側からは補強部材1は見えないようになっている。もちろん、補強部材1は断熱パネルAの室外側面20bに設けてもよいが、建物外観の意匠性が低下しにくいという点では補強部材1は断熱パネルAの室内側面20aに設けることが好ましい。
補強部材1によって隣接する断熱パネルAどうしの接続が補強されていることによって、外壁Gに風Wが吹きつけられたことによる負圧が発生したとしても(図7を参照)、この負圧によって、断熱パネルAどうしの嵌合が外れにくいものとなる。すなわち、補強部材1で接続部分が補強されていることで、図8に示したような負圧によって一方の断熱パネルAの嵌合外れが生じてしまう現象を抑制することができるようになる。
特に、第1の固着具2及び第2の固着具2を用いて、補強部材1を隣接する断熱パネルAの両方に連結させて固着するようにすれば、より強固な接続が可能になり、上記嵌合外れがさらに抑制される。
また、補強部材1が、図1、2の実施形態のように円盤状に形成されている場合は、断熱パネルAどうしの接続部分に補強部材1を配置させる際に、位置合わせが容易になる。すなわち、補強部材1が円盤状の場合、補強部材1の中心部の見極めが容易であるので、隣接する断熱パネルAの接続部分の中央に補強部材1を配置させ易い。そのため、補強部材1による断熱パネルAの接続状態をより強固にすることができる。
補強部材1が円盤状である場合、その寸法は特に限定されるものではないが、例えば、断熱パネルAの幅(横方向)が600〜1000mm、縦方向(嵌合方向)の長さが750〜3000mmに形成されている場合、補強部材1の直径は、100〜150mmとすることができる。また、補強部材1の厚みは、施工性や意匠性の観点から0.5〜1.2mmとすることができる。
補強部材1は、上下で隣接する一対の断熱パネルA、Aの接続部分に所定の間隔をおきながら複数設けてもよい。
図3は、断熱パネルの接続構造の他の実施の形態であり、断熱パネルAの側面の断面図であって、上下で隣接する断熱パネルA、Aの接続部分を示す拡大図である。本実施の形態では、固着具2として、ビスを用いて補強部材1を断熱パネルAに固着させている。固着具2がビスである場合、例えば、市販のポイントビス等を使用することが可能であるが、特に、試験材の厚み1.0mmにおける引抜保持力が150kgf以上であるものが好ましい。
このようなビスを用いて補強部材1を固着させた場合、その他の固着具2を使用した場合に比べて、上下で隣接する断熱パネルどうしの接続強度をより高めることができ、嵌合外れがさらに抑制されるようになる。例えば、図1の実施形態のようにリベットを固着具2として使用した場合に比べると、嵌合強度(嵌合外れが生じるときの負圧)を約8%向上させることが可能となる。固着具2としては、リベット、ビスの他、ねじ、ボルト等を使用することができるが、上記のように嵌合外れがさらに抑制されるという点ではポイントビスを使用することが好ましい。
また、ビスを用いた場合は、下孔の開け作業不要であり、専用工具も不要になるので、リベット等を用いた場合に比べて、施工性が向上し、コストを抑えることもできる。そして、ビスである場合は、補強部材1の厚みが薄い場合(例えば、0.8mm)でも適用可能になり、これにより施工を簡便に行うことができる。そして、ビスであれば、補強部材1との色合わせも不要になるので、意匠性が要求される現場でも問題なく施工が行えるようになる。
本発明の断熱パネルの接続構造では、断熱パネルA、Aどうしの嵌合外れが生じにくいものであるので、ビルや住宅などの建物の外壁Gに好適に採用することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
以下に示す断熱パネルA及び補強部材1を使用して、図1、2に示す外壁Gの施工手順と同様の手順にて外壁Gの試験体を製作した。尚、断熱パネルAの使用枚数は4枚、胴縁28の使用本数は3本とした。
・断熱パネル:耐火エスガードBL(日鉄住金鋼板株式会社製、幅方向の寸法910mm、縦方向の寸法1900mm、厚み方向の寸法50mm)
・補強部材(円盤形状):直径120mm、厚み0.8mm(鋼板製)
また、補強部材1の断熱パネルAへの取り付けには、直径4.8mm、全長20mmのスチール製のリベットを2本準備し、これらを図4(a)に示すような位置に打ち込むことで、補強部材1を固着させた。尚、断熱パネルAの胴縁28への取り付け固定は、断熱パネルA1枚あたり、1本の胴縁28に二本のビスが挿入されるようにした。
(比較例1)
使用した断熱パネルAを以下のように変更し、また、補強部材1を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で外壁Gを施工させた。
・断熱パネル:耐火エスガードBL(日鉄住金鋼板株式会社製、幅方向の寸法600mm、縦方向の寸法1900mm、厚み方向の寸法50mm)
(比較例2)
補強部材1を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で外壁を施工させた。使用した断熱パネルAは、実施例1と同様である。
(試験体の耐風圧評価)
上記の実施例1、比較例1及び比較例2の試験体を用いて、試験機40(ツクバリクセイキ社製)によって耐風圧力の測定を以下に示す方法で行った。この測定に際しては、各試験体の隣り合う胴縁28どうしの間隔(胴縁間隔)を変更しながら行った。
図4(b)、(c)は、試験機40にセットされた試験体を示している。尚、図4(b)は、後述の囲い部41の設置側とは逆方向側における正面図、図4(c)は、試験体40の側面図を示している。
図4に示すように、試験機40は、試験体を支持させる一対の試験体支持部43、43と、試験体の前方及びこの前方の空間を取り囲むように設けられる囲い部41と、この囲い部41を支持する支持台42と、試験体の変位を計測する変位計45とを備えている。囲い部41は、試験体の輪郭と略同形状、略同サイズに形成された枠体であって、両面が開口して形成されている。変位計45は、変位計支持棒46によって支持されている。
まず、試験体の上端及び下端を一対の試験体支持部43、43で挟持させて、室外側面20bが囲い部41の開口面側を向くように設置させた。試験体は、この試験体を構成している各々の断熱パネルAの嵌合部3が下端、被嵌合部4が上端に配置されるように設置した。また、変位計45は、室内側面20aの任意の位置に複数取り付けるようにした。
上記のように試験機40に試験体を設置し、この試験体に荷重を図4(c)の矢印の方向にかけて負圧を再現させ、試験体における上下で隣接する断熱パネルA、Aどうしの嵌合外れが生じたときの負圧(風圧力)を観測した。尚、負圧は、囲い部41の開口側からファンによって吸気することで発生させるようにした。試験結果を図5に示す。
図5は、実施例及び比較例の試験体の上記試験結果を示しており、試験体の胴縁間隔と風圧力との関係を示すグラフである。
図5のc(破線で表記)は、実施例1の試験体、すなわち、本発明の断熱パネルの接続構造を有する試験体の試験結果であり、b(実線で表記)は、比較例2の試験体、すなわち、断熱パネルAの接続部分に補強部材1を設けていない試験体の試験結果である(いずれも断熱パネルAの幅は910mm)。尚、図5のグラフにおいて、cの破線は一部がbの実線と重なっている。
この結果から、胴縁間隔が約1.25m以下になると、嵌合外れが生じる風圧力が実施例1の方が比較例2よりも高くなっていることがわかる。具体的に説明すると、例えば胴縁間隔1mにおいて嵌合外れが生じる風圧力は、比較例2では約2.2kPaであるのに対し、実施例1では約2.8kPaである。すなわち、実施例1の方が比較例2よりも嵌合外れが生じにくいことを示している。さらに、図5において実線で表記しているa(比較例1)との比較からもわかるように、実施例1の試験体は断熱パネルAの幅が910mmであるにもかかわらず、比較例1の試験体の600mm幅の断熱パネル(補強部材1なし)と同等の耐風圧強度を有していることがわかる。通常、幅が短いパネルの方が耐風圧強度が高いということを考えると、補強部材1を設ければ、断熱パネルAの幅を長くしても、高い耐風圧強度を有することが、上記結果からわかる。
以上の結果から、本発明の断熱パネルの接続構造では、断熱パネルA、Aどうしの接続強度を高めることができ、外壁に高い耐久性をもたらすことができていることがわかる。このように、接続部分の接続強度を高めることができることで、従来よりも断熱パネルAの幅方向の寸法を長くしても、接続強度が低下しにくいので、従来よりも幅寸法の大きい断熱パネルAを積極的に使用することができるようになる。そのため、断熱パネルAの使用枚数を低減することができ、外壁の施工性も向上するようになる。
A 断熱パネル
1 補強部材
2 固着具
3 嵌合部
4 被嵌合部

Claims (3)

  1. 断熱パネルの一端部及び他端部にそれぞれ嵌合部及び被嵌合部が設けられ、隣接する断熱パネルの一方の断熱パネルの前記嵌合部と他方の断熱パネルの前記被嵌合部とが嵌合されてなる断熱パネルの接続構造であって、
    断熱パネルの端部どうしが補強部材で連結されて成り、
    前記補強部材が、それぞれの断熱パネルの室内側面どうしを架け渡すように固定され、
    前記補強部材には少なくとも第1の固着具及び第2の固着具が設けられており、前記第1の固着具は一方の断熱パネル表面の端部に連結され、前記第2の固着具は他方の断熱パネル表面の端部に連結されることを特徴とする断熱パネルの接続構造。
  2. 前記補強部材が円盤状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱パネルの接続構造。
  3. 前記第1の固着具及び第2の固着具がいずれもビスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の断熱パネルの接続構造。
JP2013030340A 2013-02-19 2013-02-19 断熱パネルの接続構造 Active JP6161148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013030340A JP6161148B2 (ja) 2013-02-19 2013-02-19 断熱パネルの接続構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013030340A JP6161148B2 (ja) 2013-02-19 2013-02-19 断熱パネルの接続構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014159690A JP2014159690A (ja) 2014-09-04
JP6161148B2 true JP6161148B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=51611544

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013030340A Active JP6161148B2 (ja) 2013-02-19 2013-02-19 断熱パネルの接続構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6161148B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6463322B2 (ja) * 2016-11-28 2019-01-30 日鉄住金鋼板株式会社 パネルユニット、及びこれを備えたカーテンウォール

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04258454A (ja) * 1991-02-12 1992-09-14 Ig Tech Res Inc パネルの施工方法
JP3559329B2 (ja) * 1994-12-27 2004-09-02 新日本製鐵株式会社 耐火パネル
JP3403370B2 (ja) * 2000-03-24 2003-05-06 ニチハ株式会社 建築板用留め付け部材、該留め付け部材を固定した建築板、及びその留め付け構造
SI20539B (sl) * 2000-04-07 2009-12-31 Trimo D.D. Lahka gradbena plošča s skritim načinom pritrjevanja in postopek za izvedbo prikritega spoja lahke gradbene plošče
JP2003241764A (ja) * 2002-02-20 2003-08-29 Yamaha Corp 連結具及びこれを用いたパネルの連結構造
JP4410571B2 (ja) * 2004-01-22 2010-02-03 日鉄住金鋼板株式会社 断熱パネルの接続構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014159690A (ja) 2014-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6375025B2 (ja) 軽量耐火間仕切壁の目地構造及びその施工方法
CN107435394B (zh) 一种隔墙及其连接结构
JP5657992B2 (ja) デッキプレートの面内せん断補強構造及び屋根構造並びせん断補強金物
JP2014218814A (ja) 建物の断熱構造及び断熱方法
AU2014328484A1 (en) Building panels - systems components & methods
Luan et al. Experimental investigation on wind uplift capacity of single span Z-purlins supporting standing seam roof systems
JP6161148B2 (ja) 断熱パネルの接続構造
WO2018031506A1 (en) Triangular stud shaft wall system
KR20140100815A (ko) 건축용 외장패널 고정 구조체
JP6639083B2 (ja) 鉄骨造の外壁耐火断熱構造
JP2016505744A (ja) トラス構造
JP2018087424A (ja) パネルユニット、及びこれを備えたカーテンウォール
KR101920078B1 (ko) 칸막이 벽체의 단열재 이탈방지 스터드와 이의 시공방법
JP2006009564A (ja) 建築パネルおよびそれを用いた断熱壁体
KR101783849B1 (ko) 공동주택용 차음벽
JP4146497B1 (ja) 建築物基礎補強方法
CN210562804U (zh) 一体式保温建筑墙体
JP5423633B2 (ja) 補強用パネルおよび補強構造
JP2012031639A (ja) 木造真壁の耐火構造
JP5719187B2 (ja) 建物の床断熱構造
JP5706661B2 (ja) 耐火パネル
KR101612796B1 (ko) 커튼월 및 그 제작방법
JP6438185B2 (ja) 断熱パネル
JP6408206B2 (ja) 断熱パネル
JP2018155037A (ja) 建物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161226

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170516

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6161148

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250