JP4834941B2 - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像素子や液晶表示素子等に用いられるカラーフィルタおよびその製造方法に関し、特に、カラーフィルタの薄膜化および微細化が可能であるカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体撮像素子や液晶表示素子をカラー化するために素子上に形成されるカラーフィルタアレイとして、基体上の同一平面に隣接して形成されたシアンフィルタ層(CY)、マゼンタフィルタ層(MG)およびイエローフィルタ層(YE)からなるカラーフィルタアレイが知られている。このようなカラーフィルタアレイにおいて、それぞれのフィルタ層(CY、MG、YE)は帯状のパターンや格子状またはモザイク状のパターンで配置される。
【0003】
カラーフィルタアレイの製造方法としては、種々の方法が提案されているが、特に、カラーレジスト法は広く実用化されている。図5および図6を参照して、カラーレジスト法の概略を説明する。
まず、図5(a)に示すように、色素を含有する感光性樹脂組成物を、光透過性の基材1上に塗布し、塗布膜2を形成する。次に、図5(b)に示すように、塗布膜2に、所望のカラーフィルタ層のパターンが形成されたマスク3を介して露光を行う。
【0004】
次に、図6(c)に示すように、塗布膜2を現像して、カラーフィルタ層4のパターンに加工する。
その後、図6(d)に示すように、紫外線を照射して、不要となった感光剤等を光分解させる(ブリーチング)。さらに、例えば180℃程度で数10秒〜数分程度の加熱を行う。これにより、感光性樹脂が熱硬化する。
【0005】
カラーレジスト法によれば、上記のような感光性樹脂組成物の塗布と、露光および現像の一連の工程を、各色のフィルタ層を形成する毎に繰り返す。最終的には、例えば帯状や格子状等のパターンで各色のフィルタ層が配置されるが、少なくとも1色のフィルタ層を形成した後、別のフィルタ層を形成する過程で、フィルタ層上を含む全面に感光性樹脂組成物が塗布される。
したがって、フィルタ層には、感光性樹脂組成物に含まれる溶剤に対する耐溶剤性が要求される。上記の従来の製造方法によれば、樹脂を加熱硬化させることにより、カラーフィルタに耐溶剤性を付与している。
【0006】
カラーレジスト法には、色素として顔料を含む感光性樹脂組成物が広く用いられている。ここで、顔料は無機顔料と有機顔料の両方を含み、感光性樹脂組成物に不溶であって、粒状で分散する色素をさす。顔料は、現像液に溶解しないために、現像残渣が生じるという問題がある。したがって、顔料を含む感光性樹脂組成物は、微細なパターンの形成には不向きであった。
【0007】
微細なパターンのカラーフィルタアレイを形成できる感光性樹脂組成物として、染料を含む感光性樹脂組成物も知られている。ここで、染料は感光性樹脂組成物に可溶な有機色素をさす。例えば、特開平6−75375号公報には、染料を含有するネガ型感光性樹脂組成物が記載されている。また、特公平7−111485号公報には、染料を乾燥時の重量比(溶剤を除いた重量比)で組成物の10〜50%含有するポジ型感光性樹脂組成物が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、固体撮像素子の画素数の増加に伴い、画素サイズが縮小されており、カラーフィルタアレイの微細化技術が必須となっている。また、画素サイズの縮小に対応したカラーフィルタの薄膜化も、固体撮像素子の集光性を向上させるために必須である。
【0009】
カラーレジスト法においてカラーフィルタを薄膜化するためには、樹脂組成物に対する色素の含有比を可能な限り高くすることが効果的である。前述した特公平7−111485号公報の実施例には、最大染料含有比25.9%のポジ型感光性樹脂組成物が示されている。
【0010】
しかしながら、染料の含有比を50%近くにすると、露光および現像により所望のパターン形状を得ることはできるが、樹脂組成物を熱硬化させるのが困難となる。したがって、カラーフィルタ層の耐溶剤性が悪くなり、次の工程で別の色のカラーフィルタ層を形成するための染料含有感光性樹脂組成物を塗布できなくなる。
また、十分な耐溶剤性をもたせるために、より高温(例えば200℃以上)で熱硬化させると、カラーフィルタがリフローしたり、熱により染料が化学的に変化して、本来の分光特性を示さなくなったりする。
【0011】
熱硬化を容易にするための方法として、特開平7−72323号公報には、例えばメラミン化合物等の熱硬化剤を染料含有感光性樹脂に添加することが記載されている。しかしながら、この方法によっても染料含有比が50%以上となると、十分な耐溶剤性を有するカラーフィルタを形成することは困難である。また、熱硬化剤を固形分中に10〜20%程度含有するため、染料含有量を増やすのが難しく、カラーフィルタの薄膜化に適さない。
【0012】
カラーフィルタの薄膜化に最も適した方法として、色素を蒸着法等により成膜し、その後、リフトオフ法等でパターン形成する方法が知られている。この方法によれば、膜厚500nm以下のカラーフィルタが得られる。しかしながら、パターン形成のためのプロセスが複雑であり、カラーフィルタの微細化に適さない。
【0013】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したがって本発明は、カラーフィルタの微細化および薄膜化が可能であるカラーフィルタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のカラーフィルタは、光透過性の基材と、前記基材上に、色素を含む感光性樹脂組成物を塗付して形成されたフィルタであって、一部の波長領域を除き可視光を透過させる前記フィルタと、前記フィルタ上に形成された保護膜とを有することを特徴とする。
好適には、前記保護膜は気相からの蒸着により形成された無機質保護膜を含む。さらに好適には、前記保護膜はシリコン酸化膜を含む。
好適には、前記色素は、前記感光性樹脂組成物に可溶な有機化合物からなる染料を含む。
【0015】
本発明のカラーフィルタは、好適には、前記基材上に、他の一部の波長領域を除き可視光を透過させる他のフィルタをさらに有する。
好適には、前記基材は固体撮像素子のオン・チップ・レンズを含む。あるいは、好適には、前記基材は液晶表示装置の電極を含む。
【0016】
これにより、高温の熱処理により感光性樹脂組成物の塗布膜を熱硬化させなくても、フィルタの耐溶剤性を高くすることができる。本発明のカラーフィルタは、高温の熱処理を行わずに形成されるため、フィルタ中の色素(染料)含有比を高くでき、フィルタを薄膜化できる。
【0017】
さらに、上記の目的を達成するため、本発明のカラーフィルタの製造方法は、光透過性の基材上に、色素、樹脂、感光剤および溶剤を含む第1の感光性樹脂組成物を塗布し、第1の塗布膜を形成する工程と、前記第1の塗布膜に、所定のパターンが形成されたマスクを介して露光を行う工程と、前記第1の塗布膜に現像を行い、前記第1の塗布膜の露光部または未露光部を除去する工程と、前記第1の塗布膜の溶融および前記色素の変質が起きない所定の温度範囲内で加熱し、前記溶剤を蒸発させて、一部の波長領域を除き可視光を透過させる第1のフィルタを形成する工程と、前記第1のフィルタ上に、気相からの蒸着により第1の無機質保護膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
好適には、前記所定の温度範囲はほぼ100〜180℃である。好適には、前記無機質保護膜を形成する工程は、化学気相成長(CVD)を含む。あるいは、好適には、前記無機質保護膜を形成する工程は、物理的蒸着(PVD)を含む。さらに好適には、前記無機質保護膜を形成する工程は、スパッタリングを含む。
【0019】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、好適には、前記第1の無機質保護膜を形成後、前記基材上に前記第1のフィルタおよび前記第1の無機質保護膜を介して、他の色素を含む第2の感光性樹脂組成物を塗布し、第2の塗布膜を形成する工程と、前記第2の塗布膜に、所定のパターンが形成されたマスクを介して露光を行う工程と、前記第2の塗布膜に現像を行い、前記第2の塗布膜の露光部または未露光部を除去する工程と、前記第2の塗布膜の溶融および前記他の色素の変質が起きない所定の温度範囲内で加熱し、前記溶剤を蒸発させて、前記第1のフィルタと異なる一部の波長領域を除き可視光を透過させる第2のフィルタを形成する工程と、前記第2のフィルタ上に、気相からの蒸着により第2の無機質保護膜を形成する工程とをさらに有する。
【0020】
これにより、第1のフィルタを高温で熱硬化させなくても、第1のフィルタに耐溶剤性が付与される。したがって、第1のフィルタ上に第2のフィルタを形成する際、感光性樹脂組成物あるいは現像液によって、下地の第1のフィルタが損傷を受けるのを防止できる。
また、本発明のフィルタの製造方法によれば、感光性樹脂組成物の塗布膜を高温で熱硬化させる必要がなくなり、フィルタ中の色素含有比を高くできる。したがって、従来より薄膜化されたカラーフィルタを形成することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のカラーフィルタの製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、カラーレジスト法によりカラーフィルタを製造する方法であって、感光性樹脂組成物として色素、感光剤およびアルカリ可溶性樹脂を含み、熱硬化剤を含まない組成物を用いる。
【0022】
色素としては、感光性樹脂組成物に可溶な色素を用い、特に、有機化合物からなる染料が好適である。また、本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、熱硬化剤を含まない感光性樹脂組成物を用いるため、染料含有比を高くすることが可能である。これにより、カラーフィルタを薄膜化できる。
【0023】
アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性の現像液に溶解し得る樹脂であり、通常の感光性樹脂組成物に用いられるものと同様のアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、p−クレゾールのノボラック樹脂、p−クレゾールとm−クレゾールとのノボラック樹脂、ポリビニルフェノール、スチレンとビニルフェノールとの共重合体等が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂が特に好適に用いられる。
【0024】
感光剤としては、通常の感光性樹脂組成物に用いられるものと同様の感光剤を用いることができ、例えばフェノール化合物とo−ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物とのエステル等を用いることができる。o−ナフトキノンジアジドスルホン酸化合物としてはo−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸等が挙げられる。
【0025】
感光性樹脂組成物は、通常、溶剤によって希釈されて用いられる。溶剤は、用いられる色素、感光剤、アルカリ可溶性樹脂の溶解度に応じて適宜選択する。溶剤としては、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸エチル、乳酸エチル等を用いることができる。これらの溶剤はそれぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。
溶剤の使用量は色素、感光剤およびアルカリ可溶性樹脂の合計量100重量部に対して、通常、180〜400重量部程度である。
【0026】
(実施例1〜3)
固形分中の色素含有比を増やしたとき、形成されるカラーフィルタの形状および耐溶剤性がどのように変化するか調べるため、下記の表1のA〜Cに示す組成を有する感光性樹脂組成物を調整した。実施例1ではAの組成物を用い、実施例2ではBの組成物を用い、実施例3ではCの組成物を用いた。樹脂としてはノボラック樹脂を用いた。感光剤としてはキノンアジド化合物を用いた。色素としては銅フタロシアニン誘導体を用いた。溶剤としては乳酸エチル:N,N’−ジメチルホルムアミド=7:3の混合溶剤を用いた。それぞれ所定の膜厚で基材上に塗布した後、フォトリソグラフィー法によりパターン形成した。塗布膜厚は、分光特性が等しくなるようにそれぞれ調整した。
【0027】
【表1】
Figure 0004834941
【0028】
以下、本実施形態のカラーフィルタの製造方法を説明する。
まず、図1(a)に示すように、基材1上に実施例1〜3の組成物をスピンコートにより塗布し、塗布膜2を形成した。その後、100℃、60秒の熱処理を行い、溶剤をある程度、蒸発させた。
【0029】
次に、図1(b)に示すように、i線露光機において1μm幅のライン・アンド・スペースのマスクパターン3を介して露光を行った。その後、アルカリ現像液を用いて現像し、水洗を行ってから、乾燥させた。これにより、図1(c)に示すように、カラーフィルタ層4のパターンが形成された。
【0030】
次に、図2(d)に示すように、紫外線を照射して、カラーフィルタ層4中に残存する感光剤を分解した。次に、150℃、120秒の熱処理を行い、カラーフィルタ層4に含まれる溶剤や水分を蒸発させた。
従来のカラーフィルタの製造方法によれば、紫外線照射後、樹脂を熱硬化させる目的で180℃以上、例えば200℃の加熱が行われていた。それに対し、本実施形態のカラーフィルタの製造方法によれば、紫外線照射後の加熱を、溶剤が蒸発する範囲で極力低温で行うことが望ましい。
【0031】
実施例1〜3においては、続く工程で低温プラズマCVDを行う際に、基材1が150℃程度に加熱されるため、それを超えない温度で溶剤や水分を蒸発させた。
その後、図2(e)に示すように、低温プラズマCVDにより、カラーフィルタ層4上に保護膜5として膜厚50nmのSiO2 層を形成した。
【0032】
なお、保護膜5はSiO2 層に限定されず、可視光を透過する材料であれば、SiO2 以外の材料からなる層を用いることができる。但し、例えばSiN等、短波長側に吸収を有する材料の場合、保護膜5を厚くすると、吸収の影響が大きくなる。このような吸収の問題を回避できることと成膜の容易さから、保護膜5としてはSiO2 が特に好適に用いられる。
【0033】
上記のような方法で形成されたカラーフィルタの耐溶剤性試験を行った。耐溶剤性試験においては、まず、カラーフィルタ層4および保護膜5が形成された基材1(図2(e)参照)を、有機溶剤中に1分間浸漬した。次に、100℃、60秒の熱処理を行ってカラーフィルタ層4を乾燥させた。有機溶剤に浸漬する前の全厚(カラーフィルタ層4と保護膜5の合計の膜厚)と、有機溶剤に浸漬し、乾燥させた後の全厚をそれぞれ測定し、残膜率を算出した。
【0034】
実施例1〜3のカラーフィルタによれば、耐溶剤性試験において、カラーフィルタの膜厚は減少せず、パターン形状も維持された。また、加熱による色素の変質が防止されたため、カラーフィルタの所望の分光特性が得られた。
【0035】
(比較例1〜3)
上記の実施例1〜3と同様に、表1のA〜Cの組成を有する感光性樹脂組成物を用いて、従来の製造方法によりカラーフィルタを形成した。比較例1ではAの組成物を用い、比較例2ではBの組成物を用い、比較例3ではCの組成物を用いた。
【0036】
実施例1〜3と同様に、基材上に組成物を塗布し(図5(a)参照)、露光(図5(b)参照)および現像(図6(c)参照)を行った後、紫外線を照射して感光剤を分解させた(図6(d)参照)。
次に、実施例1〜3よりも高温で熱処理を行い、樹脂を熱硬化させた。熱処理の条件は180℃、120秒とした。その後、実施例1〜3で形成されるような保護膜(図1(e)参照)は形成しなかった。
【0037】
比較例1〜3のカラーフィルタについて、実施例1〜3と同様に耐溶剤性試験を行った。比較例1〜3では保護膜を形成しなかったため、カラーフィルタ層4の膜厚を全厚として、残膜率を算出した。その結果、残膜率は比較例1が99%、比較例2が95%、比較例3が70%となった。
【0038】
耐溶剤性試験の結果から、熱硬化を例えば180℃以上の高温で行い、保護膜を形成しなかった場合(比較例1〜3)には、色素含有比を高くするほど耐溶剤性が悪化することが明らかとなった。また、残膜率が低下するほど、カラーフィルタの分光特性の変化は大きくなった。比較例1および比較例2のカラーフィルタの分光特性は、実用できる許容範囲内となったが、比較例3のカラーフィルタにおいては、所望の分光特性が得られなかった。
【0039】
上記の比較例1〜3において、熱硬化をより十分に行い、耐溶剤性を上げる目的で、紫外線照射後の熱処理をさらに高温で行った。具体的には180℃、20秒の熱処理を200℃または220℃に変更し、それぞれ120秒の熱処理を行った。
【0040】
この場合のカラーフィルタの耐溶剤性を上記と同様の方法で試験したが、耐溶剤性は改善されなかった。また、加熱温度を高くしたことにより、カラーフィルタ層4がリフローして形状が悪化した。さらに、高温での加熱により色素が化学的に変化して、比較例1〜3のすべてで所望の分光特性が得られなかった。
【0041】
従来のカラーフィルタの製造方法によれば、カラーフィルタ層4を高温で熱硬化させ、カラーフィルタに耐溶剤性を付与していた。しかしながら、比較例1〜3に示すように、カラーフィルタ層4を高温で熱硬化させた場合、色素含有比が高いほど、実用上の問題が大きくなる。
【0042】
加熱温度を180℃としたとき、比較例1および比較例2で実用可能な分光特性が得られたことから、比較例での色素含有比の上限は乾燥重量比で35%(組成物Bを用いた比較例2に相当)とみなせる。このとき、カラーフィルタ層4の膜厚は1.5μmであった。
【0043】
それに対し、本発明の実施形態に対応する実施例1〜3によれば、色素含有比を乾燥重量比で50%程度まで高くした場合(組成物Cを用いた実施例3に相当)にも、実用上問題ないカラーフィルタが形成された。このとき、カラーフィルタ層4の膜厚は1.0μmであり、カラーフィルタ層4と保護膜5の膜厚を合わせても1.05μmである。したがって、従来のカラーフィルタの製造方法に比較して、カラーフィルタを著しく薄膜化できる。
なお、実施例1〜3においては、従来のカラーフィルタの製造方法(比較例1〜3)と同等の精度で、線幅1.0μmのパターンを形成することができた。
【0044】
(実施例4)
実施例4においては、実施例1〜3で形成されたカラーフィルタ上に、異なる色素を含有する他の感光性樹脂組成物を塗布し、同一の基材1上に別の色のカラーフィルタをさらに形成した。
【0045】
まず、実施例1〜3に示すように、シアンフィルタ層(CY)を所定のパターンで形成した。図3(a)に示すように、基材1上の一部にシアンフィルタ層4CYが形成され、基材1およびシアンフィルタ層4CYを被覆するように、保護膜5aとしてSiO2 層が形成された。
【0046】
次に、図3(b)に示すように、全面にマゼンタフィルタ層(MG)用の染料を含有する感光性樹脂組成物を塗布し、塗布膜2MGを形成した。この塗布は、実施例1〜3と同様に、例えばスピンコートにより行うことができる。その後、100℃、60秒の熱処理を行い、塗布膜2MG中の溶剤をある程度、蒸発させた。
【0047】
次に、図3(c)に示すように、マゼンタフィルタ層(MG)用のマスクパターン3MGを介して、塗布膜2MGに露光を行った。
続いて、図4(d)に示すように、アルカリ現像液を用いて現像し、塗布膜2MGのうち、露光部を除去した。その後、水洗を行い、乾燥させることにより、マゼンタフィルタ層4MGが形成された。
【0048】
次に、図4(e)に示すように、低温プラズマCVDにより、カラーフィルタ層4MG上を含む全面に、保護膜5bとしてSiO2 層を形成した。
以上のように、1色目のシアンフィルタ層4CYを形成した後、2色目のマゼンタフィルタ層4MGが形成された。1色目のシアンフィルタ層4CY上に保護膜5aが形成されていることにより、シアンフィルタ層4CYの耐溶剤性が高められる。
【0049】
したがって、2色目の感光性樹脂組成物を塗布しても、組成物中の有機溶剤で1色目のシアンフィルタ層4CYの損傷は防止された。また、2色目のマゼンタフィルタ層4MGの現像工程においても、アルカリ現像液による下地のシアンフィルタ層4CYの損傷が防止された。
【0050】
図示しないが、同様の工程を繰り返すことにより、シアンフィルタ層4CYとマゼンタフィルタ層4MG以外の領域に、3色目のカラーフィルタ層としてイエローフィルタ層(YE)を形成することができる。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、各色のカラーフィルタ層の薄膜化が可能なため、実施例4のように多色のカラーフィルタ層を形成する場合、カラーフィルタの全厚が著しく薄膜化される。
【0051】
上記の本発明の実施形態のカラーフィルタおよびその製造方法によれば、無機質保護膜を形成することにより、耐溶剤性が得られるため、フィルタの樹脂を高温で熱硬化させる必要がなくなる。これにより、染料含有比を乾燥重量比で例えば50%程度まで上げることが可能となり、カラーフィルタを薄膜化できる。
【0052】
また、上記の実施形態のカラーフィルタの製造方法によれば、感光性樹脂組成物に色素を高濃度で添加しても、色素の凝集による現像残渣が生じず、リソグラフィによるパターン形成が可能である。したがって、カラーフィルタを微細化できる。
【0053】
本発明のカラーフィルタおよびその製造方法の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、上記の実施形態においては、感光性樹脂組成物にポジ型感光性樹脂を用いる例を示したが、ネガ型感光性樹脂を用いてカラーフィルタを形成することも可能である。また、実施例4で各色のフィルタ層を形成する順は、任意に入れ替えることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルタによれば、カラーフィルタの微細化および薄膜化が可能となる。
本発明のカラーフィルタの製造方法によれば、カラーフィルタの耐溶剤性を高め、カラーフィルタの色素含有比を高くすることができるため、より微細化および薄膜化されたカラーフィルタを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は本発明のカラーフィルタの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図2】図2(d)および(e)は本発明のカラーフィルタの製造方法の製造工程を示す断面図であり、図1(c)に続く工程を示す。
【図3】図3(a)〜(c)は本発明のカラーフィルタの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図4】図4(d)および(e)は本発明のカラーフィルタの製造方法の製造工程を示す断面図であり、図3(c)に続く工程を示す。
【図5】図5(a)および(b)は従来のカラーフィルタの製造方法の製造工程を示す断面図である。
【図6】図6(c)および(d)は従来のカラーフィルタの製造方法の製造工程を示す断面図であり、図5(b)に続く工程を示す。
【符号の説明】
1…基材、2…塗布膜、3、3MG…マスクパターン、4、4CY、4MG…カラーフィルタ層、5…保護膜。

Claims (12)

  1. 光透過性の基材と、
    前記基材上に形成されており、一部の波長領域を除き可視光を透過させるフィルタと、
    前記フィルタ上に形成された保護膜と
    を有し、
    前記フィルタは、色素を含むポジ型感光性樹脂組成物を用いて形成されており、前記色素が乾燥重量比で50%以上含まれる
    カラーフィルタ。
  2. 前記保護膜は気相からの蒸着により形成された無機質保護膜を含む
    請求項1記載のカラーフィルタ。
  3. 前記保護膜はシリコン酸化膜を含む
    請求項2記載のカラーフィルタ。
  4. 前記色素は、前記感光性樹脂組成物に可溶な有機化合物からなる染料を含む
    請求項1記載のカラーフィルタ。
  5. 前記基材上に、他の一部の波長領域を除き可視光を透過させる他のフィルタをさらに有する
    請求項1記載のカラーフィルタ。
  6. 前記基材は液晶表示装置の電極を含む
    請求項1記載のカラーフィルタ。
  7. 光透過性の基材上に、色素、樹脂、感光剤および溶剤を含む第1の感光性樹脂組成物を塗布し、第1の塗布膜を形成する工程と、
    前記第1の塗布膜に、所定のパターンが形成されたマスクを介して露光を行う工程と、
    前記第1の塗布膜について現像を行う工程と、
    前記第1の塗布膜の溶融および前記色素の変質が起きない所定の温度範囲内で加熱し、前記溶剤および水分を蒸発させて、一部の波長領域を除き可視光を透過させる第1のフィルタを形成する工程と、
    前記第1のフィルタ上に、気相からの蒸着により第1の無機質保護膜を形成する工程と
    を有し、
    前記第1の感光性樹脂組成物は、ポジ型であって、前記樹脂がアルカリ可溶樹脂であり、前記色素が乾燥重量比で50%以上含まれ、熱硬化剤を含んでおらず、
    前記現像を行う工程では、アルカリ現像液を用いることによって、前記第1の塗布膜の露光部を除去し未露光部を残す、
    カラーフィルタの製造方法。
  8. 前記基材上に前記第1のフィルタおよび前記第1の無機質保護膜を介して、他の色素を含む第2の感光性樹脂組成物を塗布し、第2の塗布膜を形成する工程と、
    前記第2の塗布膜に、所定のパターンが形成されたマスクを介して露光を行う工程と、
    前記第2の塗布膜について現像を行う工程と、
    前記第2の塗布膜の溶融および前記他の色素の変質が起きない所定の温度範囲内で加熱し、前記溶剤および水分を蒸発させて、前記第1のフィルタと異なる一部の波長領域を除き可視光を透過させる第2のフィルタを形成する工程と、
    前記第2のフィルタ上に、気相からの蒸着により第2の無機質保護膜を形成する工程と
    を、さらに有し、
    前記第2の感光性樹脂組成物は、ポジ型であって、前記樹脂がアルカリ可溶樹脂であり、
    前記現像を行う工程では、アルカリ現像液を用いることによって、前記第2の塗布膜の露光部を除去し未露光部を残す、
    請求項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  9. 前記所定の温度範囲はほぼ100〜180℃である
    請求項記載のカラーフィルタの製造方法。
  10. 前記無機質保護膜を形成する工程は、化学気相成長(CVD;chemical vapor deposition)を含む
    請求項記載のカラーフィルタの製造方法。
  11. 前記無機質保護膜を形成する工程は、物理的蒸着(PVD;physical vapor deposition)を含む
    請求項記載のカラーフィルタの製造方法。
  12. 前記無機質保護膜を形成する工程は、スパッタリングを含む
    請求項記載のカラーフィルタの製造方法。
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