JP4834933B2 - 作業車両に於ける操向装置の取り付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は作業車両に於ける操向装置の取り付け構造に関するものであり、特に、ステアリングハンドルの回転操作を電気的に検出する作業車両に於ける操向装置の取り付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
トラクタ等の作業車両には、ステアリングハンドルの回転操作を電気的に検出し、この回転操作に応じた通電出力にてクローラやホイール式車輪からなる走行装置の回転数を制御するものが知られている。例えば、車体の左右にクローラ式走行装置を備え、エンジンの回転動力を走行装置により調整して左右のクローラへの出力回転を変速するように構成した作業車両では、ステアリングハンドルの回転操作にて走行装置の回転数を左右で差を生じさせることにより、車体を左右へ操向させている。
【0003】
しかし、タイロッド、ピットマンアーム、ナックルアーム等のリンク部材、または、パワーステアリング装置等の油圧機器からなる機械式連動機構のみにより操向する機械式操向装置と異なり、ステアリングハンドルの中立位置が判り難く、中立位置へ戻す操作が面倒であるとともに、組み付け作業が煩雑であった。また、ハンドル軸の回転に殆ど抵抗がないため、ステアリングハンドルの回転操作が行き過ぎることが多い。
【0004】
そこで、ステアリングハンドルの回転操作を電気的に検出する作業車両に於ける操向装置の取り付け構造に於いて、ステアリングハンドルの中立位置を明確にするとともに、回転操作の行き過ぎを防止し、組み付け作業を簡素化するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を鑑みて作業車両に於ける操向装置の取り付け構造を以下のように構成した。
即ち、請求項1記載の発明は、ステアリングハンドル(19)の回転操作を電気的に検出し、この回転操作に応じた通電出力にて走行装置の回転数を制御する作業車両であって、
前記ステアリングハンドル(19)のハンドル軸(20)を筒状の支持体(150)に回転自在に支持させ、前記支持体(150)近傍のハンドル軸(20)には、ハンドル軸(20)の回転操作に連動して作動する回転操作検出部(151)と、ハンドル軸(20)を中立位置に付勢する付勢手段(154)と、ハンドル軸(20)の操作角を所定角にて規制するストッパ(158)とを備え、一方、前記支持体(150)には、前記回転操作検出部(151)の作動位置を検出するセンサ(128)を設け、之等ハンドル軸(20)と支持体(150)とでステアリングユニット(22)を構成し、このステアリングユニット(22)を作業車両側に立設したステアリングハンドルコラム(21)に取り付けた作業車両に於ける操向装置の取り付け構造に於いて、
上記ハンドル軸(20)の周囲には、上記支持体(150)との回転を制動すべくブレーキ材(156)を備えてなり、
更に、上記ステアリングユニット(22)は、上記ステアリングハンドルコラム(21)に対して、車両の操向装置を、リンク部材または油圧機器からなる機械式連動機構のみにより操向する機械式操向装置(162)と付け替えて組み付け可能に構成されたことを特徴とする作業車両に於ける操向装置の取り付け構造とした。
【0007】
【発明の効果】
以上のように構成した請求項1記載の発明は、ハンドル軸とこのハンドル軸を回転自在に支持する支持体とでステアリングユニットを構成したので、組み付け作業が簡素化されるとともに、センサの故障や調整などに対してメンテナンスが容易である。
【0008】
この発明は、上記ハンドル軸の周囲には支持体との回転を制動するブレーキ材を備えたので、ステアリングハンドルの回転操作に抵抗力が生じて、回転操作の行き過ぎを防止できる。
更に、この発明は、上記ステアリングユニットは機械式操向装置と付け替え組み付け可能に構成されているので、操向装置以外の部材部品を共用して生産コスト或いは改良コストを抑止することができ、且つ、組か換えが比較的簡単に行える。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って詳述する。図2及び図3は作業車両の一例としてクローラ型のトラクタ10を示し、リヤアクスル11に駆動スプロケット12を取り付け、この駆動スプロケット12を回転支持するトラックフレーム13に従動スプロケット14と転輪15を枢着し、これら駆動スプロケット12と従動スプロケット14,転輪15間にクローラ16を卷装し、トラックフレーム13の前端部を車体フレーム17に固着してクローラ式走行装置Cを構成している。符号23はミッションケースであり、前記クローラ式走行装置Cはこのミッションケース23の左右側方に支持され、且つ、ミッションケース23よりも後方に突出しており、該クローラ式走行装置Cのクローラ16は車体の後端部よりも後方に位置している。後述するように、エンジン46の回転動力はミッションケース23に入力され、該ミッションケース23内の変速装置にて変速された後にリヤアクスル11に伝達され、駆動スプロケット12が回転してクローラ16が駆動される。尚、エンジン46は前記クローラ16の前端部よりも前方に位置し、対地作業機26はクローラ16の後端部よりも後方に位置しているので、車体の前後バランスが良好になっている。
【0010】
運転席18の近傍には、対地作業機26の昇降位置を設定するポジションレバー40、対地作業機26の耕深量を設定する耕深調整ダイヤル41、対地作業機26の左右方向の傾きを設定する水平調整ダイヤル42等が設けられ、運転席18の下部には車体の左右方向のローリング角を検出するスロープセンサ43を設置してある。更に、運転席18の前方に操向操作部である回転操作式のステアリングハンドル19を設けてあり、ステアリングハンドル軸20はステアリングハンドルコラム21内に挿入され、その基端部にはステアリングユニット22が装着されている。該ステアリングユニット22には、後述するように、ステアリングハンドル19の操向操作量を検出するためにステアリング切れ角センサ128を設けてある。また、ステアリングハンドルコラム21の右側部にブレーキペダル44を設けるとともに、ステアリングハンドルコラム21の左側部にクラッチペダル45を設ける。尚、運転席18の下方には制御部であるコントローラ100が設けられている。
【0011】
また、車体の後部にはリンク機構25を介してロータリ等の対地作業機26が連結されており、このリンク機構25はトップリンク27と左右のロワリンク28,28とからなり、左右のリフトアーム29,29の先端とロワリンク28,28をリフトロッド30,30にて連結し、リフトシリンダ32の駆動にてリフトアーム29を回動することにより、リフトロッド30,30を介してロワリンク28,28が上下動する。斯くして、ロワリンク28,28の先端部を回動中心に前記対地作業機26が昇降する。尚、ロワリンク28の先端部の位置即ち対地作業機26の回動支点位置をAとすれば、クローラ16の後端部の位置Bはそれよりも後方にある。
【0012】
リフトアーム29の回動基部には、対地作業機26の昇降位置を検出するセンサとしてリフトアーム角センサ33が設けられ、このリフトアーム角センサ33にてリフトアーム29の回動角を検出し、対地作業機26の昇降高さを演算する。また、対地作業機26のメインカバー34の後端部にリヤカバー35を回動自在に取り付け、リヤカバーセンサ36によりリヤカバー35の回動角度を検出して、対地作業機26の耕深制御を行えるように形成されている。
【0013】
一方、車体に対する対地作業機26の左右方向の傾きを変更するアクチュエータとして、左右どちらかのリフトロッド30の途中にローリングシリンダ37を設け、該ローリングシリンダ37を伸縮させてロワリンク28のリフト量を左右で変えることにより、対地作業機26のローリング角を変更可能に形成してある。そして、前記ローリングシリンダ37に隣接してストロークセンサ38を設け、該ストロークセンサ38によりローリングシリンダ37の伸縮長さを検出して車体に対する対地作業機26のローリング角を計測するとともに、前記水平調整ダイヤル42の設定値に応じてローリングシリンダ37を伸縮駆動し、対地作業機26のローリング制御を行えるようにしてある。
【0014】
図4乃至図7にて動力伝達系の構成を説明する。前記ミッションケース23はフロントミッションケース23aと、ミッドミッションケース23bと、リヤミッションケース23cとからなり、フロントミッションケース23aの前面には、その上部に動力入力軸48を突設してあり、車体フレーム17に囲繞されたエンジン回転出力軸49と動力入力軸48とが同軸に接続されている。
【0015】
エンジン46の回転動力は前記エンジン回転出力軸49及び動力入力軸48からフロントミッションケース23a内に入力され、先ず減速ギヤ50によりケース下部に伝達された後、後方の主クラッチ51へ伝達されるとともに、フロントミッションケース23aの前部に設けた油圧ポンプ52へ伝達される。また前記主クラッチ51にて入切操作される動力は、ミッドミッションケース23b内の主変速装置53及び副変速装置54にて適宜減速され、副変速出力軸となるピニオン軸55を介してリヤミッションケース23c内に伝達される。このリヤミッションケース23cには、左右側壁間に支持軸68を設け、この支持軸68の中央よりやや偏倚した位置に前記ピニオン軸55と噛み合うベベルギヤ69をスプライン嵌合してある。
【0016】
前記主変速装置53は、主変速駆動軸56と主変速被駆動軸57間に1速から3速の前進速及び1段の後進速を有するギヤ組58を設け、前記主変速被駆動軸57内に設けたスライドキー59を前後に操作することにより、何れか一つのギヤ組58を介して動力を伝達する所謂キーシフト式変速機構となっている。
【0017】
また、前記副変速装置54は、前記主変速駆動軸56の延長上に副変速駆動軸60を枢着し、該副変速駆動軸60に「高速」「低速」用の2段ギヤ61,62を固設する一方、前記主変速被駆動軸57の延長上に副変速被駆動軸即ち前記ピニオン軸55を設ける。そして、該ピニオン軸55にスライド式2段ギヤ63を設け、このスライド式2段ギヤ63をスライドして前記2段ギヤ61,62の何れかに噛合させる、所謂コンスタントメッシュ式ギヤによる変速装置となっている。尚、符号64はPTO伝達軸であり、リヤミッションケース23cに設けたPTO変速装置65を経て、リヤミッションケース23cの後部に突設されたリヤPTO軸66へ動力を伝達する。
【0018】
符号47はリヤミッションケース23cの左右側方に設けたリヤアクスルケース47であり、該リヤアクスルケース47は略筒状の鋳物ケースであって、該リヤアクスルケース47にてクローラ式走行装置Cを支持している。前述したように、前記リヤミッションケース23cには、左右側壁間に支持軸68を枢着し、この支持軸68の中央よりやや左に偏倚した位置に前記ピニオン軸55と噛み合うベベルギヤ69をスプライン嵌合し、該ベベルギヤ69と左右略対向位置にブレーキディスク70を設けてある。
【0019】
そして、前記ブレーキペダル44と該ブレーキディスク70とをリンク機構(図示せず)により接続し、ブレーキペダル44の踏み込み操作により該ブレーキディスク70を圧着することによって、支持軸68の回転即ち左右クローラ16,16の回転を制動するように構成されている。また、前記支持軸68の左右両端部には減速ギヤ組71を設け、この減速ギヤ組71を介して前記ベベルギヤ69の回転をリヤアクスルケース47内の入力軸72に伝達する。
【0020】
前記リヤアクスルケース47の内部には、クローラ式走行装置Cへの出力回転数と回転方向を変速する伝動機構として正逆転切り換え装置73を配置してあり、この正逆転切り換え装置73は、前記入力軸72と、この入力軸72の一端部側に入力軸72と同軸に枢着された出力軸74と、入力軸72と出力軸73の間に介装された2段遊星ギヤ機構75と、この2段遊星ギヤ機構75のキャリア76に設けられた湿式多板型の正転用クラッチ77(車体外側)及び逆転用クラッチ78(車体内側)とから構成されている。尚、前記キャリア76は、対峙する2面間に2段遊星ギヤ機構75を構成している第1のキャリア76aと、正転用クラッチ77及び逆転用クラッチ78が設けられている第2のキャリア76bとがボルト締めにて一体に形成されている。
【0021】
前記2段遊星ギヤ機構75の構成は、前記入力軸72の一端部に入力側サンギヤ79を固設するとともに、前記出力軸74の一端部に出力側サンギヤ80を固設してある。また、この入力軸72及び出力軸74の軸回りに前記第1のキャリア76aを遊転自在に取り付けるとともに、該第1のキャリア76aには入力軸72を中心とする同一円周上に複数本の第1キャリアピン81,81…を設ける。本実施の形態では、同一円周上に等間隔で3本の第1キャリアピン81,81,81を設けてある。
【0022】
そして、夫々の第1キャリアピン81に入力側プラネタリギヤ82並びに出力側プラネタリギヤ83を同軸且つ一体に枢着する。更に、前記キャリア76には第1キャリアピン81と同数の第2キャリアピン84を同一円周上に等間隔で設け、夫々の第2キャリアピン84にカウンタギヤ85を枢着し、該カウンタギヤ85を前記出力側プラネタリギヤ83と出力側サンギヤ80の双方に噛合させてある。即ち、第1のキャリア76aの対峙する2面間に第1及び第2のキャリアピン81,84を設けて、2段6軸の遊星ギヤ機構の構成としている。
【0023】
尚、第1のキャリア76aの外側面にはキャリアピン固定プレート86をボルト締めしてあり、このキャリアピン固定プレート86を第1のキャリア76aの外形よりも大にして外縁部よりも外側へ張り出させるとともに、キャリアピン固定プレート86の先端を折り曲げて切り欠き部86aを設け、回転センサ(図示せず)にて読み取るようにしてある。従って、第1のキャリア76aの固定と回転の状態が、ダミーギヤ等を用いずして、簡単に検出することができる。また、キャリアピン固定プレート86の先端を折り曲げてあるので、周囲の油が攪拌されて冷却性能を向上させことができる。
【0024】
一方、前記正転用クラッチ77と逆転用クラッチ78は第2のキャリア76bの隔壁76cを挟んで夫々が反対側に設けられ、正転用クラッチ77の駆動ディスク77aは入力側サンギヤ79即ち入力軸72と一体に係合し、正転用クラッチ77の被駆動ディスク77bは第2のキャリア76bと一体に係合している。また、前記駆動ディスク77aと被駆動ディスク77bを交互に重ね合わせてその隔壁76c側に押圧板90を設け、この押圧板90と前記隔壁72cとの間にスプリング91を介装し、該スプリング91により押圧板90を車体外側へ押して駆動ディスク77aと被駆動ディスク77bを圧着するように付勢されている。
【0025】
これに対して、逆転用クラッチ78の駆動ディスク78aはリヤアクスルケース47と一体に係合し、逆転用クラッチ78の被駆動ディスク78bは第2のキャリア76bと一体に係合している。また、前記駆動ディスク78aと被駆動ディスク78bを交互に重ね合わせてその隔壁72c側に押圧板92を設け、この押圧板92と前記隔壁72cとの間に油圧ピストン93を介装し、更に、前記正転用クラッチ77の押圧板90と逆転用クラッチ78の押圧板92とを連結棒94にて連結し、前記双方の押圧板90,92が一体に移動するように構成する。従って、油室95に圧力油が供給されると油圧ピストン93が押圧板92を車体内側へ押し、駆動ディスク78aと被駆動ディスク78bを圧着するように形成されている。
【0026】
そして、前記出力軸74の他端部はリヤアクスルケース47の外側開放部を遮蔽する蓋体96と一体的に組み付ける構成となっており、この蓋体96は前記リヤアクスルケース47と同様の鋳造製であって、前記リヤアクスルケース47との接続用ボルト孔97,97…を有する外蓋部96aと、この外蓋部96aの内面にボルトにより取り付けて内面を覆う内蓋部96bと、前記外蓋部96aと内蓋部96b間に介在させるリングギヤ98等から構成されている。また、前記外蓋部96aと内蓋部96bとの間にパック状の空間部99を形成し、この空間部99内には、出力軸74と同軸にリヤアクスル11の一端部を枢着するとともに、前記出力軸74の回転を減速させてリヤアクスル11へ伝達する遊星ギヤ機構101を内装してある。
【0027】
この遊星ギヤ機構101は、前記出力軸74の他端部に固設されたサンギヤ102と、リヤアクスル11の一端部に固設されたキャリア103と、該キャリア103に設けたキャリアピン104と、このキャリアピン104に枢着され且つ前記サンギヤ102並びにリングギヤ99の双方に噛合するプラネタリギヤ105とから構成されている。また、この遊星ギヤ機構101は、ホイール仕様とクローラ仕様とを相互に変更する場合や、ホイール仕様の車輪径を変更する場合等、トラクタ10の仕様変更に応じて任意に減速比を変更できるような機構であってもよい。尚、106は回転数検出用ギヤであり、この回転数検出用ギヤ106に対して非接触型の回転センサ107を近接配置し、左右のクローラ16,16への出力回転数を検出できるように構成されている。
【0028】
次に、前記正逆転切り換え装置73の動作について説明する。通常は前記スプリング91が押圧板90を介して正転用クラッチ77の各ディスク77a,77bを圧着しており、この状態では、正転用クラッチ77の駆動側ディスク77aと係合する入力側サンギヤ79と、被駆動ディスク77bと係合するキャリア76とが一体回転するので、前記入力軸72の回転が入力側サンギヤ79から出力側サンギヤ80へ1対1の回転比で伝達され、入力軸72と出力軸74とが同一方向へ同一回転数にて回転する。
【0029】
一方、前記逆転用クラッチ78の油室95へ圧力油を送り込むと、油圧ピストン93が押圧板92を押圧して、逆転用クラッチ78の各ディスク78a,78bを圧着する。この状態では、逆転用クラッチ78の駆動側ディスク78aと係合するリヤアクスルケース47と、被駆動ディスク78bと係合するキャリア76とが一体となるので、該キャリア76は回転しない。従って、前記入力軸72の回転は入力側サンギヤ79から入力側プラネタリギヤ82へ減速されて伝わり、更に、出力側プラネタリギヤ83からカウンタギヤ85を介して出力側サンギヤ80へ減速且つ逆回転で伝達され、入力軸72と出力軸74とが逆方向へ回転し、その回転数は2段遊星ギヤ機構75の各ギヤ比に応じて所定回転数に減速される。
【0030】
ここで、前記正転用クラッチ77が入り状態で、入力軸72と出力軸74とが同一方向へ同一回転数にて回転している場合に、前記油圧ピストン93によって逆転用クラッチ78の押圧板92が押されたときには、該押圧板92と前記正転用クラッチ77の押圧板90とが連結棒94にて連結されているため、双方の押圧板90,92が一体に車体内側方向へ移動する。従って、逆転用クラッチ78の各ディスク78a,78bが圧着されるのに伴い、正転用クラッチ77の各ディスク77a,77bはスプリング91の付勢に抗して徐々に圧着が解除されていく。即ち、前記油室95へ供給する油圧の上昇に応じて、前記正転用クラッチ77に滑りが生じるとともに逆転用クラッチ78が半クラッチ状態で接続され、出力軸74の回転数が低下する。
【0031】
而して、片側のリヤアクスル11の回転数が低下し、クローラ16の駆動速度が減速される。前記油室95へ圧力油を送り続けて、油圧ピストン93の移動量を図中車体内側に増加すると、前記正転用クラッチ77の駆動用ディスク77aと被駆動用ディスク77bの圧着が完全に解除されて前記出力側サンギヤ80の回転はゼロとなり、片側のクローラ16の回転が停止して正逆転切り換え装置73が正転状態から切り状態となる。この切り状態を経て、更に前記油室95へ圧力油を送り続ければ、逆転用クラッチ78の駆動側ディスク78aと被駆動側ディスク78bが徐々に圧着されて出力側サンギヤ80が逆回転し、片側のクローラ16が逆方向に駆動されて正逆転切り換え装置73が逆転状態となる。
【0032】
図8は油圧回路図であり、ミッションケース23内の油は油圧ポンプ140によって汲み上げられて油路L1と油路L2とに分岐し、油路L1の油は分流弁141からリフトシリンダ32用のコントロールバルブ142と、ローリングシリンダ37用のコントロールバルブ143とに分流される。ローリングシリンダ37のトップ側油路L3とコントロールバルブ143との間にコネクタ144を介装するとともに、ローリングシリンダ37のボトム側油路L4とコントロールバルブ143との間にコネクタ145を介装し、夫々のコネクタ144,145によって油路を接続または遮断できるように形成してある。
【0033】
一方、油路L2の油は減圧弁146を経て左右の逆転用クラッチ78,78を制御する比例コントロールバルブ147,147に送られる。左逆転用クラッチの油路L5と左比例コントロールバルブ147との間にコネクタ148を介装するとともに、右逆転用クラッチの油路L6と右比例コントロールバルブ147との間にコネクタ149を介装し、夫々のコネクタ148,149によって油路を接続または遮断できるように形成してある。
【0034】
図9は制御系のブロック図であり、制御部であるコントローラ100の内部には、各種情報を演算処理するCPUと、各種センサ値や設定値を記憶するRAMと、制御プログラムなどを記憶するROM等を有しており、該コントローラ100の入力部にはポジションレバー40、耕深調整ダイヤル41、水平調整ダイヤル42、スピンターンスイッチ114等の設定信号と、リフトアーム角センサ33、スロープセンサ43、左右夫々のクローラ回転センサ107,107、ステアリング切れ角センサ128、エンジン回転数センサ112、車速センサ113等の検出信号が入力される。
【0035】
また、これらの入力信号に基づき、コントローラ100の出力部からリフトシリンダ32用コントロールバルブ142の上げソレノイド若しくは下げソレノイド、ローリングシリンダ37用コントロールバルブ143の伸びソレノイド若しくは縮みソレノイド、ブレーキディスク70用コントロールバルブのブレーキソレノイド、左右夫々の正逆転切り換え装置73用比例コントロールバルブ147のクラッチソレノイド、ガバナ調整用アクチュエータ等に制御信号を出力する。
【0036】
而して、ポジションレバー40の操作や耕深調整ダイヤル41の設定により、コントローラ100からリフトシリンダ32用コントロールバルブ142の上げソレノイド若しくは下げソレノイドへ制御信号が出力されると、前記リフトシリンダ32が伸縮して対地作業機26が昇降する。また、水平調整ダイヤル42の設定値とスロープセンサ43の検出値に基づき、コントローラ100からローリングシリンダ37用コントロールバルブ143の伸びソレノイド若しくは縮みソレノイドへ制御信号が出力されると、前記ローリングシリンダ37が伸縮して対地作業機26の左右ローリング角が変更される。また、ステアリング切れ角センサ128の変化に応じて、後述するように、左右の逆転用クラッチ78用比例コントロールバルブ147のクラッチソレノイドに制御信号を送り、左右のクローラ式走行装置Cへの出力回転数を変速する。
【0037】
図10はコントローラ100から出力するクラッチ電流の大きさ(クラッチシリンダ圧)とクローラ16の回転状態との関係を示し、例えば前進走行状態でクラッチ電流が0Aの場合はクラッチシリンダ(油室95)へ供給される油圧は0kg/cm2となり、前述したように、スプリング91の付勢にて正転用クラッチ77が全圧で接続し、前記入力軸72の回転がそのまま出力軸74に伝達されて、クローラ16が前進方向に回転駆動される。コントローラ100から正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに出力するクラッチ電流を徐々に増加してクラッチシリンダ圧を昇圧させれば、クラッチ電流が0.2A付近で正転用クラッチ77に滑りが生じてクローラ16の前進方向への回転数が低下する。クラッチ電流が0.4A付近に増加した場合は、クラッチシリンダ圧が10kg/cm2程度となり、正転用クラッチ77及び逆転用クラッチ78の何れもが切り状態を保持する。このため、前記入力軸72の回転が出力軸74及びリヤアクスル11に伝達されず、クローラ16は回転駆動されない。
【0038】
斯かる状態から、クラッチ電流を更に増加して0.6A付近とした場合は、逆転用クラッチ78が滑りを生じながら接続され、入力軸72の回転が逆転して出力軸に伝達され、半クラッチ状態でクローラ16は後進方向に回転を始める。そして、クラッチ電流を0.8A付近まで増加させた場合は、クラッチシリンダ圧が20kg/cm2となって、逆転用クラッチ78が全圧で接続する。従って、クローラ16は後進方向へ高速回転で駆動される。
【0039】
このように、コントローラ100から出力するクラッチ電流を変化させることにより、正逆転切り換え装置73のクラッチシリンダ圧を増減して、正転用クラッチ77及び逆転用クラッチ78の接続状態が連続的に変化し、前記正逆転切り換え装置73が正転から逆転の間で連続的に駆動トルクを有しつつ、クローラ16の回転方向及び回転速度を連続的且つ任意に調整することができる。
【0040】
而して、ステアリングハンドル19の操向操作(回転操作)をステアリング切れ角センサ128にて検出し、この操向操作量(切れ角変化)に応じて一方の正逆転切り換え装置73のクラッチを制御し、旋回内側のクローラ16の回転を減速することにより、左右のクローラ16,16に回転差を与えて車体を旋回させることができる。比較的固い地盤では、旋回内側のクローラ16を停止または逆転させて、車体を急旋回させることもあるが、旋回時にクローラ16の回転をロックすると地面が荒れやすいので、通常は旋回内側の正逆転切り換え装置73のクラッチを滑らせて、旋回内側のクローラ16の回転を減速することにより、車体を緩旋回させている。
【0041】
例えば、前進走行状態では、クラッチ電流が0A即ちクラッチシリンダ圧0kg/cm2であるときは左右双方の正転用クラッチ77,77が全圧で接続し、左右のクローラ16,16が双方ともに前進回転駆動される。そして、ステアリングハンドル19の旋回操作があったときは、一方(旋回内側)の正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに対するクラッチ電流を徐々に増加して、クラッチシリンダ圧を昇圧させていき、クラッチ電流が0.2A付近で正転用クラッチ77に滑りが生じ、一方のクローラ16の前進方向への回転が低下するため、左右のクローラ16,16に回転差が生じて車体が旋回する。このクラッチ滑り状態を保持することにより、地面を荒らさずに車体を緩旋回(マイルドターン)させることができる。
【0042】
また、一方(旋回内側)の正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに対するクラッチ電流を0.4A付近に増加した場合は、クラッチシリンダ圧が10kg/cm2程度となり、一方の正転用クラッチ77及び逆転用クラッチ78の何れもが切り状態となる。このため、前記入力軸72の回転は一方のリヤアクスル11に伝達されず、旋回内側のクローラ16の回転が停止して旋回半径が小さくなり、車体を信地旋回(ロックターン)させることができる。
【0043】
また、一方(旋回内側)の正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに対するクラッチ電流を0.8A付近まで増加させた場合は、クラッチシリンダ圧が20kg/cm2となって、一方の逆転用クラッチ78が全圧で接続する。このため、前記入力軸72の回転が逆転して出力軸74に伝達され、一方のリヤアクスル11が逆転して、旋回内側のクローラ16が後進回転駆動される。従って、左右のクローラ16,16が相互に反対方向へ回転して旋回半径が最小となり、車体を超信地旋回(スピンターン)させることができる。
【0044】
図1及び図11はステアリングユニット22を示し、前記ステアリングハンドル軸20は筒状の支持体であるハンドルポスト150に回転支持されている。このハンドルポスト150は支持部が筒状に形成されており、外形は円筒形に限定されず角形はじめ他の形状であってもよい。該ハンドルポスト150内のステアリングハンドル軸20には、雄螺子部20aが設けられており、この雄螺子部20aに螺合する雌螺子部を有した回転コマ151が設けられている。前記ハンドルポスト150の一側部にスリット150aを開穿してあり、該回転コマ151の一側部に固設したアーム151aをこのスリット150aから外へ突出させてある。
【0045】
前記ステアリングハンドル軸20が回転すると、雄螺子部20aに螺合する回転コマ151も回転しようとするが、回転コマのアーム151aがハンドルポストのスリット150aに係止されて回転コマ151の回転が阻止され、回転コマ151はステアリングハンドル軸20に沿って上下動する。該回転コマ151により、ステアリングハンドル軸20の回転操作に連動して作動する回転検出部が構成される。
【0046】
前記ハンドルポスト150の一側部には、スリット150aの外側にブラケット152が設けられ、前記回転検出部の作動位置を検出するセンサとして、このブラケット152にポテンショメータからなるステアリング切れ角センサ128が取り付けられている。該ステアリング切れ角センサ128のセンサアーム129には、前記回転コマのアーム151aの先端が係合している。従って、回転コマ151の上下動即ちステアリングハンドル軸20の回転角度が、ステアリング切れ角センサ128によって検出される。
【0047】
また、ハンドルポスト150の下方に突出した前記ステアリングハンドル軸20の下部には、半割形状の回転筒体153がステアリングハンドル軸20と一体回転可能に設けられ、この回転筒体153内にステアリングハンドル軸20を中立位置に付勢する付勢手段として捩りコイルスプリング154を収納してある。更に、ステアリングハンドル軸20には、捩りコイルスプリング154の下方部に回転プレート155を固設し、ステアリングハンドル軸20が中立位置にあるとき、回転プレート155の突片155aが正面中央部に位置するように形成してある。之等ステアリングハンドル軸20とハンドルポスト150等が一体的にサブ組立されてステアリングユニット22が構成されているので、組み付け作業を容易に行うことができる。
【0048】
ここで、前記ステアリングハンドル軸20の周囲には、前記ハンドルポスト150との回転を制動すべくブレーキ材を備えている。例えば、ステアリングハンドル軸20の上端部近傍にライニング156を介装し、その上部にスプリング157を取り付けてライニング156に圧接させる。従って、該スプリング157の押圧力にてライニング156が前記ハンドルポスト150の上端部に圧接し、ステアリングハンドル軸20とハンドルポスト150との回転に制動がかかって、ステアリングハンドル19の回転操作に行き過ぎが生じるのを防止できる。尚、ライニング156の取り付け位置はステアリングハンドル軸20の上端部ではなく、下端部であってもよい。図示は省略するが、前記回転プレート155の下部にライニングを介装してもよい。
【0049】
而して、前記ステアリングハンドル19を回転すれば、これと一体にステアリングハンドル軸20が回転し、前述したように、回転コマ151の上下動をステアリング切れ角センサ128が検出する。この検出信号はコントローラ100へ送られ、該コントローラ100にてステアリングハンドル19の回転操作角を演算する。そして、演算された回転操作角に応じて、前記左右の比例コントロールバルブ147のクラッチソレノイドへの出力を制御し、旋回内側の正逆転切り換え装置73を作動させる。斯くして、旋回内側のクローラ16の駆動速度が減速されて車体が旋回する。
【0050】
ステアリングハンドル軸20の回転により、これと一体に回転プレート155が回転し、左右何れかのストッパ158に前記突片155aが当接してステアリングハンドル軸20の回転が停止する。即ち、ステアリングハンドル軸20は中立位置から左右に夫々180度ずつ(総回転角360度)の回転範囲を有している。そして、前記ステアリングハンドル19の回転操作を止めれば、前記捩りコイルスプリング154の付勢によりステアリングハンドル軸20が戻されて、前記ステアリングハンドル19が中立位置に復帰する。
【0051】
斯くして、図12に示すように、ステアリングハンドル19は左右に夫々180度ずつ(総回転角360度)の回転範囲を有し、例えば中立位置から左側へ操向操作したときには、遊びが約20度、マイルドターン域が約100度、ロックターン域が約30度、スピンターン域が約30度の配分になっている。そして、前記ステアリング切れ角センサ128によってステアリングハンドル19の操向操作量(ハンドル切れ角=回転角)を検出し、この操向操作量に応じて、前記正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに対するクラッチ電流を調整して、クラッチシリンダ圧(油圧ピストン93に対する作動圧)を制御する。
【0052】
図13はステアリングハンドル軸20やハンドルポスト150等が装着されるフレームを示し、フロントフレーム160の後部にステアリングハンドルコラム21が立設されている。ミッドフレーム161の後部にはミッションケース23が連結される。図示は省略するが、このステアリングハンドルコラム21に前述のステアリングユニット22が装着される。尚、該ステアリングユニット22はアッセンブリにてサブ組立されており、図14に示すように、タイロッド、ピットマンアーム、ナックルアーム等のリンク部材、または、パワーステアリング装置等の油圧機器からなる機械式操向装置162と付け替えて組み付けることが可能である。
【0053】
図15に示すように、前記ハンドルポスト150はブラケット165に取り付けられており、該ブラケット165は2本のボルト166,167でステアリングハンドルコラム21に固定されている。上側のボルト166は長孔168に挿通してあり、該ボルト166を緩めればブラケット165は下側のボルト167を中心に前後へ揺動する。従って、ステアリングユニット22と一体にステアリングハンドル軸20の起立角度を変更することができ、安価な費用でチルトハンドルを構成することができる。尚、図示は省略するが、前記ブラケット165に縦長孔を開穿してボルト166,167を締結しておけば、双方のボルト166,167を弛緩することによって、ステアリングユニット22と一体にステアリングハンドル軸20を上下に移動させることができ、安価な費用でテレスコピックハンドルを構成できる。
【0054】
【表1】
【0055】
ロックターンやスピンターンは表1に示すような条件によって選択される。前述したスピンターンスイッチ114は、運転席18の近傍でオペレータの操作が容易な位置に設けられており、イグニッションキーが通電中であれば常時オンオフ操作が可能である。該スピンターンスイッチ114がオフである状態では、如何なる条件の下でもスピンターン(Sターンと記す)は実行されない。また、副変速が高速(H)位置にある場合は、スピンターンスイッチ114がオンであってもスピンターンは実行されない。そして、副変速が高速(H)位置にあり且つ主変速が2速若しくは3速位置にあるときは、スピンターン及びロックターン(Rターンと記す)は実行されず、マイルドターン(Mターンと記す)のみが実行される。
【0056】
ここで、オペレータがステアリングハンドル19の操向操作を解除したときに、ステアリングハンドル19が中立位置を行き過ぎて反対側に超えてしまう場合がある。然るとき、ステアリング切れ角センサ128が反対方向への操向操作を検出して反対側の正逆転切り換え装置73のクラッチに作動信号を出力すると、反対側の正転用クラッチ77が滑りを開始するので、車体が一瞬左右に振られて乗り心地が悪くなる。これを防止するために、コントローラ100は反対側の正逆転切り換え装置73のクラッチに対する作動信号出力を一時的に停止する。
【0057】
図16は操向操作解除時の制御手順を示すフローチャートであり、オペレータが操向操作を解除したときは、コントローラ100にてステアリング切れ角の変化速度を算出する(ステップ101)。そして、中立位置復帰機構138によりステアリングハンドル19が中立位置に戻ろうとして、中立位置を反対側に超えたときには(ステップ102)、前記ステアリング切れ角の変化速度が減少しているか否かを判別する(ステップ103)。ステアリング切れ角の変化速度が減少している場合は、オペレータがステアリングハンドル19から手を離す等、ステアリングハンドル19が惰性で中立位置を反対側に超えたと判断できる。然るときには、コントローラ100は反対側の正逆転切り換え装置73のクラッチに対する作動信号出力を所定時間牽制する(ステップ104)。この牽制時間はステアリングハンドル19を据え切りした位置から中立位置に復帰するまでの時間に基づいて設定するが、最大で0.5秒以内とする。斯くして、ステアリングハンドル19の行き過ぎによる車体の振れが抑止され、乗り心地を良好にすることができる。
【0058】
これに対して、ステップ103に於いて、ステアリング切れ角の変化速度が等速状態若しくは増加状態である場合は、オペレータがステアリングハンドル19を意図的に反対側へ操作したものと判断できる。然るときには、コントローラ100は直ちに反対側の正逆転切り換え装置73のクラッチに対して作動信号出力する(ステップ105)。斯くして、オペレータの意図的な操向操作に従って、車体を新たな旋回状態に調整することができる。
【0059】
また、ステップ104に於いて、反対側への作動出力を牽制中であっても、図17に示すように、ステアリング切れ角が中立位置を反対側に超えて一定値以上(例えば中立位置から30〜40度以上)回転したときは、オペレータがステアリングハンドル19を意図的に減速速度にて操作しているものと判断する。然るときには、コントローラ100は反対側の正逆転切り換え装置73のクラッチに対して作動信号出力する。従って、ステアリング切れ角の変化速度が人為的な操作により減少方向に至っている場合であっても、確実に旋回操作を行うことができる。
【0060】
而して、ステアリング切れ角の変化に対して左右のクローラ16,16の回転差が大きくなり、片側のクローラ16がスリップしている場合は、高速で空転している側のクラッチ圧を上げてクローラ16の回転を一旦低下させ、地面に対するクローラ16の食いつきを確保するように制御する。また、ステアリング切れ角の変化に対して所定のクラッチ電流を決めておき、それに対して時間差で高い電流値を送って応答性を良好にし、低圧力値でトルクを高くするように制御してもよい。
【0061】
ここで、前記正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに対するクラッチ電流は、ステアリング切れ角に応じた基本の電流値を目標に持ち、これはセフティモード的なものはなく、通電後直ちに目標の電流値をコントロールバルブに流す。ステアリングハンドル19が操作されるとクラッチ電流も追従して変化するが、時定数はもたず即時変化する。そして、後述するように、ロックターンやスピンターンを回避するための旋回制御を実施する。
【0062】
図18に示すように、ステアリングハンドル19の操向操作に対して、コントローラ100はクラッチ電流をパルス的に出力し、操向操作開始直後の応答性を高めるために、クラッチシリンダに一瞬(時間T2)高い初期圧力P1を加える。然る後に、ステアリング切れ角に応じた旋回半径を得るために、クラッチシリンダ制御圧力P2を出力する。そして、所定のクラッチ出力オン時間T1が経過したときは、コントローラ100は一瞬クラッチ電流を遮断してクラッチオフとし、直ちにクラッチ電流をかけて中間の圧力即ち周期圧力P3を時間T3だけ加えて、クラッチオンとする。
【0063】
このように、一定のクラッチ圧を連続的に加えるのではなく、一定の周期(時間T1)でクラッチをつなぎ直すことにより、クラッチを一定の滑り状態に保持することができる。ここで、実験データから得られた最適な前記初期圧力P1は24kg/cm2とし、周期圧力P3は16Kg/cm2とする。また、クラッチ出力オン時間T1は500msecとし、初期圧保持時間T2は150msec、周期圧保持時間T3は20msecとする。更に、前記制御圧力P2は下記のような条件により、4種類の特性曲線から選択する。
【0064】
尚、ステアリングハンドル19の操向操作量からその変化量を検出し、該変化量が大きいほど、図18の二点鎖線で示すように、前記初期圧力P1を高圧に補正する。
【0065】
【表2】
【0066】
該スピンターンスイッチ114がオンである状態では、副変速が低速(L)位置にあれば、主変速が何れの位置にあっても制御圧力P2は図19(a)に示すような特性曲線にて変化する。この場合、P120からP180までの間では前記周期圧力P3の制御は行わず、スピンターンが開始されるとクラッチシリンダ圧を保持して逆転用クラッチ78の各ディスク78a,78bを圧着し続ける。また、副変速が高速(H)位置であれば、主変速が1速のときは制御圧力P2が図19(c)に示す特性となり、主変速が2速または3速のときは図19(d)に示す特性となる。即ち、スピンターンスイッチ114がオンであっても、高速走行状態のときはスピンターンを行わず、マイルドターンに制限する。
【0067】
これに対して、該スピンターンスイッチ114がオフである状態では、副変速が低速(L)位置にあれば、主変速が何れの位置にあっても制御圧力P2は図19(b)に示すような特性曲線にて変化する。また、副変速が高速(H)位置であれば、前述のスピンターンスイッチ114がオンである状態と同様にして、主変速が1速のときは制御圧力P2が図19(c)に示す特性となり、主変速が2速または3速のときは図19(d)に示す特性となる。
【0068】
尚、前記P1乃至P3の圧力データとT1乃至T3の時間データ、並びに、P20、P120、P180の各ポイントのデータは予め設定しておき、各データはチェッカにて書き換え可能である。
次に、図20のフローチャートに従い、ステアリングハンドル19の操向操作量を検出するステアリング切れ角センサ128に異常が生じた場合の制御手順について説明する。先ず、コントローラ100は各センサやスイッチ類の状態を読み込む(ステップ201)。ここで、ステアリング切れ角センサ128のセンサ値をθとし、左クローラ回転センサ107のセンサ値をRLとし、右クローラ回転センサ107のセンサ値をRRとする。いま、ステアリングハンドル19が中立位置にあるときは、ステアリング切れ角センサ128のセンサ値θ=0°となり(ステップ202)、然るときに、左クローラ回転センサ107のセンサ値RLと右クローラ回転センサ107のセンサ値RRとが一致していれば車体は直進走行しているものと判断できる(ステップ203)。従って、前記ステアリング切れ角センサ128の組み付け位置に誤差はなく、且つ、正常に作動していることになる。
【0069】
ここで、ステアリング切れ角センサ128のセンサ値θ=0°であるのにも拘わらず、左右クローラ回転センサ107の夫々のセンサ値RLとRRとが一致しない場合は、ステアリング切れ角センサ128の組み付け位置Lに誤差があるか、或いは、故障などの異常が生じているものと判断し、コントローラ100はランプの点灯や点滅、若しくはブザーの吹鳴等にて、中立位置ずれを報知する(ステップ204)。
【0070】
そして、前記エンジン回転数センサ112の検出信号によりエンジン46が始動前であるか否かを判別し(ステップ205)、エンジン始動前であるときは、たとえオペレータがエンジン46を始動させようとしても、コントローラ100からスタータリレーに対して制御信号を送らず、エンジン始動を牽制する(ステップ206)。これは、ステアリング切れ角センサ128に異常が発生した状態では、ステアリングハンドル19の操向操作に対して、オペレータの意に反して、車体の旋回動作が正確に行われないので、危険を防止するためにエンジン46を始動させない。また、例えば、チェックスイッチ(図示せず)を入りにして、コントローラ100の状態を点検するためのチェックモードに設定した場合、この状態ではステアリングハンドル19を回転しても操向操作は行われないため、車体を走行させても旋回不能となる。従って、チェックモード中はエンジン始動を牽制して安全性を向上させる。
【0071】
一方、エンジン始動後にステアリング切れ角センサ128の異常が発生したときは、コントローラ100からガバナ調整用アクチュエータに制御信号を送って燃料をカットし、エンジン46の回転を停止して車体の走行を停止させる(ステップ207)。このように、車体の走行中にステアリング切れ角センサ128に異常が発生した状態では、ステアリングハンドル19の操向操作に対して、オペレータの意に反して、車体の旋回動作が正確に行われないので、危険を防止するために直ちにエンジン46を停止させて安全を確保する。
【0072】
また、エンジン始動後にステアリング切れ角センサ128の異常が発生したときは、コントローラ100から左右夫々の正逆転切り換え装置73用比例コントロールバルブ147のクラッチソレノイドに対する作動信号を補正するようにしてもよい。コントローラ100は、左右クローラ回転センサ107の信号を割り込みによって常時検出し、クローラ式走行装置Cへの出力回転数を内部的に算出する。一方、ステアリング切れ角センサ128のセンサ値に応じた目標の回転比カーブを持っておき、実測の回転数比がこれと離れている場合には、その都度、条件によって重み付けされた補正値をテーブルより参照して、目標クラッチ圧力を補正する。即ち、通常の作業での直進走行時に、割り込み処理としてクラッチ電流を補正する。尚、前述したチェックモードの状態にして、クラッチ電流を補正することもできる。斯くして、車体の操向性能を向上することができる。
【0073】
また、車両のエンジン始動時に、前記ステアリング切れ角センサ128のセンサ値を入力して、このセンサ値をステアリングハンドル19の中立位置として設定してもよい。
ここで、各センサに異常が発生したときの処置とランプの点滅について表3に従って説明する。
【0074】
【表3】
【0075】
例えば、ステアリング切れ角センサ128に異常が生じたときは、異常要因としてセンサの断線やショートが挙げられる。そして、異常発生時の処置として正逆転切り換え装置73用比例コントロールバルブ147への作動信号出力を禁止するとともに、モニタランプを点滅させて異常を報知する。また、左右何れかのクローラ回転センサ107に異常が生じたときは、センサ自体の不良若しくは断線が異常要因として挙げられ、そのときは旋回制御を実行しない。一方、リフトアーム角センサ33に異常が発生したときは、異常要因としてセンサの断線やショートが挙げられる。この場合、異常発生時の処置は特になく、ステアリング切れ角センサ128やクローラ回転センサ107の異常とは区別するためにモニタランプを点灯して報知するとともに、旋回制御を続行する。
【0076】
また、クローラ回転センサ107の異常判定は、ステアリングハンドル19が中立位置(±20゜以内)に於いて、出力回転数が10rpm以上で、且つ、左右出力回転比が0.5以下の状態が10秒以上継続した場合に異常と判定する。これ以降は、旋回制御圧補正を0に固定する。但し、ステアリング切れ角に応じた目標圧力は出力する。即ち、クローラ回転センサ107によるフィードバックは行わず、ステアリングハンドル19を回転した方向へ旋回することは可能である。このクローラ回転センサ107の異常については、通電中はエラーフラグは立ったままとし、電源を切ればクリヤされるものとする。
【0077】
これに対して、前記ステアリング切れ角センサ128に異常が生じたときは、左右ローリング制御に使用される水平調整ダイヤル42等を使用して、車体の操向操作を行うように構成することもできる。ステアリング切れ角センサ128が故障した場合、車体が操向不能になると危険であるので、然るときは、水平調整ダイヤル42や車体傾き上下スイッチ等の操作により、左右の正逆転切り換え装置73のクラッチソレノイドに対するクラッチ電流を調整して、車体の操向操作を行う。
【0078】
このように、車体の操向を複数の操作部にて操作できるように構成することにより、操向不能な状態を回避することができる。尚、ステアリング切れ角センサ128に異常が生じたときに、前記水平調整ダイヤル42等の操作に代えて、ウインカレバースイッチ115を使用して、車体の操向操作を行ってもよい。然るときは、ウインカレバースイッチ115を右へ操作すれば車体が右側に操向され、ウインカレバースイッチ115を左へ操作すれば車体が左側に操向される。
【0079】
また、逆転用クラッチ78に圧油を送る比例コントロールバルブ147が故障した場合は、逆転用クラッチ78に圧油が供給されなくなって車体が操向不能となる。図8に示したように、ローリングシリンダ37の油路L1,L2 はコネクタ144,145によって油路を接続または遮断できるように形成してあり、左右の逆転用クラッチ78,78の油路L5,L6もコネクタ148,149によって油路を接続または遮断できるように形成してある。従って、逆転用クラッチ78用比例コントロールバルブ147が故障した場合は、各コネクタ144,145,148,149の結合を一旦外して、左右の逆転用クラッチ78,78の油路L5,L6をコネクタ144,145に接続して、ローリングシリンダ37用コントロールバルブ143から左右の逆転用クラッチ78,78に圧油を送るように切り換える。このように、車体の操向を複数の油圧回路を利用して操作できるように構成することにより、操向不能な状態を回避することができる。
【0080】
ここで、当該クローラ型トラクタ10に連結されている対地作業機26のローリング制御装置について説明する。ロータリ等の対地作業機26は、作業機の種類やリンク取り付け位置によって、作業機最下げ位置で左右にローリングさせると、対地作業機26がクローラ16の後端部に接触して損傷する虞がある。このため、対地作業機26が所定高さ以下に下降したときは、該対地作業機26の左右ローリング姿勢の修正を停止若しくは減少させることにより、クローラ16と対地作業機26の干渉を防止する。
【0081】
例えば、リフトアーム角センサ33の検出値により、図21のフローチャート及び表4に示すように、ローリング制御の状態を変化させる。
【0082】
【表4】
【0083】
先ず、各センサやスイッチ類を読み込み(ステップ301)、リフトアーム角センサ33の検出値から、コントローラ100は車体が走行域にあるか、作業域にあるか、制限域にあるかを判別する(ステップ302)。リフトアーム角センサ33の検出値が(-α〜-150)ビットの範囲にあるときは、車両が作業域であるとみなして(ステップ304)、対地作業機26が前記水平調整ダイヤル41にて設定した水平状態を維持すべく、コントローラ100からローリングシリンダ37用コントロールバルブ143の伸びソレノイド若しくは縮みソレノイドに制御信号を出力する。手動操作はストロークエンドまで可能となり、また、機体平行の制御も可能である。
【0084】
一方、リフトアーム角センサ33の検出値が(MAX〜-α)ビットの範囲にあるときは、対地作業機26の高さが最上げ位置付近で車両が走行域であるとみなして(ステップ303)、対地作業機26は機体と平行に維持される。走行域の場合も、前述の作業域と同様に、手動操作はストロークエンドまで可能となり、また、機体平行の制御も可能である。
【0085】
これに対して、リフトアーム角センサ33の検出値が(-150〜MIN)ビットの範囲にあるときは、対地作業機26の高さが最下げ位置付近で車両が制限域であるとみなして(ステップ305)、対地作業機26のローリング姿勢の制御が制限される。そして、この制限量は対地作業機26が下降になるほど大にする。即ち、対地作業機26が所定高さ以下に下降しているときは、揺動角±3°(約±25ビット)以下に制限する。ローリングシリンダ用コントロールバルブ143への出力がこれを超えるときは、その方向への出力を禁止する。また、対地作業機26が3°以上に傾斜している状態でもリフトアーム29が下降した場合は、その時点で3°以内に対地作業機26の揺動を制限する。そして、対地作業機26の位置が低くなるほど、揺動角±2°、或いは揺動角±1°のように、制限量を大きくしてクローラ16に対する干渉を回避する。
【0086】
制限域での手動操作に対しては、対地作業機26が3°以上に傾斜している状態では3°以内になるまで揺動させる。この後手動スイッチを操作されたとしても、3°以内の範囲での揺動を許容する。このように、対地作業機26が最下げ位置付近での揺動を牽制することにより、クローラ16との干渉を防止することができる。即ち、実発生頻度の低い最下げ時の水平精度よりも本機のバランスを優先させる。
【0087】
ここで、ステアリング切れ角センサ128の検出値の変化から、トラクタ10が旋回し始めたと判別したときは、コントローラ100はリフトシリンダ用コントロールバルブ142の上げソレノイドに制御信号を出力し、対地作業機26を非作業高さまで上昇させて、対地作業機26の引きずりを防止している。そして、旋回が終了したときは、手動スイッチの操作にて対地作業機26を下降させていた。しかし、オペレータの手動操作が煩雑であり、改善が要求されていた。そこで、図5及び図9にて前述したように、リヤアクスルケース47内に設けられている回転センサ107によって出力軸74の回転数を検出し、コントローラ100が左右の回転比を演算しているのを利用して、車体の旋回動作に合わせて対地作業機26の昇降を行う。
【0088】
図22に示すように、前記2段遊星ギヤ機構75と1段遊星ギャ機構101との間に回転検出用ギヤ106を設けるとともに、この回転数検出用ギヤ106に対して非接触型の回転センサ107を近接配置し、出力軸74の回転数をパルスカウントして、コントローラ100にて左右の回転比を演算する。オペレータが圃場の隣接耕耘作業を数回繰り返したときに、コントローラ100は、旋回開始時に於けるリフトシリンダ用コントロールバルブ142の上げ信号入力から、旋回終了時に於けるリフトシリンダ用コントロールバルブ142の下げ信号入力までの旋回外側の出力軸74の回転数を記憶する。そして、右旋回と左旋回の夫々の平均値を算出し、然る後は、隣接耕耘作業での旋回時に、左右の回転比の変化を読み取って、コントローラ100が対地作業機26の上げ信号と下げ信号を自動的に出力する。
【0089】
従って、モニタパネル117の近傍に設けた自動油圧下げスイッチ118をオンにしておくことにより、隣接耕耘作業での旋回時に、オペレータはステアリングハンドル19の操向操作を行うと、旋回開始に合わせて対地作業機26を上昇すべく油圧上げ信号が出力され、旋回終了に合わせて油圧下げ信号が出力されて、対地作業機26が下降する。そして、モニタパネル117には状況に応じてモニタランプ117aが点灯または点滅する。例えば、自動油圧下げスイッチ118がオフであればモニタランプ117aは消灯状態となる。一方、自動油圧下げスイッチ118がオンであれば、モニタランプ117aが点滅状態となり、コントローラ100が左右回転センサ107にてパルスカウントを行って、自動制御実行の準備中である旨を表示する。そして、コントローラ100から自動油圧下げ信号が出力されたときは、モニタランプ117aが点灯して自動制御が実行中である旨を表示する。斯くして、隣接耕耘作業時でのオペレータの操作が簡素化される。
【0090】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施の形態を示すものである。
【図1】ステアリングユニットの縦断側面図。
【図2】クローラ型トラクタの側面図。
【図3】クローラ型トラクタの背面図。
【図4】ミッションケースの内部を示す断面図。
【図5】リヤアクスルケースの内部を示す断面図。
【図6】(a)は図5のA−A線断面図、(b)は図5のB−B線断面図。
【図7】動力伝達経路を示す解説図。
【図8】油圧回路図。
【図9】制御系のブロック図。
【図10】クラッチシリンダ圧とクローラの回転状態との関係を示すグラフ。
【図11】ステアリングユニットを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図。
【図12】ステアリングハンドルの回転位置に対する旋回状態を説明する解説図。
【図13】フレームの斜視図。
【図14】機械式操向装置の分解斜視図。
【図15】チルトハンドルの側面図。
【図16】操向操作解除時の制御手順を示すフローチャート。
【図17】操向制御を説明するためのトラクタの平面図。
【図18】ステアリングハンドルの操向操作に対するクラッチシリンダ圧の変化を示すグラフ。
【図19】(a)乃至(d)は、スピンターンスイッチと各変速位置に応じて変化する制御圧力の特性を示すグラフ。
【図20】ステアリング切れ角センサに異常が生じた場合の制御手順を説明するフローチャート。
【図21】ローリング制御のフローチャート。
【図22】回転センサと自動油圧下げスイッチの接続構成を示す解説図。
【符号の説明】
10 トラクタ
19 ステアリングハンドル
20 ステアリングハンドル軸
21 ステアリングハンドルコラム
22 ステアリングユニット
100 コントローラ
128 ステアリング切れ角センサ
150 ハンドルポスト
151 回転コマ
154 捩りコイルスプリング
156 ライニング
158 ストッパ
162 機械式操向装置
Claims (1)
- ステアリングハンドル(19)の回転操作を電気的に検出し、この回転操作に応じた通電出力にて走行装置の回転数を制御する作業車両であって、
前記ステアリングハンドル(19)のハンドル軸(20)を筒状の支持体(150)に回転自在に支持させ、前記支持体(150)近傍のハンドル軸(20)には、ハンドル軸(20)の回転操作に連動して作動する回転操作検出部(151)と、ハンドル軸(20)を中立位置に付勢する付勢手段(154)と、ハンドル軸(20)の操作角を所定角にて規制するストッパ(158)とを備え、一方、前記支持体(150)には、前記回転操作検出部(151)の作動位置を検出するセンサ(128)を設け、之等ハンドル軸(20)と支持体(150)とでステアリングユニット(22)を構成し、このステアリングユニット(22)を作業車両側に立設したステアリングハンドルコラム(21)に取り付けた作業車両に於ける操向装置の取り付け構造に於いて、
上記ハンドル軸(20)の周囲には、上記支持体(150)との回転を制動すべくブレーキ材(156)を備えてなり、
更に、上記ステアリングユニット(22)は、上記ステアリングハンドルコラム(21)に対して、車両の操向装置を、リンク部材または油圧機器からなる機械式連動機構のみにより操向する機械式操向装置(162)と付け替えて組み付け可能に構成されたことを特徴とする作業車両に於ける操向装置の取り付け構造。
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