JP2005192472A - 走行車両 - Google Patents

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幹也 白方
Kazuo Toyoda
和男 豊田
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Abstract

【課題】湿田などでの作業に入った時の水平姿勢制御性能が損なわれない走行車両を提供すること。
【解決手段】旋回中の旋回内側のクローラ3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108が切りであっても、車体を水平にする制御を可能にする走行車両であり、湿田に入って、たとえ車体水平制御用スイッチ108の入れ忘れがあっても、パワステ用湿田モードスイッチ107がオンであれば自動的に車体水平制御機構が作動するため、車体のピッチングが防止でき、コンバイン1の操作性が従来より向上する。
【選択図】図5

Description

本発明は、コンバインなどの走行車両に関するものである。
例えばクローラを走行手段とする作業車両として、農業用のコンバインを例に従来の技術を説明する。コンバインは無端帯状のクローラを有し、水田など軟弱な圃場でも自由に走行して刈取作業などの農業作業を可能としている。
コンバインは動力源としてエンジンを搭載し、エンジンの発生する動力をコンバインの走行、刈取、脱穀などに使用するが、そのクローラは、エンジンの動力を走行トランスミッション装置14により変速して駆動する。
コンバインの作業環境は乾田だけでなく、湿田での作業も良く行われる。湿田ではコンバインの走行時に機体が前後方向及び/又は左右方向に傾くことがおおいので、湿田での作業時には、機体の水平位置を保つように水平姿勢制御機構を備えたものがある。(特開2002−204613号公報)。
特開2002−204613号公報
前記特開2002−204613号公報記載の発明は、水平制御性に優れた走行車両であるが、湿田に車両が入り込んだ時に自動的に水平姿勢制御をするものではないく、湿田での作業に入ると、手動で水平姿勢制御を行うか、またはスイッチを入り操作する必要があった。
そのため、湿田に入っても、水平姿勢制御モードの選択を忘れてしまうことがあり、穀稈の刈取作業性に悪影響を与えるおそれがあった。
そこで本発明の課題は、湿田などでの作業に入った時の水平姿勢制御性能が損なわれない走行車両を提供することである。
本発明の課題は次の解決手段により達成される。
請求項1記載の発明は、車体に設けられたエンジンと、該エンジンからの駆動力を変速して得られた動力を走行方向に向かって左右に設けられた旋回可能な走行駆動体3と、該走行駆動体3の操向操作を行う操向操作具21と、該操向操作具21の操向操作により旋回内側の走行駆動体3の回転数を変える旋回装置14と、車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108と、旋回中の旋回内側の走行駆動体3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107と、操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体水平制御用スイッチ108が切りであっても、車体を水平にする制御を可能にする制御装置100とを備えた走行車両である。
請求項2記載の発明は、車体に設けられたエンジンと、該エンジンからの駆動力を変速して得られた動力を走行方向に向かって左右に設けられた旋回可能な走行駆動体3と、該走行駆動体3の操向操作を行う操向操作具21と、該操向操作具21の操向操作により旋回内側の走行駆動体3の回転数を変える旋回装置14と、車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108と、旋回中の旋回内側の走行駆動体3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107と、後進時に車高上げ又は前記車高上げと同時に車体を前上げ状態にする車体用湿田モードスイッチ106と、車体水平制御用スイッチ108と操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体用湿田モードスイッチ106が切りであっても、後進時に車高上げ又は車高上げと同時に車体を前上げ状態にする制御を可能にする制御装置100とを備えた走行車両である。
請求項3記載の発明は、車体に設けられたエンジンと、該エンジンからの駆動力を変速して得られた動力を走行方向に向かって左右に設けられた旋回可能な走行駆動体3と、該走行駆動体3の操向操作を行う操向操作具21と、該操向操作具21の操向操作により旋回内側の走行駆動体3の回転数を変える旋回装置と、車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108と、旋回中の旋回内側の走行駆動体3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107と、後進時に車高上げ又は前記車高上げと同時に車体を前上げ状態にする車体用湿田モードスイッチ106と、操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体用湿田モードスイッチ106が切りであっても、後進時に車高上げ又は前記車高上げと同時に車体を前上げ状態にする制御を可能にする制御装置100とを備えた走行車両である。
請求項1記載の発明によれば、湿田に入って、たとえ車体水平制御用スイッチ108の入れ忘れがあっても、パワステ用湿田モードスイッチ107がオンであれば自動的に車体水平制御機構が作動するため、車体のピッチングが防止でき、コンバイン1の操作性が従来より向上する。
請求項2記載の発明によれば、湿田で後進時に車体用湿田モードスイッチ106を作動させることを忘れることがあるので、車体用湿田モードスイッチ106が切りであっても、車体水平制御用スイッチ108と操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体用湿田モードスイッチ106が切りであっても、後進時に車高を上けるか又は車高を上げると同時に車体を前上げ状態にする制御を可能にするので、コンバインの操作性が従来より向上する。
請求項3記載の発明によれば、湿田に入っても車体用湿田モードスイッチ106を作動させることを忘れることがあるので、そのような場合であっても、操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、それに連動して車体用湿田モードスイッチ106を作動させるので、後進時に車高を上けるか又は車高を上げと同時に車体を前上げ状態にする制御が可能となり、コンバインの操作性が従来より向上する。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて具体的に説明する。
図1は本発明のコンバインの左側面図である。
図1に示すように、コンバイン1の車体フレーム2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行装置(以下、走行クローラと称す。)3を有する走行装置本体4を配設し、車体フレーム2の前端側に分草杆8を備えた刈取装置9が設けられている。該刈取装置9は車体フレーム2の上方の支点を中心にして上下動する刈取装置支持フレームで支持されているので、コンバイン1に搭乗したオペレータが操縦席20の操向レバー21を前後に傾倒操作することにより、刈取装置支持フレームと共に上下に昇降する構成である。
車体フレーム2の上方には、刈取装置9から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送して脱穀、選別する脱穀装置10と該脱穀装置10で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク13が載置され、該グレンタンク13の後部にオーガ15を連接して、グレンタンク13内の穀粒をコンバイン1の外部に排出する構成としている。
すなわち、コンバイン1はオペレータが操縦席20において主変速HSTレバー23および副変速レバー22を操作し、エンジン(図示せず)の動力を図2に示す走行トランスミッションケース12内の主変速機の走行用HST18および副変速装置24の歯車変速手段を介して変速し、左右の走行クローラ3、3に伝動して任意の速度で走行する。
また、コンバイン1は、オペレータが操縦席20において操向レバー21を左右に傾倒操作することにより各種旋回走行することができる。すなわち、操向レバー21をコンバイン1を旋回させようとする方向に傾倒操作することにより、図2に示す走行ミッションケース12内のサイドクラッチ41と旋回クラッチ82が作動し、左右のクローラ駆動スプロケット16L、16Rに選択的に伝動されるので、左右の走行クローラ3、3に速度差が与えられて走行方向の変更が行われる構成としている。
本実施の形態のコンバイン1の走行ミッション装置14を展開して示す断面図を図2に示す。また、図3に差動歯車装置のギアの回転数の関係図を示す。図4にはクラッチ軸70部分の拡大図を示す。
走行ミッション装置14は、図2に示す油圧式無段変速装置(走行用HST)18の出力軸17、第一副変速軸27、第二副変速軸33、サイドクラッチ軸41、ホイール軸11からなる走行トランスミッション基本伝動系とカウンタ軸60、クラッチ軸70及び差動歯車機構支持軸50を備えた走行ミッション差動伝動系(補助伝動系)を備えている。
まず、走行ミッション装置14の走行トランスミッション基本伝動系を主に図2で説明する。
図示しないエンジンからの回転駆動力が走行用HST18に伝動され、正・逆転の切換えや変速回転動力が出力軸17から出力される構成としている。そして、主変速レバー23により走行用HST18の増減速の変速と前後進(正・逆転の切換え)の切換えができる構成としている。
そして、操向レバー21を操作して、後述のサイドクラッチ41の「入」・「切」と増減速の変速操作により差動歯車装置6を駆動させて旋回走行ができる構成としている。
走行ミッションケース12内には、副変速装置24とサイドクラッチ装置25と差動歯車装置6が設けられ、これらの装置の伝動下手側の左右のホイールシャフト11L、11Rから駆動スプロケット16L、16Rを介して左右の走行クローラ3、3を駆動する構成になっている。
走行用HST18の出力軸17の広幅伝動ギア26からの動力はカウンタ軸60のカウンタギア61に伝達され、該カウンタギア61から副変速装置24の第一副変速軸27上の伝動ギア62に動力が伝動される。
副変速装置24の第一副変速軸27上に一体に設けられた大ギア28と中ギア29と小ギア30と第二副変速軸33上に設けられた変速大ギア34、変速中ギア35及び変速小ギア36から構成される。第一副変速軸27上に、一体に設けられたギア28〜30は副変速レバー22の操作で第一副変速軸27の軸方向に摺動自在に軸装して変速可能に構成している。そして、上記第一副変速軸27は、端部を走行ミッションケース12から外側に延長して刈取伝動プーリ(図示せず)を軸着して車速に同調した回転動力を刈取装置9などの回転各部に入力できる構成としている。
また、第二副変速軸33は、前記第一副変速軸27の伝動下手側に軸架し、変速大ギア34、変速中ギア35、変速小ギア36及び伝動ギア37をそれぞれ軸着している。第二副変速軸33のギア34〜37は不動で、第一副変速軸27上に、一体に設けられた大ギア28と中ギア29と小ギア30が図示しないシフタにより摺動するので、第二副変速軸33の変速大ギア34は前記第一副変速軸27の小ギア30に噛合し、変速中ギア35は第一副変速軸27の中ギア29に噛合し、変速小ギア36は第一副変速軸27の大ギア28にそれぞれ噛合する。さらに伝動ギア37はサイドクラッチ装置25のセンターギア40に常時噛合している。
サイドクラッチ装置25は、センターギア40を中心として、その左右に伸びるサイドクラッチ軸41を一体で備えている。該サイドクラッチ軸41上にはそれぞれスリーブ42L、42Rがスプライン係合しており、前記センターギア40にはクラッチギア43L、43Rが係合、解放可能な爪40bL、40bRを備えている。また、クラッチギア43L、43Rはサイドクラッチ軸41上にスプライン係合したクラッチギア43L、、43Rと一体のスリーブ42L、42Rとともにサイドクラッチ軸41上を摺動する。
クラッチギア43L、43Rはカウンタ軸63に遊嵌している伝動ギア64L、64Rに常時噛合しているので、クラッチギア43L、43Rからの動力は伝動ギア64L、64Rからギア63La、63Raを経由してホイールシャフトギア48L、48Rに伝達され、ホイールシャフトギア48L、48Rからホイールシャフト11L、11Rを経由し、駆動スプロケット16L、16Rから左右の走行クローラ3、3に伝達される。
爪クラッチ式に噛合したクラッチギア43L、43Rとセンターギア40の爪部40bL、40bRからなる構成をそれぞれサイドクラッチ44L、44Rと呼ぶことにする。
また、スリーブ42L、42Rと走行ミッションケース12との間にそれぞれスプリング46L、46Rが設けられ、このスプリング46L、46Rによりスリーブ42L、42Rとクラッチギア43L、43Rは常時センターギア40側に付勢されている。そして、旋回時に油圧力でシフタ47L、47Rのいずれかを作動させて対応する前記スプリング46L、46Rのいずれかの付勢力に打ち勝つ方向に移動可能な構成になっている。これにより、旋回内側のサイドクラッチ44L又は44Rが切れる。
シフタ47L、47Rは直進走行時には作動せず、サイドクラッチ44L、44Rが共に係合した状態であるので、後述の伝達経路で左右の走行クローラ3、3が等速回転する。また所望の旋回方向に操向レバー21を操作することでシフタ47L又は47Rが作動して、旋回内側のサイドクラッチ44L又は44Rの係合と解放が選択される。
センターギア40の外周ギア40aはクラッチ軸70上に遊嵌している円筒回転体72のギア72aと常時噛合している。該円筒状回転体72と爪係合している円筒体72bとクラッチ軸70にスプライン係合している円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる直進用クラッチ81を構成している。
また、円筒状回転体72の外周には円筒状回転体74が遊嵌しており、該円筒状回転体74にはセンターギア40の第三のギア40cに常時係合しているギア74aを備えている。また円筒状回転体74と円筒状回転体71との間で多板式摩擦板からなる旋回用クラッチ82を構成している。直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82との間には圧縮バネ75が配置され、該圧縮バネ75の付勢力は直進用クラッチ81が「入」となるように設置されている。
また、円筒状回転体71の外周には直進用クラッチ81と圧縮バネ75と旋回用クラッチ82の間をそれぞれ仕切る円盤状プレート76a、76bを備えた円筒体76が一体化して設けられている。
油口77から圧油の導入がない場合には圧縮バネ75によって円筒状回転体71と円筒状回転体72との間で常時直進用クラッチ81が係合する「入」方向に付勢されている。直進用クラッチ81は常時「入」状態を保ち、旋回用クラッチ82は常時「切」状態を保っている。
油口77から圧油の導入があると、ピストン73と円筒体76の円盤状プレート76aと76bがバネ75の付勢力に打ち勝って図2の左側方向にシフトし、直進用クラッチ81は解放(「切」状態)となり、旋回用クラッチ82が係合(「入」状態)になる。
直進用クラッチ81が「入」の場合は副変速装置24からの駆動力がサイドクラッチ軸41のセンターギア40の外周ギア40aと円筒状回転体72のギア72aを経由して円筒状回転体72、円筒体72b、直進用クラッチ81、円筒体76、円筒状回転体71、直進用クラッチ81及びクラッチ軸70を回転させ、該クラッチ軸70と一体の伝動ギア78と、該伝動ギア78に常時係合している差動歯車機構6のリングギア53を回転させる。このとき旋回用クラッチ82が「切」であるのでセンターギア40の第三ギア40cに常時噛合している円筒状回転体74のギア74aの回転動力はクラッチ軸70には伝達されないで円筒状回転体74は空回りする。
また、旋回用クラッチ82が「入」の場合は、直進用クラッチ81が「切」となり、クラッチ軸70に遊嵌している円筒状回転体72を空回りさせるが、このときセンターギア40の第三ギア40cからの駆動力が円筒状回転体74のギア74aを経由して円筒状回転体74から旋回用クラッチ82と円筒体76を経由して円筒状回転体71を回転させ、該回転体71の回転でクラッチ軸70を駆動させる。この結果、クラッチ軸70に固定された伝動ギア78が回転して、該伝動ギア78に常時係合している差動歯車装置6のリングギア53を回転させる。
差動歯車装置6には、中間ベベルギア52の外周に設けたデフケース54と一体のリングギア53が設けられており、また、支持軸50には側部ベベルギア51L、51Rが回転可能に支持されており、また、側部ベベルギア51L、51Rの外周には左右のサイドギア55L、55Rがそれぞれ固定している。
これらサイドギア55L、55Rはカウンタ軸63にそれぞれ係合し、伝動ギア64L、64Rはカウンタ軸63に遊嵌し、伝動ギア64Lとカウンタ軸63Lは一体であり、ギア63Laはホイールシャフトギア48Lに常噛している。
図2から明らかなように、直進用クラッチ81と旋回用クラッチ82を同一軸であるクラッチ軸70に設けることにより両クラッチ81、82を択一的に操作できるので、構成が簡素化でき、安価になる。また両クラッチ81、82の切り替えのタイミングを機械的に調整できるので複雑な制御が不要となる。
上記構成からなる走行ミッション装置14のギア機構において、コンバインの直進時はサイドクラッチ装置25の左右のサイドクラッチ44L、44Rが共に係合したままであり、エンジン動力は副変速装置24の第二副変速軸33に伝達され、該第二副変速軸33のの出力ギア37を経由してセンターギア40に伝達される。該センターギア40にはサイドクラッチ軸41が共に係合しているので、センターギア40の回転力はクラッチ44L、44Rを介してクラッチギア43L、43Rに伝達され、該クラッチギア43L、43Rに常時係合している伝動ギア64L、64Rに伝達され、伝動ギア64L、64Rからカウンタ軸63のギア63La、63Raとホイールギア48L、48Rをそれぞれ経由して左右の走行クローラ3が共に回転する。
副変速レバー22の作動で副変速シフタステー32が副変速装置24の第一副変速軸27のギア28、29、30とそれぞれ対応する第二副変速軸33のギア34、35、36のいずれかの組のギア同士を噛合させて、適切な速度段で直進走行ができる。
このとき直進用クラッチ81は「入」で、旋回用クラッチ82は「切」であり、直進時の差動歯車装置6の状態は次の通りである。
(イ)第二副変速軸33の駆動力がセンタギア40の爪ギア40bL、40bRとを経由してサイドクラッチ装置25のサイドクラッチ44L、44R及び左右のサイドクラッチ軸41のクラッチギア43L、43Rを経由して伝動ギア64L、64Rが共に回転しているので、伝動ギア64L、64Rがそれぞれ噛合している差動歯車装置6のサイドギア55L、55Rは同じ方向に共に等速回転する。従って、サイドギア55L、55Rとそれぞれ一体回転する側部ベベルギア51L、51Rを介してデフケース54と該デフケース54と一体のリングギア53も同じ方向に回転し、前記側部ベベルギア51L、51Rに噛み合っている中間ベベルギア52、52aが支持軸50を中心に公転する。
(ロ)第二副変速軸33の駆動力がセンターギア40の外周ギア40aから回転円筒体72に伝達され回転円筒体72と爪係合する円筒体72b、直進用クラッチ81、円筒体76のプレート76a、円筒状回転体71、クラッチ軸70、伝動ギア78及びリングギア53に順次動力伝達され、リングギア53と同じ回転方向にベベルギア52も回転する。
このようにリングギア53は上記(イ)、(ロ)の二系統から回動されるので上記(イ)、(ロ)の二系統からのリングギア53への変速比を同じに設定する。従ってサイドクラッチ44L又は44Rを「切」にしたとき、上記(ロ)の伝動系統からの動力がリングギア53からサイドギア55L、55Rと伝動ギア64L、64R、カウンタギア63La、63Ra、ホイールシャフトギア48L、48Rにそれぞれ伝わるので、ショックが防止される。また、センターギア40と一体の第三ギア40cから、ギア74a、円筒状回転体74に伝達される旋回用の動力は、旋回用クラッチ82で空転している。
次に前記ギア機構の左旋回時の作動について説明する。
操向レバー21を左側に傾斜させることで、シフタ47Lを作動させ、サイドクラッチ44Lを「切」にすると、図示しない機構により油口77から圧油が導入され、ピストン73と円筒体76が図2の左方向に移動する。この移動により直進用クラッチ81を「切」として、旋回用クラッチ82を「入」とする。溶接で一体構成されたセンターギア40と第三のギア40cの回転力は旋回用クラッチ82の円筒状回転体74の外周に設けられた対応するギア74a、旋回用クラッチ82、円筒体76、円筒状回転体71、クラッチ軸70、伝動ギア78、リングギア53、側部ベベルギア51L、サイドギア55L、カウンタ軸63の伝動ギア64L、ギア63La、ホイールシャフトギア48L、クローラ駆動スプロケット16Lをそれぞれ経由して左の走行クローラ3を駆動させる。この時、センターギア40の動力はクラッチギア43Rからカウンタ軸63の伝動ギア64R、ギア63Ra、ホイールギア48R、クローラ駆動スプロケット16Rをそれぞれ経由して旋回外側の右の走行クローラ3を駆動する。
旋回用クラッチ82は、その多板式摩擦板を油圧力を無段階的(連続的)に設定した旋回モードまで制御することができる。なお、この旋回用クラッチ82の摩擦板の油圧力の制御は操縦席20に設けた操向レバー21に付属するポテンショメータ(図示せず)で検出される傾動角度の制御で行うことができる。
センターギア40の第三のギア40cと円筒状回転体74のギア74aの変速比の関係により、例えば旋回用クラッチ82を完全に接続させた場合にサイドギア55Lの回転数はサイドクラッチ44R側のサイドギア55Rの回転数の−1/3になり、急旋回(スピンターン)状態になるように設定しているので、緩旋回からブレーキ旋回と急旋回への移行が可能になっている。
すなわち、図2に示すように左旋回時には旋回外側であるサイドクラッチ44Rが「入」状態であるので、ホイールシャフトギア48Rの回転がクラッチギア43Rから一定回転で伝動されるとともに、クラッチギア43Rの回転はサイドギア55Rを一定回転で伝動する。一方、リングギア53の回転数が旋回用クラッチ82の摩擦力が強くなるに従い減速されていくと、それに比例してサイドギア55Lの回転数が減少していく。リングギア53の回転数がサイドギア55Rの1/2になると、サイドギア55Lはゼロ回転となり、サイドギア55Lからホイールシャフトギア48Lを経由する回転数がゼロになり、左走行クローラ3にブレーキが利いているのではないが左走行クローラ3が回転しない、いわゆるブレーキ旋回が行われる。
さらにリングギア53が減速していくと、サイドギア55Rの回転方向に対してサイドギア55Lは逆転回転をして左走行クローラ3が逆回転し、いわゆる急旋回が行われる。
サイドギア55Rの回転数に対してサイドギア55Lの逆転回転数は、ギア40cとギア74aの変速比を図2の点Xに設定していると、サイドギア55Lがサイドギア55Rに対して−1/3スピンターンまで実行可能な逆転回転数まで設定が可能である。
また、右旋回選択時はサイドクラッチ44Rを「切」にすることで、前記左旋回と全く逆の作動が走行ミッション装置14で行われる。
上記したような副変速装置24と旋回用クラッチ82との間に比較的簡単な構成のギア変速装置19を介装し、旋回用クラッチ82の摩擦板の係合圧を調整することで、緩旋回からブレーキ旋回及び−1/3の急旋回まで実行可能な状態に切り替えられるようにした。
図5には本実施例の制御ブロック図を示し、また図6にはその走行装置の詳細を示す側面図を示し、図7はその走行装置の詳細な上面図を示す。
コンバイン1は広い接地面積を有する走行クローラ3を装備しているので不整地や軟弱な湿田などを走行しながら刈取作業を行うことができるが、地面の状況により放置すればコンバイン1の全体が沈下して刈取作業に支障を来たしたり、片側だけ沈下することによりコンバイン1の姿勢が左右に傾動して、操作席20に搭乗するオペレータに不快感を与え、かつ安全上も好ましくないだけでなく、脱穀装置10内の穀粒の選別作用にも悪影響を及ぼす。そこで、オペレータは手動で操縦席20の車高上げスイッチ、 車高下スイッチを操作してコンバイン1の車体フレーム2の地上高さを適正に保持したり、車高右傾斜スイッチ、 車高左傾斜スイッチを操作して左右傾斜手段104を作動させ、また前上げ、前下げスイッチを操作して前後傾斜手段105を作動させ、コンバイン1の傾斜を修正するようにしている。
また、図6に示す左右傾斜手段104および前後傾斜手段105を具備したコンバイン1において、図5に示すように左右傾斜(ローリング)センサ、ローリングシリンダセンサ(右)、ローリングシリンダセンサ(左)の出力および前後傾斜(ピッチング)センサ、ピッチングシリンダセンサ、及び後述するの出力に従い制御手段100によりコンバイン1の左右傾斜および前後傾斜を修正して姿勢を水平に自動制御することも行われている。
また、操向(パワステ)レバー21のポジション位置を検出するパワステレバーポジションセンサで操向レバー21の傾倒角度(傾斜角度)を検出する。また、後述する車体用湿田モードスイッチ106、パワステ用湿田モードスイッチ107及び車体水平制御用スイッチ108(図5の左右傾斜自動SWと前後傾斜自動SW)が設けられている。
これらのセンサ群及びスイッチ群の入力があると制御装置100は後述の直進クラッチ81と旋回クラッチ82のクラッチ圧、その他のブレーキ装置のブレーキ圧、車体右上げソレノイド、車体右下げソレノイド、車体左上げソレノイド、車体左上げソレノイド、車体左下げソレノイド、車体前上げソレノイド、車体後上げソレノイドなどを作動させる。
コンバイン1の走行装置4は、無端帯状の走行クローラ3と該クローラ3を回転させる駆動スプロケット115と、所定間隔を置いて設けられていて走行クローラ3を地面に接地させる複数の接地転輪116と、地面の凹凸に対応する揺動転輪117と、前記接地転輪116及び前記揺動転輪117とを支持するトラックローラフレーム118と走行クローラ3に張力を与えるアイドルローラ119と、該アイドルローラ119を移動調節する調節装置120と、走行クローラ3の垂れ下がりを防止する支持転輪121などから構成され、これと同じ構成のものが左右一対に設けられている。
揺動転輪117はトラックローラーフレーム118に固着された揺動軸145に揺動自在に遊嵌支持される揺動アーム146に回転自在に軸支されていて地面の凹凸に対応する。
トラックローラフレーム118には、その前部に「へ」字形の前部アーム122がその下端部をトラックローラーフレーム118に固定したピン123に遊嵌連結し、後部に後部アーム124が「へ」字形の下端部をトラックローラフレーム118に固定したピン125に遊嵌連結している。
前部アーム122の他端は車体フレーム2に固定されている支持台126の前部ローリング軸127に遊嵌連結されていて、さらに前部ローリング軸127にはアーム130が遊嵌連結されている。前部アーム122とアーム130は連結固定されている。前記後部アーム124の他端は連結フレーム129の後部ローリング軸128に遊嵌連結されていて、さらに、後部ローリング軸128には、アーム131が遊嵌連結されている。後部アーム124とアーム131は連結固定されている。
また、アーム130とアーム131は連結ロッド132で遊嵌連結されていて、さらに、前記アーム131の端部には、ローリングシリンダ133のピストンロッド134の端部が遊嵌連結されている。ローリングシリンダ133は、車体フレーム2に対して遊嵌しているアーム133aに遊嵌されていて、その遊嵌軸心からフレーム133bが設けられ、その端部はピッチングアーム139に連結している。
前記フレーム133bはローリングシリンダ133を移動可能にするためのものである。また、前記アーム133aによりローリングシリンダ133をつり下げた状態としているのは、ピッチングシリンダ143を油圧で作動させた時、ローリングシリンダ133の支点を変更させるためのものである。
したがって、ローリングシリンダ133のピストンロッド134を伸ばすと、図6の側面図において、アーム131は時計方向に回転して連結ロッド132を引っ張り、該連結ロッド132はアーム130を時計方向に回転させる。すると、後部アーム124と前部アーム122はともに時計方向に回転して、これによりトラックローラアーム118は車体フレーム2に対して下方へと下がる。
図2と同じ構造のものが車体の進行方向右側にもあるので、左右水平制御(ローリング)が行える。
左右のローリングシリンダ133、133’のピストンロッド134、134’を同時に伸ばすと、地面に対して車体フレーム2は上昇することになる。また、ローリングシリンダ133、133’のピストンロッド134、134’を縮めると、前述の動きと反対の動きとなるので、トラックローラアーム118は車体フレーム2に対して上方へと上がり、地面に対して車体フレーム2は下降することになる。
次に、図2を用いて車体フレーム2の前後方向を傾斜させる前後傾斜手段105について説明すると、連結フレーム129の一端はピッチングアーム139とピン138で連結されていて、該ピッチングアーム139は車体フレーム2に対して軸140に遊嵌連結されている。具体的には、該軸140は軸受け142(図7)で走行フレーム2に回動可能に支持されている。コンバイン1の前進方向に対して右側のピッチングアーム139のみ、上方に突出していて突出部139aを形成し、その端部には車体フレーム2に対して遊嵌している油圧で作動するピッチングシリンダ143のピストンロッド144の端部が遊嵌している。
ピストンロッド144を伸張すると、ピッチングアーム139は軸140を支点にして時計回りに回動する。ピン138もピッチングアーム139と共に時計回りに回動するので、連結フレーム129、後部ローリング軸128、後部アーム124及びピン125は上昇する。該ピン125は、トラックローラフレーム118の後部を上昇させるので車体フレーム2の後部と走行クローラ3との間の間隔は短くなり、後下がり傾斜、すなわち、車体フレーム2およびコンバイン1は前上がり傾斜となる。
ピストンロッド144を短縮すると、前述と反対の動きとなり車体フレーム2の後部と走行クローラ3との間隔は長くなり、後上がり傾斜、すなわち、車体フレーム2およびコンバイン1は前下がり傾斜となる。
コンバイン1の前後方向の傾斜(ピッチング)は前後傾斜手段105により修正される。圃場が湿田などでコンバインが傾斜すると、前後傾斜センサが傾斜を検出して、手動または制御装置による自動制御によりコンバイン1を水平に維持する対ピッチング車体水平制御を行うことができる。
ピッチングストロークセンサ137は車体フレーム2に取り付けられ、ピッチングアーム突出部139aに植立するピン137aに一端を遊嵌するロッド137bの他端をアーム137cに遊嵌し、アーム137cはピッチングストロークセンサ137に軸着して、ピッチングアーム139の移動、つまり前後傾斜手段105の作動位置を検出できる構成である。
本実施例のコンバインは、上記車体水平制御(ピッチングとローリング制御)が可能で旋回クラッチ圧を調整して旋回するコンバインにおいて、車体用湿田モードスイッチ106、パワステ用湿田モードスイッチ107及び車体水平制御用スイッチ108を設けている。車体用湿田モードスイッチ106は後進時に車高を上けるか又は車高を上げると同時に車体を前上げ状態にするスイッチであり、操向操作具関係湿田モードスイッチ107は、湿田内を走行中に操向操作具21の切れ角度が、所定の切れ角度になると旋回内側の走行駆動体の回転数を乾田又は路上走行時の設定値より上げる(旋回内側のクラッチ44の油圧を下げる)スイッチであり、車体水平制御用スイッチ108は車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にするスイッチである。
本実施例の特徴は、上記車体水平制御(ピッチングとローリング制御)が可能で旋回クラッチ圧を調整して旋回するコンバインにおいて、車体用湿田モードスイッチ106、パワステ用湿田モードスイッチ107及び車体水平制御用スイッチ108を設けることである。また、車体水平制御用スイッチ108は、このスイッチ108がオンであると、図6に示す左右傾斜手段104又は/又は前後傾斜手段105のいずれか一方、又は両方を作動させて車体を水平に自動的にするためのものである。
ここで パワステ用湿田モードスイッチ107を入りにすると、図8に示すように乾田などでの標準走行中に操向レバー21の傾斜角度を上げていくと、実線で示すように旋回クラッチ82の圧力が上昇していく。なお、湿田走行中での二点鎖線で示すように旋回クラッチ82の圧力が上昇していく。図8は湿田での走行中では同じ操向レバー21の傾斜角度では標準走行中に比べてクラッチ82の圧力が小さい。
一般に湿田に入ると、前後進いずれでも駆動力の反力を受けて車体が前後方向に傾斜してしまう。そのため車体を前後方向及び/又は左右方向に傾斜してしまうので、水平制御を行う必要がある。しかし、湿田に入っても車体水平制御スイッチ108を作動させることを忘れることがある。そのような場合にも、本実施例では、たとえ車体水平制御用スイッチ108の入れ忘れがあっても、パワステ用湿田モードスイッチ107がオンであれば自動的に車体水平制御機構が作動するため、車体のピッチング又は/又はローリングが防止でき、コンバイン1の操作性が従来より向上する。
また、後進時に駆動反力で車体フレーム2の前側が下がり、刈取装置9が圃場面に当たり損傷するおそれがある。そのため車体用湿田モードスイッチ106を設け、この車体用湿田モードスイッチ106がオンであると、(a)車体フレーム2を前上げ状態にし、又は(b)車体フレーム2を前上げ状態にすると同時に車高を上げる。またピッチング機能のないコンバインでは車高のみを上げる。また後進時には上記制御の他に刈取装置9を上昇させる制御を行っても良い。
しかし、湿田に入っても車体用湿田モードスイッチ106を作動させることを忘れることがあるので、そのような場合であっても、車体水平制御用スイッチ108とパワステ用湿田モードスイッチ107がオンであれば車体水平制御機構が自動的に作動するため、コンバインの操作性が従来より向上する。
また、車体用湿田モードスイッチ106、パワステ用湿田モードスイッチ107及び車体水平制御用スイッチ108を設けているとき、少なくともパワステ用湿田モードスイッチ107が入りの時は、自動的に車体用湿田モードスイッチ106が作動する構成にしても良い。こうしてパワステ用湿田モードと車体用湿田モードを連動させることができ、湿田でのコンバイン1の操作性が従来より向上する。
本実施例の走行トランスミッション14には差動歯車機構6と直進クラッチ81と旋回クラッチ82を備えているが、直進時にサイドクラッチ軸41の回転数と差動歯車機構支持軸50の回転数を同一となる構成(機械的、又は電気的構成)にしてもよい。
そして、図2、図9に示すようにサイドクラッチ軸41の回転数と差動歯車機構支持軸50の回転数を検知するセンサ93、94をそれぞれ設けておく。
直進状態→緩旋回→ブレーキ旋回→急旋回と旋回度を上げていくと順次旋回内側のホイール軸11L又は11Rが旋回外側のホイール軸11L又は11Rに比べて減速および逆転していくが、サイドクラッチ軸41は、センタギア40とサイドクラッチ軸41が一体であるため、直進状態→緩旋回→ブレーキ旋回→急旋回にいたるまで、常時一定回転する。
また、差動歯車機構支持軸50の回転を検出するセンサはゼロ回転がないため逆転を検出しなくもよいので、検出精度が良くなり、誤検出も無くなる。
こうして、直進時にサイドクラッチ軸41の回転数と差動歯車機構支持軸50の回転数が同一となり、それぞれの軸41、50に回転センサ93、94を設けることで、直進状態及び旋回状態の検知が容易に行える。
また、前記センサ93、94をそれぞれの軸受け部の外側に設けたため、回転軸41、50及びそれらの軸受けの小型化とでき走行トランスミッションケース12がコンパクトになる。
また急激に操向レバー21を傾倒させるなどの操向操作をした場合には急にブレーキ旋回となって車体が旋回するのでオペレータが車体から振り落とされるおそれなどの不具合があった。
しかし、本実施例の差動歯車機構6と直進クラッチ81と旋回クラッチ82を備えた走行トランスミッションで用いる制御装置によると操向レバー21を急激に最大傾倒角度にまで操作した時は、図10に示すように旋回クラッチ圧を徐々に上げるようプログラムすることができ、上記不具合を容易に防止できる。
前記急激な操作とは、例えば操向レバー21の最大操作時間≧0.5secなどに設定して、0.5秒以内の間に操向レバー21の操作時間が終了すると図10の実線のようなタイミングで旋回クラッチ圧力を変える。なお、図10の点線には従来の通常の旋回モードで旋回クラッチ圧力の時間変化の様子を示す。
こうして、旋回時のショックが緩和され、安全にフィーリングも良く旋回が行える。
また、急旋回から直進に復帰する場合にも、図11に示すように旋回クラッチ圧を徐々にゼロにするプログラムとすることでも、走行時のショックが緩和され、非常に乗り心地が良い走行ができる。
前記プログラムは急旋回から操向レバー21の「中立」位置にあることを操向(パワステ)レバー21のポジションセンサなどで検知すると、旋回クラッチ圧力を図11のパターンに切り替えることで行える。
また、操向レバー21を最大傾倒(傾斜)角に操作して3秒以上経過すると、ブレーキ旋回(旋回内側のクローラ3がゼロ回転)になるよう、旋回クラッチ圧力を自動補正する構成にしても良い。
湿田などの路面条件(負荷)によっては旋回内側のクローラ3が滑るため、操向レバー21を最大傾斜角に操作しても緩旋回のままで、又は負荷変動によて急旋回となることもあり、ブレーキ旋回が保持できなく、思い通りの旋回半径で旋回できないことがある。このような場合には、走行中に操向レバー21を最大傾斜角に操作されて3秒以上経過すると旋回内側の適宜の車軸の回転数センサの値が車軸回転数ほぼゼロとなるようにクラッチ圧力をプログラムで補正することで車体重量の変化、路面負荷、旋回クラッチ82のディスク性能の経年変化などに対応して適切な旋回性を確保できる。
本発明は、コンバインなどの作業機の走行車両に利用可能性がある。
本発明の実施の形態のコンバインの左側面図である。 図1のコンバインの走行トランスミッション装置の展開断面図の一部を示す図である。 図2の走行ミッション装置の差動歯車装置のギアの回転数の関係図である。 図2の走行トランスミッション装置のクラッチ軸70部分の拡大図である。 図1のコンバインの操向制御のための制御ブロック図である。 図1のコンバインの走行装置の詳細を示す側面図である。 図1のコンバインの走行装置の詳細を示す上面図である。 図1のコンバインの一実施例の操向レバーの傾倒角と旋回クラッチ圧との関係を示す図である。 図1の走行ミッション装置の外観側面図である。 図1のコンバインの一実施例の操向レバーの傾倒時の旋回クラッチ圧との関係を示す図である。 図1のコンバインの一実施例の操向レバーの傾倒時の旋回クラッチ圧との関係を示す図である。
符号の説明
1 コンバイン 2 車体フレーム
3 走行装置(走行クローラ) 4 走行装置本体
6 差動歯車機構 7 刈取装置支持フレーム
8 分草杆 9 刈取装置
10 脱穀装置
11L、11R ホイール軸
12 走行トランスミッションケース
12a、12b 係止部 13 グレンタンク
14 走行ミッション装置 15 オーガ
16L、16R クローラ駆動スプロケット
17 出力軸 18 走行用HST
19 ギア変速装置 20 操縦席
21 操向レバー 22 副変速レバー
23 主変速レバー 24 副変速装置
25 サイドクラッチ装置 26 広幅伝動ギア
27 第一副変速軸 28 大ギア
29 中ギア 30 小ギア
31 刈取伝動プ−リ 33 第二副変速軸
34 変速大ギア 35 変速中ギア
36 変速小ギア 37 伝動ギア
40 センタ−ギア 40a 外周ギア
40b 内周ギア 40c 第三ギア
41L、41R サイドクラッチ軸
42L、42R スリーブ 43L、43R クラッチギア
44L、44R サイドクラッチ
45L、45R 外周ギア 47L、47R シフター
48L、48R ホイールシャフトギア
49L、49R スプリング 50 差動歯車機構支持軸
51L、51R 側部ベベル歯車
52 中間ベベル歯車 53 リングギア
54 デフケース 55L、55R サイドギア
56L、56R プッシュシリンダー
57 刈取シリンダー 60 カウンタ軸
61、62 出力ギア 70 クラッチ軸
71、74 円筒状回転体 72 円筒状回転体
72a 円筒状回転体ギア 73 ピストン
74 円筒状回転体 74a ギア
75 圧縮バネ 76 円筒体
76a、76b プレート 78 伝動ギア
77 油口 81 直進用クラッチ
82 旋回用クラッチ 104 左右傾斜手段
105 前後傾斜手段
106 車体用湿田モードスイッチ
107 パワステ用湿田モードスイッチ
108 車体水平制御用スイッチ
114a クローラベルト 114b クローララグ
114c スプロケット穴 114d スロープ
115 駆動スプロケット 116 接地転輪
117 揺動転輪 118 トラックローラフレーム
119 アイドルローラ 120 調節装置
121 支持転輪 122 前部アーム
123、125、136a、137a、138 ピン
124 後部アーム 126 支持台
127 前部ローリング軸 128 後部ローリング軸
129 連結フレーム 130、131、133a アーム
132 連結ロッド 132a コネクティングロッド
133、133’ローリングシリンダ
133b フレーム 134、134’ ピストンロッド
136、136’ローリングストロークセンサ
136b ローリングセンサ回動アーム
137 ピッチングストロークセンサ
137b ロッド 137c アーム
139 ピッチングアーム 139a 突出部
140 軸 142 軸受け
143 ピッチングシリンダ 144 ピストンロッド
145 揺動軸 146 揺動アーム

Claims (3)

  1. 車体に設けられたエンジンと、
    該エンジンからの駆動力を変速して得られた動力を走行方向に向かって左右に設けられた旋回可能な走行駆動体3と、
    該走行駆動体3の操向操作を行う操向操作具21と、
    該操向操作具21の操向操作により旋回内側の走行駆動体3の回転数を変える旋回装置14と、
    車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108と、
    旋回中の旋回内側の走行駆動体3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107と、
    操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体水平制御用スイッチ108が切りであっても、車体を水平にする制御を可能にする制御装置100と
    を備えたことを特徴とする走行車両。
  2. 車体に設けられたエンジンと、
    該エンジンからの駆動力を変速して得られた動力を走行方向に向かって左右に設けられた旋回可能な走行駆動体3と、
    該走行駆動体3の操向操作を行う操向操作具21と、
    該操向操作具21の操向操作により旋回内側の走行駆動体3の回転数を変える旋回装置14と、
    車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108と、
    旋回中の旋回内側の走行駆動体3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107と、
    後進時に車高上げ又は前記車高上げと同時に車体を前上げ状態にする車体用湿田モードスイッチ106と、
    車体水平制御用スイッチ108と操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体用湿田モードスイッチ106が切りであっても、後進時に車高上げ又は車高上げと同時に車体を前上げ状態にする制御を可能にする制御装置100と
    を備えたことを特徴とする走行車両。
  3. 車体に設けられたエンジンと、
    該エンジンからの駆動力を変速して得られた動力を走行方向に向かって左右に設けられた旋回可能な走行駆動体3と、
    該走行駆動体3の操向操作を行う操向操作具21と、
    該操向操作具21の操向操作により旋回内側の走行駆動体3の回転数を変える旋回装置と、
    車体の前記左右方向の水平制御又は車体の進行方向である前後方向の少なくともいずれか一方の方向を水平状態にする車体水平制御用スイッチ108と、
    旋回中の旋回内側の走行駆動体3の回転数を設定値より上げる操向操作具関係湿田モードスイッチ107と、
    後進時に車高上げ又は前記車高上げと同時に車体を前上げ状態にする車体用湿田モードスイッチ106と、
    操向操作具関係湿田モードスイッチ107が入り状態であれば、車体用湿田モードスイッチ106が切りであっても、後進時に車高上げ又は前記車高上げと同時に車体を前上げ状態にする制御を可能にする制御装置100と
    を備えたことを特徴とする走行車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101475522B1 (ko) * 2007-06-25 2014-12-22 가부시끼 가이샤 구보다 작업차

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