JP4834243B2 - 振動型アクチュエータの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は振動型アクチュエータの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、振動波モータ等の振動型アクチュエータは、駆動振動が形成される振動体と、前記振動体に加圧接触する接触体とを有し、前記振動体と前記接触体とを前記駆動振動により相対的に移動させるようにしたものである。
【0003】
そして、前記振動体は、一般に、弾性体と、電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子とにより構成され、例えば弾性体に対して空間的に互いに90°の位相差を持った位置に駆動相を有する圧電素子を配置し、この2つの駆動相に互いに90°の位相差を持つ2相の交番信号を印加することによって弾性体上にそれぞれ曲げ振動を形成し、これらの曲げ振動の合成により進行波を発生させ、これに接触体を圧接して摩擦力により駆動力を得るようにしている。
【0004】
なお、振動体と接触体との接触部には適切な摩擦力を得るための摩擦材が接着、塗布、または形成される。
【0005】
また、前記振動体を構成する前記弾性体は、振動減衰性の悪い、すなわち振動が減衰し難いアルミ等の材料を用いて形成されている。
【0006】
このような振動型アクチュエータにおいては、印加する2相の交番信号の位相差を変えることにより種々の制御を行なうことが可能となっている。
【0007】
特開昭63-209478号公報に記載の振動型アクチュエータの制御装置では、停止時に駆動電圧を逆相(180°進める又は遅らせる)にすることで停止動作を早くしている。また、特開平2-206373号公報に記載の振動型アクチュエータの制御装置では、停止時に回転を反転させる位相関係の電圧を印加して停止動作を早くするようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開昭63-209478号公報に記載の振動型アクチュエータの制御装置のように電圧を反転するだけでは、駆動周波数が振動体の共振に近い場合と遠い場合で振動の減衰の度合いが異なる上、振動を減衰出来ない場合もあった。
【0009】
また、特開平2-206373号公報に記載の振動型アクチュエータの制御装置では、駆動電圧の位相を反転しているが、それぞれの相の位相変化が異なるため、それぞれの相に対応する振動の減衰のしかたが異なり、減速が十分ではなかった。
【0010】
本出願に係る発明の目的は、停止時や反転時に振動体に対して確実に十分な振動減衰が与えられる振動型アクチュエータの制御装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、電気−機械エネルギー変換素子を有する振動体に接触体が加圧接触し、前記電気−機械エネルギー変換素子へ駆動用交番信号を印加することによって前記振動体に振動を発生させ、該振動によって前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動型アクチュエータの制御装置において、
前記駆動用交番信号の位相をシフトさせるシフト手段を有し、
前記シフト手段は、前記振動体と前記接触体との相対速度を減速して停止又は反転する際に、前記駆動用交番信号の位相を、前記振動体に発生した振動の位相に対して0°より大きく180°未満の範囲で遅れるようにシフトさせ、
前記振動体に発生した振動を打ち消す逆の位相の振動を付与することで前記振動体の自由振動を減衰させることを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【0040】
図1において、1、2は不図示の弾性体に接着され、交番信号としての交流電圧を印加することで不図示の例えばリング状振動体を振動させる圧電素子で、一方の圧電素子1と他方の圧電素子2とは、共振周波数における波長をλとすると、例えばλ/4の位置的位相を有して配置され、各圧電素子1、2には例えばλ/2の間隔で分極方向が交互に異なる領域が複数形成され、前記各領域には夫々電極が形成され、反対側の面には全面に電極が形成されている。3は不図示の振動体の振動を検出するための振動検出手段で、圧電素子、歪みゲージ、磁歪素子やレーザを用いた光学的なセンサ等が用いられる。4は不図示の振動体の振動によって移動する不図示の移動体の位置を検出するための位置検出手段、5は圧電素子1、2に90°位相の異なる交流電圧を供給する電力増幅手段、6は発振器、7は発振器6の出力信号を分周して2相のパルス信号を出力する駆動信号発生手段、8は駆動信号発生手段7からの2相のパルス信号の位相を、同じ位相方向に後述する CPU11から指令される位相だけシフトする位相シフト手段である。電力増幅手段5の例を図14に示す。28はMOSFETドライバで位相シフト手段8から入力されるパルス信号である信号DA に応じてQ1、Q2のMOSFETのゲート端子電圧をコントロールし、通常5V以下の振幅の信号DAを振幅が電源電圧Vccのパルス信号VAに増幅している。信号VAはインダクタンスLによって波形がなまり、ダイオードD1、D2によって電源電圧VccとGND電位でクリップしており、信号PAはこれによって台形形状の信号波形となりPZTに印加される。このようにダイオードでクリップしたのは、ダイオードの無い通常の方式ではコイルに蓄えられるエネルギーが邪魔をして信号PAの位相を高速に変更することが出来なくなることがあるため、インダクタのエネルギーをダイオードに流すことで信号PAの位相を高速に変更することを可能としたものである。
【0041】
9は位置検出手段4の出力と不図示の目標位置設定手段からの位置指令を比較する位置比較手段、10は駆動電圧の位相と振動検出手段の出力する信号との位相差を検出する位相差検出手段、11は位相差検出手段10と位置比較手段9の出力結果をもとにして位相シフト手段8へ位相シフト量を指令するCPUである。
【0042】
図2はCPU11の動作を示すフローチャートである。
【0043】
最初に不図示の指令手段からの目標位置と位置検出手段4からの不図示の移動体の位置情報(現在位置)を位置比較手段9で比較し(S1)、比較した結果が一致していないなら、発振器6へスタート指令を送ると共に、回転方向指令を駆動信号発生手段7へ出力する(S2)。
【0044】
そして、駆動信号発生手段7は発振器6の出力周波数を分周し、所定の周波数で90°位相の異なる2相のパルス信号を発生する。位相シフト指令は出されていないので位相シフト手段8を素通りしたパルス信号が電力増幅手段5によって昇圧され、圧電素子1、2に印加される。
【0045】
すると、圧電素子1、2によって加振された不図示の前記振動体が振動し、それによって前記移動体が動き出す。前記移動体の位置は位置検出手段4でモニタされて位置比較手段9で目標位置と比較され、目標位置と前記移動体の位置が一致するまでこの状態が続く。
【0046】
その際、圧電素子1に印加される電圧と、不図示の振動体の振動を検出している振動検出手段3の出力する信号との位相差を位相差検出手段10で検出しモニタし続け(S3)、前記移動体の位置が目標位置に到達すると(S4)、S5に進む。
【0047】
前記移動体の位置が目標位置に到達すると、位相差検出手段10の位相差検出結果に基づいて、振動検出手段3の出力信号の位相に対して圧電素子1に印加される電圧の位相が90°遅れるように位相シフト量を算出し、位相シフト指令を位相シフト手段8に指令する(S5)。
【0048】
そして、この状態を一定期間続けた後に(S6)、発振器6に発振の停止を指令する(S7)、ように構成されている。
【0049】
また、ここでは一定期間としたが、位置検出手段4又は不図示の速度検出手段等を用いて検出された停止動作直前(目標位置に到達する寸前)の速度に比例した時間又は速度に対応する時間としても良い。
【0050】
ここで、振動の位相に対する電圧の位相がどのように実際の振動の減衰に作用するかについて説明をする。
【0051】
振動体の振動変位を早く小さくするには、振動体の質点速度を打ち消す方向に力を供給すれば良い。質点の運動がsin(ωt)で表されるとすれば、質点の速度はこれを微分したものであるから、cos(ωt)で表される。ここで質点速度を減少させる方向に加速度を与えて質点を減速させるには、質点の速度の位相に対して180°ずれた力を供給すればよい。
【0052】
従って、−cos(ωt)で表される位相の力を供給すれば良いことになる。つまりこれはsin(ωt)に対して90°遅れた位相の力を表している。
【0053】
また、これを別の言い方で言えば、振動を打ち消すには、振動体の振動に対して逆の位相の振動を重ねればよい。この場合、振動体の振動位相に対してこれを打ち消す振動は180°遅れた位相であるから、この180°位相の遅れた信号を発生させる力は、自由振動が力に対して90°位相が遅れることから、打ち消すために発生させる振動に対して90°進んだ位相、つまり振動体の振動位相に対し90°位相を遅らせた力を加えれば振動が減衰することになる。
【0054】
つまり、振動体に周期的な強制力が作用しない状態で振動している状態を自由振動と称し、この状態では振動体の形状や加圧状態等で決まる共振周波数で振動しており、もしこの周波数で外力を振動体に加えると振動体の運動の位相は外力に対して90°遅れる。
【0055】
そして、振動を打ち消すには、振動体の振動の位相に対して180°遅れた振動を振動体の振動に重ねるので、加振力の位相に対して90°遅れた信号が振動体の振動の位相に対して180°遅れた信号になればよいことになる。そこで、打ち消すために発生させる振動(振動体の振動に対して180°遅れた振動)に対して90°進んだ位相の加振力(加振に対して振動は90°遅れるので)を加えること、これは振動体の振動に対して180°遅れた振動に対して90°進んだ位相の加振力を加えることであり、つまり振動体の振動に対して90°遅れた位相の加振力を加えることで振動が減衰することになる。
【0056】
図3、図4は振動体の振動位相と、振動を強制的に減衰させるために加えられる加振の位相の位相差(加振が遅れた場合は負とする)に対して、振動体の振動が減衰する度合いを表したものである。
【0057】
負の場合は振動振幅が減衰することを表しており、0は減衰しないことを表している。
【0058】
図3は振動を減衰させるための加振力が弱い場合であり、加振位相の遅れが0°より大きく180°より小さい場合に減衰することを示す。
【0059】
図4は最も高速に減衰させる場合の関係である。加振力の位相を振動体の振動位相に対して90°遅らせる場合の減衰が一番大きいことがわかる。
【0060】
このように、位相によって減衰がほぼ決まるので、この位相を変化させれば減衰のしかたを任意にコントロール出来る。
【0061】
図4は減衰が最も早い場合を示している。90°遅れの減衰度合いが−1なのは1回の加振(半周期の加振)で振動が止まることを示している。図4の場合図3の特性と違い、30°から150°の範囲でしか振動が減衰出来ないことを表している。また図3、図4とも270°遅れ(90°進み)の場合が振動の最大増加を示している。
【0062】
このことから、振動を減衰させるには、最低でも振動体の振動位相に対して0°より大きく180°未満の位相遅れの加振力を供給しないと振動が減衰しないこと、最も高速に振動を減衰させる力で加振する場合には、振動体の振動位相に対して30°より大きく150°未満の位相遅れの加振力とする必要があること、より、最も高速に振動を減衰させるためには、振動体の振動位相に対して90°の位相遅れの加振力が必要であることがわかる。
【0063】
また、移動体の移動方向を反転する際には、本実施の形態では最終的に停止時に発振器6を停止させていたが、これに代えて、印加電圧を反転時の位相として加速動作を行なえばよい。
【0064】
また、本実施の形態では2相の交流電圧で動作する振動型アクチュエータについて述べたが、3相以上の交流電圧を用いた場合でも同様の効果があるのは明白である。ここで、3相駆動の振動型アクチュエータについて簡単に説明する。上記した例では2相の90°位相の異なる交流電圧で異なる位置又は振動モードの振動を2つ以上発生させ、これを合成することで移動体との接触部に楕円振動を形成し、振動体と移動体を相対運動させる振動型アクチュエータを用いていたが、3相駆動では例えば120°相互に位相の異なる交流電圧で異なる位置又は振動モードの振動を3つ以上発生させて振動体と移動体を相対運動させるものである。図15は3相駆動の場合の振動型アクチュエータで振動を停止する際の各相に対応する定在性振動の振動状態と印加電圧の関係を示したタイミングチャートである。信号 SAはこの3相駆動の振動型アクチュエータに設けられた振動検出センサの出力信号で、信号SB'、信号SC'は振動検出センサがあった場合の振動検出信号を表している。振動検出センサを3相分設けるのは処理回路を複雑にするので、1つの相を検出して印加電圧信号PAの位相を設定すると共に、他の駆動相の印加電圧である信号PB、信号PCの位相は信号PAを基準として発生している。このような方法でも、振動検出センサの無い相に対応する定在性振動も信号SA と同様に減衰していくことを表している。信号PA、PB、PCは台形形状の波形であり、各信号間の位相差は120°になっている。時刻A-A'以前では振動型アクチュエータの振動体の各相の振動状態を表す信号SA、SB'、SC'と信号PA、PB、PCはほぼ180°の位相差になっており、これはこの振動体の振動周波数がこの振動体の共振周波数より十分高い周波数でこの振動体に接する移動体との相対運動速度が十分低い速度になっている状態を示している。時刻 A-A'に到達すると、振動の停止動作を開始している。時刻A-A'以降は信号PA、PB、PCは時刻A- A‘以前の印加電圧の位相に対してほぼ90°進んだ位相の電圧となっている。これは振動型アクチュエータの振動体の各相の振動状態を表す信号SA、SB'、SC'の位相に対しては90°遅れた位相である。これによって、各相の振動振幅が急速に減衰している。そして振動振幅が十分小さくなったことを時刻B-B'に検出し、その後の印加電圧PA、PB、PCは時刻B-B'の状態を保っている。これまで、一般的には、停止時には印加電圧を0Vにしたりオープン状態にしたり、インダクタのドライバ側のみ0Vにする方法が用いられていたが、最後に0Vにするための衝撃がPZTに加わることで、余分な振動が発生することがあった。しかし、図15のように最後に印加電圧を固定することで、速やかに振動を停止させることが可能となった。また、最終的には消費電力を抑えるために電源を切ることが考えられるが、通常電源電圧は電源を切っても瞬時に0Vになるわけではないので、PZTに対する衝撃は少なく問題となることは少ない。
【0065】
また、複数相の交流電圧におけるいくつかの相に対して振動を急速に減衰させる動作を行い振動体の振動を進行性振動から定在性振動に急速に切り替えることで、急激な高負荷が発生しても大きなスリップ音や摩擦面の悪化を防ぐことが出来る。
【0066】
また、本実施の形態で用いた振動検出手段では、圧電素子1、2のそれぞれからの加振によって発生する独立した定在波を個々に、又は一方を検出することを想定しているが、これらの定在波の合成振動を検出した場合においても、それぞれの定在波が同じ減衰速度で減衰するように停止時の加振力を与えるなら、合成振動の位相が変化しないので簡単に合成振動の位相からそれぞれの定在波の振動位相が検出できるので、個々の定在波の振動を検出しなくても良い。
【0067】
つまり、あらかじめ共振周波数における加振電圧に対する振動検出手段3の出力信号の位相を個々に計測しておけば、加振部からの位置的な位相ずれがわかるので、検出された位相から予め計測してメモリーした位相を差し引けば、合成振動を検出した信号から定在波の振動位相を算出できることになる。また、振動検出手段3の検出信号に圧電素子1、2に印加される交流電圧が重畳してしまう場合、これを差し引いて定在波の位相を算出するか、重畳した際の位相ずれを考慮して停止時の加振位相を決定すれば良いことは明白である。
【0068】
また、振動検出手段3の出力を反転したり、フィルターを通過させれば位相が実際の振動位相からずれてしまう。こう言った場合にはこのフィルターによる位相ずれを考慮に入れて振動減衰のための交流電圧の位相を決定すればよいことは明らかである。
【0069】
(第2の実施の形態)
図5は第2の実施の形態を示すブロック図である。
【0070】
図5において、12、13は電力増幅手段5の出力するパルス状の交流電圧波形をなまらせると共に昇圧して圧電素子1、2に交流電圧を供給することを目的としたコイルやトランス等のインダクタ素子、14は振動検出手段3の出力信号の振幅と、CPU11からの比較値との比較結果を出力する振幅比較手段である。尚、ここで言う振動検出手段3は振動体の振幅に対応した値であればどんな値でも良い。
例えば実効値、平均値、波高値、又振動信号と所定の値を比較した結果得られたパルス信号のパルス幅等を用いても良い。
【0071】
図6はCPU11の動作を示すフローチャートである。
【0072】
最初に不図示の指令手段からの目標位置と位置検出手段4からの不図示の移動体の位置情報を位置比較手段9で比較した結果が一致していないなら(S11)、発振器6へスタート指令を送ると共に回転方向指令を駆動信号発生手段7へ出力する(S12)。
【0073】
駆動信号発生手段7は、発振器6の出力周波数を分周し、所定の周波数で90°位相の異なる2相のパルス信号を発生する。位相シフト指令は出されていないので位相シフト手段8を素通りしたパルス信号が電力増幅手段5によって昇圧され圧電素子1、2に印加される。すると、圧電素子1、2によって加振された不図示の振動体が振動し、それによって移動体が動き出す。
【0074】
移動体の位置は位置検出手段4でモニタされ、位置比較手段9で目標位置と比較される(S13)。そして目標位置の近くに到達するまで待ち、駆動周波数を低速用の周波数に設定する(S14)。
【0075】
その際、通常駆動周波数は共振周波数より高い所定の周波数に設定されるか徐々に高い周波数にシフトして行き、所定の周波数まで掃引されるように設定される。
【0076】
そして、目標位置と移動体の位置が一致するまでこの状態が続く。移動体の位置が目標位置に到達すると(S15)、圧電素子1に印加される電圧の位相が90°進むように位相シフト指令を位相シフト手段8に指令し(S16)、この状態を振幅比較手段14で振動検出手段3の出力信号の振幅をCPU11からの比較値と比較し(S17)、比較値より小さくなったことを検出した後、すなわち振動体の振動が十分に減衰されていると判断された後に、発振器6に発振の停止を指令する(S18)、ように構成されている。
【0077】
ここで、第1の実施の形態では位相を圧電素子1の振動に対して遅らせるように設定していたが、本実施の形態で交流電圧の位相を90°進めている理由について説明する。
【0078】
図7は駆動電圧と実際の振動の周波数特性を表したボード線図である。実線は電力増幅手段5の出力電圧に対する圧電素子に印加される電圧の特性をあらわしており、点線は駆動電圧に対する圧電素子の振動の特性を表している。
【0079】
実線で示した圧電素子1、2に印加される電圧は、インダクタ素子12、13の影響で不図示の振動体の共振周波数(36kHz近傍)では位相遅れがあるが、共振周波数より高い40kHz近傍ではほとんど遅れが無い。
【0080】
また、点線で示した圧電素子の振動振幅の特性からわかるように、振動振幅は振動体の共振周波数あたりで大きく、離れると小さくなっている。
【0081】
従って、移動体の位置を目標位置に高速に移動させるには、圧電素子1、2に印加する交流電圧の周波数はなるべく共振周波数に近くして高速に移動体を移動し、且つ目標位置に高精度に停止させるために、交流電圧の周波数を共振周波数から離して十分減速した後に振動を停止する必要がある。
【0082】
本実施の形態の場合、交流電圧の周波数は共振周波数より高い側が使われるので、圧電素子1、2の振動特性は、共振周波数では印加電圧に対して90°位相が遅れるが、目標位置近傍では停止準備の為に周波数が共振周波数より高くなっているので、ほぼ180°の位相遅れになっている。
【0083】
従って、第1の実施の形態では、振動停止のための加振力の位相が振動位相に対して90°遅れであることが最適であるとした。これを本実施の形態で言えば、目標位置近傍で印加電圧に対して振動体の振動が180°遅れることから、更に90°遅れた270°遅れの位相、つまり印加電圧に対して90°進んだ位相を持つ加振力を与えれば急速な停止が可能となる。
【0084】
また、本実施の形態では振動体の振幅が所定の振幅より小さくなったら発振器6を停止するようにしていたが、位置検出手段4の出力の変化が所定の範囲以内になったら停止するようにしても良い。
【0085】
また、本実施の形態では、位置検出手段4を用いたが移動体の速度を検出する速度検出手段を設け、移動体の速度が所定値より小さくなったら発振器6を停止するようにしても良い。
【0086】
また、移動体の移動方向を反転する際には、上記実施の形態で行なっている発振器6を停止する代わりに、印加電圧を反転時の位相として加速動作を行なえばよい。
【0087】
また、上記した本実施の形態のように十分減速してから振動減衰動作を行なえば、以下の問題を回避できる。それは急速に停止した場合に特に問題となる現象で、移動体と振動体間の相対運動が停止して移動体と振動体が一体となった後に残ってしまう振動のことである。それは移動体又は振動体を支持する不図示の支持部材の剛性と、移動体と振動体の重量で決まる固有振動数で振動する振動で、停止時の衝撃が大きいほどこの振動の残存時間が長くなる。
【0088】
つまり、振動体がバネによって固定部材に支持されている場合を想定すると、移動体が高速で移動している状態で急速に停止すると、振動体と移動体の間に相対的な力が働くため、振動体を支持するバネが変位し振動体と移動体の総質量とバネによる振動が発生してしまう。振動体の振動が十分減衰してから急速な振動減衰動作を行った方が、高速動作中に行なった場合よりも移動体と振動体との間に発生する相対的な力の大きさが小さいため、振動の残存時間が短くなる。
【0089】
また、本実施の形態では、駆動周波数を共振周波数より高い方に設定することで移動速度を落としたが、逆に共振周波数より低いほうに設定しても移動速度を落とすことが出来る。この場合、振動体の振動位相は印加電圧の位相に近づいていくため、停止時の位相の振り方が共振周波数より高い周波数の場合と異なる。この場合、印加電圧の位相に対して振動体の振動位相は0°に近くなるので、停止開始直前の印加電圧の位相に対して印加電圧の位相を90°遅らせることになる。
【0090】
(第3の実施の形態)
図8は本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【0091】
図8において、15はCPU11のタイマー機能を利用して出力された4相のパルス信号を増幅する電力増幅手段、16、17はトランスであり、電力増幅手段15の4相出力電圧の内、逆相どうしがトランスの一次側に接続されている。トランスの2次側には2相の高圧の交流電圧が発生し、圧電素子1、2に印加されている。
【0092】
この交流電圧の周波数は水晶発振子を用いる等して安定性を高めた発振器6の数10MHzのパルス信号をCPU11内のプログラマブル分周器に設定する分周率によって設定しており、CPU11の出力信号のパルス幅はタイマーでパルス幅に相当する時間をカウントすることで設定している。尚、上記した第1の実施の形態では発振器6を停止して駆動電圧を停止したが、本実施の形態では、発振器6は電源投入と共に常に発振しており、停止する際には、CPU11から出力される4相のパルスを全て同じレベルに保持するようにした。
【0093】
なお、4相のパルスを全て同じレベルに保持するとは、トランスの一次側にドライバをプッシュプル接続した場合を想定しており、停止する際に一次側の2つの端子間に接続される電圧を等しくすることを意味している。
【0094】
また、パルス幅を変えることで圧電素子1、2に印加する電圧の振幅を変更することが出来、これによって停止時の加振力を任意に設定することが可能になる。また上記した第2の実施の形態では振幅比較手段14と位置比較手段9によって振幅や位置を比較していたが、本実施の形態では、CPU11内に読み込んでからソフトウェアで比較を行なっている。
【0095】
図9はCPU11の動作を示すフローチャートである。
【0096】
最初に不図示の指令手段からの目標位置と位置検出手段4からの不図示の移動体の位置情報が目標位置に一致しないなら(S31)、周波数、パルス幅、位相差を決定し4相のパルス信号を出力する(S32)。尚、この位相差は移動方向に応じて決定される値である。4相のパルス信号は、90°ずつ位相のずれたパルス信号で、この4相のパルス信号が電力増幅手段15によって昇圧され圧電素子1、2に印加される。
【0097】
すると、圧電素子1、2によって加振された不図示の振動体が振動し、それによって移動体が動き出す。移動体の位置は位置検出手段4でモニタされ目標位置と比較される(S33)。そして目標位置の近くに到達するまで待ち、駆動周波数を低速用の周波数に設定する(S34)。
【0098】
その際、通常駆動周波数は共振周波数より高い所定の周波数に設定されるか徐々に高い周波数にシフトして行き、所定の周波数まで掃引されるように設定される。
【0099】
そして、目標位置と移動体の位置が一致するまでこの状態が続く(S35)。移動体の位置が目標位置に到達すると、圧電素子1に印加される電圧の位相が90°進むようにCPU11の内部タイマーを設定し(S36)、振動検出手段3で検出した振幅が所定の振幅より小さくなるまでこの位相の90°進んだ交流電圧を印加し、振幅が所定の振幅になったら(S37)、4相のパルス信号の出力を同レベルに固定し(S38)、圧電素子1、2に印加する電圧を0にするように構成されている。
【0100】
また、この90°位相の進んだ交流電圧の振幅は、振動検出手段3の出力である振動体の振動振幅に応じて設定されるように構成されており、これはCPU11の出力する4相のパルス信号のパルス幅を変更することで行なわれている。
【0101】
このパルス幅が振動体の振動振幅とどのような関係に設定されるかについては、例えば振動振幅に比例した値や、更にこの比例した値に所定値を加算したものとしても良い。
【0102】
また、目標とする振動振幅の減衰カーブを設定し、これと実際の振動振幅とを比較し、比較結果に基づいて(例えば比較結果を積分した値にもとづいて)上記4相のパルス信号のパルス幅を設定しても良い。
【0103】
また、パルス幅の変更のしかたは、停止開始直前の振動体の振幅又は振動体の振動によって移動する移動体の停止開始直前の速度に応じてあらかじめ決められたパターンで行なっても良い。例えば振動振幅が大きいほど、また速度が速いほど振動体の振動停止に時間がかかるため、パルス幅の単位時間あたりの変化量を設定する必要がある。
【0104】
また、ここでは電圧振幅が加振力に比例するので、圧電素子1、2に印加する交流電圧の振幅を変化させて振動体の振動減衰の速度を変化させたが、図3、図4に示すように、振動体の振動位相に対する加振交流電圧の位相を変化させることで同じように振動体の振動減衰の速度を変化させることが可能である。
【0105】
位相差の場合、90°が最大減衰の位相であり、90°からずらすことで任意の減衰が得られる。
【0106】
従って、本実施の形態のパルス幅の変わりに4相パルス信号の位相を変化させても同様に振動減衰速度を制御できる。
【0107】
以上は停止する場合についてであるが、移動体の移動方向を反転させる場合について説明する。
【0108】
反転する場合は、上記説明と同様の手順で4相パルス信号を出力し、4相パルス信号の出力を固定する代わりに、移動方向が反転する位相関係になるように4相パルス信号を設定し、所定の動作に従って周波数、パルス幅を変更して移動速度を加速するように構成される。
【0109】
また、本実施の形態ではパルス幅を変えて印加電圧の振幅を変化させたが、電力増幅手段5の電源電圧や増幅率等を変えても同様のことが出来る。
【0110】
また、電圧振幅を変えて加振力を変化させたが、断続的に加振力を与え、加振力を与える時間間隔や加振時間をパラメータとすれば、同じ印加電圧でも加振力の時間平均値を変化させることが出来、同等の効果が得られる。
【0111】
(第4の実施の形態)
図10は本発明の第4の実施の形態で用いられる振動型アクチュエータの構成図である。
【0112】
図10において、18、19は圧電素子、20、21は振動体で、圧電素子18及び19に不図示の交流電圧供給手段を介して交流電圧が印加され、それぞれ振動体20、21を加振するように構成されている。22、23は振動体に不図示の圧接部材によって振動体20、21に加圧接触している移動体、24は回転軸で移動体22、23に結合している。
【0113】
このように、回転軸が複数の振動体によって駆動される移動体に結合されている場合、振動体それぞれが回転軸24に対し異なる傾向の出力をしていると、全体の効率が悪化してしまう問題がある。
【0114】
また、振動体20の振動が止まっても振動体21の振動が続いていると、両方の移動体22、23は回転軸24で結合されているため、移動体22、23は停止に余分な時間がかかる上、振動体20と移動体22が滑ってしまうため、摩擦面が悪化してしまう問題がある。
【0115】
そこで、振動体20、21の停止時に、両方の振動体20,21が同じ振動減衰カーブを描くようにするために、圧電体18、19に所定のパターンで交流電圧の位相及び電圧振幅を変化させ、その後交流電圧の供給を停止することで、急速に振動を停止させると共に摩擦面の悪化を防いでいる。
【0116】
(第5の実施の形態)
図11は本発明の第5の実施の形態を示すCPU11の動作を示すフローチャートである。なお、ブロック構成は図8と同様なので図示は省略する。
【0117】
本実施の形態では、停止する際に停止時のオーバーラン量を停止開始直前の振動振幅から算出し、その分目標位置より手前から停止動作を開始するようにしている。
【0118】
最初に不図示の指令手段からの目標位置と位置検出手段4からの不図示の移動体の位置情報が目標位置と一致しないなら(S41)、周波数、パルス幅、位相差を決定し4相のパルス信号を出力する(S42)。
【0119】
この4相パルス信号が電力増幅手段15によって昇圧され、圧電素子1、2に印加される。すると、圧電素子1、2によって加振された不図示の振動体が振動し、それによって移動体が動き出す。移動体の位置は位置検出手段4でモニタされ目標位置と比較される(S43)。そして目標位置の近くに到達するまで待ち、駆動周波数を低速用の周波数に設定する。その際、通常駆動周波数は共振周波数より高い所定の周波数に設定されるか徐々に高い周波数にシフトして行き、所定の周波数まで掃引されるように設定される。
【0120】
そして、振動検出手段3の出力をモニタし、停止時のオーバーラン量が交流電圧の位相や振幅を変更する停止シーケンスによってどうなるかを予測する。
【0121】
そして、あらかじめ予測されたオーバーラン量だけ目標位置の手前に新たな目標位置を設定し(S44)、この新たな目標位置と移動体の位置が一致するまでこの状態が続く(S45)。尚、このオーバーラン量の予測演算は停止開始まで継続して行なわれる。
【0122】
移動体の位置が新たな目標位置に到達すると、圧電素子1に印加される電圧の位相が90°進むようにCPU11の内部タイマーを設定し(S46)、振動検出手段3で検出した振幅が所定の振幅より小さくなるまでこの位相の90°進んだ交流電圧を印加し(S47)、振幅が所定の振幅になったら4相のパルス信号の出力を同レベルに固定し(S48)、圧電素子1、2に印加する電圧を0にするように構成している。
【0123】
図12はパルス信号の位相を90°進ませる様子を示している。信号Cが元の波形(通常の駆動時の波形)を示している。
【0124】
ここでもしA-A'ポイントより前の時点で、上記新たな目標位置と実際の位置が一致した場合には信号Dになる。
【0125】
しかし、A-A'ポイントより後では、信号Dのように位相を90°進めることは不可能なので、一つ後の位相変更ポイントB-B'にパルスエッジをシフトさせ、その結果信号Eのようになる。
【0126】
また、A-A'ポイントの前後で上記新たな目標位置と実際の位置が一致した場合、A-A'ポイントに近いならば、信号F、Gのように、若干90°よりずらしても振動減衰効果は有る。
【0127】
また、オーバーラン量の予測については、オーバーラン量が停止開始直前の移動速度のほぼ2乗に比例するので、あらかじめこの係数を求めておけば、この移動速度がわかれば簡単に計算が出来る。
【0128】
(第6の実施の形態)
図13は本発明の第6の実施の形態を示す1相の交流電圧によって回転する定在波型の振動型アクチュエータの構成例である。
【0129】
図13において、25は積層された圧電素子、26は弾性部材で構成された弾性体、27は移動体である。圧電素子25に交流電圧を印加すると、弾性体26は上下方向に振動し、弾性体26上にロータ軸方向に対して斜め方向に取り付けられた突起26aに不図示の加圧手段によって圧接されている移動体27が一方向に回転するように構成されたものである。
【0130】
このような1相の交流電圧によって回転する振動型アクチュエータにおいても、圧電素子25に印加される交流電圧の位相を制御することで振動体振幅の急速な減衰抑制を得られることは明白である。
【0131】
なお、本実施の形態の構成の振動型アクチュエータを例えば図10に示す実施の形態のように構成し、複数のロータにより共通の負荷を駆動する構成に適用することもできる。
【0132】
【発明の効果】
本発明によれば、振動型アクチュエータを停止あるいは反転させる場合、振動体の自由振動を確実にしかも十分に強制的に減衰させることができ、停止位置や反転位置の位置精度を飛躍的に向上させることができる。
【0133】
また、電気―機械エネルギー変換素子へ印加する駆動用交番信号の位相を、振動体に発生した振動の位相に対して0°より大きく180°未満の範囲で遅れるようにシフトすることで振動体の振幅を安定して任意のカーブで減衰させることを可能とした。
【0134】
本発明によれば、駆動用交番信号の位相を、振動体に発生した振動の位相に対して30°より大きく150°未満の範囲で遅れるようにシフトすることで、最大の振動減衰を実現する加振力を発生する交流電圧を印加した際にも振動体の振動を減衰させることが出来る。
【0135】
本発明によれば、駆動用交番信号の位相を、振動体に発生した振動の位相に対して90°遅れるようにシフトすることで、最も早く振動体の振動を減衰させることが出来、オーバーランが減るため高精度な位置決めが可能となる。
【0137】
本発明によれば、上記振動体に発生した振動の位相を検出手段によって検出することで、振動の減衰をより正確に行なうことが出来る。
【0138】
また、上記検出手段にて検出された振動の位相をもとに、駆動用交番信号の位相をシフトさせることで減衰の程度を確認しながら位相を決定できるので、振動体の振動振幅の減衰カーブを高精度に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示すブロック図
【図2】第1の実施の形態の動作を示すフローチャート
【図3】加振力が弱い場合の加振位相と残留振幅の度合いを示す図
【図4】加振力が強い場合の加振位相と残留振幅の度合いを示す図
【図5】第2の実施の形態を示すブロック図
【図6】第2の実施の形態の動作を示すフローチャート
【図7】振動体に印加される電圧と振動体の振動の周波数特性を示す図
【図8】第3の実施の形態を示すブロック図
【図9】第3の実施の形態の動作を示すフローチャート
【図10】第4の実施の形態の振動型アクチュエータの構成図
【図11】第5の実施の形態の動作を示すフローチャート
【図12】パルス信号の位相変更を説明するタイミングチャート
【図13】第6の実施の形態の振動型アクチュエータの構成図
【図14】第1の実施例の電力増幅手段の回路構成を示す図
【図15】第1の実施例の3相駆動の波形を示すタイミングチャート
【符号の説明】
1、2、18、19、25 圧電素子
3 振動検出手段
4 位置検出手段
5、15 電力増幅手段
6 発振器
7 駆動信号発生手段
8 位相シフト手段
9 位置比較手段
10 位相差検出手段
11 CPU
12、13 コイル
14 振幅比較手段
16、17 トランス
20、21、26 振動体
22、23、27 移動体
24 回転軸
28 MOSFETドライバ
Claims (6)
- 電気−機械エネルギー変換素子を有する振動体に接触体が加圧接触し、前記電気−機械エネルギー変換素子へ駆動用交番信号を印加することによって前記振動体に振動を発生させ、該振動によって前記振動体と前記接触体とを相対移動させる振動型アクチュエータの制御装置において、
前記駆動用交番信号の位相をシフトさせるシフト手段を有し、
前記シフト手段は、前記振動体と前記接触体との相対速度を減速して停止又は反転する際に、前記駆動用交番信号の位相を、前記振動体に発生した振動の位相に対して0°より大きく180°未満の範囲で遅れるようにシフトさせ、
前記振動体に発生した振動を打ち消す逆の位相の振動を付与することで前記振動体の自由振動を減衰させることを特徴とする振動型アクチュエータの制御装置。 - 前記シフト手段は、前記振動体と前記接触体との相対速度を減速して停止又は反転する際に、前記駆動用交番信号の位相を、前記振動体に発生した振動の位相に対して30°より大きく150°未満の範囲で遅れるようにシフトすることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
- 前記シフト手段は、前記振動体と前記接触体との相対速度を減速して停止又は反転する際に、前記駆動用交番信号の位相を、前記振動体に発生した振動の位相に対して90°遅れるようにシフトすることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
- 前記シフト手段によって前記駆動用交番信号の位相をシフトさせる前の前記駆動用交番信号の周波数が、前記振動体に発生した振動の位相が前記駆動用交番信号に対して90°より大きく180°未満の範囲で遅れる周波数に設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の振動型アクチュエータの制御装置。
- 前記振動体に発生した振動を検出する検出手段を有し、
前記シフト手段は、前記検出手段にて検出された振動の位相をもとに、前記駆動用交番信号の位相をシフトさせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の振動型アクチュエータの制御装置。 - 前記振動体と前記接触体との相対速度を減速して停止又は反転する際に、前記駆動用交番信号の周波数を、前記振動体に発生した振動の位相が前記駆動用交番信号に対して180°遅れる第1周波数まで高く変化させてから、前記シフト手段が前記駆動用交番信号の位相を前記第1周波数に対して90°進むようにシフトすることを特徴とする請求項3に記載の振動型アクチュエータ。
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