JP4830235B2 - 電源回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電源回路に関し、特に自励型電源回路の力率改善制御用集積回路に適用される電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路では、スイッチング動作による高調波電流成分の増加に伴って力率が大幅に低下するが、その力率の低下を改善するために力率制御回路が用いられている。力率の低下を改善する制御回路としては、スイッチング素子を流れる電流のピーク値を検出して制御するピーク電流モードの力率制御回路および交流ラインを流れる連続的な電流を検出して制御する平均電流モードの力率制御回路が知られている。
【0003】
ピーク電流モードの力率制御回路は、直流出力電圧を検出したフィードバック信号を入力する誤差増幅器と、この誤差増幅器の出力と商用電源を全波整流した交流入力電圧とを入力する乗算器と、この乗算器の出力と交流ライン電流とを比較するセンス電流比較器と、交流入力電圧を受けるトランスと直流出力電圧を生成する整流平滑回路との間に設けられたスイッチング素子を制御するRSフリップフロップとから構成され、全波整流された交流入力電圧に対して、交流ライン電流の平均を正弦波に維持するとともに交流入力電圧と同相に維持するように制御することによって、力率の改善を行うものである。
【0004】
このような力率制御回路において、まず、スイッチング素子がオンすると、全波整流した交流ライン電流がスイッチング素子を通ってグランドへ流れ、そのときの電流エネルギはトランスに蓄えられる。一方、乗算器では、交流入力電圧を入力して、交流ライン電流の平均を作り出すのに必要な交流入力電圧に比例したピーク電流値を決定し、センス電流比較器が決定されたピーク電流値と交流ライン電流とを比較する。センス電流比較器は、交流ライン電流が増加していって乗算器により決定されたピーク値と等しくなった場合にリセット信号を発生し、RSフリップフロップをリセットし、スイッチング素子をオフさせる。スイッチング素子のオフにより、トランスに蓄えられた電流エネルギが出力側の整流平滑回路に供給される。スイッチング素子がオフとなる期間では、トランスの2次側からの信号がハイレベルになるため、その信号によりRSフリップフロップをセットし、スイッチング素子をオンさせる。このRSフリップフロップのリセットおよびセットを繰り返すことで、出力側の整流平滑回路に電流を供給する。
【0005】
スイッチング素子がオンしたときの交流ライン電流は、そのピーク値が交流入力電圧に比例した値に制限されて下げられるので、交流ライン電流の平均が交流入力電圧の正弦波に相似な波形に維持され、これによって、力率の改善を実現している。
【0006】
一方、平均電流モードの力率制御回路は、直流出力電圧を検出したフィードバック信号を入力する誤差増幅器と、この誤差増幅器の出力と商用電源を全波整流した交流入力電圧とを入力する乗算器と、この乗算器の出力と交流ライン電流とを入力する電流誤差増幅器と、交流入力電圧を受けるリアクトルと直流出力電圧を生成する整流平滑回路との間に設けられたスイッチング素子を制御するPWM比較器とから構成される。この平均電流モードの力率制御回路では、リアクトルに流れる連続的な電流を制御して力率の改善を実現している。
【0007】
リアクトル電流の基準信号を作り出すために乗算器が使用されているが、この乗算器には交流入力電圧と直流出力電圧を一定に保つための電圧誤差増幅器の出力との2つの信号が入力されるため、乗算器の出力は交流入力電圧と同相の正弦波状の信号となる。これにより、リアクトルに流れる電流、すなわち交流入力電流波形を入力正弦波電圧に追随させることになり、全波整流された交流入力電圧に対して、交流ライン電流の平均を正弦波としかつ交流入力電圧と同相に維持されて、力率の改善が行なわれる。
【0008】
また、電源回路は、その始動時または再起動時に起動することができるよう起動回路が必要である。従来の電源回路では、外部発振器による外付けの起動回路を用いるのが一般的であったが、外部発振器を用いると外付けの部品が必要になり、コストアップに繋がることから、起動回路を内蔵させることが提案されている。この内蔵型起動回路を備えた電源回路として、たとえば特開平6−86555号公報が知られている。
【0009】
さらに、従来の電源回路では、直流出力電圧を抵抗分割した信号をフィードバック信号として使用し、そのフィードバック信号が小さい場合には、直流出力電圧を増加する方向に制御し、逆に、フィードバック信号が大きい場合は、直流出力電圧を減少する方向に制御している。電源回路は、このような原理で動作しているため、直流出力電圧を検出する分割抵抗が破損するなどの異常が発生してフィードバック信号の入力がショートしてしまった場合に、直流出力電圧が増加する方向にのみ制御することになり、危険な状態となる。この危険な状態を防止するため、従来は外付けの比較器でフィードバック信号を監視し、フィードバック信号が所定の値より小さくなると、乗算器に入力される誤差増幅器の出力を強制的にゼロになるようにする。これにより、乗算器から出力されるピーク値は非常に小さくなり、結果的にRSフリップフロップをリセットし、スイッチング素子をオフにするようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
力率制御を行う電源回路において、交流入力電圧は全波整流された正弦波であるため波形の谷間の部分で電圧はほぼゼロとなり、したがって、このとき、電源回路の出力電圧は当然ゼロとなるべきである。しかしながら、従来の電源回路では、乗算器の出力オフセット電圧やセンス電流比較器の入力オフセット電圧により、センス電流比較器や乗算器から多少の電流が出力されてしまい、入力電圧と同じゼロとすることができないという問題点があった。特に、軽負荷の場合には、平均電流の正弦波のピーク値が小さいために正弦波の谷間で出力されてしまってゼロとなりきれない電流値が残ってしまい、これが力率を悪化させる原因となっている。
【0011】
また、起動回路を内蔵した従来の電源回路では、外部のスイッチング素子の駆動状態を記憶するRSフリップフロップの出力をタイマ回路が監視していて、リセット状態にあるRSフリップフロップの出力が所定時間以上経過すると、RSフリップフロップをセット状態にして再起動するようにしているが、タイマ回路の動作が電源回路の出力変化に対して遅れてしまう場合があるという問題点があった。
【0012】
さらに、従来の電源回路では、外付け部品でフィードバック信号のショートを検出して電源回路の動作を停止する構成をとっているため、自励型電源回路のコストが高くなるという問題点があった。
【0013】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、軽負荷時の力率を改善した電源回路を提供することを目的とする。
また、本発明は、始動または再起動に関して、外付け部品を必要とせず、かつ出力状態の変化に迅速に対応することができる起動回路を持った電源回路を提供することを目的とする。
【0014】
さらに、本発明は、フィードバック信号のショート検出用の回路に関して、外部部品数を低減できる電源回路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路において、軽負荷時にオフセット調整電流を生成するオフセット調整電流生成手段と、前記交流入力電圧に比例した信号とスイッチング素子を流れる交流ライン電流の信号とを比較してリセット信号を生成するとともに、前記オフセット調整電流生成手段によって生成された前記オフセット調整電流を入力することによりオフセットをキャンセルする側に調整可能なセンス電流比較器と、を備え、前記センス電流比較器は、差動入力回路と出力バッファ回路とを備え、前記差動入力回路の反転入力側の能動負荷と前記出力バッファ回路との接続点に前記オフセット調整電流を供給する入力端子を有することを特徴とする電源回路が提供される。
【0016】
このような電源回路によれば、軽負荷時にオフセット調整電流生成手段によって生成されたオフセット調整電流をセンス電流比較器に注入してセンス電流比較器の入力オフセット電圧をキャンセルするようなオフセットをセンス電流比較器に持たせるようにした。これにより、軽負荷時の出力特性が補正され、力率を向上させることができる。
【0017】
また、本発明では、全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路において、軽負荷時にオフセット調整電流を生成し、リアクトルに流れる電流の基準信号を作り出す乗算器に注入して、その乗算器の出力オフセット電圧をキャンセルするオフセット調整電流生成手段を備え、前記乗算器は、基準電圧と直流出力電圧に比例したフィードバック信号を増幅する電圧誤差増幅器の出力信号とを比較する第1の差動入力回路と、前記交流入力電圧に比例した信号とグランドレベルとを比較する第2の差動入力回路と、前記第1の差動入力回路および前記第2の差動入力回路の比較結果を乗算してシングルエンド出力に変換する変換回路と、前記変換回路の出力を電流信号として取り出す第1のカレントミラー回路と、前記オフセット調整電流生成手段からのオフセット調整電流を受ける第2のカレントミラー回路と、前記第1および第2のカレントミラー回路の出力電流を加算する抵抗回路とを有する構成にした。これにより、軽負荷時に交流入力電圧の正弦波の波形の谷間で乗算器のオフセットにより出力されてしまう電流の値をキャンセルすることができ、軽負荷時の力率を改善することができる。
【0018】
また、本発明によれば、ゼロクロス入力信号を監視して前記ゼロクロス入力信号が所定時間ない場合に始動および再起動信号を発生するタイマと、外部のスイッチング素子を駆動するためのオン・オフ信号を出力するRSフリップフロップの出力に設けられて前記タイマの始動および再起動信号との論理和信号を出力する論理和ゲートとを備えるようにした。これにより、外付け部品を必要とせず、かつ出力状態の変化に迅速に対応することができる起動回路を備えた電源回路とすることができる。
【0019】
さらに、本発明によれば、フィードバック信号の入力を監視して前記フィードバック信号が所定値以下になった場合にショート検出信号を出力するショート検出回路と、前記ショート検出信号を受けて外部のスイッチング素子を駆動するためのオン・オフ信号を遮断する論理積ゲートとを備えるようにした。これにより、外付け部品によるショート検出回路を不要とした電源回路にすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、力率制御回路に適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は本発明を適用した力率制御回路の構成を示す機能ブロック図である。
この力率制御回路1は、各機能を一体にした集積回路によって構成され、電源電圧入力用のVCC端子、グランド接続用のGND端子、交流入力電圧に比例した電圧入力用のMUL端子、フィードバック信号入力用のFB端子、誤差信号出力用のCOMP端子、センス電流信号入力用のIS端子、ゼロクロス信号入力用のZCD端子、および出力用のDO端子を有している。
【0022】
力率制御回路1は、非反転入力に基準電圧VREFを受け、反転入力にFB端子が接続された誤差増幅器2を有している。この誤差増幅器2の出力は、COMP端子および乗算器3の第1入力に接続されている。乗算器3の第2の入力はMUL端子に接続され、出力はセンス電流比較器4の反転入力に接続されている。センス電流比較器4の非反転入力はIS端子に接続され、出力はRSフリップフロップ5のリセット入力に接続されている。RSフリップフロップ5の出力は、ORゲート6の第1入力に接続され、このORゲート6の出力はANDゲート7の第1入力に接続されている。ANDゲート7の出力は駆動部8の入力に接続され、この駆動部8の出力は、この力率制御回路1の出力であるDO端子に接続されている。
【0023】
力率制御回路1は、非反転入力にZCD端子が接続され、反転入力に基準電圧VZCDを受けるゼロクロス入力用比較器9を有している。このゼロクロス入力用比較器9の出力は、RSフリップフロップ5のセット入力とタイマ10の入力とに接続されている。タイマ10の出力は、ORゲート6の第2入力に接続されている。力率制御回路1は、また、オフセット調整電流生成用比較器11およびショート検出用比較器12を有している。オフセット調整電流生成用比較器11は、基準電圧VOSを受ける非反転入力、誤差増幅器2の出力が接続された反転入力およびセンス電流比較器4のオフセット調整電流入力用のIOS端子に接続された出力を有している。ショート検出用比較器12は、基準電圧VSPを受ける反転入力、FB端子に接続された非反転入力およびANDゲート7の第2入力に接続された出力を有している。さらに、力率制御回路1は、VCC端子に受ける電源電圧から基準電圧VREF,VZCD,VOS,VSPを出力する基準電圧部13を有している。
【0024】
以上の構成の力率制御回路1によれば、始動時はZCD端子にはゼロクロス入力信号の入力はなく、したがって、ゼロクロス入力用比較器9の出力はローレベルである。この時点からタイマ10が起動し、漸増する出力信号を出力する。このタイマ10の出力信号が、ORゲート6の動作しきい値電圧を越えると、ORゲート6はハイレベルの信号を出力する。力率制御回路1の始動直後には、FB端子にフィードバック信号が入力されているので、ショート検出用比較器12はハイレベルの信号を出力している。これにより、ANDゲート7の出力はハイレベルの信号を出力し、駆動部8はスイッチング素子駆動用の始動信号を出力し、スイッチング素子をオンにする。
【0025】
スイッチング素子がオンになって交流ライン電流が流れると、IS端子の交流ライン電流に比例した電圧信号が高くなってくる。この電圧信号が乗算器3からのピーク電圧値と等しくなると、センス電流比較器4はリセット信号を出力し、スイッチング素子をオフにする。以下、これを繰り返す。
【0026】
このように、タイマ10は、力率制御回路1の出力を直接監視し、出力が一定時間オフである場合に、出力をオンとすることができる。これにより、外部起動回路を必要とせず、また、出力状態の変化に迅速に対応できる起動回路を構成することができる。
【0027】
次に、センス電流比較器4およびオフセット調整電流生成用比較器11の詳細について説明する。
図2はセンス電流比較器の例を示す回路図、図3はセンス電流比較器のオフセット調整時の入出力特性を示す図である。
【0028】
センス電流比較器4は、差動入力段を構成する4つのトランジスタ21〜24および電流源25と、ソースフォロワレベルシフタを構成するトランジスタ26,28および電流源27,29と、出力バッファを構成するトランジスタ30,32および電流源31,33とを備えている。
【0029】
反転入力側のトランジスタ22の能動負荷には、オフセット調整電流入力用のIOS端子が設けられ、これによって、センス電流比較器4は、オフセット調整電流を注入することでオフセット調整可能な比較器を構成している。
【0030】
入力部のトランジスタ26,28からなるソースフォロワレベルシフタは、グランドレベルまで入力範囲を広げるためのもので、これにより、センス電流比較器4の反転入力は、IS端子のセンス電流の入力をグランドレベルから検出するようにしている。したがって、センス電流比較器4は、図3に示したように、オフセット調整電流IOSが入力されないときには、反転入力が0のときを境にして出力が反転するが、オフセット調整電流IOSの入力が増えるにつれて、入力オフセット電圧がマイナス側に増えるような特性となる。
【0031】
図4はオフセット調整電流生成用比較器の例を示す回路図、図5はオフセット調整電流生成用比較器の入出力特性を示す図である。
オフセット調整電流生成用比較器11は、差動入力段を構成するトランジスタ41〜44および電流源45と、反転入力側の能動負荷とカレントミラー回路を構成するトランジスタ46と、出力段のカレントミラー回路を構成するトランジスタ47,48とを備えている。非反転入力には、基準電圧VOS(=0.5ボルト)を受け、反転入力には誤差増幅器2の出力であるCOMP端子の電圧VCOMPを受ける。
【0032】
このオフセット調整電流生成用比較器11は、差動段の能動負荷をダイオード接続したトランジスタ44で構成し、そのダイオード接続した能動負荷をカレントミラー回路で折り返すことでソース電流を供給する構成にしたことにより、図5に示したように、電圧VCOMPが1.5ボルト以上では、オフセット調整電流IOSは出力せず、1.5ボルト以下となる軽負荷状態においてオフセット調整電流IOSを出力するような入出力特性となる。
【0033】
次に、力率制御回路1の軽負荷時の動作について説明する。
軽負荷時には、FB端子へ入力されるフィードバック信号の値が大きくなるので、誤差増幅器2の出力レベルが下がり、COMP端子の電圧VCOMPはほぼゼロまで減少する。このCOMP端子の電圧VCOMPを監視しているオフセット調整電流生成用比較器11は、図5の入出力特性から、COMP端子の電圧VCOMPが1.5ボルト以下のときを軽負荷状態と判定し、COMP端子の電圧VCOMPに応じたオフセット調整電流を生成する。
【0034】
センス電流比較器4は、そのIOS入力にオフセット調整電流IOSを注入することによりオフセットを調整することができる。図3の入出力特性から判るように、センス電流比較器4は、そのIOS入力に注入するオフセット調整電流IOSを16μAにすると入力オフセット電圧が−100mVとなる。この値は、乗算器3の出力オフセット電圧の最悪値とセンス電流比較器4の入力オフセット電圧の最悪値とを加えた値が100mV程度であることから決められた。ここで、乗算器3の出力オフセット電圧をキャンセルせずにセンス電流比較器4の入力オフセットのみ調整するのは、乗算器3の出力オフセット電圧がセンス電流比較器4に入力されているため、結果的にセンス電流比較器4の入力オフセットの変化として現れることによる。
【0035】
このように、軽負荷時に最大16μAのオフセット調整電流IOSをセンス電流比較器4に入力して、その入力オフセットを100mV調整することで、軽負荷時に入力電圧がゼロのときに出力電圧をゼロにすることができ、力率を改善することができる。
【0036】
また、この力率制御回路1では、FB端子に供給されるフィードバック信号を監視するショート検出用比較器12を備えている。このショート検出用比較器12は、その反転入力にショート検出電圧として約0.3ボルトの基準電圧VSPを受けており、直流出力電圧が所定の電圧を出力していてフィードバック信号がショート検出電圧より高いときには、ハイレベルの信号を出力し、直流出力電圧を検出する分割抵抗のショート事故などでフィードバック信号がショート検出電圧より低いときには、ローレベルのショートプロテクト信号を出力する。ショート検出用比較器12がショートプロテクト信号を出力した場合には、ANDゲート7の出力がローレベルの信号となり、駆動部8への入力を遮断することができる。
【0037】
次に、以上のような構成の力率制御回路1のピーク電流モード制御の自励型電源回路への応用例について説明する。
図6は自励型電源回路の構成例を示す回路図である。
【0038】
自励型電源回路は、商用電源を全波整流する全波整流器51を有し、その出力は、トランス52の1次巻線の一端に接続される。このトランス52の1次巻線の他端は、ダイオード53およびコンデンサ54からなる整流平滑回路を介して直流出力電圧を出力する出力端子55に接続されている。トランス52の1次巻線の他端は、また、スイッチング素子とする出力トランジスタ56のドレインに接続されている。出力トランジスタ56のソースは、電流検出抵抗57を介してグランドに接続され、ゲートは力率制御回路1のDO端子に接続されている。出力トランジスタ56のソースと電流検出抵抗57との共通接続点は力率制御回路1のIS端子に接続されている。
【0039】
全波整流器51の出力とグランドとの間には、抵抗58,59からなる分割抵抗に接続され、その分割抵抗の出力は力率制御回路1のMUL端子に接続されている。全波整流器51の出力は、抵抗60およびコンデンサ61を介してグランドに接続され、それらの共通接続点は力率制御回路1のVCC端子に接続されている。抵抗60とコンデンサ61との共通接続点は、また、逆流防止用のダイオード62を介してトランス52の2次巻線の一端に接続され、そのトランス52の2次巻線の他端はグランドに接続されている。トランス52の2次巻線の一端は、また、力率制御回路1のZCD端子に接続されている。
【0040】
出力端子55とグランドとの間には、抵抗63,64からなる分割抵抗に接続され、その分割抵抗の出力は力率制御回路1のFB端子に接続されている。そして、力率制御回路1のCOMP端子はコンデンサ65に接続され、GND端子はグランドに接続されている。
【0041】
ここで、商用電源が投入されると、力率制御回路1のタイマ10が始動し、所定時間後に駆動信号を出力して出力トランジスタ56をオンする。これにより全波整流した交流ライン電流が出力トランジスタ56を通ってグランドへ流れ、そのときの電流エネルギはトランス52に蓄えられる。センス電流比較器4は、電流検出抵抗57によって検出された交流ライン電流と乗算器3からの交流入力電圧に比例したピーク電流値とを比較しており、交流ライン電流が交流入力電圧に比例したピーク電流値に等しくなると、RSフリップフロップ5がリセットされ、出力トランジスタ56をオフさせる。
【0042】
出力トランジスタ56がオフすることにより、トランス52に蓄えられた電流エネルギがダイオード53を介してコンデンサ54に供給される。出力トランジスタ56がオフのとき、トランス52の2次巻線からのゼロクロス入力信号がハイレベルになり、これが基準電圧VZCDを越えると、RSフリップフロップ5がセットされ、出力トランジスタ56をオンさせる。この出力トランジスタ56のオン・オフを繰り返すことにより、コンデンサ54によって平滑された直流出力電圧が出力端子55より出力される。
【0043】
この自励型電源回路が軽負荷状態になると、抵抗63,64によって検出された直流出力電圧のフィードバック信号が高くなる。これにより、誤差増幅器2の出力電圧が低くなり、コンデンサ65の端子電圧が1.5ボルト以下になると、オフセット調整電流生成用比較器11はオフセット調整電流をセンス電流比較器4に注入して入力オフセットをマイナス側にずらすよう調整し、オフセット調整電流生成用比較器11の入力オフセット電圧をキャンセルすることで、軽負荷時の力率を向上させることができる。
【0044】
また、FB端子に入力されるフィードバック信号をショート検出用比較器12で監視し、フィードバック信号の電圧がショート検出電圧の約0.3ボルト以下に低下すると、ショート検出用比較器12はFB端子の入力はショート状態にあると判断し、出力トランジスタ56を強制的にオフするようにしている。
【0045】
図7は本発明を適用した別の力率制御回路の構成を示す機能ブロック図である。
この力率制御回路71は、各機能を一体にした集積回路によって構成され、電流誤差増幅器出力用のIFB端子、電流誤差増幅器反転入力用のIIN−端子、乗算器入力用のVDET端子、過電圧保護入力用のOVP端子、電圧誤差増幅器出力用のVFB端子、電圧誤差増幅器反転入力用のVIN−端子、グランド接続用のGND端子、出力用のOUT端子、駆動部電源用のVC端子、電源入力用のVCC端子、ソフトスタート回路用のCS端子、オン/オフ制御入力用のON/OFF端子、基準電圧用のREF端子、発振器同期入力用のSYNC端子、発振器タイミングコンデンサ用のCT端子、および電流誤差増幅器非反転入力用のIDET端子を有している。
【0046】
力率制御回路71は、非反転入力に基準電圧を受け、反転入力にVIN−端子が接続されて直流出力電圧を監視する電圧誤差増幅器72を有している。この電圧誤差増幅器72の出力は、増幅度設定用の素子を接続するVFB端子および電流基準信号を発生する乗算器73の第1入力に接続されている。乗算器73の第2の入力は交流入力電圧を監視するVDET端子に接続され、第3の入力はオフセット調整を行うオフセット調整電流生成用比較器74の出力に接続されている。オフセット調整電流生成用比較器74は、その非反転入力に基準電圧を受け、反転入力には電圧誤差増幅器72の出力およびVFB端子が接続されている。乗算器73の出力は、IIN−端子および電流誤差増幅器75の反転入力に接続されている。電流誤差増幅器75の非反転入力は、交流ライン電流を検出するIDET端子に接続されている。このIDET端子は、また、基準電圧と比較する過電流検出用比較器76の入力に接続され、その出力はRFフリップフロップ77の第1のセット端子に接続されている。このRFフリップフロップ77のリセット端子は、インバータ78を介して発振器79の出力に接続され、第2のセット端子は、過電圧検出用比較器80の出力に接続されている。この過電圧検出用比較器80の入力は、基準電圧と直流出力電圧の過電圧検出用のOVP端子とに接続されている。
【0047】
力率制御回路71は、また、ON/OFF端子に接続されて外部信号によりオン・オフ制御を行うオン・オフ制御部81と、VCC端子および基準電圧用のREF端子に接続されて内部回路の基準電圧を発生する基準電圧部82と、VCC端子に接続されてVCC端子に印加される電圧が有効な電圧値になるまで内部回路が異常動作をしないよう制御する不足電圧ロックアウト部83と、ソフトスタート回路用のCS端子および定電流部84に接続されて不足電圧ロックアウト部83の出力信号によりオン・オフ制御されるソフトスタート回路リセット用のスイッチ部85とを有している。
【0048】
力率制御回路71は、さらに、第1入力に発振器79の出力が接続され、第2入力にソフトスタート回路用のCS端子が接続され、第3入力に電流誤差増幅器75の出力および位相補正回路素子用のIFB端子が接続されたPWM比較器86を有し、その出力はANDゲート87に入力されている。このANDゲート87は、オン・オフ制御部81の出力、不足電圧ロックアウト部83の出力、発振器79の出力およびRFフリップフロップ77の出力を受けるよう接続され、出力は駆動部88を介してOUT端子に接続されている。駆動部88は、その電源用のVC端子およびGND端子にも接続されている。
【0049】
この力率制御回路71によれば、発振器79の出力としてCT端子から三角波がPWM比較器86に入力されており、この三角波と電流誤差増幅器75の出力とを比較することでPWM信号を生成し、ANDゲート87および駆動部88を介してOUT端子に接続されたスイッチング素子を駆動する。PWM比較器86には、CS端子も入力されている。このCS端子には、起動時に定電流部84によって充電される後述のコンデンサが接続され、PWM比較器86では、電流誤差増幅器75の出力電圧とコンデンサの充電電圧の低い方が優先されてソフトスタートが行なわれる。
【0050】
電流誤差増幅器75は、その非反転入力にIDET端子を介して交流ライン電流を入力し、反転入力にその交流ライン電流の基準信号として乗算器73の出力が入力されている。乗算器73は、直流出力電圧の誤差信号を電圧誤差増幅器72から受け、VDET端子から交流入力電圧を受けてそれらを乗算した信号を電流誤差増幅器75に供給している。
【0051】
この乗算器73には、また、オフセット調整電流生成用比較器74の出力を入力しており、電圧誤差増幅器72からの電圧誤差が所定値より大きくなる軽負荷時において、直流出力電圧の誤差信号に基づいて生成されたオフセット調整電流を乗算器73に注入して、乗算器73の出力オフセット電圧をキャンセルするようにオフセット調整を行う。
【0052】
なお、ANDゲート87は、外部信号によりこの力率制御回路71をオン・オフ制御したり、VCC端子における電圧が有効な値以下のとき、過電流検出用比較器76が過電流を検出したとき、過電圧検出用比較器80が過電圧を検出したときにこの力率制御回路71をシャットダウンしたり、さらに、発振器79においてRFフリップフロップ77のリセット信号の逆相信号としてあるタイミングで生成される矩形波信号を受けて、出力のデューティマックスを決定するようにしている。
【0053】
次に、以上のような構成の力率制御回路71の平均電流モード制御の自励型電源回路への応用例について説明する。
図8は自励型電源回路の構成例を示す回路図である。
【0054】
自励型電源回路は、商用電源を全波整流する全波整流器91を有し、その出力は、リアクトル92の一端に接続される。このリアクトル92の他端は、ダイオード93およびコンデンサ94からなる整流平滑回路を介して直流電圧を出力する出力端子95に接続されている。リアクトル92の他端とダイオード93との接続点は、スイッチング素子とする出力トランジスタ96のドレインに接続されている。出力トランジスタ96のソースは、グランド端子97,98および力率制御回路71のGND端子に接続されるとともに、電流検出抵抗99を介して全波整流器91に接続され、ゲートは力率制御回路71のOUT端子に接続されている。リアクトル92の2次巻線は、ダイオード100,101およびコンデンサ102,103からなる倍電圧整流回路に接続され、その整流出力は、力率制御回路71のVCC端子およびVCC出力端子104に接続され、また、抵抗105を介して力率制御回路71のVC端子に接続されている。
【0055】
全波整流器91の出力とグランド端子97との間には、抵抗106,107からなる分割抵抗に接続され、その分割抵抗の出力は力率制御回路71のVDET端子に接続されている。出力端子95とグランド端子97との間には、抵抗108,109からなる分割抵抗に接続され、その分割抵抗の出力は力率制御回路71のOVP端子に接続されている。また、出力端子95とグランド端子97との間には、抵抗110,111からなる分割抵抗に接続され、その分割抵抗の出力は抵抗112を介して力率制御回路71のVIN−端子に接続されている。このVIN−端子は、抵抗113およびコンデンサ114の並列回路を介して力率制御回路71のVFB端子に接続されている。
【0056】
力率制御回路71において、そのIFB端子およびIIN−端子には、抵抗115およびコンデンサ116,117の直並列回路が接続されている。また、IDET端子は、抵抗118を介して電流検出抵抗99と全波整流器91との接続点に接続されるとともに、コンデンサ119を介してグランド端子97に接続されている。CT端子とREF端子との間には、抵抗120が接続され、CT端子は、コンデンサ121を介してグランド端子97に接続されている。CS端子は、コンデンサ122を介してグランド端子97に接続されている。そして、ON/OFF端子は、ON/OFF信号入力端子123に接続されている。
【0057】
次に、乗算器73およびオフセット調整電流生成用比較器74の詳細について説明する。
図9は乗算器の例を示す回路図、図10は乗算器の入出力特性を示す図、図11はオフセット調整時の乗算器特性を示す図である。
【0058】
乗算器73は、一方の入力端子に電圧誤差増幅器72の出力の電圧Vyを受け、他方の入力端子に基準電圧Vthm(=1.5V)を受ける差動入力構成のブロックAと、一方の入力端子に交流入力電圧に比例した電圧Vxを受け、他方の入力端子にグランドレベルの電圧を受ける差動入力構成のブロックBと、ブロックAおよびブロックBでの比較結果をシングルエンド出力に変換するブロックCと、変換された出力を電流信号として取り出すカレントミラー回路のブロックDと、IOS端子にオフセット調整電流生成用比較器74のからのオフセット調整電流iosを受けてオフセット調整を行うブロックEと、ブロックDの電流信号にオフセット調整電流iosを加算する出力段のブロックFとから構成されている。
【0059】
この乗算器73の入出力特性を示す図10は、ブロックAのVFB端子に電圧誤差増幅器72の出力の電圧Vyを受けているときのブロックBのVDET端子に印加される交流入力電圧に比例した電圧Vxの変化に対する乗算器出力電圧の変化を示している。ブロックAでは、基準電圧としてVthm(=1.5V)を受けているので、電圧Vy=1.5Vのときが基準になっており、このときの乗算器出力電圧は、1.25Vであり、交流入力電圧が増えるに連れて漸減する特性を有している。
【0060】
オフセット調整時の乗算器73の入出力特性を示す図11は、Vthm=1.5V,Vx=0V,Vy=1.5Vのときのオフセット調整電流iosの変化に対する乗算器出力電圧の変化を示している。ここで、ios=0μAのとき、乗算器出力電圧は1.25Vであり、ios=10μAのときには、乗算器出力電圧は1.35Vであって、オフセット調整電流iosを調整することにより+100mVまでオフセット調整が可能であることを表わしている。これは、乗算器73の出力オフセット電圧の最悪値が100mV程度であることに基づくもので、乗算器73の出力オフセットを100mV程度調整することができれば、軽負荷時の力率を改善できることを示している。
【0061】
図12はオフセット調整電流生成用比較器の例を示す回路図、図13はオフセット調整電流生成用比較器の入出力特性を示す図である。
オフセット調整電流生成用比較器74は、非反転入力端子に基準電圧(=1.5V)を受け、反転入力端子に電圧誤差増幅器72の出力の電圧Vyを受ける差動入力構成のブロックA1と、このブロックA1の反転入力側の能動負荷とカレントミラー回路を構成するブロックB1と、出力段のカレントミラー回路を構成するブロックC1とから構成され、出力のIOS端子は、乗算器73のIOS端子に接続される。
【0062】
このオフセット調整電流生成用比較器74は、差動入力段の能動負荷をカレントミラー回路で折り返すことでソース電流を供給する構成にしたことにより、図13に示したように、電圧Vyが1.5V以上では、オフセット調整電流iosは出力せず、1.5V以下となる軽負荷状態においてオフセット調整電流iosを出力するような入出力特性となる。このオフセット調整電流iosの最大値は、乗算器73の出力オフセット電圧の最悪値である100mVをキャンセルすることができる約10μAに設定されている。
【0063】
次に、図8〜図13を参照しながら軽負荷時における力率制御回路71の動作について説明する。
軽負荷時には、直流出力電圧が高くなるので、その電圧を監視しているVIN−端子の電圧値が大きくなり、電圧誤差増幅器72の出力が低下する。これにより、VFB端子の電圧はほぼゼロとなる。したがって、本発明ではVFB端子が1.5V以下のときを軽負荷状態と判定する。これは、オフセット調整電流生成用比較器74がその非反転入力端子に基準電圧(=1.5V)を与えることで判断し、図13に示したように、VFB端子の電圧が1.5V以下では、0〜10μAのオフセット調整電流iosを出力する。
【0064】
このオフセット調整電流iosは、乗算器73のIOS端子に注入され、オフセットの調整が行われる。この乗算器73は、ブロックAのVthm入力およびVy入力を1.5Vとし、Vx入力が0Vのとき、図10に示したように、乗算器出力はおよそ1.25Vとなり、この電圧が軽負荷時におけるオフセット調整動作の開始点になっている。
【0065】
ここで、軽負荷時に乗算器73の出力オフセット電圧が最大で100mVになったとき、最大10μAのオフセット調整電流iosを乗算器73のIOS端子に注入し、オフセットの調整をすることで乗算器73の出力オフセット電圧をキャンセルする。すなわち、乗算器73の出力が約1.25Vからマイナス方向に変化する特性であるため、オフセット調整電流iosを加算することによるプラス方向のオフセット調整が、乗算器73の出力オフセット電圧に対してはマイナス方向のオフセットとして働き、乗算器73の出力オフセット電圧がキャンセルされることになる。これにより、軽負荷時の力率が改善される。
【0066】
なお、図8では、図7に示した力率制御回路71を平均電流モード制御の自励型電源回路へ適用した場合を例に示したが、図6に示したようなピーク電流モード制御の自励型電源回路にも同様に適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、軽負荷時に、センス電流比較器をマイナス側にオフセット調整できるように構成した。これにより、軽負荷時において、センス電流比較器におけるプラス側の入力オフセット電圧がキャンセルされ、軽負荷時の力率を向上させることができる。
【0068】
また、本発明では、軽負荷時に、乗算器をプラス側にオフセット調整できるように構成した。これにより、軽負荷時において、乗算器の出力オフセット電圧がキャンセルされ、軽負荷時の力率を向上させることができる。
【0069】
また、本発明では、ゼロクロス入力信号を内蔵のタイマで監視し、出力が一定時間オフになっていてゼロクロス入力信号がローレベルである場合に、出力トランジスタをオンにするように構成した。これにより、起動用の外付け部品を必要とせず、また、出力状態の変化に迅速に対応できる電源回路の起動回路とすることができる。
【0070】
さらに、本発明では、直流出力電圧のフィードバック信号を監視するショート検出用比較器を備えたことにより、外部にショート検出回路が不要となり、外部部品を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した力率制御回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】センス電流比較器の例を示す回路図である。
【図3】センス電流比較器のオフセット調整時の入出力特性を示す図である。
【図4】オフセット調整電流生成用比較器の例を示す回路図である。
【図5】オフセット調整電流生成用比較器の入出力特性を示す図である。
【図6】自励型電源回路の構成例を示す回路図である。
【図7】本発明を適用した別の力率制御回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】自励型電源回路の構成例を示す回路図である。
【図9】乗算器の例を示す回路図である。
【図10】乗算器の入出力特性を示す図である。
【図11】オフセット調整時の乗算器特性を示す図である。
【図12】オフセット調整電流生成用比較器の例を示す回路図である。
【図13】オフセット調整電流生成用比較器の入出力特性を示す図である。
【符号の説明】
1 力率制御回路
2 誤差増幅器
3 乗算器
4 センス電流比較器
5 RSフリップフロップ
6 ORゲート
7 ANDゲート
8 駆動部
9 ゼロクロス入力用比較器
10 タイマ
11 オフセット調整電流生成用比較器
12 ショート検出用比較器
13 基準電圧部
71 力率制御回路
72 電圧誤差増幅器
73 乗算器
74 オフセット調整電流生成用比較器
75 電流誤差増幅器
76 過電流検出用比較器
77 RSフリップフロップ
78 インバータ
79 発振器
80 過電圧検出用比較器
81 オン・オフ制御部
82 基準電圧部
83 不足電圧ロックアウト部
84 定電流部
85 スイッチ部
86 PWM比較器
87 ANDゲート
88 駆動部

Claims (14)

  1. 全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路において、
    軽負荷時にオフセット調整電流を生成するオフセット調整電流生成手段と、
    前記交流入力電圧に比例した信号とスイッチング素子を流れる交流ライン電流の信号とを比較してリセット信号を生成するとともに、前記オフセット調整電流生成手段によって生成された前記オフセット調整電流を入力することによりオフセットをキャンセルする側に調整可能なセンス電流比較器と、
    を備え
    前記センス電流比較器は、差動入力回路と出力バッファ回路とを備え、前記差動入力回路の反転入力側の能動負荷と前記出力バッファ回路との接続点に前記オフセット調整電流を供給する入力端子を有することを特徴とする電源回路。
  2. 前記オフセット調整電流生成手段および前記センス電流比較器は、全波整流された前記交流入力電圧に対して、前記交流ライン電流の平均を正弦波に維持するとともに前記交流入力電圧と同相に維持する力率制御回路として集積化されていることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
  3. 前記オフセット調整電流生成手段は、直流出力電圧に比例したフィードバック信号を増幅する誤差増幅器の出力信号を監視し、前記誤差増幅器の出力信号が所定値以下となる軽負荷時に前記オフセット調整電流を生成することを特徴とする請求項1記載の電源回路。
  4. 前記オフセット調整電流生成手段は、ダイオード接続の能動負荷を持った差動入力回路と、前記差動入力回路の反転入力が所定の基準電圧を受ける非反転入力より低い場合に前記反転入力側の前記能動負荷から前記オフセット調整電流を出力するカレントミラー回路とを備えていることを特徴とする請求項3記載の電源回路。
  5. ゼロクロス入力信号を監視して前記ゼロクロス入力信号が所定時間ない場合に始動および再起動信号を発生するタイマと、前記スイッチング素子を駆動するためのオン・オフ信号を出力するRSフリップフロップの出力に設けられて前記タイマの始動および再起動信号との論理和信号を出力する論理和ゲートとを備えていることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
  6. フィードバック信号の入力を監視して前記フィードバック信号が所定値以下になった場合にショート検出信号を出力するショート検出回路と、前記ショート検出信号を受けて前記スイッチング素子を駆動するためのオン・オフ信号を遮断する論理積ゲートとを備えていることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
  7. 全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路において、
    軽負荷時にオフセット調整電流を生成するオフセット調整電流生成手段と、
    前記交流入力電圧に比例した信号とスイッチング素子を流れる交流ライン電流の信号とを比較してリセット信号を生成するとともに、前記オフセット調整電流生成手段によって生成された前記オフセット調整電流を入力することによりオフセットをキャンセルする側に調整可能なセンス電流比較器と、
    ゼロクロス入力信号を監視して前記ゼロクロス入力信号が所定時間ない場合に始動および再起動信号を発生するタイマと、
    前記スイッチング素子を駆動するためのオン・オフ信号を出力するRSフリップフロップの出力に設けられて前記タイマの始動および再起動信号との論理和信号を出力する論理和ゲートと、
    フィードバック信号の入力を監視して前記フィードバック信号が所定値以下になった場合にショート検出信号を出力するショート検出回路と、
    前記ショート検出信号を受けて前記スイッチング素子を駆動するためのオン・オフ信号を遮断する論理積ゲートと、
    を備えていることを特徴とする電源回路。
  8. 前記オフセット調整電流生成手段、前記センス電流比較器、前記タイマ、前記論理和ゲート、前記ショート検出回路、および前記論理積ゲートは、全波整流された前記交流入力電圧に対して、前記交流ライン電流の平均を正弦波に維持するとともに前記交流入力電圧と同相に維持する力率制御回路として集積化されていることを特徴とする請求項7記載の電源回路。
  9. 全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路において、
    軽負荷時にオフセット調整電流を生成し、リアクトルに流れる電流の基準信号を作り出す乗算器に注入して、前記乗算器の出力オフセット電圧をキャンセルするオフセット調整電流生成手段を備え、
    前記乗算器は、基準電圧と直流出力電圧に比例したフィードバック信号を増幅する電圧誤差増幅器の出力信号とを比較する第1の差動入力回路と、前記交流入力電圧に比例した信号とグランドレベルとを比較する第2の差動入力回路と、前記第1の差動入力回路および前記第2の差動入力回路の比較結果を乗算してシングルエンド出力に変換する変換回路と、前記変換回路の出力を電流信号として取り出す第1のカレントミラー回路と、前記オフセット調整電流生成手段からのオフセット調整電流を受ける第2のカレントミラー回路と、前記第1および第2のカレントミラー回路の出力電流を加算する抵抗回路とを有することを特徴とする電源回路。
  10. 前記オフセット調整電流生成手段は、全波整流された前記交流入力電圧に対して、スイッチング素子を流れる交流ライン電流の平均を正弦波に維持するとともに前記交流入力電圧と同相に維持する力率制御回路として集積化されていることを特徴とする請求項9記載の電源回路。
  11. 前記オフセット調整電流生成手段は、前記電圧誤差増幅器の出力信号を監視し、前記電圧誤差増幅器の出力信号が所定値以下となる軽負荷時に前記オフセット調整電流を生成することを特徴とする請求項9記載の電源回路。
  12. 前記オフセット調整電流生成手段は、反転入力に前記電圧誤差増幅器の出力信号を受け、非反転入力に前記所定値の基準電圧を受ける差動入力回路と、前記差動入力回路の前記反転入力側の能動負荷に接続されて前記電圧誤差増幅器の出力信号が前記基準電圧の所定値より低い場合に前記オフセット調整電流を出力するカレントミラー回路とを備えていることを特徴とする請求項11記載の電源回路。
  13. 全波整流された交流入力電圧をスイッチングして所望の直流電圧を得る電源回路において、
    前記所望の直流電圧に対応する基準電圧と比較して直流出力電圧に比例した電圧を監視する電圧誤差増幅器と、
    前記電圧誤差増幅器の出力信号および前記交流入力電圧に比例した信号を乗算する乗算器と、
    前記電圧誤差増幅器の出力信号が所定値以上となる軽負荷時に前記乗算器の出力オフセット電圧をキャンセルするようなオフセット調整電流を生成するオフセット調整電流生成用比較器と、
    前記乗算器の出力信号を基準信号としてスイッチング素子を流れる交流ライン電流との差を出力する電流誤差増幅器と、
    スイッチング用の発振信号を出力する発振器と、
    前記発振信号と前記電流誤差増幅器の出力信号とを比較してパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調比較器と、
    前記パルス幅変調信号をスイッチング素子へ出力する駆動部と、
    前記交流ライン電流に対応した電圧信号を所定の基準電圧と比較して過電流状態を検出する過電流検出用比較器と、
    直流出力電圧に比例した電圧信号を所定の基準電圧と比較して過電圧状態を検出する過電圧検出用比較器と、
    前記過電流検出用比較器および前記過電圧検出用比較器の検出信号を受けて保持するRSフリップフロップと、
    電源の有効な値以下の状態を検出する不足電圧ロックアウト部と、
    外部信号によりオン・オフ動作状態を制御するオン・オフ制御部と、
    前記パルス幅変調比較器と前記駆動部との間に配置されて前記RSフリップフロップ、前記不足電圧ロックアウト部および前記オン・オフ制御部の出力信号によって前記パルス幅変調信号を無効にするように制御する論理積ゲートと、
    を備え、
    前記乗算器は、基準電圧と前記電圧誤差増幅器の出力信号とを比較する第1の差動入力回路と、前記交流入力電圧に比例した信号とグランドレベルとを比較する第2の差動入力回路と、前記第1の差動入力回路および前記第2の差動入力回路の比較結果を乗算してシングルエンド出力に変換する変換回路と、前記変換回路の出力を電流信号として取り出す第1のカレントミラー回路と、前記オフセット調整電流生成用比較器からのオフセット調整電流を受ける第2のカレントミラー回路と、前記第1および第2のカレントミラー回路の出力電流を加算する抵抗回路とを有することを特徴とする電源回路。
  14. 前記電圧誤差増幅器、前記乗算器、前記オフセット調整電流生成用比較器、前記電流誤差増幅器、前記発振器、前記パルス幅変調比較器、前記駆動部、前記過電流検出用比較器、前記過電圧検出用比較器、前記RSフリップフロップ、前記不足電圧ロックアウト部、前記オン・オフ制御部、および前記論理積ゲートは、全波整流された前記交流入力電圧に対して、前記交流ライン電流の平均を正弦波に維持するとともに前記交流入力電圧と同相に維持する力率制御回路として集積化されていることを特徴とする請求項13記載の電源回路。
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