JP2004194394A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過負荷時など負荷の変動時にも、その負荷変動に対して、広範囲にかつ素速く対応できる良好なフの字保護特性が得られ、回路部品を、過電流による破壊から確実に保護することができるスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】過負荷時に出力電圧VoとVCCが低下することを利用して、過負荷時に、出力電圧VoおよびVCCの低下を検出し、クランプ電圧可変回路13により、発振周波数およびスイッチング素子1の最大電流値を小さくすることによって、出力電流および出力電圧に対してフの字特性を持たせ、過負荷による過電流の発生を抑え、さらに、VCC低下時には、ダミー負荷回路15が導通することで、VCCの低下速度が速くなり、負荷変動時の応答性を速くすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源装置であり出力特性として定電流垂下特性を持つスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば充電器用の電源装置として、負荷の変動に対して良好な出力特性である定電流垂下特性を有するスイッチング電源装置が、広く利用されている。
【0003】
以上のような従来のスイッチング電源装置(例えば、特許文献1を参照)について、図面を参照しながら以下に説明する。
図5は従来の充電器用のスイッチング電源装置の一構成例を示す回路図である。図5において、130はスイッチング電源制御用の半導体装置であり、スイッチング素子101とその制御回路から構成されている。
【0004】
半導体装置130は、外部入力端子として、スイッチング素子101の入力端子(DRAIN)、補助電源電圧入力端子(VCC)、内部回路電源端子(VDD)、フィードバック信号入力端子(FB)、過電流保護値可変端子(CL)、スイッチング素子101の出力端子および制御回路のGND端子(GND)の6端子を備えている。
【0005】
102は半導体装置130の内部回路電源を供給するためのレギュレータで、起動電流をVCCへ流すためのスイッチ102Aと、起動電流をVDDへ流すためのスイッチ102Bと、VCCからVDDへ電流を供給するためのスイッチ102Cとを備えている。103は、起動用の回路電流を供給するための起動用定電流源であり、起動時に、スイッチ102Aを介してVCCへ起動電流を供給する。また、起動後に、VCCが一定電圧以下のときは、スイッチ102Bを介してVDDへ回路電流を供給する。
【0006】
107は半導体装置130の起動/停止を制御するための起動/停止回路であり、VDDの電圧を検出し、VDDが一定以下のときは、スイッチング素子101のスイッチング動作を停止させる信号を、NAND回路105へ出力する。
【0007】
106はスイッチング素子101に流れる電流を検出するためのドレイン電流検出回路であり、検出した電流を電圧信号に変換して、比較器108へ信号を出力する。111はフィードバック信号制御回路であり、FB端子に入力される電流信号を電圧信号に変換して、比較器108へ信号を出力する。比較器108は、フィードバック信号制御回路111からの出力信号と、ドレイン電流検出回路106からの出力信号が等しくなったときに、RSフリップフロップ回路110のリセット端子(R)へ信号を出力する。
【0008】
112はフィードバック信号制御回路111の出力信号の最大値を決めるためのクランプ回路で、これがスイッチング素子101に流れる電流の最大値を決定し、スイッチング素子101の過電流保護として機能する。
【0009】
113はクランプ回路112のクランプ電圧値を変化させるためのクランプ電圧可変回路であり、CL端子からP型MOSFET114を通って流れ込む電流が増加すると、クランプ回路112によるクランプ電圧が上昇する。すなわち、CL端子に流れ込む電流が大きくなると、スイッチング素子101の過電流保護レベルが上昇する。また、CL端子からP型MOSFET114を通って流れ込む電流が一定値以下になると、発振周波数低下信号を発振回路109へ出力する。
【0010】
P型MOSFET114は、CL端子からクランプ電圧可変回路113へ電流を流し、CL端子の電圧を一定値に固定するための素子であり、そのドレインがクランプ回路112と接続され、そのゲートは基準電圧源と接続され、そのソースはCL端子と接続されている。
【0011】
109は発振回路であり、スイッチング素子101の最大デューティサイクルを決める最大デューティサイクル信号109Aと、スイッチング素子101の発振周波数を決めるクロック信号109Bを出力する。また、クランプ電圧可変回路113から発振周波数低下信号が入力されると、発振周波数が小さくなる。最大デューティサイクル信号109Aは、NAND回路105へ入力され、クロック信号109Bは、RSフリップフロップ回路110のセット端子へ入力される。
【0012】
NAND回路105へは、起動/停止回路107の出力信号と、最大デューティサイクル信号109Aと、RSフリップフロップ回路110の出力信号(Q)が入力される。NAND回路105の出力信号は、ゲートドライバ104へ入力され、スイッチング素子101のスイッチング動作を制御する。
【0013】
140はトランスであり、1次巻線140Aと、2次巻線140Bと、補助巻線140Cを有している。補助巻線140Cには、ダイオード131とコンデンサ132とで構成される整流平滑回路が接続され、半導体装置130の補助電源部として活用され、VCCへ入力される。
【0014】
133はVDDの安定化用コンデンサである。135は制御信号を2次側から1次側へ伝達するための制御信号伝達回路であり、フォトトランジスタ135Aと、フォトダイオード135Bから構成される。フォトトランジスタ135Aのコレクタは、VDDと接続され、フォトトランジスタ135Aのエミッタは、FBと接続される。VCCとCLの間には、抵抗134が接続され、VCCの電圧に応じた電流が、CL端子へ流れ込む。
【0015】
2次巻線140Bには、ダイオード150とコンデンサ151とで構成される整流平滑回路が接続され、負荷155へ接続される。2次側制御回路156は、定電圧制御回路157と定電流制御回路158とからなり、定電圧制御回路157は、2次側出力電圧VOの検出抵抗152および153で分圧された電圧を入力し、2次側出力電圧VOが一定になるように、フォトダイオード135Bに流れる電流を制御する。定電流制御回路158は、出力電流検出抵抗154に流れる電流が一定以上になると動作し、出力電流IOが定電流になるように、フォトダイオード135Bに流れる電流を制御する。
【0016】
以上のように構成されたスイッチング電源装置について、その動作を図面を用いて以下に説明する。
図7は図5の各部の動作波形を説明したタイムチャートである。図7に示すように、電源が投入されると、装置の入力端子には、たとえば商用の交流電源が整流平滑されてつくられる直流電圧VINが入力される。直流電圧VINは、トランス140の1次巻線140Aを介して、半導体装置130のDRAIN端子に印加される。
【0017】
そして、起動用定電流源103で作られる起動電流が流れ、レギュレータ102内のスイッチ102Aを介して、コンデンサ132を充電し、VCCの電圧が上昇する。また、レギュレータ102内のスイッチ102Cは、VDDが一定電圧になるように動作するため、起動電流の一部は、スイッチ102Cを介してVDDに接続されたコンデンサ133を充電し、VDDの電圧も上昇する。
【0018】
レギュレータ102内のスイッチ102Bは、起動後の状態において、起動直後や過負荷時など、VCC電圧が一定値(VCC_UV)以下のときに、スイッチング動作(IDSが流れている状態)のオフ期間中に導通し、VCC電圧が不足してもVDDが低下しないようにしている。
【0019】
VCCおよびVDDが上昇し、VDDが起動/停止回路107で設定された起動電圧(VDD_UV)に達すると、発振が開始しスイッチング素子101のスイッチング(IDSのスイッチング)動作が開始される。このとき、同時にレギュレータ102内のスイッチ102Aがオフとなるため、VCCへの起動電流供給は停止する。スイッチング動作が開始されると、トランス140の各巻線にエネルギーが供給されるようになり、2次巻線140B、補助巻線140Cに電流が流れ、VCCが起動する。
【0020】
2次巻線140Bに流れる電流は、ダイオード150とコンデンサ151により整流平滑されて、直流電力となり、負荷155に電力を供給する。スイッチング動作が繰り返されることで、出力電圧VOが徐々に上昇し、出力電圧検出抵抗152および153で設定された電圧に達すると、定電圧制御回路157からの信号により、フォトダイオード135Bに流れる電流が増加する。そして、フォトトランジスタ135Aに流れる電流が増加し、FB端子に流れ込む電流も増加する。FB端子電流が増加すると、比較器108に入力される電圧が低下するため、起動が完了しスイッチング素子101に流れるドレイン電流IDSが小さくなる。このような負帰還がかかることで、出力電圧VOは安定化される。
【0021】
補助巻線140Cに流れる電流は、ダイオード131とコンデンサ132により整流平滑されて、半導体装置130の補助電源として活用され、VCC端子に電流を供給する。VDDが一度起動電圧に達すると、レギュレータ102内のスイッチ102Aはオフとなるため、起動後の半導体装置の電流は、補助巻線140Cから供給されるようになる。
【0022】
補助巻線140Cの極性は、2次巻線140Bと同一のため、VCCは出力電圧VOに比例した電圧となる。ただし、VCCの電圧が一定値(VCC_UV)以下のときは、レギュレータ102内のスイッチ102Bが導通可能となるため、このときは、起動電流がスイッチ102Bを介してVDDに供給されることで、VDDが安定化される。
【0023】
出力電圧VOが安定化された後、負荷155に流れる出力電流IOを増加させ、出力電流検出抵抗154に流れる電流が一定値に達すると、定電流制御回路158が動作し、フォトダイオード135Bに流れる電流を増加させる。そして、フォトトランジスタ135Aに流れる電流が増加し、FB端子に流れ込む電流も増加する。FB端子電流が増加すると、比較器108に入力される電圧が低下するため、スイッチング素子101に流れるドレイン電流IDSが小さくなる。
【0024】
このような負帰還がかかることで、出力電流IOが一定になるように制御される。そのため、ある一定以上の負荷電流になると、出力電流IOは一定で、出力電圧VOが低下するといった定電流垂下特性となる。
【0025】
さらに負荷をとると、出力電圧VOがさらに低下するが、このとき、補助電源電圧VCCも低下する。VCCが低下すると、それに伴い抵抗134を介してCL端子に流れ込む電流が減少する。すると、クランプ電圧可変回路113によって、クランプ回路112のクランプ電圧を減少させる。
【0026】
そのため、VCCが停止し、VOおよびVCCが低下するにつれて、スイッチング素子101の過電流保護値ILIMITが低下することになるため、ある出力電圧まで低下すると、ILIMIT動作が開始し、スイッチング素子101は過電流保護状態になり、出力の定電流垂下からはずれ、出力電流IOは垂下定電流値よりも小さくなる。さらに、発振周波数低下信号がクランプ電圧可変回路113から発振回路109へ出力されるため、発振周波数が低下し、出力電流は急速に小さくなるため、図5における出力電流電圧特性は図9のようになり、出力電圧VOがある電圧以下まで垂下すると、出力電流IOが絞られるようになるといった、いわゆるフの字特性となる。
【0027】
図6は従来のスイッチング電源装置を構成するスイッチング電源制御用の半導体装置の一構成例を示す回路図であり、図5における半導体装置130の内部回路を詳細に記載したもので、図中の符号は、図5のそれに相当するため、同一の構成要素についての説明は省略する。
【0028】
図6において、起動/停止回路107は、VCC用比較器107A、インバータ107Bおよび107D、AND回路107C、VDD用比較器107Eから構成される。VCC用比較器107Aは、VCCの電圧と基準電圧を比較し、インバータ107Bへ信号を出力する。VDD用比較器107Eは、VDDの電圧と基準電圧を比較し、NAND回路105、AND回路107Cおよびインバータ107Dへ信号を出力する。インバータ107Bは、AND回路107Cへ信号を出力する。AND回路107Cの出力により、スイッチ102Bが制御され、インバータ107Dの出力により、スイッチ102Aが制御される。
【0029】
このように構成された起動/停止回路107の動作について、以下に説明する。起動前は、VCC用比較器107Aの出力がローレベル、VDD用比較器107Eの出力がローレベルのため、レギュレータ102内のスイッチ102Aがオン、スイッチ102Bはオフとなる。従って、起動用定電流源103の起動電流は、スイッチ102Aを通ってVCCへ流れる。また、スイッチ102Cは、VDDが一定値になるように動作するため、起動時はスイッチ102Cを通ってVDDにも流れる。
【0030】
そして、VDDの電圧がVDD用比較器107Eにより設定されたVDD起動電圧に達すると、VDD用比較器107Eの出力はハイレベルとなり、スイッチング素子101のスイッチング動作が可能となるとともに、スイッチ102Aがオフとなる。起動後は、VCCの電圧がVCC用比較器107Aにより設定されたVCC起動電圧よりも高い場合は、VCC用比較器107Aの出力はハイレベルとなっているため、AND回路107Cの出力はローレベルとなり、スイッチ102Bはオフとなる。
【0031】
また、起動後のVCCの電圧が、VCC用比較器107Aにより設定されたVCC起動電圧よりも低い場合は、VCC用比較器107Aの出力はローレベルとなっているため、AND回路107Cの出力はハイレベルとなり、スイッチ102Bはオンとなる。従って、起動後のVDDの電流は、DRAINもしくはVCCのどちらからより供給されるため、起動直後や過負荷時にVCCが低下しても、半導体装置の動作は継続する。
【0032】
【特許文献1】
特開平6−149396号公報
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来のスイッチング電源装置では、以下のような問題点を有しており、図面を用いて説明する。
【0034】
一般的に、スイッチング電源装置には、負荷短絡時の保護機能が必要であり、負荷短絡状態が続いても、スイッチング電源装置の構成部品が発熱したり破壊したりしないように、負荷短絡電流を極力小さくすることが望まれる。そのため、負荷短絡時の出力電流を小さく抑えるための保護回路が備わっている。
【0035】
図5のような従来のスイッチング電源装置には、負荷短絡状態をVCC電圧で検出し、スイッチング素子の過電流保護値と発振周波数を小さく抑えることで、負荷短絡時の出力電流を小さくすることができるが、過負荷時にVCC電圧が一定値まで低下すると、制御回路への電流供給がDRAINに切り替わるため、この電圧を境界として、VCCの負荷が軽くなるため、VCCの低下が遅くなり、過電流保護値の低下も遅くなる。
【0036】
従って、図8(b)に示すように、負荷短絡の瞬間には、ドレイン電流が過電流保護値の最大値まで伸びて、VCCが一瞬上昇してから徐々に低下するが、途中からVCCの低下が遅くなるため、過電流保護値の低下も遅くなり、場合によっては、VCCの低下と過電流保護値の低下が釣り合ってしまい、VCCと過電流保護値が安定してしまうことがある。
【0037】
この場合、図10に示すように、本来のフの字保護特性が得られずに、負荷短絡電流が大きくなってしまうという問題点を有していた。
また、起動開始時のVCC電圧は、半導体装置への電流供給がDRAIN側からに切り替わる電圧と等しいため、この電圧よりも高い電圧でフの字保護に入るような設定にすると、起動開始時の過電流保護値が小さくなるため、2次側へ十分な電力を供給できず、起動できなくなるという問題点も有していた。
【0038】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、フの字保護に入る電圧設定に関係なくスムーズに起動することができるとともに、過負荷時など負荷の変動時にも、その負荷変動に対して、広範囲にかつ素速く対応できる良好なフの字保護特性が得られ、過電流による回路部品の劣化を防止することができ、特に負荷短絡による過負時にも、スイッチング素子を含む回路部品を、過電流による破壊から確実に保護することができるスイッチング電源装置を提供する。
【0039】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスイッチング電源装置は、1次巻線と2次巻線と補助巻線とを有するトランスと、前記1次巻線に供給される第1の直流電圧を、スイッチング制御端子へのスイッチング制御信号によりオンオフしてスイッチングするスイッチング素子と、前記第1の直流電圧のスイッチングにより前記2次巻線に発生する2次側交流電圧を整流および平滑化して第2の直流電圧を出力電圧として生成する出力電圧生成回路と、前記第2の直流電圧を安定化制御する出力電圧制御回路と、前記スイッチング素子に対して、そのスイッチング制御端子へ前記スイッチング制御信号を供給して前記第1の直流電圧のスイッチングを制御する制御回路と、前記出力電圧制御回路により安定化制御された電圧信号を、前記制御回路による前記第1の直流電圧のスイッチングを制御するための信号として前記制御回路に伝達する制御信号伝達回路と、前記第1の直流電圧のスイッチングにより前記補助巻線に発生する補助側交流電圧を整流および平滑化して前記制御回路の補助電源電圧を生成する補助電源電圧生成回路とからなり、前記制御回路に、前記第1の直流電圧および前記補助電源電圧から前記制御回路で使用する各種電源電圧を生成するレギュレータと、前記スイッチング制御信号を生成するための発振器と、前記スイッチング素子を流れる電流を検出して素子電流検出信号として出力する電流検出回路と、前記制御信号伝達回路からの制御信号をフィードバック信号として出力するフィードバック信号制御回路と、前記素子電流検出信号と前記フィードバック信号とを比較し、その比較結果信号を出力する比較器と、前記比較器からの比較結果信号に基づいて、前記スイッチング制御信号の電流量及び出力を制御するスイッチング信号制御回路と、前記比較器による比較時の前記素子電流検出信号の最大値をクランプするクランプ回路と、前記クランプ回路によるクランプ電圧を前記補助電源電圧の電圧値に応じて可変するとともに、そのクランプ電圧が一定値よりも低い場合には、前記発振器の発振周波数を低くするための発振周波数低下信号を前記発振器に供給するクランプ電圧可変回路と、前記補助電源電圧に接続されたダミー負荷回路とを設け、前記ダミー負荷回路は、前記補助電源電圧が一定電圧以下になった時に導通するよう構成したことを特徴とする。
【0040】
以上により、過負荷時に補助電源電圧が一定電圧以下になると、ダミー負荷回路が導通するため、補助電源電圧の低下が早くなり、過負荷時への応答性を改善することができる。
【0041】
また、本発明の請求項2に記載のスイッチング電源装置は、請求項1に記載のスイッチング電源装置であって、前記レギュレータは、起動時には前記補助電源電圧が一定値になるまで前記第1の直流電圧から前記補助電源電圧生成回路へ電源を供給し、起動後は前記補助電源電圧から前記制御回路へ電源を供給し、かつ前記補助電源電圧が一定値よりも低い場合には、前記第1の直流電圧から前記制御回路へ電源を供給するよう構成したことを特徴とする。
【0042】
以上により、過負荷時に補助電源電圧が低下しても、制御回路の電源は供給されるため、安定して動作を続けることができ、起動時の補助電源電圧が高く設定されるため、過負荷時のフの字保護動作の設定範囲を広くとることができる。
【0043】
また、本発明の請求項3に記載のスイッチング電源装置は、請求項1または請求項2に記載のスイッチング電源装置であって、前記クランプ電圧可変回路は、前記クランプ電圧を、前記補助電源電圧の電圧値が低くなるほど前記クランプ電圧が小さくなるように、可変するよう構成したことを特徴とする。
【0044】
以上により、補助電源電圧が低くなるにつれて、スイッチング素子の過電流保護値が小さくなるため、負荷短絡時の過電流保護値が小さくなり、負荷短絡時の出力電流を小さくすることができる。
【0045】
また、本発明の請求項4に記載のスイッチング電源装置は、請求項1または請求項2に記載のスイッチング電源装置であって、前記クランプ電圧可変回路は、前記クランプ電圧を、前記発振周波数低下信号を出力するまでは最大値に固定し、前記発振周波数低下信号を出力すると同時に、前記補助電源電圧の電圧値が低くなるほど前記クランプ電圧が小さくなるように、可変するよう構成したことを特徴とする。
【0046】
以上により、出力電圧の垂下時には、発振周波数が小さくなってからスイッチング素子の過電流保護値が小さくなるため、出力電流が小さくなりはじめるポイントが過電流保護値のばらつきに影響しなくなるため、設定を容易化することができる。
【0047】
また、本発明の請求項5に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記クランプ電圧可変回路は、前記クランプ電圧を、その最小値が最大値の10%程度になるように、可変するよう構成したことを特徴とする。
【0048】
また、本発明の請求項6に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記発振器は、その発振周波数を、前記発振周波数低下信号が入力された場合には通常時の略1/5程度とするよう構成したことを特徴とする。
【0049】
以上により、負荷短絡時の出力電流を十分に小さくすることができる。
また、本発明の請求項7に記載のスイッチング電源装置は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスイッチング電源装置であって、前記スイッチング素子と前記制御回路は、同一半導体基板上に形成し、前記第1の直流電圧と前記スイッチング素子間の2つの接続端子と、前記制御回路と前記補助電源電圧間の接続端子と、前記制御回路からの電源電圧出力端子と、前記制御回路への前記フィードバック信号の入力端子と、前記クランプ電圧可変回路への前記補助電源電圧の入力端子とを有する半導体装置として構成したことを特徴とする。
【0050】
以上により、回路を構成するための部品点数を削減することができ、容易に小型化および軽量化を行うことができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示すスイッチング電源装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0052】
図1は本実施の形態のスイッチング電源装置の一構成例を示すブロック図である。図1において、30はスイッチング電源装置制御用の半導体装置であり、スイッチング素子1とその制御回路から構成されている。
【0053】
半導体装置30は、外部入力端子として、スイッチング素子1の入力端子(DRAIN)、補助電源電圧入力端子(VCC)、内部回路電源端子(VDD)、フィードバック信号入力端子(FB)、過電流保護値可変端子(CL)、スイッチング素子1の出力端子でもある制御回路のGND端子(GND)の6端子を備えている。
【0054】
2は半導体装置30の内部回路用の電源を供給するためのレギュレータで、起動電流をVCCへ流すためのスイッチ2Aと、起動電流をVDDへ流すためのスイッチ2Bと、VCCからVDDへ電流を供給するためのスイッチ2Cとを備えている。
【0055】
3は起動用の回路電流を供給するための起動用定電流源であり、起動時にスイッチ2Aを介してVCCへ起動電流を供給する。また、起動後にVCCが一定電圧以下のときは、スイッチ2Bを介してVDDへ回路電流を供給する。
【0056】
7は半導体装置30の起動および停止を制御するための起動/停止回路であり、VDDの電圧を検出し、VDDが一定以下のときは、スイッチング素子1のスイッチング動作を停止させる信号を、NAND回路5へ出力する。また、VDDが一定電圧に達した後も、VCCが一定電圧に達するまでは、スイッチ2Aをオンさせる信号をレギュレータ2へ出力し、DRAINからVCCへ起動電流を流す。
【0057】
15はダミー負荷回路であり、VCCとGNDの間に接続され、起動/停止回路7からの信号により、スイッチ2Bがオンの間、VCCに擬似的にダミー負荷を与える。
【0058】
6はスイッチング素子1に流れる電流を検出するためのドレイン電流検出回路であり、検出した電流を電圧信号に変換して、素子電流検出信号として比較器8のプラス端子(+端子)へ信号を出力する。11はフィードバック信号制御回路であり、FB端子に入力される電流信号を電圧信号に変換して、比較器8のマイナス端子(−端子)へ信号を出力する。
【0059】
比較器8は、フィードバック信号制御回路11からの出力信号と、ドレイン電流検出回路6からの出力信号が等しくなったときに、RSフリップフロップ回路10のリセット端子(R)へ信号を出力する。
【0060】
12はフィードバック信号制御回路11の出力信号の最大値を決めるためのクランプ回路で、これがスイッチング素子1に流れる電流の最大値を決定し、スイッチング素子1の過電流保護として機能する。
【0061】
13はクランプ回路12のクランプ電圧値を変化させるためのクランプ電圧可変回路であり、CL端子からP型MOSFET14を通って流れ込む電流が、増加すると、クランプ電圧可変回路13により、クランプ電圧が上昇する。すなわち、CL端子に流れ込む電流が大きくなると、スイッチング素子1の過電流保護レベルが上昇する。また、CL端子からP型MOSFET14を通って流れ込む電流が一定値以下になると、発振周波数低下信号を発振回路9へ出力する。
【0062】
P型MOSFET14は、CL端子からクランプ電圧可変回路13へ電流を流し、CL端子の電圧を一定値に固定するため素子であり、そのドレインがクランプ電圧可変回路13と接続され、そのゲートは基準電圧源と接続され、そのソースはCL端子と接続されている。
【0063】
9は発振回路であり、スイッチング素子1の最大デューティサイクルを決める最大デューティサイクル信号9Aと、スイッチング素子1の発振周波数を決めるクロック信号9Bを出力する。また、クランプ電圧可変回路13から発振周波数低下信号が入力されると、発振周波数が小さくなる。最大デューティサイクル信号9AはNAND回路5へ入力され、クロック信号9BはRSフリップフロップ回路10のセット端子(S)へ入力される。
【0064】
NAND回路5へは、起動/停止回路7の出力信号と、最大デューティサイクル信号9Aと、RSフリップフロップ回路10の端子Qからの出力信号が入力される。NAND回路5の出力信号は、ゲートドライバ4へ入力され、スイッチング素子1のスイッチング動作を制御する。
【0065】
40はトランスであり、1次巻線40Aと、2次巻線40Bと、補助巻線40Cを有している。補助巻線40Cには、ダイオード31とコンデンサ32とで構成される整流平滑回路が接続され、半導体装置30の補助電源部として活用されVCCへ入力される。33はVDDの安定化用コンデンサである。
【0066】
35は制御信号を電源の出力電圧を取り出す2次側から1次側へ伝達するための制御信号伝達回路であり、フォトトランジスタ35Aと、フォトダイオード35Bとから構成される。フォトトランジスタ35Aのコレクタは、VDDと接続され、フォトトランジスタ35Aのエミッタは、FBと接続される。VCCとCLの間には、抵抗34が接続され、VCCの電圧に応じた電流が、CL端子へ流れ込む。
【0067】
2次巻線40Bには、ダイオード50とコンデンサ51とで構成される整流平滑回路が接続され、負荷55へ接続される。2次側制御回路56は、定電圧制御回路57と定電流制御回路58とから成り、定電圧制御回路57は、2次側出力電圧VOの検出抵抗52および53で分圧された電圧を入力し、2次側出力電圧VOが一定になるように、フォトダイオード35Bに流れる電流を制御する。定電流制御回路58は、出力電流検出抵抗54に流れる電流が一定以上になると動作し、出力電流IOが定電流になるように、フォトダイオード35Bに流れる電流を制御する。
【0068】
以上のように構成されたスイッチング電源装置について、その動作を図面を用いて以下に説明する。
図4は図1の各部の動作波形を説明したタイムチャートである。図4に示すように、電源が投入されると、装置の入力端子には、たとえば商用の交流電源が整流平滑されてつくられる直流電圧VINが入力される。直流電圧VINは、トランス40の1次巻線40Aを介して、半導体装置30のDRAIN端子に印加される。
【0069】
そして、起動用定電流源3で作られる起動電流が流れ、レギュレータ2内のスイッチ2Aを介して、コンデンサ32を充電し、VCCの電圧が上昇する。また、レギュレータ2内のスイッチ2Cは、VDDが一定電圧になるように動作するため、起動電流の一部は、スイッチ2Cを介してVDDに接続されたコンデンサ33を充電し、VDDの電圧も上昇する。
【0070】
レギュレータ2内のスイッチ2Bは、起動後の状態において、起動直後や過負荷時など、VCC電圧が一定値(VCC_UV)以下のときに、スイッチング動作(IDSが流れている状態)のオフ期間中に導通し、VCC電圧が不足してもVDDが低下しないようにしている。
【0071】
VCCおよびVDDが上昇し、VDDが起動/停止回路7で設定された起動電圧(VDD_UV)に達すると、発振が開始しスイッチング素子1のスイッチング(IDSのスイッチング)動作が開始されるが、レギュレータ102内のスイッチ2Aは、VCCが設定電圧になるまではオンとなるため、起動開始時のVCCは設定電圧まで上昇し、設定電圧に達した後にオフとなり、VCCへの起動電流供給は停止する。スイッチング動作が開始されると、トランス40の各巻線にエネルギーが供給されるようになり、2次巻線40B、補助巻線40Cに電流が流れる。
【0072】
2次巻線40Bに流れる電流は、ダイオード50とコンデンサ51により整流平滑されて、直流電力となり、負荷55に電力を供給する。スイッチング動作が繰り返されることで、出力電圧VOが徐々に上昇し、出力電圧検出抵抗52および53で設定された電圧に達すると、定電圧制御回路57からの信号により、フォトダイオード35Bに流れる電流が増加する。そして、フォトトランジスタ35Aに流れる電流が増加し、FB端子に流れ込む電流も増加する。FB端子電流が増加すると、比較器8に入力される電圧が低下するため、起動が完了しスイッチング素子1に流れるドレイン電流IDSが小さくなる。このような負帰還がかかることで、出力電圧VOは安定化される。
【0073】
補助巻線40Cに流れる電流は、ダイオード31とコンデンサ32により整流平滑されて、半導体装置30の補助電源として活用され、VCC端子に電流を供給する。VDDが一度起動電圧に達すると、スイッチング素子1の発振動作が開始され、その後、さらにVCCが上昇して設定電圧に達すると、レギュレータ2内のスイッチ2Aはオフとなるため、起動後の半導体装置30の電流は、補助巻線40Cから供給されるようになる。
【0074】
補助巻線40Cの極性は、2次巻線40Bと同一のため、VCCは出力電圧VOに比例した電圧となる。ただし、VCCの電圧が一定値(VCC_UV)以下のときは、レギュレータ2内のスイッチ2Bが導通可能となるため、このときは起動電流がスイッチ2Bを介してVDDに供給されることで、VDDが安定化される。
【0075】
出力電圧VOが安定化された後、負荷55に流れる出力電流IOを増加させ、出力電流検出抵抗54に流れる電流が一定値に達すると、定電流制御回路58が動作し、フォトダイオード35Bに流れる電流を増加させる。そして、フォトトランジスタ35Aに流れる電流が増加し、FB端子に流れ込む電流も増加する。FB端子電流が増加すると、比較器8に入力される電圧が低下するため、スイッチング素子1に流れるドレイン電流IDSが小さくなる。
【0076】
このような負帰還がかかることで、出力電流IOが一定になるように制御される。そのため、ある一定以上の負荷電流になると、出力電流IOは一定で、出力電圧VOが低下するといった定電流垂下特性となる。
【0077】
さらに負荷をとると、出力電圧VOがさらに低下するが、このとき、補助巻線電圧VCCも低下する。VCCが低下すると、それに伴い抵抗34を介してCL端子に流れ込む電流が減少する。すると、クランプ電圧可変回路13によって、クランプ回路12のクランプ電圧を減少させる。
【0078】
そのため、VCCが停止し、VOおよびVCCが低下するにつれて、スイッチング素子1の過電流保護値ILIMITが低下することになるため、ある出力電圧まで低下すると、ILIMIT動作が開始し、スイッチング素子1は過電流保護状態になり、出力の定電流垂下からはずれ、出力電流IOは垂下定電流値よりも小さくなる。さらに、発振周波数低下信号がクランプ電圧可変回路13から発振回路9へ出力されるため、発振周波数が低下し、出力電流は急速に小さくなるため、図1における出力電流電圧特性は図9のようになり、出力電圧VOがある電圧以下まで垂下すると、出力電流IOが絞られるようになるといった、いわゆるフの字特性となる。
【0079】
ここで、過負荷時にVCCが低下し、VCCが起動/停止回路7で設定された電圧まで低下すると、レギュレータ2内のスイッチ2Bが導通し、DRAINからVDDへの電流供給が行われるようになるため、VCCの負荷が軽くなるが、この時スイッチ2Bのオンオフのタイミングと同期して、ダミー負荷回路15がオンオフするため、図8(a)に示すように、VCCが設定電圧(VCC_UV)以下まで低下しても、そのVCCの低下速度は変化せず、一定のままで低下を続ける。
【0080】
図2は本実施の形態のスイッチング電源装置を構成するスイッチング電源制御用の半導体装置の一構成例を示す回路図である。図2は図1における半導体装置30の内部回路を詳細にしたもので、図中の符号は図1のそれに相当するため、同一の構成要素についての説明は省略する。図2において、起動/停止回路7は、VCC用比較器7A、インバータ7Bおよび7D、AND回路7C、VDD用比較器7E、RSフリップフロップ回路7F、OR回路7G、NAND回路7Hから構成される。
VCC用比較器7Aは、VCCの電圧と基準電圧(VCC_UV)を比較し、インバータ7BとRSフリップフロップ回路7Fのセット端子(S)へ信号を出力する。VDD用比較器7Eは、VDDの電圧と基準電圧(VDD_UV)を比較し、NAND回路5、AND回路7C、インバータ7DおよびNAND回路7Hへ信号を出力する。インバータ7Bは、AND回路7Cへ信号を出力する。インバータ7Dは、RSフリップフロップ回路7Fのリセット端子(R)へ信号を出力する。OR回路7Gは、RSフリップフロップ回路7FのQ端子からの出力信号と、ゲートドライバ4の出力信号とを入力し、NAND回路7Hへ信号を出力する。AND回路7Cの出力により、スイッチ2Bが制御され、NAND回路7Hの出力により、スイッチ2Aが制御される。また、NAND回路7Cの出力は、ダミー負荷回路15を制御する。
【0081】
このように構成された起動/停止回路7について、その動作を以下に説明する。
起動前は、VCC用比較器7Aの出力がローレベル、VDD用比較器7Eの出力がローレベルのため、レギュレータ2内のスイッチ2Aがオン、スイッチ2Bはオフとなる。従って、起動用定電流源3の起動電流は、スイッチ2Aを通ってVCCへ流れる。また、スイッチ2Cは、VDDが一定値になるように動作するため、起動時はスイッチ2Cを通ってVDDにも流れる。そして、VDDの電圧がVDD用比較器7Eにより設定されたVDD起動電圧に達すると、VDD用比較器7Eの出力はハイレベルとなり、スイッチング素子1のスイッチング動作が可能となる。
【0082】
このときのVCCの電圧は、VCC用比較器7Aにより設定されたVCC起動電圧よりも低いため、フリップフロップ回路7Fの出力はローレベルである。従って、ゲートドライバ4の出力がローレベルの時、つまり、スイッチング素子1のオフ期間には、OR回路7Gの出力はローレベルとなるため、レギュレータ2Aはオンとなるため、起動開始後もVCCの電圧は上昇を続ける。そして、VCC用比較器7Aにより設定されたVCC起動電圧に達すると、フリップフロップ回路7Fへセット信号が入力されるため、OR回路7Gの出力はハイレベルとなり、スイッチ2Aはオフとなる。
【0083】
起動後に、VCCの電圧が、VCC用比較器7Aにより設定されたVCC起動電圧よりも低くなると、VCC用比較器7Aの出力はローレベルとなるため、AND回路7Cの出力はハイレベルとなり、スイッチ2Bはオンとなるため、DRAINからの電流によりVDDが一定に保持される。
【0084】
従って、起動後のVDDの電流はVCCから供給されるが、過負荷時にVCCが低下するとVDDの電流供給はDRAIN側からに切り替わるため、半導体装置の動作は継続する。
【0085】
図3(a)は、本実施の形態のスイッチング電源装置におけるダミー負荷回路15の一構成例を示す回路図である。図3(a)において、ダミー負荷回路15は、スイッチング素子15Aと、トランジスタ15Bと15Cとからなるミラー回路と、定電流源15Dとからなり、スイッチング素子15AのドレインはVCCと接続され、そのゲートがダミー負荷回路の入力端子であり、そのソースがミラー回路のトランジスタ15Bと接続されている。
【0086】
このように構成されたダミー負荷回路15について、その動作を以下に説明する。
レギュレータ2内のスイッチ2Bがオンすると、スイッチング素子15Aがオンする信号が入力されるため、トランジスタ15Bと15Cからなるミラー回路と定電流源15Dで設定された定電流がVCCとGNDの間に流れるようになる。従って、過負荷時にVCCが一定以下になると、DRAINからVDDへの電流供給がされている間、VCCにダミー電流が流れるため、VCCの低下速度が遅くなることはない。ここで、ダミー電流値が半導体装置30の全体の回路消費電流と等しくなるようにしておけば、過負荷時のVCCの低下速度は一定になる。
【0087】
図3(b)は本実施の形態のスイッチング電源装置におけるダミー負荷回路15の別の構成例を示す回路図である。図3(a)との違いは、抵抗15Eと15FによりVCCのダミー負荷電流値を設定しているところにあり、VCC低下後は、抵抗15Eと15Fとで決まる電流値がダミー電流となり、過負荷時のVCC低下速度を早くすることができる。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、負荷短絡時の出力電流を小さくすることができ、負荷急変時の応答性にも素速く対応可能な優れた負荷短絡保護機能を実現できるといった効果がある。
【0089】
また、起動開始時のVCC電圧は、半導体装置への電流供給がDRAIN端子側からに切り替わる電圧より高い電圧まで上昇するため、フの字保護に入る電圧をこの切り替わり電圧より高い電圧に設定しても、起動できなくなるといったことがなく、スイッチング電源の仕様に合わせて、フの字保護の設定幅を広くとることができるようになるといった効果もある。
【0090】
また、充電器用スイッチング電源装置に必要な2次側定電流制御回路を構成しても、負荷短絡時には過電流保護機能が動作し、負荷短絡電流を小さくすることができるため、2次側に部品追加が不要であり、また、スイッチング素子と制御回路については同一半導体内に設けて容易に単一化することができ、そのように主要な回路部品を単一半導体内に設けた場合には、回路を構成するための部品点数を削減することができ、電源装置として、容易に小型化および軽量化さらにコスト低減を実現することができるといった効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のスイッチング電源装置の一構成例を示すブロック図
【図2】同実施の形態のスイッチング電源装置における制御回路の一構成例を示すブロック図
【図3】同実施の形態のスイッチング電源装置におけるダミー負荷回路の一構成例を示す回路図
【図4】同実施の形態のスイッチング電源装置の動作を示すタイムチャート
【図5】従来のスイッチング電源装置の一構成例を示すブロック図
【図6】同従来例のスイッチング電源装置における制御回路の一構成例を示すブロック図
【図7】同従来例のスイッチング電源装置の動作を示すタイムチャート
【図8】本発明の実施の形態のスイッチング電源装置における負荷短絡時の動作を従来と比較して説明するためのタイムチャート
【図9】同実施の形態のスイッチング電源装置における出力電圧電流特性の説明図
【図10】従来のスイッチング電源装置における出力電圧電流特性の説明図
【符号の説明】
1 スイッチング素子
2 レギュレータ
2A、2B、2C スイッチ
3 起動用定電流源
4 ゲートドライバ
5 NAND回路
6 ドレイン電流検出回路
7 起動/停止回路
7A VCC用比較器
7B、7D インバータ
7C AND回路
7E VDD用比較器
7F RSフリップフロップ回路
7G OR回路
7H NAND回路
8 比較器
9 発振回路
9A 最大デューティサイクル信号
9B クロック信号
10 RSフリップフロップ回路
11 フィードバック信号制御回路
12 クランプ回路
13 クランプ電圧可変回路
14 P型MOSFET
15 ダミー負荷回路
15A スイッチング素子
15B、15C N型MOSFET
15D 定電流源
15E、15F 抵抗
30 スイッチング電源用半導体装置
31 ダイオード
32、33 コンデンサ
34 抵抗
35 制御信号伝達回路
35A フォトトランジスタ
35B フォトダイオード
40 トランス
40A 1次巻線
40B 2次巻線
40C 補助巻線
50 ダイオード
51 コンデンサ
52、53 出力電圧検出用抵抗
54 出力電流検出用抵抗
55 負荷
56 2次側制御回路
57 定電圧制御回路
58 定電流制御回路

Claims (7)

  1. 1次巻線と2次巻線と補助巻線とを有するトランスと、前記1次巻線に供給される第1の直流電圧を、スイッチング制御端子へのスイッチング制御信号によりオンオフしてスイッチングするスイッチング素子と、前記第1の直流電圧のスイッチングにより前記2次巻線に発生する2次側交流電圧を整流および平滑化して第2の直流電圧を出力電圧として生成する出力電圧生成回路と、前記第2の直流電圧を安定化制御する出力電圧制御回路と、前記スイッチング素子に対して、そのスイッチング制御端子へ前記スイッチング制御信号を供給して前記第1の直流電圧のスイッチングを制御する制御回路と、前記出力電圧制御回路により安定化制御された電圧信号を、前記制御回路による前記第1の直流電圧のスイッチングを制御するための信号として前記制御回路に伝達する制御信号伝達回路と、前記第1の直流電圧のスイッチングにより前記補助巻線に発生する補助側交流電圧を整流および平滑化して前記制御回路の補助電源電圧を生成する補助電源電圧生成回路とからなり、前記制御回路に、前記第1の直流電圧および前記補助電源電圧から前記制御回路で使用する各種電源電圧を生成するレギュレータと、前記スイッチング制御信号を生成するための発振器と、前記スイッチング素子を流れる電流を検出して素子電流検出信号として出力する電流検出回路と、前記制御信号伝達回路からの制御信号をフィードバック信号として出力するフィードバック信号制御回路と、前記素子電流検出信号と前記フィードバック信号とを比較し、その比較結果信号を出力する比較器と、前記比較器からの比較結果信号に基づいて、前記スイッチング制御信号の電流量及び出力を制御するスイッチング信号制御回路と、前記比較器による比較時の前記素子電流検出信号の最大値をクランプするクランプ回路と、前記クランプ回路によるクランプ電圧を前記補助電源電圧の電圧値に応じて可変するとともに、そのクランプ電圧が一定値よりも低い場合には、前記発振器の発振周波数を低くするための発振周波数低下信号を前記発振器に供給するクランプ電圧可変回路と、前記補助電源電圧に接続されたダミー負荷回路とを設け、前記ダミー負荷回路は、前記補助電源電圧が一定電圧以下になった時に導通するよう構成したことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記レギュレータは、起動時には前記補助電源電圧が一定値になるまで前記第1の直流電圧から前記補助電源電圧生成回路へ電源を供給し、起動後は前記補助電源電圧から前記制御回路へ電源を供給し、かつ前記補助電源電圧が一定値よりも低い場合には、前記第1の直流電圧から前記制御回路へ電源を供給するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記クランプ電圧可変回路は、前記クランプ電圧を、前記補助電源電圧の電圧値が低くなるほど前記クランプ電圧が小さくなるように、可変するよう構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記クランプ電圧可変回路は、前記クランプ電圧を、前記発振周波数低下信号を出力するまでは最大値に固定し、前記発振周波数低下信号を出力すると同時に、前記補助電源電圧の電圧値が低くなるほど前記クランプ電圧が小さくなるように、可変するよう構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記クランプ電圧可変回路は、前記クランプ電圧を、その最小値が最大値の10%程度になるように、可変するよう構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記発振器は、その発振周波数を、前記発振周波数低下信号が入力された場合には通常時の略1/5程度とするよう構成したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
  7. 前記スイッチング素子と前記制御回路は、同一半導体基板上に形成し、前記第1の直流電圧と前記スイッチング素子間の2つの接続端子と、前記制御回路と前記補助電源電圧間の接続端子と、前記制御回路からの電源電圧出力端子と、前記制御回路への前記フィードバック信号の入力端子と、前記クランプ電圧可変回路への前記補助電源電圧の入力端子とを有する半導体装置として構成したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスイッチング電源装置。
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