JP4830000B2 - 内燃機関の流体通路構造 - Google Patents
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Description
また、本発明は、オイルクーラのメンテナンスが容易な内燃機関の流体通路構造を提供することを第2の課題とする。
つまり、オイルクーラのフランジ部付近のデッドスペースに冷媒用の配管を配置するので、内燃機関の周囲にある配管や補機やフレーム等との干渉を避けることができ、レイアウトの自由度の向上と、内燃機関の小型化を図ることができる。
また、オイルパンの表面に凹溝を形成するとともに、オイルクーラのフランジ部に貫通孔を設けるという簡易な構成で実現できるので、冷媒通路と潤滑油通路の両方を内燃機関の内部に形成する場合に比較して、構造が簡素化でき、内燃機関の大型化や製造コストの増大を抑制することができる。
また、コア部を加工する必要がほとんどないので、特殊なコア部を作成する必要がなく、材料コストを抑制することができる。
また、かかる構成によれば、オイルパンに形成した窪部にオイルクーラを配置するので、前記した作用効果に加えて、オイルパンからの着脱が容易となり、メンテナンス性が向上する。また、オイルパンの下方には通常他部品を配置しないので、オイルクーラが他部品と干渉することがなく、オイルクーラの容量を大きくすることが容易である。
つまり、オイルクーラのフランジ部付近のデッドスペースに潤滑油用の配管を配置するので、内燃機関の周囲にある配管や補機やフレーム等との干渉を避けることができ、レイアウトの自由度の向上と、内燃機関の小型化を図ることができる。
また、オイルパンの表面に凹溝を形成するとともに、オイルクーラのフランジ部に貫通孔を設けるという簡易な構成で実現できるので、冷媒通路と潤滑油通路の両方を内燃機関の内部に形成する場合に比較して、構造が簡素化でき、内燃機関の大型化や製造コストの増大を抑制することができる。
また、コア部を加工する必要がほとんどないので、特殊なコア部を作成する必要がなく、材料コストを抑制することができる。
また、かかる構成によれば、オイルパンに形成した窪部にオイルクーラを配置するので、前記した作用効果に加えて、オイルパンからの着脱が容易となり、メンテナンス性が向上する。また、オイルパンの下方には通常他部品を配置しないので、オイルクーラが他部品と干渉することがなく、オイルクーラの容量を大きくすることが容易である。
図1に示すように、内燃機関本体を構成する自動車用のエンジン1は、下から順に、オイルパン2と、シリンダブロック3と、シリンダヘッド4と、シリンダヘッドカバー5と、を積み重ねて構成されている。エンジン1の側面には、チェーンケース6が設けられており、図示しないタイミングチェーン等を覆っている。
上側オイルパン21の底部21aの一部には、下側オイルパン22を取り付けるための取付開口部21bが突設されている。下側オイルパン22は、この取付開口部21bを塞ぐように取り付けられている。
上側オイルパン21の底部21aの取付開口部21bが形成されていない部分は、オイルパン2の底部の一部を窪ませた窪部23を形成している。本実施形態では、この窪部23の底部(すなわち、上側オイルパン21の底部21a)には、潤滑油を冷却するためのオイルクーラ7が設置されている。
また、チェーンケース6の下端側には、潤滑油を濾過するためのオイルフィルタ10が配置されている。
オイルクーラ7は、冷媒である冷却水で潤滑油を冷却する装置であり、図2に示すように、板状のベースプレート71と、ベースプレート71の下側に取り付けられた略直方体形状のコア部72と、を備えている。ベースプレート71は後記するコア部72の蓋としての機能を有している。ベースプレート71の周縁部は、コア部72の側方から張り出しており、この張り出した部分がフランジ部73を構成している。フランジ部73には、複数のボルト穴73aが形成されている。オイルクーラ7は、図3に示すように、複数のボルト穴73aに複数のボルトBを挿通して上側オイルパン21の底部21aに締結することで、オイルパン2の窪部23に固定されている。
また、ベースプレート71のフランジ部73よりも内側の部分には、コア部72に冷却水を導入し、又は、コア部72から冷却水を導出するための一対の冷却水用連通口75a,75bが貫通形成されている。一対の冷却水用連通口75a,75bは、コア部72の他方の対角線上にある一対の角部に対応する位置にそれぞれ配置されている。
また、ベースプレート71のフランジ部73には、オイルパン2側の面からコア部72側の面に貫通する一対の貫通孔76a,76bが形成されている。貫通孔76a,76bは、冷却水用連通口75a,75bの近傍にそれぞれ形成されている。
冷却水流通部72bの上流側は、導入側の冷却水用連通口75aと接続されており、冷却水流通部72bの下流側は、導出側の冷却水用連通口75bと接続されている。
同様に、図示は省略するが、潤滑油流通部72aの上流側は、導入側の潤滑油用連通口74aと接続されており、潤滑油流通部72aの下流側は、導出側の潤滑油用連通口74bと接続されている。
このような構造によって、潤滑油流通部72aを流通する潤滑油の熱が、隔壁79を介して冷却水流通部72bを流通する冷却水に伝熱され、潤滑油が冷却されることとなる。なお、コア部72の構造は特に限定されるものではないことは勿論である。
つまり、図4に示すように、第1の凹溝25aは、上側オイルパン21の底部21aにオイルクーラ7を取り付けた状態において、導入側の冷却水用連通口75aと貫通孔76aとを接続している。また、第2の凹溝25bは、導出側の冷却水用連通口75bと貫通孔76bとを接続している。
これらのシール溝27a,27b,28a,28bには、潤滑油又は冷却水の漏出を防止するためのシール部材S(図4参照)が設置される。
ちなみに、上側オイルパン21の底部21aには、オイルクーラ7のフランジ部73に形成された複数のボルト穴73aに対応する位置に、ボルトBと螺合する雌ねじ穴21cが形成されている。
図5及び図6に示すように、チェーンケース6の側壁63のシリンダブロック3側の面には、オイルポンプケース9が取り付けられている。オイルポンプケース9には、オイルポンプ8が取り付けられたクランクシャフト31の一方の端部31aを挿通するための挿通穴93aが形成されている。
そして、この挿通穴93aの周囲であって、側壁63とオイルポンプケース9(図1参照)との間には、オイルポンプ8の設置空間を兼ねる潤滑油通路となるオイルポンプ用流通部94が形成されている。また、側壁63とオイルポンプケース9との間には、オイルパン2の内部とオイルフィルタ10の流入口とを連通する潤滑油通路となるオイルフィルタ用流通部95が形成されている。さらに、側壁63とオイルポンプケース9との間には、オイルフィルタ10の流出口とメインギャラリ36とを連通する潤滑油通路となるメインギャラリ用流通部97が形成されている。
また、上側オイルパン21の底部21aの上面には、オイルクーラ7の導出側の潤滑油用連通口74bとオイルフィルタ用流通部95の流入口95aとを連結する第2のオイルパン一体型潤滑油通路部212が、上側オイルパン21と一体に形成されている。なお、第2のオイルパン一体型潤滑油通路部212は、第1のオイルパン一体型潤滑油通路部211と略同様の構造を呈しているので、図示を省略する。
また、第1のオイルパン一体型潤滑油通路部211及び第2のオイルパン一体型潤滑油通路部212は、例えば、上側オイルパン21を鋳造成形する際に、中空部となる部分に中子を配置することで、上側オイルパン21と一体形成されている。
なお、第1のオイルパン一体型潤滑油通路部211は、図6及び図4に示すように、第2の凹溝25bを跨いで形成されている。
コア部72の潤滑油流通部72aに流入した潤滑油は、冷却水流通部72bを流通する冷却水に熱を奪い取られて冷却された後、潤滑油用連通口74bと、第2のオイルパン一体型潤滑油通路部212と、オイルフィルタ用流通部95と、を通って、オイルフィルタ10に流入する。オイルフィルタ10で不純物を濾過された潤滑油は、メインギャラリ用流通部97を通ってメインギャラリ36に圧送される。
メインギャラリ36に圧送された潤滑油は、エンジン1の各潤滑部に供給され、各潤滑部において摩擦を緩和する。潤滑部に供給された潤滑油は、図示しないドレン用流路等を通ってオイルパン2に還流する。
つまり、オイルクーラ7のフランジ部73付近のデッドスペースに冷却水用のパイプP1,P2が配置されるので、エンジン1の周囲にある配管や補機やフレーム等との干渉を避けることができ、レイアウトの自由度の向上と、内燃機関の小型化を図ることができる。
また、コア部72を加工する必要がほとんどないので、特殊なコア部72を作成する必要がなく、材料コストを抑制することができる。
また、オイルクーラ7のパイプP1,P2が下側オイルパン22の底部より下方に突出しないレイアウトが可能となり、エンジン1のコンパクト化が可能となる。
このようにすれば、冷却水通路や潤滑油通路の構造に応じて、エンジン1の外部からオイルクーラ7に流通させる流体を適宜に変更することができるので、レイアウト性を向上させることができる。
2 オイルパン
21 上側オイルパン
22 下側オイルパン
23 窪部
25a 第1の凹溝
25b 第2の凹溝
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 シリンダヘッドカバー
6 チェーンケース
7 オイルクーラ
71 ベースプレート
72 コア部
72a 潤滑油流通部
72b 冷却水流通部
73 フランジ部
73a ボルト穴
74a,74b 潤滑油用連通口
75a,75b 冷却水用連通口
76a,76b 貫通孔
8 オイルポンプ
9 オイルポンプケース
10 オイルフィルタ
Claims (4)
- 内燃機関本体の下部に設けられ、潤滑油を貯留するオイルパンと、
前記内燃機関本体の各潤滑部に前記オイルパンから吸入した前記潤滑油を送出するオイルポンプと、
前記オイルパンに取り付けられ、前記潤滑油を冷却するオイルクーラと、
前記オイルパンと前記オイルポンプと前記オイルクーラと前記各潤滑部とを接続して前記潤滑油を流通させる潤滑油通路と、
前記オイルクーラに冷媒を供給する冷媒通路と、を備えた内燃機関の流体通路構造であって、
前記オイルクーラは、前記潤滑油が流通する潤滑油流通部と前記冷媒が流通する冷媒流通部との間で熱交換を行うコア部と、前記コア部の前記オイルパン取付側の端部から周囲に張り出すフランジ部と、を有し、
前記コア部の前記オイルパン取付側には、前記潤滑油流通部と前記潤滑油通路とを連通する潤滑油用連通口と、前記冷媒流通部と前記冷媒通路とを連通する冷媒用連通口と、が形成され、
前記フランジ部には、前記オイルパン取付側の面から前記コア部側の面へ貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔には、前記コア部側の面から、前記冷媒通路が配管され、
前記オイルクーラが取り付けられる前記オイルパンの表面には、前記冷媒用連通口と、前記貫通孔とを接続する凹溝が形成され、
前記オイルパンの底部には、前記底部の一部を窪ませた窪部が形成され、
前記窪部には、前記凹溝が形成されているとともに、前記オイルクーラが前記フランジ部を介して取り付けられていることを特徴とする内燃機関の流体通路構造。 - 内燃機関本体の下部に設けられ、潤滑油を貯留するオイルパンと、
前記内燃機関本体の各潤滑部に前記オイルパンから吸入した前記潤滑油を送出するオイルポンプと、
前記オイルパンに取り付けられ、前記潤滑油を冷却するオイルクーラと、
前記オイルパンと前記オイルポンプと前記オイルクーラと前記各潤滑部とを接続して前記潤滑油を流通させる潤滑油通路と、
前記オイルクーラに冷媒を供給する冷媒通路と、を備えた内燃機関の流体通路構造であって、
前記オイルクーラは、前記潤滑油が流通する潤滑油流通部と前記冷媒が流通する冷媒流通部との間で熱交換を行うコア部と、前記コア部の前記オイルパン取付側の端部から周囲に張り出すフランジ部と、を有し、
前記コア部の前記オイルパン取付側には、前記潤滑油流通部と前記潤滑油通路とを連通する潤滑油用連通口と、前記冷媒流通部と前記冷媒通路とを連通する冷媒用連通口と、が形成され、
前記フランジ部には、前記オイルパン取付側の面から前記コア部側の面へ貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔には、前記コア部側の面から、前記潤滑油通路が配管され、
前記オイルクーラが取り付けられる前記オイルパンの表面には、前記潤滑油用連通口と、前記貫通孔とを接続する凹溝が形成され、
前記オイルパンの底部には、前記底部の一部を窪ませた窪部が形成され、
前記窪部には、前記凹溝が形成されているとともに、前記オイルクーラが前記フランジ部を介して取り付けられていることを特徴とする内燃機関の流体通路構造。 - 前記オイルパンは、上側オイルパンと、前記上側オイルパンの下方に取り付けられた下側オイルパンとから構成され、
前記オイルクーラは、前記上側オイルパンの底部であって、前記下側オイルパンが取り付けられていない部分に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の流体通路構造。 - 前記潤滑油用連通口は、前記オイルパンの内部に一体形成されたオイルパン一体型潤滑油通路部に接続され、
前記オイルパン一体型潤滑油通路部は、前記オイルパンの一端側に取り付けられたケース部材内に設けられた前記オイルポンプと前記潤滑油用連通口とを接続していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の流体通路構造。
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